JP3935924B2 - プロセスチャンバ内真空圧力制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造プロセスの1工程である酸化膜プロセスを行うためのシステムであって、プロセスチャンバと、該プロセスチャンバにガスを供給するためのガス供給装置と、該プロセスチャンバ内を所定真空圧に維持するためのガス排気装置とを有するプロセスチャンバ内真空圧力制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体製造プロセスの中の酸化膜プロセスにおいては、PYROと呼ばれる半導体製造装置を用いて、薄い酸化膜をつける工程が行われている。PYROと呼ばれる装置は、プロセスチャンバと、プロセスチャンバを高温にするヒータ、ガス供給系の装置と、ガス排気系装置から構成される。
ウエハを入れてプロセスを行うプロセスチャンバは、石英が用いられる。PYROに使用される酸化プロセスを行ためのH2ガス、O2ガス、N2ガスはガス供給装置でマスフロコントローラにて質量流量を正確に制御し、H2ガス、O2ガスを燃焼させてプロセスチャンバに送り込む外部燃焼装置に送られ燃焼させてからプロセスチャンバに供給される。プロセスチャンバは800℃〜900℃に温度制御されている。
一方、プロセスガスは、排気装置である工場ダクト(−1000Pa〜−2000Pa程度の低真空)により回収される。
【0003】
従来のプロセスチャンバ内真空圧力制御システムを図7に示す。
酸化膜を均一に成膜するためには、プロセス時間、温度、プロセス圧力を正確に制御しなければならない。圧力を制御するためには、プロセスチャンバ101と工場ダクト109の間に排気圧コントローラと呼ばれる比例制御弁であるバタフライ弁106と、差圧センサ107と、制御装置108を設け、プロセスチャンバ101の圧力を差圧センサ107で計測し、制御装置108により目標圧力と比較演算し、最適な弁開度を制御することでプロセス圧力を制御する。
つまり、工場ダクト109の排気能力に対し、バタフライ弁106の開度を変えることで排気能力を制御し、プロセスチャンバ101の真空圧力を制御する方法がとられている。
差圧センサ107は、2つの計測ポートを持ち、一方107aは、プロセスチャンバに接続され、もう一方は、リファレンスポート107bとして、大気圧に開放されている。そうすることで大気圧基準からの微減圧を計測し、計測結果は、電圧信号(DC0〜10V)で出力される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら近年、半導体の高集積化、システム化にともない、酸化膜プロセスにおいても、より薄い酸化膜を均一に成膜する必要がでてきた。そのような要請の元では、従来のシステムには次のような問題があった。
(1)酸化膜を均一に成膜する重要な要素として、プロセスチャンバの微減圧を正確に制御する必要がある。一方、大気圧力は気象により5000Pa程度の変動がある。
酸化膜プロセスは、従来ではそのときの大気圧基準で、大気圧より若干低い−50Pa〜−200Paで制御し行われてきた。ところがこの方式だと、気象により大気圧は変動するため、実際のプロセス圧力は大きく違ってくる。(大気圧基準での計測制御のため大気圧力が変動すればその分プロセスチャンバの圧力はシフトしてしまう)
この大気圧力の変動が、酸化膜の膜圧に影響することが確認されている。従来のPYROの排気系の真空圧力制御装置の圧力センサは、大気圧基準のセンサのため大気圧の変動の影響を直接うけてしまう問題があった。
【0005】
大気圧の変動が半導体製造工程に与える悪影響については、従来、例えば特開平10−335201号公報や特開平5−32500号公報において開示されている。それら先行技術は、いずれも大気圧変動を計測して、その条件下で薬液塗布条件を変化させて膜厚を所定の厚みにするための発明であった。
しかし、大気圧の変動に対応して薬液塗布の条件変化させるためには、事前にたくさんの実験を重ね、それらのデータをテーブル等として記憶しておく必要があった。そのため、多くの時間と労力を必要としていた。特に、新しい薬液等を使用する場合には、新しい薬液自体の実験と平行して、事前のデータを得なければならず、多大な労力を必要とする問題があった。
【0006】
(2)また、絶対圧基準のセンサを用い、計測制御すれば大気圧の変動の影響は受けないが、工場ダクトの排気能力は大気圧から−1000Pa〜−2000Pa程度の能力しかないため、大気圧がそれ以上変動した場合は、真空側に制御できない問題があった。例えば、98420Pa(740Torr)に制御目標にした場合、大気圧が、98420Pa付近であれば、バタフライ弁の弁開度を制御することで圧力制御ができるが、大気圧が、たとえば101080Pa(760Torr)のときは、2660Paの差圧分だけ工場ダクトで排気しなければならない。ところが工場ダクトの能力は一般的には、最大でも−2000Pa程度しかなく、たとえバタフライ弁を全開にしても目標とする真空圧力に到達することはできない。
【0007】
また、制御目標を103740Pa(780Torr)にした場合で、大気圧が101080(760Torr)のときは大気圧より高い圧力制御のため、工場ダクトの能力は問題にはならない。よって、バタフライ弁の弁開度を制御することで圧力制御は可能であるが、装置側に不都合がある。大気圧より高い圧力なると、プロセスチャンバがチャンバ内圧力によって内側から押されることになる。リークがあった場合は、真空圧のときは、大気圧を吸い込むことになるが、大気圧より高い場合は逆に、外部へのリークとなる。安全面を考慮すれば、外部に対しガスがリークする方向にあることは好ましくない。また、ウエハの出し入れ口は大気圧より+5000Pa程度の耐圧しかないため、気象の状態が低気圧の場合は、口が開いてしまいプロセスガスが外部にリークする恐れがある。
このように、従来の排気系で絶対圧力制御するためには、工場ダクトの能力、装置側プロセスチャンバの陽圧方向の耐圧、の問題があり、実現できなかった。
【0008】
(3)一方、真空ポンプを設置すれば、絶対圧力センサと、真空圧力制御装置と組み合わせ、絶対圧力制御が可能であるが、PYROと呼ばれる装置は、プロセスチューブ内に存在する余分なイオンと飛ばすためにCLガスを流す。CLガスはH2と反応し、HCLなる。HCLは、金属を腐食させるため、排気系の配管は通常は腐食の発生しないテフロンが用いられる。
ところが、真空ポンプはHCLに耐えるテフロンや、PVC(塩化ビニル)では製造することができないため、絶対圧力が制御できても、耐食性の問題がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決して、半導体の高集積化、システム化にともない、酸化膜プロセスにおいても、より薄い酸化膜を均一に成膜することを可能とするプロセスチャンバ内真空圧力制御システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のプロセスチャンバ内真空圧力制御システムは、次のような構成を有している。
(1)半導体製造プロセスの1工程である酸化膜プロセスを行うためのシステムであって、プロセスチャンバと、該プロセスチャンバにガスを供給するためのガス供給装置と、該プロセスチャンバ内を所定真空圧に維持するためのガス排気装置とを有するプロセスチャンバ内真空圧力制御システムであって、ガス排気装置がエジェクタと、エジェクタへ供給する圧力ガス供給圧力を制御してエジェクタの吸引流量を制御するエジェクタ制御手段とを有する。
【0011】
(2)(1)に記載するプロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、前記エジェクタがノズルを直列に配置した多段式エジェクタであることを特徴とする。
(3)(1)に記載するプロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、 前記エジェクタへの圧力ガス供給圧力を電空変換器にて制御する。
(4)(3)に記載するプロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、前記電空変換器が給気側電磁弁と排気側電磁弁を備え、前記エジェクタ制御手段が、前記給気側電磁弁と前記排気側電磁弁とを同時にデューティ比制御するPWM制御(パルスワイドモジュール制御)を行うことを特徴とする。
(5)(3)に記載するプロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、前記電空変換器がノズルフラッパを用いたものであることを特徴とする。
【0012】
(6)(1)乃至(5)に記載するプロセスチャンバ内真空圧力制御システムのいずれか1つにおいて、前記プロセスチャンバの圧力を計測する圧力センサを備え、前記エジェクタ制御手段が、前記圧力センサの計測値をフィードバックし、目標真空圧力値と、前記計測値を比較演算処理し、最適な操作量を前記電空変換器に与える閉ループ制御を行なうことを特徴とする。
(7)(6)に記載するプロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、大気圧を観測する大気圧センサと、プロセスチャンバ内の圧力を計測する差圧式キャパシタンスマノメータを組合せ演算処理し、プロセスチャンバ内を絶対圧力制御することを特徴とする。
【0013】
真空ポンプは、大型でありプロセスチャンバの近傍に設置することはできないため、長い配管を設ける必要があり、設備が大型化し、コストアップとなる。また、真空ポンプは耐食性の問題がある。
それと比較して、エジェクタは、プロセスチャンバの近傍に設置することが可能であり、低真空圧を発生させるには便利である。また、可動する部品が無く、テフロン等の耐食性樹脂で容易に構成できる。しかし、エジェクタで発生する真空は、エジェクタに流される圧力空気の流量により決定されるため、一般に不安定であり、かつ応答性の悪いものであった。
本発明の(1)から(5)のプロセスチャンバ内真空圧力制御システムでは、エジェクタへの圧力ガス供給流量を電空変換器で制御している。さらに、その電空変換器が給気側電磁弁と排気側電磁弁を備え、エジェクタ制御手段が、給気側電磁弁と排気側電磁弁とを同時にデューティ比制御するPWM制御(パルスワイドモジュール制御)を行うか、その電空変換器をノズルフラッパにより制御しているので、エジェクタへの圧力空気の供給流量を正確かつ高い応答性で制御することができるため、プロセスチャンバ内の真空圧力を精度良くかつ高い応答性で制御することができる。
【0014】
とくに、エジェクタとして多段エジェクタを用いることにより、圧力ガスを2回、3回と複数回利用できるので、圧力ガスを無駄に消費することを防止でき、省エネ化したシステムを実現できる。
また、給気側電磁弁と排気側電磁弁とは、常に同時並列状態で駆動することにより、電磁弁への通電開始時に発生する時間遅れを防止することができ、応答性の高いシステムを実現することができる。また、デューティ比制御することにより、制御しやすいシステムを実現することができる。
【0015】
本発明の(6)及び(7)のプロセスチャンバ内真空圧力制御システムでは、プロセスチャンバの圧力を計測する圧力センサを備え、エジェクタ制御手段が、プロセスチャンバ内の圧力を計測する圧力センサの計測値をフィードバックし、目標真空圧力値と、計測値を比較演算処理し、最適な操作量を前記電空変換器に与える閉ループ制御を行ない、また、大気圧を観測する大気圧センサと、プロセスチャンバ内の圧力を計測する差圧式キャパシタンスマノメータを組合せ演算処理し、プロセスチャンバ内を絶対圧力制御しているので、大気圧の変動をリアルタイムで計測してフィードバック制御しているため、大気圧が変動してもプロセスチャンバ内の真空圧力を目標圧力値に精度良くかつ高い応答性で維持することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るプロセスチャンバ内真空圧力制御システムの一実施形態について図面を参照して説明する。図1に本発明のプロセスチャンバ内真空圧力制御システムの構成を示す。図2に3段エジェクタの詳細図を示す。
内部にウエハを入れて低真空にして酸化膜をつけるプロセスチャンバ11には、外部燃焼装置である燃焼トーチ12が接続している。プロセスチャンバ中央ブロック11は、石英で作られている。燃焼トーチ12には、酸化プロセスを行ためのH2ガス、O2ガス、N2ガスが、各々のマスフロコントローラ13,14,15により質量流量を正確に制御して供給される。
2ガス、O2ガスは、燃焼トーチ12で燃焼されてからプロセスチャンバ11の入力ポートに送り込まれる。ここで、プロセスチャンバは、図示しないヒータにより800℃〜900℃に温度制御されている。
【0017】
一方、プロセスチャンバ11の出力ポートには、エジェクタ16の吸引ポート33が接続されている。エジェクタ16は、3段の多段エジェクタである。すなわち、第1ノズル40、第2ノズル41、第3ノズル42、第4ノズル43が直列的に付設されている。
第1ノズル40の入口は、圧力ガス供給ポート31が形成されたA室16Aと連通している。第1ノズル40の出口は、第2ノズル41の入口に連通している。そして、第1ノズル40の出口と第2ノズル41の入口の間には、吸引口40aが形成されている。吸引口40aは、第1吸引孔32を介して吸引室16Fに連通している。吸引室16Fには、吸引ポート33が形成されている。
第2ノズル41の出口は、第3ノズル42の入口に連通している。そして、第2ノズル41の出口と第3ノズル42の入口の間には、吸引口41aが形成されている。吸引口41aは、第2吸引孔34を介して吸引室16Fに連通している。第2吸引孔34には、逆流を防止するためのチェック弁35が取り付けられている。
【0018】
第3ノズル42の出口は、第4ノズル43の入口に連通している。そして、第3ノズル42の出口と第4ノズル43の入口の間には、吸引口42aが形成されている。吸引口42aは、第3吸引孔36,38を介して吸引室16Fに連通している。第3吸引孔36,38には、逆流を防止するためのチェック弁37,39が取り付けられている。
第4ノズル43の出口は、排気室16Eに連通している。排気室16Eには、排気ポート44が形成されている。排気ポート44は、図示しない工場用ダクトに接続している。
【0019】
エジェクタ16の圧力ガス供給ポート31には、電空変換器17の出力ポートが接続している。電空変圧器17の構成については、後で詳細に説明する。
電空変換器17のパイロット弁ポートには、供給用電磁弁20の出力ポートと、排気用電磁弁21の入力ポートが連通している。供給用電磁弁20の入力ポートは、圧力ガスである圧力エア源に接続している。また、排気用電磁弁21の出力ポートは排気ダクトに接続している。
一方、プロセスチャンバ11の出力ポートには、プロセスチャンバ11内の圧力を計測する差圧式キャパシタンスマノメータである圧力センサ18が接続されている。圧力センサ18の電気信号は、制御手段19に接続されている。圧力センサ18は、プロセスチャンバ11の出力ポートと大気圧との差圧を測定し、制御手段に入力する。
また、大気圧を測定するための大気圧センサ22が設けられている。大気圧センサ22の電気信号は、制御手段19に接続されている。
制御手段19は、圧力センサ18からの信号及び大気圧センサ22からの信号を演算処理することにより、プロセスチャンバ11内の絶対圧力を求めている。
【0020】
電空変換器17、供給用電磁弁20、及び排気用電磁弁21とを1つのユニットにまとめた電空変換ユニット50の詳細な構成を図3及び図4に示す。図4は、図3のAA断面図である。
電空変換ユニット50の下部に、電空変換器であるパイロット式圧力比例制御弁17が付設されている。上部には、供給用電磁弁20と排気用電磁弁21とが付設されている。
パイロット式圧力比例制御弁17は、供給ポート51と、排気ポート52と、出力ポート53がボディに形成されている。パイロット弁55がダイヤフラム構造であり、そのパイロット弁55により隔離される第1ダイヤフラム室56と、第2ダイヤフラム室57とを備える。
また、第2ダイヤフラム室57と主弁の出力ポート53とが連通路54により連通されている。これにより、第2ダイヤフラム室57には、制御対象である主弁の出力圧がかかるようになっている。
【0021】
また、ボディには、第1弁座61及び第2弁座62が形成されている。第1弁座61と当接または離間する第1弁体59が摺動可能に保持されている。また、第2弁座62と当接または離間する第2弁体60が摺動可能に保持されている。第1弁体59は、第1弁座61と当接する方向に第1復帰バネ63により付勢されている。また、第2弁体60は、第2弁座62と当接する方向に第2復帰バネ64により付勢されている。
また、パイロット式圧力比例制御弁17の上部には、供給用電磁弁20及び排気用電磁弁21が付設されている。供給用電磁弁20は、入力ポートが圧力ガス供給源に接続し、出力ポートが図示しない流通路により第1ダイヤフラム室56に連通している。また、排気用電磁弁21は、出力ポートが排気ダクトに接続し、入力ポートが図示しない流通路により第1ダイヤフラム室56に連通している。
【0022】
供給用電磁弁20及び排気用電磁弁21はパルス式電磁弁であり、それらをデューティ制御しているので、高い応答性で正確な開度を得ることができ、これら2つの電磁弁を制御することで、正確かつ高い応答性でパイロット弁55を制御することが可能である。
特に、給気側電磁弁20と排気側電磁弁21とは、常に同時並列状態で駆動しているので、電磁弁への通電開始時に発生する時間遅れを防止することができ、応答性の高いシステムを実現することができる。また、デューティ比制御することにより、制御しやすいシステムを実現することができる。
【0023】
次に、上記構成を有するプロセスチャンバ内真空圧力制御システムの作用を説明する。
3段式のエジェクタ16は図6に示す特性をもつ。図6のグラフの横軸には、エジェクタ16に供給される圧力ガスの供給圧力をとり、縦軸には、吸引流量・空気消費流量、及び真空圧力をとっている。図に示すように、圧力ガスの供給圧力と真空圧力とは概略リニアな関係を有している。従って、図5が示すようにエジェクタ16への供給流量を制御することで真空圧力と、吸引流量を制御することができる。
このグラフが示す特性により、真空圧力を圧力センサ18により計測し、計測値と目標真空圧力とを制御手段19により比較演算し、エジェクタ16に対して送るべき圧力ガスの最適供給圧力を求め、それに基づいて電空変換ユニット50を制御することで、目標とする真空圧力を得ることができる。
【0024】
エジェクタ16は、少ない供給流量で大きな吸引流量を発生させるために、多段式のエジェクタを使用している。
吸引ポート33が接続されているプロセスチャンバの圧力が大気圧の場合は、3段の各エジェクタがプロセスチャンバの圧力が真空方向に向かって下がり始める。そして、吸引室16fの真空圧力が高まる。吸引室16fの真空圧力が高まり、D室16Dの到達真空圧力を越えると、チェック弁39,37が閉じる。さらに、C室16Cの到達真空圧力を越えるとチェック弁35が閉じ、その後は1段目エジェクタ部が真空圧力を高めていく。
電空変換器17は、制御装置からの操作量に対し、高速に応答する必要があるため、供給用電磁弁20と排気用電磁弁21とを使用してパイロット圧力を制御している。供給用電磁弁20及び排気用電磁弁21は、パルスワイド制御(デューティー比制御)することで高速応答を実現している。
【0025】
ここで、供給用電磁弁20と排気用電磁弁21を用いずに、図5に示すような圧電バイモルフ81を利用したノズルフラッパ方式の電空変換器80でも、本発明のプロセスチャンバ内真空圧力制御システムを実現することができる。
圧力センサとしては、800hPa〜1100hPaのレンジの大気圧力センサ22と、プロセスチャンバの圧力を測定するプラスマイナス6650Pa(プラスマイナス50Torr)の測定域を持つ圧力センサ18を用いている。
【0026】
次に、電空変換器ユニット50の作用を説明する。始めに、パイロット式圧力比例制御弁17の作用を説明する。制御手段19により、供給用電磁弁20から第1ダイヤフラム室56にパイロット圧である所定圧力の空気を供給する。そして、第1ダイヤフラム室56と第2ダイヤフラム室57との圧力が等しく、パイロット弁55が図3に示すように中立位置にあるときは、第1弁体59が第1弁座61に当接し、第2弁体60が第2弁座62に当接しているため、出力ポート53は、供給ポート51とも排気ポート52とも連通していない。
【0027】
そして、パイロット圧より出力ポート53の圧力が低下したときには、パイロット弁55が下方向に移動し、パイロット弁軸58が第2弁体60を押し下げるため、供給ポート51と出力ポート53とが連通して、供給空気が出力ポート53に流れる。
また、出力ポート53の圧力が上昇したときは、パイロット弁55が上方向に移動し、パイロット弁軸58が第1弁体59を押し上げるため、排気ポート52と出力ポート53と連通して、出力空気が排気ポート52に流れる。
これにより、所定圧力の流体を出力ポート53から流すことができる。
【0028】
以上詳細に説明したように、本実施の形態のプロセスチャンバ内真空圧力制御システムによれば、半導体製造プロセスの1工程である酸化膜プロセスを行うためのシステムであって、プロセスチャンバ11と、プロセスチャンバ11にガスを供給するためのガス供給装置12と、プロセスチャンバ11内を所定真空圧に維持するためのガス排気装置とを有するプロセスチャンバ内真空圧力制御システムであって、ガス排気装置がエジェクタ16と、エジェクタ16へ供給する圧力ガス供給圧力を制御してエジェクタ16の吸引流量を制御するエジェクタ制御手段17とを有しているので、大気圧が変動しても安定して、プロセスチャンバ内の真空圧力を維持できる。
また、従来のシステムでは、遮断弁と、排気圧力を制御する開度比例弁が必要であったが、本発明のエジェクタを用いたシステムでは開度比例弁は必要ないためローコストでシステムを構築できる。
【0029】
また、上記プロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、エジェクタ16がノズルを直列に配置した多段式エジェクタであるので、少ない量の圧力エアで目標の真空圧力を得ることができるため、省エネを実現できる。
また、多段エジェクタは、供給流量を多くすれば、13300Pa(100Torr)程度まで吸引できる能力があるため、従来真空ポンプで排気制御していた中間圧力領域13300Pa〜93100Pa(100Torr〜700Torr)までの排気制御が可能となる。
また、多段エジェクタは、構造がシンプルで可動部分もないことから故障しにくく安価であり、装置の排気系のシステムのコストダウンに寄与する。
また、エジェクタ16への圧力ガス供給圧力を電空変換器17にて制御しているので、エジェクタ16への供給圧力を精度良く、かつ高い応答性で制御することができる。
また、電空変換器ユニット50が給気側電磁弁20と排気側電磁弁21を備え、エジェクタ制御手段19が、給気側電磁弁20と排気側電磁弁21とを同時にデューティ比制御するPWM制御(パルスワイドモジュール制御)を行うので、エジェクタ16への供給圧力を精度良く、かつ高い応答性で制御することができる。
【0030】
また、上記プロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、電空変換器80がノズルフラッパ81を用いたものであるので、構成をシンプルとすることができる。
また、上記プロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、プロセスチャンバ11の圧力を計測する圧力センサ18を備え、エジェクタ制御手段19が、圧力センサ18の計測値をフィードバックし、目標真空圧力値と、計測値を比較演算処理し、最適な操作量を前記電空変換器に与える閉ループ制御を行なうので、大気圧が変動しても、プロセスチャンバ内の真空圧力を精度良く維持することができる。
また、大気圧を観測する大気圧センサ22と、プロセスチャンバ11内の圧力を計測する差圧式キャパシタンスマノメータである圧力センサ18を組合せ演算処理し、プロセスチャンバ11内を絶対圧力制御しているので、大気圧が変動しても、プロセスチャンバ内の真空圧力を精度良く維持することができる。
【0031】
すなわち、大気圧力が変動しても、プロセスチャンバの真空圧力はシフトすることなく一定に制御できる。その結果、酸化膜の厚みを均一にすることができる。
酸化膜の厚みは、酸化膜を成膜する時間(プロセス時間)で調整されるが、同じプロセス時間で制御したときに大気圧の変動があると膜圧が変動する。
たとえば晴れた日に酸化プロセスを行った時と、雨の日に酸化プロセスを行った時では気圧は違うため、酸化膜の厚みがことなる。となると、気象条件によりプロセス時間を変えなければならなくなる。また、一日にとっても気圧は大きく変化するときもあり、気象条件をみてプロセス時間を調整することは実現困難である。
酸化膜工程では、プロセス時間が一定、プロセスガスの供給流量も一定とすれば圧力が大気方向に向かって高いときは膜圧は厚くなり、真空方向に向かって圧力が低いときには膜圧は薄くなる。
【0032】
従来の酸化膜の工程では、酸化膜の厚みは1000Å〜2000Åであったため、大気圧の変動による酸化膜の膜厚のバラツキは問題にならなかった。しかし、最近の半導体製造プロセスの微細化に伴い、酸化膜の膜厚は薄くなり、20Å以下の薄膜プロセスが行われるようになってきた。このように酸化膜の膜厚が薄いプロセスにおいては、大気圧変動による膜厚のバラツキの影響が大きくなる。酸化膜は、半導体の絶縁膜として形成されるため、膜厚のバラツキは、半導体製造の歩留まりに影響が出てくる。
本発明によれば、工場ダクトの排気能力に依存することなく、しかも、大気圧力の変動に影響されない真空圧力制御装置は、半導体製造プロセスの微細化に貢献するために効果を発揮する。
【0033】
【発明の効果】
本発明のプロセスチャンバ内真空圧力制御システムによれば、半導体製造プロセスの1工程である酸化膜プロセスを行うためのシステムであって、プロセスチャンバと、プロセスチャンバにガスを供給するためのガス供給装置と、プロセスチャンバ内を所定真空圧に維持するためのガス排気装置とを有するプロセスチャンバ内真空圧力制御システムであって、ガス排気装置がエジェクタと、エジェクタへ供給する圧力ガス供給圧力を制御してエジェクタの吸引流量を制御するエジェクタ制御手段とを有しているので、大気圧が変動しても安定して、プロセスチャンバ内の真空圧力を維持できる。
また、従来のシステムでは、遮断弁と、排気圧力を制御する開度比例弁が必要であったが、本発明のエジェクタを用いたシステムでは開度比例弁は必要ないためローコストでシステムを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるプロセスチャンバ内真空圧力制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】エジェクタ16の構成を示す詳細断面図である。
【図3】電空変換ユニット50の構成を示す断面図である。
【図4】図3のAA断面図である。
【図5】ノズルフラッパ式の電空変換器80の構成を示す断面図である。
【図6】エジェクタ16の性能を示すデータ図である。
【図7】従来のプロセスチャンバ内真空圧力制御システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 プロセスチャンバ
12 燃焼トーチ
16 エジェクタ
17 電空変換器
18 圧力センサ
19 エジェクタ制御手段
20 供給用電磁弁
21 排気用電磁弁
50 電空変換ユニット

Claims (5)

  1. 半導体製造プロセスの1工程である酸化膜プロセスを行うためのシステムであって、該酸化膜プロセスを行うための酸化膜プロセスチャンバと、該酸化膜プロセスチャンバにガスを供給するためのガス供給装置と、該酸化膜プロセスチャンバ内を大気圧より若干低い−50Paから−200Paである目標真空圧に維持するためのガス排気装置とを有する酸化膜プロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、
    前記ガス排気装置がエジェクタと、
    前記エジェクタへ供給する圧力ガス供給圧力を制御してエジェクタの吸引流量を制御するエジェクタ制御手段と、
    前記酸化膜プロセスチャンバの圧力を計測する圧力センサと、大気圧を観測する大気圧センサとを有し、
    前記エジェクタ制御手段が、前記圧力センサの計測値をフィードバックし、
    前記目標真空圧力値と、前記計測値を比較演算処理し、前記エジェクタへ供給する圧力ガス供給圧力を制御することにより、前記エジェクタの吸引流量を制御し、前記酸化膜プロセスチャンバ内を前記目標真空圧に維持すること
    前記酸化膜プロセスチャンバ内の圧力を計測する差圧式キャパシタンスマノメータを組合せ演算処理し、前記酸化膜プロセスチャンバ内を絶対圧力制御すること
    を特徴とする酸化膜プロセスチャンバ内真空圧力制御システム。
  2. 請求項1に記載する酸化膜プロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、
    前記エジェクタがノズルを直列に配置した多段式エジェクタであることを特徴とする酸化膜プロセスチャンバ内真空圧力制御システム。
  3. 請求項1に記載する酸化膜プロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、
    前記エジェクタへの圧力ガス供給圧力を電空変換器にて制御する酸化膜プロセスチャンバ内真空圧力制御システム。
  4. 請求項3に記載する酸化膜プロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、
    前記電空変換器が給気側電磁弁と排気側電磁弁を備え、
    前記エジェクタ制御手段が、前記給気側電磁弁と前記排気側電磁弁とを同時にデューティ比制御するPWM制御(パルスワイドモジュール制御)を行うことを特徴とする酸化膜プロセスチャンバ内真空圧力制御システム。
  5. 請求項3に記載する酸化膜プロセスチャンバ内真空圧力制御システムにおいて、
    前記電空変換器がノズルフラッパを用いたものであることを特徴とする酸化膜プロセスチャンバ内真空圧力制御システム。
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