JP4093321B2 - 混成型多孔質管体 - Google Patents
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Description
而して、高温固体電解質型燃料電池の基体管は、燃料電池そのものが未だ研究開発中のものであるため、燃料電池用基体管として確定した構造のものは販売されておらず、通常は多孔質セラミック管の名称で販売されているものを購入し、そしてこれに対しその都度気密層、端子リ−ド部及びガス給排気用の端部処理加工等を行って基体管を製作し、燃料電池基体管として使用している。従って、本来のセル製作工程に基体管加工工程が加わり工程数が増えて煩雑となる。そのため、基体管加工工程まででも安定した品質を確保することが肝要である。さらに将来大量にセルを製作する場合は、基体管の品質の信頼性及び安定性が製作後のセル性能(特性や寿命)に影響し重要になる。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、第1に、寸法精度の高い軽量の管体を提供することであり、第2に、熱伝導性が高くかつ弾性に富む金属膜を利用することによって温度分布の均一化を図ると共に熱膨張係数差による発生応力を吸収できるようにして、割れなどの破損の発生を抑制できるようにすることであり、第3に、気密層、端子リ−ド部及び端部処理加工等の行われた基体管を用意しておくことにより、不良品の排除された特性の揃った基体管を本来のセル製作工程に投入できるようにして、工程管理の容易化を図るとともに最終製品になってから基体管に起因する不良品が発見される不都合を排除できるようにすることである。
そして、好ましくは、その端部の外周部が端子となる溶射合金膜によって被覆されている。また、好ましくは、外周が、導電性又は絶縁性緻密膜によって周期的規則性をもって部分的に被覆されている。
(1)板状の溶射粒子を積層した多孔質合金溶射膜を内側としてこれと多孔質セラミック溶射膜とを積層したことを特徴とする混成型多孔質管体。
(2)前記多孔質合金溶射膜が、Feよりも耐熱性及び耐酸化性の高い耐熱・耐酸化性合金により形成されていることを特徴とする(1)に記載の混成型多孔質管体。
(3)前記多孔質合金溶射膜が、NiCrAlYによって形成されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の混成型多孔質管体。
(4)前記多孔質合金溶射膜に、酸化物が添加されていることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の混成型多孔質管体。
(5)前記多孔質セラミック溶射膜が、Al2O3又はAl2O3+ZrO2(アルミナ−ジルコニア混合粉末)により形成されていることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の混成型多孔質管体。
(6)前記多孔質合金溶射膜の端面は多孔質セラミック溶射膜により被覆されており、その端部には前記多孔質合金溶射膜の端部が到達していないことを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の混成型多孔質管体。
(7)その端部において緻密合金膜が前記多孔質合金溶射膜の内周側若しくは外周側に形成されていることを特徴とする(6)に記載の混成型多孔質管体。
(8)外周が、導電性又は絶縁性緻密膜によって部分的に被覆されていることを特徴とする(7)に記載の混成型多孔質管体。
(9)端部の外周部が合金膜によって被覆されていることを特徴とする(6)から(8)のいずれかに記載の混成型多孔質管体。
(10)前記合金膜が、内層を多孔質膜外層を緻密膜とする積層膜によって構成されていることを特徴とする(9)に記載の混成型多孔質管体。
(11)端部に、前記多孔質合金溶射膜からは絶縁されかつ前記合金膜に電気的に接続された耐熱金属パイプが挿入されていることを特徴とする(9)又は(10)に記載の混成型多孔質管体。
図3(d)に示すように、本発明の混成型多孔質管体100は、内層の多孔質合金溶射膜1と外層の多孔質セラミック溶射膜2との2層膜により構成される。多孔質合金溶射膜1は、耐熱性合金によって形成される。その望ましい合金材料は耐熱性及び耐酸化性能を考えてNiCrAlY、inconel、ステンレス鋼であり、その望ましい膜厚は強度から150μm以上、ガス透過性能から800μm以下である。多孔質合金溶射膜1に、若干の(30重量%以下、好ましくは10重量%以下)YSZ、Al2O3等の酸化物を添加してガスの透過性の向上を図るようにしてもよい。多孔質セラミック溶射膜2は望ましくはAl2O3(アルミナ)又はAl2O3+ZrO2(アルミナ−ジルコニア混合粉末)により形成され、その望ましい膜厚は多孔質膜であることを考慮して絶縁性能から150μm以上、ガス透過性能から800μm以下である。
まず、図4(a)に示すように、混成型多孔質管体100の端部の溶射部分に開口4Aを有する、炭素鋼鈑等の耐熱性のある金属板からなるマスキングプレート4aを配置し、例えばフレーム溶射法により例えばNiCrAlYを溶射して、混成型多孔質管体100の両端部に端子5を形成する。端子5となるNiCrAlY溶射膜は全体を緻密膜で形成するか下層を多孔質NiCrAlY溶射膜、上層を緻密NiCrAlY溶射膜の2層膜とすることができる。溶射の際に、管体100又はマスキングプレート4aを移動させることにより、端子5の内側端部にテーパが形成されるようにすることが望ましい。次に、図4(b)に示すように、マスキングプレートをマスキングプレート4bに配置し直し、例えばプラズマ溶射法により例えばNiCrAlYを溶射して、緻密NiCrAlY溶射膜からなるインターコネクタ6と端子リード7を形成する。次に、図4(c)に示すように、マスキングプレート4cを配置し、例えばフレーム溶射法により例えばNiOを溶射して、一端が端子リード7又はインターコネクタ6に接触する多孔質NiO溶射膜からなる燃料電極8を形成する。
まず、図6(a)に示すように、例えばプラズマ溶射法により例えばアルミナを溶射して、混成型多孔質管体100の外表面に発電領域を区画する緻密セラミック膜11を形成する。次に、図6(b)に示すように、例えばフレーム溶射法により例えばNiCrAlYを溶射して、緻密セラミック膜11間の隙間を埋め一部が緻密セラミック膜11上を覆う多孔質NiCrAlY溶射膜からなる燃料電極8を形成する。次に、図6(c)に示すように、例えばプラズマ溶射法によりYSZを溶射して、燃料電極8を部分的に覆う緻密YSZ溶射膜からなる固体電解質膜9を形成する。
2 多孔質セラミック溶射膜
3 基材
4a〜4e マスキングプレート
5 端子
6 インターコネクタ
7 端子リード
8 燃料電極
9 固体電解質膜
10 空気電極
11 緻密セラミック膜
12 セラミック保護膜
13 多孔質合金膜
14 緻密合金膜
15、16 多孔質セラミック膜
17 緻密合金膜
18 耐熱金属パイプ
19 緻密合金膜
20 緻密セラミック膜
30 セラミック燒結体
31 セラミック粒子
40 溶射膜
41 溶射膜粒子
50 多孔質セラミック基体管
51 緻密セラミック膜
52 燃料電極
53 固体電解質膜
54 インターコネクタ
55 端子リード
56 緻密セラミック膜
57 空気電極
58 リード線
59 セラミックエンドキャップ
100 混成型多孔質管体
200 セラミック系SOFCスタック
Claims (11)
- 板状の溶射粒子を積層した多孔質合金溶射膜を内側としてこれと多孔質セラミック溶射膜とを積層したことを特徴とする混成型多孔質管体。
- 前記多孔質合金溶射膜が、Feよりも耐熱性及び耐酸化性の高い耐熱・耐酸化性合金により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の混成型多孔質管体。
- 前記多孔質合金溶射膜が、NiCrAlYによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の混成型多孔質管体。
- 前記多孔質合金溶射膜に、酸化物が添加されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の混成型多孔質管体。
- 前記多孔質セラミック溶射膜が、Al2O3又はAl2O3+ZrO2(アルミナ−ジルコニア混合粉末)により形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の混成型多孔質管体。
- 前記多孔質合金溶射膜の端面は多孔質セラミック溶射膜により被覆されており、その端部には前記多孔質合金溶射膜の端部が到達していないことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の混成型多孔質管体。
- その端部において緻密合金膜が前記多孔質合金溶射膜の内周側若しくは外周側に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の混成型多孔質管体。
- 外周が、導電性又は絶縁性緻密膜によって部分的に被覆されていることを特徴とする請求項7に記載の混成型多孔質管体。
- 端部の外周部が合金膜によって被覆されていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の混成型多孔質管体。
- 前記合金膜が、内層を多孔質膜外層を緻密膜とする積層膜によって構成されていることを特徴とする請求項9に記載の混成型多孔質管体。
- 端部に、前記多孔質合金溶射膜からは絶縁されかつ前記合金膜に電気的に接続された耐熱金属パイプが挿入されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の混成型多孔質管体。
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