JP4094667B2 - プリン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明は、ガンシクロビルのプロドラッグ製剤及びその薬学的に許容される塩の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)−メトキシ−1,3−プロパン−ジオールから誘導されたL−モノバリンエステル及びその薬学的に許容される塩に関する。本発明は、また、上記の方法に有用な新規な中間体類及びそれらの中間体類を製造する方法に関する。
背景情報
英国特許第1523865号明細書は、9−位に非環式鎖を有する抗ウイルス性のプリン誘導体を記載している。これらの誘導体の中で、INN命名法でアシクロビルと呼ばれる2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)−メトキシ−エタノールは、単純ヘルペスのようなヘルペスウイルスに対して強い活性を有することが見出された。
米国特許第4,355,032号明細書は、INN命名法でガンシクロビルと呼ばれる化合物、9−[(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−メチル]−グアニン又は2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)−メトキシ−1,3−プロパン−ジオール又は9−[(1,3−ジヒドロキシ−2−プロポキシ)−メチル]−グアニン(DHPG)を開示している。ガンシクロビルは、ヘルペス科のウイルス、例えば単純ヘルペス及びサイトメガロウイルスに対し大変有効である。
英国特許出願第2,122,618号には、一般式:
(式中、
Xは、酸素原子又は硫黄原子であり;
R1は、ヒドロキシル基又はアミノ基であり;
R2は、水素原子又は基:CH2OR3 aであり;そして
R3及びR3 aは、同一又は異なって、それぞれアミノ酸アシル基及び生理学上許容されるその塩であってもよい)
で示される9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンが開示されている。これらの化合物は、ジメチルホルムアミド又はヘキサメチルホスホアミドのような強力な極性溶媒中で、グアニン誘導体を側鎖中間体と、好都合には塩基の存在下、縮合することにより、又は強酸の存在下、熱縮合することにより製造することができる。これらの化合物は、ウィルス感染症の治療に有用であり、それらに水性医薬製剤としての価値を与える水への高い溶解度を有している。上記の英国特許出願中の一般式は、R2が基:CH2OR3 aである化合物を含むが、この群の特定の化合物は開示されていない。
ヨーロッパ特許出願公開第0375329号明細書は、以下の式:
(式中、R及びR1は、それぞれ水素原子及びアミノアシル残基から選ばれるが、ただし、R及びR1の少なくとも1つは、アミノ酸アシル残基を表し、Bは、式:
[式中、R2は、C1-6の直鎖、C3-6の分岐鎖もしくはC3-6の環状アルコキシ基、又はヒドロキシ又はアミノ基又は水素原子を表す)の基を表す]
を有するプロドラッグ化合物及びそれらの生理学的に許容される塩を開示している。これらのプロドラッグ化合物は、経口経路に投与するときに有利な生物学的利用能を有し、体内で高い親化合物の濃度が得られると記載されている。
ヨーロッパ特許出願公開第0375329号明細書の実施例3(b)は、白色泡状体としての、ガンシクロビルのビス(L−イソロイシナート)エステルの製造を開示している。実施例4(b)は、白色固体としての、ガンシクロビルのビス(グリシナート)エステルの製造を開示している。実施例5(b)は、固体としての、ガンシクロビルのビス(バリナート)エステルの製造を開示している。実施例6(b)は、90%のビスエステル及び10%のモノエステルを含むシロップとしての、ガンシクロビルのビス(アラニナート)エステルの製造を開示している。ビス−エステルは、ガンシクロビルを、場合により保護されたアミノ酸又はその機能的同等物と反応させることにより製造される。その反応は、従来の方法で、例えばピリジン、ジメチルホルムアミドなどのような溶媒中、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカップリング剤の存在下で、場合により4−ジメチルアミノピリジンのような触媒能を有する塩基の存在下で行われる。記載されたビスエステルは、経口投与用薬剤の製造のために処理が困難な非結晶性物質である。
英国特許出願第8829571号は、ヨーロッパ特許出願公開第0375329号明細書及び米国特許第5,043,339号明細書の優先権特許出願であり、式:
(式中、Rは、ヒドロキシ又はアミノ基又は水素原子を表す)の化合物のアミノ酸エステル及びその生理学的に許容される塩を開示している。
好ましいアミノ酸の例は、例えば、グリシン、アラニン、バリン及びイソロイシンのような6個までの炭素原子を含む脂肪族酸を含む。アミノ酸エステルは、モノエステルもジエステルも含む。このジエステルの製造法は、ヨーロッパ特許出願公開第0375329号明細書中の製造法と同一である;しかしながら、この特許出願並びにヨーロッパ特許出願公開第0375329号明細書及び米国特許第5,043,339号明細書は、モノエステルの製造、又はそれらの有用性を示唆するいかなるデータも開示していない。
Leon Collaらの、J. Med. Chem.(1983)26, 602-604は、アシクロビルのいくつかの水溶性エステル誘導体及びそれらの塩を、アシクロビルのプロドラッグとして開示している。著者らは、アシクロビルが、水へのその限られた溶解性のために目薬又は筋肉注射剤として投与できないことを述べ、したがって、親化合物よりもさらに水溶性であるアシクロビル誘導体を合成している。著者らは、グリシルエステルの塩酸塩、アラニルエステルの塩酸塩、β−アラニルエステルの塩酸塩、コハク酸エステルのナトリウム塩、及びアジド酢酸エステルを開示している。アラニルエステルは、アシクロビルを対応するN−カルボキシ−保護アミノ酸とピリジン中で、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド及び触媒量のp−トルエンスルホン酸の存在下で反応させ、そして続いて接触還元によりα−及びβ−アラニルエステルを塩酸塩として得る方法を含む、従来のエステル化法で製造された。
L. M. Beauchampらの、Antiviral Chemistry & Chemotherapy(1992), 3(3), 157-154は、抗ヘルペス剤アシクロビルの18個のアミノ酸エステル及びアシクロビルのプロドラッグとしてのそれらの有用性を開示し、ラットでアシクロビルの尿中回収量を測定することにより評価した。10個のプロドラッグ、例えばグリシル、D,L−アラニル、L−アラニル、L−2−アミノブチレート、D,L−バリル、L−バリル、D,L−イソロイシル、L−イソロイシル、L−メチオニル、及びL−プロリルエステルは、尿中にアシクロビル自体よりも多量の親薬剤を生じた。著者らによれば、アシクロビルのL−バリルエステルは、研究されたエステルの中で最も優秀なプロドラッグであった。これらのエステルは、Collaらによって使用された方法と同様の方法で製造された。
ヨーロッパ特許出願公開第308065号明細書は、アシクロビルのバリン及びイソロイシンエステル、好ましくは他のエステル及びアシクロビルと比較した場合、経口投与後に腸管からの吸収作用がかなり増加することを示すので、L型を開示している。アミノ酸エステルは、アシクロビルをN−カルボキシ−保護アミノ酸又は酸ハロゲン化物又はアミノ酸の酸無水物と、ピリジン又はジメチルホルムアミドのような溶媒中で、場合により触媒性塩基の存在下で反応させることを含む、従来のエステル化法で製造される。該アシクロビルのアミノ酸エステルは、また、上記の英国特許出願第2,122,618号に開示されているのと同様にして、グアニン誘導体をアミノ酸側鎖中間体と縮合することにより製造してもよい。
PCT特許出願公開WO94/29311号明細書は、アシクロビル又はガンシクロビルを含む、ヌクレオシド類似体のアミノ酸エステルの製造方法を開示している。この方法は、エステル化可能なヒドロキシ基をその線状又は環式エーテル部分中に有するヌクレオシド類似体を、式:
(式中、R1は、水素、C1-4のアルキルもしくはアルケニル基又は他のアミノ酸側鎖を表してもよく、R2は、水素又は基COOR3を表してもよいが、ここでR3は、ベンジル、t−ブチル、フルオレニルメエチル、又は場合によりハロ置換された線状又は分岐状のC1-8のアルキル基である)の2−オキサ−4−アザ−シクロアルカン−1,3−ジオンと反応させることを含む。好ましいR1基は、それぞれ、アシクロビル又はガンシクロビルのグリシン、アラニン、バリン及びイソロイシンエステルを生じる、水素、メチル、イソプロピル及びイソブチルを含む。PCT特許出願公開WO94/29311号明細書の実施例1〜3は、従来の方法によるバリン−置換2−オキサ−4−アザ−シクロアルカン−1,3−ジオン(Z−バリン−N−カルボキシ無水物)によるアシクロビルの縮合のみを開示している。そのPCT出願のアミノ酸エステルは、アシクロビルエステル及びガンシクロビルエステルの両方を含むが、その出願は、ガンシクロビルエステル、ましてガンシクロビルのモノ−エステルの製造方法を開示していない。
2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)−メトキシ−1,3−プロパン−ジオールから誘導されたL−モノバリンエステル及びその薬学的に許容される塩は、強い抗ウイルス剤であり、かつヨーロッパ特許出願公開第694547号明細書に記載されている。これらの化合物は、改良された経口吸収作用及び低毒性を有することが見出されている。この特許出願は、ここで記載した方法とは異なった、これらエステルのあるいくつかの製造方法をも開示している。
本発明は、新規な中間体として、モノ−ヒドロキシで保護されたガンシクロビルの酸付加塩を生成する改良された方法及び新規な中間体に関する。これは、また、高コスト、かつ時間を消費する精製工程を排除し、そのうち全体の製造コストを低下させる、低純度の出発物質の使用を許容する。
発明の要約
第一の特徴において、本発明は、式I
の化合物及びその薬学的に許容される塩の製造方法を提供するが、この化合物を、以下、2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)−メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロピル−L−バリナート又はモノ−L−バリンガンシクロビルと呼ぶ。
このプロセスは、場合により置換されていてもよいグアニン化合物と置換されたグリセリン誘導体との縮合反応、それに続く中間体としての、モノヒドロキシで保護したガンシクロビルの酸付加塩の生成を伴い;この生成物のL−バリン誘導体とのエステル化反応、及びすべての保護基の除去は式Iのプロドラッグを形成する。場合によっては、その方法は、また、式Iのプロドラッグの塩の生成、式Iのプロドラッグの酸付加塩の非塩形態への転化、式Iの結晶状のプロドラッグの光学分割又は式Iのプロドラッグの製造をも含むことができる。その方法の詳細は、以下に述べる。
第2の特徴として、本発明は、モノ−L−バリン ガンシクロビル及びその製薬学上許容し得る塩を製造するのに有用な中間体である式V及び式IVの化合物を提供する。式Vの化合物は、下記式:
(式中、
Xは、酸の付加塩部分であり;
Y2は、ハロ、低級アシルオキシ基、又は場合により置換されていてもよいアラルキルオキシ基であり;そして
P1は、水素又はアミノ−保護基である)
で示される化合物である。式IVの化合物は、下記式:
(式中、
P1は、炭素原子1〜4個の低級アシルであるアミノ−保護基であり;
Y1は、ハロ、低級アシルオキシ基、又は場合により置換されていてもよいアラルキルオキシ基であり;
Y2は、炭素原子1〜4個の低級アシルオキシである)
で示される化合物である。
本発明の第3の特徴は、式V及びIVの新規な中間体を製造するためのプロセスである。
発明の詳細な説明
定義
特に断らないかぎりは、詳細な説明及び請求項で使用する以下の用語は、以下に与えられた意味を有する。
「BOC」は、t−ブトキシカルボニルを意味する。
「CBZ」は、カルボベンジルオキシ(ベンジルオキシカルボニル)を意味する。
「FMOC」は、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)を意味する。
「DHPG」は、9−[(1,3−ジヒドロキシ−2−プロポキシ)メチル]グアニンを意味する。
「アルキル」は、1乃至指定された炭素原子数を有する線状又は分岐状の飽和炭化水素ラジカルを意味する。例えばC1-7のアルキルは、少なくとも1個、しかしながら、7個を超えない炭素原子を有するアルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチルなどである。
「低級アルキル」は、1乃至6個の炭素原子のアルキルを意味する。
「アリール」は、1つの水素原子を除去することによって芳香族炭化水素から誘導された有機ラジカルを意味する。好ましいアリールラジカルは、1つの環(例えば、フェニル)又は二つの縮合環(例えば、ナフチル)を有する芳香族炭素環式ラジカルである。
「アラルキル」は、水素原子が上記定義のアリール基で置き換わったアルキル基である。
「アシル」は、有機酸から水酸基を除去することにより誘導された有機ラジカルである;例えばCH3CO−すなわちアセチルはCH3COOHのアシルラジカルである。そのようなアシル基の他の例は、プロピオニル、又はベンゾイルなどである。「アシル」なる用語は、有機ラジカルRCO−(ここで、Rは上記定義のようなアルキル基である)である「アルカノイル」なる用語を含む。
「低級アルコキシ」、「(低級アルキル)アミノ」、「ジ(低級アルキル)アミノ」、「(低級アルカノイル)アミノ」、及び同様の用語は、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノなどを意味し、ここで、各アルキルラジカルは、上記した「低級アルキル」である。
「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
「トリチル」は、トリフェニルメチル基:(PH)3C−を意味する。
化合物の「誘導体」は、元の化合物から単純な化学操作によって得ることができる化合物を意味する。
化合物の「活性化誘導体」は、所望の化学反応において該化合物を活性化する、元の化合物の反応性の形態を意味するが、ここで、元の化合物は、わずかに反応性があるか又は反応性はない。活性化は、元の化合物の自由エネルギー量よりも大きな自由エネルギー量を有する誘導体、又は分子内での化学的部分を形成して、別の試薬より反応しやすい活性化型を与えることにより達成される。本発明においては、カルボキシ基の活性化は特に重要であり、対応する活性化剤又はカルボキシ基を活性化させる基は、以下でさらに詳しく述べる。活性化されたL−バリン誘導体の例は、式VI:
(式中、P2は、アミノ−保護基であり、Aは、カルボキシ−活性基、例えばハロ、低級アシルオキシ基、カルボジイミド基、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDAC)、イソブチラート基などである)の化合物である。
該アミノ酸(特にL−バリン)をエステル化しやすくさせる、アミノ酸の活性化した形態であるアミノ酸無水物は、本発明で特に重要なものである。アミノ酸無水物は、上記式VIの化合物に含まれる。PCT特許出願公開WO94/29311号明細書に記載されたL−バリンの環状アミノ酸無水物、例えば式VIa:
(式中、P2は、アミノ保護基である)
の2−オキサ−4−アザ−5−イソプロピル−シクロアルカン−1,3−ジオンは、本発明に特に有用である。環状アミノ酸無水物の他の例は、以下にさらに詳しく記載された保護されたアミノ酸N−カルボキシ無水物(NCAs)である。
「保護基」は、(a)反応性基を、望ましくない化学反応に関与することから保護し;そして(b)反応性基の保護がもはや必要なくなった後に容易に除去できる化学基を意味する。例えばベンジル基は、第1級ヒドロキシル官能基のための保護基である。
「アミノ−保護基」は、さもなければ特定の化学反応により変性されるであろう反応性アミノ基を保護する保護基である。その定義は、ホルミル基又は2〜4個の炭素原子を有する低級アルカノイル基、特にアセチル又はプロピオニル基、トリチル又は置換トリチル基、例えばモノメトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチルすなわち4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル基のようなジメトキシトリチル基、トリフルオロアセチル基、及びN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)すなわち「FMOC」基、アリルオキシカルボニル基又は(C6−C12)アリール低級アルキルカーボネート(例えば、ベンジルクロロカーボネートから誘導されたN−ベンジルオキシカルボニル基)のようなハロカーボネートから誘導されるか、あるいはビフェニルアルキルハロカーボネート、又は第3級アルキルハロカーボネート(例えば第3級ブチルハロカーボネート、特に第3級ブチルクロロ−カーボネート)、又はジ(低級)アルキルジカーボネート、特にジ(t−ブチル)−ジカーボネートから誘導される他の保護基、フタリル基及びトリフェニルメチルクロリドのようなトリフェニルメチルハライド、及びトリフルオロ酢酸無水物を含む。
「ヒドロキシ−保護基」は、さもなければ特定の化学反応により修飾されるヒドロキシ基を保持する保護基を意味する。本発明においては、該ヒドロキシ−保護基は、すべての他の反応工程の終了後に容易に除去し得る、低級アシル基(例えば、アセチル基若しくはプロピオニル基)、又はアラルキル基(例えば、場合によりフェニル環が置換されていてもよいベンジル基)のようなエーテル−あるいはエステル形成基であってもよい。
ここで用いる「シリル化触媒」は、グアニンのシリル化を促進する触媒、例えば硫酸アンモニウム、p−トルエンスルホン酸、スルホン酸トリフルオロメタン、トリメチルシリルトリフルオロメタン・スルホネート、ビストリメチルシリル・スルホネート、硫酸、カリウム・ブチルスルホネート、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、ナトリウム・ボロフルオリドのことである。
ここで用いる「シリル化剤」は、グアニンをシリル化することができる化合物のことである。好ましいシリル化剤は、ヘキサメチルジシラザン[R5、R6及びR7がすべてメチルである式(IIa)の化合物を与える]である。しかしながら、他の多くのシリル化剤は、先行技術として既知である。例えば、グアニンは、トリメチルシリル・クロリド、tert−ブチルジメチルシリル・クロリドなどのような、式:SiR5R6R7X(式中、R5、R6及びR7は、独立して、低級アルキルであり、Xは、クロロ又はブロモである)のトリアルキリルシリル・ハライドと、好ましくは塩基約1〜2モル当量の存在下に反応させてもよい。過シリル化した式(IIa)の化合物を、下記のように表す。
式(IIa)の化合物は、1、2若しくは3個のシリル基、又はその混合物で保護したグアニンを表し、ここでZ1、Z2及びZ3は、独立して、水素、又は少なくともZ1、Z2及びZ3の1つがシリル基でなければならないことを条件として式:SiR5R6R7のシリル基であり、ここでR5、R6及びR7は、独立して、低級アルキルである。式(IIa)の化合物は、該式に示されているように、N−7異性体及びN−9異性体(互換異性混合物)であることに注意されたい。
「脱離基」は、化学反応で別の基により置換される置換活性基を意味する。脱離基の例は、ハロゲン、場合により置換されたベンジルオキシ基、メシルオキシ基、トシルオキシ基又はアシルオキシ基である。
式Iの化合物の製造に使用されるすべての活性化剤及び保護剤は、以下の条件を満たさなければならない;(1)それらの導入は、定量的に、かつL−バリン成分のラセミ化なしで進めなければならない;(2)所望の反応の間、存在する保護基は、使用される反応条件に対して安定であるべきである;(3)該基は、エステル結合が安定でありかつエステルのL−バリン成分のラセミ化が起こらない条件で容易に除去されなければならない。
本発明の方法は、式Iのプロドラッグの光学分割をも含むことができる。これら化合物の立体化学及び光学分割に関する用語は、参考文献として本明細書に組み込まれる、ヨーロッパ特許出願公開第694,547号明細書に記載されている。
「場合による」又は「場合により」は、記載された事柄(event)又は情況(circumstance)が起こるか又は起こらないかもしれないこと及びその記述が該事柄(event)又は情況(circumstance)が起こった例及び起こらなかった例を含むことを意味する。例えば「場合により置換されたフェニル」は、フェニルが置換されているか又は非置換であること及びその記述が非置換フェニル及びその中に置換基があるフェニルをも含むことを意味する;「場合により、次に遊離塩基を酸付加塩に転化する」は、該転化が、記載されたその方法が本発明の範囲内にあるように行われるか又は行われないことを意味し、かつ本発明は、遊離塩基を酸付加塩に転化する方法及び遊離塩基を転化しない方法を含む。
「薬学的に許容される」は、一般に安全かつ非毒性である薬学組成物を製造するのに有用であることを意味し、かつ家畜への使用並びに人間への薬剤使用に許容できることを含む。
「薬学的に許容される塩」は、所望の薬理活性を有し、かつ生物学的にもそうでなくても有害でない塩を意味する。そのような塩は、例えば塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸;例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタン−プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、o−(4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタン−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4−メチル−ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコ−ヘプトン酸、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−ナフトエ)酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル−酢酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシ−ナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸で形成された酸付加塩を含む。好ましい薬学的に許容される塩は、塩化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸又はメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタン−スルホン酸、ベンゼン−スルホン酸、p−クロロベンゼン−スルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びショウノウスルホン酸で形成された塩である。
合成反応パラメーター
そうでないと明記しない限りは、ここに記載した反応は、大気圧下で5℃〜170℃(好ましくは10℃〜50℃;最も好ましくは「室温」又は「雰囲気温度」、例えば20℃〜30℃)の温度範囲内で起こる。しかしながら、化学反応で使用される温度範囲は、これら温度範囲より上下の温度であろういくつかの反応が存在することは明らかである。さらに、断らない限りは、反応時間及び条件は、おおよそのものであるが、例えば、ほぼ大気圧で、約5℃〜約100℃(好ましくは約10℃〜約50℃;最も好ましくは約20℃)の温度範囲内で、約1〜約100時間(好ましくは約5〜60時間)の間に起こる。例中で与えられたパラメーターは、おおよそではなく特定されている。
ここで記載した化合物及び中間体の単離及び精製は、所望ならば、適切な分離及び精製方法、例えばろ過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、厚層クロマトグラフィー、又はこれら方法の組み合わせにより達成できる。適切な分離及び単離方法の具体例は、下記の例を参照することで示される。しかしながら、他の同等な分離ないし単離方法も、もちろん使用できる。
目下の好ましい態様
本発明の最も広い定義は、発明の要約中に、式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩の製造方法として示されているが、(R,S)混合物及びある特定の塩が好ましい。
以下の酸は、式Iの化合物と薬学的に許容される塩を形成するために好ましい:塩化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びショウノウスルホン酸である。最も好ましいものは、塩化水素酸、硫酸又はリン酸のような強無機酸である。
最も好ましい化合物は、2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)−メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロピル L−バリナートの塩化水素塩及び酢酸塩である。これら化合物は、結晶性物質として製造でき、それゆえ安定した経口製剤に容易に製造できる。
ここに記載したいかなる方法においても、式I、II、III、IV、V、VI、VIa又はVIIについては、P1、P2、A、Y1、Y2、Z及びXが、発明の要約中で述べられた最も広い定義中で定義された式のことであり、これらの方法は、目下の好ましい態様に適用できる。
合成方法の詳細
本発明の方法は、以下に示す反応シーケンス中に描かれている。
ここで、P1は、水素又はアミノ保護基、P2は、アミノ保護基であり;そして
Xは、製薬学的に許容される酸付加塩基である)で示される。
式IIIの化合物は、グリセリン誘導体であるが、式中、Y1及びY2は、独立してハロ、低級アシルオキシ、若しくは場合により置換されていてもよいアラルキルオキシ基であるか、又はY1又はY2の1つは、バリルオキシ基であり;そしてZは、低級アシルオキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ、ハロ、メシルオキシ又はトシルオキシなどから選ばれた脱離基である。一般的には、グリセリン誘導体のY1及びY2は、式Iのモノ−L−バリンエステルの取得を許容するような形で選択する必要がある。Y1又はY2の1つは、アミノ−保護したL−バリルオキシ基、又はL−バリルオキシ基に変換し得る基であってもよい。
場合により過シリル化した形態での式IIのグアニン化合物を、式IIIの2−置換グリセリンで凝縮して、式IVの化合物を得るが、この化合物は両方のヒドロキシ官能基に保護基(又は、Y1又はY2の1つがバリルオキシ基である場合、ヒドロキシ官能基の1つに保護基)を有し、及び場合によりグアニン基の2−アミノ基に保護基を有する2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−1,3−プロパンジオール(ガンシクロビル)中間体である。両方のヒドロキシ官能基が保護されている場合、式IVの化合物を、次に、1のヒドロキシ官能基において脱保護し、モノ保護ガンシクロビル中間体を得、続いて又は同時に酸付加塩を形成して、式Vの新規な中間体を得る。式Vの化合物を、式VI又はVIaの活性化したL−バリン誘導体によりエステル化して式VIIの化合物を得、場合により次にアミノ−及び/又はヒドロキシ−保護基を除去して、式Iの化合物を形成する。
工程Iにおいて、グリセリン誘導体(ここで、Y1又はY2の1つは、アミノ−保護したL−バリルオキシ基、若しくはL−バリルオキシ基に変換し得る基であり、そして他方はヒドロキシ−保護基である)を用いて、バリルオキシ基を導入する場合には、得られる式IVの化合物を、ヒドロキシ−及び/又はアミノ−保護基の除去により、式Iの化合物に直接転化する。
式Iの化合物は、場合によりその薬学的に許容される塩に転化できる。その方法は、式Iのプロドラッグの酸付加塩の非塩型への転化、式Iの化合物の光学分割又は式Iの結晶状の化合物の製造も含むことができる。
本発明は、式Vの中間体の生成が従来既知の方法を越える明らかな利益をもたらす、モノ−L−バリンガンシクロビルの改良された製造方法である。モノ−ヒドロキシで保護されたガンシクロビルの酸付加塩であるこの新規な中間体は、所望の最終生成物にかかわるいくつかの不純物を実質的に減少させる。
まず、式IIIのいくつかのグリセリン試薬を製造するための出発物質は、特定の不純物により汚染されている可能性がある。これらの不純物はこのグリセリン試薬合成中に除去されず、該試薬をグアニンと縮合反応させる際に、対応する異性体のガンシクロビル不純物が生じる。例えば、式IIIのグリセリン試薬用の出発物質(式中、Y1はベンジルオキシであり、そしてY2及びZはプロピオニルオキシである)は、化合物1−ベンジルオキシ−3−クロロ−2−プロパノールであってもよい。この出発物質は、2−クロロ−3−ベンジルオキシプロパノール又は2−ベンジルオキシ−3−クロロプロパノールを含有してもよい。これらのいずれの不純物も、グリセリン試薬中において対応する不純物を与え、そして、続くグアニンとの縮合反応においてその不純物はガンシクロビル中間体の異性体不純物として最後まで存在し続ける。
第二に、式IIIのグリセリン試薬とのグアニンの反応は、次の異性体生成物、すなわち所望の9−置換グアニン(9−異性体)、及び少量の所望しない7−置換グアニン(7−異性体)の混合物を与える。上記のグリセリン試薬が上記の不純物を含有する場合には、ガンシクロビルの対応する不純物も、また、存在する。これらの不純物のいずれも、所望する9−異性体から容易に除去することはできない。
本発明は、上記の7−異性体を実質的に含まない最終生成物の単離、及び少なくとも50%減少した不純物のレベルをを許容する、式Vの化合物の酸付加塩を与える。この酸付加塩の中間体は、2つのヒドロキシが保護された式IVの化合物を含有するグアニン反応混合物から直接製造することができる。別の方法として、最初に式IVの化合物を1つのヒドロキシ部分において脱保護して、次に、それから酸付加塩の中間体を製造する、1つのヒドロキシが保護されたガンシクロビルを与える。また、式IVの化合物から、最初に両方のヒドロキシ部分に保護を有し、そして、グアニン基の2−アミノ部分に、例えばアシル無水物を有する中間体を製造することができる。この方法は、完全に保護された中間体が所望しない7−異性体を含まずに結晶化できるために好都合である。この完全に保護された中間体から、酸付加塩として、新規な1つのヒドロキシが保護されたガンシクロビルを単離することができる。この完全に保護された化合物は新規な中間体であり、一般式IVの化合物である(式中、P1は、炭素原子1〜4個の低級アシルであるアミノ−保護基であり;Y1は、ハロ、低級アシルオキシ基、又は場合により置換されていてもよいアラルキルオキシ基であり;そしてY2は、炭素原子1〜4個の低級アシルオキシであり;そのためP1及びY2のアシル基は同一である)。好ましい完全に保護された中間体は、ジプロピオニル−モノベンジルガンシクロビル又はジアセチル−モノベンジルガンシクロビルである。
一般的には、式Iの化合物を生産する方法は、グアニン塩基の2−位におけるアミノ基の保護を含むか又は含まなくてもよい。これらの保護基は式Vの塩中間体の形成前、エステル化工程後又は最後の脱保護工程中に、除去してもよい。ガンシクロビル中間体が保護されたアミノ基を有する場合については、その保護基は従来の方法で除去される。例えば、アミノ−保護基が、低級アルカノイル基ならば、塩基性条件(pH8〜11)が保護基を除去するのに使用される。例えば、2−N−アセチル−ガンシクロビルは、アセチル基が完全に除去されるまでアルカリ剤、例えば水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムで処理される。一般に、この反応は、低級アルカノールのような適切な溶媒の存在下で行われる。好ましくは出発物質をメタノールに溶解し、化学量論的に過剰量の水酸化アンモニウムを加える。反応温度は、0〜50℃、好ましくは室温に保持される。反応が終了後(TLCで決定できる)、他の溶媒、例えば、従来の分離法を使用してろ別及び単離できる脱アセチル化生成物の沈殿を導くエチルエーテルを加え、脱−保護生成物の単離を容易にする。
一般的に、本発明の方法を行う場合、合成反応に関与すべきでないこれらのアミノ、ヒドロキシ又はカルボキシル基は、(1)いずれかの脱保護反応が最終生成物を与えるか;又は(2)最終生成物に到る後続の反応工程での保護されていない基の存在が意図する一連の反応を変化させなくなるまで保護しなければならない。要件(1)を満足させる例は、ガンシクロビルのバリン官能基のアミノ基が脱保護工程で除去されるまで保護する、本発明の最終生成物の製造法におけるベンジルカルボニル基である。要件(2)を満足させる例は、保護されていないアミノ基はエステル化反応(工程III)を阻害しないため、ガンシクロビルのグアニン環系のアミノ基を保護するアセチル基、又はトリチル基若しくはモノメトキシトリチル基である。
一般的に、式Iの化合物の製造に用いるのに適した有望なブロッキング剤の基準は、次のとおりである:
(1)それらの導入は、化学量論的に、かつL−バリンの異性化を伴わずに円滑に進まなければならない;
(2)ブロックされた中間体は、保護基の除去が必要となるまで、用いる反応条件に安定でなければならない;
(3)該ブロック基は、残りの分子の化学的性質を変化させず、又はL−バリン成分のラセミ化を来たさない条件下で容易に除去されると思われるものでなければならない。
グアニンのシリル化
(式中、
Z1、Z2及びZ3は、独立して、水素、又は少なくともZ1、Z2及びZ3の1つがシリル基であることを条件として、式:R5R6R7Siのシリル保護基であり、ここでR5、R6及びR7は、独立して、低級アルキルである)
式(IIa)のシリル化グアニンの製造
式:R5R6R7SiX(式中、Xはクロロ又はブロモである)のトリアルキルシリル・ハライド、又はヘキサメチルジシラザンは商業的に入手可能である。
上記の反応スキームで詳細に説明したように、グアニンをシリル化して、対応する式(IIa)のシリル化化合物を得る。
グアニンの保護は、先行技術として既知である(例えば、“Synthesis of 9-substituted Guanines. A Review”by F. P. Clausen and J. J. Christensen, Org. Prep. Proced. Int., 25(4), pp 375-401(1993)参照)。グアニンは、例えば、アシル基、例えばアセチルを用いて、又はシリル基により保護してもよい。従来から、シリル基を保護に用いる場合、所望の反応を進める前に、グアニン中に存在する全ての活性なプロトンがシリル基により交換されるような方法で、グアニンをシリル化、すなわちグアニンをトリシリル誘導体として保護する。しかしながら、工程(a)の縮合反応につながるグアニンのトリシリル化反応は良好な収率で所望の生成物を与え、実際好ましいにもかかわらず、それはグアニンを工程(a)で行われる縮合反応のためにトリシリル化して、式(IV)の化合物の製造に特異的であるようにすることは必須ではないことが見い出されている。通常、スラリーとしてのグアニンをシリル化剤、例えばヘキサメチルジシラザンと還流下で、トリシリル誘導体の完全な形成を示す全懸濁物の溶解まで反応させる。この反応は、48時間以上かかってもよい。ずっと少ない時間、例えば2時間ぐらいの短い時間還流し、その後工程(a)に記載したように式IIIの化合物とかくして製造された上記スラリーとを反応させても、所望の生成物を良好な収率で与えることが見い出されている。より少ない費用が短縮された反応時間に伴い、かつより少ない量のシリル化剤が用いられるため、この結果は明らかに好都合である。短縮した時間でグアニンをヘキサメチルジシラザンと反応させることにより製造した式(IIa)の化合物の組成は確実には全く知られていないが、それは多分いくつかのジシリル及びトリシリルグアニンが混合した、主としてモノシリル誘導体であると信じられている。
1つの好ましい方法において、グアニンをシリル化剤約3〜10モル当量、好ましくはヘキサメチルジシラザン[すなわち、式(IIa)の化合物(式中、R5、R6及びR7は全てメチルである)を与える]と、シリル化触媒、好ましくは硫酸アンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸、トリメチルシリルトリフルオロメタン・スルホネート、又はビストリメチルシリル・スルホネート、最も好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸(約0.01〜0.1モル当量)の存在下で反応させる。その混合物を約5〜24時間、好ましくは約16時間の期間、還流下に加熱する。該反応が実質的に完了した後、過剰なシリル化剤を減圧下に除去し、さらなる精製をせずに、式(IIa)の保護されたグアニン生成物の得られた溶液を次の工程に用いる。
別の方法として、約1〜8時間、好ましくは2〜4時間にする以外は、先のパラグラフに記載のようにして、グアニンをシリル化剤、好ましくはヘキサメチルジシラザンと、シリル化触媒、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸の存在下で反応させる。場合により、過剰なシリル化剤を減圧下に除去し、さらなる精製をせずに、式(IIa)の保護されたグアニン生成物の得られた溶液を次の工程に用いる。
別の方法として、グアニンを、式:SiR5R6R7X(式中、R5、R6及びR7は、独立して、低級アルキルであり、Xは、クロロ又はブロモである)の、トリメチルシリル・クロリド、tert−ブチルジメチルシリル・クロリドなどのようなトリアルキリルシリル・ハライド1〜5モル当量と、塩基約1〜5モル当量の存在下に反応させてもよい。
硫酸アンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸、トリメチルシリルトリフルオロメタン・スルホネート、又はビストリメチルシリル・スルホネートは、上記のグアニンのシリル化反応における、シリル化触媒と同じくらい良好に働くことに注意されたい。しかしながら、トリメチルシリルトリフルオロメタン・スルホネート又はビストリメチルシリル・スルホネートよりもずっと安価であるため、トリフルオロメタンスルホン酸の使用が好ましい。
出発物質
式Iの化合物を製造するために使用されるすべての出発物質は、ガンシクロビル及び保護剤及びカルボキシル基−活性化剤のような、既知のものである。
グアニン又は保護されたグアニン化合物との縮合反応に用いられる式IIIのグリセリン誘導体は、同時係属しているヨーロッパ特許出願公開第694,547号及びヨーロッパ特許第187,297号に記載されている。ヨーロッパ特許第187,297号には、また、式IIIのグリセリン誘導体を製造するいくつかの方法が記載されている。グリセリン誘導体を製造する好ましい方法は、下記の「グリセリン誘導体の製造」の章に記載されている。
好ましいグアニン出発物質は、保護されていないグアニンであり、そして好ましいグリセリン誘導体は、1−プロピオニルオキシ−2−プロピオニルオキシメトキシ−3−ベンジルオキシプロパン、1−アセトキシ−2−アセトキシメトキシ−3−ベンジルオキシプロパン、又は1−ベンジルオキシ−2−アセチルオキシメトキシ−3−ベンジルオキシプロパンである。
工程II(エステル化工程)を実施する前に、L−バリン誘導体のアミノ基を保護して望ましくないアミド形成によるエステル化の妨害を避けなければならない。本発明で有用な種々のアミノ−保護されたL−バリン誘導体は、例えばN−ベンジルオキシカルボニル−L−バリン、BOC−L−バリン及びFMOC−L−バリン、N−ホルミル−L−バリン及びN−ベンジルオキシカルボニル−N−カルボキシ−L−バリン無水物は、すべて商業的に入手可能(SNPE Inc., Princeton, NJ, Aldrich Chemical Co., Milwaukee, WI及びSigma Chemical Co., St. Louis, MO)であるか、又は、例えば、N−アリルオキシカルボニル−L−バリンのように、文献中に記載されている。環状アミノ−保護されたL−バリン誘導体は、上記したような文献中にも記載されている。ベンジルオキシカルボニル−バリン−置換2−オキサ−4−アザ−シクロアルカン−1,3−ジオン(Z−バリン−N−カルボキシ−無水物、又はZ−バリン−NCA)は、本発明で特に重要であり、商業的にも入手できる(SNPE Inc., Princeton NJ)。あるいは、保護工程は、従来の方法で行われる。
式IIIのグリセリン誘導体の製造
本発明で有用なグリセリン誘導体は、既知の出発物質から製造することができる。例えば、式III(式中、Y1は、低級アラルキルオキシ基又はハロであり;Y2は、低級アシルオキシ又はハロであり;そしてZは低級アシルオキシである)の化合物は、下記のようにして製造することができる。この反応は、化合物(式中、Y1はベンジルオキシであり、そしてY2はプロピオニルオキシであり、そしてZはプロピオニルオキシである)、すなわち1−ベンジルオキシ−3−プロピオニルオキシ−2−(プロピオニルオキシ)メトキシプロパンの製造により例示される。
エピクロロヒドリンを、水酸化ナトリウム水溶液中の2硫酸テトラブチルアンモニウムの存在下に室温でベンジルアルコールと反応させる。この反応生成物ベンジル・グリシジル・エーテルを、通常の方法で単離し、その後テトラヒドロフラン及び酢酸中の塩化リチウム懸濁液に40〜60℃、好ましくは60℃以下で徐々に添加する。該反応混合物を室温まで放冷し、2〜10時間、好ましくは3〜6時間撹拌する。生成物を抽出により単離し、洗浄し、次いで乾燥して、1−ベンジルオキシ−3−クロロ−2−プロパノールを得る。その後、無水プロピオン酸を、イオン交換樹脂、例えばAmberlyst 15の存在下に、温度を40〜60℃、好ましくは40〜50℃に維持して、ジメトキシメタンに添加することにより調製されるプロピオン酸メトキシメチルを、この生成物に添加する。反応混合物を熟成し、次いで冷却し、その後ろ過し、洗浄し、次いで蒸留する。この生成物、すなわちプロピオン酸メトキシメチルを、非プロトン性溶媒、例えばヘキサン中、1−ベンジルオキシ−3−クロロ−2−プロパノールと、p−トルエンスルホン酸水和物の存在下に還流下で反応させる。蒸留及び洗浄は、生成物1−ベンジルオキシ−3−クロロ−2−(プロピオニルオキシ)−メトキシプロパンを与える。最後に、式IIIの化合物を製造するために、1−ベンジルオキシ−3−クロロ−2−(プロピオニルオキシ)−メトキシプロパンを、非プロトン性溶媒、例えばトルエン中、プロピオン酸ナトリウムと還流した後、テトラブチルホスホニウム・クロリドを添加する。反応混合物を還流温度90℃で1〜3日間、好ましくは2日間撹拌するが、その際にさらなるテトラブチルホスホニウム・クロリド及び溶媒を添加する。その混合物を還流するまで加熱し、留出物を除去し、その後90℃〜還流温度で3〜16時間、好ましくは5〜10時間撹拌し、その後雰囲気温度まで冷却する。その混合物を、その後ブライン及び水で洗浄した後、有機層を分離し、濃縮すると、1−ベンジルオキシ−3−プロピオニルオキシ−2−(プロピオニルオキシ)−メトキシプロパンが得られる。同様の方法で、式IIIの他のグリセリン誘導体を製造することができる。
L−バリンの活性誘導体の製造
工程II(エステル化工程)を実施する前に、L−バリンは、活性化もされなければならない。保護アミノ酸の少なくとも1当量及び適切なカップリング剤又は脱水剤の1当量、例えば1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド又は塩基性基を有するそのようなジイミドの塩を、最初から使用するべきである。N,N’−カルボニルジイミダゾールのような他のカルボジイミドを使用することもできる。さらなる有用な脱水剤は、無水トリフルオロ酢酸、混合無水物、酸塩化物、1−ベンゾ−トリアゾリルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−4−アザベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、N−エチル−N’−(3−(ジメチルアミノ)−プロピル)カルボジイミド塩酸塩、3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウリニウムテトラフルオロボレート、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−ビス(テトラメチレン)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート又はO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−ビス(テトラメチレン)ウロニウムヘキサフルオロホスフェートである。L. A. Carpinoによるこれらカップリング剤の記載は、J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, p.4397-4398に見出すことができる。
アミノ酸の活性化した形態であるウレタンで保護されたアミノ酸のN−カルボキシ無水物(UNCA’s)は、この目的にも有効であり、これらは、William, D. Fullerらの、J. Am. Chem. Soc. 1990, 112, 7414-7416に記載されているが、これは参考文献として本明細書に組み込まれる。他の保護されたアミノ酸のN−カルボキシ無水物は、前に論じたPCT特許出願公開WO94/29311号明細書に記載されている。要約すれば、保護されたアミノ酸の無水物又は他の活性化誘導体を緩やかな条件下で生成するすべての他の試薬は、カップリング剤として使用できる。
そのアミノ−保護されたアミノ酸は、ハロゲン化低級アルカン、好ましくはジクロロメタンのような不活性溶媒中に、不活性雰囲気下で、例えば窒素雰囲気下で溶解され、そのカップリング剤(好ましくは1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)が加えられる。その反応混合物は、0〜50℃、好ましくはほぼ室温で撹拌される。その反応混合物は、ろ過され、反応生成物(保護されたアミノ酸の無水物)は、単離される。得られた生成物は、乾燥ジメチルホルムアミドのような乾燥不活性溶媒中に溶解され、窒素下に置かれる。
モノ−L−バリンガンシクロビルの製造
工程I:
グアニンと、場合により保護されていてもよい2−アミノ基との縮合反応の条件は、ヨーロッパ特許公報187,297号に記載されている。この縮合反応では、グアニンを、非プロトン性炭化水素溶媒(ベンゼン若しくはトルエン、又はキシレン類のような)又はヘキサ−低級アルキル(ジ)シラザン(例えばヘキサメチルジシラザンなど)と一緒のジメチルホルムアミド中で、式IIIのグリセリン誘導体、及び触媒と、30℃〜還流温度で反応させる。触媒は、トリアルキル・シリル塩(硫酸塩のような)のようなルイス酸塩、又はトリフルオロアルキルスルホン酸、クロロシラン、若しくは硫酸アンモニウム及びピリジンである。縮合工程Iの反応条件のより詳細な開示については、参考文献として本明細書に組み込まれるヨーロッパ特許公報187,297号の開示を参照されたい。得られる化合物は、保護されたヒドロキシ基を有し、場合により保護されていてもよい2−アミノ基を有するガンシクロビル誘導体である。
例えば、式IVのガンシクロビル中間体(式中、Y1は低級アシルオキシであり、そしてY2はベンジルオキシである)を、パーシリル・グアニンを式IIIのグリセリン誘導体(式中、Y1及びZは低級アシルオキシであり、Y2はベンジルオキシである)と縮合することにより製造することができる。典型的には、パーシリル・グアニンを、触媒量のルイス酸塩、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸の存在下、大過剰の式IIIのグリセリン誘導体で、60〜150℃、好ましくは110〜130℃で3〜24時間、好ましくは6〜8時間処理する。その混合物を冷却し、非プロトン性の無極性溶媒、好ましくはトルエンで希釈し、その後、水を慎重に添加する。場合により、その生成物をろ過により単離してもよい。
工程II
工程Iからの保護されたガンシクロビル誘導体を、部分的に脱保護して、場合によりアミノ基で保護された形態であり、1の保護された1級ヒドロキシ官能基を有するガンシクロビルを得る。好ましくは、上記の1級ヒドロキシ官能基をベンジル基で保護する。適切なアミノ−保護基は、炭素原子2〜4個の低級アルカノイル基、特にアセチル基又はプロピオニル基である。他の適切なアミノ−保護基は、トリチル基、又はモノメトキシトリチル基及び4,4’−ジメトキシトリチル基のような置換されたトリチル基である。
上記のように、式Vの化合物の酸付加塩を、2つのヒドロキシが保護された式IVの化合物である工程Iの生成物から、塩の同時製造を伴うヒドロキシ部分の1つの脱保護により、直接製造することができる。別の方法として、式IVの化合物を、最初にヒドロキシ部分の1つにおいて脱保護して、1つのヒドロキシが保護されたガンシクロビルを得て、それから酸付加塩をその後製造する。また、式IVの化合物から、両方のヒドロキシ部分及び2−アミノ・グアニン基に保護を有する中間体を、例えばアシル無水物で最初に製造することができる。この中間体から、新規なモノ−ヒドロキシ保護されたガンシクロビルを、酸付加塩(式V)として、製造することができる。例えば、ジプロピオニル・モノベンジル・ガンシクロビル中間体を、例えばトルエン中、プロピオン酸無水物/ジメチルアミノピリジンとの反応により、式(IV)のプロピオニル・モノベンジル・ガンシクロビル中間体から製造することができる。上記のように、所望しないグアニン7−異性体を実質的に含まずに単離することができるため、ジプロピオニル・モノベンジル・ガンシクロビルのような両方のヒドロキシ部分及び2−アミノ・グアニン基に保護を有するガンシクロビル中間体は好ましい中間体である。
Y1及びY2の両方がアラルキルオキシ、例えばベンジルオキシである場合、次に通常の水素化条件下の水素化分解により、脱保護反応が生じ;Y1又はY2の1つがアシルオキシ又はハロである場合、上記の基は塩基による加水分解により選択的に除去される。
転移水素化反応条件を、また、用いてもよい:水素化パラジウムのようなパラジウム触媒を、シクロヘキセンのような適切な溶媒中で用いる。エタノール又はイソプロパノールのような共溶媒が、付化物のより高い溶解度のために必要であろう。
水素化分解反応は、保護されたガンシクロビルを溶媒系に溶解し、パラジウム化合物、特に炭素に担持させた水酸化パラジウム(Pearlman’s catalyst)のような触媒の存在下、約20℃〜60℃、好ましくは20℃〜35℃で、反応が完了するまで、水素5〜100psi(0.35〜7atm)の高められた圧力、好ましくは水素10〜40psi(0.7〜2.8atm)の、通常の水素化条件で行うことが好ましい。。他の適切な触媒は、一般にPd、炭素に担持させたPd及び均一水素化触媒のような水素化触媒を含んでいる。溶媒系は、メタノール又はエタノールのような低級アルカノールを含んでいる。一般的には、反応は、室温〜溶媒系の還流温度で、例えば空気を排除した水素雰囲気下、沸騰エタノール中で行う。反応容器は、その中に水素を導入する前に、窒素で置換することが好ましい。その触媒をろ過により回収する。ろ液は、過剰な溶媒の蒸発により、体積を大きく減少させることができる。得られる粗反応混合物は、一般的には、未変化の出発物質、及び主生成物として、1の脂肪族ヒドロキシ基が保護された2−アミノ−保護ガンシクロビルを含んでいる。これらの生成物2種の分離は、通常、先行技術から既知の単離手段、多くはクロマトグラフィー法、好ましくはシリカゲルでのクロマトグラフィー法、続く低級アルカノールとハロゲン化低級アルカンの混合物(好ましくはエタノール及びジクロロメタン)のような適切な溶離剤での溶離により行い、1の脂肪族ヒドロキシ基が保護された2−アミノ−保護ガンシクロビルを得る。このガンシクロビル中間体は、その後、通常の方法、例えば塩化水素及びメタノールのような溶媒を用いることにより、式Vの塩化合物として単離することができる。
アシル・ヒドロキシ−保護基を除去する加水分解反応は、保護されたガンシクロビルを塩基性加水分解条件下で処理することが好ましい。加水分解媒質は、メタノール又はエタノールのような低級アルコール、トルエン、及び水酸化ナトリウム水溶液を含んでいてもよい。一般的には、反応は、室温〜溶媒系還流温度で行う。ここで、再び、このガンシクロビル中間体を、上記の式Vの塩化合物として、単離することができる。
例えば、工程Iで得られた生成物を、塩基で低級アシル基(Y1基の)を除去することにより、部分的に脱保護することができる。工程I記載の反応が完了し、そして該反応混合物を冷却し、次いで好ましくはメタノールで希釈した後、水酸化ナトリウム水溶液を添加する。反応が完了するまで、その混合物を40〜90℃、好ましくは60〜80℃で加熱する。反応混合物を、その後、塩酸で慎重に酸性化する。その生成物を、ろ過により塩酸塩として回収し、その後洗浄し、次いで乾燥する。
工程III
この工程では、式VI又は式VIaのアミノ−保護L−バリンの活性化誘導体を、工程IIで得られた式Vの1つのヒドロキシ基が保護されたガンシクロビル塩の誘導体でエステル化する。L−バリン誘導体のための適切なアミノ−保護基は、N−ベンジルオキシカルボニル基、フタリル基、3級ブチルオキシカルボニル基、及びN−(9−フルオレニル−メトキシカルボニル)すなわち「FMOC」基である。
有機塩基(好ましくはTEA)を含有する非プロトン性溶媒(好ましくはジメチルホルムアミド)中の工程II生成物(式VIの化合物)の懸濁液を、非プロトン性溶媒中のL−バリンの活性化誘導体の約同量に添加する。L−バリンの活性化誘導体は、Z−バリン−N−カルボキシ無水物又はL−バリン無水物であることが好ましい。その反応混合物を、0〜40℃、好ましくは4〜10℃で1〜5時間撹拌する。その反応混合物を水で、好ましくはトルエン及び水で希釈する。沈澱物をろ過により回収し、洗浄し、次いで雰囲気温度で乾燥する。
工程IV(式Iの生成物を与える最終脱保護)
工程IIIの生成物のバリン保護基、ヒドロキシ−保護基Y2、及び場合により全ての2−アミノ・グアニン保護基を、脱保護反応により、好ましくは酸性媒質又は溶媒中で、最も好ましくは水素化分解により除去する。酸性条件下の脱保護が好ましいのは、これが該脱保護反応で旅離されたアミノ基をプロトン化するためであり;それは該脱保護反応において式Iの塩基が形成されると同時に、少なくとも化学量論量で存在する酸により捕捉されるためである。式Iの化合物を酸付加塩として単離すると、所望の立体配置が保護される。したがって、脱保護工程を示す、下記のこれらの例は、また、塩の同時形成工程を示している。
その脱−保護反応は、不活性溶媒、好ましくは酸性溶媒中において、水素化分解触媒、例えば白金、又は炭素に担持させた水酸化パラジウム、炭素に担持させたパラジウムを使用して、1〜2000psi(0.07〜140気圧)、好ましくは50〜200psi(3.5〜14気圧)、最も好ましくは5〜20psi(0.35〜1.4気圧)の上昇した水素圧で、前工程の生成物を溶解して行われる。その反応の完了は、通常のTLC分析を使用して監視できる。必要ならば、さらに水素化触媒を加えて、その水素化分解は、転化が完了するまで続けられる。触媒は、除去され、洗浄される。ろ過工程からのろ液及び洗浄液を一緒にし、これを濃縮及び凍結乾燥し、ガンシクロビルL−バリンエステルを単離する。その生成物の精製及び結晶状のエステルの単離は、再結晶化又は液体クロマトグラフィーのような他の精製技術によって行われる。
水素化分解は、出発物質中の不純物(触媒毒)の存在に起因して、ゆっくりであろう。出発物質を、水素化分解の前に、メタノール中、Filtrol(商標)触媒(活性化強酸性白土)、Solka Floc(商標)(粉砕セルロース)、及びADPカーボンのような活性炭のような商業的に入手し得るろ過助剤で処理することが好都合であることが見い出されている。これは、大部分の触媒毒を効果的に除去する。
もし第3級ブチルオキシカルボニル基が、アミノ−保護基として使用されるならば、その除去は、HClのような酸及び溶媒としてのイソプロパノールで、又はトリフルオロ酢酸だけで行われる。
別の方法として、エステル化工程が、トリチル又は置換されたトリチル−保護されたガンシクロビル誘導体で行われるならば、そのような保護基は、水性アルカン酸又はトリフルオロ酢酸又は塩化水素酸で、例えば酢酸水溶液で、−20℃〜100℃の温度での処理により除去できる。
塩の製造
当業者は、式Iの化合物が、酸付加塩として又は対応する遊離塩基として製造できることを理解するであろう。酸付加塩として製造されるならば、その化合物は、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのような適切な塩基で処理することにより遊離塩基に転化できる。しかしながら、式Iの遊離塩基は、特徴づけることが酸付加塩よりも困難であることを指摘することは重要である。遊離塩基を酸付加塩に転化するときに、その化合物を、(前に記述した)適切な有機酸又は無機酸と反応させる。これらの反応は、(酸付加塩を製造する場合には)少なくとも化学量論量の適切な酸であるいは(式Iの遊離化合物を遊離させる場合には)塩基で処理することにより行われる。本発明の塩−形成工程において、典型的には遊離塩基は、水又は低級アルカノール(好ましくはイソプロパノール)及びその混合物のような極性溶媒中に溶解され、酸は、水中又は低級アルカノール中に必要量加えられる。その反応温度は、通常、約0℃〜50℃、好ましくはほぼ室温に保持する。その対応する塩は、自然に沈殿するか、あるいはより小さな極性の溶媒の添加、蒸発又は真空による溶媒の除去、又は溶液の冷却によって溶液から取り出すことができる。
立体異性体の単離及び結晶状の2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロピル−L−バリナートの製造
式(I)から、本発明の化合物は、L−バリン中の非対称炭素原子のほかに、1つの非対称炭素原子(キラル中心)をプロパニル鎖中に有することは明らかである。したがって、二つのジアステレオマー型、Cahnらの規則によって決定されるような、(R)−及び(S)−型が存在する。そのジアステレオマーの分離のための適切な方法は、参考文献として本明細書に組み込まれるヨーロッパ特許出願公開第694547号明細書に記載されている。
式(I)の化合物は、また非結晶状の形態よりも多くのよく知られた利点を有する結晶状の形態に製造される。本発明の化合物を結晶状の形態に製造する適切な方法は、参考文献として本明細書に組み込まれる米国特許出願第281,893号にも記載されている。
以下の製造例及び例は、当業者が本発明をさらに明瞭に理解でき、かつ実施できるように与えられている。それらは、本発明の範囲を限定すると考えるべきではなく、単にそれらの例及び典型例としてだけ考えるべきである。
実施例1
1A.2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ベンジルオキシ−プロピル−1−プロピオネートの調製
スルホン酸トリフルオロメタン(0.5ml)をグアニン(25g)に加え、混合物を手短に撹拌した。ヘキサメチルジシラザン(HMDS)(125ml)を加え、混合物を、溶液が得られるまで還流にて加熱した。溶液を減圧蒸留して、過剰のHMDSを除去した。残渣を冷却し、スルホン酸トリフルオロメタン(0.4ml)を更に加え、次いで、1−プロピオニルオキシ−2−プロピオニルオキシメトキシ−3−ベンジルオキシ−プロパン(70g)を加えた。グアニンが、HPLCによって僅かしか、又は全く検出されなくなるまで、混合物を110〜130℃で数時間加熱した。混合物を冷却し、トルエン(150ml)及びメタノール(21ml)で希釈した。水(20ml)を慎重に加え、次いで、混合物を冷却した。プロピオニルモノベンジルガンシクロビル(29g)をろ過によって回収し、トルエン及び水で洗浄し、乾燥した。
1B.2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ベンジルオキシ−プロピル−1−アセテートの調製
スルホン酸トリフルオロメタン(0.5ml)をグアニン(25g)に加え、混合物を手短に撹拌した。ヘキサメチルジシラザン(HMDS)(125ml)を加え、混合物を、溶液が得られるまで還流にて加熱した。溶液を減圧蒸留して、過剰のHMDSを除去した。残渣を冷却し、スルホン酸トリフルオロメタン(0.4ml)を更に加え、次いで、1−アセトキシ−2−アセトキシメトキシ−3−ベンジルオキシ−プロパン(65g)を加えた。グアニンが、HPLCによって僅かしか、又は全く検出されなくなるまで、混合物を110〜130℃で数時間加熱した。混合物を冷却し、トルエン(75ml)で希釈した。水(25ml)を慎重に加え、次いで混合物を冷却した。アセチルチルモノベンジルガンシクロビル(38g)をろ過によって回収し、トルエン及び水で洗浄し、乾燥した。
1C.2−(2−アセチルアミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−1,3−ジベンジルオキシ−プロパンの調製
実施例1A及び1Bに記載したのと全く同様にして、グリセリン試薬として1−ベンジルオキシ−2−アセチルオキシメトキシ−3−ベンジルオキシプロパン、及び2−N−アセチルグアニンを用いて、2−(2−アセチルアミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−1,3−ジベンジルオキシ−プロパンを調製した。
実施例2
2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ベンジルオキシプロパン−1−オール=ヒドロクロリドの調製
2A.塩としてのモノ保護ガンシクロビル中間体(式Vの化合物)の調製品を、下記のとおり、実施例1Aの生成物から直接調製した:
モノベンジルガンシクロビル=ヒドロクロリドを、実施例1Aに記載の手順の生成物として、下記の変更を用いることによって単離した。反応が完了し、冷却し、そしてメタノール(250ml)で希釈した後に、NaOH(23g)を加えた。混合物を充分撹拌しながら、加熱した。加水分解が完了したと判定されたとき(HPLC、TLC)、混合物を冷却し、濃塩酸(45.2g)を加えた。混合物をろ過し、ろ液を酢酸エチル(240ml)で希釈した。混合物を冷却し、生成物を回収し、酢酸エチルで洗浄し、次いで乾燥して、30.0gを得た。
2B.同様にして、水酸化ナトリウム(10.0g)、メタノール(150ml)及びアセチルモノベンジルガンシクロビル(49g)の混合物を、反応が完了するまで加熱することによって、モノベンジルガンシクロビル=ヒドロクロリドをアセチルモノベンジルガンシクロビル(実施例1Bの生成物)から調製した。溶液を、塩酸(31g)で酸性化し、混合物をろ過した。ろ液を酢酸エチル(750ml)で希釈し、冷却した。生成物をろ過によって回収し、酢酸エチルで洗浄し、次いで乾燥して、47gを得た。
実施例3
2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ベンジルオキシ−プロパン−1−オール=ヒドロクロリドの調製
3A.塩としてのモノ保護ガンシクロビル中間体(式Vの化合物)の調製品を、また、下記のとおり、非塩の中間体[2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ベンジルオキシ−プロパン−1−オール]又はモノベンジルガンシクロビルを経由させて調製した:
モノベンジルガンシクロビルを、下記の変更を用いることによって、実施例1Aに記載の手順の生成物として単離した。反応が完了し、冷却し、そしてトルエン(25ml)で希釈した後に、水(125ml)中のNaOH(25g)溶液を加えた。混合物を充分撹拌しながら、加熱した。加水分解が完了したと判定されたとき(HPLC、TLC)、下方の水相を、アセトン(125ml)、酢酸(25g)及び水(25ml)の熱混合物に、充分撹拌しながら、徐々に加えた。混合物を冷却し、そしてモノベンジルガンシクロビルをろ過によって単離し、水性アセトンで洗浄し、次いで乾燥した。
次に、モノベンジルガンシクロビル(17g)からモノベンジルガンシクロビル=ヒドロクロリドを、濃塩酸(5ml)及びメタノール(80ml)と混合し、すべての固体が溶解するまで暖めることによって調製した。溶液を酢酸エチル(160ml)で希釈し、冷却した。生成物をろ過によって回収し、酢酸エチルで洗浄し、次いで乾燥して、18.1gを得た。
モノベンジルガンシクロビルからモノベンジルガンシクロビル=ヒドロクロリドを調製し得る場合に好ましい溶媒はメタノールであるが、他の溶媒を同様にして用いてもよい。そのようなその他の溶媒は、イソプロパノール、エタノール及びブタノールを包含している。
3B.別の方法として、モノベンジルガンシクロビル及びモノベンジルガンシクロビル=ヒドロクロリドを、下記のとおり、実施例1Bの生成物から調製した:
モノベンジルガンシクロビルを、下記の変更を用いることによって、実施例1Bに記載の手順の生成物として単離した。反応を完了させ、冷却し、トルエン(25ml)で希釈した後に、水(125ml)中のNaOH(25g)溶液を加えた。混合物を充分撹拌しながら、加熱した。加水分解が完了したと判定されたとき(HPLC、TLC)、下方の水相を、アセトン(125ml)、酢酸(25g)及び水(25ml)の熱混合物に、充分撹拌しながら徐々に加えた。混合物を冷却し、モノベンジルガンシクロビルをろ過によって単離し、水性アセトンで洗浄し、次いで乾燥して、41gを得た。
次に、モノベンジルガンシクロビルHClを、上記の実施例3Aに記載したのと同様にして、モノベンジルガンシクロビルから調製した。
3C.別の方法として、モノベンジルガンシクロビル及びモノベンジルガンシクロビル=ヒドロクロリドを、下記のとおり、実施例1Cの生成物から調製した。この実施例では、実施例1Cの生成物は、式IVの2−アミノ保護ジベンジルガンシクロビル中間体であった。
まず、N−アセチル−ジベンジルガンシクロビルをN−アセチル−モノベンジルガンシクロビルに転換した。N−アセチル−ジベンジルガンシクロビル(14.5kg)を、メタノール60.1kg及びパールマン触媒900gと一緒に200l容ガラス製反応器に導入した。この混合物を、水素雰囲気下に置き、40℃に11時間加熱した。Solka Flocケーク越しのろ過によって、触媒を除去した。このケーキをメタノール60kgで洗浄した。N−アセチル−ジベンジルガンシクロビル及びN−アセチル−モノベンジルガンシクロビル溶液から、メタノール(60kg)を蒸留した。この濃メタノール液に水(113kg)を加えた。この混合物を5℃に終夜冷却した。次に、N−アセチル−ジベンジルガンシクロビルをろ過によって除去し、次いでメタノール/水(6:4)140Lで洗浄した。該メタノール/水溶液を合わせ、減圧下、ジャケット温度115℃、27insHg(685.8mmHg)、及びポット温度44℃で、メタノール/水260kgを留去するまで蒸留した。得られた水相をジクロロメタン100kgで3回抽出した(ジクロロメタン抽出は、それぞれエタノール3.75Lを含有していた)。ジクロロメタン相を合わせ、ポット温度40℃までの常圧蒸留によって、ジクロロメタン/エタノールを除去した。ポット残渣にアセトン(7.3L)を加え、次いでポットを撹拌しながら、50℃まで加熱した。この不均一混合物を5℃に終夜冷却した。固体をろ別し、次いでアセトン15Lで洗浄した(−5〜−10℃)。真空オーブン(〜50℃、25insHg(635mmHg)、窒素置換)中で24時間、固体を乾燥した。質量:N−アセチル−モノベンジルガンシクロビル3.425kg。単離収率:29%。HPLC:N−アセチル−モノベンジルガンシクロビル91.7%、モノベンジルガンシクロビル2.3%、N−アセチルガンシクロビル0.3%。
モノベンジルガンシクロビルへのN−アセチル−モノベンジルガンシクロビルのアンモノリシス:N−アセチル−モノベンジルガンシクロビル103gに、メタノール500ml、及び水中の30%NH4OHの100mlを加えた。TLCによって、反応を約22時間で完了させた。メタノールを、28insHgで不均一な混合物から温度40℃まで蒸発させた。水溶液を室温まで冷却し、次いでろ過した。固体を水500mlで洗浄し、真空オーブン(〜50℃、25insHg(635mmHg)、窒素置換)中で終夜乾燥した。重量:94.1g、HPLC:95.5%モノベンジルガンシクロビル。
次いで、HClモノベンジルガンシクロビルを、上記の実施例3Aに記載したのと同様にして、モノベンジルガンシクロビルから調製した。
実施例4
2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ベンジルオキシ−プロパン−1−オール=ヒドロクロリドの調製
4A.塩としてのモノ保護ガンシクロビル中間体(式Vの化合物)の調製品を、下記のとおり、2−アミノ保護中間体である2−(2−プロピオニルアミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ベンジルオキシプロピル−1−プロピオネートを経由させて調製した:
ジプロピオニルモノベンジルガンシクロビルを、下記の変更を用いることによって、実施例1Aに記載の手順の生成物として単離した。反応を完了させ、冷却した後に、プロピオン酸無水物(31g)中の4−ジメチルアミノピリジン(1.6g)の溶液を加え、アシル化が完了するまで(HPLC、TLC)、混合物を加熱した。水(8.5g)を加え、熱混合物をヘキサン(160ml)又はヘキサン(160ml)/トルエン(80ml)混合物で抽出した。混合物の下相を分離し、トルエン(150ml)で希釈した。熱溶液を水(1×25ml、1×75ml)で洗浄し、酢酸エチル(15ml)で希釈し、再び水洗(75ml)した。有機相を冷却し、撹拌した。生成物をろ過によって回収し、トルエンで洗浄し、乾燥して、43gを得た。
水酸化ナトリウム(20.0g)、メタノール(400ml)及びジプロピオニルモノベンジルガンシクロビル(112g)の混合物を、反応が完了するまで加熱することによって、ジプロピオニルモノベンジルガンシクロビルからモノベンジルガンシクロビル=ヒドロクロリドを調製した。溶液を塩酸(73.5g)で酸性化し、混合物をろ過した。ろ液を酢酸エチル(800ml)で希釈し、冷却した。生成物をろ過によって回収し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥して、モノベンジルガンシクロビル=ヒドロクロリド76.7gを得た。
4B.モノベンジルガンシクロビルは、下記のとおり、ジプロピオニルモノベンジルガンシクロビルからも調製することができる。水酸化ナトリウム(7g)、水(80ml)及びジプロピオニルモノベンジルガンシクロビル(22.9g)の混合物を、反応が完了するまで加熱する。混合物を、酢酸(10g)及び水(20ml)の混合物に加え、次いで冷却する。生成物をろ過によって回収し、水洗し、乾燥して、17.1gを得る。
実施例5
2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ベンジルオキシ−1−プロピル−N−(ベンジルオキシカルボニル)−L−バリネートの調製。
5A.N−CBZ−モノバリネート−モノベンジルガンシクロビル(CBZ=カルボベンジルオキシ=ベンジルオキシカルボニル、通常、省略してZ)は、ジメチルホルムアミド(2ml)中のCBZ−L−バリン−N−カルボキシル無水物(2.0g)の溶液を、トリエチルアミン(0.2g)、ジメチルホルムアミド(2ml)及びモノベンジルガンシクロビル(2.0g)の混合物に加えることによって、モノベンジルガンシクロビルから調製することができる。次いで、混合物をトリエチルアミン(0.2g)、トルエン(2.4ml)及び水(8ml)で更に希釈し、激しく撹拌して、結晶化を開始させる。更に水(8ml)を加え、混合物を冷却する。生成物をろ過によって回収し、水洗し、乾燥して、3.1gを得る。
5B.別の方法として、ジメチルホルムアミド(50ml)中のCBZ−L−バリン無水物の溶液を、4−ジメチルアミノピリジン(3.8g)、ジメチルホルムアミド(50ml)及びモノベンジルガンシクロビル(47.0g)の混合物に加えることによって、モノベンジルガンシクロビルからN−CBZ−モノバリネート−モノベンジルガンシクロビルを調製することができる。ジシクロヘキシルカルボジイミド(36.0)の溶液を、CBZ−L−バリン(97.2g)及び酢酸エチル(280ml)の撹拌溶液に加えることによって、無水物を調製する。混合物を終夜撹拌し、ろ過し、ケークを酢酸エチル(150ml)で洗浄する。ろ液をストリッピングに付し、残渣をジメチルホルムアミドに溶解し、上記のとおりに用いる。反応が完了したならば、次いで、混合物をトリエチルアミン(20g)、トルエン(50ml)及び水(200ml)で希釈し、激しく撹拌して、結晶化を開始させる。更に水(200ml)を加え、混合物を冷却する。生成物をろ過によって回収し、水洗し、乾燥して、87.4gを得る。
5C.N−CBZ−モノバリネート−モノベンジルガンシクロビルは、モノベンジルガンシクロビル=ヒドロクロリドから下記のとおり調製することができる。ジメチルホルムアミド(23ml)中のO−モノベンジルガンシクロビルHCl(25.0g、66.8ミリモル)の、窒素雰囲気下での4〜7℃の機械的に撹拌した懸濁液に、スラリーの温度が8℃を越えないような速度で、トリエチルアミン(7.4g、87ミリモル)を加えた。添加が終了したならば、スラリーを4〜6℃で撹拌しながら、ジメチルホルムアミド(23ml)へのZ−バリン−NCA(24.0g、86ミリモル)の溶液を滴加した。添加が終了したならば、氷浴を取り去り、混合物を室温に到達させる(23〜25℃、約30〜45分)。tlc(CH3CN:CH3COOH:H2O=80:10:8)による混合物のアッセイは、この期間の後に反応が完了することを示した。トリエチルアミン(2.2g、21.7ミリモル)、トルエン(17.5ml)及び水(20ml)の混合物への23〜25℃での連続的な添加の後に、混合物を40〜46℃に加熱した。混合物を追加の水(80ml)で一滴ずつ処理し、次いで、23〜25℃まで2時間かけて徐々に冷却した。緩やかに撹拌した混合物に、10〜15分間にわたって水(100ml)を加えた。そうして形成された固体を、10〜15分間にわたって撹拌し、次いで、ろ過によって回収した。フィルターケークを2回水洗(各50ml)し、3時間空気乾燥した。残留トルエンを、減圧下、35〜40℃で除去した。収率:39.3g(100%)。
5D.N−CBZ−モノバリネート−モノベンジルガンシクロビルは、下記のとおり、モノベンジルガンシクロビル=ヒドロクロリドから、好都合にも優れた純度で調製することもできる:CBZ−バリン−NCA(1.15当量)を酢酸エチルに溶解し、23〜27℃のジメチルホルムアミド(DMF)及び酢酸エチル中の4−ジメチルアミノピリジン(3重量%)の存在下で、モノベンジルガンシクロビル(1.0当量)のスラリーに加える。反応混合物を約3時間撹拌した後、反応の進行について、混合物をHPLCによって分析する。反応が実質的に完了したと判定されるまで、反応混合物の撹拌を継続する。水を加えて、反応を急速に停止させ、酢酸エチルを加えて、混合物を希釈する。有機相を分離し、水相を再び酢酸エチルで抽出する。合わせた酢酸エチル溶液を2回水洗し、PWA炭素のような活性炭で35〜40℃で処理し、次いでろ過し、共沸乾燥し、予定した体積まで濃縮する。ヘキサンを89℃で徐々に加え、得られた混合物を25℃まで徐々に冷却して、生成物を結晶化させる。傾瀉によって母液を除去し、生成物を酢酸エチル/ヘキサン(4/3)溶液で2回、ヘキサンで1回洗浄する。酢酸エチル/ヘキサン及びヘキサン洗液を傾瀉によって除去する。純粋な生成物をろ過によって単離し、<45℃で乾燥する。
実施例6
2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロピル−L−バリネート=ヒドロクロリドの調製。
塩酸ガンシクロビル−L−バリネートを、下記のとおり、N−CBZ−モノバリネート−モノベンジルガンシクロビルから調製した。メタノール(100ml)及び濃塩酸(2.7g)中の出発物質(14.2g)の溶液を炭素に担持させた水酸化パラジウム(Pearlman’s触媒)(2.7g)上で水素化した。反応が完了したときに、混合物をろ過し、ろ液を、少量になるまで真空ストリッピングに付した。水(9g)を加え、溶液を再びストリッピングに付して、残留メタノールを除去した。イソプロパノール(35ml)を加え、混合物を激しく撹拌して、結晶化を開始させた。イソプロパノール(55ml)を更に加え、混合物を撹拌し、冷却した。生成物をろ過によって回収し、イソプロパノールで洗浄し、乾燥して、8.0gを得た;MS:355(MH)+。
Claims (7)
- 化合物2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)−メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロピル−L−バリネート、又はその薬学的に許容される塩若しくはそのジアステレオマーの製造方法であって、下記の工程、すなわち、
(a)場合により過シリル化した形態での、式:
(式中、P1は、水素又はアミノ−保護基である)
で示される、場合により置換されていてもよいグアニンを、場合によりルイス酸触媒の存在下、式:
(式中、
Y1及びY2は、独立して、ハロ、低級アシルオキシ、若しくは場合により置換されていてもよいアラルキルオキシ基であり;そして
Zは、脱離基である)
で示される2−置換グリセリン誘導体と縮合させて、式:
(式中、P1、Y1及びY2は上記と同義である)
で示される化合物を得る縮合工程;
(b)その酸付加塩へ続いて又は同時に転換することを伴う、Y1及びY2の両方がアラルキルオキシである場合、Y1又はY2の1つを水素化分解により、あるいはY1又はY2の1つがアシルオキシ又はハロである場合、Y1又はY2の1つを塩基による加水分解により除去する工程;
(c)工程(b)の生成物をL−バリンの活性化誘導体でエステル化する工程;
(d)式:
(式中、
P1は、ヒドロキシ−保護基又は水素であり;
P2は、アミノ−保護基であり;そして
Y2は上記と同義である)
で示される化合物からアミノ−及び/又はヒドロキシ−保護基を除去して、化合物2−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−プリン−9−イル)−メトキシ−3−ヒドロキシ−1−プロピル−L−バリネート又はその薬学的に許容される塩を得る工程を含む方法。 - 該L−バリンの活性化誘導体が、Z−バリン−N−カルボキシ無水物である、請求項1記載の方法。
- グリセリン誘導体が、1−プロピオニルオキシ−2−プロピオニルオキシメトキシ−3−ベンジルオキシプロパン、1−アセトキシ−2−アセトキシメトキシ−3−ベンジルオキシプロパン、又は1−ベンジルオキシ−2−アセチルオキシメトキシ−3−ベンジルオキシプロパンである、請求項1記載の方法。
- 工程(a)の生成物を、炭素原子1〜4個のアシル無水物でさらに処理する、請求項1記載の方法。
- P1が、プロピオニルであり、Y2が、プロピオニルオキシであるか;又はP1がアセチルであり、Y2が、アセチルオキシである、請求項5記載の化合物。
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