JP4096547B2 - 直流−直流変換回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流−直流変換回路(以下、DC−DCコンバータという)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的な自励式の絶縁型DC−DCコンバータでは、変成器(以下、トランスという)と、トランスの一次巻線に接続されたスイッチング素子と、そのスイッチング素子に並列のコンデンサまたは/及び浮遊容量と、トランスの二次巻線に接続された整流平滑回路と、フィードバック機構とを備えている。
このようなDC−DCコンバータでは、スイッチング素子をオン、オフする。スイッチング素子がオンしているオン期間に、直流電源からトランスの一次巻線に電流が流れ、トランスにエネルギーが蓄積される。整流平滑回路は、トランスに蓄積されたエネルギーから直流電圧を生成して負荷に供給する。フィードバック機構は、負荷に供給する直流電圧を検出してフィードバックをかけることにより、スイッチング素子のオン期間を制御し、負荷に与える直流電圧を所定値にする。
【0003】
図9(a),(b)は、スイッチング素子にかかる電圧10と一次巻線に流れる電流20とを示す波形図である。
スイッチング素子がオンしているオン期間11には、スイッチング素子にかかる電圧10は0[V]となり、トランスの一次巻線に電源電圧が印加され、トランスの一次巻線に流れる電流20は増加する。スイッチング素子がオフすると、その一次巻線に流れていた電流20は遮断される。電流20が遮断すると、二次巻線の電圧と、一次巻線及び二次巻線の巻数比とで決まるフライバック電圧が一次巻線に発生し、スイッチング素子にかかる電圧10は、直流電源の電圧13よりも高くなる。そして、トランスに蓄積されたエネルギーが整流平滑回路を介して放出される。エネルギーの放出期間12が完了したときには、スイッチング素子に並列のコンデンサに蓄積されたエネルギーがトランスの一次巻線に移り、スイッチング素子にかかる電圧10は低下する。コンデンサとトランスの一次巻線との間のエネルギーのやりとりで、トランスの一次巻線には、リンギング電圧14が発生する。このコンデンサが無い場合には、スナバ回路等に設けられたコンデンサ或いは浮遊容量等とトランスの一次巻線との間のエネルギーのやりとりで、リンギング電圧14は発生する。
【0004】
リンギング電圧14が発生すると、スイッチング素子にリンギング電圧14がかかり、スイッチング素子の電圧が直流電源の電圧13よりも低下する。リンギング電圧14は、本来脈動する電圧であり、スイッチング素子の電圧10を、図9(a)に一点鎖線で示すように脈動させる。そこで、従来のDC−DCコンバータでは、リンギング電圧14の最初の谷の部分を検出し、最初の谷間を検出したタイミングでスイッチング素子をターンオンしている。このようなタイミングでスイッチング素子をターンオンすることにより、スイッチング素子にかかる電圧10が低い時に、スイッチング素子をターンオンでき、スイッチングロスの少ない効率のよいDC−DCコンバータとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のDC−DCコンバータでは、リンギング電圧14によってスイッチング素子にかかる電圧が低くなったときを検出して、スイッチング素子をターンオンするので、スイッチングロスを低く抑制することができる。ところが、例えば負荷が変動して軽くなると、フィードバック機構により、図9(a)のスイッチング素子をオンさせている期間11が短くなり、トランスに蓄えられるエネルギーも少なくなる。これにより、スイッチング素子がオン、オフしてから再びオンするまでの間隔が短くなり、単位時間当たりにターンオンする回数(周波数)が増加する。そのため、トータルのスイッチングロスが増加するという課題があった。
【0006】
本発明は、負荷が軽、重に関わらずスイッチングロスの少ない、DC−DCのコンバータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るDC−DCコンバータは、一次巻線と該一次巻線に電磁結合する二次巻線とを有する変成器と、オンしているときに直流電源から前記一次巻線に電流を流し、オフしたときに該電流を遮断するスイッチング素子と、前記スイッチング素子をオンさせる開始手段と、前記スイッチング素子をオフさせるオフ手段と、前記二次巻線に接続され、前記一次巻線に電流が流れた期間に前記変成器に蓄えられたエネルギーに対する整流及び平滑化を行って直流電圧を生成し、該直流電圧を負荷に供給する直流化手段と、前記スイッチング素子をオフさせたことにより前記変成器から前記エネルギーが放出された後に前記一次巻線又は前記二次巻線に発生する脈動信号を抽出する脈動信号抽出手段と、抵抗値により前記脈動信号を電気信号に変換する脈動信号変換手段と、前記脈動信号を前記電気信号に変換する前記抵抗値を、時間の経過に伴って変化させる係数変換手段と、基準値と前記電気信号との比較により、該電気信号の値が該基準値に到達したことを検出する到達検出手段と、前記到達検出手段で前記電気信号の値が前記基準値に到達したことを検出したときに前記スイッチング素子をオンさせて、前記変成器に発生している前記脈動信号を止めると共に前記一次巻線に再び前記電流を流すオン手段とを、備えることを特徴とする。
【0008】
このような構成を採用したことにより、スイッチング素子がオンした期間にトランスの一次巻線に電流が流れてエネルギー蓄積され、スイッチング素子がオフしている期間に、トランスからエネルギーが放出される。直流化手段により、トランスから放出されるエネルギーが直流電圧に変換されて負荷に与えられる。また、トランスからのエネルギーの放出が終了したときには、一次巻線又は二次巻線に脈動信号が発生する。この脈動信号が脈動信号抽出手段によって抽出され、脈動信号変換手段により、脈動信号が電気信号に変換される。到達検出手段により、電気信号と基準値とが比較され、電気信号の値が基準値に到達したことが検出される。電気信号の値が基準値になったことが検出されたときに、オン手段によりスイッチング素子がオンされ、一次巻線に電流が再び流れるとともに脈動信号の発生が停止される。
【0009】
ここで、脈動信号は脈動をくり返すので、繰り返して所望値に到達する。これに対し、脈動信号が電気信号に変換される際に用いられる抵抗値が、時間の経過に伴って変化するので、脈動信号が同じ値でも、それに対応する電気信号の値は、時間の経過に伴って変化する。このような電気信号が基準値に到達したときに、脈動信号の発生を停止することにより、例えば、脈動信号が最初に所望値になった以外のタイミングで脈動信号を停止することが可能になる。
【0010】
なお、前記脈動信号抽出手段を、前記一次巻線又は二次巻線に電磁結合する補助巻線で構成してもよい。
また、前記脈動信号変換手段は、前記補助巻線の出力電流の一部又はすべてを流して電圧に変換する可変抵抗器を備え、前記係数変換手段は、前記可変抵抗器の抵抗値を時間の経過に伴って変化させる手段を備えてもよい。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るDC−DCコンバータは、コイルと、オンしているときに直流電源から前記コイルに電流を流し、オフしたときに該電流を遮断するスイッチング素子と、前記スイッチング素子をオンさせる開始手段と、前記スイッチング素子をオフさせるオフ手段と、前記電流が流れた期間に前記コイルに蓄えられたエネルギーに対する整流及び平滑化を行って直流電圧を生成し、該直流電圧を負荷に供給する直流化手段と、前記スイッチング素子をオフさせたことにより前記コイルからエネルギーが放出された後に該コイルに発生する脈動信号を抽出する脈動信号抽出手段と、抵抗値により前記脈動信号を電気信号に変換する脈動信号変換手段と、前記脈動信号を前記電気信号に変換する前記抵抗値を、時間の経過に伴って変化させる係数変換手段と、基準値と前記電気信号との比較により、該電気信号の値が該基準値に到達したことを検出する到達検出手段と、前記到達検出手段で前記電気信号の値が前記基準値に到達したことを検出したときに前記スイッチング素子をオンさせて、前記コイルに発生している前記脈動信号を止めると共に該コイルに再び前記電流を流すオン手段とを、備えることを特徴とする。
【0012】
このような構成を採用したことにより、スイッチング素子がオンした期間にコイルに電流が流れ、スイッチング素子がオフしたときに、コイルからエネルギーが放出される。直流化手段により、コイルから放出されるエネルギーが直流電圧に変換されて負荷に与えられる。また、コイルからのエネルギーの放出が終了したときには、コイルが脈動信号を発生する。この脈動信号が脈動信号抽出手段によって抽出され、脈動信号変換手段により、脈動信号が電気信号に変換される。到達検出手段により、電気信号と基準値とが比較され、電気信号が基準値に到達したことが検出され、このタイミングで、オン手段によりスイッチング素子がオンされ、コイルに電流が再び流れるとともに脈動信号の発生が停止される。
【0013】
ここで、脈動信号は脈動をくり返すので、繰り返して所望値に到達する。これに対し、脈動信号が電気信号に変換される抵抗値が、時間の経過に伴って変化するので、脈動信号が同じ値でも、それに対応する電気信号の値は、時間の経過に伴って変化する。このような電気信号の値が基準値に到達したときに、脈動信号の発生を停止することにより、例えば、脈動信号が最初に所望値になった以外のタイミングで脈動信号を停止することが可能になる
【0014】
なお、本発明の第2の観点に係るDC−DCコンバータにおいて、前記脈動信号抽出手段を、前記コイルに電磁結合する補助巻線で構成してもよい。
また、前記脈動信号変換手段は、前記補助巻線の出力電流の一部又はすべてを流して電圧に変換する可変抵抗器を備え、前記係数変換手段は、前記可変抵抗器の抵抗値を時間の経過に伴って変化させる手段を備えてもよい。
さらに、本発明の第1及び第2の観点に係るDC−DCコンバータにおいて、前記係数変換手段は、前記スイッチング素子がオン又はオフしたタイミングから、或いは該スイッチング素子がオンしてから前記脈動信号が発生するまでの任意の時点からの時間の経過に伴って前記抵抗値を変化させる手段を備えてもよい。
また、前記係数変換手段は、時間の経過に伴って前記電気信号の値が高くなる方向に前記抵抗値を変化させてもよい。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係るDC−DCコンバータは、一次巻線と該一次巻線に電磁結合する二次巻線とを有する変成器と、オンしているときに直流電源から前記一次巻線に電流を流し、オフしたときに該電流を遮断するスイッチング素子と、前記スイッチング素子をオンさせる開始手段と、前記スイッチング素子をオフさせるオフ手段と、前記二次巻線に接続され、前記一次巻線に電流が流れた期間に前記変成器に蓄えられたエネルギーに対する整流及び平滑化を行って直流電圧を生成し、該直流電圧を負荷に供給する直流化手段と、前記スイッチング素子をオフさせたことにより前記変成器から前記エネルギーが放出された後に前記一次巻線又は前記二次巻線に発生する脈動信号を抽出する脈動信号抽出手段と、前記脈動信号を電気信号に変換する脈動信号変換手段と、時間の経過に伴って変化する参照値を発生する参照値発生手段と、前記参照値と前記電気信号との比較により、該電気信号の値が該参照値に到達したことを検出する到達検出手段と、前記到達検出手段で前記電気信号が前記参照値に到達したことを検出したときに前記スイッチング素子をオンさせて、前記変成器に発生している前記脈動信号を止めると共に前記一次巻線に再び前記電流を流すオン手段とを、備えることを特徴とする。
【0016】
このような構成を採用したことにより、スイッチング素子がオンした期間にトランスの一次巻線に電流が流れてエネルギー蓄積され、スイッチング素子がオフしている期間に、トランスからエネルギーが放出される。直流化手段により、トランスから放出されるエネルギーが直流電圧に変換されて負荷に与えられる。また、トランスからのエネルギーの放出が終了したときには、一次巻線又は二次巻線に脈動信号が発生する。この脈動信号が脈動信号抽出手段によって抽出され、脈動信号変換手段により、脈動信号が電気信号に変換される。到達検出手段により、電気信号と参照値とが比較され、電気信号の値が参照値に到達したことが検出される。電気信号の値が参照値になったことが検出されたときに、オン手段によりスイッチング素子がオンされ、一次巻線に電流が再び流れるとともに脈動信号の発生が停止される。
【0017】
ここで、脈動信号は脈動をくり返すので、繰り返して所望値に到達する。これに対し、電気信号と比較される参照値が、時間の経過に伴って変化するので、電気信号の値が参照値に到達したときに、脈動信号の発生を停止することにより、例えば、脈動信号が最初に所望値になった以外のタイミングで脈動信号を停止することが可能になる。
【0018】
なお、前記脈動信号抽出手段を、前記一次巻線又は二次巻線に電磁結合する補助巻線で構成し、前記脈動信号変換手段は、前記補助巻線の出力信号の一部又はすべてを流して電圧に変換する抵抗器を備えてもよい。
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の第4の観点のDC−DCコンバータは、コイルと、オンしているときに直流電源から前記コイルに電流を流し、オフしたときに該電流を遮断するスイッチング素子と、前記スイッチング素子をオンさせる開始手段と、前記スイッチング素子をオフさせるオフ手段と、前記電流が流れた期間に前記コイルに蓄えられたエネルギーに対する整流及び平滑化を行って直流電圧を生成し、該直流電圧を負荷に供給する直流化手段と、前記スイッチング素子をオフさせたことにより前記コイルから前記エネルギーが放出された後に該コイルに発生する脈動信号を抽出する脈動信号抽出手段と、前記脈動信号を電気信号に変換する脈動信号変換手段と、時間の経過に伴って変化する参照値を発生する参照値発生手段と、前記参照値と前記電気信号との比較により、該電気信号の値が該参照値に到達したことを検出する到達検出手段と、前記到達検出手段で前記電気信号の値が前記参照値に到達したことを検出したときに前記スイッチング素子をオンさせて、前記コイルに発生している前記脈動信号を止めると共に該コイルに再び前記電流を流すオン手段とを、備えることを特徴とする。
【0020】
このような構成を採用したことにより、脈動信号は脈動をくり返すので、繰り返して所望値に到達する。これに対し、電気信号と比較される参照値が、時間の経過に伴って変化するので、電気信号の値が参照値に到達したときに、脈動信号の発生を停止することにより、例えば、脈動信号が最初に所望値になった以外のタイミングで脈動信号を停止することが可能になる。
【0021】
なお、前記脈動信号抽出手段を、前記コイルに電磁結合する補助巻線で構成し、前記脈動信号変換手段は、前記補助巻線の出力信号の一部又はすべてを流して電圧に変換する抵抗器を備えてもよい。
【0022】
また、本発明の第3及び第4の観点に係るDC−DCコンバータにおいて、前記参照値発生手段は、前記スイッチング素子がオン又はオフしたタイミングから、或いは該スイッチング素子がオンしてから前記脈動信号が発生するまでの任意の時点からの時間の経過に伴って前記参照値を変化させてもよい。
【0023】
さらに、本発明の第1〜第4の観点に係るDC−DCコンバータにおいて、前記開始手段を、前記スイッチング素子をオンさせるオン信号を所定の周期で発生する発振器で構成し、前記所定の周期内に前記到達検出手段で前記電気信号の値が前記基準値或いは参照値に到達したことを検出できないときには、前記オン手段の代わりに前記開始手段で発生する前記オン信号で前記スイッチング素子をオンさせてもよい。
また、前記到達検出手段で前記電気信号の値が前記基準値又は参照値に到達したことを検出できないときに、前記オン手段の代わりに強制的に前記スイッチング素子をオンさせる強制オン手段を、さらに備えてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るDC−DCコンバータの構成を示す図である。
このDC−DCコンバータは、フライバック型コンバータであり、直流電源31の正極に一次巻線32aの一端が接続されたトランス32と、トランス32の二次巻線32bの一端にアノードが接続されたダイオード33と、コンデンサ34と、フィードバック制御回路35と、スイッチング素子であるNチャネル型MOSトランジスタ(以下、NMOSという)36と、一次巻線32a或いは二次巻線32bに電磁結合する補助巻線37と、発振器38と、フォトカプラ39とを、備えている。
【0030】
ダイオード33のカソードと二次巻線32bの他端との間に、コンデンサ34と、フィードバック制御回路35とが、並列に接続されている。コンデンサ34は、ダイオード33が出力する電圧を平滑化して直流電圧に変換するものであり、コンデンサ34の両電極がプラス出力端子Tpとマイナス出力端子Tnとにそれぞれ接続されている。このプラス出力端子Tpとマイナス出力端子Tnとの間に、図示しない負荷が接続される。
【0031】
トランス32の一次巻線32aの他端に、NMOS36のドレインが接続されている。NMOS36がターンオンすると、直流電源31から一次巻線32aに電流Idが流れる。NMOS36がターンオフすると、直流電源31から1次巻線32aに流れていた電流Idが、遮断される。
【0032】
このDC−DCコンバータには、NMOS36がターンオンするタイミングを制御するために補助巻線37と発振器38とが設けられるとともに、NMOS36をターンオフさせるタイミングを制御するためのフォトカップ39とが、設けられている。
【0033】
補助巻線37は、一次巻線32a及び二次巻線32bに磁心を介して電磁結合し、一次巻線32a及び二次巻線32bで発生するリンギング電圧を抽出する。発振器38は、後述するリンギング電圧の周波数よりも低い周波数で発振してパルスを発生する機能を持っている。フォトカップラ39は、一端がプラス出力端子Tpに接続された発光素子39aと、受光素子39bとを有している。発光素子39aの他端がフィードバック制御回路35に接続されている。受光素子39bの一端は、駆動用電源39cに接続されている。
【0034】
フィードバック制御回路35は、負荷に与える直流電圧と基準電圧との差分電圧に相当する電流を発光素子39aに流して、差分電圧に応じて発光素子39aを発光させる。
【0035】
発振器38の出力端子は、2入力ORゲート40の一方の入力端子に接続されている。ORゲート40の出力端子は、リセットセットフリップフロップ(以下、RS−FFという)41のセット端子(S)に接続されている。RS−FF41の正相出力端子(Q)が、発振器38に接続されるとともに、ドライバ42を介してNMOS36のゲートに接続されている。発振器38は、RS−FF41から高レベル(以下、“H”という)が入力されるとリセットされる。NMOS36は、ゲートに“H”が入力されるとターンオンし、低レベル(以下、“L”という)が入力されるとターンオフする。
【0036】
補助巻線37の一端には、ダイオード43のアノードが接続されている。補助巻線37の他端は、直流電源31の負極に接続されている。ダイオード43のカソードには、抵抗44の一端が接続され、抵抗44の他端には、抵抗45の一端と可変抵抗46の一端とが接続されている。抵抗45の他端が直流電源31の負極に接続され、可変抵抗46の他端は、直流電源31の負極に接続されている。
【0037】
抵抗44,抵抗45及び可変抵抗46の接続ノードが、比較回路47の一方の入力端子(+)に接続されている。比較回路47の他方の入力端子(−)には、基準電源47aから基準電圧が与えられている。比較回路47の出力端子には、ワンショットパルス発生回路48が接続されている。ワンショットパルス発生回路48は、比較回路47の出力信号が“H”に遷移したときに、ワンショットのパルスを生成する回路である。ワンショットパルス発生回路48の出力端子が、ORゲート40の他方の入力端子に接続されている。
【0038】
RS−FF41の逆相出力端子(Q/)は、正相出力端子(Q)とは相補的な信号を出力する端子であり、この逆相出力端子(Q/)が時定数回路49に接続されている。時定数回路49の出力側には、関数変換回路50が接続されている。
時定数回路49は、逆相出力端子(Q/)が“H”を出力したときに、固有の時定数で減衰する信号を発生するものである。関数変換回路50は、時定数回路49の出力信号を、目的とする電圧に変換する回路であり、例えば時定数回路49の出力信号を、時間の経過に伴ってリニアに変化する電圧に変換する。この電圧が可変抵抗46の抵抗値を変化させる。
【0039】
NMOS36のドレインとソースとの間には、コンデンサ51が接続され、NMOS36のソースと直流電源31の負極との間には、NMOS36に流れる電流を電圧に変換する抵抗52が接続されている。
抵抗52とNMOS36のソースとの接続ノードには、抵抗53の一端が接続されている。抵抗53の他端は、コンデンサ54の一方の電極と比較回路55の一方の入力端子(+)とに接続されている。コンデンサ54は抵抗53と相俟ってローパスフィルタを形成するものであり、コンデンサ54の他端が、直流電源31の負極に接続されている。
【0040】
一方、フォトカプラ39の受光素子39bの出力端子は、抵抗57を介して比較回路55の入力端子(+)に接続されている。フォトカプラ39は、抵抗57で電圧降下した信号を比較回路55に与える。即ち、比較回路55の入力端子(+)には、抵抗52側から与えられた信号と、フォトカプラ39側から与えられた信号とが合成されて与えられる。
【0041】
比較回路55の他方の入力端子(−)には、直流電源55aから基準電圧が入力されている。比較回路55の出力端子は、RS−FF41のリセット端子(R)に接続されている。
【0042】
次に、このDC−DCコンバータの動作を、図2(a)〜(k)を参照しつつ、説明する。
図2(a)〜(k)は、図1の各部の波形を示すタイムチャートである。
NMOS36のスイッチングを開始する前には、図2(a)のように、NMOS36のドレイン・ソース間電圧Vdsは、直流電源31が発生する直流電圧Vin[V]になっている。発振器38が起動し、その発振器38が発生するパルスが、ORゲート40の一方の入力端子に入力されると、ORゲート40の出力信号が“H”になり、RS−FF41は、正相出力端子(Q)から“H”の信号を出力する。RS−FF41の出力信号が“H”になると、発振器38はリセットされる。
【0043】
また、RS−FF41の“H”の出力信号は、ドライバ42を介してNMOS36のゲートにも入力される。ゲートの電圧が“H”になることで、図2(c)のように、NMOS36のゲート・ソース間電圧Vgsが“H”になり、ターンオンする。NMOS36がターンオンすると、NMOS36のドレイン・ソース間電圧Vdsは、図2(a)に示すように0[V]になり、トランス32の一次巻線32aに電源電圧Vinが印加され、一次巻線32aには、図2(b)のように増加する電流Idが流れる。つまり、発振器38、ORゲート40及びRS−FF41が、スイッチング開始時にNMOS36をオンさせる開始手段となる。
【0044】
一次巻線32aにNMOS36を介して直列に接続された抵抗52は、電流Idに対応する電圧を発生する。抵抗53とコンデンサ54とは、抵抗52で発生する電圧のローパスフィルタとして機能する。
一次巻線32aに流れる電流Idは、時間の経過に伴って増加し、その結果、抵抗52で生成された電圧信号のレベルが高くなり、図2(g)のように、比較回路55の入力端子(+)の電圧が上昇する。比較回路55の入力端子(+)の電圧が、直流電源55aが発生する基準電圧ES1[V]に到達すると、比較回路55の出力信号が、図2(h)のように“L”から“H”に変化する。
【0045】
比較回路55の出力信号が“H”になると、RS−FF41がリセットされ、RS−FF41は正相出力端子(Q)から“L”を出力するとともに、逆相出力端子(Q/)から“H”を出力する。これにより、NMOS36がターンオフし、電流Idが遮断され、比較回路55の出力信号も、“L”に戻る。
【0046】
なお、NMOS36のドレインとソースとの間に接続されたコンデンサ51は、NMOS36のターンオフ時に充電し、NMOS36のドレイン・ソース間電圧が急激に高くなることを防止する。これにより、NMOS36の電荷蓄積効果に起因してオフ後にNMOS36に流れる電流と電圧の積を減じ、電力損失を抑制する。また、コンデンサ51は、ターンオフ時のノイズ、つまり、サージ電圧も抑制する。このコンデンサ51のキャパシタンスまたは/及び浮遊容量とトランス32の一次巻線32aのインダクタンスとでリンギング電圧の周波数が設定される。
【0047】
一次巻線32aに電流Idが流れている期間に、トランス32にはエネルギーが蓄えられている。電流Idが遮断されることにより、二次巻線32bに接続されたダイオード33に順方向電圧が印加され、ダイオード33が導通してトランス32からのエネルギーの放出が開始される。コンデンサ34は、二次巻線32bに発生した電圧を平滑化して図示しない負荷に供給する。即ち、ダイオード33及びコンデンサ34は、トランス32に蓄積されたエネルギーを直流電圧化して負荷に与える直流化手段になる。
【0048】
フィードバック制御回路35は、負荷に与える直流電圧を図示しない基準電圧と比較し、これらの電圧の差分に相当する電流をフォトカプラ39の発光素子39aに流して発光素子39aを発光させる。フォトカプラ39の受光素子39bは、受光した光に応じた導通状態になり、電流を抵抗57に流して比較回路55の入力端子(+)の電圧を変化させる。即ち、フィードバック制御回路35からの帰還信号が、比較回路55の入力端子(+)の電圧に加算される。
【0049】
NMOS36がオフしている期間に、トランス32のエネルギーの放出により、NMOS36のドレイン・ソース間電圧VdsがVin[V]に降下する。電圧Vin[V]に降下した後、リンギング電圧が一次巻線32a及び二次巻線32bに発生し、NMOS36のドレイン・ソース間にも掛かる。リンギング電圧は、脈動する脈動信号であり、最初は降下し、その後に上昇して電圧の谷間が形成される。
【0050】
補助巻線37は、リンギング電圧を抽出する。補助巻線37にアノードが接続されたダイオード43は、リンギング電圧を整流する。抵抗44,45及び可変抵抗46は、リンギング電圧を電圧信号に変換する脈動信号変換手段であり、ダイオード43が出力するリンギング電圧を分圧し、リンギング電圧に対応する電圧信号を、比較回路47の入力端子(+)に与える。比較回路47の入力端子(+)には、リンギング電圧の脈動の中心よりも低い部分が、逆相になってかかる。
【0051】
比較回路47の入力端子(+)の電圧が、例えばリンギング電圧の最初の谷間に相当する電圧のために上昇し、図2(d)のように、基準電圧ES2に到達すると、比較回路47は、図2(e)のように“H”を出力する。即ち、比較回路47は、リンギング電圧が所望値に到達したことを検出する到達検出手段として動作する。ワンショットパルス発生器48は、比較回路47が“H”を出力したタイミングで、図2(f)のように、パルスを形成して出力する。
【0052】
ワンショットパルス発生器48が出力したパルスが、ORゲート40に入力され、RS−FF41がセットされる。RS−FF41がセットされて正相出力端子(Q)から“H”を出力すると、再び、NMOS36がターンオンし、トランス32の一次巻線32aに、再び電流Idが流れ始める。このとき、リンギング電圧の発生は停止する。即ち、ワンショットパルス発生器48は、NMOS36を再度オンさせる手段となるとともに、脈動信号の発生を停止する停止手段となる。以下、同様の処理が繰り返される。ここで、発振器38の出力するパルスがNMOS36をオンさせるのは最初だけで、以降は、ワンショットパルス発生器48が出力するパルスにより、NMOS36がオンする。(但し、RS−FF41がリセットされてからワンショットパルス発生器48かパルスを出力するまでの時間が、発振器38のパルス発生周期よりも長い場合には、以降も発振器38の出力するパルスにより、NMOS36がオンする。)
【0053】
プラス出力端子Tpとマイナス出力端子Tnに接続されている図示しない負荷の特性が変動し、負荷が軽くなると(軽負荷時)、フィードバック制御回路35が発光素子39aに流す電流が、負荷が重い場合(重負荷時)よりも増加し、比較回路55の入力端子(+)の電圧を上昇させる。
【0054】
比較回路55の入力端子(+)の電圧が高くなっていると、比較回路55の入力端子(+)の電圧がES1[V]になるのまでの時間が、図2(g)のように短縮され、一次巻線32aに流れる総電流量が減じられる。よって、トランス32に蓄えられるエネルギーも減じられる。そのため、エネルギーの放出期間も短くなり、NMOS36をスイッチングする周期が短くなり、スイッチングロスが増加することが予測される。このようなスイッチングロスの増加を防止するために、時定数回路49及び関数変換回路50は、次のように動作する。
【0055】
RS−FF41がリセットされて逆相出力端子(Q/)から“H”を出力したときに、時定数回路49はその逆相出力端子(Q/)から“H”を入力して活性化し、図2(j)のように、固有の時定数で単調減少する電圧を発生する。関数変換回路50は、時定数回路49の出力信号を図2(k)のようにリニアにして、可変抵抗46に与える。これにより、可変抵抗46の抵抗値が、NMOS36がターンオフしてからの時間の経過に伴って大きくなり、比較回路47の入力端子(+)の電圧を時間の経過に伴って上昇させる。このようにすることで、比較回路47の入力端子(+)に現れるリンギング電圧の谷間の電圧が、NMOS36がターンオフしてからの時間の経過に伴って大きくなる。よって、比較回路47でリンギング電圧が所望値に到達したと検出するのが、リンギング電圧における最初の谷間ではなく、例えば2番目の谷間になる。従って、NMOS36をターンオンさせる間隔が延び、NMOS36で発生するスイッチングロスの増加が抑制される。
【0056】
比較回路47が、リンギング電圧が所望値に到達したこと検出するときのリンギング電圧の谷間は、負荷の軽・重によって決まる。負荷が軽いほど、後の谷間になる。一方、リンギング電圧は、発生してからの時間の経過に伴って減衰する。そのため、負荷が極端に軽い時には、比較回路47で、リンギング電圧が所望値に到達したと検出できないことがある。
【0057】
この場合には、発振器38からパルスが出力され、NMOS36がオンする。発振器38がハルスを出力する周期を十分長くしておけば、スイッチングロスが増加することはない。これにより、NMOS36が発振器38の周期に同期して繰り返しオン、オフされる。
【0058】
以上のように、本実施形態のDC−DCコンバータでは、時定数回路49及び関数変換回路50により、可変抵抗46の抵抗値を変化させることにより、リンギング電圧を電圧信号に変換する際の変換係数を、NMOS36のターンオフからの時間の経過に伴って変化させるので、リンギング電圧の最初以外の谷間で、リンギング電圧が所望値になったことを検出するようになる。そのため、負荷が軽い場合でも、NMOS36をオンさせる間隔が伸ばせ、スイッチングロスやスイッチングノイズの増加を抑制できる。
【0059】
[第2の実施形態]
図3は、本発明の第2の実施形態に係るDC−DCコンバータの構成を示す図である。
このDC−DCコンバータは、第1の実施形態と同様に、直流電源61の正極に一次巻線62aの一端が接続されたトランス62と、トランス62の二次巻線62bの一端にアノードが接続されたダイオード63と、コンデンサ64と、フィードバック制御回路65と、スイッチング素子であるNMOS66と、補助巻線67と、発振器68と、フォトカップラ69とを、備えている。
【0060】
ダイオード63のカソードと二次巻線62bの他端との間にコンデンサ64が接続されるとともに、フィードバック制御回路65が接続されている。コンデンサ64の両電極がプラス出力端子Tpとマイナス出力端子Tnとにそれぞれ接続されている。このプラス出力端子Tpとマイナス出力端子Tnとの間に負荷が接続される。トランス62の一次巻線62aの他端に、NMOS66のドレインが接続されている。
【0061】
補助巻線67は、一次巻線62a及び二次巻線62bに磁心を介して電磁結合し、一次巻線62a及び二次巻線62bで発生するリンギング電圧を抽出する。発振器68は、リンギング電圧の周波数よりも十分低い周波数で発振してパルスを発生する機能を持っている。フォトカップラ69は、一端がプラス出力端子Tpに接続された発光素子69aと、受光素子69bとを有している。発光素子69aの他端がフィードバック制御回路65に接続されている。受光素子69bの一端は、駆動電源69cに接続されている。フィードバック制御回路65は、負荷に与える直流電圧と基準電圧との差分電圧に相当する電流を発光素子69aに流して、差分電圧に応じて発光素子69aを発光させる。
【0062】
発振器68の出力端子は、2入力ORゲート70の一方の入力端子に接続されている。ORゲート70の出力端子は、RS−FF71のセット端子(S)に接続されている。RS−FF71の正相出力端子(Q)が、発振器68に接続されるとともに、ドライバ72を介してNMOS66のゲートに接続されている。発振器68は、RS−FF71から“H”が入力されるとリセットされる。
【0063】
補助巻線67の一端には、ダイオード73のアノードが接続されている。補助巻線67の他端は、直流電源61の負極に接続されている。ダイオード73のカソードには抵抗74の一端が接続され、抵抗74の他端には、抵抗75の一端が接続されている。抵抗75の他端が直流電源61の負極に接続されている。
抵抗74及び抵抗75の接続ノードが、比較回路77の入力端子(+)に接続されている。比較回路77の入力端子(−)には、可変直流電源77aで発生する基準電圧ES2が与えられている。比較回路77の出力端子には、ワンショットパルス発生回路78が接続されている。ワンショットパルス発生回路78の出力端子が、ORゲート70の他方の入力端子に接続されている。
【0064】
RS−FF71の逆相出力端子(Q/)は、時定数回路79に接続されている。時定数回路79の出力側には、関数変換回路80が接続されている。関数変換回路80は、可変直流電源77aに接続され、可変直流電源77aで発生する基準電圧ES2を変化させる。即ち、このDC−DCコンバータには、第1の実施形態の可変抵抗46に対応する素子が無く、その代わり可変直流電源77aが設けられている。
【0065】
NMOS66のドレインとソースとの間には、第1の実施形態と同様にコンデンサ81が接続され、NMOS66のソースと直流電源61の負極との間には、NMOS66に流れる電流を電圧に変換する抵抗82が接続されている。
【0066】
抵抗82とNMOS66のソースとの接続ノードには、第1の実施形態と同様に、抵抗83の一端が接続されている。抵抗83の他端は、コンデンサ84の一方の電極と比較回路85の一方の入力端子(+)とに接続されている。コンデンサ84は抵抗83と相俟ってローパスフィルタを形成するものであり、コンデンサ84の他端が、直流電源61の負極に接続されている。
【0067】
一方、フォトカプラ69の受光素子69bの出力端子は、抵抗87を介して比較回路85の入力端子(+)に接続されている。比較回路85の他方の入力端子(−)には、直流電源85aから基準電圧ES1が入力されている。比較回路85の出力端子は、第1の実施形態と同様にRS−FF71のリセット端子(R)に接続されている。
【0068】
次に、図3のDC−DCコンバータの動作を図4(a)〜(k)を参照しつつ、説明する。
図4(a)〜(k)は、図3のDC−DCコンバータの各部の波形を示すタイムチャートである。
NMOS66のスイッチングを開始する前には、図4(a)のように、NMOS66のドレイン・ソース間電圧Vdsは、直流電源61が発生する直流電圧Vin[V]になっている。発振器68が発生するパルスが、ORゲート70の一方の入力端子に入力されると、ORゲート70の出力信号が“H”になり、RS−FF71は、正相出力端子(Q)から“H”の信号を出力する。
【0069】
RS−FF71の出力信号が“H”になると、発振器68はリセットされる。また、RS−FF71の“H”の出力信号は、ドライバ72を介してNMOS66のゲートにも入力される。ゲートの電圧が“H”になることで、図4(c)のように、NMOS66のゲート・ソース間電圧Vgsが“H”になり、NMOS66がターンオンする。以下、NMOS66がターンオフするまでは、第1の実施形態と同様に動作する。
【0070】
NMOS66がオンして一次巻線62aに電流Idが流れている期間に、トランス62にはエネルギーが蓄えられている。NMOS66がターンオフして電流Idが遮断されることにより、二次巻線62bに接続されたダイオード63に順方向電圧が印加され、ダイオード63が導通してトランス62からのエネルギーの放出が開始される。コンデンサ64は、二次巻線62bに発生した電圧を平滑化して図示しない負荷に供給する。
【0071】
フィードバック制御回路65は、負荷に与える直流電圧と図示しない基準電圧との間の差分電圧に相当する電流をフォトカプラ69の発光素子69aに流して発光素子69aを発光させる。フォトカプラ69の受光素子69bは、受光した光に応じた導通状態になり、電流を抵抗87に流して比較回路85の入力端子(+)の電圧を変化させる。即ち、フィードバック制御回路65からの帰還信号が、比較回路85の正相入力端子(+)電圧に加算される。
【0072】
NMOS66がオフしている期間に、トランス62のエネルギーの放出が終了し、NMOS66のドレイン・ソース間電圧Vdsが電圧Vinに降下した後、リンギング電圧が一次巻線62a及び二次巻線62bに発生する。リンギング電圧は、NMOS66のドレイン・ソース間にも掛かる。リンギング電圧は、脈動する脈動信号であり、最初は降下し、その後に上昇して電圧の谷間が形成される。
【0073】
補助巻線67は、リンギング電圧を抽出し、ダイオード73がリンギング電圧を半波整流する。抵抗74,75は、ダイオード73の出力するリンギング電圧を電圧信号化して、比較回路77の入力端子(+)に与える。比較回路77の入力端子(+)には、リンギング電圧の脈動の中心よりも低い部分が、逆相になってかかる。
【0074】
一方、リセットされたRS−FF71は、逆相出力端子(Q/)から“H”の出力信号を時定数回路79に与える。時定数回路79は、固有の時定数を持ち、“H”の信号が与えられたときから、その時定数に応じて減衰する信号を発生する。関数変換回路80は、時定数回路79の出力信号をリニアな信号に変換し、可変直流電源77aに与える。これにより、可変直流電源77aは、NMOS66がオフされた時点からの時間の経過に伴って電圧値が低下する基準電圧ES2を発生して、比較回路77の入力端子(−)に与える。
【0075】
比較回路77の入力端子(+)が、リンギング電圧のために上昇し、図4(d)のように基準電圧ES2に到達すると、比較回路77は、リンギング電圧が所望値に到達したことを検出し、図4(e)のように、“H”を出力する。即ち、比較回路77は、第1の実施形態と同様に、リンギング電圧が所望値に到達したことを検出する到達検出手段として動作する。ワンショットパルス発生器78は、比較回路77が、“H”を出力したタイミングで、図4(f)のように、パルスを形成して出力する。
【0076】
ワンショットパルス発生器78が出力したパルスが、ORゲート70に入力され、ORゲート70が“H”を出力し、RS−FF71がセットされる。RS−FF71がセットされて正相出力端子(Q)から“H”を出力すると、再び、NMOS66がターンオンし、トランス62の一次巻線62aに、再び電流Idが流れ始める。このとき、リンギング電圧の発生は、停止する。
【0077】
端子Tpと端子Tnに接続されている図示しない負荷の特性が変動し、負荷が軽くなると(軽負荷時)、フィードバック制御回路65が発光素子69aに流す電流が、負荷が重い場合(重負荷時)よりも増加し、比較回路85の入力端子(+)の電圧を上昇させる。
【0078】
比較回路85の入力端子(+)の電圧が高くなると、比較回路85の出力信号が“L”から“H”に変化するまでの時間が図4(g)のように短縮され、一次巻線62aに流れる総電流量が減じられる。よって、トランス62からのエネルギーの放出期間も短くなり、スイッチングロスが増加することが予測される。
しかしながら、基準電圧ES2がNMOS66がターンオフしてからの時間の経過に伴って低くなるので、比較回路77が、リンギング電圧が所望値に到達したことを検出するのが、リンギング電圧における最初の谷間ではなく、例えば2番目の谷間になる。従って、NMOS66をターンオンさせる間隔が延び、NMOS66で発生するスイッチングロスの増加が抑制される。
【0079】
一方、リンギング電圧は、発生してからの時間の経過に伴って減衰する。そのため、負荷が極端に軽い時には、比較回路77で、リンギング電圧が所望値に到達しないことがある。
【0080】
この場合でも、発振器68からパルスが出力され、NMOS66がオンする。発振器68がパルスを出力する周期を十分長くしておけば、スイッチングロスが増加することはない。これにより、NMOS66が発振器68の周期に同期して繰り返しオン、オフされる。また、時定数回路79及び関数変換回路80が、可変直流電源77aで発生させる電圧を0[V]にするまでの時間を、発振器68がパルスを出力する間隔よりも短くしておけば、比較回路77でリング電圧を検出できないときでも、可変直流電源77aの発生電圧が0[V]になった時点で比較回路77の出力が“H”になる。よって、時定数回路79及び関数変換回路80が、可変直流電源77aで発生させる電圧を0[V]にするまでの時間を周期とした周波数でNMOS66のスイッチングを繰り返す。
【0081】
以上のような本実施形態では、比較回路77に与える基準電圧ES2を、NMOS66がオンしてから時間の経過に伴って変化させている。そのため、リンギング電圧の最初以外の谷間でも、リンギング電圧が所望値になったことを検出するようになる。よって、負荷が軽い場合でも、第1の実施形態と同様、NMOS66のスイッチング間隔を伸ばすことが可能になり、スイッチングロスの増加及びスイッチングノイズの増加を抑制できる。
【0082】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。その変形例としては、例えば次の(1)〜(3)のようなものがある。
(1) 第1の実施形態及び第2の実施形態では、絶縁型DC−DCコンバータを示したが、本発明は、昇圧チョッパ、降圧チョッパ、反転チョッパ等の種々のDC−DCコンバータに適用できる。その例を以下に示す。
【0083】
図5は、第1の実施形態の変形例に係る昇圧チョッパ型DC−DCコンバータの構成図であり、図6は、第1の実施形態の変形例に係る降圧チョッパ型DC−DCコンバータの構成図であり、図7は、第1の実施形態の変形例に係る反転チョッパ型DC−DCコンバータの構成図である。これらの図5〜図7では、図1,図3と共通する要素に共通の符号を付している。
【0084】
図5のDC−Dコンバータでは、トランス32の代わりに、コイル90が設けられている。コイル90の一端が、直流電源31の正極に接続され、コイル90の他端が、ダイオード33のアノードに接続されている。NMOS36のドレインは、コイル90の他端とダイオード33のアノードとの接続ノードに接続されている。補助巻線37が、コイル90に磁心を介して結合している。他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0085】
図5のDC−DCコンバータでは、NMOS36をターンオンすると、コイル90に電流が流れ、コイル90にエネルギーが蓄えられる。NMOS36をオフしたときに、ダイオード33に順方向電圧が印加され、エネルギーが放出される。コンデンサ34は、ダイオード33の出力電圧を平滑化し、直流電源31の電圧Vinよりも高い電圧を負荷に供給する。他の動作は、第1の実施形態と同様であり、時定数回路49、関数変換回路50により、可変抵抗46の抵抗値が、時間の経過に伴って変化する。そのため、負荷が軽くなっても、NMOS36のオンする間隔が短くならず、NMOS36のスイッチングロスの増加が抑制される。
【0086】
なお、時定数回路49、関数変換回路50で可変抵抗46の抵抗値を、時間の経過に伴って変化させるかわりに、第2の実施形態のように、時定数回路79、関数変換回路80及び可変直流電源77aを設け、可変直流電源77aで発生する基準電圧ES2を時間の経過に伴って変化させてもよい。
【0087】
図6のDC−DCコンバータでは、NMOS36のドレインが直流電源31の正極に接続されている。NMOS36のソースが抵抗52を介してコイル90の一端に接続され、コイル90の他端がコンデンサ34の一方の電極に接続されている。コンデンサ34の他方の電極は、直流電源31の負極に接続されている。ダイオード33のアノードは、直流電源31の負極に接続され、ダイオード33のカソードが、抵抗52とコイル90の一端との接続ノードに接続されている。補助巻線37はコイル90に磁心を介して結合している。他の構成は、第1の実施形態と同様になっている。
【0088】
このDC−DCコンバータでは、NMOS36をターンオンすると、コイル90に電流が流れ、コイル90にエネルギーが蓄えられる。NMOS36をオフしたときに、ダイオード33に順方向電圧が印加され、エネルギーが放出される。コンデンサ34は、ダイオード33の出力電圧を平滑化し、直流電源31の電圧Vinよりも低い電圧を負荷に供給する。他の動作は、第1の実施形態と同様であり、時定数回路49、関数変換回路50により、可変抵抗46の抵抗値が、時間の経過に伴って変化する。そのため、負荷が軽くなっても、NMOS36のオンする間隔が短くならず、NMOS36のスイッチングロスの増加が抑制される。
【0089】
なお、時定数回路49、関数変換回路50で可変抵抗46の抵抗値を、時間の経過に伴って変化させるかわりに、第2の実施形態のように、時定数回路79、関数変換回路80及び可変直流電源77aを設け、可変直流電源77aで発生する基準電圧ES2を時間の経過に伴って変化させてもよい。
【0090】
図7のDC−DCコンバータでは、NMOS36のドレインが直流電源31の正極に接続されている。NMOS36のソースが抵抗52を介してコイル90の一端とダイオード33のカソードとに接続されている。コイル90の他端は、直流電源31の負極に接続されている。ダイオード33のアノードは、コンデンサ34の一方の電極に接続されている。コンデンサ34の他方の電極は、直流電源31の負極に接続されている。補助巻線37は、コイル90に磁心を介して結合している。他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0091】
このDC−DCコンバータでは、NMOS36をターンオンすると、コイル90に電流が流れ、コイル90にエネルギーが蓄えられる。NMOS36をオフしたときに、ダイオード33に順方向電圧が印加され、エネルギーが放出される。コンデンサ34は、ダイオード33の出力電圧を平滑化し、直流電源31の電圧Vinを極性反転した電圧を負荷に供給する。他の動作は、第1の実施形態と同様であり、時定数回路49、関数変換回路50により、可変抵抗46の抵抗値が、時間の経過に伴って変化する。そのため、負荷が軽くなっても、NMOS36のオンする間隔が短くならず、NMOS36のスイッチングロスの増加が抑制される。
【0092】
なお、この図7のDC−DCコンバータにおいても、図5,6のDC−DCコンバータと同様に、経時定数回路49、関数変換回路50で可変抵抗46の抵抗値を、時間の経過に伴って変化させるかわりに、第2の実施形態のように、時定数回路79、関数変換回路80及び可変直流電源77aを設け、可変直流電源77aで発生する基準電圧ES2を時間の経過に伴って変化させてもよい。
【0093】
(2) 関数変換回路50,80は、時定数回路49,79が適当な時定数を有し、時定数回路49,79だけで適切に可変抵抗46の抵抗値或いは基準電圧ES2を変化させることができる場合には、省略してもよい。
【0094】
(3) 図8(a)〜(e)は、時定数回路及び関数変換回路の出力信号のタイミングを説明する図である。
第1及び第2の実施形態では、時定数回路49,79及び関数変換回路50,80が、NMOS36がオフしてからの時間の経過に伴って変化する出力信号を出力し、可変抵抗55の抵抗値や可変直流電源の電圧を、NMOS36がオフしてからの時間の経過に伴って変化させている。しかしながら、これに限定される必要はなく、スイッチング素子のオンからリンギング電圧が発生するまで(t1〜t2)の間の任意の時点から変化させてもよく、例えば図8(b),(c)のように、時定数回路49,79及び関数変換回路50,80が、NMOS36がオンしたタイミングt1からの時間の経過に伴って変化する出力信号を出力してもよい。また、図8(d),(e)のように、リンギング電圧が発生したタイミングt2からの時間の経過に伴って変化する出力信号を出力してもよい。
【0095】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、負荷の軽、重に関わらずスイッチングロスの少ない、DC−DCコンバータを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るDC−DCコンバータの構成を示す図である。
【図2】図1のDC−DCコンバータの各部の波形を示すタイムチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るDC−DCコンバータの構成を示す図である。
【図4】図3のDC−DCコンバータの各部の波形を示すタイムチャートである。
【図5】第1の実施形態の変形例に係る昇圧チョッパ型DC−DCコンバータの構成図である。
【図6】第1の実施形態の変形例に係る降圧チョッパ型DC−DCコンバータの構成図である。
【図7】第1の実施形態の変形例に係る反転チョッパ型DC−DCコンバータの構成図である。
【図8】時定数回路及び関数変換回路の出力信号を示す図である。
【図9】従来のDC−DCコンバータのスイッチング素子にかかる電圧と一次巻線に流れる電流とを示す波形図である。
【符号の説明】
31,61 直流電源
32,62 トランス
33,63 ダイオード
34,64 コンデンサ
35,65 フィードバック制御回路
36,66 NMOS
37,67 補助巻線
38,68 発振器
41,71 RS−FF
44,45,74,75 抵抗
46 可変抵抗
47,55,77,85 比較回路
48,78 ワンショットパルス発生器
49,79 時定数回路
50,80 関数変換回路
77a 可変直流電源
90 コイル
Claims (16)
- 一次巻線と該一次巻線に電磁結合する二次巻線とを有する変成器と、
オンしているときに直流電源から前記一次巻線に電流を流し、オフしたときに該電流を遮断するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子をオンさせる開始手段と、
前記スイッチング素子をオフさせるオフ手段と、
前記二次巻線に接続され、前記一次巻線に電流が流れた期間に前記変成器に蓄えられたエネルギーに対する整流及び平滑化を行って直流電圧を生成し、該直流電圧を負荷に供給する直流化手段と、
前記スイッチング素子をオフさせたことにより前記変成器から前記エネルギーが放出された後に前記一次巻線又は前記二次巻線に発生する脈動信号を抽出する脈動信号抽出手段と、
抵抗値により前記脈動信号を電気信号に変換する脈動信号変換手段と、
前記脈動信号を前記電気信号に変換する前記抵抗値を、時間の経過に伴って変化させる係数変換手段と、
基準値と前記電気信号との比較により、該電気信号の値が該基準値に到達したことを検出する到達検出手段と、
前記到達検出手段で前記電気信号の値が前記基準値に到達したことを検出したときに前記スイッチング素子をオンさせて、前記変成器に発生している前記脈動信号を止めると共に前記一次巻線に再び前記電流を流すオン手段とを、
備えることを特徴とする直流−直流変換回路。 - 前記脈動信号抽出手段を、前記一次巻線又は二次巻線に電磁結合する補助巻線で構成したことを特徴とする請求項1に記載の直流−直流変換回路。
- 前記脈動信号変換手段は、前記補助巻線の出力電流の一部又はすべてを流して電圧に変換する可変抵抗器を備え、
前記係数変換手段は、前記可変抵抗器の抵抗値を時間の経過に伴って変化させる手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の直流−直流変換回路。 - コイルと、
オンしているときに直流電源から前記コイルに電流を流し、オフしたときに該電流を遮断するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子をオンさせる開始手段と、
前記スイッチング素子をオフさせるオフ手段と、
前記電流が流れた期間に前記コイルに蓄えられたエネルギーに対する整流及び平滑化を行って直流電圧を生成し、該直流電圧を負荷に供給する直流化手段と、
前記スイッチング素子をオフさせたことにより前記コイルからエネルギーが放出された後に該コイルに発生する脈動信号を抽出する脈動信号抽出手段と、
抵抗値により前記脈動信号を電気信号に変換する脈動信号変換手段と、
前記脈動信号を前記電気信号に変換する前記抵抗値を、時間の経過に伴って変化させる係数変換手段と、
基準値と前記電気信号との比較により、該電気信号の値が該基準値に到達したことを検出する到達検出手段と、
前記到達検出手段で前記電気信号の値が前記基準値に到達したことを検出したときに前記スイッチング素子をオンさせて、前記コイルに発生している前記脈動信号を止めると共に該コイルに再び前記電流を流すオン手段とを、
備えることを特徴とする直流−直流変換回路。 - 前記脈動信号抽出手段を、前記コイルに電磁結合する補助巻線で構成したことを特徴とする請求項4に記載の直流−直流変換回路。
- 前記脈動信号変換手段は、前記補助巻線の出力電流の一部又はすべてを流して電圧に変換する可変抵抗器を備え、
前記係数変換手段は、前記可変抵抗器の抵抗値を時間の経過に伴って変化させる手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の直流−直流変換回路。 - 前記係数変換手段は、前記スイッチング素子がオン又はオフしたタイミングから、或いは該スイッチング素子がオンしてから前記脈動信号が発生するまでの任意の時点からの時間の経過に伴って前記抵抗値を変化させる手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の直流−直流変換回路。
- 前記係数変換手段は、時間の経過に伴って前記電気信号の値が高くなる方向に前記抵抗値を変化させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の直流−直流変換回路。
- 一次巻線と該一次巻線に電磁結合する二次巻線とを有する変成器と、
オンしているときに直流電源から前記一次巻線に電流を流し、オフしたときに該電流を遮断するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子をオンさせる開始手段と、
前記スイッチング素子をオフさせるオフ手段と、
前記二次巻線に接続され、前記一次巻線に電流が流れた期間に前記変成器に蓄えられたエネルギーに対する整流及び平滑化を行って直流電圧を生成し、該直流電圧を負荷に供給する直流化手段と、
前記スイッチング素子をオフさせたことにより前記変成器から前記エネルギーが放出された後に前記一次巻線又は前記二次巻線に発生する脈動信号を抽出する脈動信号抽出手段と、
前記脈動信号を電気信号に変換する脈動信号変換手段と、
時間の経過に伴って変化する参照値を発生する参照値発生手段と、
前記参照値と前記電気信号との比較により、該電気信号の値が該参照値に到達したことを検出する到達検出手段と、
前記到達検出手段で前記電気信号が前記参照値に到達したことを検出したときに前記スイッチング素子をオンさせて、前記変成器に発生している前記脈動信号を止めると共に前記一次巻線に再び前記電流を流すオン手段とを、
備えることを特徴とする直流−直流変換回路。 - 前記脈動信号抽出手段を、前記一次巻線又は二次巻線に電磁結合する補助巻線で構成し、
前記脈動信号変換手段は、前記補助巻線の出力信号の一部又はすべてを流して電圧に変換する抵抗器を備えることを特徴とする請求項9に記載の直流−直流変換回路。 - コイルと、
オンしているときに直流電源から前記コイルに電流を流し、オフしたときに該電流を遮断するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子をオンさせる開始手段と、
前記スイッチング素子をオフさせるオフ手段と、
前記電流が流れた期間に前記コイルに蓄えられたエネルギーに対する整流及び平滑化を行って直流電圧を生成し、該直流電圧を負荷に供給する直流化手段と、
前記スイッチング素子をオフさせたことにより前記コイルから前記エネルギーが放出された後に該コイルに発生する脈動信号を抽出する脈動信号抽出手段と、
前記脈動信号を電気信号に変換する脈動信号変換手段と、
時間の経過に伴って変化する参照値を発生する参照値発生手段と、
前記参照値と前記電気信号との比較により、該電気信号の値が該参照値に到達したことを検出する到達検出手段と、
前記到達検出手段で前記電気信号の値が前記参照値に到達したことを検出したときに前記スイッチング素子をオンさせて、前記コイルに発生している前記脈動信号を止めると共に該コイルに再び前記電流を流すオン手段とを、
備えることを特徴とする直流−直流変換回路。 - 前記脈動信号抽出手段を、前記コイルに電磁結合する補助巻線で構成し、
前記脈動信号変換手段は、前記補助巻線の出力信号の一部又はすべてを流して電圧に変換する抵抗器を備えることを特徴とする請求項11に記載の直流−直流変換回路。 - 前記参照値発生手段は、前記スイッチング素子がオン又はオフしたタイミングから、或いは該スイッチング素子がオンしてから前記脈動信号が発生するまでの任意の時点からの時間の経過に伴って前記参照値を変化させることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の直流−直流変換回路。
- 前記参照値発生手段は、時間の経過に伴って低くなる前記参照値を発生することを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1項に記載の直流−直流変換回路。
- 前記開始手段を、前記スイッチング素子をオンさせるオン信号を所定の周期で発生する発振器で構成し、
前記所定の周期内に前記到達検出手段で前記電気信号の値が前記基準値或いは参照値に到達したことを検出できないときには、前記オン手段の代わりに前記開始手段で発生する前記オン信号で前記スイッチング素子をオンさせることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の直流−直流変換回路。 - 前記到達検出手段で前記電気信号の値が前記基準値又は参照値に到達したことを検出できないときに、前記オン手段の代わりに強制的に前記スイッチング素子をオンさせる強制オン手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の直流−直流変換回路。
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