JP4094397B2 - 放射線測定装置 - Google Patents

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  • Measurement Of Radiation (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所等の放射性物質取扱施設で使用され、施設の放射線レベルを監視あるいは管理する放射線測定装置に係り、特に検出装置と現場制御盤間のデータ通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射線を取扱う施設においては、放射線漏れは人体に及ぼす影響が大きく、このような事態が発生しないように種々の対策が講じられると共に、万が一放射線漏れが発生しても、これを速やかに且つ確実に検出するため、放射線漏れが発生する可能性のある場所の全てに放射線監視装置を設置し、この監視装置により常時放射線漏れを監視するシステムが構築されている。
【0003】
これらの放射線量を測定する場合、図16および図17に示すように、建屋2内に配置された複数個の検出器11により各場所の放射線(中性子線、X線,α線、β線、γ線など)量を検知し、そのデータは現場制御盤20D内の信号増幅器12に伝送され増幅される。このように伝送・増幅された信号は、信号伝送器23で光信号などに変換されて中央制御盤30に伝送され、中央制御盤30内の信号処理器31によって処理され、予め決められた値を超えた場合は警報を発報し、指示値を表示し、記録計34へ出力される(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
このような検出器11、現場制御盤20D、中央制御盤30から構成される放射線測定装置1Dは、従来は図16に示すようにすべてハードワイヤで結線されていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−235766号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平6−324150号公報
【0007】
【特許文献3】
特開2002−116286号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大きい建屋内で、多数の検出装置、複数個の現場制御盤から構成される大規模な放射線測定システムでは、検出装と現場制御盤間のケーブルの本数が多くまた長くなるためケーブルの材料費、配線費用が全体に占める割合が大きくなり、コスト上の負担となっていた。
【0009】
解決方法の一つとして、信号伝送の無線化が考えられる。しかし、電波、光等による無線送受信の場合、
(1)信号ライン断線などが目に見えないため、信頼性に欠ける、
(2)電波など外来ノイズを受け易く、誤警報などを発報する可能性が高い、
(3)それゆえ施設内で作業する人間に不安感を与える。
等の問題があり、特に高い信頼性が要求される放射線測定装置に関しては未だ採用されるに至っていない。
【0010】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、電波、光などの冗長化、多重化された無線通信を採用することにより、データ通信の信頼性を確保しつつ、ケーブル材料費、工事費を削減し、全体のシステムのコストダウンを実現する放射線測定装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る放射線測定装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、複数の検出装置と現場制御盤と中央制御盤とから成る放射線測定装置において、前記検出装置は、放射線を測定する検出器と、前記検出器により測定されたデータを蓄積する第1のメモリと、前記検出器により測定されたデータを蓄積する第2のメモリと、前記現場制御盤との間で無線通信によりデータ伝送を行う主系信号送受信器と、前記現場制御盤との間で無線通信によりデータ伝送を行う冗長系信号送受信器とを備え、前記現場制御盤は、前記検出装置の前記主系信号送受信器又は前記冗長系信号送受信器との間で無線通信によりデータ伝送を行う信号送受信器と、前記信号送受信器によりデータ伝送の行われたデータを前記中央制御盤に伝送する信号伝送器とを備え、前記中央制御盤は、前記現場制御盤の前記信号伝送器から伝送されるデータを処理する信号処理器と、前記信号処理器により処理されたデータについて予め決められた値を超えた場合に警報を発報する警報器を備え、前記検出装置は、前記検出器で測定されたデータを前記第1のメモリに蓄積し、前記現場制御盤からデータの要求があったときには、前記第1のメモリに蓄積されたデータを前記現場制御盤の前記信号送受信器に送ると共に前記第1のメモリに蓄積されたデータを前記第2のメモリに記憶させた後、前記第1のメモリのデータの蓄積をクリアして前記第1のメモリへ次のデータの蓄積を開始し、前記主系信号送受信器に支障が生じたときは前記主系信号送受信器を休止すると共に前記冗長系信号送受信器を運用状態にし、この前記主系信号送受信器から前記冗長系信号送受信器への切替えにより生じるデータ欠落を検知した前記現場制御盤から再度データを送るよう要求を受けた場合、前記第2のメモリに記憶されているデータを前記現場制御盤に伝送し、更に、前記第1のメモリ及び前記第2のメモリは前記検出器のデータ収集周期に相当する時間のデータを蓄積可能なメモリ容量を有ことを特徴とするものである。
【0012】
次に、上述した課題を解決するために、請求項2に係る放射線測定装置の中央制御盤は、前記放射線測定装置の前記複数の検出装置と前記現場制御盤を実際の配置に関連付けてレイアウトし且つ前記複数の検出装置と前記現場制御盤との無線通信ラインを前記複数の検出装置と前記現場制御盤との間を結ぶ線で表示する表示部を備え、前記表示部は、前記無線通信ラインが前記主系信号送受信器で接続されているときと前記冗長系信号送受信器で接続されているときと断線しているときとでそれぞれ異なる表示形態で前記線を表示することを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。前記冗長系の運用系統が主系統から冗長系統に切替えられたことを表示する表示部を備えることを特徴とするものである。
【0013】
そして、上述した課題を解決するために、請求項3に係る放射線測定装置の中央制御盤は、前記現場制御盤は前記複数の検出装置を備える一定区域内に重複して複数設置され、前記設置された複数の現場制御盤のうち少なくとも1つの現場制御盤は、前記複数の検出装置のうちの所定の検出装置から前記設置された複数の現場制御盤がそれぞれ受信した複数のデータを比較するデータ比較演算部を更に備え、前記中央制御盤は、前記データ比較演算部による比較の結果、継続して複数回データの不一致があるときは前記表示部に異常信号が発生したことを表示すると共にその異常が発生した無線通信ラインを特定して表示することを特徴とするものである。
【0014】
また、上述した課題を解決するために、請求項4に係る放射線測定装置は、前記中央制御盤は、複数の無線通信ラインに異常が発生すると共に当該異常が発生した複数の無線通信ラインが交差する場合、前記表示部において当該交差ポイントを強調表示することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る放射線測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る放射線測定装置1の第1の実施形態の全体的な概要を示すものである。この実施形態に示された放射線測定装置1は、大別して、検出装置10と、現場制御盤20と中央制御盤30とを備える。
【0019】
放射線を取扱う大規模な施設においては、各室等一定の区域毎に現場制御盤20を設け、一区域には放射線漏れの測定ミスを防ぐため複数の検出装置10を設置する。これらの検出装置10で測定されたデータは同一区域内の現場制御盤20を経由して中央制御盤30まで送られ、異常が発生した場合の警報の発報やデータの記録等の集中管理が行われる。放射線測定装置1はこの検出装置10から現場制御盤20へのデータ送信を無線で行うため、検出装置10と現場制御盤20とを結ぶ通信ケーブルがなく、代わって各検出装置10および現場制御盤20は夫々通信用アンテナ19,24を備える。
【0020】
図2は、第1の実施形態に示されて放射線測定装置1の検出装置10、現場制御盤20および中央制御盤30のレイアウト構成を示すものである。
【0021】
検出装置10は、外部に向けてアンテナ19を持つ他、検出器11、信号増幅器12、主系信号送受信器16と冗長系信号送受信器16とを備える信号送受信器16、メモリE13、メモリF14および切替えスイッチ15からなり、検出装置10は一基の現場制御盤20につき必要に応じて複数個設置される。
【0022】
現場制御盤20は、アンテナ24、信号送受信器21、信号伝送器23およびタイミングトリガ発生装置22から構成される。また、中央制御盤30は、信号処理器31、表示器32、警報器33、記録計34を備える。
【0023】
複数の検出装置10と現場制御盤20との間のデータは、電波、赤外線などの無線通信により伝送される。この場合、同時受信による混信を防止するため、各検出装置10からのデータを一定周期毎に取込む方式で行われる。
【0024】
現場制御盤20のタイミングトリガ発生装置22は、時間間隔Tで周期的にパルス列を発生させ、現場制御盤20のアンテナ24から検出装置10のアンテナ19へと電波または赤外線が飛ばされ、検出装置10内の信号送受信器16にデータ発信を指示する。すなわち、図1に示す検出装置10のデータを取込んだ後、時間間隔Tで検出装置10にデータを要求し、さらに時間間隔T後には検出装置10にデータを要求するという作業を繰返し、この現場制御盤20にデータを送ることになっている検出装置10すべてからデータを受取った後は、再度検出装置10のデータを取込むというように、一定周期毎に取込まれる。つまり、図3に示すように、各検出器はT×n(この現場制御盤20に無線接続された検出器の台数)の時間間隔でデータを送出し、現場制御盤20は各検出装置10からのデータをT×nの時間差をおいて受けることになる。
【0025】
検出器11は、測定されたデータをまずメモリE13に順次蓄積させる。現場制御盤20からデータの要求があったときは、この蓄積されたデータを信号送受信器16に送ると共に、メモリF14に記憶させ、メモリE13自体は次に受取るデータのためにクリアされ、次のデータの蓄積を開始する。
【0026】
メモリF14に記憶されたデータも、時間間隔T×n後にはクリアされ次のデータを記憶し、そのデータをT×nの時間の間保持する。
【0027】
本実施形態の放射線測定装置1では、図2に示すように信号送受信機16が主系信号送受信器16と1または2以上の冗長系信号送受信器16とを有する待機冗長方式で構成される。
【0028】
この待機冗長方式においては、運用系として作動している主系信号送受信器16に何らかの支障が生じたときは、主系信号送受信器16を休止させるとともに冗長系信号送受信器16を運用状態にする。また冗長系信号送受信器16が運用系として動作しているときに支障が生じたときには、逆に冗長系信号送受信器16を停止し主系信号送受信器16を運用状態にする。
【0029】
信号の送受信が運用系から待機系に切替るときには一瞬のタイムラグが生じ、いずれかの検出装置10からのデータに欠落が生じるおそれがある。
【0030】
このような場合、図4に示すように、現場制御盤20が先のデータ受領後T×nの時間経過後に次のデータを受取っていないことを検知し、検出装置10に再度データを送るよう要求する。そのときのデータは、メモリE13では既にクリアし、メモリF14に転送されている。
【0031】
この要求を受けた検出装置10は、これがメモリデータの要求であることを感知し、切替えスイッチ15をメモリF14側に切替え、メモリF14に記憶されているデータを現場制御盤20に伝送する。
【0032】
このように、放射線監視装置1の検出装置10と現場制御盤20間を無線通信システムとしても、データ通信が切断されるような場合に待機冗長系統に切り換えることにより送受信を継続させてシステムの信頼性を確保し、欠測データについても各検出器11のデータ収集周期に相当する時間のデータを保存できるメモリ機能を検出装置10に持たせることにより、欠測を防止することが可能となる。
【0033】
特にメモリの容量については、データ収集周期分だけを確保すればよく、大容量のメモリを必要としない。例えば、一基の現場制御盤につき10台の検出装置10を有するシステムで、1秒周期で、全検出器11のデータを収集する場合、各検出装置10のメモリ容量は、1秒分有れば足りる。
【0034】
また、ラインの状態を中央制御盤30の表示部32に視覚的に表すことにより、管理を容易にするとともに、かかる施設で作業する者に安心感を与えることができる。
【0035】
例えば、図5(A)に示すような形で、表示画面上に、検出装置10毎に接続状態を表示する欄を設け、例えば主系信号送受信器16で接続されているときは緑色、冗長系信号送受信器16で接続されているときは黄色で表示する。また、断線しているときは赤色で表示することも可能である。こうすれば、一目でいずれかの検出装置10の通信系に異常が発生したことが分かる。
【0036】
さらに、図5(B)に示すように、放射線測定装置1を、設置された実際の建屋2内の検出装置10、現場制御盤20の配置に関連付けてスケールモデル的にレイアウトし、無線通信ラインを検出装置10と現場制御盤20の間を直線的に接続して表示することも可能である。このときも、例えば主系信号送受信器16で接続されているときは緑色、冗長系信号送受信器16で接続されているときは黄色で表示する。同様に、断線しているときは赤色で表示することも可能である。このように表示すれば、どの検出装置10の通信系に異常が発生したかが容易に分かる。したがって、通常は図5(A)のような表示にしておき、冗長系に切替った旨が表示されると図5(B)に切替えて具体的な位置の見当をつけることができる。
【0037】
このように、各系統の通信ラインを、場所的に把握できるようにしておけば、例えば特定の場所の温度が高い、周辺の2〜3台の検出器で異常がでる等場所的要因による場合などは、原因推定が容易となる。
【0038】
図6乃至図9は、本発明に係る放射線測定装置の第2の実施形態を示すものである。
【0039】
本実施形態に示される放射線測定装置1Aは、図6に示すように、複数の検出装置10を備える同一区域内に重複して2以上の現場制御盤20A,20A’を設置して、多重化構成とする一方、検出装置10A側は冗長化構成されておらず、冗長系信号送受信器を持たない無線通信システムである点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
【0040】
図7は、第2の実施形態における検出装置10A、現場制御盤20A、20A’および中央制御盤30の全体的なレイアウト構成を示すものである。
【0041】
重複して2以上設置された現場制御盤20A、20A’のうち1の現場制御盤20Aは、アンテナ24、信号送受信器21、信号伝送器23、タイミングトリガ発生装置22およびデータ比較演算部25を備える一方、残りの現場制御盤20A’は、アンテナ24、信号送受信器21、信号伝送器22のみから構成される。タイミングトリガ発生装置22およびデータ比較演算部25は、1組の現場制御盤20A、20A’中に各1つあればよく、本実施形態のように共に同一の現場制御盤内に設けてもよく、また、別々の現場制御盤内に設けてもよい。
【0042】
現場制御盤20A,20A’は、通常同一区域内の離れた場所、例えば建屋2内の同一室内の対角位置などに配置され、1台の検出装置10Aは、現場制御盤20A,20A’の双方と送受信を行う。1方の現場制御盤20A付近でノイズが発生してデータが影響を受けても、他方の現場制御盤20A’が離れたところにあればこのノイズの影響を受け難く、いずれか一方のデータ伝送が確保できるようにするためである。
【0043】
第2の実施形態中の一つの検出装置10Aについてのデータ処理の流れを、図8を参照して説明する。
【0044】
現場制御盤20Aのデータ比較演算部25では、各現場制御盤20A,20A’が同一検出装置10Aから受信した同一ソースのデータの比較を常時行う。これらのデータが一致する場合は、そのデータは正しいデータであると考えられるため、そのまま中央制御盤30へと送られ、そこで通常の処理が行われる。すなわち、このデータが一定の範囲内の値(その値を超えると人体に影響を及ぼす値)にとどまるものであるときは、放射線漏れの心配はないのでパスされ、一定の範囲内の値を超えるときは、放射線漏れの可能性があり、警報が発せられる。
【0045】
現場制御盤20A,20A’が受けたデータが継続して複数回相違する場合は、それが一定の範囲内にあるか否かにかかわらず、いずれかの伝送系において支障が生じたものと判断し、中央制御盤30の表示画面に、異常信号が発生したことを表示させ、また、その異常が発生した伝送系統を特定して表示させる。継続して複数回相違した場合に限るのは、突発的な外来ノイズなどの影響を受けた場合にまで異常発生表示させることを防止するためである。すなわち、無線通信中に拾うおそれのある通常のノイズは、極めて短時間で終了するため、次のデータを伝送するときまで持続していない可能性が高く、また逆に、継続して複数回データが相違する場合は、いずれかの伝送系に異常が生じたものとの推定が働く。
【0046】
このようにデータが不一致である場合、すなわち異常を検知した場合であって、いずれか一のデータが、一定の範囲内の値を超えたとき、他の値を正規データとして中央制御盤30に伝送し、放射線漏れはなかったものとして処理される。放射線漏れがあったのであればすべてのデータが一定の範囲を超えた値を示すはずだからである。
【0047】
不一致ではあるけれども、すべてのデータが一定の範囲を超えた場合、現場制御盤20は確認のためデータの再送信を検出装置10Aに要求する。データを補完することにより、欠測の無い測定が可能となり、データ伝送の信頼性が向上する。
【0048】
また、データに相違がある場合は、それが一定の範囲内にあるか否かにかかわらず、データの再送信を検出装置10Aに要求し、データを補完し、欠測の無い測定を可能とするシステムとすることもできる。
【0049】
また本実施形態においても、ラインの状態を中央制御盤30の表示部32に視覚的に表すことにより、管理を容易にするとともに、かかる施設で作業する者に安心感を与えることができる。
【0050】
図9(A)は、中央制御盤30の表示部で表示される画面の一例である。ここでは一つの区域内の二つの現場制御盤20A,20A’を1J、1K等として表示する。継続して複数回データに不一致がない場合は例えば緑色、継続して複数回データに不一致がある場合は黄色、断線しているときは赤色等で表示することが可能である。
【0051】
また、図9(B)に示すように、放射線測定装置1Aを実際の配置に関連付けてスケールモデル的にレイアウトし、無線通信ラインを検出装置10Aと現場制御盤20A,20A’の間を直線的に接続して表示することができる。
【0052】
図10乃至図12は、本発明に係る放射線測定装置の第3の実施形態を示すものである。
【0053】
本実施形態に示された放射線測定装置1Bは、複数の検出装置10Bを備える一定区域内に重複して2以上の現場制御盤20A,20A’を設置する点は第2の実施形態におけるものと同じであるが、さらに検出装置10Bの信号送受信器16a、16a’も多重化構成とした無線通信システムである点で、第2の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第2の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
【0054】
図12は、第3の実施形態における検出装置10B、現場制御盤20A,20A’および中央制御盤30の全体的なレイアウト構成を示すものである。
【0055】
検出装置10Bは、外部に向けて二つのアンテナ19,19を持つ他、検出器11、信号増幅器12、信号送受信器16a,16a’、メモリE13、メモリF14および切替えスイッチ15からなり、検出装置10Bは必要に応じて複数個設置される。
【0056】
検出装置10Bで測定されたデータは、信号増幅器12、メモリE13を経由して二つの信号送受信器16a,16a’へと送られる。この信号送受信器16a,16a’は夫々アンテナ19を持ち、夫々がデータを発信する。同一データが同時に別ルートで発信される点で第1の実施形態における冗長化構成されたものと異なる。
【0057】
第3の実施形態中の一つの検出装置10Bについてのデータ処理の流れを、図11を参照して説明する。
【0058】
検出装置10B側の信号送受信器16aから発信されたデータGは、現場制御盤20Aで受信されたデータG−Jと現場制御盤20A’で受信されたデータG−Kとの二つのデータとして伝送される。同様に、信号送受信器16a’から発信されたデータHは、現場制御盤20Bで受信されたデータH−Jと現場制御盤20B’で受信されたデータH−Kとの二つのデータとして伝送される。すなわち、元々は一つのデータが四つのデータとして多重化されて送信される。現場制御盤20Aのデータ比較演算部25ではこれら多重化されたデータの比較を行い、無線通信区間内のデータ伝送の異常の有無をチェックする。
【0059】
これらのデータが一致する場合は、そのデータは正しいデータであると考えられるので、そのまま中央制御盤30へと送られ、そこで通常の処理が行われる。
【0060】
継続して複数回データに相違がある場合であっても、2以上のデータが一致するときは、それが一定の範囲内にあるか否かにかかわらずその値を正しいデータとして以降の処理を継続するとともに、中央制御盤30の表示画面に異常信号が発生したことを表示する。ここで、継続して複数回相違した場合に限るのは、第2の実施形態の場合と同様に、突発的な外来ノイズなどの影響を受けた場合を除外するためである。
【0061】
すべてのデータが不一致である場合、それが一定の範囲内にあるか否かにかかわらず、現場制御盤20Aは確認のためデータの再送信を検出装置10Bに要求する。データを補完することにより、欠測の無い測定が可能となり、データ伝送の信頼性が向上する。
【0062】
この放射線測定装置1Bにおいても、本実施形態においても、ラインの状態を中央制御盤30の表示部32に視覚的に表すことができる。
【0063】
図12(A)は、中央制御盤30の表示部で表示される画面の一例である。ここでは一つの検出装置10Bで検出した一つのデータが現場制御盤20A,20A’で受信されて、G−J,G−K,H−J,H−Kとして表示される。例えば継続して複数回データに不一致がない場合は緑色、継続して複数回データに不一致がある場合は黄色、断線しているときは赤色で表示する等が可能である。
【0064】
また、図12(B)に示すように、放射線測定装置1Bを実際の配置に関連付けてスケールモデル的にレイアウトし、無線通信ラインを検出装置10Bと現場制御盤20A,20A’の間を直線的に接続して表示することもできる。
【0065】
また、異なる系統のデータの各々に異常が表示された場合、すなわち、異なる検出装置10Bから発信されたデータのいずれかに異常が発生することが同時に複数生じた場合において、図12(B)に示す表示画面において、異常発生を示すラインが交差するものであるときは、この交差ポイントを円形または楕円の淡い色で点滅させる等何らかの形で強調表示し、その付近に持続的なノイズ源が存在する可能性があることを表示させることも可能である。
【0066】
図13乃至図15は、本発明に係る放射線測定装置の第4の実施形態について示すものである。
【0067】
本実施形態に示された放射線測定装置1Cは、検出装置10Cの送受信部を多重化構成とし、かつ複数の検出装置10Cを備える同一区域内に重複して2以上の現場制御盤20A,20A’を設置する点は第3の実施形態におけるものと同じであるが、さらに検出装置10C内に検出器11で検出されるデータと同等のデータ内容を有する模擬データを発生・送信する手段を有する点で、第3の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第3の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
【0068】
図13は、放射線測定装置1Cにおける検出装置10Cおよび現場制御盤20A、20A’および中央制御盤」30の全体的なレイアウト構成を示すものである。
【0069】
検出装置10Cは、外部に向けて二つのアンテナ19,19を持つ他、検出器11、信号増幅器12、二つの信号送受信器16a,16a’、メモリE、メモリFおよび切替えスイッチ15を有する点で本発明に係る第3の実施形態における検出装置10Bと同じであるが、本検出装置10Cでは、さらに模擬データ格納手段17を備え、この模擬データ格納手段17は、切替えスイッチ18を介して信号送受信器16a,16a’に接続される。検出装置10Cは必要に応じて複数個設置される。
【0070】
この模擬データの作動について図14に示す制御フローを参照して説明する。
【0071】
現場制御盤20Cのタイミングトリガ発生装置22は、時間間隔T×nで周期的に検出装置10Cに対し実測データを送出するよう要求すると共に、これとは時間差をおいて模擬データの送出を要求する。
【0072】
実測データの送出を要求された検出装置10Cは、第1の実施形態で説明した要領でこのデータを伝送する。模擬データの送出を要求されたときは、切替えスイッチ18を模擬データ格納部17側に切替えて、ここに記憶されたデータを伝送する。この模擬データは、異常が発生する前の定常的な実測データと同等なデータ内容を固定値として持たせたものである。
【0073】
このようにして現場制御盤20A,20A’に送付されたデータの値が、予め定められた模擬データの値と一致する場合は、この伝送経路に異常がないものとして、この模擬データに引続いて送付される実測データは正常なデータとして取扱われる。
【0074】
一方、現場制御盤20A,20A’に送付されたデータの値が、予め定められた模擬データの値と一致しない場合は、この伝送経路に異常が発生したと考えられるため、この模擬データに引続いて送付される実測データは正常なデータではないものとして取扱われる。
【0075】
この放射線測定装置1Cにおいても、ラインの状態を中央制御盤30の表示部32に視覚的に表すことができる。
【0076】
図15(A)は、中央制御盤30の表示部で表示される画面の一例を示すものである。模擬データであっても、表示形態は第3の実施形態で示した実測データと同様に表示することが可能である。
【0077】
例えば現場制御盤20A,20A’で得られた値が予め定められた模擬データの値と一致する場合は緑色、予め定められた模擬データの値と一致しない場合は黄色、また、断線しているときは赤色で表示することも可能である。
【0078】
検出装置10Cの二つの信号送受信器16a(G),16a’(H)および現場制御盤20A,20A’の信号送受信器21(J),21(K)の故障状況と、検出装置10Cから現場制御盤20A,20A’へ送信される四つの模擬データG−J、G−K、H−J、H−Kの正誤の関係を表1に示す。機器が正常に作動している場合は△、機器に故障がある場合は▲、伝送されたデータが予め定められた模擬データの値を示す場合は○、異なった値を示す場合は×で表す。
【0079】
【表1】
Figure 0004094397
【0080】
この表1は、いずれか一つの機器に故障があるときに生じる伝送データの異常パターンはすべて異なることを示している。これは逆に、伝送データのうち二つに異常がある場合には、そのパターンから故障した機器を一意的に特定することができることを意味する。これはいずれか二つの機器に故障があるときにも概ね当てはまる。
【0081】
これを中央制御盤30内の信号処理器31に認識させておけば、例えば図15(A)に示すように、伝送経路H−JとH−Kとで模擬データに異常が発生した場合に、それを表示するだけでなく、信号送受信器16a(H)に故障が生じていることを表示色の変更や点滅により表示させることができる。
【0082】
また、図15(B)に示すように、放射線測定装置1Cを実際の配置に関連付けてスケールモデル的にレイアウトし、無線通信ラインを検出装置10Cと現場制御盤20A,20A’の間を直線的に接続して表示することができる。このときも、現場制御盤20A,20A’で得られた値が予め定められた模擬データの値と一致する場合は緑色、予め定められた模擬データの値と一致しない場合は黄色というように表示することができる。
【0083】
図15(B)に示す表示画面においても、伝送経路H−JとH−Kとで模擬データに異常が発生した場合に、それを表示するだけでなく、検出装置10Cの信号送受信器16a(H)に故障が生じていることを表示色の変更や点滅により表示させることができる。
【0084】
以上の結果、2重化した系統のどの系統が故障しているかを特定でき、正常な伝送系統のデータを使用することにより正しいデータの伝送が可能となり、合わせて、正常な伝送ライン、故障伝送ラインが特定でき、システムの信頼性が向上する。
【0085】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る放射線測定装置においては、電波、光などの冗長化、多重化された無線通信を採用することにより、データ通信の信頼性を確保しつつ、ケーブル材料費、工事費を削減し、全体のシステムのコストダウンを実現する放射線測定装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放射線測定装置の第1の実施形態の概要を示す図。
【図2】図1に示された放射線測定装置の検出装置、現場制御盤および中央制御盤の構成を示す図。
【図3】図1に示された放射線測定装置における一つの検出装置の制御フロー図。
【図4】図1に示された放射線測定装置における一つの検出器の冗長系切替え時の制御フロー図。
【図5】(A)は図1に示された放射線測定装置における一つの検出装置の信号送受信器を冗長系に切替えた時の表示部の表示画面を示す図、(B)はこれを放射線測定装置を実際の配置に関連付けて表示した画面を示す図。
【図6】本発明に係る放射線測定装置の第2の実施形態の概要を示す図。
【図7】図6に示された放射線測定装置の検出装置、現場制御盤および中央制御盤の構成を示す図。
【図8】図6に示された放射線測定装置における一つの検出装置についてのデータ処理フロー図。
【図9】(A)は図6に示された放射線測定装置における一つの検出装置が異常を示した時の表示部の表示画面を示す図、(B)はこれを放射線測定装置を実際の配置に関連付けて表示した画面を示す図。
【図10】本発明に係る放射線測定装置の第3の実施形態を示す構成図。
【図11】図10に示された放射線測定装置における一つの検出装置についてのデータ処理フロー図。
【図12】(A)は図10に示された放射線測定装置における一つの検出装置が異常を示した時の表示部の表示画面を示す図、(B)はこれを放射線測定装置を実際の配置に関連付けて表示した画面を示す図。
【図13】本発明に係る放射線測定装置の第4の実施形態を示す構成図。
【図14】図13に示された放射線測定装置における一つの検出装置の制御フロー図。
【図15】(A)は図13に示された放射線測定装置における一つの検出装置が異常を示した時の表示部の表示画面を示す図、(B)はこれを放射線測定装置を実際の配置に関連付けて表示した画面を示す図。
【図16】従来の放射線測定装置の構成を示す図。
【図17】従来の放射線測定装置の検出器、現場制御盤および中央制御盤の構成を示す図。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C 放射線測定装置
2 建屋
10,10A,10B,10C,10D 検出装置
11 検出器
12 信号増幅器
13 メモリE
14 メモリF
15 切替えスイッチ
16,16a,16a’ 信号送受信器
16 主系信号送受信器
16 冗長系信号送受信器
17 模擬データ格納手段
18 切替えスイッチ
19 アンテナ
20,20A,20A’,20D 現場制御盤
21 信号送受信器
22 タイミングトリガ発生装置
23 信号伝送器
24 アンテナ
25 データ比較演算部
30 中央制御盤
31 信号処理器
32 表示器
33 警報器
34 記録計

Claims (4)

  1. 複数の検出装置と現場制御盤と中央制御盤とから成る放射線測定装置において、前記検出装置は、放射線を測定する検出器と、前記検出器により測定されたデータを蓄積する第1のメモリと、前記検出器により測定されたデータを蓄積する第2のメモリと、前記現場制御盤との間で無線通信によりデータ伝送を行う主系信号送受信器と、前記現場制御盤との間で無線通信によりデータ伝送を行う冗長系信号送受信器とを備え、
    前記現場制御盤は、前記検出装置の前記主系信号送受信器又は前記冗長系信号送受信器との間で無線通信によりデータ伝送を行う信号送受信器と、前記信号送受信器によりデータ伝送の行われたデータを前記中央制御盤に伝送する信号伝送器とを備え、
    前記中央制御盤は、前記現場制御盤の前記信号伝送器から伝送されるデータを処理する信号処理器と、前記信号処理器により処理されたデータについて予め決められた値を超えた場合に警報を発報する警報器を備え、
    前記検出装置は、前記検出器で測定されたデータを前記第1のメモリに蓄積し、前記現場制御盤からデータの要求があったときには、前記第1のメモリに蓄積されたデータを前記現場制御盤の前記信号送受信器に送ると共に前記第1のメモリに蓄積されたデータを前記第2のメモリに記憶させた後、前記第1のメモリのデータの蓄積をクリアして前記第1のメモリへ次のデータの蓄積を開始し、前記主系信号送受信器に支障が生じたときは前記主系信号送受信器を休止すると共に前記冗長系信号送受信器を運用状態にし、この前記主系信号送受信器から前記冗長系信号送受信器への切替えにより生じるデータ欠落を検知した前記現場制御盤から再度データを送るよう要求を受けた場合、前記第2のメモリに記憶されているデータを前記現場制御盤に伝送し、
    更に、前記第1のメモリ及び前記第2のメモリは前記検出器のデータ収集周期に相当する時間のデータを蓄積可能なメモリ容量を有することを特徴とする放射線測定装置。
  2. 前記中央制御盤は、前記放射線測定装置の前記複数の検出装置と前記現場制御盤を実際の配置に関連付けてレイアウトし且つ前記複数の検出装置と前記現場制御盤との無線通信ラインを前記複数の検出装置と前記現場制御盤との間を結ぶ線で表示する表示部を備え、
    前記表示部は、前記無線通信ラインが前記主系信号送受信器で接続されているときと前記冗長系信号送受信器で接続されているときと断線しているときとでそれぞれ異なる表示形態で前記線を表示することを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。
  3. 前記現場制御盤は前記複数の検出装置を備える一定区域内に重複して複数設置され、
    前記設置された複数の現場制御盤のうち少なくとも1つの現場制御盤は、前記複数の検出装置のうちの所定の検出装置から前記設置された複数の現場制御盤がそれぞれ受信した複数のデータを比較するデータ比較演算部を更に備え、
    前記中央制御盤は、前記データ比較演算部による比較の結果、継続して複数回データの不一致があるときは前記表示部に異常信号が発生したことを表示すると共にその異常が発生した無線通信ラインを特定して表示する
    ことを特徴とする請求項2記載の放射線測定装置。
  4. 前記中央制御盤は、複数の無線通信ラインに異常が発生すると共に当該異常が発生した複数の無線通信ラインが交差する場合、前記表示部において当該交差ポイントを強調表示することを特徴とする請求項3記載の放射線測定装置。
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