JP4093688B2 - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属の連続鋳造に用いられる鋳型に関し、とくにそれの溶湯等に接する鋳造面の摩耗を抑制し、高速鋳造やハイサイクルオッシレーション下でも長期に円滑な鋳造を維持できる連続鋳造用鋳型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶鋼等の溶融金属の連続鋳造は、通常、上下方向が開口し、四周が内部水冷式の銅板にて構成された鋳型内 (鋳造空間) に溶融金属 (以下、“溶鋼”の例で述べる) を供給し、前記銅板による抜熱によって外面から凝固させつつ (一次冷却) 、この鋳片を下方へ連続的に引き抜く間に二次冷却を加えることにより行っている。このような鋳造方法では、生成した凝固殻 (鋳片) を下方に引き抜く際の鋳型内壁面との摩擦抵抗を軽減するため、この鋳型本体を周期的に上下動させる、いわゆるオッシレーションを加えることが必要である。しかし、このオッシレーションは、凝固殻と鋳型壁を構成する銅板とを互いに摺動させることになるため、鋼に比べて硬度の小さい銅板の方が著しく磨耗し、寿命が短いという課題があった。しかも、鋳型構成材料である銅の成分が鋳片の表面に浸潤し、鋼の鋳片の表面にスタークラックという鋳片表面欠陥を発生する場合もあった。
【0003】
これに対して従来、特開昭51−142423号公報では、鋳型の内面にNiあるいはNi合金をめっきし、鋳型の耐摩耗性向上の方法を提案している。しかしながら、この従来技術では、例えば、鋳造速度が最大で1.4m/min.、オッシレーションが数十サイクル/min.の条件下の操業の場合、鋳型の壁面を形造る銅板の寿命は著しく向上するものの、近年指向されている高速鋳造 (鋳造速度1.5 m/min.以上) やハイサイクルオッシレーション (数百サイクル/min)の条件下では、なお不十分であった。
【0004】
その他の従来技術の中には、鋳型の耐摩耗性をより一層向上させることを目的とする提案もある。例えば、特開平11−57948号公報や特開平10−175044号公報には、鋳型の内壁面に自溶性合金とかサーメットの溶射被膜を形成する方法が提案されている。しかしながら、これらの溶射被膜はたしかに鋳型の耐摩耗性を向上させたものの、セラミックを含有しているために熱伝導性が低下するという問題があった。すなわち、鋳型の熱伝導性が低下すると、溶鋼の初期の凝固殻の成長が遅れ、そのために鋳型の下端を抜けた位置 (二次冷却帯) での鋳片の凝固殻厚みが不十分となり、溶鋼の静圧に耐えきれずにブレークアウトする危険があった。そのために、これらの従来技術の場合、鋳造速度を増大させることができないという課題を残していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の連続鋳造用鋳型、とくに銅製鋳型の溶鋼と接する面への被覆技術は、高速鋳造やハイサイクルオッシレーション条件下での鋳造に対しては十分に耐えられるものとは言えなかった。
そこで、本発明の目的は、高速鋳造やハイサイクルオッシレーション条件下でも高い耐摩耗性と熱伝導性を両立させることができる鋳型の表面構造を提案することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
従来技術が抱えている上述した課題の解決に向けた研究の中で発明者らは、鋳型の内壁面を形成する銅板の表面に保護被膜を形成する場合、その被覆層は、
▲1▼高い熱伝導性を確保するために、セラミックなどではなく金属層を用いること、
▲2▼耐摩耗性にすぐれた金属層とするために、アモルファス合金層とすること、
▲3▼そして、十分な厚みの被膜を下地銅板との密着性を阻害することなくアモルファス化して形成するために、溶射方法の採用によってこれを実現すること、
が有効であるとの結論に達し、本発明を完成するに到ったものである。
【0007】
すなわち、本発明は、溶融金属の連続鋳造用鋳型の、鋳造空間側の面がアモルファス合金の溶射層にて被覆されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型を提案するものである。
なお、本発明においては、前記アモルファス合金が、Feを70%以上含有する鉄合金であることが好ましく、とくに、FeとC、Si、PおよびBから選ばれるいずれか一種以上の元素との合金であることが好ましい。
また、前記アモルファス合金は、Niを70%以上含有するニッケル合金であることが好ましく、とくに、NiとC、Si、PおよびBから選ばれるいずれか一種以上の元素との合金であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で対象としている溶融金属の連続鋳造の形式は、鋳片と鋳型が相対移動する形式のものであればその形式を問わない。例えば、垂直式連鋳機、垂直曲げ型連続鋳造機、彎曲型連続鋳造機などの鋳型上方から溶融金属を供給し、鋳型下方から鋳片を引き抜く形式の連続鋳造機の他に、水平式連続鋳造機の鋳型にも適用可能である。
また、製造される鋳片の形状により、スラブ連続鋳造機、ブルーム連続鋳造機、ビレット連続鋳造機、ビームブランク連続鋳造機、丸鋳片連続鋳造機などのいずれの連続鋳造機にも適用可能である。
【0009】
鋳造する溶融金属は、本発明の作用・効果が生かされるものとしては溶鋼が有利であるが、とくにその溶鋼に限定されるものではない。なお、その溶鋼の場合は、普通鋼、合金鋼、ステンレス鋼などいずれであってもよい。
【0010】
鋳型を構成する銅板の材質は、従来から鋳型銅板として使用されているCu合金と特に変わるところはない。Cr銅、Cr・ZrO2銅などの析出硬化型銅合金などの使用が好ましい。
【0011】
さて、本発明にかかる鋳型の特徴は、鋳型銅板の鋳造空間側の面、即ち、溶鋼や凝固殻と接する内壁面を、アモルファス合金の溶射被膜にて覆う点の構成にある。つまり、溶鋼と接する面をアモルファス合金の溶射被膜にて覆うと、鋳型内壁面の硬度が増し、耐摩耗性を向上させることが可能になり、鋳型銅板の寿命が向上する。
従って、かかるアモルファス合金としては、鋳型の鋳造面に十分な硬度と耐摩耗性を付与するのに有効な合金として、FeまたはNiを主体とする合金を用いることが好ましい。とくに主成分であるFeまたはNiの含有率は70%以上であることが重要であり、FeまたはNiの含有率が70%よりも少ないと、鋳造面に対し十分な硬度と耐摩耗性を付与することが困難な場合がある。
【0012】
FeやNiは単独ではアモルファス化し難く、他の元素の添加が必要である。FeやNiをアモルファス化する添加元素は幾つか知られているが、溶射条件でアモルファス化し易いものとして特にC、Si、PおよびBが好ましく、これらの元素のいずれか1種以上を含有することが適当である。なお、これらの元素の各含有量は、それぞれ6%以下とすることが好ましい。
【0013】
次に、このようなアモルファス合金溶射被膜を形成する方法について説明する。上述したアモルファス合金中には、C、Si、PあるいはBなどの元素を含有させている。ただし、これらの成分はいずれも酸化されやすく、もし酸化した場合にはアモルファスが形成され難いうえに、被膜中に熱伝導を妨げる酸化物層が混在することとなるので好ましくない。従って、溶射の際には、その雰囲気を還元性の条件に保持するとともに、溶射し被着した被膜が大気にふれたり再加熱されて結晶質に変態しないように、雰囲気調整を行うことが必要となる。このような観点から、本発明では、減圧プラズマ溶射による方法の適用が有利である。
なお、Fe、Niの合金を溶射 (スプレー) することは、これらの合金の溶滴が被着面に衝突した際に抜熱急冷を受けて非晶質化させる上で極めて有効な手段である。
【0014】
アモルファス合金溶射被膜の厚みは、0.1〜5mm程度とするのが好ましい。この溶射被膜の厚みが0.1mm未満では鋳型の耐摩耗性向上効果が乏しく、一方、この被膜の厚みが5mmを超えると、被膜の伝熱抵抗が大きくなり、鋳造金属の凝固遅れを生じるおそれがあるからである。なお、より好ましくは0.2〜3mmが適当である。
【0015】
【実施例】
この実施例は、2ストランド垂直曲げ型スラブ連続鋳造機を用いて、片側のストランドには従来のNi合金電気めっきを施した銅板を組み込んだ鋳型を用い、他方のストランドには本発明にかかるアモルファス溶射被膜を設けた銅板を組み込んだ鋳型を用いて、溶鋼の連続鋳造を行ったときの例である。上記のめっき、溶射被膜の詳細については、下記の表1に示す。
また、連続鋳造した鋼種の構成はチャージ数で大略、極低炭素鋼40%、中・低炭素鋼40%、高炭素鋼10%、低合金鋼10%であった。そして、鋳造条件は、鋳型サイズ、260mm厚×100〜1900mm幅で、鋳込み速度1.5〜2.2m/min 、オッシレーションサイクルは60〜180 cycle/min とした。
この結果、比較例の鋳型については、600チャージ鋳込み時点で、鋳型下端のニッケル被膜が磨耗し、再被覆が必要になった。しかし、本発明のアモルファス溶射被膜を形成した鋳型については、1800チャージ目でようやく鋳型下端の被膜の磨滅が認められたにすぎなかった。
したがって、本発明によれば、上述のような高速、ハイサイクルの鋳込み条件において、従来の3倍もの鋳型の長寿命化が達成できたことになる。
【0016】
【表1】
Figure 0004093688
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる連続鋳造用鋳型によれば、溶融金属、特に溶鋼の高速鋳造やハイサイクルオッシレーションといった苛酷な鋳造条件下においても、鋳型を構成する銅板の摩耗を著しく低減できるという極めて優れた効果が得られる。

Claims (5)

  1. 溶融金属の連続鋳造用鋳型の、鋳造空間側の面がアモルファス合金の溶射層にて被覆されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  2. 前記アモルファス合金が、Feを70%以上含有する鉄合金であることを特徴とする請求項1記載の連続鋳造用鋳型。
  3. 前記アモルファス合金が、FeとC、Si、PおよびBから選ばれるいずれか1種以上の元素との合金である請求項2記載の連続鋳造用鋳型。
  4. 前記アモルファス合金が、Niを70%以上含有するニッケル合金であることを特徴とする請求項1記載の連続鋳造用鋳型。
  5. 前記アモルファス合金が、NiとC、Si、PおよびBから選ばれるいずれか1種以上の元素との合金である請求項4記載の連続鋳造用鋳型。
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