JP4097109B2 - スクリーンチェンジャ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクリーンチェンジャに関し、特に、スライドバーの流路に着脱自在に設けるカートリッジを伸縮自在なジャッキで付勢することにより、カートリッジの開口端部とスライドバーの流路開口部とを密合させるための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種のスクリーンチェンジャとしては、例えば、特開平10−244576号公報に開示されている構成を図6として挙げることができる。
すなわち、図6において符号3で示されるものはスクリーン交換装置1のケーシングであり、このケーシング3内の空洞2に着脱自在に設けられたスライダ5には、その外周形状に沿って複数の筒状スクリーン部7が環状に所定角度間隔で設けられ、各筒状スクリーン部7によりスクリーン7Aを構成している。
前記各筒状スクリーン部7は、図7で示されるように、筒状の案内部材7aの外周に多数のメッシュの開口を有するメッシュ体7bよりなり、第1樹脂通孔9から供給された押出機からの溶融樹脂はこのスクリーン7Aの各筒状スクリーン部7の外側から内側へ貫通し、この貫通する時に各筒状スクリーン部7の表面の各開口に不要物が係合して捕促される。
このスクリーン7Aを通過した溶融樹脂は、合流部11を経て第2樹脂通孔10から外部(ダイス側)へ送られてストランド化される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスクリーンは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、スクリーンの各筒状スクリーン部は強固に取付けられていたため、取り外しにくく、異物等で汚れているため、交換作業は容易ではなかった。
また、前述の図6の構成とは別の従来構成として、例えば、図8に示される特公平6−55411号公報に開示されているように、ケーシング3の流路15にカートリッジ20が複数個設けられており、このカートリッジ20はフラットプレート型のスクリーンが用いられていたが、この場合もカートリッジを強固に取付けているため、交換作業は極めて困難であった。
【0004】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、スライドバーの流路に着脱自在に設けるカートリッジを伸縮自在なジャッキで付勢することにより、カートリッジの開口端部とスライドバーの流路開口部とを密合させるようにしたスクリーンチェンジャを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるスクリーンチェンジャは、溶融樹脂中の不要物を除去するための複数の筒状スクリーン部を有するカートリッジを流路に連通した空隙内に円環状に配設してなる一対のスライドバーを用いるようにしたスクリーンチェンジャにおいて、前記スライドバーに形成され前記カートリッジの開口端部を当接させるため、前記空隙に設けられた流路開口部と、前記カートリッジの閉端部と、前記空隙に形成され前記流路開口部と対向する端壁と、前記閉端部と前記端壁との間に着脱自在でかつ伸縮自在なジャッキとを備え、前記ジャッキにより前記カートリッジを前記流路開口部側へ付勢するようにした構成であり、さらに、前記閉端部に形成された皿部と、前記端壁に形成された角孔と、前記ジャッキに設けられ前記角孔と係合するねじ棒と、前記ねじ棒の外周に螺合された筒体とを備え、前記筒体の筒体端部を前記皿部に当接させ、前記筒体を回転させることにより前記ジャッキの長さを可変とした構成である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明によるスクリーンチェンジャの好適な実施の形態について説明する。なお、従来例と同一又は同等部分には同一符号を付して説明する。
図1において符号3で示されるものはスクリーンチェンジャ1のケーシングであり、このケーシング3の溶融樹脂の入口側である第1開口30と出口側である第2開口31との間には、第1流路32及び第2流路33が形成され、各流路32、33には第1、第2空洞34、35が連接されている。
【0007】
前記各空洞34、35内には各々第1、第2スライドバー36、37が設けられ、この各スライドバー36、37には筒状スクリーン部7を有するカートリッジ38が着脱自在でかつ環状に配設され、前記各筒状スクリーン部7はメッシュ状に形成され、外側から内側へ向けて溶融樹脂が通過することができるように構成されていると共に、第1開口30からの溶融樹脂は各スライドバー36、37の各筒状スクリーン部7を経て第2開口31に送られるように構成されている。
【0008】
前記各スライドバー36、37は、図2に示されるように、前記流路32、33を形成する各空隙34、35内においてタイバー40とナット61によって固定されている。
【0009】
前記筒状スクリーン部7を有する筒状のカートリッジ38は、その一方の開口端部41が前記各スライドバー36、37の流路開口部42に当接して互いに密合し、他方の閉端部43には皿部44が形成され、この閉端部43と対向する前記流路32、33である空隙34、35に形成された端壁45には、四角形、六角形等の角孔46が形成されている。
【0010】
前述の閉端部43、皿部44、端壁45及び角孔46の構成は図3において図2の構成を拡大して示している。すなわち、図3において、前記閉端部43と角孔46との間には、その長さが伸縮自在に形成された小型のジャッキ50が介装されており、このジャッキ50のねじ棒51の一端51aは前記皿部44に当接し、その他端51bは前記角孔46内に回転不可能な状態で嵌合されている。
前記ねじ棒51の外周には、筒体52が螺合されており、この筒体52の筒体端部52aは前記皿部44に摺接自在に当接している。前記筒体52を回転させることにより、ねじ棒51はつれ回りしない構成であるため筒体52がねじ棒51に対して直線移動し、結果的にジャッキ50の長さが可変となると共に、このジャッキ50の筒体52により筒状スクリーン部7を有するカートリッジ38が流路開口部42に付勢されて前記開口端部41が流路開口部42に密合される。
【0011】
前記カートリッジ38は、前記ジャッキ50による付勢を解除することにより、ジャッキ50が外されると共に、カートリッジ38もスライドバー36、37から極めて簡単に取り外すことができる。
なお、図3に示される構成においては、カートリッジ38の左側にジャッキ50が配設されているため、第1開口30からの溶融樹脂が第2開口31へ流れる場合、矢印にて示される方向へ流れるため、ジャッキ50の近辺にも溶融樹脂が滞留するが、図5に示されるように、カートリッジ38の向きを図3とは逆向きとし、溶融樹脂の流れ逆向きとすることによってジャッキ50が位置する部分の溶融樹脂の滞留を防止することができる。
【0012】
次に、動作について述べる。まず、図1の第2流路33を図示しない弁で閉じ、第1流路32のみ開とした状態で、第1開口30から供給された溶融樹脂は第1流路32を経て、第1スライドバー36の各カートリッジ38の筒状スクリーン部7で異物等の不要物が除去され、第2開口31から図示しないダイスへ送られる。
また、一方の第1スライドバー36の各筒状スクリーン部7が不要物で詰まり濾過限度状態となると、前記弁を第1流路32から第2流路33に切換えることにより、第2スライドバー37の各筒状スクリーン部7による溶融樹脂の濾過が行われる。
前述の状態で、溶融樹脂の流れを止めた第1スライドバー36を取り外し、前述のようにジャッキ50の長さを縮小させて各カートリッジ38を取り外して清掃又は新しいカートリッジ38と交換する。
以上の動作を各スライドバー36、37の各カートリッジ38に対して切換動作を行うことにより、常に連続して溶融樹脂の濾過を行うことができる。なお、前述の形態では、スライドバー36、37を一対用いる場合について述べたが、単体のみで用いる場合にも適用できることは述べるまでもないことである。
【0013】
【発明の効果】
本発明によるスクリーンチェンジャは、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。すなわち、筒状スクリーン部を有するカートリッジをジャッキで付勢することにより、カートリッジと流路開口部との密合を行っているため、ジャッキの付勢を解除してジャッキを取り外すことにより、簡単にカートリッジをスライドバーの流路すなわち空隙から容易に取り外すことができ、この種のカートリッジの交換及び清掃の作業を従来よりも大幅に簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスクリーンチェンジャを示す概略構成図である。
【図2】図1の要部の縦断面図である。
【図3】図2の一部の拡大断面図である。
【図4】図3の要部の取り外し状態を示す拡大断面図である。
【図5】図3の他の形態を示す断面図である。
【図6】従来のスクリーンチェンジャを示す構成図である。
【図7】図6の要部を示す拡大平面図である。
【図8】他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
7 筒状スクリーン部
32、33 流路
34、35 空隙
36、37 スライドバー
38 カートリッジ
41 開口端部
42 流路開口部
43 閉端部
44 皿部
45 端壁
46 角孔
50 ジャッキ
51 ねじ棒
52 筒体
52a 筒体端部

Claims (2)

  1. 溶融樹脂中の不要物を除去するための複数の筒状スクリーン部(7)を有するカートリッジ(38)を流路(32,33)に連通した空隙(34,35)内に円環状に配設してなる一対のスライドバー(36,37)を用いるようにしたスクリーンチェンジャにおいて、前記スライドバー(36,37)に形成され前記カートリッジ(38)の開口端部(41)を当接させるため前記空隙(34,35)に設けられた流路開口部(42)と、前記カートリッジ(38)の閉端部(43)と、前記空隙(34,35)に形成され前記流路開口部(42)と対向する端壁(45)と、前記閉端部(43)と前記端壁(45)との間に着脱自在でかつ伸縮自在なジャッキ(50)とを備え、前記ジャッキ(50)により前記カートリッジ(38)を前記流路開口部(42)側へ付勢するように構成したことを特徴とするスクリーンチェンジャ。
  2. 前記閉端部(43)に形成された皿部(44)と、前記端壁(45)に形成された角孔(46)と、前記ジャッキ(50)に設けられ前記角孔(46)と係合するねじ棒(51)と、前記ねじ棒(51)の外周に螺合された筒体(52)とを備え、前記筒体(52)の筒体端部(52a)を前記皿部(44)に当接させ、前記筒体(52)を回転させることにより前記ジャッキ(50)の長さを可変としたことを特徴とする請求項1記載のスクリーンチェンジャ。
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