JP4097354B2 - 複層板状断熱材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複層板状断熱材の内部材と表裏面材との分別回収を可能とし、リサイクル性に優れる複層板状断熱材に関する。
【0002】
【技術背景】
近年、建築分野においては、建造物の気密性を高め、外気側と屋内側との間での熱の移行を低減するため、建造物の壁構造に断熱材を用いることが一般的である。
【0003】
複層板状断熱材は、断熱効果を有する内部材と、本来、内部材にはない機能、例えば防水、防湿、遮音、防火といった機能を有する表面材または/および裏面材(以下、これらの一方または双方を単に「面材」と記すこともある)とを複合させてパネルとした付加価値の高い断熱材で、従来から広く一般に使われている。
この複層板状断熱材に使用される内部材は、通常、接着剤や粘着材などによって、面材の全面に強固に接着しているのが普通である。
【0004】
ところで、建造物の解体時に発生する上記断熱材の廃材や、断熱施工に際して発生する裁断屑等は、これまでは、産業廃棄物として焼却するか、埋め立て材として使用することが一般的であった。
近年になって、地球環境の保全の観点から、リサイクルすべきという社会的要望の高まりを受け、これら断熱材についても再利用が強く望まれている。
【0005】
複層板状断熱材のうち、紙を面材としているものは、そのまま粉砕してチップ化し、クッション材などとしてリサイクルしている事例もある。
しかし、例えば、塩化ビニル樹脂などを素材の一部としている軟質面材、あるいは鉄板や木板などの硬質面材を用いているものは、そのまま粉砕することは不可能であり、しかもこれら面材と内部材とは、上記のように強固に接着しているため、これらを分別することも極めて困難であり、リサイクルへの道を閉ざしている。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記のような問題を解決するために提案されたものであって、その目的とするところは、用済み複層板状断熱材をリサイクルする際に、面材と内部材とを簡易に分別できる複層板状断熱材を提供することにある。
【0007】
【発明の概要】
本発明者らは、上記目的を達成するため、種々検討を行った結果、複層板状断熱材の面材と内部材との接着強さを、特定のはく離接着強さを有するものとすることにより、施工する際に問題となることがなく、かつ分別回収が容易となることを見出した。
【0008】
本発明は、この知見に基づくもので、内部材と表面材または/および裏面材とが、それらの界面において接着されてなる複層板状断熱材において、
内部材が合成樹脂発泡体からなる芯材を含んでなり、
表面材または裏面材の少なくとも一方が金属材を含んでなり、
前記接着が、ホットメルト型接着剤で、またはホットメルト型接着剤と他の接着剤との併用により、線状または/および点状での接着であり、該接着剤の塗布量が、複層板状断熱材の周囲部付近においては10〜250g/m 2 の範囲内で、内部においては1〜100g/m 2 の範囲内であって、周囲部付近が内部より高密度であり、
内部材と表面材との接着強さ、または/および内部材と裏面材との接着強さが、はく離接着強さで0.01〜3.0kgf/cm2であることを特徴とする。
【0009】
本発明において、表面材や裏面材としては、分別を必要とする素材であって、表面材または裏面材の少なくとも一方が金属材(例えば、金属箔、金属蒸着フィルム、またはこれらの複合品、鉄,銅,アルミニウム,ステンレススチールなどの金属板)を含んでなるものである。このとき、もう一方は、プラスチックフィルム、合板、石膏ボード,ケイ酸カルシウム板などの無機材料板、発泡プラスチック、その他各種の無機断熱板などであってもよい。
【0010】
内部材としては、硬質ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、フェノールフォームなどの合成樹脂発泡体を使用し、またこれらに紙のようなリサイクルの際に特に分別が必要とならない面材を付したもの(例えば、合成樹脂発泡体からなる芯材にクラフト紙、炭酸カルシウム混抄紙などの紙または不織布面材など、あるいはこれらとPP、PEなどの防湿樹脂との複層面材を付したものなど)も使用できる。
【0011】
これらの表裏面材と内部材との接着強さは、表裏面材と内部材との分別回収のみを考慮すれば、建造物の解体時(すなわち、建造物の建造から数十年経過した時)などに、できるだけ小さいことが、表裏面材と内部材との剥離が容易となるため望ましく、本断熱材を建造物に施工する際には、作業性の面から、強固であることが望ましい。
本発明では、下記の測定方法によるはく離接着強さの値で0.01〜3.0kgf/cm2とする。
【0012】
〔はく離接着強さの測定方法〕
複層板状断熱材から、接着部分を中心にして200mm×200mmの試験片を切り出し、該試験片の表裏両面に適当な接着剤(例えば、コニシ社製商品名“クイックメンダー”)を全面均一に塗布し、表裏面に測定治具(2つの同形状の断面T字型板《以下、T字型板》からなり、底板が200mm(縦)×200mm(横)×20mm(厚さ)、垂直板が200mm(長さ)×100mm(高さ)×5mm(厚さ)の寸法を有し、両T字型板の間に断熱材を接着挟持し、両垂直板を適当な引張試験機で引っ張る方式のもの)を圧着させ強固に接着させる。
この試験片を圧着した治具を、5トン以上の能力を有するテンション引張測定機(例えば、A&D社製の万能型引張試験機UCP−5T)にセットし、上記治具の垂直板の引張荷重(kgf)と、そのときの試験片の変形量(cm)とを時間毎に測定し、試験片の降伏時あるいは破壊時のこれらの値を測定する。測定は3回行い、その平均値を採用する。
この平均値(引張荷重)を試験片の面積(200mm×200mm)で除した値を、仮はく離接着強度(kgf/cm2)とする。
一方、複層板状断熱材の接着剤塗布密度を試験片の接着剤塗布密度で除した値を密度換算値とし、上記の仮はく離接着強度に密度換算値を乗じた値を、はく離接着強さとする。
なお、本発明の複層断熱材の場合の接着剤塗布密度は、接着剤を塗布する箇所が内部材と表面材または/および裏面材の界面であるため、接着剤が塗布されている面積を内部材の表面または裏面の面積で除した値とする。
【0013】
0.01kgf/cm2未満では、本断熱材を建造物に施工する際や取扱いの際に、表裏面材と内部材とが剥がれてしまい、3.0kgf/cm2を超えると、表裏面材と内部材とを手作業で剥離(ピールアップ)することが困難になる。
【0014】
上記範囲のはく離接着強さを有していれば、手作業により充分に剥離することができるのみならず、複層板状断熱材は、通常、表または/および裏の面材と内部材とを貫通して、建物の躯体にビスや釘などで保持されるので、該断熱材使用時は、各面材と内部材とが密着されることになり、建造物に断熱材として、数十年に渡っての使用中に、不都合な事態が発生することもない。
【0015】
表裏面材と内部材との接着は、これら両材料の種類(接着性)に応じて、ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリアミド、合成ゴムなどのホットメルト型の接着剤;エチレン酢酸ビニルエマルジョン系、アクリルエマルジョン系、ウレタン系、エポキシ系、ゴム系、ユリア系、メラミン系、レゾルシノール系、フェノール系などの接着剤;を適宜選択して、表裏面材と内部材の双方またはいずれか一方の被接着面に塗布し、通常の接着作業と同様に、両者を被接着面同士で圧接させて行われる。
【0016】
上記のはく離接着強さを確実に得るために、また内部材と表面材または裏面材とを剥離し易くして分別を容易にするとともに、接着剤の養生期間を短縮してパネルの生産性を高めるために、上記のようなホットメルト型の接着剤で、またはこのホットメルト型の接着剤と上記のような他の接着剤とを併用して、線状または/および点状に接着する。
【0017】
線状に接着する場合は、限定するものではないが、一般には、大略平行な複数本の連続線状で行う。
各線の幅や間隔も、特に限定するものではなく、内部材と表裏面材の寸法、重量、要求強度、種類、あるいは使用する接着剤の種類や、接着剤塗布装置などに応じて、適宜選定されるが、上記のはく離接着強さを確実に得るためには、一般に、幅は2〜200mm程度とすることが好ましく、各線間の間隔はこの範囲の幅において5〜600mm程度とすることが好ましい。
【0018】
点状に接着する場合は、限定するものではないが、一般には、大略平行な複数本の断続線状で行うか、ランダムな点状で行う。
各点の大きさや間隔も、特に限定するものではなく、上記の線状接着の場合と同様、内部材と表裏面材の寸法、重量、要求強度、種類、あるいは使用する接着剤の種類や、接着剤塗布装置などに応じて、適宜選定されるが、上記のはく離接着強さを確実に得るためには、一般に、大きさは面積で5〜10000mm2程度とすることが好ましく、各点間の間隔はこの範囲の大きさにおいて平均で3〜300mm程度とすることが好ましい。
【0019】
線状接着、点状接着のいずれにおいても、本発明の複層板状断熱材の周囲部付近は、接着箇所を高密度とし、内部は接着箇所を低密度とすることが、表裏面材と内部材との剥離性を良好にする上で必要である。
【0020】
接着剤の塗布量は、上記の線状・点状接着の場合と同様、内部材と表裏面材の寸法、重量、要求強度、種類、使用する接着剤の種類、接着剤塗布装置などに応じて、適宜選定されるが、上記のはく離接着強さを確実に得る上で、平均で1〜250g/m2程度とし、また上記の接着箇所の密度を考慮すれば、周囲部付近で10〜250g/m2程度、内部で1〜100g/m2程度とする。
なお、この塗布量は、塗布量を実接着面積で除した値ではなく、パネル単位面積当たりの塗布量である。
【0021】
表裏面材は内部材の片側に(すなわち、内部材の表面に表面材を、または内部材の裏面に裏面材を)接着してもよいし、両側に(すなわち、内部材の表・裏両面に表面材および裏面材をそれぞれ)接着してもよい。
また、内部材と表裏面材とは、両者の被接着面が同じ寸法形状のもの同士を用いて隙間無く接着してもよいし、内部材として、被接着面が表裏面材の被接着面より小さめのものを、複数枚(個)用い、1枚の表裏面材に対して、隙間を設けて複数の内部材を接着してもよい。
【0022】
以上の構成を有する本発明の複層板状断熱材は、通常の施工方法により、建造物に施工することができる。
また、建造物解体の際に生じる本断熱材の廃材は、表裏面材と内部材との剥離(ピールアップ)が容易に行え、両材の分別回収が実現できる。
なお、原型および原性質をある程度保持して回収することが可能であれば、それらの材料をそのまま、あるいは簡単な再生処理を施して再利用することもできる。
【0023】
【実施例】
実施例1
クラフト紙が表裏面に積層された硬質ポリウレタンフォーム(30kg/m3)50mm×910mm×2420mmを内部材とし、その表裏両面に、表面材としての鉄板(3.05kg/m2)0.4mm×910mm×2420mmと、裏面材としての合板(6kg/m2)12mm×910mm×2420mmを、ホットメルト型接着剤としてのエチレン酢酸ビニル系接着剤を用いて、次の(1),(2)の要領にて、接着した。
【0024】
(1)の要領:
先ず、図1(a)に示すように、内部材3の裏面に接着剤5を平行な複数本(本例では3本)の連続線状に塗布し、この接着剤5の上に、図示は省略するが、裏面材を載置した後、1組の2本のローラー間を通して圧着し、内部材3の裏面に裏面材を接着した。
この圧着後の各線の幅が30mm、幅方向間隔が420mmとなるようにし、塗布量は50g/m2(全塗布量を内部材3の裏面の面積で除した値)とした。
この後、内部材3の表面に、接着剤5を上記と同様にして塗布し、表面材を接着した。
このときの内部材3の接着剤塗布密度(接着剤が塗布されている面積を内部材3の面積で除した値)は、表・裏面ともに、それぞれ9.5%(cm2/cm2)であった。
【0025】
(2)の要領:
図1(b)に示すように、内部材3の裏面に接着剤5を、ランダムではあるが全体として平行な複数(本例では3列)の断続線状となるように点状に塗布し、上記(1)の要領と同様にして、内部材3の裏面に裏面材を接着した。
この圧着後の各点の大きさが幅15mm、長さが30mm、長さ方向間隔が平均で30mm、幅方向間隔が420mmとなるようにし、塗布量は15g/m2(全塗布量を内部材3の裏面の面積で除した値)とした。
この後、内部材3の表面に、接着剤5を上記と同様にランダムの点状に塗布し、上記(1)の要領と同様にして、内部材3の表面に表面材を接着した。
このときの内部材3の接着剤塗布密度は、表・裏面ともに、それぞれ2.5%(cm2/cm2)であった。
【0026】
図2は、以上の(1),(2)の要領で得た本発明の複層板状断熱材1を断面図で示すものである。
図2中、図1(a),(b)と同一符号は図1(a),(b)と同義であり、2は表面材、4は裏面材をそれぞれ示している。
図2に示すように、本発明の複層板状断熱材1は、内部材3と表裏面材2,4とが接着剤5により部分的に接着された構造となっている。
【0027】
この複層板状断熱材1のはく離接着剤強さは、前述のはく離接着剤強さの測定方法に従って測定し算出した結果、次の通りであった。
(1)の要領の場合、表面材2と内部材3で平均0.24kgf/cm2であり、裏面材4と内部材3で平均0.25kgf/cm2であった。
(2)の要領の場合、表面材2と内部材3で平均0.12kgf/cm2であり、裏面材4と内部材3で平均0.20kgf/cm2であった。
これら複層板状断熱材1は、建造物に施工するに際しては、内部材3と表・裏面材2,4とが剥離することはなかった。
【0028】
また、上記の複層板状断熱材1について、図3に示す要領で、内部材3と表・裏面材2,4との剥離を試みた。
すなわち、先ず作業者Bが内部材3を押さえ、作業者Aが表面材2を手前に引っ張り、次に同じ要領で作業者Aが裏面材4を押さえ、作業者Bが内部材3を手前に引っ張った。
この結果、上記の複層板状断熱材1の表面材2、裏面材4は、内部材3から美麗に剥離することができた。このとき、内部材のフォームとクラフト紙の界面で剥離することはなかった。
【0029】
実施例2
内部材としての板状硬質ポリウレタンフォーム(35kg/m3)30mm×910mm×1820mmの表裏両面に、表面材としてのABSシート(0.95kg/m2)1mm×910mm×1820mmと、裏面材としての鉄板(3.05kg/m2)0.4mm×910mm×1820mmを、ホットメルト型接着剤としてのポリオレフィン系接着剤と、他の接着剤としてのエポキシ系接着剤とを用いて、次の(1),(2)の要領にて、接着した。
【0030】
(1)の要領:
実施例1の(1)の要領で、内部材3の裏面に裏面材4を平行な複数本(本例では3列×2種=6本)の連続線状で接着した。
このとき、ホットメルト型接着剤5と他の接着剤6とは、図5に示すように交互に塗布し、各線5,6の幅はそれぞれ15mmとし、各線5,6の間隔は40mm、各線5,6を1組とすると幅方向の組間隔は420mm、塗布量はホットメルト型接着剤5と他の接着剤6とも30g/m2(全塗布量を内部材3の裏面の面積で除した値)とした。
この後、上記の要領と同様にして、内部材3の表面に表面材2を接着した。
このときの内部材3の接着剤塗布密度は、表・裏面ともに、それぞれ9.5%(cm2/cm2)であった。
【0031】
(2)の要領:
実施例1の(2)の要領で、内部材3の裏面に裏面材4を、ランダムではあるが全体として平行な複数(本例では3列×2種=6本)の断続線状となるような点状で接着した。
このとき、ホットメルト型接着剤5と他の接着剤6とは、上記(1)の要領の場合と同様、図5に類似の断続線状に塗布し、各点の大きさは幅15mm、長さ30mm、長さ方向の間隔は平均30mm、各線5,6の間隔は40mm、幅方向の組間隔は420mm、塗布量はホットメルト型接着剤5と他の接着剤6ともそれぞれ15g/m2(全塗布量を内部材3の裏面の面積で除した値)とした。
この後、上記の要領と同様にして、内部材3の表面に表面材2を接着した。
このときの内部材3の接着剤塗布密度は、表・裏面ともに、それぞれ4.9%(cm2/cm2)であった。
【0032】
はく離接着強さは、次の通りであった。
(1)の要領の場合、表面材2と内部材3で平均0.18kgf/cm2であり、裏面材4と内部材3で平均0.26kgf/cm2であった。
(2)の要領の場合、表面材2と内部材3で平均0.09kgf/cm2であり、裏面材4と内部材3で平均0.12kgf/cm2であった。
【0033】
実施例3
内部材3を50mm×385mm×1820mmの寸法のものを2枚使用し、裏面材4を使用せず、ホットメルト型接着剤5の塗布量を45g/m2(全塗布量を内部材3の表面の面積で除した値)とする以外は、実施例1の(1)の要領で、並列に配置した内部材3および表面材2からなる本発明の複層板状断熱材1を製造した。
この複層板状断熱材1の裏面側から見た平面図を図6(a)に、断面図を図6(b)にそれぞれ示す。
この断熱材1の内部材3と表面材2とのはく離接着強さは、0.21kgf/cm2であった。
【0034】
比較例1
ホットメルト型接着剤5の塗布量を、表面材2との接着の場合は5g/m2(全塗布量を内部材3の表面の面積で除した値)とし、裏面材2との接着の場合は3g/m2(全塗布量を内部材3の裏面の面積で除した値)とする以外は、実施例1の(1)および(2)の要領と同様にして、内部材3と表・裏面材2,4とを接着して、図2に示す断面と同様の断面を有する比較の複層板状断熱材を製造した。
この比較の複層板状断熱材のはく離接着強さを測定したところ、次の通りであった。
(1)の要領の場合、内部材3と表面材2で0.008kgf/cm2であり、内部材3と裏面材4で0.006kgf/cm2であった。
(2)の要領の場合、内部材3と表面材2、内部材3と裏面材4のいずれも0.004kgf/cm2であった。
このように、この比較の複層板状断熱材は、表・裏面材2,4と内部材3とのはく離接着強さが低すぎるため、この断熱材を建造物に施工する際に表裏面材が剥離し、または保管中に湿度の関係で裏面材が変形して裏面材4と内部材3とが剥離してしまい、断熱材として実用できるものではなかった。
【0035】
比較例2
ポリスチレンフォームを内部材とし、ホットメルト型接着剤5(塗布量150g/m2)を、連続線状でも断続線状でもなく、内部材3の表面および裏面の全面に塗布する以外は実施例1の(1)と同様に操作して、比較の複層板状断熱材を製造した。このときの内部材3の接着剤塗布密度は、表・裏面ともに、それぞれ100%(cm2/cm2)であった。
【0036】
この比較の複層板状断熱材は、表・裏面材2,4と内部材3とのはく離接着強さが高く、この断熱材を建造物に施工する際には、表・裏面材2,4と内部材3との剥離はなく、施工作業性は良好であったが、これを図3に示す要領で表・裏面材2,4と内部材3とを剥離しようとしても、表・裏面材2,4と内部材3のはく離接着強さが高すぎる(3.0kgf/cm2を遙に超える)ため、美麗に剥離することができず、表・裏面材2,4側に内部材3が千切れた状態で残存していることが確認された。
【0037】
【発明の効果】
本発明の複層板状断熱材は、面材と内部材のはく離接着強さが、建造物への施工の際に面材と内部材とが剥がれてしまわない程度の強度以上であり、しかも面材と内部材の剥離が困難になる強度以下に定めてある。
このため、本発明の複層板状断熱材は、建造物の施工時および断熱材としての使用中において何ら問題とならず、施工時に発生するカットロスや破材、建造物解体時に発生する廃材を、特別な装置や技術を要することなく、面材と内部材とを容易に剥離することができ、両者の分別回収が可能となり、リサイクル性の優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複層板状断熱材の内部材に接着剤を、線状(a)または点状(b)に塗布した状態を示す平面図である。
【図2】本発明の複層板状断熱材の表裏面材と内部材とを、線状または点状で接着した状態を示す断面図である。
【図3】本発明の複層板状断熱材の表面材と内部材を剥離する際の作業状態を示す図である。
【図4】本発明の複層板状断熱材の表面材と内部材とは線状または点状で接着し、裏面材と内部材とは全面で接着した状態を示す断面図である。
【図5】本発明の複層板状断熱材の内部材に異種の接着剤を、線状に塗布した状態を示す平面図である。
【図6】本発明の複層板状断熱材の、表面材と図1,2とは異なる内部材とを、線状で接着した状態を示す平面図(a)および断面図(b)である。
【符号の説明】
1 複層板状断熱材
2 表面材
3 内部材
4 裏面材
5 ホットメルト型接着剤
6 他の接着剤
A,B 作業者
Claims (1)
- 内部材と、表面材または/および裏面材とが、それらの界面において接着されてなる複層板状断熱材において、
内部材が合成樹脂発泡体からなる芯材を含んでなり、
表面材または裏面材の少なくとも一方が金属材を含んでなり、
前記接着が、ホットメルト型接着剤で、またはホットメルト型接着剤と他の接着剤との併用により、線状または/および点状での接着であり、該接着剤の塗布量が、複層板状断熱材の周囲部付近においては10〜250g/m 2 の範囲内で、内部においては1〜100g/m 2 の範囲内であって、周囲部付近が内部より高密度であり、
内部材と表面材との接着強さ、または/および内部材と裏面材との接着強さが、はく離接着強さで0.01〜3.0kgf/cm2であることを特徴とする複層板状断熱材。
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