JP4091494B2 - レーザ加工装置およびその加工位置ずれ補正方法 - Google Patents

レーザ加工装置およびその加工位置ずれ補正方法 Download PDF

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この発明はレーザ加工装置およびその加工位置ずれ補正方法に関し、特に、プリント基板や半導体チップなどにおける樹脂材やセラミックス材等の材料に、穴あけや切断、マーキングを行うためのレーザ加工装置およびその加工位置ずれ補正方法に関するものである。
この種の従来のレーザ加工装置は、レーザ加工装置設置場所の室温の変化やレーザ加工装置の稼動に伴う装置自体の発熱、あるいは、照射されたレーザの一部をスキャンミラーやレンズが吸収することなどが原因で、スキャンミラーやレンズなどレーザ加工装置の各部分の温度が上昇することが知られている。このレーザ加工装置の温度上昇の影響を受けて、目標の加工位置に対して実際の加工位置がずれる現象が発生する。この加工位置ずれは、加工後にCCDカメラを用いて精度を測定しなければ認識することができないため、最悪の場合には、大量に位置ずれを起こしたまま加工を続けてしまい、すべての製品が加工不良となってしまうという問題点がある。
このため、集光レンズに温度センサを設けておき、集光レンズの温度変化を測定して、集光レンズの屈折率の温度変化を打ち消すように、集光レンズの相対位置を変化させることにより、位置ずれを補正する手法が示されている(例えば、特許文献1参照。)。
当該特許文献1においては、レーザ発振器から出力されたレーザ光の方向を変化させる偏向装置と、当該偏向装置より入射するレーザ光を屈折させて加工対象ワーク上に結像させる集光レンズとを有するレーザ加工装置において、複数枚のレンズからなる集光レンズのレンズ間の相対位置を集光レンズ温度によって変化させるレンズ位置調整手段を組み込み、レンズ位置調整手段によってレンズの屈折率の温度変化を打ち消すように複数枚のレンズ間の相対位置を集光レンズ温度によって変化させる。
しかしながら、集光レンズの温度上昇による屈折率の変化により生じる誤差は軸対称であるため、当該特許文献1では、軸対称の誤差しか補正されないが、実際には軸対称ではない形態の誤差が生じており、これについては、特許文献1では全く考慮されていないため、当該特許文献1の手法による補正のみでは補正精度が悪いという問題点がある。
また、他の手法として、レーザ加工装置の温度を計測して、計測温度に応じて目標加工位置を補正して、加工位置指令値を生成し、この加工位置指令値に応じてレーザ光をスキャンする手法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
当該特許文献2においては、装置フレーム(図17の符号100参照)の温度を計測して、当該装置フレームの温度上昇によって発生する熱膨張によるスキャンミラーの角度のずれを補正している。また、もう1つの温度計測箇所として、スキャンミラー駆動装置を制御するために設けられているスキャンミラー制御装置の温度を計測して、当該スキャンミラー制御装置内の電気部品の温度上昇により発生する温度ドリフトによるレーザ光位置ずれ補正値を求め、それに基づいてスキャンミラーの角度のずれを補正する。
しかしながら、スキャンミラー本体の温度がかなり上昇しているときでも、装置フレームやスキャンミラー制御装置の温度は、実際には、ほとんど変化しないので(図9参照)、これらの温度を測定して補正を行ったとしても、高い補正精度は得られないという問題点がある。
国際公開第WO99/33603号パンフレット 特開平11−277274号公報
レーザ加工装置の温度上昇による加工位置ずれは複雑であり、本発明の考案中に発見された2種類の温度ドリフトが組み合わさったものとなっている。一方の温度ドリフトは、加工エリア全体が一様にずれるエリアドリフトであり、他方の温度ドリフトは、加工エリア全体が収縮するスケールドリフトである。
しかしながら、上記特許文献1および2のいずれにおいても、このような2種類の温度ドリフトがあることが発見されておらず、それぞれに対応させて適切な補正を行っているわけではないので、十分な補正精度が得られていない。
上記の特許文献1に示された集光レンズの温度を用いた温度補正では、軸対称の加工位置ずれしか補正できず、すなわち、上記の温度ドリフトの分類から言えば、スケールドリフトに近い位置ずれを補正しようとする意図は多少見受けられるものの、エリアドリフトに関しては、全く考慮されていないという問題点があった。
また、上記特許文献2に示された温度補正では、スキャンミラーの温度が大幅に上昇しているような場合にも、温度があまり変わらない装置フレームやスキャンミラー制御装置のような箇所の温度を測定して補正を行っているので、十分な補正精度は得られないという問題点があった。さらに、上記特許文献2においては、温度ドリフトにスケールドリフトおよびエリアドリフトの別があることについて認識できていないため、適切な補正処理を行うことが出来ず、この点においても、十分な補正精度が得られないという問題点があった。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、十分な補正精度を実現するレーザ加工装置およびその加工位置ずれ補正方法を得ることを目的とする。
この発明に係るレーザ加工装置は、X軸方向およびY軸方向に設けられたそれぞれの回転軸による回転により、レーザ発振器から出力されたレーザを偏向させるX軸およびY軸スキャンミラーと、前記X軸およびY軸スキャンミラーが偏向した前記レーザを屈折させて、加工テーブル上に載置された加工ワーク上に前記レーザを集光させるレンズと、レーザ加工装置の2以上の所定の箇所の温度を測定する複数の温度センサと、前記レーザ加工装置の前記所定の箇所の温度上昇により発生する加工位置ずれを、前記温度センサが測定した前記所定の箇所の温度変化と予め設定された所定の補正係数とに基づいて補正する補正手段とを備え、前記補正手段は、当該加工エリア全体が大きさはそのままで一様方向にずれる形態で発生する前記加工位置ずれのうちのエリアドリフトを補正するエリアドリフト補正部と、前記X軸およびY軸スキャンミラーと前記レンズとにより決定される前記加工ワーク上の加工エリア全体がその中心に向かって収縮する形態で発生する前記加工位置ずれのうちのスケールドリフトを補正するスケールドリフト補正部とを有し、前記エリアドリフト補正部は、前記温度センサのうちのレーザ加工装置のガルバノボックスおよびカメラ取り付け板に取り付けられた温度センサにより測定された前記ガルバノボックスおよび前記カメラ取り付け板の各所定部分の温度変化と、当該各所定部分の線膨張係数に基づいてあらかじめ定められた所定の補正係数とにより、各前記所定部分の熱膨張の大きさを算出し、X軸およびY軸スキャンミラーの回転角度を補正することで、前記レーザ加工装置の熱膨張により発生する前記エリアドリフトを補正し、前記スケールドリフト補正部は、前記温度センサのうちの前記X軸およびY軸スキャンミラーに取り付けられた温度センサにより測定された前記X軸およびY軸スキャンミラーの所定部分の温度変化と、前記スケールドリフトに対してあらかじめ定められたスケールドリフト用補正係数とに基づいて、前記X軸およびY軸スキャンミラーの回転角度を補正することにより、前記スケールドリフトを補正するものである。
レーザ加工装置の温度上昇により発生する加工位置ずれをエリアドリフトおよびスケールドリフトの2つの要因ごとに補正を行うようにしたので、精度よく加工位置ずれの補正を行うことができるので、レーザ加工装置の温度変化による加工位置ずれを低減させることができる。
実施の形態1.
以下、本発明のレーザ加工装置による加工位置ずれの補正に係る実施の形態について説明する。本実施の形態においては、上述したスケールドリフトとエリアドリフトの両方を補正する例について説明する。図1(a)は、本発明のレーザ加工装置の全体構成を示す説明図である。図において、レーザ光を発生させる発振器1が設けられ、発振器1から出射されたレーザ光は、その発散角をコリメートレンズ2により調整される。また、コリメートレンズ2により調整された該レーザ光を水平方向に偏向するY軸スキャンミラー3、および、該レーザを垂直方向に偏向するX軸スキャンミラー4が設けられている。Y軸スキャンミラー3およびX軸スキャンミラー4は、ミラーマウント21,22に支持され(図6参照)、その先には、スキャンミラー駆動装置5,6が設けられている。スキャンミラー駆動装置5,6は、回転角度の指令に従ってスキャンミラー3,4を回転駆動させ、レーザ光の偏向角度を調整する。また、レーザ光の集光を行うfθレンズ(集光レンズ)7が設けられ、fθレンズ7の下には、加工対象のワーク8が、加工テーブル9上に設置される。fθレンズ7の近傍には、観察用光学系として、レーザの照射によって加工された加工ワーク8上の加工位置を検出するCCDカメラ10が取り付けられている。
fθレンズ7はレーザ光の入射角度に従って集光位置を決めることのできるレンズであり、Y軸スキャンミラー3、X軸スキャンミラー4による偏向角度の制御により決まる入射角度に応じて集光位置を変化させる。Y軸スキャンミラー3は加工ワーク8のY方向の位置を決めるスキャンミラー、X軸スキャンミラー4は加工ワーク8のX方向の位置を決めるスキャンミラーである。スキャンミラー制御装置11,12は、それぞれ、スキャンミラー3,4の回転角度を制御する。スキャンミラー制御装置11,12は、全体の制御を行うためのパソコン等から構成される制御装置(PC)13から、目標の加工位置に基づいて算出されるスキャンミラー3,4の回転角度指令が入力されて、それに従ってスキャンミラー駆動装置5,6を制御し、加工ワーク8上への位置決めを行う。
制御装置(PC)13は、作業者からの起動指令や外部のホストからの起動信号により選択された加工プログラムに従って加工を制御する。この加工プログラムはあらかじめ必要な加工位置のデータを加工テーブル装置9の座標とスキャンミラー3,4の回転角度に変換しており、それぞれに指令値が与えられ位置を制御する。
スキャンミラー3,4の回転とfθレンズ7により一括照射可能な加工エリアには限界があるため、1つの加工エリアの加工が終わると、加工テーブル9の移動により次の加工エリアへの移動が行われる。
図1(b)に、本発明に係るレーザ加工装置の加工位置ずれの温度補正手法を示す。図に示す温度センサ20は、レーザ加工装置の所定の位置に取り付けられている。当該所定の位置については後述する。制御装置(PC)13内には、図のように、補正パラメータ算出部15と加工位置補正処理部16とが設けられている。
図1(b)の構成において、レーザ加工装置の所定の位置に取り付けられた温度センサ20により測定された所定部分における加工開始時からの温度変化が、制御装置(PC)13内の補正パラメータ算出部15に与えられる。補正パラメータ算出部15には、温度測定部分の温度変化に応じて加工位置を補正するための補正パラメータがあらかじめ設定されている。補正パラメータ算出部15で算出された補正パラメータは加工位置補正処理部16に与えられる。加工位置補正処理部16では、補正パラメータ算出部15で求められた補正パラメータを用いて、目標としている目標加工位置(X、Y)に対して、レーザ加工装置の温度変化による加工位置ずれを打ち消すようなスキャンミラー制御装置11,12への補正加工位置指令(X’、Y’)を求め、この補正加工位置指令に応じてスキャンミラー3,4の回転角度を補正して制御したり、あるいは、補正パラメータ算出部15で算出された補正パラメータを用いて、加工テーブル位置(x、y)に対して、レーザ加工装置の温度変化による加工位置ずれを打ち消すような加工テーブルの補正位置指令(x’、y’)を求め、補正位置指令に応じて加工テーブルの位置を制御したりすることにより、レーザ加工装置の温度上昇による加工位置ずれを補正する。なお、図1においては図示を省略しているが、実際には、fθレンズ7やスキャンミラー3,4は、装置フレーム100(図17(a)参照)に取り付けられている。
次に、本発明の実施の形態1に係るレーザ加工装置の温度補正方法について図2から図5を参照に説明する。図2は、一般的な従来の装置(以下、比較例とする。)における(a)レーザ加工開始時と(b)レーザ加工装置の温度上昇後における、目標加工位置と実際の加工位置とを示した説明図である。図の白丸が目標加工位置であり、図の黒丸が実際の加工位置である。実際の加工位置は、説明のために、加工位置ずれを強調して示してある(40μm/div)。目標加工位置は、(X、Y)=(0、0)を中心とした50mm×50mmの加工エリアの格子状の5×5=25点(12.5mmピッチ)である。加工位置ずれの測定は、個々の加工穴がCCDカメラ10のモニタ内に入るように加工テーブル9を移動させ、CCDカメラ10のモニタの中心からのずれの測定を行い、これと加工テーブル9の位置の関係から求めている。
図2に示すように、上記の比較例のレーザ加工装置の温度上昇に伴う加工位置ずれは複雑な形態で発生する。図3の表は、レーザ加工装置の温度上昇後の25点の加工位置ずれについて、X方向のずれの平均値とY方向のずれの平均値を計算した結果である。これにより、加工エリアの中心(X、Y)=(0、0)の加工位置ずれと25点のずれの平均値がほぼ同じ値になることがわかる。また、図2(b)に示した25点のそれぞれの加工位置ずれから、図3の表に示した25点の加工位置ずれの平均値を取り除いたところ、加工位置ずれは図4に示すように加工エリアの中心を中心として収縮する形態になっている。
このように、レーザ加工装置の温度上昇に伴う加工位置ずれは、図5(a)に示すような加工エリア全体が大きさはそのままで一様な方向にずれるエリアドリフトと、図5(b)に示すような加工エリア全体がその中心に向かって収縮するスケールドリフトの2つのタイプが合わさって発生していることを、今回、はじめて発見した。エリアドリフトの要因は、(1)スキャンミラーマウントの熱変形と、(2)レーザ加工装置の熱膨張による、fθレンズ7と加工テーブル9の相対位置の変化、CCDカメラ10とfθレンズ7の相対位置の変化(カメラオフセットドリフト)である。スケールドリフトの要因は、(3)スキャンミラー制御装置5,6内の静電容量センサの温度ドリフトと、(4)fθレンズ7の屈折率の変化である。このため、この発明のレーザ加工装置においては、加工位置ずれのスケールドリフトおよびエリアドリフトのそれぞれの要因について、レーザ加工装置の温度変化と補正係数とにより、加工位置ずれの大きさを予測し、これを補正パラメータとして加工位置指令を補正することで、レーザ加工装置の温度上昇によるエリアドリフトとスケールドリフトを同時に補正することができる。
本実施の形態においてはエリアドリフトとスケールドリフトの両方を補正する例について説明し、その例として、以下に、上記の要因(1)および要因(3)の補正係数の決め方と補正手順について示す。
(ステップS1)
キャリブレーション加工を行い、加工位置のずれ量を予め計測/保存しておく。具体的には、例えば、45Wで3分程度の高エネルギー加工でレーザ加工装置の温度を上昇させた後、50mm×50mmの加工エリアに格子状12.5mmピッチで5×5=25点で加工を行い、加工位置ずれの測定を行う。すなわち、図2を用いて上述した目標加工位置の25点の各点での加工位置ずれ(ΔX1〜25、ΔY1〜25)をCCDカメラ10で測定する。この測定を連続して繰り返し(15回)行う。このとき、温度センサで、例えば、fθレンズ7、ミラーマウント21,22、ガルバノボックス101(図17(a)参照)、カメラ取り付け板102の温度変化を測定する。なお、温度センサで、これらすべての温度を必ずしも測定しなくてもよく、必要に応じて、いずれの箇所を測定するかにつき適宜設定するようにしてもよい。
<エリアドリフト>
(ステップS2)
X方向、Y方向のエリア方向の加工位置ずれの平均(ΔX1、ΔY1)を次式により求め、その結果、エリアドリフトを求める。
Figure 0004091494
(ステップS3)
fθレンズ7とCCDカメラ10間の熱膨張によるエリアドリフト(ΔX2、ΔY2)を次式により算出する(カメラオフセットドリフト)。
ΔX2=Δl10+Δl11=ρ10×ΔT10×l10+ρ11×ΔT11×l11
ΔY2=Δr10=ρ10×ΔT10×r10
ρ10:ガルバノBOXの線膨張係数、ρ11:カメラ取り付け板の線膨張係数、
ΔT10:ガルバノBOXの温度変化、ΔT11:カメラ取り付け板の温度変化、
l10:fθレンズ中心からカメラ取り付け板までの距離(X方向)、
l11:カメラ取り付け板からカメラ中心までの距離(X方向)、
r10:fθレンズ中心からカメラ取り付け板までの距離(Y方向)
(ステップS4)
エリアドリフト(ΔX1、ΔY1)からカメラオフセットドリフト(ΔX2、ΔY2)を取り除き、上記要因(1)によるミラーマウントの熱変形によるエリアドリフト(ΔX3、ΔY3)を次式により算出する。
(ΔX3、ΔY3)= (ΔX1、ΔY1)- (ΔX2、ΔY2)
(ステップS5)
ミラーマウント21,22の熱変形によるエリアドリフト(ΔX3、ΔY3)とミラーマウントの温度変化ΔTx、ΔTyより、補正係数(Xa、Ya)を算出する。例えば、キャリブレーション加工を15回繰り返して行い、それぞれの回についての補正誤差のRMS値が最小となるように次式により補正係数(Xa、Ya)を算出する。
Figure 0004091494
<スケールドリフト>
(ステップS6)
ステップS1の25点の各点での加工位置ずれから上記ステップS2のエリアドリフトを取り除いて、X方向、Y方向のスケールドリフト(Δx1〜25、Δy1〜25)を算出する。
(Δx1〜25、Δy1〜25)=(ΔX1〜25、ΔY1〜25)-(ΔX1、ΔY1)
(ステップS7)
ステップS6より算出された25点各点でのスケールドリフトのデータと各点の目標座標(X、Y)より、次式の最小2乗法を用いて、スケールドリフトの伸縮率(Gx1、Gy1)ppmを求める。
Figure 0004091494
(ステップS8)
理論計算により求められる50mm×50mmのエリアの12.5mmピッチの格子状の各位置で発生するfθレンズ7の単位温度上昇当たりのスケールドリフト(Δx21〜25、Δy21〜25)と各点の目標座標(X、Y)より、次式の最小2乗法を用いてfθレンズ7の単位温度上昇当たりに発生するスケールドリフトの伸縮率(gx2、gy2)ppm/℃を次式により求める。
Figure 0004091494
(ステップS9)
fθレンズ7の単位温度上昇当たりのスケールドリフトとfθレンズ7の温度上昇ΔTfθよりfθレンズ7の温度上昇により発生したスケールドリフト(Gx2、Gy2)ppmを次式により算出する。
Gx2=gx2×ΔT
Gy2=gy2×ΔT
(ステップS10)
スケールドリフトの伸縮率(Gx1、Gy1)ppmから、fθレンズ7の温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率2(Gx2、Gy2)ppmを取り除き、静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率(Gx3、Gy3)ppmを次式により算出する。
(Gx3、Gy3)=(Gx1、Gy1)-(Gx2、Gy2)
(ステップS11)
静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率(Gx3、Gy3)ppmとレーザ加工開始からのミラーマウントの温度変化ΔTx、ΔTyより、補正係数(gx3、gy3)ppm/℃を算出する。例えば、キャリブレーション加工を15回繰り返して行い、次式に示すそれぞれの回についての補正誤差のRMS値が最小となるように補正係数(Xa、Ya)を次式により算出する。
Figure 0004091494
(ステップS12)
ステップS5、ステップS9で求めた補正係数(Xa、Ya)、(gx3、gy3)を補正パラメータ算出部に記憶させて加工する。
補正例
次に、補正例を示す。例えば、補正パラメータ算出部15に補正係数(Xa、Ya)=(1.5、1.0)μm/℃、補正係数(gx3、gy3)=(−80、−60)ppm/℃が備えられており、レーザ加工開始からのミラーマウントの温度変化(ΔTx、ΔTy)=(2、3)℃発生した場合、目標加工位置(X、Y)=(25、25)mmとすると目標加工位置は以下のように補正される。ミラーマウントの熱変形によるエリアドリフトの補正パラメータ(Ax、Ay)を算出する。
Ax=1.5[μm/℃]×3[℃]=4.5[μm]
Ay=1.0[μm/℃]×2[℃]=2.0[μm]
また、静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの補正パラメータ(ΔX’、ΔY’)を算出する。
ΔX’=2[℃]×(-80)[ppm/℃]×25[mm]=-4[μm]
ΔY’=3[℃]×(-60)[ppm/℃]×25[mm]=-4.5[μm]
この補正パラメータは加工位置補正処理部に与えられ、目標加工位置の補正加工位置指令(X’、Y’)が算出される。
X’=X-Ax-ΔX’=25[mm]-4.5[μm]-(-4)[μm]=24.9995[mm]
Y’=Y-Ay-ΔY’=25[mm]-2.0[μm]-(-4.5)[μm]=25.0025[mm]
以上のようにして求められた補正加工位置指令(X’、Y’)を用いて加工を行うことで、エリアドリフトとスケールドリフトを同時に補正することができ、より良い位置精度での加工が可能となる。
このように、本実施の形態によれば、加工位置ずれをエリアドリフトとスケールドリフトとに分類して、それぞれのタイプの変化の傾向と同様の傾向を示す温度測定部分をそれぞれ選定して、当該測定部分の温度を測定して、測定温度に基づいて、それぞれのタイプに対応させた補正係数により、スキャンミラー3,4の回転角度の補正および/または加工テーブル9の位置の補正をする。なお、温度測定部分の選定および補正係数の設定については、実験データまたは過去のデータに基づいて適宜行うようにすればよく、必要に応じて、それを修正するようにしてもよい。これにより、エリアドリフトおよびスケールドリフトの両方の補正が可能となり、加工位置ずれの補正の精度の向上を図ることができ、目標加工位置通りに精度良く加工することができる。なお、以下の実施例においては、説明を簡略化するために、エリアドリフトの補正とスケールドリフトの補正のうちの一方を補正する例について説明しているが、その場合に限らず、実際にはエリアドリフトとスケールドリフトが合わさった位置ずれが発生することが多いため、必要に応じて、これらを組み合わせて、各要因ごとの補正を行い、より精度よく加工位置ずれを補正するようにしてもよい。
実施の形態2.
以下の実施の形態2〜5においては、ミラーマウントの変形に起因するエリアドリフトの補正について説明する。図6(a)、(b)は、Y軸、X軸スキャンミラー部の構成を示したものである。Y軸スキャンミラー3は、Y軸ミラーマウント21に接着剤により固定されている。Y軸ミラーマウント21には、シャフト穴21aがあけられており、Y軸スキャンミラー駆動装置5の回転軸(シャフト)5aが挿入されている。シャフト5aは、Y軸ミラーマウント21にシャフト押さえ21bをネジどめすることで固定されている。X軸スキャンミラー部についてもY軸スキャンミラー部と同様の構成になっている。X軸スキャンミラー4は、X軸ミラーマウント22に接着剤により固定されている。X軸ミラーマウント22にはシャフト穴22aがあけられており、X軸スキャンミラー駆動装置6の回転軸(シャフト)6aが挿入されている。シャフト6aはX軸ミラーマウント22にシャフト押え22bをネジどめすることで固定されている。
図7は、Y軸ミラーマウント21へのシャフト5aの固定部の断面図であるが、この構成では図7に示すように、シャフト5aの下面はY軸ミラーマウント21に密着しているが、上面はすき間ができている状態になっている。このためレーザ照射時にスキャンミラーでのレーザの吸収により発生した熱が温度の低いY軸ミラーマウント21やシャフト5aへ伝わる際に、Y軸ミラーマウント21とシャフト5aが接しているために熱が伝達しやすい部分AとY軸ミラーマウント21とシャフト5aが接していないために熱がたまってしまう部分Bで温度差が発生することとなる。このため、部分Aの熱膨張に対して、部分Bの熱膨張が大きくなり、図8に示すように、ミラーマウント21が熱変形を起こし、Y軸スキャンミラー3がその回転方向と垂直な方向に傾き、X方向のエリアドリフトが発生する。X軸スキャンミラー4についても同様の機構でX軸ミラーマウント22の熱変形が生じるため、X軸スキャンミラー4がその回転方向と垂直な方向に傾き、Y方向のエリアドリフトが発生する。
本実施の形態では、わかりやすいように非対称のミラーマウントで説明したが、シャフトに対し対称形状のミラーマウントでもスキャンミラーをミラーマウントに接着する接着剤の厚みの違いにより、ミラーマウントに温度分布が生じ、熱変形によるエリアドリフトが発生することもある。
図9は、レーザ照射時のY軸ミラーマウント21と、fθレンズ7やスキャンミラー3,4が取り付けられたガルバノボックス101(図17(a)参照)の装置架台への取り付け部(Z軸取り付け台)102(図17(a)参照)部分の装置フレーム100の温度変化を示したものであるが、Y軸ミラーマウント21は短時間で急激に温度が変化するのに対し、装置フレーム100は温度変化がほとんど発生しない。このため、上記の特許文献2で示されている装置フレーム100の温度の測定ではミラーマウントの熱変形によるエリアドリフトの補正が十分行えない。
図10は、実施の形態2を示している。補正パラメータ算出部15には、補正係数(Xa、Ya)[μm/℃]が備えられている。この補正係数は、XaはY軸ミラーマウント21が1℃温度上昇した場合に発生するX方向のエリアドリフトを、YaはX軸ミラーマウント22が1℃温度上昇した場合に発生するY方向のエリアドリフトの大きさを示す係数である。
図10(a)に示すように、Y軸スキャンミラー3本体とシャフト5aとの結合部であるY軸ミラーマウント21に温度センサ23が取り付けられており、温度センサ23によりレーザ加工開始時からのY軸ミラーマウント21の温度変化Δyを測定する。測定された温度変化Δyは補正パラメータ算出部15に与えられる。Y軸ミラーマウント21の熱変形によりX方向のエリアドリフトが発生するため、補正パラメータ算出部15では、Y軸ミラーマウント21の温度変化Δyと予め設定された補正係数Xaとから、X方向の補正パラメータAx(Ax=Xa×Δy)を算出する。この補正パラメータAxにより、加工位置補正処理部16で、X方向の補正加工位置指令X’(X’=X−Ax=X−Xa×Δy)を求める。補正加工位置指令X’に応じてX軸スキャンミラー4の回転角度を制御することにより、Y軸ミラーマウント21の熱変形によりX方向に発生するエリアドリフトを補正することができる。
また、同様に、図10(b)に示すように、X軸スキャンミラー4とシャフト6aとの結合部であるX軸ミラーマウント22に温度センサ24を取り付け、温度センサ24によりX軸ミラーマウント22のレーザ加工開始時からのX軸ミラーマウント22の温度変化Δxを測定する。測定された温度変化Δxは補正パラメータ算出部15に与えられる。X軸ミラーマウント22の熱変形によりY方向のエリアドリフトが発生するため、補正パラメータ算出部15では、X軸ミラーマウント22の温度変化Δxと予め設定された補正係数Yaとから、Y方向の補正パラメータAy(Ay=Ya×Δx)を算出する。この補正パラメータAyにより、加工位置補正処理部16で、Y方向の補正加工位置指令Y’(Y’=Y−Ay=Y−Ya×Δx)を求める。補正加工位置指令Y’に応じてY軸スキャンミラー3の回転角度を制御することにより、X軸ミラーマウント22の熱変形によりY方向に発生するエリアドリフトを補正することができる。
ここで補正係数として(Xa、Ya)=(1.5、1.0)[μm/℃]が備えられており、加工開始からのY軸ミラーマウント21の温度変化Δyが3℃、X軸ミラーマウントの温度変化Δxが2℃とした場合、補正パラメータ算出部15において、下記の補正パラメータAx,Ayが求められる。
X方向の補正パラメータAx=Xa×Δy=1.5[μm/℃]×3[℃]=4.5[μm]
Y方向の補正パラメータAy=Ya×Δx=1.0[μm/℃]×2[℃]=2.0[μm]
この補正パラメータに応じて、補正加工位置指令を求め、スキャンミラーの回転角度を制御することで、ミラーマウントの熱変形によるエリアドリフトを補正することができる。
尚、補正パラメータAx、Ayを用いて補正加工位置指令(X’、Y’)を求めてスキャンミラーの回転角度を制御するかわりに、加工テーブル位置(x、y)の補正位置(x’、y’)を求めて加工テーブルの位置を制御することにより、ミラーマウントの熱変形によるエリアドリフトを補正してもよい。この場合加工テーブルの補正位置(x’、y’)はそれぞれ、次式により算出される。
x’=x-Ay、
y’=y-Ax
ミラーマウント21,22の熱変形がエリアドリフトの要因であるため、ミラーマウント21,22の温度を直接測定して補正することにより、応答性の良い補正ができる。また、本実施の形態では、X軸ミラーマウント22の1℃の温度上昇により、Y方向に1μm程度、また、Y軸ミラーマウント21の1℃の温度上昇より、X方向に1.5μm程度発生するエリアドリフトを補正することができる。
レーザを1ショットあたり15mJのエネルギーで150000ショット照射した後の実施の形態1の図2(b)で示したレーザ加工装置の温度上昇による加工位置ずれを上記特許文献1に示されたfθレンズの温度変化を用いて補正したところ最大30μmある加工位置ずれが最大20μmに低減される。このfθレンズの温度補正に加えて、本発明によるミラーマウントの温度変化を用いてのエリアドリフト補正を施した結果、加工位置ずれが最大16μmまで低減されるという効果を得た。
以上のように、本実施の形態によれば、Y軸およびX軸のミラーマウント21,22に温度センサ23,24を取り付け、Y軸ミラーマウント21の温度変化と予め設定された補正係数より算出された補正パラメータを用いて、X方向の補正加工位置指令X’を求め、また、X軸ミラーマウント22の温度変化と予め設定された補正係数より算出された補正パラメータを用いて、Y方向の補正加工位置指令Y’を求めて、スキャンミラーの回転角度を補正することにより、加工位置ずれを補正することで、ミラーマウントの熱変形により発生するエリアドリフトの補正が可能となる。
次に、マウントの変形に起因するエリアドリフトの補正係数の算出と実際の補正について説明する。
まず、補正係数の算出について説明する。
(ステップS1)
高エネルギー加工(45Wで3分程度)と加工位置ずれの測定を連続して繰り返し(15回)行う。同時にレーザ加工装置の温度を測定する。上記の例では、ミラーマウント21,22の温度を測定したが、ここでは、ミラーマウント21,22の他に、fθレンズ7、ガルバノボックス101、カメラ取り付け板102の温度を測定する例について説明する。測定個所については、必要に応じて、適宜設定してもよく、その場合には、測定個所に応じて以下の数式を応用させて用いるようにすればよい。
(ステップS2)
以下のステップS2〜S4はそれぞれの回について実施する。
まず、ステップS2において、X方向、Y方向のエリア方向の加工位置ずれの平均(ΔX1、ΔY1):エリアドリフトを求める。
Figure 0004091494
(ステップS3)
次に、fθレンズ7とCCDカメラ10間の熱膨張によるエリアドリフト(ΔX2、ΔY2)を次式により算出する(カメラオフセットドリフト)。
ΔX2=Δl10+Δl11=ρ10×ΔT10×l10+ρ11×ΔT11×l11
ΔY2=Δr10=ρ10×ΔT10×r10
ρ10:ガルバノボックスの線膨張係数、
ρ11:カメラ取り付け板の線膨張係数、
ΔT10:ガルバノボックスの温度変化、
ΔT11:カメラ取り付け板の温度変化
l10:fθレンズ中心からカメラ取り付け板までの距離(X方向)
l11:カメラ取り付け板からカメラ中心までの距離(X方向)
r10:fθレンズ中心からカメラ取り付け板までの距離(Y方向)
(ステップS4)
エリアドリフト(ΔX1、ΔY1)からカメラオフセットドリフト(ΔX2、ΔY2)を取り除き、ミラーマウントの熱変形によるエリアドリフト(ΔX3、ΔY3)を次式により算出する。
(ΔX3、ΔY3)= (ΔX1、ΔY1)- (ΔX2、ΔY2)
(ステップS5)
各回のX軸ミラーマウント22の温度上昇ΔTx、Y軸ミラーマウント21の温度上昇ΔTyと、ミラーマウント21,22の熱変形によるエリアドリフト(ΔX3、ΔY3)とから、15回の補正誤差のRMS値が最小となるような補正係数(Xa、Ya)を次式により算出する。なお、補正係数はスキャンミラーの単位温度上昇により生じるエリアドリフトの大きさとした。
Figure 0004091494
次に、実際の補正について説明する。
(ステップS6)
補正パラメータ算出部15に補正係数(Xa、Ya)を予め備えさせておく。
(ステップS7)
温度センサによりレーザ加工開始からのミラーマウント21,22の温度変化ΔTx、ΔTyを測定する。
(ステップS8)
補正パラメータ算出部15にて、補正パラメータ(Ax、Ay)を算出する。
Ax=Xa×ΔTy
Ay=Ya×ΔTx
(ステップS9)
加工位置補正処理部16で補正加工位置指令(X'、Y’)を算出する。
X'=X- Ax
Y'=Y- Ay
(ステップS10)
補正加工位置指令(X’、Y’)を用いてスキャンミラーの回転角度を制御して、エリアドリフトを補正する。
なお、後述する実施の形態4,5のように、加工テーブル9の位置を制御してエリアドリフトを制御する場合は、上記のステップS9,S10が、下記のステップS9−2,S10−2になる。
(ステップS9−2)
加工位置補正処理部16で、加工テーブル9の位置(x、y)をの補正位置指令(x‘、y’)を算出する。
x’=x-Ax
y’=y-Ay
(ステップS10−2)
加工テーブル9の補正位置指令(x‘、y’)を用いて加工テーブル9の位置を制御して、エリアドリフトを補正する。
例えば、補正係数(Xa、Ya)=(1.5、1.0)μm/℃が備えられており、レーザ加工開始からのミラーマウント21,22の温度変化(ΔTx、ΔTy)=(2、3)℃発生した場合においての補正パラメータ(Ax、Ay)は、下記のようになる。
Ax=1.5[μm/℃]×3[℃]=4.5[μm]
Ay=1.0[μm/℃]×2[℃]=2.0[μm]
目標加工位置が(25、25)mmの場合、補正加工位置指令(X’、Y’)は以下のようになる。この補正加工位置指令に応じてスキャンミラー3,4の回転角度を制御することで、ミラーマウント21,22の熱変形によるエリアドリフトが補正できる。
X’=25[mm]-4.5[μm]=24.9955[mm]
Y’=25[mm]-2.0[μm]=24.998[mm]
また、加工テーブル9の位置を制御して補正する場合は、加工テーブル位置が(0、0)mmであったとすると、補正位置指令は以下のようになる。
x’=-0.045[mm]
y’=-0.02[mm]
以上のように、本実施の形態によれば、ミラーマウント21,22、fθレンズ7、ガルバノボックス101、カメラ取り付け板102の少なくとも1つに温度センサ23,24を取り付け、それらの温度変化と予め設定された補正係数より算出された補正パラメータを用いて、補正加工位置指令(X’、Y’)を求め、スキャンミラーの回転角度を補正することにより、加工位置ずれを補正することで、ミラーマウントの熱変形により発生するエリアドリフトの補正が可能となる。
実施の形態3.
図11は実施の形態3に係るレーザ加工装置の位置ずれ補正を示している。上述の実施の形態2の図10においては、温度センサをミラーマウントに設ける例について説明したが、本実施の形態においては、スキャンミラー本体に温度センサを設けた場合について説明する。スキャンミラー本体の方が、ミラーマウントよりもサイズが大きく、かつ、図8からも明らかなように、熱変形量が少ないため、温度センサを取り付けやすいという利点がある。
図11(a)に示すように、Y軸スキャンミラー3の本体部分に温度センサ23が取り付けられており、当該温度センサ23によりレーザ加工開始時からのY軸スキャンミラー3の温度を測定する。測定された温度は補正パラメータ算出部15に与えられる。補正パラメータ算出部15では、Y軸スキャンミラー3の温度変化と予め設定された補正係数から、上述の実施の形態2と同様の方法により、補正パラメータを算出する。この補正パラメータにより、加工位置補正処理部16で、X方向の補正加工位置指令X’を求める。補正加工位置指令に応じてX軸スキャンミラー4の回転角度を制御することにより、ミラーマウントの温度変化による加工位置ずれを補正することができる。
また、同様に、図11(b)に示すように、X軸スキャンミラー4の本体部分に温度センサ24を取り付け、X軸スキャンミラー4の温度変化と予め設定された補正係数により求められる補正パラメータでY方向の補正加工位置指令Y’を求め、Y軸スキャンミラー3の回転角度を制御して、ミラーマウントの温度変化による加工位置ずれを補正する。
以上のように、本実施の形態によれば、Y軸およびX軸のスキャンミラー3,4に温度センサ23,24を取り付け、スキャンミラー3,4の温度変化と予め設定された補正係数より算出された補正パラメータを用いて、補正加工位置指令(X’、Y’)を求め、スキャンミラーの回転角度を補正することにより、加工位置ずれを補正することで、ミラーマウントの熱変形により発生するエリアドリフトの補正が可能となる。
実施の形態4.
上述の実施の形態2および3においては、スキャンミラー3,4の回転角度を制御することにより加工位置ずれを補正する例について説明したが、本実施の形態においては、加工テーブルのX方向およびY方向の位置を制御することにより加工位置ずれを補正する例について説明する。
図12は実施の形態4を示している。図12(a)に示すように、Y軸ミラーマウント21およびX軸ミラーマウント22に温度センサ23、24が取り付けられており、測定された温度と予め設定された補正係数から、上述の実施の形態2で示した方法により、補正パラメータを算出する。加工位置補正処理部16は、Y軸ミラーマウント21の温度変化に基づいた補正パラメータにより加工テーブル9のX方向の位置xを補正する補正位置指令x’を求める。同様に、加工位置補正処理部16は、X軸ミラーマウント22の温度変化に基づいた補正パラメータにより加工テーブル9のY方向の位置yを補正する補正位置指令y’を求める。補正位置指令に応じて加工テーブル9のX方向またはY方向の位置を制御することにより、ミラーマウント21、22の温度変化による加工位置ずれを補正することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、Y軸ミラーマウント21の温度変化と予め設定された補正係数より算出された補正パラメータを用いて、加工テーブル9のX軸方向の補正位置指令x’を求め、X軸ミラーマウント22の温度変化と予め設定された補正係数より算出された補正パラメータを用いて、加工テーブル9のY軸方向の補正位置指令y’を求めて、加工テーブル9のY方向およびX方向の位置を制御して、加工位置ずれを補正することで、ミラーマウントの熱変形により発生するエリアドリフトの補正が可能となる。
実施の形態5.
本実施の形態においても、上述の実施の形態4と同様に、加工テーブルのX方向およびY方向の位置を制御することにより加工位置ずれを補正する例について説明する。
図13は実施の形態5を示している。上述の実施の形態4においては、温度センサをミラーマウントに設ける例について説明したが、本実施の形態においては、図13に示すように、Y軸スキャンミラー3,4に温度センサ23,24が取り付けられており、レーザ加工開始時からのY軸スキャンミラー3、X軸スキャンミラー4の温度を測定する。以下の動作は、上記の実施の形態4と同様であるため、ここでは説明を省略する。
以上のように、本実施の形態によれば、Y軸スキャンミラー3の温度変化と予め設定された補正係数より算出された補正パラメータを用いて、加工テーブル9のX軸方向の補正位置指令x’を求め、X軸スキャンミラー4の温度変化と予め設定された補正係数より算出された補正パラメータを用いて、加工テーブル9のY軸方向の補正位置指令y’を求めて、加工テーブル9のY方向およびX方向の位置を制御して、加工位置ずれを補正することで、ミラーマウントの熱変形により発生するエリアドリフトの補正が可能となる。
実施の形態6.
上述の実施の形態2〜5においてはエリアドリフトを補正する方法について説明したが、以下の実施の形態6,7においては、スケールドリフトを補正する方法、特に、静電容量センサの温度ドリフトによるスケールドリフトの補正について説明する。
なお、図14(b)は比較例であり、図4に示したスケールドリフトによる加工位置ずれについて、fθレンズの温度上昇のみに基づいてスケールドリフトの補正を施したものである。これよりfθレンズ7以外にもスケールドリフトの要因があることがわかる。このスケールドリフトはスキャンミラー駆動装置5、6内にあるのスキャンミラー3、4の回転角度を検出するための静電容量センサの温度上昇により温度ドリフトが発生し、スキャンミラー3、4の回転角度にずれが生じるために発生する。しかしスキャンミラー駆動装置5、6内の静電容量センサの温度を測定することは容易ではない。スキャンミラー駆動装置5、6内の静電容量センサの温度ドリフトにより生じるスケールドリフトについて、加工エリアの中心からの距離と加工位置ずれの大きさより加工エリアの伸縮率を計算し、レーザ加工時のレーザ加工装置各部分の温度変化とスケールドリフトによる加工エリアの伸縮率の変化を比較した結果、X軸スキャンミラー部の温度変化がX方向の加工エリアの伸縮率の変化と良く似た傾向を示し、Y軸スキャンミラー部の温度変化がY方向の加工エリアの伸縮率の変化と良く似た傾向を示した。
本発明の実施の形態6について図15を参照して説明する。図15(a)に示すように、Y軸スキャンミラー3本体に温度センサ23が取り付けられており、レーザ加工開始時からのY軸スキャンミラー3の温度を測定する。測定された温度は補正パラメータ算出部15に与えられる。補正パラメータ算出部15では、Y軸スキャンミラーの温度変化と補正係数から補正パラメータを算出する。この補正パラメータにより、加工位置補正処理部16でY方向の補正加工位置指令Y’を求める。補正加工位置指令に応じてY軸スキャンミラー3の回転角度を制御することにより、スキャンミラー駆動装置内の静電容量センサの温度ドリフトによる加工位置ずれを補正することができる。
また、同時に、図15(b)に示すように、X軸スキャンミラー4本体に温度センサ24を取り付け、X軸スキャンミラー24の温度変化と補正係数により求められる補正パラメータでX方向の補正加工位置指令X’を求め、X軸スキャンミラー4の回転角度を制御することで、スキャンミラー駆動装置内の静電容量センサの温度ドリフトによる加工位置ずれを補正する。
次に、スキャンミラーの温度変化と補正係数により、静電容量センサの温度ドリフトを補正することを見出した経緯について説明する。
(ステップS1)
高エネルギー加工(45Wで3分程度)と加工位置ずれの測定を連続して繰り返し(15回)行う。同時にレーザ加工装置の温度を測定する(スキャンミラー部:スキャンミラーやミラーマウント、fθレンズ、ガルバノボックス、加工テーブル、架台など)。なお、加工回数の増加に伴って、装置の温度および加工位置ずれは増大する。
(ステップS2)
ステップS2〜S5はそれぞれの回の結果について実施する。
ステップS2において、X方向、Y方向のエリア方向の加工位置ずれの平均(ΔX1、ΔY1)を求める(エリアドリフトの算出)。
(ステップS3)
25点各点での加工位置ずれ(ΔX1〜25、ΔY1〜25)から、ステップS2で算出されたエリアドリフトによるずれを取り除き、スケールドリフト(ΔX’1〜25、ΔY’1〜25)を次式により算出した。
(ΔX’1〜25、ΔY’1〜25)= (ΔX1〜25、ΔY1〜25)-(ΔX1、ΔY1)
(ステップS4)
ステップS3より算出された25点各点での位置誤差のデータと目標の座標位置から、最小2乗法を用いてスケールドリフトの伸縮率(Gx1、Gy1)ppmを求めた。なお、ここで、伸縮率はX、Yそれぞれの座標値における軸方向の誤差量をプロットし、最小2乗法により求められた近似曲線の傾きとした。
(ステップS5)
スケールドリフトの伸縮率(Gx1、Gy1)ppmから、fθレンズの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率2(Gx2、Gy2)ppmを取り除き、静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率(Gx3、Gy3)ppmを次式により算出した。
(Gx3、Gy3)=(Gx1、Gy1)-(Gx2、Gy2)
なお、ここで、fθレンズの温度上昇により発生するスケールドリフトの伸縮率(Gx2、Gy2)ppmは以下のようにして、算出した。
(1)fθレンズが1℃温度上昇したときの、各座標位置でのスケールドリフトの理論計算値より、fθレンズの単位温度変化当たりのスケールドリフトの伸縮率(gx2、gy2)ppm/℃を算出。
(2)(Gx2、Gy2)ppm=(gx2、gy2)ppm/℃×Δt℃より、fθレンズの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率を算出(Δtはfθレンズの温度上昇)。
(ステップS6)
各回の静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率(Gx3、Gy3)ppmとレーザ加工装置の各部分の温度変化を比較した結果、X軸スキャンミラー部の温度変化ΔTxがGx3の変化とよく似た傾向を示し、Y軸スキャンミラー部の温度変化ΔTyがGy3の変化とよく似た傾向を示すことを見出した。このため補正係数(gx3、gy3)を定めれば、スキャンミラー部の温度変化より、(Gx3、Gy3)の予測が可能となる。
なお、補正係数は以下の式より、15回の各回での補正誤差のRMS値が最小となるようにして求めた。
Figure 0004091494
上記のようにしてスキャンミラー部の温度変化と補正係数により、静電容量センサの温度ドリフトを補正することを見出したため、本実施の形態においては、下記の手順により補正係数の決定と実際の補正を行う。
(補正係数の決定と実際の補正)
まずはじめに、本実施の形態における補正係数の決定方法について説明する。
(ステップS1)
高エネルギー加工(45Wで3分程度)と加工位置ずれ(25点)の測定を連続して繰り返し(15回)行う。同時に、スキャンミラー3,4、fθレンズ7の温度を測定する。
(ステップS2)
ステップS2〜S5はそれぞれの回の結果について実施する。
ステップS2において、X方向、Y方向のエリア方向の加工位置ずれの平均(ΔX1、ΔY1)を求める(エリアドリフトの算出)。
(ステップS3)
25点各点での加工位置ずれ(ΔX1〜25、ΔY1〜25)から、ステップS2で算出されたエリアドリフトによるずれを取り除き、スケールドリフト(Δx‘1〜25、Δy’1〜25)を算出する。
(Δx‘1〜25、Δy’1〜25)= (ΔX1〜25、ΔY1〜25)-(ΔX1、ΔY1)
(ステップS4)
ステップS3より算出された25点各点でのスケールドリフトのデータより、スケールドリフトの伸縮率(Gx1、Gy1)ppmを求める。
(ステップS5)
スケールドリフトの伸縮率(Gx1、Gy1)ppmから、fθレンズの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率2(Gx2、Gy2)ppmを取り除き、静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率3(Gx3、Gy3)ppmを算出する。
(Gx3、Gy3)=(Gx1、Gy1)-(Gx2、Gy2)
(ステップS6)
各回の静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率(Gx3、Gy3)ppmとレーザ加工開始からのスキャンミラーの温度変化ΔTx、ΔTyより、15回の各回での補正誤差のRMS値が最小となるように補正係数(gx3、gy3)ppm/℃を次式により算出する。
Figure 0004091494
次に、実際の補正について説明する。
(ステップS7)
補正パラメータ算出部15に補正係数(gx3、gy3)ppm/℃を備えさせておく。
(ステップS8)
温度センサによりレーザ加工開始からのスキャンミラー3,4の温度変化ΔTx、ΔTyを測定する。
(ステップS9)
補正パラメータ算出部15にて、補正パラメータ(ΔX’、ΔY’):(スケールドリフトの予測値)を算出する。目標加工位置が(X、Y)mmの場合、補正パラメータは以下の式により算出する。
ΔX’[μm]= ΔTx[℃]×gx3[ppm/℃]×X[mm]
ΔY’[μm]= ΔTy[℃]×gy3[ppm/℃]×Y[mm]
(ステップS10)
加工位置補正処理部で補正加工位置指令(X‘、Y')を算出する。
X’=X-ΔX’
Y’=Y-ΔY’
(ステップS11)
補正加工位置指令(X‘、Y')を用いてスキャンミラー3,4の回転角度を制御して、静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトを補正する。
例えば、補正係数(gx3、gy3)=(−80、−60)ppm/℃が備えられており、レーザ加工開始からのスキャンミラー3,4の温度変化(ΔTx、ΔTy)=(2、3)℃発生した場合、目標加工位置(25、25)mmの位置での補正パラメータは、次式のようになる。
ΔX’=2[℃]×(-80)[ppm/℃]×25[mm]=-4[μm]
ΔY’=3[℃]×(-60)[ppm/℃]×25[mm]=-4.5[μm]
これより補正加工指令位置は以下のようになり、この補正加工位置指令に応じてスキャンミラー3,4の回転角度を制御することで、静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトが補正される。
X’=25[mm]-(-4[μm])=25.004[mm]
Y’=25[mm]-(-6[μm])=25.006[mm]
以上のように、本実施の形態によれば、Y軸スキャンミラー3の温度変化と予め設定された補正係数より算出された補正パラメータを用いて、Y方向の補正加工位置指令Y’を求め、X軸スキャンミラー4の温度変化と予め設定された補正係数より算出された補正パラメータを用いて、X方向の補正加工位置指令X’を求めて、Y軸およびX軸のスキャンミラー3,4の回転角度を制御して、加工位置ずれを補正することで、スキャンミラー駆動装置内の静電容量センサのスケールドリフトによる加工位置ずれを補正することができる。
実施の形態7.
本発明の実施の形態7について図16を参照して説明する。上述の実施の形態6においては、温度センサをスキャンミラー本体に設ける例について説明したが、本実施の形態においては、図16(a)に示すように、結合部であるY軸ミラーマウント21に温度センサ23が取り付けられており、レーザ加工開始時からのY軸ミラーマウント21の温度を測定する。測定された温度は補正パラメータ算出部15に与えられる。補正パラメータ算出部15では、Y軸ミラーマウント21の温度変化と補正係数から補正パラメータを算出する。この補正パラメータにより、加工位置補正処理部16でY方向の補正加工位置指令Y’を求める。補正加工位置指令に応じてY軸スキャンミラー3の回転角度を制御することにより、スキャンミラー駆動装置内の静電容量センサの温度ドリフトによる加工位置ずれを補正することができる。なお、補正係数の決定および実際の補正の方法については、上記の実施の形態6で示した方法と同様に行うこととし、ここでは、その説明を省略する。
また、同時に、図16(b)に示すように、結合部であるX軸ミラーマウント22に温度センサ24を取り付け、X軸ミラーマウント22の温度変化と補正係数により求められる補正パラメータでX方向の補正加工位置指令X’を求め、X軸スキャンミラー4の回転角度を制御することで、スキャンミラー駆動装置内の静電容量センサの温度ドリフトによる加工位置ずれを補正する。また実施の形態2及び4で示したミラーマウントの温度測定によるエリアドリフトの補正と同時に用いることで、より少ない温度測定点での補正が可能となる。
レーザを1ショットあたり15mJのエネルギーで150000ショット照射した後の実施の形態1の図2(b)で示したレーザ加工装置の温度上昇による加工位置ずれを特許文献1に示されたfθレンズの温度変化を用いて補正したところ最大30μmある加工位置ずれが最大20μmに低減される。fθレンズの温度補正に加えて、本発明の実施の形態3で示したスキャンミラー部の温度変化を用いてのエリアドリフトの補正と本発明の実施の形態7で示した、ミラーマウントの温度変化を用いてのスケールドリフトの補正を行った結果、加工位置ずれが最大10μmまで低減されるという効果を得た。
以上のように、本実施の形態によれば、Y軸ミラーマウント21の温度変化と予め設定された補正係数より算出された補正パラメータを用いて、Y方向の補正加工位置指令Y’を求め、X軸ミラーマウント22の温度変化と予め設定された補正係数より算出された補正パラメータを用いて、X方向の補正加工位置指令X’を求めて、Y軸およびX軸のスキャンミラー3,4の回転角度を制御して、加工位置ずれを補正することで、スキャンミラー駆動装置内の静電容量センサのスケールドリフトによる加工位置ずれを補正することができる。
実施の形態8.
図17はレーザ加工装置の構成図を示したものである。レーザ加工装置の温度上昇により、加工テーブル9や加工機ベッド103、ガルバノボックス101などで熱膨張が発生し、fθレンズ7と加工テーブル9の相対位置が変化したり、CCDカメラ10とfθレンズ7の相対位置が変化したりすることにより、加工エリア全体が一様方向にずれる形態のエリアドリフトが発生する。
レーザ加工装置の温度上昇により熱膨張が発生した場合、Z軸取り付けフレーム104の位置を基準とすると、例えば、Z軸取り付け台102の熱膨張ΔL1やガルバノボックス101の熱膨張ΔL2により、fθレンズ7の位置は−(ΔL1+ΔL2)だけX方向にずれる。また、加工機ベッド103の熱膨張ΔL3により、加工テーブル9の位置が−ΔL3だけX方向にずれる。このような状態で加工を行うとX方向に−(ΔL1+ΔL2)+(ΔL3)のエリアドリフトが発生することになる。
Z軸取り付け台102やガルバノボックス101、加工機ベッド103は熱源(fθレンズ7のレーザ吸収や装置自体の発熱)からの距離や、それぞれの部分の材質や大きさの違いによる熱容量の違いなどにより、温度変化の変化量や変化の傾向に違いが発生する。このため複数の部分の温度を測定し、熱膨張L=(線膨張係数)×(温度変化量)×(長さ)の式より、それぞれの部分の熱膨張を算出することで、fθレンズ7と加工テーブル9の相対位置の変化により発生するエリアドリフトを予測することができ、これを補正パラメータとして、加工位置指令を補正してスキャンミラー3,4の回転角度を制御したり、あるいは加工テーブル9の位置指令を補正して加工テーブル9の位置を制御したりすることで、エリアドリフトを補正することができる。
以下、補正手法の一例(X方向)の手順を示す。
(ステップS1)
補正パラメータ算出部15に線膨張係数ρ1〜ρ3、長さのパラメータl1〜l3を備えさせておく(Z軸取り付け台102:(ρ1、l1)、ガルバノボックス101:(ρ2、l2)、加工機ベッド103:(ρ3、l3))。
(ステップS2)
温度センサを取り付け、Z軸取り付け台102の温度変化ΔT1、ガルバノボックス101の温度変化ΔT2、加工機ベッド103の温度変化ΔT3を測定する。
(ステップS3)
補正パラメータ算出部15で、各部分の熱膨張ΔL1〜ΔL3を算出し、fθレンズ7と加工テーブル9の相対位置の変化ΔLを算出する。
ΔL=ΔL1+ΔL2-ΔL3=ρ1×l1×ΔT1+ρ2×l2×ΔT2-ρ3×l3×ΔT3
(ステップS4)
加工位置補正処理部16で補正加工位置X’を算出する。
X’=X-ΔL
(ステップS5)
補正加工位置指令X‘を用いてスキャンミラー3,4の回転角度を制御して、レーザ加工装置の熱膨張によるエリアドリフトを補正する。
なお、後述する実施の形態9のように、加工テーブル9の位置を制御してエリアドリフトを制御する場合は、上記のステップS4,S5が、下記のステップS4−2,S5−2になる。
(ステップS4−2)
加工位置補正処理部16で加工テーブル9の補正位置指令x’を算出する。
x’=x-ΔL
(ステップS5−2)
加工テーブル9の補正位置指令x‘を用いて、加工テーブル9の位置を制御して、レーザ加工装置の熱膨張によるエリアドリフトを補正する。
今回は一例としてX方向のエリアドリフトの補正手法を示したが、レーザ加工装置の熱膨張によるエリアドリフトはY方向にも発生するため、上記と同様の手法により補正することができる。また、同じガルバノボックス101内でもfθレンズ7に近い部分と遠い部分では温度変化に差が発生するため、同じ部品について複数の温度センサを取り付けて、補正パラメータを算出してもよい。
また、同様に、ガルバノボックス101やカメラ取り付け板102の熱膨張によりfθレンズ7の中心とCCDカメラ10の中心の相対位置(カメラオフセット)が変化する。レーザ加工前に、キャリブレーション加工を行い、カメラオフセット量(X''、Y'')を測定する。
カメラオフセット量が(ΔX''、ΔY'')変化すると、目標加工位置(X、Y)に加工がされている場合においても、加工位置誤差の測定を行うとカメラオフセット量(ΔX''、ΔY'')だけの誤差が検出されることとなる。これにより見かけ上エリアドリフトが発生することとなる。
このカメラオフセットによるエリアドリフトについても、上記に示した手法を用いてfθレンズ7とCCDカメラ10の間の筐体の熱膨張を算出し(補正パラメータ)、カメラオフセット量を補正することで補正することができる。
本発明の実施の形態8について図18を参照して具体的に説明する。レーザ加工装置の熱容量と物体の長さを考慮して決定された温度測定点に取り付けられた温度センサ25により、レーザ加工開始時からの温度変化を測定し、補正パラメータ算出部15で各部分の温度変化と所定の線膨張係数、物体の長さより、補正パラメータを算出する。この補正パラメータより、加工位置補正処理部16で補正加工位置指令(X’、Y’)を求め、補正加工位置指令(X’、Y’)に応じてスキャンミラー3、4の回転角度を制御することでCCDカメラ10とfθレンズ7、加工テーブル9の相対位置が変化することにより発生するエリアドリフトを補正することができる。
レーザを1ショットあたり15mJのエネルギーで150000ショット照射した後の実施の形態1の図2(b)で示したレーザ加工装置の温度上昇による加工位置ずれを上記特許文献1に示されたfθレンズの温度変化を用いて補正したところ最大30μmある加工位置ずれが最大20μmに低減される。fθレンズの温度補正に加えて、本発明の実施の形態2および4で示したミラーマウントの温度変化を用いてのエリアドリフトの補正と本発明の実施の形態7で示したミラーマウントの温度変化を用いてのスケールドリフトの補正、本発明の実施の形態8で示したCCDカメラとfθレンズ、加工テーブルの相対位置の変化によるエリアドリフトの補正を施した結果、加工位置ずれが最大7μmまで低減されるという効果を得た。
以上のように、本実施の形態においては、レーザ加工装置の熱容量と物体の長さを考慮して決定された温度測定点に取り付けられた温度センサ25により、レーザ加工開始時からの温度変化を測定し、補正パラメータ算出部15で各部分の温度変化と所定の線膨張係数、物体の長さより、補正パラメータを算出するようにしたので、より精度よく、温度上昇による加工位置ずれを補正することができる。
実施の形態9.
本発明の実施の形態9について図19を参照に説明する。レーザ加工装置の熱容量と物体の長さを考慮して決定された温度測定点に取り付けられた温度センサ25により、レーザ加工開始時からの温度変化を測定し、補正パラメータ算出部15で各部分の温度変化と線膨張係数、物体の長さより、補正パラメータを算出する。この補正パラメータにより加工位置補正処理部16で、加工テーブル9の位置(x、y)を補正して補正位置指令(x’、y’)を求める。そして補正位置指令(x’、y’)に応じて加工テーブルの位置を制御することにより、CCDカメラ10とfθレンズ7、加工テーブル9の相対位置が変化することにより発生するエリアドリフトを補正することができる。
レーザを1ショットあたり15mJのエネルギーで150000ショット照射した後の実施の形態1の図2(b)で示したレーザ加工装置の温度上昇による加工位置ずれを上記特許文献1に示されたfθレンズの温度変化を用いて補正したところ最大30μmある加工位置ずれが最大20μmに低減される。fθレンズの温度補正に加えて、本発明の実施の形態2および4で示したミラーマウントの温度変化を用いてのエリアドリフトの補正と本発明の実施の形態7で示したミラーマウントの温度変化を用いてのスケールドリフトの補正、本発明の実施の形態9で示したCCDカメラとfθレンズ、加工テーブルの相対位置の変化によるエリアドリフトの補正を施した結果、加工位置ずれが最大7μmまで低減されるという効果を得た。
以上のように、本実施の形態においては、レーザ加工装置の熱容量と物体の長さを考慮して決定された温度測定点に取り付けられた温度センサ25により、レーザ加工開始時からの温度変化を測定し、補正パラメータ算出部15で各部分の温度変化と所定の線膨張係数、物体の長さより、補正パラメータを算出するようにしたので、より精度よく、温度上昇による加工位置ずれを補正することができる。
(a)本発明のレーザ加工装置全体を示す説明図、および、(b)本発明のレーザ加工装置に係る加工位置ずれの温度補正方法を示す説明図である。 本発明に係るレーザ加工装置の温度上昇による加工位置ずれを示す説明図である。 本発明に係るレーザ加工装置の温度上昇による加工エリア中心の加工位置ずれと、加工エリア全体の加工位置ずれの平均を比較した表である。 本発明に係るレーザ加工装置の温度上昇による加工位置ずれから、加工エリア全体の加工位置ずれの平均を引いた後の加工位置ずれを示す説明図である。 本発明に係るレーザ加工装置の温度上昇による加工位置ずれについて、加工エリア全体が一様方向にずれるエリアドリフト(a)と、加工エリア全体が伸縮するスケールドリフト(b)に分類したものを示す説明図である。 本発明に係るレーザ加工装置のスキャンミラー部の構成を示した側面図である。 本発明に係るレーザ加工装置のミラーマウントとシャフトの結合部を示した断面図である。 本発明に係るレーザ加工装置のミラーマウントの熱変形を示した断面図である。 本発明に係るレーザ加工装置のミラーマウントと装置フレームの温度変化の差を示した説明図である。 本発明の実施の形態2に係るレーザ加工装置による温度補正の構成について示した説明図である。 本発明の実施の形態3に係るレーザ加工装置による温度補正の構成について示した説明図である。 本発明の実施の形態4に係るレーザ加工装置による温度補正の構成について示した説明図である。 本発明の実施の形態5に係るレーザ加工装置による温度補正の構成について示した説明図である。 スケールドリフトの変化について示した説明図である。 本発明の実施の形態6に係るレーザ加工装置による温度補正の構成について示した説明図である。 本発明の実施の形態7に係るレーザ加工装置による温度補正の構成について示した説明図である。 本発明の実施の形態8に係るレーザ加工装置を示す説明図である。 本発明の実施の形態8に係るレーザ加工装置による温度補正の構成について示した説明図である。 本発明の実施の形態9に係るレーザ加工装置による温度補正の構成について示した説明図である。
符号の説明
1 レーザ発振器、2 コリメートレンズ、3 Y軸スキャンミラー、4 X軸スキャンミラー、5 Y軸スキャンミラー駆動装置、5a シャフト、6 X軸スキャンミラー駆動装置、6a シャフト、7 fθレンズ、8 加工ワーク、9 加工テーブル、10 CCDカメラ、11 Y軸スキャンミラー制御装置、12 X軸スキャンミラー制御装置、13 制御装置(PC)、15 補正パラメータ算出部、16 加工位置補正処理部、20 温度センサ、21 Y軸ミラーマウント、21a シャフト穴、21b シャフト押さえ、22 Y軸ミラーマウント、22a シャフト穴、22b シャフト押さえ、23 温度センサ、24 温度センサ、25 温度センサ。

Claims (1)

  1. X軸方向およびY軸方向に設けられたそれぞれの回転軸による回転により、レーザ発振器から出力されたレーザを偏向させるX軸およびY軸スキャンミラーと、
    前記X軸およびY軸スキャンミラーが偏向した前記レーザを屈折させて、加工テーブル上に載置された加工ワーク上に前記レーザを集光させるレンズと、
    レーザ加工装置の2以上の所定の箇所の温度を測定する複数の温度センサと、
    前記レーザ加工装置の前記所定の箇所の温度上昇により発生する加工位置ずれを、前記温度センサが測定した前記所定の箇所の温度変化と予め設定された所定の補正係数とに基づいて補正する補正手段と
    を備え、
    前記補正手段は、
    当該加工エリア全体が大きさはそのままで一様方向にずれる形態で発生する前記加工位置ずれのうちのエリアドリフトを補正するエリアドリフト補正部と、
    前記X軸およびY軸スキャンミラーと前記レンズとにより決定される前記加工ワーク上の加工エリア全体がその中心に向かって収縮する形態で発生する前記加工位置ずれのうちのスケールドリフトを補正するスケールドリフト補正部と
    を有し、
    前記エリアドリフト補正部は、前記温度センサのうちのレーザ加工装置のガルバノボックスおよびカメラ取り付け板に取り付けられた温度センサにより測定された前記ガルバノボックスおよび前記カメラ取り付け板の各所定部分の温度変化と、当該各所定部分の線膨張係数に基づいてあらかじめ定められた所定の補正係数とにより、各前記所定部分の熱膨張の大きさを算出し、X軸およびY軸スキャンミラーの回転角度を補正することで、前記レーザ加工装置の熱膨張により発生する前記エリアドリフトを補正し、
    前記スケールドリフト補正部は、前記温度センサのうちの前記X軸およびY軸スキャンミラーに取り付けられた温度センサにより測定された前記X軸およびY軸スキャンミラーの所定部分の温度変化と、前記スケールドリフトに対してあらかじめ定められたスケールドリフト用補正係数とに基づいて、前記X軸およびY軸スキャンミラーの回転角度を補正することにより、前記スケールドリフトを補正する
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
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