JP4095733B2 - 真空圧力制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置で使用される真空圧力制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、半導体製造装置のCVD装置においては、反応室内を減圧状態、すなわち、真空状態に保ちながら、薄膜材料を構成する元素からなる材料ガスを、ウエハー上に供給している。例えば、図16に示すCVD装置においては、真空容器である反応室10内のウエハーに対して、反応室10の入口11から材料ガスを供給するとともに、反応室10の出口12から真空ポンプ13で排気することによって、反応室10内を真空状態に保っている。
【0003】
このとき、反応室10内の真空圧力を一定に保持する必要があるが、その一定値は、種々の条件によって変わり、大気圧又は大気圧に近い低真空から高真空までの広いレンジに渡る。そこで、本出願人は、特許公報第2677536号において、大気圧に近い低真空から高真空までの広いレンジに渡って、真空圧力を精度良く一定に保持できる真空圧力制御システムを開示している。
【0004】
そこで、特許公報第2677536号に記載された真空圧力制御システム(以下、「従来技術の真空圧力制御システム」という)の概要について簡単に説明する。図15に、図16に対する、従来技術の真空圧力制御システムのブロック図を示す。従来技術の真空圧力制御システムは、コントローラ20、空気圧制御部30、操作部40である真空比例開閉弁16、検出部60である真空圧力センサー14、15から構成される。
【0005】
コントローラ20は、インターフェイス回路21、真空圧力制御回路22、シーケンス制御回路23からなる。インターフェイス回路21は、コントローラ20のフロントパネルのボタンを介した現場入力による信号、及び、コントローラ20のバックパネルのコネクタを介した遠隔入力による信号を、真空圧力制御回路22やシーケンス制御回路23などに適した信号に変換するものである。
【0006】
真空圧力制御回路22は、図16の反応室10内の真空圧力に対するフィードバック制御をPID制御で行わせる回路である。シーケンス制御回路23は、インターフェイス回路21から与えられた動作モードに従って、空気圧制御部30内の第1電磁弁34の駆動コイルSV1と第2電磁弁35の駆動コイルSV2とに対し、予め定められた動作をさせる回路である。
【0007】
空気圧制御部30は、位置制御回路31、パルスドライブ回路32、時間開閉動作弁33、第1電磁弁34、第2電磁弁35からなる。位置制御回路31は、真空圧力制御回路22から与えられた弁開度指令値と、真空比例開閉弁16に設けられたポテンショメータ18(「弁開度センサー」に相当するもの)からアンプ19を介して与えられた真空比例開閉弁16の開度とを比較して、真空比例開閉弁16の弁の位置を制御するものである。パルスドライブ回路32は、位置制御回路31からの制御信号に基づいて、時間開閉動作弁33へパルス信号を送信するものである。
【0008】
時間開閉動作弁33は、図示しない給気側比例弁及び排気側比例弁を内蔵するものであって、パルスドライブ回路32からのパルス信号に応じて、給気側比例弁及び排気側比例弁を時間開閉動作させるものであり、第1電磁弁34を介して、真空比例開閉弁16の空気圧シリンダ41(後述する図13、図14参照)内の空気圧力を調整するものである。
【0009】
操作部40である真空比例開閉弁16は、図16について言えば、反応室10から真空ポンプ13までの排気系のコンダクタンスを変化させるものである。図13、図14に真空比例開閉弁16の断面を示す。図に示すように、その中央には、ピストンロッド43が設けられている。そして、ピストンロッド43に対し、真空比例開閉弁16の上部である空気圧シリンダ41内において、ピストン44が固設され、真空比例開閉弁16の下部であるベローズ式ポペット弁42内において、ポペット弁体45が固設されている。従って、空気圧シリンダ41によりポペット弁体45を移動させることができる。
【0010】
この真空比例開閉弁16では、空気圧シリンダ41内に供給ポート18Aを介して圧縮空気が供給されず、空気圧シリンダ41内が排気ポート18Bを介して排気ラインと連通するときは、空気圧シリンダ41内の復帰バネ46による下向きの付勢力がピストン44に作用するので、図13に示すように、ポペット弁体45に設けられたOリング50(「弾性シール部材」に相当する)が弁座47に密接し、真空比例開閉弁16は遮断した状態となる。
【0011】
一方、空気圧シリンダ41内に給気ポート18Aを介して圧縮空気が供給されるときは、空気圧シリンダ41内の復帰バネ46による下向きの付勢力と、空気圧シリンダ41内の圧縮空気による上向きの圧力とがピストン44に同時に作用するので、そのバランスに応じて、図14に示すように、ポペット弁体45は弁座47から離間し、真空比例開閉弁16は開いた状態となる。
【0012】
よって、ポペット弁体45が弁座47から離間する距離は、弁のリフト量として、空気圧シリンダ41に対する圧縮空気の供給と排気で操作することができる。尚、ポペット弁体45が弁座47から離間する距離は、弁のリフト量として、ピストン44に連結されたスライドレバー48を介して、ポテンショメータ18で計測されるものであり、真空比例開閉弁16の開度に相当するものである。
【0013】
検出部である真空圧力センサー14、15は、図16の反応室10内の真空圧力を計測するキャパシタンスマノメータである。ここでは、計測される真空圧力のレンジに応じて、2個のキャパシタンスマノメータを使い分けている。
【0014】
このような構成を持つ従来技術の真空圧力制御システムでは、動作モードとして、強制クローズモード(CLOSE)を、コントローラ20で選択すると、シーケンス制御回路23は、第1電磁弁34及び第2電磁弁35を図15に示すように動作させる。これにより、空気圧シリンダ41内には圧縮空気が供給されず、空気圧シリンダ41内は排気ラインと連通するので、空気圧シリンダ41内の空気圧が大気圧となり、真空比例開閉弁16は遮断した状態となる。
【0015】
また、動作モードとして、真空圧力コントロールモード(PRESS)を、コントローラ20で選択すると、シーケンス制御回路23は、第1電磁弁34を動作させることによって、時間開閉動作弁33と空気圧シリンダ41とを連通させる。これにより、真空比例開閉弁16の空気圧シリンダ41内の空気圧力が調整され、弁のリフト量が、空気圧シリンダ41で操作できる状態となる。
【0016】
また、このとき、真空圧力制御回路22は、現場入力又は遠隔入力で指示された目標真空圧力値を目標値とするフィードバック制御を開始する。すなわち、図16において、真空圧力センサー14、15で反応室10内の真空圧力値を計測し、それと目標真空圧力値との差に応じて、弁開度指令値を位置制御回路31へ出力し、これにより真空比例開閉弁16の弁のリフト量を操作し、排気系のコンダクタンスを変化させることによって、反応室10内の真空圧力を目標真空圧力値に一定に保持する。
【0017】
従って、従来技術の真空圧力システムでは、真空圧力制御回路22が弁開度指令値を位置制御回路31へ出力して真空比例開閉弁16の開度を操作することによって、排気系のコンダクタンスを幅広く確実に変化させることができるので、大気圧又は大気圧に近い低真空から高真空までの広いレンジに渡って、反応室10内の真空圧力を精度良く目標真空圧力値に一定に保持することができる。
【0018】
また、コントローラ20においては、反応室10内の真空圧力に対するフィードバック制御の制御偏差が大きいときは、フィードバック制御の操作量を最大にさせており、フィードバック制御の速応性が十分に確保している。一方、フィードバック制御の制御偏差が小さいときは、予め調整された時定数に段階的に移行させており、反応室10内の真空圧力を安定した状態で維持することができる。
【0019】
具体的には、図17に示すように、真空圧力センサー14、15で計測された反応室10内の真空圧力値を比例微分回路105、106により調整した値は、現場入力又は遠隔入力で指示された目標真空圧力値と比較した後、比例微分積分回路102、103に入力される。その後、直列に接続された積分回路104は、位置制御回路31に出力するため、0〜5Vの範囲の電圧を出力する。積分回路104の時定数は、積分時間調整回路101により決定される。
真空圧力センサー14、15の計測値が、目標真空圧力値に対し離れているときは、内部演算回路により積分回路の積分時間が極小となるように動作する。これにより、積分回路104は、ほぼ無限大のゲインをもつ増幅回路として機能する。
すなわち、真空圧力センサー14、15の計測値>目標真空圧力値の場合は、積分回路104の最大値である5Vが、位置制御回路31に対して出力される。その結果、真空比例開閉弁16は急速に開く方向に動作する。
【0020】
真空圧力センサー14、15の計測値<目標真空圧力値の場合は、積分回路104の最小値である0Vが位置制御回路31に対して出力される。その結果、真空比例開閉弁16は、急速に閉じる方向に動作する。
これらの動作により、真空比例開閉弁16の弁開度(弁のリフト量)は、目標真空圧力値にするための位置の近くまで、最短時間で到達できる。
その後、目標真空圧力値にするための位置の近くまで到達したと判断した積分時間調整回路101は、その位置にて真空圧力を安定した状態で保持するため、予め調整された積分回路104の時定数に段階的に移行する動作を行う。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術の真空圧力制御システムにおいては、図16のCVD装置の反応室10について言えば、真空比例開閉弁16の接ガス面に析出しやすいジクロールシランなどの材料ガスが入口11から供給されることが多いことから、反応室10の材料ガスが通過する真空比例開閉弁16を定期的に分解・清浄・再組立する必要があった。
【0022】
そして、真空比例開閉弁16を再組立した際には、再組立時の締付力の相違、ポペット弁体45に設けられたOリング50の経時変化などから、ポペット弁体45が動き始めた直後における真空比例開閉弁16の開度(弁のリフト量)が変わることとなる。
【0023】
従って、例えば、反応室10内の真空圧力を高真空圧から大気圧付近の目標真空圧力値に変化させる場合に、積分回路104の最小値である0Vを位置制御回路31に対して出力し、ポペット弁体45に設けられたOリング50を弁座47に密接させて、真空比例開閉弁16を遮断状態にして、反応室10内の真空圧力を高真空圧から大気圧付近の目標真空圧力値に急速に近づけることが行われると、その後に、真空圧力制御回路22が弁開度指令値を位置制御回路31へ出力して真空比例開閉弁16の開度を操作しても、ポペット弁体45が動き始めた直後の真空比例開閉弁16の開度(弁のリフト量)が変わることによって、反応室10内の材料ガスの排出が再び開始されるまでの時間が、真空比例開閉弁16の再組立前のものと比べて長くなることがあるので、その結果、反応室10内の真空圧力が目標真空圧力値に対して行き過ぎること(オーバーシュート)があった。また、同様にして、反応室10内の材料ガスの排出が開始されるまでの時間が、真空比例開閉弁16の再組立前のものと比べて短くなることがあるので、真空比例開閉弁16が遮断状態にある場合に、反応室10内の真空圧力を大気圧から絶対真空方向に向かってゆっくりと変化させる際に、反応室10内の真空圧力が目標真空圧力値に対して行き過ぎること(アンダーシュート)があった。
【0024】
また、真空比例開閉弁16を再組立した際には、再組立時の締付力の相違、ポペット弁体45に設けられたOリング50の経時変化、電気的な経年変化などから、弁座47とポテンショメータ18の位置関係が真空比例開閉弁16の再組立前のものと比べて上下に変化するので、真空比例開閉弁16の開度が同じ値であっても、真空比例開閉弁16の再組立前と再組立後では、真空比例開閉弁16の開度を計測するポテンショメータ18の出力値が異なることとなる。
【0025】
一方、反応室10内の真空圧力を目標真空圧力値に一定に保持するフィードバック制御を行う場合には、ポテンショメータ18の出力値で真空比例開閉弁16の開度を測定しながら、真空圧力制御回路22から出力された弁開度指令値に従って真空比例開閉弁16の開度を操作しており、真空比例開閉弁16の開度が弁開度指令値に応じた開度になったか否かは、ポテンショメータ18の出力値で判断しているので、ポテンショメータ18の出力値と真空圧力制御回路22から出力された弁開度指令値とは一対一の電気的対応関係にある。すなわち、弁開度指令値は、ポテンショメータ18の出力値を介して、真空比例開閉弁16の開度と一対一の対応関係にあった。
【0026】
従って、ポテンショメータ18の出力値のずれが生じると、真空比例開閉弁16の再組立後においては、弁開度指令値と真空比例開閉弁16の開度との対応関係にもずれが生じることとなる。そして、弁開度指令値と真空比例開閉弁16の開度との対応関係のずれが大きい場合には、ポテンショメータ18の出力値と弁開度指令値との電気的対応関係の範囲内から、真空比例開閉弁16の開度の制御範囲の一部が外れることがあり、真空比例開閉弁16の再組立後において、真空比例開閉弁16の開度と弁開度指令値の対応関係のずれを補正できないことがあった。
【0027】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、真空比例開閉弁の弁体が動き始めた直後の弁開度指令値を、弁開度指令値の最下点として真空比例開閉弁の開度を制御することによって、真空容器内の真空圧力を変化させる際に、目標真空圧力値に対して行き過ぎることを防止する真空圧力制御システムを提供することを目的とする。また、真空比例開閉弁の再組立後において、真空比例開閉弁の開度と弁開度指令値の対応関係のずれを補正する真空圧力制御システムを提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために成された請求項1に係る発明は、真空容器と真空ポンプとを接続する配管上にあって開度を変化させることにより前記真空容器内の真空圧力を変化させる真空比例開閉弁と、前記真空容器内の真空圧力を計測する真空圧力センサーと、前記真空圧力センサーの出力値と目標真空圧力値に基づいて発生させる弁開度指令値で前記真空比例開閉弁の開度を制御するコントローラとを有する真空圧力制御システムであって、前記真空比例開閉弁が、弁座と、前記弁座と当接または離間する弾性シール部材を設けた弁体とを備え、前記弁体が前記弁座と密接している際の前記弁開度センサーの出力値に対応する前記弁開度指令値を、初期の前記真空比例開閉弁の開度の零点として扱うとともに、前記真空比例開閉弁の開度の制御上の最下点として扱うことによって、前記真空容器内の真空圧力を変化させる際に、前記目標真空圧力値に対して行き過ぎることを防止することを特徴とする。
【0029】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する真空圧力制御システムであって、初期の前記真空比例開閉弁の開度の零点に対応する前記弁開度指令値を除々に変化させながら前記真空比例開閉弁の開度を制御し、前記弁体が動き始めた直後の前記弁開度指令値を、新たな前記真空比例開閉弁の開度の零点として扱うことを自動的に行うことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載する真空圧力制御システムであって、新たな前記真空比例開閉弁の開度の零点として扱う際に、前記弁体が動き始めた直後から前記弁体を前記弁座から制御的に最も離間させるまでの前記真空比例開閉弁の開度の制御、及び、前記真空比例開閉弁の再組立又は経年変化による前記真空比例開閉弁の開度の零点のずれに対する補正を、前記弁開度センサーの出力値と前記弁開度指令値との電気的対応関係内で確保することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載する真空圧力制御システムであって、前記真空比例開閉弁の開度の零点に対応する前記弁開度指令値を前記コントローラに記憶して保持することを特徴とする。
【0030】
また、請求項5に係る発明は、請求項2乃至請求項4のいずれか一つに記載する真空圧力制御システムであって、前記真空比例開閉弁の開度を計測する弁開度センサーを備え、前記弁開度センサーの出力に基づいて、前記真空比例開閉弁の開度の零点に対応する前記弁開度指令値を算出することを特徴とする。
【0031】
また、請求項6に係る発明は、請求項2乃至請求項4のいずれか一つに記載する真空圧力制御システムであって、前記真空比例開閉弁の駆動源となる空気圧シリンダと、前記空気圧シリンダ内の空気圧を計測する空気圧センサーとを備え、前記空気圧シリンダーの出力に基づいて、前記真空比例開閉弁の開度の零点に対応する前記弁開度指令値を算出することを特徴とする。
【0032】
このような特定事項を有する本発明の真空圧力制御システムでは、真空ポンプは、真空容器内のガスを吸引して、真空容器内を真空にする。ここで、真空ポンプは一定の吸引を行っており、真空比例開閉弁の開度を変化させることにより、真空容器内から真空ポンプが吸引するガス量を調整し、真空容器内の真空圧力を変化させている。また、真空圧力センサーは真空容器内の真空圧力を計測する。コントローラは、目標真空圧力と真空圧力センサーの出力値が一致するように、弁開度指令値をもって、真空比例開閉弁の開度を制御する。
このとき、弁開度センサーの出力値で真空比例開閉弁の開度を測定しながら、コントローラから発生した弁開度指令値に従って真空比例開閉弁の開度を制御しており、真空比例開閉弁の開度が弁開度指令値に応じた開度になったか否かは、弁開度センサーの出力値で判断しているので、弁開度センサーの出力値と弁開度指令値とは一対一の電気的対応関係にある。
【0033】
そして、本発明の真空圧力制御システムの立ち上げ時において、弁体が弁座と密接している際の弁開度センサーの出力値に対応する弁開度指令値を、弁体が動き始めた直後における真空比例開閉弁の開度として、初期の真空比例開閉弁の開度の零点として扱う。さらに、弁体が弁座と密接している際の弁開度センサーの出力値に対応する弁開度指令値を、真空比例開閉弁の開度の制御上の最下点として扱うことによって、真空比例開閉弁の不感帯特性をなくしている。
【0034】
一方、真空比例開閉弁を再組立した際には、再組立時の締付力の相違、弁体に設けられた弾性部材の経時変化、電気的経事変化などから、弁体が動き始めた直後における真空比例開閉弁の開度が変わることとなる。従って、弁開度指令値を最下点からステップ的又はランプ的に変化させて、真空比例開閉弁を遮断状態から真空比例開閉弁の開度を操作しても、弁体が動き始めた直後における真空比例開閉弁の開度が変わることによって、真空室内のガスの排出が(再び)開始されるまでの時間が、真空比例開閉弁の再組立前のものと比べて長く又は短くなることがある。
同時に、真空比例開閉弁の開度を計測する弁開度センサーの出力値が異なることとなるから、真空比例開閉弁の再組立後においては、弁開度指令値と真空比例開閉弁の開度との対応関係にもずれが生じることとなる。
【0035】
そこで、本発明の真空圧力制御システムでは、真空比例開閉弁の再組立後において、弁体が動き始めた直後における真空比例開閉弁の開度に対応する弁開度指令値を、新たな真空比例開閉弁の開度の零点として扱うとともに、真空比例開閉弁の開度の制御上の最下点として扱うことを自動的に行い、さらに、新たな真空比例開閉弁の開度の零点に対応する弁開度指令値をコントローラに記憶して保持する。これにより、真空比例開閉弁の再組立前と再組立後において、弁体が動き始めた直後における真空比例開閉弁の開度が変化しても、真空比例開閉弁を遮断状態から真空比例開閉弁の開度を操作するときに、真空室内のガスの排出が再び開始されるまでの時間を同じにすることができるので、真空容器内の真空圧力を大気圧又は大気圧付近で変化させる際に、目標真空圧力値に対して行き過ぎること(オーバーシュート)を防止することができる。また、同様にして、真空室内のガスの排出が開始されるまでの時間を同じにすることができるので、真空比例開閉弁が遮断状態にある場合に、真空室内の真空圧力を大気圧から絶対真空方向に向かってゆっくりと変化させるときでも、真空室内の真空圧力が目標真空圧力値に対して行き過ぎること(アンダーシュート)を防止することができる。
【0036】
ただし、真空比例開閉弁の再組立後の弁開度指令値と真空比例開閉弁の開度との対応関係のずれが大きい場合は、弁体が動き始めた直後における真空比例開閉弁の開度に対応する弁開度指令値を、新たな真空比例開閉弁の開度の零点として扱ったときに、弁体が動き始めた直後から弁体を弁座から制御的に最も離間させるまでの真空比例開閉弁の開度の制御範囲の一部が、弁開度センサーの出力値と弁開度指令値との電気的対応関係内に収まらないことがある。そこで、新たな真空比例開閉弁の開度の零点として扱う際には、弁体が動き始めた直後から弁体を前記弁座から制御的に最も離間させるまでの真空比例開閉弁の開度の制御が、弁開度センサーの出力値と弁開度指令値との電気的対応関係内で確保されるようにする。これにより、真空比例開閉弁の再組立後の真空比例開閉弁の開度と弁開度指令値の対応関係のずれを補正することができる。
【0037】
新たな真空比例開閉弁の開度の零点を自動的に算出するには、例えば、以下の手順で行うことができる。先ず、再組立後の真空比例開閉弁において、弁体が弁座と密接させて、機械的に最下点の位置にする。
【0038】
そして、弁体が弁座と密接している際の弁開度センサーの出力値に対応する弁開度指令値を暫定弁開度指令値として求め、暫定弁開度指令値を除々に変化させながら真空比例開閉弁の開度を操作する。その後、弁体が動き始めた直後の弁開度指令値を、新たな真空比例開閉弁の開度の零点とする。尚、弁体が動き始めた直後の時点は、弁開度センサーの出力値が変動し始めたことで判断する。
【0039】
また、真空比例開閉弁の駆動源となる空気圧シリンダと、空気圧シリンダの空気圧を計測する空気圧センサーを備えている場合には、弁体が弁座と密接している際に、空気圧シリンダの空気圧を除々に変化させながら真空比例開閉弁の開度を操作する。その後、真空容器内の真空圧力が僅かに変化した時の空気圧シリンダ内の空気圧を空気圧センサーで計測し、その計測した空気圧より適度に低い空気圧を実現するための弁開度指令値を、新たな真空比例開閉弁の開度の零点とする。尚、真空容器内の真空圧力が僅かに変化した時点は、真空圧力センサーの出力値が変動し始めたことで判断する。
【0040】
すなわち、本発明の真空圧力制御システムでは、弁体が動き始めた直後における真空比例開閉弁の開度に対応する弁開度指令値を、新たな真空比例開閉弁の開度の零点として扱うとともに、真空比例開閉弁の開度の制御上の最下点として扱うことによって、真空比例開閉弁の再組立前と再組立後において、弁体が動き始めた直後における真空比例開閉弁の開度が変化しても、真空比例開閉弁を遮断状態から真空比例開閉弁の開度を操作するときに、真空室内のガスの排出が(再び)開始されるまでの時間を同じにすることができるので、真空容器内の真空圧力を変化させる際に、目標真空圧力値に対して行き過ぎることを防止することができる。
【0041】
また、新たな真空比例開閉弁の開度の零点として扱う際には、弁体が動き始めた直後から弁体を前記弁座から制御的に最も離間させるまでの真空比例開閉弁の開度の制御が、弁開度センサーの出力値と弁開度指令値との電気的対応関係内で確保されるようにしているので、真空比例開閉弁の再組立後の真空比例開閉弁の開度と弁開度指令値の対応関係のずれを補正することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。本実施の形態の真空圧力制御システムは、従来技術の真空圧力制御システムと同様な構成を持つものである。従って、本実施の形態の真空圧力制御システムは、従来技術の欄で述べたように、半導体製造ライン上に設けられたCVD装置の反応室10内の真空圧力を真空圧力センサー14、15で計測して、外部から与えられた目標真空圧力値との差を求め、この差に応じてコントローラ20が弁開度指令値を発生し、この弁開度指令値に従って空気圧制御部30が真空比例開閉弁16の開度を操作し、反応室10から真空ポンプ13までの排気系のコンダクタンスを変化させることによって、真空ポンプ13でガスが排出される反応室10内の真空圧力を、大気圧から高真空圧までの範囲にある目標真空圧力値に一定に保持するフィードバック制御を行うものである。
【0043】
このとき、空気圧制御部30は、ポテンショメータ18の出力値で真空比例開閉弁16の開度を測定しながら、弁開度指令値に従った真空比例開閉弁16の開度を操作しているので、真空比例開閉弁16の開度が弁開度指令値に応じた開度になったか否かは、ポテンショメータ18の出力値で判断しているので、ポテンショメータ18の出力値とコントローラ20から発生された弁開度指令値とは一対一の電気的対応関係にある。
【0044】
例えば、コントローラ20が発生する弁開度指令値が0〜5Vの範囲にあり、ポテンショメータ18がアンプ19を介して発生する出力値が1〜5Vの範囲にある場合には、図4に示すような一対一の電気的対応関係にある。そして、ポペット弁体45が弁座47から離間する距離(弁の開度)も、ポテンショメータ18がアンプ19を介して発生する出力値と一対一の対応関係にある。すなわち、弁開度指令値は、ポテンショメータ18の出力値を介して、真空比例開閉弁16の開度と一対一の対応関係にある。
【0045】
そして、本実施の形態の真空圧力制御システムの立ち上げ時においては、ポペット弁体45が弁座47と密接している際のポテンショメータ18の出力値(1.2V)に対応する弁開度指令値(0.25V)を、ポペット弁体45が動き始めた直後における真空比例開閉弁16の開度として、初期の真空比例開閉弁16の開度の零点として扱っている。
【0046】
一方、真空比例開閉弁16を再組立した際には、再組立時の締付力の相違、ポペット弁体45に設けられたOリング50の経時変化、電気的経時変化などから、ポペット弁体45が動き始めた直後における真空比例開閉弁16の開度が変わることとなる。
【0047】
また、真空比例開閉弁16を再組立した際には、弁座47とポテンショメータ18の位置関係が真空比例開閉弁16の再組立前のものと比べて上下に変化するので、真空比例開閉弁16の開度が同じ値であっても、真空比例開閉弁16の再組立前と再組立後では、真空比例開閉弁16の開度を計測するポテンショメータ18の出力値が異なることとなる。従って、ポテンショメータ18の出力値のずれが生じることから、真空比例開閉弁16の再組立後においては、弁開度指令値と真空比例開閉弁16の開度との対応関係にもずれが生じる。
【0048】
そこで、本実施の形態の真空圧力制御システムでは、真空比例開閉弁16を再組立した際には、ポペット弁体45が動き始めた直後における真空比例開閉弁16の開度に対応する弁開度指令値を、初期の真空比例開閉弁16の開度の零点にかわる、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点として、図10のコントローラ20のZERO点補正回路121で自動的に算出し、コントローラ20内に記憶して保持している。図10のZERO点補正回路121で算出する手順の一例を図1のフローチャートを用いて説明する。但し、図10のZERO点補正回路121で新たな真空比例開閉弁16の開度の零点を算出する際は、再組立後の真空比例開閉弁16において、ポペット弁体45を弁座47と密接させて、機械的に最下点の位置にしておく。
【0049】
そして、図1のS1において、ポテンショメータ18の出力値に基づいて、ポペット弁体45が機械的に最下点の位置にあるか否かを判断する。ポペット弁体45が機械的に最下点の位置にないと判断した場合には(S1:No)、S12に進んで、メインプログラムに戻るが、ポペット弁体45が機械的に最下点の位置にあると判断した場合には(S1:Yes)、S2に進んで、ポペット弁体45が機械的に最下点の位置にあると判断した際のポテンショメータ18の出力値を取得する。そして、S3において、S2で取得したポテンショメータ18の出力値に対応する弁開度指令値を暫定弁開度指令値として取得する。例えば、図4に示すように、弁開度指令値が0〜5Vの範囲にあり、ポテンショメータ18の出力値が1〜5Vの範囲にある場合には、S2で取得したポテンショメータ18の出力値をY(V)、暫定弁開度指令値をX(V)とすれば、
(Y−1):(X−0)=(5−1):(5−0)
の比例式により計算する。
【0050】
また、S4において、S2で取得したポテンショメータ18の出力値に基づいて、判定点となるポテンショメータ18の検出値を設定する。その後、S5において、S3で計算した暫定弁開度指令値を空気圧制御部30へ出力する。
【0051】
その後、S6では、ポテンショメータ18の出力値が判定点となるS4で設定したポテンショメータ18の検出値を越えているか判断する。ポテンショメータ18の出力値が判定点となるS4で設定したポテンショメータ18の検出値を越えていると判断した場合には(S6:Yes)、S7に進んで、越えたことを示すフラグをコントローラ20の内部において記憶する。そして、S8に進んで、暫定弁開度指令値に対して15mVを引いた値を、新たな暫定弁開度指令値とし、S6に戻る。
【0052】
一方、ポテンショメータ18の出力値が判定点となるS4で設定したポテンショメータ18の検出値を越えていないと判断した場合には(S6:No)、S9に進んで、越えたことを示すフラグが立っているか判断する。越えたことを示すフラグが立っていると判断した場合には(S9:Yes)、S11に進んで、暫定弁開度指令値を新たな真空比例開閉弁16の開度の零点として決定する。一方、越えたことを示すフラグが立っていないと判断した場合には(S9:No)、S10に進んで、暫定弁開度指令値に対して15mVを加えた値を、新たな暫定弁開度指令値とし、S6に戻り、S11に進むまで、上述した処理を繰り返す。
【0053】
図5は、ポテンショメータ18の出力値が既に判定点となるS4で設定したポテンショメータ18の検出値を越えている場合において、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点が決定するまでの経過を説明する図である。この場合では、S6→S7→S8→S6のループ処理を2回繰り返した後に、S11に進んで、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点が決定されている。また、図6は、ポテンショメータ18の出力値が未だ判定点となるS4で設定したポテンショメータ18の検出値を越えていない場合において、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点が決定するまでの経過を説明する図である。この場合では、S6→S9→S10→S6のループ処理を2回繰り返した後に、S6→S7→S8→S6のループ処理を1回行った後に、S11に進んで、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点が決定されている。
【0054】
尚、図5と図6の機械的基準点とは、ポペット弁体45が機械的に最下点の位置にあり、かつ、真空比例開閉弁16の駆動源となる空気圧シリンダ41内の空気圧が大気圧にある状態にあることを意味するものである。従って、図1のフローチャートによって決定される、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点は、判定値を僅かに下回るものとすることによって、空気圧シリンダ41内の空気圧の充填が考慮されるので、ポペット弁体45が動き始めた直後の弁開度指令値とすることができる。
【0055】
すなわち、図10のZERO点補正回路121で新たな真空比例開閉弁16の開度の零点を算出する手順の一例である図1のフローチャートでは、S3において、ポペット弁体45が弁座47と密接している際のポテンショメータ18の出力値に対応する弁開度指令値を暫定弁開度指令値として求め、S11で決定された新たな真空比例開閉弁16の開度の零点は、S3で取得された暫定弁開度指令値より僅かに変化した弁開度指令値となっている(図5、図6参照)。そして、S11で決定された、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点は、判定値を僅かに下回るものであるから、ポペット弁体45が動き始めた直後の弁開度指令値となる。
【0056】
また、図10のZERO点補正回路121で新たな真空比例開閉弁16の開度の零点を算出する手順の一例として、以下のものがある。例えば、ポペット弁体45が弁座47と密接している際のポテンショメータ18の出力値に対応する弁開度指令値を暫定弁開度指令値として求める。この計算方法は、図1のS3の計算方法と同様である。そして、暫定弁開度指令値を除々に変化させながら真空比例開閉弁16の開度を空気圧制御部30で操作する。その後、ポテンショメータ18の出力値の変動開始をもって、ポペット弁体45が動き始めた直後の時点を特定し、ポペット弁体45が動き始めた直後の弁開度指令値を、新たな真空比例開閉弁16の開度零点とする。このように、オートティーチングにより算出した、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点は、図3に示すように、ゼロ点補正プログラムを介して、コントローラ20が弁開度指令値を発生する際に考慮される。
【0057】
尚、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点を、ポペット弁体45が動き始める直前の弁開度指令値としたい場合には、ポペット弁体45が動き始めた直後の弁開度指令値に対して、真空比例開閉弁16の開度の閉方向に僅かに変化させた値を、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点とする。
【0058】
また、図10のZERO点補正回路121で新たな真空比例開閉弁16の開度の零点を算出する手順の一例として、以下のものがある。例えば、ポペット弁体45が弁座47と密接している際に、空気圧シリンダ41の空気圧を除々に変化させながら真空比例開閉弁17の開度を空気圧制御部30で操作する。ここで、空気圧シリンダ41の空気圧を除々に変化させることは、空気圧シリンダ41の空気圧を計測する空気圧力センサー70を使用して、図10のバイアス制御回路110が行う。例えば、空気圧シリンダ41の空気圧をステップ的又はランプ的に除々に変化させる。
【0059】
その後、反応室10の真空圧力が僅かに変化した時の空気圧シリンダ41内の空気圧を空気圧センサー70で計測し、その計測した空気圧より適度に低い空気圧を実現するための弁開度指令値を、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点とする。ここで、空気圧センサー70で計測した空気圧より適度に低い空気圧を実現するための弁開度指令値を、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点とするのは、ポペット弁体45が動き始めた直後は、ポペット弁体45に設けられたOリング50の弾性変形などによって、反応室10内の材料ガスの排出は未だ開始されてはいないからである。尚、反応室10の真空圧力が僅かに変化した直後の時点は、真空圧力センサー14、15の計測値の変動開始をもって特定する。これにより、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点は、ポペット弁体45が動き始める直後の弁開度指令値となる。
【0060】
そして、図10の下限値制限回路120を使用して、図11の弁開度指令値の出力範囲を、図12の弁開度指令値の出力範囲のようにして、図10のZERO点補正回路121で決定した、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点を、真空比例開閉弁16の制御上の最下点とする。
【0061】
これにより、本実施の形態の真空圧力制御システムでは、ポペット弁体45が動き始めた直後における真空比例開閉弁16の開度に対応する弁開度指令値を、新たな真空比例開閉弁の開度の零点として扱うとともに、真空比例開閉弁16の開度の制御上の最下点として扱うことによって、真空比例開閉弁16の再組立前と再組立後において、ポペット弁体45が動き始めた直後における真空比例開閉弁16の開度が変化しても、真空比例開閉弁16を遮断状態から真空比例開閉弁16の開度を操作するときに、反応室10内の材料ガスの排出が再び開始されるまでの時間を同じにすることができるので、反応室10内の真空圧力を大気圧又は大気圧付近で変化させる際に、目標真空圧力値に対して行き過ぎること(オーバーシュート)を防止することができる。
【0062】
例えば、図8は、新たな真空比例開閉弁の開度の零点を弁開度指令値の下限値とすることなく、反応室10内の真空圧力を大気圧又は大気圧付近でフィードバック制御した経過状況を示した一例であるが、ポペット弁体45が動き始めた直後における真空比例開閉弁16の開度の変化が要因となって、ポペット弁体45が弁座47から離間し始めるのに、時間t3の応答遅れが生じている。その結果、反応室10内の真空圧力を大気圧又は大気圧付近でフィードバック制御する際に、反応室10内の真空圧力が目標真空圧力値に対して行き過ぎること(オーバーシュート)となる。
【0063】
一方、図7は、新たな真空比例開閉弁16の開度の零点を弁開度指令値の下限値して、反応室10内の真空圧力を大気圧又は大気圧付近でフィードバック制御した経過状況を示した一例であるが、弁開度指令値の下限値がポペット弁体45が動き始めた直後における真空比例開閉弁16の開度に対応するものであるから、ポペット弁体45が弁座47から離間し始めるのに、応答遅れが生じることはない。その結果、反応室10内の真空圧力を大気圧又は大気圧付近でフィードバック制御する際に、反応室10内の真空圧力が目標真空圧力値に対して行き過ぎること(オーバーシュート)がない。
【0064】
また、ポペット弁体45が弁座47から離間し始めるのに応答遅れが生じないことは、図9に示すような、真空比例開閉弁16が遮断状態にある場合に、反応室10内の真空圧力を大気圧から絶対真空方向に向かってゆっくりと変化させるときに有効である。なぜなら、応答遅れが生じて、反応室10内の真空圧力の絶対圧真空方向に向かう進行過程が少しでも行き過ぎる(アンダーシュート)と、反応室10内のガス流れが速くなってパーティクルが発生し、反応室10内のウエハーの品質が低下するためである。
【0065】
図2に、真空比例開閉弁16の再組立前後における、ポテンショメータ18の出力値と、弁開度指令値と、真空比例開閉弁16の開度の関係についての一例を示す。ここでは、図4と同様にして、弁開度指令値が0〜5Vの範囲にあり、ポテンショメータ18の出力値が1〜5Vの範囲にある場合であり、弁開度指令値とポテンショメータ18の出力値とは、一対一の電気的対応関係にある。そして、ポテンショメータ18の出力値の1〜5Vの範囲が、真空比例開閉弁16の開度(弁のリフト量)の0〜31.112mmの範囲に相当する。
【0066】
真空比例開閉弁16の再組立前として、例えば、真空比例開閉弁16が出荷される時点の設定時(B)では、弁開度指令値の0.25V(このときのポテンショメータ18の出力値は1.2V)を、初期の真空比例開閉弁17の開度の零点として扱っている。
【0067】
そして、真空比例開閉弁16の再組立後として、例えば、真空比例開閉弁16の開度の零点が上方向にずれた時(A)では、弁開度指令値の0V(このときのポテンショメータ18の出力値は1.0V)を、新たな真空比例開閉弁17の開度の零点として扱っている。また、真空比例開閉弁16の開度の零点が下方向にずれた時(C)では、弁開度指令値の0.5V(このときのポテンショメータ18の出力値は1.4V)を、新たな真空比例開閉弁17の開度の零点として扱っている。
【0068】
そして、真空比例開閉弁16の開度の制御範囲を、ポペット弁体45が動き始めた直後から28mm(弁のリフト量として0〜28mmの範囲)までとすれば、弁開度指令値の範囲は、真空比例開閉弁16が出荷される時点の設定時(B)で0.25〜4.75V、真空比例開閉弁16の開度の零点が上方向にずれた時(A)で0〜4.5V、真空比例開閉弁16の開度の零点が下方向にずれた時(C)で0.5〜5Vとなる。このようにすることにより、ポペット弁体45が動き始めた直後からポペット弁体45を弁座47から制御的に最も離間させるまでの真空比例開閉弁17の開度の制御(弁のリフト量として0〜28mmの範囲)を、ポテンショメータ18の出力値と弁開度指令値との電気的対応関係内で確保している。これにより、真空比例開閉弁16の再組立後の真空比例開閉弁16の開度と弁開度指令値の対応関係のずれを補正することができる。
【0069】
図2の場合では、ポテンショメータ18の出力値と真空比例開閉弁16の開度の対応関係のずれが、真空比例開閉弁16の開度の零点が上方向にずれた時(A)や下方向にずれた時(C)に対して大きくずれると、ポペット弁体45が動き始めた直後から28mm(弁のリフト量として0〜28mmの範囲)までの範囲で真空比例開閉弁16の開度を制御するには、弁開度指令値の範囲が0〜5Vの範囲では不十分となるので、真空比例開閉弁16の開度の操作に支障をきたすこととなる。従って、この範囲よりも大きくずれる場合は、異常と判断して、ゼロ点補正不可能として扱い、エラー処理を行うように警報を出す工夫がされている。尚、この補正の下限限界値(C)及び補正の上限限界値(A)は、設計上の公差、電気的誤差及びOリング50の経年変化などを考慮して設定されている。
【0070】
これにより、本実施の形態の真空圧力制御システムでは、真空比例開閉弁16の再組立後において、真空比例開閉弁16の開度と弁開度指令値の対応関係のずれをも補正することができる。
【0071】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態の真空圧力制御システムは、CVD装置の反応室10以外の半導体製造ラインの真空容器についても、実施することは可能である。例えば、半導体製造ラインの拡散装置について使用する場合には、真空容器の真空圧力を大気圧又は大気圧付近でフィードバック制御する際に、真空容器内の真空圧力が目標真空圧力値に対して行き過ぎることを防止することによって、真空容器に設けられたリリーフバルブの作動を防ぎ、真空容器内が大気と導通することを防ぐことができる。
【0072】
【発明の効果】
本発明の真空圧力制御システムでは、弁体が動き始めた直後における真空比例開閉弁の開度に対応する弁開度指令値を、新たな真空比例開閉弁の開度の零点として扱うとともに、真空比例開閉弁の開度の制御上の最下点として扱うことによって、真空比例開閉弁の再組立前と再組立後において、弁体が動き始めた直後における真空比例開閉弁の開度が変化しても、真空比例開閉弁を遮断状態から真空比例開閉弁の開度を操作するときに、真空室内のガスの排出が(再び)開始されるまでの時間を同じにすることができるので、真空容器内の真空圧力を変化させる際に、目標真空圧力値に対して行き過ぎることを防止することができる。
【0073】
また、新たな真空比例開閉弁の開度の零点を扱う際には、弁体が動き始めた直後から弁体を前記弁座から制御的に最も離間させるまでの真空比例開閉弁の開度の制御が、弁開度センサーの出力値と弁開度指令値との電気的対応関係内で確保されるようにしているので、真空比例開閉弁の再組立後の真空比例開閉弁の開度と弁開度指令値の対応関係のずれを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空比例開閉弁の開度の零点をZERO点補正回路で算出する手順の一例を示したフローチャート図である。
【図2】真空比例開閉弁の再組立後において、真空比例開閉弁の開度と弁開度指令値との対応関係のずれとその補正を説明する図である。
【図3】本実施の形態の真空圧力制御システムのブロック図である。
【図4】ポテンショメータの出力値と弁開度指令値との対応関係の一例を示した図である。
【図5】図1のフローチャートで算出した一例を説明する図である。
【図6】図1のフローチャートで算出した一例を説明する図である。
【図7】真空比例開閉弁の再組立後において、真空比例開閉弁の開度の零点を弁開度指令値の最下点にした場合の効果を示す図である。
【図8】真空比例開閉弁の再組立後において、真空比例開閉弁の開度の零点を弁開度指令値の最下点にしなかった場合の問題を示す図である。
【図9】真空比例開閉弁の再組立後において、真空比例開閉弁の開度の零点を弁開度指令値の最下点にした場合の効果を示す図である。
【図10】本実施の形態の真空圧力制御システムのブロック図である。
【図11】下限値制限回路で弁開度指令値の下限を制限する前の弁開度指令値の出力範囲を示した図である。
【図12】下限値制限回路で弁開度指令値の下限を制限した後の弁開度指令値の出力範囲を示した図である。
【図13】真空比例開閉弁の遮断した状態の断面図である。
【図14】真空比例開閉弁の開いた状態の断面図である。
【図15】本実施の形態の真空圧力制御システムのブロック図である。
【図16】CVD装置の反応室の排気系の概略図である。
【図17】本実施の形態の真空圧力制御システムのブロック図である。
【符号の説明】
10 CVD装置の反応室
14、15 真空圧力センサー
16 真空比例開閉弁
18 ポテンショメータ
22 真空圧力制御回路
41 空気圧シリンダ
45 ポペット弁体
70 空気圧力センサー
110 バイアス回路
120 下限値制限回路
121 ZERO点補正回路
Claims (5)
- 真空容器と真空ポンプとを接続する配管上にあって開度を変化させることにより前記真空容器内の真空圧力を変化させる真空比例開閉弁と、前記真空容器内の真空圧力を計測する真空圧力センサーと、前記真空圧力センサーの出力値と目標真空圧力値に基づいて発生させる弁開度指令値で前記真空比例開閉弁の開度を制御するコントローラとを有する真空圧力制御システムにおいて、
前記真空比例開閉弁が、弁座と、前記弁座と当接または離間する弾性シール部材を設けた弁体と、
前記真空比例開閉弁の開度を計測する弁開度センサーとを備え、
前記弁体が前記弁座と密接している際の前記弁開度センサーの出力値に対応する前記弁開度指令値を、初期の前記真空比例開閉弁の開度の零点として扱うとともに、前記真空比例開閉弁の開度の制御上の最下点として扱うことによって、前記真空容器内の真空圧力を変化させる際に、前記目標真空圧力値に対して行き過ぎることを防止すること、及び、初期の前記真空比例開閉弁の開度の零点に対応する前記弁開度指令値を所定開度ずつ所定の時間間隔で段階的に変化させながら前記真空比例開閉弁の開度を制御し、前記弁体が動き始めたときの前記弁開度指令値を、新たな前記真空比例開閉弁の開度の零点として扱うことを自動的に行うことを特徴とする真空圧力制御システム。 - 請求項1に記載する真空圧力制御システムにおいて、
新たな前記真空比例開閉弁の開度の零点として扱う際に、前記弁体が動き始めた直後から前記弁体を前記弁座から制御的に最も離間させるまでの前記真空比例開閉弁の開度の制御、及び、前記真空比例開閉弁の再組立又は経年変化による前記真空比例開閉弁の開度の零点のずれに対する補正を、前記弁開度センサーの出力値と前記弁開度指令値との電気的対応関係内で確保することを特徴とする真空圧力制御システム。 - 請求項1又請求項2に記載する真空圧力制御システムにおいて、
前記真空比例開閉弁の開度の零点に対応する前記弁開度指令値を前記コントローラに記憶して保持することを特徴とする真空圧力制御システム。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載する真空圧力制御システムにおいて、
前記真空比例開閉弁の開度を計測する弁開度センサーを備え、
前記弁開度センサーの出力に基づいて、前記真空比例開閉弁の開度の零点に対応する前記弁開度指令値を算出することを特徴とする真空圧力制御システム。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載する真空圧力制御システムにおいて、
前記真空比例開閉弁の駆動源となる空気圧シリンダと、
前記空気圧シリンダ内の空気圧を計測する空気圧センサーとを備え、
前記空気圧シリンダーの出力に基づいて、前記真空比例開閉弁の開度の初期零点に対応する前記弁開度指令値を算出することを特徴とする真空圧力制御システム。
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