JP4093910B2 - 電子部品保持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を吸着保持する電子部品保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、デジタル通信の高速化が求められ、光ファイバ方式の通信技術の実用化が急激に広まりつつある。これに伴い、光通信用のレーザ光を発する半導体レーザ発光装置も、その価格、寿命、性能の点でより優れたものが要求されるようになっている。半導体レーザ発光装置の製造工程で重要なものの1つに、半導体素子である半導体レーザチップを基板であるサブマウント上に接合する工程があり、その接合を行うダイボンディング装置が知られている。このダイボンディング装置は、例えば、所定のステージ上に、サブマウントと半導体レーザチップを重ねて乗せた後に加熱し、サブマウントと半導体レーザチップの間に介在するろう材を溶融して接合(ダイボンディング)する装置である。
【0003】
このダイボンディング装置は電子部品保持装置として、吸着ノズルの先端部にサブマウントや半導体レーザチップなどの電子部品を真空吸着することで保持し、その吸着ノズルを備えた吸着ヘッドを移動させることにより、所定のステージに電子部品を搬送する。
このような電子部品保持装置において、吸着ノズルの先端部に塵埃や汚れなどの異物が付着することにより、吸着ノズルが電子部品を吸着し保持する吸着保持力が低下してしまうことを防止するために、その吸着ノズルを洗浄し、付着した異物を取り除く装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−23192号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の場合、吸着ノズルを洗浄するために、装置に超音波洗浄器を備えるため、装置自体の構成が複雑になるとともに、装置の製造コストが増大する問題があった。
【0006】
本発明の課題は、電子部品を吸着する吸着ノズルの清掃をより簡易な構成により行う電子部品保持装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、先端部(42a、43a)で電子部品(例えば、サブマウント2、レーザチップ3)を吸着保持する吸着ノズル(例えば、サブマウントノズル42、チップノズル43)と、吸着ノズルを備える吸着ヘッド(例えば、サブマウントヘッド32、チップヘッド33)と、吸着ヘッドを上下方向に駆動する上下動手段(例えば、サブマウントヘッド駆動手段52、チップヘッド駆動手段53)と、吸着ノズルを上下方向に沿った軸を中心に回転駆動する回転駆動手段(82、83)と、上下動手段により移動された吸着ノズルの先端部が当接されることにより、先端部に付着した異物を取り除く清掃手段(例えば、清掃台6)と、吸着ノズルの先端部を清掃手段に所定の圧力で押し付けるように、上下動手段の動作制御を行うノズル圧制御手段(例えば、ノズル圧制御部101)と、を備え、吸着ノズルの先端部を清掃手段に所定の圧力で押し付けた状態で、回転駆動手段により吸着ノズルを回転させることにより、その先端部に付着した異物を清掃手段に擦りつけて取り除くことを特徴とする。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、電子部品保持装置は、上下動手段により吸着ヘッドを移動させ、吸着ヘッドに備えられる吸着ノズルの先端部を清掃手段に当接させるとともに、回転駆動手段により吸着ノズルを回転させることにより、吸着ノズルの先端部を清掃手段に擦りつけることができるので、その先端部に付着した異物を清掃手段に擦りつけて取り除くことができる。
特に、電子部品保持装置は、吸着ノズルの先端部を清掃手段に所定の圧力で押し付けるように、上下動手段の動作制御を行うノズル圧制御手段を備えているので、上下動手段は好適に吸着ノズルの先端部を清掃手段に押し付けることができる。つまり、吸着ノズルや吸着ノズルを備える吸着ヘッドや清掃手段が破損するほど強くなく、また、吸着ノズルの先端部に付着した異物が取り除けないほど弱くないように、ノズル圧制御手段により制御される上下動手段が好適に設定された圧力で、吸着ノズルの先端部を清掃手段に押し付けることにより、その先端部に付着した異物を好適に取り除くことができる。
よって、例えば、異物をふき取る布などが備えられる簡易な清掃手段によって、吸着ノズルの先端部の清掃を行うことができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の電子部品保持装置において、吸着ヘッドを移動させるヘッド移動手段(7)と、吸着ノズルの先端部が当接される清掃手段の当接位置が、当接される度毎に異なるように、ヘッド移動手段を動作制御し、吸着ヘッドの位置決めを行う位置決め制御手段(例えば、位置決め制御部102)を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、電子部品保持装置は、吸着ノズルの先端部が、清掃手段に当接される位置が当接される度毎に異なるように、ヘッド移動手段を動作制御し、吸着ヘッドの位置決めを行う位置決め制御手段を備えているので、吸着ノズルの先端部に付着した異物を取り除く位置を毎回変更することとなって、吸着ノズルの先端部に異物が再付着することを防ぐことができる。また、限られた清掃手段のスペースにおいて、より多くの位置に吸着ノズルの先端部を当接させて清掃を行うことができるので、清掃手段を無駄なく使用することができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の電子部品保持装置において、吸着ノズルの先端部が清掃手段に当接される際、先端部からエアの吹き出しを行う送気手段(92)を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、電子部品保持装置は、吸着ノズルの先端部が清掃手段に当接される際、エアコンプレッサなどの送気手段により吸着ノズルの先端部からエアの吹き出しを行うことができる。
よって、吸着ノズルの先端部から進入しようとする異物をエアにより押し出し、異物の進入を防止することができる。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子部品保持装置において、清掃手段を、当該電子部品保持装置における所定の位置に移動させる移動手段(36)を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、電子部品保持装置は、移動手段により清掃手段を電子部品保持装置における所定の位置に移動させることができる。
よって、例えば、清掃手段のメンテナンスを行う好適な位置に、清掃手段を移動させることにより、清掃手段のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の電子部品保持装置において、
前記清掃手段は、洗浄液が含浸される清掃部材(例えば、清掃クロス16)を有することを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、清掃手段は、洗浄液が含浸される清掃部材を有するので、より清掃効率よく、吸着ノズルの先端部の異物を取り除く清掃を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1から図6に基づいて説明する。
本実施の形態におけるダイボンディング装置1は、電子部品であるサブマウント2と半導体レーザチップ3(以下、レーザチップ3)とを接合する装置である。なお、本発明のダイボンディング装置1の構成を説明するにあたって、本実施形態では、図中に示したXYZ軸によりそれぞれの方向を定める。X軸方向は、ガイド部材71に備えられた吸着ヘッド(サブマウントヘッド32、チップヘッド33)がガイド部材71に沿って移動する方向と平行な方向であって、Z軸方向は、X軸方向と直交し且つ吸着ヘッド(サブマウントヘッド32、チップヘッド33)が上下動する方向である。Y軸方向は、X軸、Z軸方向と直交する方向であり、ガイド部材71が移動する方向である。
【0020】
図1に示されるように、ダイボンディング装置1は、複数のサブマウント2が載置されたサブマウントトレー12が固定されるサブマウントトレーステージ22と、複数のレーザチップ3が載置されたレーザチップトレー13が固定されるチップトレーステージ23と、載置されたサブマウント2を加熱する加熱台5と、後述する吸着ノズル(サブマウントノズル42、チップノズル43)の先端部(42a、43a)の清掃を行う清掃手段としての清掃台6と、サブマウント2を所定の位置に移動し配置する吸着ヘッドとしてのサブマウントヘッド32と、サブマウントヘッド32をZ軸方向に駆動する上下動手段としてのサブマウントヘッド駆動手段52と、レーザチップ3を所定の位置に移動し配置する吸着ヘッドとしてのチップヘッド33と、チップヘッド33をZ軸方向に駆動する上下動手段としてのチップヘッド駆動手段53と、サブマウントヘッド32とチップヘッド33をX軸、Y軸の各方向に移動するヘッド移動手段7等を備えている。
【0021】
サブマウントトレー12及びレーザチップトレー13は、それぞれサブマウント2・・・、レーザチップ3・・・を前工程からダイボンディング装置1に搬送するトレーであり、図示しない搬送装置により、それぞれサブマウントトレーステージ22、チップトレーステージ23に搬送されて固定されるようになっている。
【0022】
加熱台5は、サブマウント2が載置される加熱板15を有するヒータステージ25等により構成されている。ヒータステージ25内には、セラミックヒータ等の図示しない加熱部が備えられており、加熱板15を介し、加熱板15上に載置されたサブマウント2を加熱する。
【0023】
サブマウントヘッド32は、図1、図2に示されるように、上下方向に貫通する貫通孔hが形成された吸着ノズルとしてのサブマウントノズル42を備えており、その貫通孔hの上孔側は、真空発生装置91や送気手段92に接続されている。
サブマウントヘッド32は、後述するサブマウントヘッド駆動手段52とヘッド移動手段7とにより上下左右前後方向(Z軸、X軸、Y軸の各方向)自在に移動される。サブマウントヘッド32が移動され、サブマウントノズル42の先端部42aがサブマウント2に接触した状態で、真空発生装置91が動作すると、貫通孔hを通じて気体が真空発生装置91によって吸引されることにより、サブマウント2がサブマウントノズル42の先端部42aに真空吸着される。サブマウントノズル42がサブマウント2を吸着し保持しつつサブマウントヘッド32が移動し、所定の箇所において真空発生装置91の動作を停止し、サブマウント2をサブマウントノズル42から分離することにより、サブマウント2を所定の位置に配置することができる。
【0024】
サブマウントノズル42は、図2に示されるように、サブマウントヘッド32に、弾性体である圧縮ばねSを介してZ軸方向に弾性的に支持されている。この圧縮ばねSが弾性変形することによって、後述するサブマウントヘッド駆動手段52やノズル圧制御部101により、サブマウントヘッド32はサブマウントノズル42を、所定の位置に対して所定の荷重をかける付勢を行うことができる。また、サブマウントヘッド32は、サブマウントノズル42をZ軸を中心に回転駆動させる回転駆動手段82を備えている。回転駆動手段82は、例えば、角度調節モータと、この角度調節モータの回転角度量を検出するエンコーダ等により構成される。
【0025】
サブマウントヘッド駆動手段52は、その側面に設けられるZ軸方向に延在するレール部材62と、そのレール部材62に沿ってサブマウントヘッド32を移動する図示しない駆動部とを備えている。この駆動部としては、例えば、リニアモータ、サーボモータとベルトの組み合わせ、サーボモータとボールネジの組み合わせ、等を適用することができる。
【0026】
チップヘッド33は、図1、図2に示されるように、上下方向に貫通する貫通孔hが形成された吸着ノズルとしてのチップノズル43を備えており、その貫通孔hの上孔側は、真空発生装置91や送気手段92に接続されている。
チップヘッド33は、後述するチップヘッド駆動手段53とヘッド移動手段7とにより上下左右前後方向(Z軸、X軸、Y軸の各方向)自在に移動される。チップヘッド33が移動され、チップノズル43の先端部43aがレーザチップ3に接触した状態で、真空発生装置91が動作すると、貫通孔hを通じて気体が真空発生装置91によって吸引されることにより、レーザチップ3がチップノズル43の先端部43aに真空吸着される。チップノズル43がレーザチップ3を吸着し保持しつつチップヘッド32が移動し、所定の箇所において真空発生装置91の動作を停止し、レーザチップ3をチップノズル43から分離することにより、レーザチップ3を所定の位置に配置することができる。
【0027】
チップノズル43は、図2に示されるように、チップヘッド33に、弾性体である圧縮ばねSを介してZ軸方向に弾性的に支持されている。この圧縮ばねSが弾性変形することによって、後述するチップヘッド駆動手段53やノズル圧制御部101により、チップヘッド33は、チップノズル43が吸着し保持するレーザチップ3を配置位置(例えば、サブマウント2の上面)に対して、所定の荷重をかける付勢を行うことができる。
また、チップヘッド33は、チップノズル43をZ軸を中心に回転駆動させる回転駆動手段83を備えている。回転駆動手段83は、例えば、角度調節モータと、この角度調節モータの回転角度量を検出するエンコーダ等により構成される。
【0028】
チップヘッド駆動手段53は、その側面に設けられるZ軸方向に延在するレール部材63と、そのレール部材63に沿ってチップヘッド33を移動する図示しない駆動部とを備えている。この駆動部としては、例えば、リニアモータ、サーボモータとベルトの組み合わせ、サーボモータとボールネジの組み合わせ、等を適用することができる。
【0029】
ヘッド移動手段7は、X軸方向に並ぶように配置されたサブマウントトレーステージ22とチップトレーステージ23と加熱台5と清掃台6とを、X軸方向に跨ぐ門状のガイド部材71と、ガイド部材71の側面に設けられるX軸方向に延在するレール部材72と、そのレール部材72に沿ってサブマウントヘッド32とチップヘッド33をX軸方向にそれぞれ移動する図示しない駆動部と、ガイド部材71(後述する柱部材71b、71b)の底面に設けられるY軸方向に延在するレール部材73、73と、そのレール部材73に沿ってガイド部材71をY軸方向に移動する図示しない駆動部と、を備えている。これら駆動部としては、例えば、リニアモータ、サーボモータとベルトの組み合わせ、サーボモータとボールネジの組み合わせ、等を適用することができる。
【0030】
なお、ガイド部材71は、サブマウントトレーステージ22とチップトレーステージ23と加熱台5と清掃台6との上方にX軸方向に延在する梁部材71aと、梁部材71aの両端部から下方に延在する柱部材71b、71bとにより構成されている。サブマウントヘッド32とチップヘッド33は、ガイド部材71の梁部材71aの側面に設けられたレール部材72に、それぞれサブマウントヘッド駆動手段52と、チップヘッド駆動手段53とを介してX軸方向に移動自在に、サブマウントトレーステージ22とチップトレーステージ23と加熱台5と清掃台6との上方に備えられている。
【0031】
清掃台6は、図3(a)、図3(b)に示されるように、清掃部材である清掃クロス16と、清掃クロス16が固定枠Fによって固定される清掃ステージ26等により構成されている。
清掃クロス16は、例えば、織物や不織布などの布や、スポンジなどからなるものであり、清掃クロス16には洗浄液が染み込まされている。
【0032】
また、清掃台6には、清掃台6をダイボンディング装置1の端部側の所定の位置に移動させる移動手段36が設けられている。
移動手段36は、清掃ステージ26の底面に設けられるY軸方向に延在するレール部材36a、36aと、そのレール部材36aに沿って清掃ステージ26(清掃台6)を移動する図示しない駆動部とを備えている。この駆動部としては、例えば、リニアモータ、サーボモータとベルトの組み合わせ、サーボモータとボールネジの組み合わせ、等を適用することができる。
【0033】
ダイボンディング装置1を統括制御する制御手段10は、図4に示されるように、CPU10a,ROM10b,RAM10c等を含む演算装置で構成され、ROM10bに記憶された所定のプログラムを実行することにより、サブマウントヘッド駆動手段52、チップヘッド駆動手段53、ヘッド移動手段7、回転駆動手段82、回転駆動手段83、移動手段36、真空発生装置91、送気手段92、加熱台5の図示しない加熱部等に対する動作制御を行う。
例えば、制御手段10は、サブマウント2やレーザチップ3を所定の位置に配置するために、サブマウントヘッド32やチップヘッド33が移動するように、サブマウントヘッド駆動手段52、チップヘッド駆動手段53、ヘッド移動手段7、回転駆動手段82、回転駆動手段83を駆動させる動作制御を行うヘッド動作制御部100を有する。
【0034】
また、制御手段10は、サブマウントノズル42の先端部42aや、チップノズル43の先端部43aが、所定の対象物に対して所定の圧力、荷重をかける付勢や押し付けを行うように、サブマウントヘッド32やチップヘッド33を動作させるため、サブマウントヘッド駆動手段52やチップヘッド駆動手段53を駆動させる動作制御を行うノズル圧制御手段であるノズル圧制御部101を有する。
なお、ノズル圧制御部101は、サブマウントヘッド32やチップヘッド33がZ軸方向に移動した移動量に基づき、サブマウントヘッド32やチップヘッド33に備えられた圧縮ばねSが圧縮される圧縮量と、圧縮ばねSのばね係数とにより、サブマウントノズル42の先端部42aやチップノズル43の先端部43aが、所定の対象物を押し付ける圧力を判断し、制御する。
【0035】
また、制御手段10は、サブマウントノズル42の先端部42aや、チップノズル43の先端部43aが、清掃台6の清掃クロス16に当接し、先端部に付着した異物を取り除く清掃を行う際に、清掃クロス16に当接する位置が、清掃を行う度に異なるように、サブマウントヘッド32やチップヘッド33を動作させるため、サブマウントヘッド駆動手段52やチップヘッド駆動手段53を駆動させる動作制御を行う位置決め制御手段である位置決め制御部102を有する。
なお、位置決め制御部102は、サブマウントノズル42やチップノズル43の先端部に付着した異物を取り除く清掃を行い、先端部が清掃クロス16に当接した位置を、XY座標としてRAM10cに記憶し、一度当接した位置には再び当接しないよう制御する。
【0036】
次に、以上のように構成されたダイボンディング装置1を用いたダイボンディングについて説明する。
なお、ダイボンディング装置1において、ダイボンディングを行うサブマウント2は、例えば、窒化アルミニウム又はシリコンからなる、一辺が0.5mmから5.0mmのサイズのものである。また、サブマウント2に接合するレーザチップ3は、例えば、GaAs系やInP系の半導体化合物である、一辺が0.2mmから2.0mmのサイズのものである。また、サブマウント2の表面には、Au−Sn系ろう材、Au−Si系ろう材、In系ろう材又はSu−Pb系ろう材等のはんだ材が3μm程度メッキ(蒸着)されている。
【0037】
まず、サブマウントヘッド駆動手段52とヘッド移動手段7が、サブマウントヘッド32を移動し、サブマウントヘッド32に備えられたサブマウントノズル42が、サブマウントトレー12に載置されたサブマウント2を真空吸着し保持する。そして、サブマウントヘッド駆動手段52とヘッド移動手段7が、サブマウントヘッド32を移動することにより、吸着保持したサブマウント2を、加熱台5の所定の位置に移動し、載置する。
【0038】
次いで、チップヘッド駆動手段53とヘッド移動手段7が、チップヘッド33を移動し、チップヘッド33に備えられたチップノズル43が、レーザチップトレー13に載置されたレーザチップ3を真空吸着し保持する。そして、チップヘッド駆動手段53とヘッド移動手段7が、チップヘッド33を移動することにより、吸着保持したレーザチップ3を、加熱台5に載置されたサブマウント2上に載置する。
【0039】
なお、サブマウントヘッド32がサブマウント2を、また、チップヘッド33がレーザチップ3を所定の位置に載置する際、それぞれ回転駆動手段82,83が駆動してサブマウントノズル42、チップノズル43を回転させ、サブマウント2やレーザチップ3の角度調整を行う。
【0040】
この際、チップヘッド33は、チップノズル43が吸着したレーザチップ3をサブマウント2の所定の接合位置に対して、0.3N〜0.5Nの加圧による付勢を行う。
この付勢動作と同時に、加熱台5の図示しない加熱部を加熱し、加熱板15、サブマウント2を介し、サブマウント2とレーザチップ3の間に介在するはんだ材が溶融する温度(例えば、280〜370℃、はんだ材の種類により異なる)まで上昇させ、その温度で0.5秒保持してはんだ材を溶融する。その後、はんだ材の冷却を行い、サブマウント2とレーザチップ3を接合する。
冷却が完了し、接合(ダイボンディング)され生産されたサブマウント2とレーザチップ3の接合物は、チップヘッド駆動手段53とヘッド移動手段7によって移動されるチップヘッド33のチップノズル43が吸着保持し、格納トレー(図示省略)に搬送し、格納する。
このように、ダイボンディング装置1は、繰り返しサブマウント2とレーザチップ3とを接合するダイボンディングを行う。
【0041】
次いで、ダイボンディング装置1において、所定の時間、ダイボンディング動作を行った後や、所定の回数、サブマウントノズル42やチップノズル43が、サブマウント2やレーザチップ3を吸着、搬送を行った後、図示しない制御部は、サブマウントノズル42やチップノズル43の清掃動作を行う。なお、サブマウントノズル42とチップノズル43の清掃動作は同様のものであるので、本実施の形態においては、チップノズル43の清掃動作について説明する。
【0042】
まず、ヘッド移動手段7が、チップヘッド33を清掃台6の上方に移動する。この移動した位置は、位置決め制御部102により決定された、清掃クロス16において、チップノズル43の先端部43aが当接したことのない部分に対応している。
次いで、チップヘッド駆動手段53が、チップヘッド33をZ軸方向、下方に移動させ、チップヘッド33に備えられたチップノズル43の先端部43aを、清掃台6の清掃クロス16に当接させる。さらに、ノズル圧制御部101によりチップヘッド駆動手段53が駆動されて、チップノズル43の先端部43aが清掃台6の清掃クロス16を所定の圧力で押し付けるとともに、回転駆動手段83がチップノズル43を回転駆動し、先端部43aを清掃クロス16に擦りつける。また、先端部43aが清掃クロス16に当接している間は、送気手段92によりチップノズル43の先端部43aの貫通孔hからエアを吹き出すようにし、貫通孔h内への異物の進入を防止する。
この際、制御手段10の位置決め制御部102が、チップノズル43の先端部43aが清掃クロス16に当接した位置を、XY座標としてRAM10cに記憶する。
そして、チップヘッド駆動手段53が、チップヘッド33をZ軸方向、上方に移動し、清掃動作を終了する。
【0043】
このように、本発明にかかるダイボンディング装置1は、清掃クロス16が固定された簡易な構成の清掃台6を備えることにより、ダイボンディング装置1がダイボンディングを行う動作に基づき、サブマウントヘッド32やチップヘッド33を駆動し、サブマウントヘッド32に備えられたサブマウントノズル42の先端部42aや、チップヘッド33に備えられたチップノズル43の先端部43aの清掃を行うことができる。
【0044】
特に、サブマウントノズル42の先端部42aや、チップノズル43の先端部43aを清掃クロス16に、所定の適正な圧力で押し付けつつ、各吸着ノズル(サブマウントノズル42、チップノズル43)を回転させて、その先端部の異物をふき取るので、好適に異物を取り除くことができる。
よって、サブマウントノズル42の先端部42aや、チップノズル43の先端部43aに付着した異物による吸着保持力を好適に保つことができるので、より確実にサブマウント2やレーザチップ3の吸着保持や搬送を行うことができ、ダイボンディング装置1の動作の信頼性を向上させることができる。
【0045】
また、大掛かりな清掃装置を備える必要がないので、装置自体の構成を煩雑にすることや、製造コストが増大することなく、好適に各吸着ノズル(サブマウントノズル42、チップノズル43)の先端部の清掃を行うことができる。
【0046】
また、清掃台6は、移動手段36により、ダイボンディング装置1の端部側の所定の位置(例えば、清掃クロス交換位置)に移動させることができるので、清掃クロス16の交換などのメンテナンスを容易に行うことができる。よって、メンテナンス作業に時間を要しないので、装置の稼動率が高まり、生産性を向上させることができる。
また、吸着ノズル(サブマウントノズル42、チップノズル43)の先端部の清掃を行うための、ふき取り位置を毎回変更することにより、吸着ノズルの先端部に異物が再付着することを防ぐとともに、1枚の清掃クロス16により、より多くの清掃を行うことができるので、清掃クロス16を交換する頻度を抑制することができるので、メンテナンス作業に要する時間を低減することができ、装置の稼動率が高まり、生産性を向上させることができる。
【0047】
なお、以上の実施の形態においては、電子部品保持装置として、ダイボンディング装置1を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子部品保持装置は、電子部品を吸着ノズルによって吸着保持し、搬送する構成を有する装置であればよく、例えば、マウンタ装置などであってもよい。
【0048】
また、以上の実施の形態においては、清掃台6に備えられる清掃クロス16は、布やスポンジにより構成される例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、清掃台にゴム状の弾性部材や、表面に異物を粘着する粘着層を設けた清掃部材を備える構成にしてもよい。
また、清掃台6自体が回転したり、振動したりする駆動手段を設け、清掃台6が吸着ノズルの先端部の異物のふき取りを行う構成にしてもよい。
【0049】
また、清掃台は、図5に示されるように、清掃ステージ26の上面板26aが圧縮ばねSにより、Z軸方向に弾性的に支持される構成であってもよい。このような清掃台6aであれば、サブマウントヘッド32やチップヘッド33に、各吸着ノズルが弾性支持されていない場合に、上面板26aが沈み込む際の圧縮ばねSの反発力により、各吸着ノズルの先端部に所定の圧力を付加させることができる。
【0050】
また、清掃台は、図6に示されるように、清掃クロス16が、第1のロール軸R1と第2のロール軸R2とに巻回されたものが、開口部66aを有するケース66に備えられる構成であってもよい。このような清掃台6bであれば、開口部66aを通じ、清掃クロス16に吸着ノズルの先端部を当接させ、異物をふき取った清掃クロス16を第1のロール軸R1が巻き取り、新たな清掃クロス16を第2のロール軸R2から送り出すようにすることができる。
【0051】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0052】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、電子部品保持装置は、上下動手段により吸着ヘッドを移動させ、吸着ヘッドに備えられる吸着ノズルの先端部を清掃手段に当接させるとともに、回転駆動手段により吸着ノズルを回転させることにより、吸着ノズルの先端部を清掃手段に擦りつけることができるので、その先端部に付着した異物を清掃手段に擦りつけて取り除くことができる。
特に、電子部品保持装置は、吸着ノズルの先端部を清掃手段に所定の圧力で押し付けるように、上下動手段の動作制御を行うノズル圧制御手段を備えているので、上下動手段は好適に吸着ノズルの先端部を清掃手段に押し付けることができる。つまり、吸着ノズルや吸着ノズルを備える吸着ヘッドや清掃手段が破損するほど強くなく、また、吸着ノズルの先端部に付着した異物が取り除けないほど弱くないように、ノズル圧制御手段により制御される上下動手段が好適に設定された圧力で、吸着ノズルの先端部を清掃手段に押し付けることにより、その先端部に付着した異物を好適に取り除くことができる。
よって、例えば、異物をふき取る布などが備えられる簡易な清掃手段によって、吸着ノズルの先端部の清掃を行うことができる。
【0054】
請求項2記載の発明によれば、電子部品保持装置は、吸着ノズルの先端部が、清掃手段に当接される位置が当接される度毎に異なるように、ヘッド移動手段を動作制御し、吸着ヘッドの位置決めを行う位置決め制御手段を備えているので、吸着ノズルの先端部に付着した異物を取り除く位置を毎回変更することとなって、吸着ノズルの先端部に異物が再付着することを防ぐことができる。また、限られた清掃手段のスペースにおいて、より多くの位置に吸着ノズルの先端部を当接させて清掃を行うことができるので、清掃手段を無駄なく使用することができる。
【0055】
請求項3記載の発明によれば、電子部品保持装置は、吸着ノズルの先端部が清掃手段に当接される際、エアコンプレッサなどの送気手段により吸着ノズルの先端部からエアの吹き出しを行うことができる。
よって、吸着ノズルの先端部から進入しようとする異物をエアにより押し出し、異物の進入を防止することができる。
【0056】
請求項4記載の発明によれば、電子部品保持装置は、移動手段により清掃手段を電子部品保持装置における所定の位置に移動させることができる。
よって、例えば、清掃手段のメンテナンスを行う好適な位置に、清掃手段を移動させることにより、清掃手段のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0057】
請求項5記載の発明によれば、清掃手段は、洗浄液が含浸される清掃部材を有するので、より清掃効率よく、吸着ノズルの先端部の異物を取り除く清掃を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるダイボンディング装置を示す斜視図である。
【図2】吸着ノズルであるサブマウントノズル(チップノズル)付近の一部断面拡大図である。
【図3】清掃台を示す平面図(a)と、図3(a)のb−b線における断面図(b)である。
【図4】ダイボンディング装置の制御手段を示すブロック図である。
【図5】清掃台の変形例を示す断面図である。
【図6】清掃台の変形例を示す斜視図(a)と、図6(a)のb−b線における断面図(b)である。
【符号の説明】
1 ダイボンディング装置(電子部品保持装置)
2 サブマウント(電子部品)
3 レーザチップ(電子部品)
5 加熱台
12 サブマウントトレー
32 サブマウントヘッド(吸着ヘッド)
42 サブマウントノズル(吸着ノズル)
52 サブマウントヘッド駆動手段(上下動手段)
62 レール部材
82 回転駆動手段
13 レーザチップトレー
33 チップヘッド(吸着ヘッド)
43 チップノズル(吸着ノズル)
53 チップヘッド駆動手段(上下動手段)
63 レール部材
83 回転駆動手段
6 清掃台(清掃手段)
16 清掃クロス(清掃部材)
36 移動手段
36a レール部材
7 ヘッド移動手段
71 ガイド部材
72 レール部材
73 レール部材
91 真空発生装置
92 送気手段
10 制御手段
101 ノズル圧制御部(ノズル圧制御手段)
102 位置決め制御部(位置決め制御手段)
S 圧縮ばね
Claims (5)
- 先端部で電子部品を吸着保持する吸着ノズルと、
前記吸着ノズルを備える吸着ヘッドと、
前記吸着ヘッドを上下方向に駆動する上下動手段と、
前記吸着ノズルを上下方向に沿った軸を中心に回転駆動する回転駆動手段と、
前記上下動手段により移動された前記吸着ノズルの前記先端部が当接されることにより、前記先端部に付着した異物を取り除く清掃手段と、
前記吸着ノズルの前記先端部を前記清掃手段に所定の圧力で押し付けるように、前記上下動手段の動作制御を行うノズル圧制御手段と、
を備え、
前記吸着ノズルの前記先端部を前記清掃手段に所定の圧力で押し付けた状態で、前記回転駆動手段により前記吸着ノズルを回転させることにより、その先端部に付着した異物を前記清掃手段に擦りつけて取り除くことを特徴とする電子部品保持装置。 - 前記吸着ヘッドを移動させるヘッド移動手段と、
前記吸着ノズルの前記先端部が当接される前記清掃手段の当接位置が、当接される度毎に異なるように、前記ヘッド移動手段を動作制御し、前記吸着ヘッドの位置決めを行う位置決め制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子部品保持装置。 - 前記吸着ノズルの前記先端部が前記清掃手段に当接される際、前記先端部からエアの吹き出しを行う送気手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品保持装置。
- 前記清掃手段を、当該電子部品保持装置における所定の位置に移動させる移動手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子部品保持装置。
- 前記清掃手段は、洗浄液が含浸される清掃部材を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子部品保持装置。
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