JP4327314B2 - 真空圧力制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置で使用される真空圧力制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、半導体製造装置のCVD装置においては、反応室内を減圧状態、すなわち、真空状態に保ちながら、薄膜材料を構成する元素からなる材料ガスを、ウエハー上に供給している。例えば、図15に示すCVD装置においては、真空容器である反応室10内のウエハーに対して、反応室10の入口11から材料ガスを供給するとともに、反応室10の出口12から真空ポンプ13で排気することによって、反応室10内を真空状態に保っている。
【0003】
このとき、反応室10内の真空圧力を一定に保持する必要があるが、その一定値は、種々の条件によって変わり、大気圧又は大気圧に近い低真空から高真空までの広いレンジに渡る。そこで、本出願人は、特許公報第2677536号において、大気圧に近い低真空から高真空までの広いレンジに渡って、真空圧力を精度良く一定に保持できる真空圧力制御システムを開示している。
【0004】
かかる真空圧力制御システムは、図15について言えば、真空圧力センサー14、15で反応室10内の真空圧力を計測し、それと外部から与えられた目標真空圧力値との差に応じて、ポペット弁の構造を持った真空比例開閉弁16の開度を操作し、反応室10から真空ポンプ13までの排気系のコンダクタンスを変化させることによって、反応室10内の真空圧力をフィードバック制御するものである。
【0005】
これにより、真空比例開閉弁16の開度を操作することによって、排気系のコンダクタンスを幅広く確実に変化させることができるので、大気圧又は大気圧に近い低真空から高真空までの広いレンジに渡って、反応室10内の真空圧力を精度良く目標真空圧力値に一定に保持することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術の真空圧力制御システムにおいては、真空圧力センサー14、15で反応室10内の真空圧力を計測し、それと目標真空圧力値との差に応じて、真空比例開閉弁16の開度を操作して、排気系のコンダクタンスを変化させるものであるから、反応室10内の真空圧力値が目標真空圧力値へ進み行く速さ(以下、「真空圧力変化速度」という)までも制御することができなかった。
【0007】
従って、近年の半導体製造装置の分野では、反応室10内のウエハーに形成される薄膜の品質を一層向上させるため、反応室10内でパーティクルが巻き上がることを防止する観点から、反応室10内の真空圧力を大気圧又は大気圧に近い低真空から目標真空圧力値にまで到達させる真空引きの過程において、反応室10内からガスが排出される進行過程をゆっくりと行わせたい要請があるが、従来技術の真空圧力制御システムでは、反応室10内からガスが排出される進行過程までも制御することができず、その要請には応えることができなかった。
【0008】
そこで、従来技術の真空圧力制御システムにおいては、固定オリフィスを持ったバイパス弁17を真空比例開閉弁16に対して並列に設け、真空比例開閉弁16を遮断する一方でバイパス弁17を開けることにより、排気系のコンダクタンスを所定の値にし、反応室10内の「真空圧力変化速度」を小さく抑えることにより、反応室10内の真空圧力を目標真空圧力値に到達させていた。
【0009】
しかし、バイパス弁17で小さく抑えられる反応室10内の「真空圧力変化速度」については、バイパス弁17の固定オリフィスを通過するガスの流速(以下、「ガス流速」という)が音速領域にある場合には、排気系のコンダクタンスのみに依存するけれども、反応室10内のガスが排気され絶対真空圧側へ向かって真空圧力が低下すると、「ガス流速」は亜音速領域になり、「ガス流速」が音速から亜音速に移行する。こうなると、反応室10内の「真空圧力変化速度」は、逆関数的に遅くなっていく。
【0010】
また、反応室10内が大気圧の状態で真空ポンプ13側への排気を始める場合に、排気系のコンダクタンスを決める固定オリフィスが必要以上に大きいときは、反応室10内の「真空圧力変化速度」が一挙に速くなることになる。このことは、反応室10内でパーティクが巻き上がることを防止する観点からは決して望ましいものではなかった。また、排気系のコンダクタンスを決める固定オリフィスが十分小さいときは、反応室10内でパーティクルが巻き上がることを防止する観点から見れば望ましいことであるが、こんどは、反応室10内の真空圧力を目標真空圧力値に到達させるまでには、かなりの長時間を要することとなり、反応室10内のバッチ処理時間が長期化する問題もあった。
【0011】
このような問題点に対しては、上述したバイパス弁17の他に複数のバイパス弁や複数のニードル弁を、真空比例開閉弁16に対して並列に設けることにより解決していたが、これでは、近年の半導体製造装置の小型化やローコスト化の傾向に反することになる。
【0012】
そこで、本出願人は、特願平10−337543の特許出願において、真空比例開閉弁の開度を操作して、真空容器内の真空圧力を外部から与えられた又は予めコントローラに設定された目標真空圧力変化速度をもって変化させることにより、真空容器内からガスを排出させる進行過程をゆっくりと行って、真空容器内でパーティクルが巻き上ることを防止するとともに、真空容器内の真空圧力が目標真空圧力値に到達するまでに要する時間を短縮することができる真空圧力制御システムを開示している。
【0013】
一方、図15に示すCVD装置において、真空状態の反応室10内に不活性ガスをパージするには、真空比例開閉弁16とバイパス弁17とを閉じて、反応室10内と真空ポンプ13との排気ラインを遮断し、不活性ガスの質量流量を制御できるマスフローコントローラを介して、反応室10内に不活性ガスを供給することにより行っていた。
【0014】
従って、真空状態の反応室10内に不活性ガスをパージする際において、反応室10内の「真空圧力変化速度」が大きいと、反応室10内で不活性ガスの流れが互いに入り交じり合う状態となり、反応室10内でパーティクルが巻き上がることになる。そこで、従来技術では、マスフローコントローラで不活性ガスの質量流量を制御することにより、反応室10内の「真空圧力変化速度」を小さくしていた。
【0015】
しかしながら、マスフローコントローラで制御される不活性ガスの質量流量と、その不活性ガスが供給された反応室10内の「真空圧力変化速度」との関係は、反応室10の容積や反応室10内の真空圧力値等に大きく影響されるため、マスフローコントローラで不活性ガスの質量流量を制御することにより、反応室10内の「真空圧力変化速度」を自由にコントロールすることは非常に困難であった。
【0016】
そこで、本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、真空比例開閉弁の開度を操作して、真空容器内の真空圧力を外部から与えられた又は予めコントローラに設定された目標真空圧力変化速度をもって変化させることにより、真空容器内にガスを充填させる進行過程をゆっくりと行って、真空容器内でパーティクルが巻き上ることを防止するとともに、真空容器内にガスを充填する際に、真空容器内の真空圧力変化速度を自由に制御することができる真空圧力制御システムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、半導体製造ライン上に設けられた真空容器と、前記真空容器内のガスを排出する真空ポンプと、前記真空容器と前記真空ポンプとを接続する配管上にあって開度を変化させることにより前記真空容器内の真空圧力を変化させるとともにポペット式の弁構造を持った真空比例開閉弁と、前記真空容器内の真空圧力を計測する真空圧力センサーと、前記真空圧力センサーで計測された前記真空容器内の真空圧力値と外部から与えられた目標真空圧力値との差に応じて外部コマンドを発生させるコントローラと、前記外部コマンドに従って前記真空比例開閉弁の開度を操作するサーボ機構とを有し、大気圧から高真空圧までの範囲で前記真空容器内の真空圧力をフィードバック制御する真空圧力制御システムであって、外部から与えられた又は予め前記コントローラに設定された目標真空圧力変化速度に基づいて算出される真空圧力値を前記コントローラで内部コマンドとして順次発生させるとともに、前記内部コマンドを前記フィードバック制御の目標値として順次変更することにより、前記フィードバック制御を追従制御として実行して、前記真空容器内の真空圧力に基づいて前記目標真空圧力変化速度を、前記真空圧力が高いほど前記目標真空圧力変化速度を大きく、前記真空圧力が大気圧に近づくほど前記目標真空圧力変化速度を小さく変化させることにより、前記真空容器にガスを充填する際にパーティクルの巻き上げを防止することができることを特徴とする。
【0018】
また、請求項に係る発明は、請求項1に記載する真空圧力制御システムであって、前記フィードバック制御を追従制御として実行している最中でも、前記半導体製造ラインを管理する上位制御装置により、前記目標真空圧力変化速度を可変できることを特徴とする。
【0019】
また、請求項に係る発明は、請求項1又は請求項のいずれか1つに記載する真空圧力制御システムであって、前記真空容器に充填されるガスがマスフローコントローラを介して供給されることを特徴とする。
また、請求項に係る発明は、請求項に記載する真空圧力制御システムであって、前記マスフローコントローラを介して供給されるガスがパージガスであることを特徴とする。
【0020】
このような特定事項を有する本発明の真空圧力制御システムでは、半導体製造ライン上に設けられた真空容器内の真空圧力を真空圧力センサーで計測して、外部から与えられた目標真空圧力値との差を求め、この差に応じてコントローラが外部コマンドを発生し、この外部コマンドに従ってサーボ機構が真空比例開閉弁の開度を操作し、真空容器から真空ポンプまでの排気系のコンダクタンスを変化させることによって、真空ポンプでガスが排出される真空容器内の真空圧力を、大気圧から高真空圧までの範囲にある目標真空圧力値に一定に保持するフィードバック制御を行うものである。
【0021】
このとき、コントローラによって、真空圧力センサーで計測された真空容器内の真空圧力に対し、外部から与えられた又は予めコントローラに設定された目標真空圧力変化速度で変化させた真空圧力値を、内部コマンドとして順次発生させている。そして、順次発生する内部コマンドをフィードバック制御の目標値とし、フィードバック制御の目標値を順次変更することにより、フィードバック制御を追従制御として実行する。これにより、真空容器内の真空圧力を目標真空圧力変化速度をもって一律に変化させることができる。
【0022】
すなわち、本発明の真空圧力制御システムでは、真空比例開閉弁の開度を操作して、外部から与えられた又は予めコントローラに設定された目標真空圧力変化速度で真空容器内の真空圧力を一律に変化させることができるから、目標真空圧力変化速度を小さな値で外部から与えることにより、真空容器内にガスが充填される進行過程をゆっくりと行うことが可能となり、真空容器内にガスを充填する際に、真空容器内の規則的なガス流れを維持し、真空容器内でガスの流れが互いに入り交じり合う状態となることを防止できるので、真空容器内でパーティクルが巻き上ることを防止することができる。
【0023】
また、もし、真空容器内にガスが充填される進行過程をゆっくりと行うことを怠って、真空容器内でパーティクルが巻き上がったとしても、真空比例開閉弁は開いた状態にあることから、真空容器内で巻き上がったパーティクルを真空ポンプで排出することができる。
【0024】
さらに、真空容器内の真空圧力が目標真空圧力値に到達するまで、外部から与えられた又は予めコントローラに設定された目標真空圧力変化速度で真空容器内の真空圧力を一律に変化させることができることから、従来技術で述べたマスフローコントローラで小さく抑えられる真空圧力変化速度のように、真空容器の容積や真空容器内の真空圧力値等に影響されることはなく、真空容器内にガスを充填する際に、真空容器内の真空圧力変化速度を自由に制御することが可能となる。
【0025】
また、本発明の真空圧力制御システムにおいては、真空容器内にガスを充填する際に、フィードバック制御を追従制御として実行している最中でも、半導体製造ラインを管理する上位制御装置により、目標真空圧力変化速度を可変できるので、半導体製造プロセス全体の状況などを考慮しつつ、真空容器内にガスを充填させる進行過程を所望の進行過程に制御したい要請に応えることができる。
【0026】
尚、マスフローコントローラを介して、真空状態の真空容器内に充填されるガスには、不活性ガスなどのパージガスがある。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。第1実施の形態の真空圧力制御システムは、特許公報第2677536号に記載された真空圧力制御システムと同様な構成を持つものである。ここでは、その詳細は、特許公報第2677536号に記載されているので省略し、その概略について簡単に説明する。
【0028】
図6に、従来技術の欄で示した図15に対する、第1実施の形態の真空圧力制御システムのブロック図を示す。第1実施の形態の真空圧力制御システムは、コントローラ20、空気圧制御部30、操作部40である真空比例開閉弁16、検出部60である真空圧力センサー14、15から構成される。
【0029】
コントローラ20は、インターフェイス回路21、真空圧力制御回路22、シーケンス制御回路23からなる。インターフェイス回路21は、コントローラ20のフロントパネルのボタンを介した現場入力による信号、及び、コントローラ20のバックパネルのコネクタを介した遠隔入力による信号を、真空圧力制御回路22やシーケンス制御回路23などに適した信号に変換するものである。
【0030】
真空圧力制御回路22は、図15の反応室10内の真空圧力に対するフィードバック制御をPID制御で行わせる回路である。シーケンス制御回路23は、インターフェイス回路21から与えられた動作モードに従って、空気圧制御部30内の第1電磁弁34の駆動コイルSV1と第2電磁弁35の駆動コイルSV2とに対し、予め定められた動作をさせる回路である。
【0031】
空気圧制御部30は、位置制御回路31、パルスドライブ回路32、時間開閉動作弁33、第1電磁弁34、第2電磁弁35からなる。位置制御回路31は、真空圧力制御回路22から与えられた弁開度指令値と、真空比例開閉弁16に設けられたポテンショメータ18からアンプ19を介して与えられた弁開度計測値とを比較して、真空比例開閉弁16の弁の位置を制御するものである。パルスドライブ回路32は、位置制御回路31からの制御信号に基づいて、時間開閉動作弁33へパルス信号を送信するものである。
【0032】
時間開閉動作弁33は、図示しない給気側比例弁及び排気側比例弁を内蔵するものであって、パルスドライブ回路32からのパルス信号に応じて、給気側比例弁及び排気側比例弁を時間開閉動作させるものであり、第1電磁弁34を介して、真空比例開閉弁16の空気圧シリンダ41(後述する図4、図5参照)内の空気圧力を調整するものである。
【0033】
操作部40である真空比例開閉弁16は、図15について言えば、反応室10から真空ポンプ13までの排気系のコンダクタンスを変化させるものである。図4、図5に真空比例開閉弁16の断面を示す。図に示すように、その中央には、ピストンロッド43が設けられている。そして、ピストンロッド43に対し、真空比例開閉弁16の上部である空気圧シリンダ41内において、ピストン44が固設され、真空比例開閉弁16の下部であるベローズ式ポペット弁42内において、ポペット弁体45が固設されている。従って、空気圧シリンダ41によりポペット弁体45を移動させることができる。
【0034】
この真空比例開閉弁16では、空気圧シリンダ41内に供給ポート18Aを介して圧縮空気が供給されず、空気圧シリンダ41内が排気ポート18Bを介して排気ラインと連通するときは、空気圧シリンダ41内の復帰バネ46による下向きの付勢力がピストン44に作用するので、図4に示すように、ポペット弁体45は弁座47に密着し、真空比例開閉弁16は遮断した状態となる。
【0035】
一方、空気圧シリンダ41内に給気ポート18Aを介して圧縮空気が供給されるときは、空気圧シリンダ41内の復帰バネ46による下向きの付勢力と、空気圧シリンダ41内の圧縮空気による上向きの圧力とがピストン44に同時に作用するので、そのバランスに応じて、図5に示すように、ポペット弁体45は弁座47から離間し、真空比例開閉弁16は開いた状態となる。
【0036】
よって、ポペット弁体45が弁座47から離間する距離は、弁のリフト量として、空気圧シリンダ41に対する圧縮空気の供給と排気で操作することができる。尚、ポペット弁体45が弁座47から離間する距離は、弁のリフト量として、ピストン44に連結されたスライドレバー48を介して、ポテンショメータ18で計測されるものであり、真空比例開閉弁16の開度に相当するものである。
【0037】
検出部である真空圧力センサー14、15は、図15の反応室10内の真空圧力を計測するキャパシタンスマノメータである。ここでは、計測される真空圧力のレンジに応じて、2個のキャパシタンスマノメータを使い分けている。
【0038】
このような構成を持つ第1実施の形態の真空圧力制御システムでは、動作モードとして、強制クローズモード(CLOSE)を、コントローラ20で選択すると、シーケンス制御回路23は、第1電磁弁34及び第2電磁弁35を図6に示すように動作させる。これにより、空気圧シリンダ41内には圧縮空気が供給されず、空気圧シリンダ41内は排気ラインと連通するので、空気圧シリンダ41内の空気圧が大気圧となり、真空比例開閉弁16は遮断した状態となる。
【0039】
また、動作モードとして、真空圧力コントロールモード(PRESS)を、コントローラ20で選択すると、シーケンス制御回路23は、第1電磁弁34を動作させることによって、時間開閉動作弁33と空気圧シリンダ41とを連通させる。これにより、真空比例開閉弁16の空気圧シリンダ41内の空気圧力が調整され、弁のリフト量が、空気圧シリンダ41で操作できる状態となる。
【0040】
また、このとき、真空圧力制御回路22は、現場入力又は遠隔入力で指示された目標真空圧力値を目標値とするフィードバック制御を開始する。すなわち、図15において、真空圧力センサー14、15で反応室10内の真空圧力値を計測し、それと目標真空圧力値との差(制御偏差)に応じて、真空比例開閉弁16の弁のリフト量を操作し、排気系のコンダクタンスを変化させることによって、反応室10内の真空圧力を目標真空圧力値に一定に保持する。
【0041】
また、真空圧力制御回路22においては、フィードバック制御の制御偏差が大きいときは、フィードバック制御の操作量を最大にさせているので、フィードバック制御の速応性が十分に確保されている。一方、フィードバック制御の制御偏差が小さいときは、予め調整された時定数に段階的に移行するので、反応室10内の真空圧力を安定した状態で維持することができる。
【0042】
具体的には、図13のブロック図のように、真空圧力センサー14、15で計測された反応室10内の真空圧力値を比例微分回路105、106により調整した値は、現場入力又は遠隔入力で指示された目標真空圧力値と比較した後、比例微分積分回路102、103に入力される。その後、直列に接続された積分回路104は、位置制御回路31に出力するため、0〜5Vの範囲の電圧を出力する。積分回路104の時定数は、積分時間調整回路101により決定される。
真空圧力センサー14、15の計測値が、目標真空圧力値に対し離れているときは、内部演算回路により積分回路の積分時間が極小となるように動作する。これにより、積分回路104は、ほぼ無限大のゲインをもつ増幅回路として機能する。
すなわち、真空圧力センサー14、15の計測値>目標真空圧力値の場合は、積分回路104の最大値である5Vが、位置制御回路31に対して出力される。その結果、真空比例開閉弁16は急速に開く方向に動作する。
【0043】
真空圧力センサー14、15の計測値<目標真空圧力値の場合は、積分回路104の最小値である0Vが位置制御回路31に対して出力される。その結果、真空比例開閉弁16は、急速に閉じる方向に動作する。
これらの動作により、真空比例開閉弁16の弁開度は、目標真空圧力値にするための位置の近くまで、最短時間で到達できる。
その後、目標真空圧力値にするための位置の近くまで到達したと判断した積分時間調整回路101は、その位置にて真空圧力を安定した状態で保持するため、予め調整された積分回路104の時定数に段階的に移行する動作を行う。
【0044】
さらに、第1実施の形態の真空圧力制御システムでは、動作モードとして、真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)を、コントローラ20で選択すると、反応室10内の真空圧力を目標真空圧力に到達させる際に、反応室10内の真空圧力変化速度までも制御することができる。
【0045】
ここでは、図7に示すように、反応室10内の真空圧力変化速度を目標真空圧力変化速度の値R3に制御しながら、反応室10内の真空圧力を大気圧V0から所望の真空圧力の値V6に到達させ、さらに維持させる、真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)について説明する。但し、真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)は、強制クローズモード(CLOSE)から移行するものとする。
【0046】
真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)は、その動作内容を、準備時間と実行時間の2つに区分けすることができる。図3は、真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)の準備時間についてのフローチャートであり、図2は、真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)の実行時間についてのフローチャートである。
【0047】
真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)を、コントローラ20で選択すると、先ず、図3のS1に進み、反応室10内の現在の真空圧力を真空圧力センサー14、15を介して取得する。ここでは、反応室10内の現在の真空圧力は大気圧V0であるので(図7参照)、大気圧V0が取得される。
【0048】
次に、S2において、弁のリフト量ランプアップ処理が行われる。ここでは、強制クローズモード(CLOSE)から移行しているので、真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)が選択されたときは、真空比例開閉弁16は遮断した状態にある。そこで、図11に示すように、真空比例開閉弁16の弁のリフト量がランプ関数的に変化するように、バイアス制御回路110が位置制御回路31へ指令電圧を出力し、位置制御回路31がパルスドライブ回路32へ制御信号を発信する(図13参照)。ここでは、一例として、時間t1を10secとし、弁のリフト量の値L1を0.1266mmとする。
【0049】
そして、S3において、時間t1である10secが経過したか否かを判断する。時間t1である10secが経過したと判断したときは(S3:Yes)、S6に進むが、時間t1である10secが経過していないと判断したときは(S3:No)、S4に進んで、反応室10内の現在の真空圧力を真空圧力センサー14、15を介して取得する。その後、S5において、反応室10内の真空圧力について、僅かな圧力降下があったか否かを判断する。僅かな圧力降下がないと判断したときは(S5:No)、S2に戻って、上述した処理を繰り返す。尚、ここでは、僅かな圧力降下を、266Pa以上の圧力降下とする。
【0050】
一方、266Pa以上の圧力降下があると判断したときは(S5:Yes)、時間t1である10secが経過したと判断したとき(S3:Yes)と同様にして、S6に進む。S6からS8では、反応室10内の真空圧力について、現在の真空圧力から266Paを引いた値V1(図7参照)を目標値としたフィードバック制御を、所定の時間(ここでは、10sec)が経過するまで定値制御として行う。そして、フィードバック制御を開始して10secが経過したと判断したら(S8:Yes)、図2のS21に進み、実行時間のフィードバック制御に移行する。
【0051】
図2の実行時間では、先ず、S21において、現場入力又は遠隔入力で指示された目標真空圧力値を取得する。また、S22において、反応室10内の現在の真空圧力を真空圧力センサー14、15を介して取得する。そして、S23において、反応室10内の現在の真空圧力が目標真空圧力値に到達したか否かを判断する。反応室10内の現在の真空圧力が目標真空圧力値に到達していないと判断したときは(S23:No)、S24に進んで、現場入力又は遠隔入力で指示された目標真空圧力変化速度を取得する。
【0052】
また、S25において、反応室10内の現在の真空圧力値を真空圧力センサー14、15を介して取得する。そして、S26において、S25で取得した現在の反応室10の真空圧力値に対し、S24で取得した目標真空圧力変化速度で変化させた真空圧力値を、内部コマンドとしてコントローラ20で発生させている。そして、内部コマンドをフィードバック制御の目標値とし、フィードバック制御の目標値を変更する。その後、S27において、フィードバック制御を行う。
【0053】
具体的には、図13のブロック図に示すように、現場入力又は遠隔入力で指示された目標真空圧力値や真空圧力変化速度は、インターフェース回路21(図6参照)で0〜5Vの範囲の電圧で出力され、内部コマンド発生回路111へ入力される。内部コマンド発生回路111では、現在の反応室10の真空圧力値から、真空圧力変化速度の大きさに応じて、所定の真空圧力値を引き、その値をフィードバック制御の目標値として出力する。従って、その後のフィードバック制御は、特許公報第2677536号に記載されているものと同様である。
【0054】
一方、反応室10内の現在の真空圧力が目標真空圧力値に到達したと判断したときは(S23:Yes)、S28に進んで、S21で取得した目標真空圧力値をフィードバック制御の目標値とする。その後、S27において、フィードバック制御を行う。ここでのフィードバック制御も、特許公報第2677536号に記載されているものと同様である。
【0055】
尚、S27のフィードバック制御は、動作モードが真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)から変更されない限り続行される。
【0056】
また、真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)では、目標真空圧力変化速度を任意に変化させることもできる。例えば、図8に示すように、反応室10内の真空圧力を大気圧V0から所望の真空圧力の値V6に到達させ、さらに維持させる際において、反応室10内の目標真空圧力変化速度を、反応室10内の真空圧力に基づいて、複数の目標真空圧力変化速度の値R1、R2、R3、R4、R5で制御することができる。
【0057】
そのためには、図2のS24で、目標真空圧力変化速度を取得する際において、反応室10内の真空圧力が値V0のときは目標真空圧力変化速度が値R1に、反応室10内の真空圧力が値V2のときは目標真空圧力変化速度が値R2に、反応室10内の真空圧力が値V3のときは目標真空圧力変化速度が値R3に、反応室10内の真空圧力が値V4のときは目標真空圧力変化速度が値R4に、反応室10内の真空圧力が値V5のときは目標真空圧力変化速度が値R5に変化するようにする。
【0058】
上述したように、目標真空圧力変化速度は、0〜5(V)の範囲の電圧で内部コマンド発生回路111(図13参照)に出力されるので、その出力電圧を変化させることによって、目標真空圧力変化速度を変化させることができる。例えば、目標真空圧力変化速度13.3〜2660(Pa/sec)に対し、0〜5(V)の範囲の出力電圧に相当する場合には、13.3(Pa/sec)には0(V)、133(Pa/sec)には0.25(V)、665(Pa/sec)には1.25(V)、1330(Pa/sec)には2.5(V)、2660(Pa/sec)には5(V)が相当する。
【0059】
従って、図2の実行時間の最中において、目標空圧力変化速度を、反応室10内の真空圧力に関係なく、現場入力又は遠隔入力で変化させることもできる。また、図2の実行時間の経過時間に応じて所望の真空圧力変化速度を変化させることも可能である。さらに、目標真空圧力変化速度を予めコントローラ20に設定することもできる。これらにより、反応室10内の真空圧力を任意の圧力曲線に沿わせることができる。
【0060】
また、真空圧力変化速度コントロールモード(SPUR)でも、上述した真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)の図2と同様にして、目標真空圧力変化速度を任意に変化させることができる。例えば、図1に示すように、反応室10内の真空圧力を真空圧V6から所望の真空圧力の値V11に到達させ、さらに維持させる際において、反応室10内の目標真空圧力変化速度を、反応室10内の真空圧力に基づいて、複数の目標真空圧力変化速度の値R6、R7、R8、R9、R10で制御することができる。
【0061】
そのためには、図2のS24で、目標真空圧力変化速度を取得する際において、反応室10内の真空圧力が値V6のときは目標真空圧力変化速度が値R6に、反応室10内の真空圧力が値V7のときは目標真空圧力変化速度が値R7に、反応室10内の真空圧力が値V8のときは目標真空圧力変化速度が値R8に、反応室10内の真空圧力が値V9のときは目標真空圧力変化速度が値R9に、反応室10内の真空圧力が値V10のときは目標真空圧力変化速度が値R10に変化するようにする。
【0062】
尚、図1に示す真空圧力変化速度コントロールモード(SPUR)は、例えば、図示しないマスフローコントローラを介して、反応室10内を窒素などの不活性ガスでパージする場合などの工程で行われる。
【0063】
次に、第2実施の形態の真空圧力制御システムについて説明する。図10に、従来技術の欄で示した図15に対する、第2実施の形態の真空圧力制御システムのブロック図を示す。図6の第1実施の形態の真空圧力制御システムのものと異なる点は、操作部40の真空比例開閉弁16において、ポテンショメータ18とアンプ19とが削除され、その代わりに、真空比例開閉弁16の空気圧シリンダ41内の空気圧力を計測する空気圧力センサー70が設けられた点と、位置制御回路31が空気圧制御回路131に代わった点である。従って、真空比例開閉弁16の弁のリフト量は、空気圧力センサー70で取得した空気圧シリンダ41(図4、図5参照)内の空気圧力を介して計測される。
【0064】
また、図9に、真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)の準備時間についてのフローチャートを示す。第2実施の形態の真空圧力制御システムにおいては、真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)を、コントローラ20で選択すると、先ず、S11に進み、反応室10内の現在の真空圧力を真空圧力センサー14、15を介して取得する。
【0065】
次に、S12Aにおいて、空気圧シリンダ41(図4、図5参照)内の空気圧力を、真空比例開閉弁16のポペット弁体45(図4、図5参照)が駆動する直前の値(バイアス値)に到達するように、バイアス制御回路110(図13参照)が空気圧制御回路131へ指令電圧を出力し、空気圧制御回路131がパルスドライブ回路32へ制御信号を発信する。例えば、図12に示すように、空気圧シリンダ41(図4、図5参照)内の空気圧力をバイアス値P1にする。このとき、空気圧シリンダ41(図4、図5参照)内の現在の空気圧力は空気圧力センサー70(図10参照)で取得される。
【0066】
尚、時間t2が経過するまで、バイアス値P1の指令値が発信され続けるのは、空気圧シリンダ41(図4、図5参照)内の空気圧力の充填時間が必要なためである。また、真空比例開閉弁16が遮断した状態にある場合に、反応室10内の真空圧力が大気圧より小さいときは、真空比例開閉弁16のポペット弁体45(図4、図5参照)に対して吸引力が反応室10側に作用し、かかる吸引力の大きさは反応室10内の真空圧力の大きさに影響される。従って、最適なバイアス値は反応室10内の真空圧力の大きさによって異なる。そこで、第2実施の形態の真空圧力制御システムにおいては、バイアス値P1と反応室10内の真空圧力の大きさとの関係を予めデータとして備えている。
【0067】
図9に戻り、S12Aにおいて、空気圧シリンダ41(図4、図5参照)内の空気圧力が予め備えているバイアス値P1に到達すると、S12Bに進んで、空気圧力ランプアップ処理が行われる。例えば、ここでは、図12に示すように、時間t3が経過するまでに、空気圧シリンダ41(図4、図5参照)内の空気圧力がバイアス値P1から値P2へ直線的に変化するように、空気圧制御回路131がパルスドライブ回路32へ制御信号を発信する(図6参照)。
【0068】
尚、第1実施の形態の真空圧力制御システムの図11との関係について言及すれば、空気圧シリンダ41(図4、図5参照)内の空気圧力が値P2であるときに、真空比例開閉弁16の弁のリフト量の値L1が0.1266mmであれば、0.1266mmの弁のリフト量を得るための空気圧力の充填(P1→P2)を、10secかけて行うことに相当する。
【0069】
そして、S13では、時間t2から時間t3までの間が経過したか否かを判断している。図9では、空気圧シリンダ41(図4、図5参照)内の空気圧力が値P2であるときに、真空比例開閉弁16の弁のリフト量の値L1が0.1266mmであるとし、時間t2から時間t3までの間は、時間t1の10secとしている。その後は、第1実施の形態の真空圧力制御システムと同様である。よって、第2実施の形態の真空圧力制御システムの図9のS13、S14、S15、S16、S17、S18は、第1実施の形態の真空圧力制御システムの図3のS3、S4、S5、S6、S7、S8に相当する。
【0070】
以上詳細に説明したように、本実施の形態の真空圧力制御システムでは、半導体製造ライン上に設けられたCVD装置の反応室10内の真空圧力値を真空圧力センサー14、15で計測して(S22)、現場入力又は遠隔入力をもって外部から与えられた目標真空圧力値との差を求め、この差に応じてコントローラ20が外部コマンドを発生し、この外部コマンドに従って空気圧制御部30が真空比例開閉弁16の開度を操作し、反応室10から真空ポンプ13までの排気系のコンダクタンスを変化させることによって、真空ポンプ13でガスが排出される反応室10内の真空圧力を、大気圧から高真空圧までの範囲にある目標真空圧力値に一定に保持するフィードバック制御を行うものである(S27)。
【0071】
このとき、コントローラ20によって、真空圧力センサー14、15で計測された反応容器10内の真空圧力に対し、S24で取得した目標真空圧力変化速度で変化させた真空圧力値を、内部コマンドとして順次発生させている(S26)。そして、順次発生する内部コマンドをフィードバック制御の目標値とし、フィードバック制御の目標値を順次変更することにより(S26)、フィードバック制御を追従制御として実行する(S27)。これにより、反応室20内の真空圧力を目標真空圧力変化速度をもって一律に変化させることができる。
【0072】
すなわち、本実施の形態の真空圧力制御システムでは、真空比例開閉弁16の開度を操作して、外部から与えられた又は予めコントローラ20に設定された目標真空圧力変化速度で反応室10内の真空圧力を一律に変化させることができるから、目標真空圧力変化速度を小さな値で外部から与えることにより、反応室10内からガスを排出させる進行過程をゆっくりと行うことが可能となり、もって、反応室10内でパーティクルが巻き上ることを防止することができる。
【0073】
さらに、反応室10内の真空圧力が目標真空圧力値に到達するまで、外部から与えられた又は予めコントローラ20に設定された目標真空圧力変化速度で反応室10内の真空圧力を一律に変化させることができることから、従来技術の欄で述べたバイパス17で小さく抑えられる真空圧力変化速度のように、反応室10内の真空圧力変化速度が逆関数的に遅くなっていくことはなく、反応室10内の真空圧力が目標真空圧力値に到達するまでに要する時間を短縮することが可能となる。従って、半導体製造ライン上に設けられた反応室10内のバッチ処理時間の短縮に大きく貢献することになる。
図14に、反応室10内の真空圧力が目標真空圧力値である0(Pa)にまで到達させる場合において、従来技術の欄で述べたバイパス17で行ったとき(線C)と、真空比例開閉弁16で行ったとき(線A、線B)の、反応室10内の真空圧力の経過を示した図である。真空比例開閉弁16で行ったとき(線A、線B)は、目標真空圧力変化速度が665(Pa/sec)のとき(線A)も、目標真空圧力変化速度が332.5(Pa/sec)のとき(線B)も、目標真空圧力変化速度で反応室10内の真空圧力を一律に変化させることができることがわかる。一方、従来技術の欄で述べたバイパス17で行ったとき(線C)は、反応室10内の真空圧力変化速度が逆関数的に遅くなっていく。以上より、本実施の形態の真空圧力制御システムでは、反応室10内の真空圧力が目標真空圧力値である0(Pa)に到達するまでに要する時間を短縮することが可能となる。
【0074】
また、本実施の形態の真空圧力制御システムは、真空比例開閉弁16の開度を操作するフィードバック制御を追従制御として実行することによって(S26、S27)、外部から与えられた又は予めコントローラ20に設定された目標真空圧力変化速度で反応室10内の真空圧力を一律に変化させるものであり、従来技術の欄で述べたバイパス弁17を使用する必要はないことから、かかるバイパス弁17を削除することにより、半導体製造装置の小型化とローコスト化に貢献することができる。
【0075】
また、外部から与えられた又は予めコントローラ20に設定された目標真空圧力変化速度で反応室10内の真空圧力を一律に変化させることができるから、反応室10内からガスを排出させる進行過程を所望の進行過程で行わせることが可能となり、従来技術の欄で述べたバイパス弁17のように、固定オリフィスの大きさで、反応室10内からガスが排出される進行過程が決まってしまうことはない。
【0076】
また、本実施の形態の真空圧力制御システムにおいては、フィードバック制御を追従制御として実行している最中でも、半導体製造ラインを管理する上位制御装置により、目標真空圧力変化速度を可変できるので、導体体製造プロセス全体の状況などを考慮しつつ、反応室10内からガスを排出させる進行過程を所望の進行過程に制御したい要請に応えることができる。
【0077】
また、真空比例開閉弁16の駆動源として空気圧シリンダ41を備えており、フィードバック制御を開始する前に、空気圧シリンダ41に対して予圧をかけることにより(S2、S8)、真空比例開閉弁16の不感帯特性をなくしているので、外部から与えられた又は予めコントローラ20に設定された目標真空圧力変化速度で反応容器10内の真空圧力を一律に変化させる際に応答遅れが発生することはない。
【0078】
ただし、真空比例開閉弁16の機械的零点のずれ、反応室10側と真空ポンプ13側の圧力差などが要因となって、空気圧シリンダ41に対して予圧をかける度合いは、各々の状況に応じて微妙に異なるものであるから、空気圧シリンダ41に対して予圧をかけた直後に、反応室10の真空圧力値を僅かに変化させた値(266Paを引いた値)をフィードバック制御の目標値とする定値制御をしばらく実行することにより(S6〜S8、S16〜S18)、真空比例開閉弁16の不感帯特性を確実になくし、外部から与えられた又は予めコントローラ20に設定された目標真空圧力変化速度で反応室10内の真空圧力を一律に変化させる際に応答遅れが発生することを皆無にして、反応室10内からガスを排出させる進行過程をゆっくりと行う初期状態を最適なものにすることができる。
【0079】
また、本実施の形態の真空圧力制御システムでは、真空比例開閉弁16の開度を操作して、外部から与えられた又は予めコントローラ20に設定された目標真空圧力変化速度で反応室10内の真空圧力を一律に変化させることができるから、目標真空圧力変化速度を小さな値で外部から与えることにより、反応室10内にガスが充填される進行過程をゆっくりと行うことが可能となり、反応室10内にガスを充填する際に、反応室10内の規則的なガス流れを維持し、反応室10内でガスの流れが互いに入り交じり合う状態となることを防止できるので、反応室10内でパーティクルが巻き上ることを防止することができる。
【0080】
また、もし、反応室10内にガスが充填される進行過程をゆっくりと行うことを怠って、反応室10内でパーティクルが巻き上がったとしても、真空比例開閉弁16は開いた状態にあることから、反応室10内で巻き上がったパーティクルを真空ポンプ13で排出することができる。
【0081】
さらに、反応室10内の真空圧力が目標真空圧力値に到達するまで、外部から与えられた又は予めコントローラに設定された目標真空圧力変化速度で反応室10内の真空圧力を一律に変化させることができることから、従来技術で述べたマスフローコントローラで小さく抑えられる真空圧力変化速度のように、反応室10の容積や反応室10内の真空圧力値等に影響されることはなく、反応室10内にガスを充填する際に、反応室10内の真空圧力変化速度を自由に制御することが可能となる。
【0082】
また、本実施の形態の真空圧力制御システムにおいては、反応室10内にガスを充填する際に、フィードバック制御を追従制御として実行している最中でも、半導体製造ラインを管理する上位制御装置により、目標真空圧力変化速度を可変できるので、半導体製造プロセス全体の状況などを考慮しつつ、反応室10内にガスを充填させる進行過程を所望の進行過程に制御したい要請に応えることができる。
【0083】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態の真空圧力制御システムでは、真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)は、強制クローズモード(CLOSE)から移行したものであったが、真空圧力コントロールモード(PRESS)から移行させてもよい。但し、この場合には、真空圧力変化速度コントロールモード(SVAC)の準備時間は、図3のS6又は図9のS16から始まる。
【0084】
また、本実施の形態の真空圧力制御システムは、CVD装置の反応室10以外の半導体製造ラインの真空容器についても、実施することは可能である。
【0085】
【発明の効果】
本発明の真空圧力制御システムでは、真空比例開閉弁の開度を操作して、外部から与えられた又は予めコントローラに設定された目標真空圧力変化速度で真空容器内の真空圧力を一律に変化させることができるから、目標真空圧力変化速度を小さな値で外部から与えることにより、真空容器内にガスが充填される進行過程をゆっくりと行うことが可能となり、真空容器内にガスを充填する際に、真空容器内の規則的なガス流れを維持し、真空容器内でガスの流れが互いに入り交じり合う状態となることを防止できるので、真空容器内でパーティクルが巻き上ることを防止することができる。
【0086】
また、もし、真空容器内にガスが充填される進行過程をゆっくりと行うことを怠って、真空容器内でパーティクルが巻き上がったとしても、真空比例開閉弁は開いた状態にあることから、真空容器内で巻き上がったパーティクルを真空ポンプで排出することができる。
【0087】
さらに、真空容器内の真空圧力が目標真空圧力値に到達するまで、外部から与えられた又は予めコントローラに設定された目標真空圧力変化速度で真空容器内の真空圧力を一律に変化させることができることから、従来技術で述べたマスフローコントローラで小さく抑えられる真空圧力変化速度のように、真空容器の容積や真空容器内の真空圧力値等に影響されることはなく、真空容器内にガスを充填する際に、真空容器内の真空圧力変化速度を自由に制御することが可能となる。
【0088】
また、本発明の真空圧力制御システムにおいては、真空容器内にガスを充填する際に、フィードバック制御を追従制御として実行している最中でも、半導体製造ラインを管理する上位制御装置により、目標真空圧力変化速度を可変できるので、導体体製造プロセス全体の状況などを考慮しつつ、真空容器内にガスを充填させる進行過程を所望の進行過程に制御したい要請に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空圧力変化速度コントロールモードの一例を示した図である。
【図2】本実施の形態の真空圧力制御システムにおける、真空圧力変化速度コントロールモードの実行時間のフローチャート図である。
【図3】第1実施の形態の真空圧力制御システムにおける、真空圧力変化速度コントロールモードの準備時間のフローチャート図である。
【図4】真空比例開閉弁が遮断した状態にあるときの断面図である。
【図5】真空比例開閉弁が開いた状態にあるときの断面図である。
【図6】第1実施の形態の真空圧力制御システムの概略を示したブロック図である。
【図7】真空圧力変化速度コントロールモードの一例を示した図である。
【図8】真空圧力変化速度コントロールモードの一例を示した図である。
【図9】第2実施の形態の真空圧力制御システムにおける、真空圧力変化速度コントロールモードの準備時間のフローチャート図である。
【図10】第2実施の形態の真空圧力制御システムの概略を示したブロック図である。
【図11】弁のリフト量ランプアップ処理における入力信号を示した図である。
【図12】空気圧力ランプアップ処理における入力信号を示した図である。
【図13】本実施の形態の真空圧力制御システムの概略を示したブロック図である。
【図14】本実施の形態の真空圧力制御システムの効果を示した図である。
【図15】CVD装置及びその排気系の概要を示した図である。
【符号の説明】
10 CVD装置の反応室
14、15 真空圧力センサー
16 真空比例開閉弁
18 ポテンショメータ
22 真空圧力制御回路
41 空気圧シリンダ
45 ポペット弁体
70 空気圧力センサー
111 内部コマンド発生回路

Claims (4)

  1. 半導体製造ライン上に設けられた真空容器と、前記真空容器内のガスを排出する真空ポンプと、前記真空容器と前記真空ポンプとを接続する配管上にあって開度を変化させることにより前記真空容器内の真空圧力を変化させるとともにポペット式の弁構造を持った真空比例開閉弁と、前記真空容器内の真空圧力を計測する真空圧力センサーと、前記真空圧力センサーで計測された前記真空容器内の真空圧力値と外部から与えられた目標真空圧力値との差に応じて外部コマンドを発生させるコントローラと、前記外部コマンドに従って前記真空比例開閉弁の開度を操作するサーボ機構とを有し、大気圧から高真空圧までの範囲で前記真空容器内の真空圧力をフィードバック制御する真空圧力制御システムにおいて、
    外部から与えられた又は予め前記コントローラに設定された目標真空圧力変化速度に基づいて算出される真空圧力値を前記コントローラで内部コマンドとして順次発生させるとともに、
    前記内部コマンドを前記フィードバック制御の目標値として順次変更することにより、前記フィードバック制御を追従制御として実行して、前記真空容器内の真空圧力に基づいて前記目標真空圧力変化速度を、前記真空圧力が高いほど前記目標真空圧力変化速度を大きく、前記真空圧力が大気圧に近づくほど前記目標真空圧力変化速度を小さく変化させることにより、前記真空容器にガスを充填する際にパーティクルの巻き上げを防止することができることを特徴とする真空圧力制御システム。
  2. 請求項1に記載する真空圧力制御システムにおいて、
    前記フィードバック制御を追従制御として実行している最中でも、前記半導体製造ラインを管理する上位制御装置により、前記目標真空圧力変化速度を可変できることを特徴とする真空圧力制御システム。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれか1つに記載する真空圧力制御システムにおいて、
    前記真空容器に充填されるガスがマスフローコントローラを介して供給されることを特徴とする真空圧力制御システム。
  4. 請求項3に記載する真空圧力制御システムにおいて、
    前記マスフローコントローラを介して供給されるガスがパージガスであることを特徴とする真空圧力制御システム。
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