JP4091494B2 - レーザ加工装置およびその加工位置ずれ補正方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明のレーザ加工装置による加工位置ずれの補正に係る実施の形態について説明する。本実施の形態においては、上述したスケールドリフトとエリアドリフトの両方を補正する例について説明する。図1(a)は、本発明のレーザ加工装置の全体構成を示す説明図である。図において、レーザ光を発生させる発振器1が設けられ、発振器1から出射されたレーザ光は、その発散角をコリメートレンズ2により調整される。また、コリメートレンズ2により調整された該レーザ光を水平方向に偏向するY軸スキャンミラー3、および、該レーザを垂直方向に偏向するX軸スキャンミラー4が設けられている。Y軸スキャンミラー3およびX軸スキャンミラー4は、ミラーマウント21,22に支持され(図6参照)、その先には、スキャンミラー駆動装置5,6が設けられている。スキャンミラー駆動装置5,6は、回転角度の指令に従ってスキャンミラー3,4を回転駆動させ、レーザ光の偏向角度を調整する。また、レーザ光の集光を行うfθレンズ(集光レンズ)7が設けられ、fθレンズ7の下には、加工対象のワーク8が、加工テーブル9上に設置される。fθレンズ7の近傍には、観察用光学系として、レーザの照射によって加工された加工ワーク8上の加工位置を検出するCCDカメラ10が取り付けられている。
キャリブレーション加工を行い、加工位置のずれ量を予め計測/保存しておく。具体的には、例えば、45Wで3分程度の高エネルギー加工でレーザ加工装置の温度を上昇させた後、50mm×50mmの加工エリアに格子状12.5mmピッチで5×5=25点で加工を行い、加工位置ずれの測定を行う。すなわち、図2を用いて上述した目標加工位置の25点の各点での加工位置ずれ(ΔX1〜25、ΔY1〜25)をCCDカメラ10で測定する。この測定を連続して繰り返し(15回)行う。このとき、温度センサで、例えば、fθレンズ7、ミラーマウント21,22、ガルバノボックス101(図17(a)参照)、カメラ取り付け板102の温度変化を測定する。なお、温度センサで、これらすべての温度を必ずしも測定しなくてもよく、必要に応じて、いずれの箇所を測定するかにつき適宜設定するようにしてもよい。
(ステップS2)
X方向、Y方向のエリア方向の加工位置ずれの平均(ΔX1、ΔY1)を次式により求め、その結果、エリアドリフトを求める。
fθレンズ7とCCDカメラ10間の熱膨張によるエリアドリフト(ΔX2、ΔY2)を次式により算出する(カメラオフセットドリフト)。
ΔY2=Δr10=ρ10×ΔT10×r10
ΔT10:ガルバノBOXの温度変化、ΔT11:カメラ取り付け板の温度変化、
l10:fθレンズ中心からカメラ取り付け板までの距離(X方向)、
l11:カメラ取り付け板からカメラ中心までの距離(X方向)、
r10:fθレンズ中心からカメラ取り付け板までの距離(Y方向)
エリアドリフト(ΔX1、ΔY1)からカメラオフセットドリフト(ΔX2、ΔY2)を取り除き、上記要因(1)によるミラーマウントの熱変形によるエリアドリフト(ΔX3、ΔY3)を次式により算出する。
ミラーマウント21,22の熱変形によるエリアドリフト(ΔX3、ΔY3)とミラーマウントの温度変化ΔTx、ΔTyより、補正係数(Xa、Ya)を算出する。例えば、キャリブレーション加工を15回繰り返して行い、それぞれの回についての補正誤差のRMS値が最小となるように次式により補正係数(Xa、Ya)を算出する。
(ステップS6)
ステップS1の25点の各点での加工位置ずれから上記ステップS2のエリアドリフトを取り除いて、X方向、Y方向のスケールドリフト(Δx1〜25、Δy1〜25)を算出する。
ステップS6より算出された25点各点でのスケールドリフトのデータと各点の目標座標(Xi、Yi)より、次式の最小2乗法を用いて、スケールドリフトの伸縮率(Gx1、Gy1)ppmを求める。
理論計算により求められる50mm×50mmのエリアの12.5mmピッチの格子状の各位置で発生するfθレンズ7の単位温度上昇当たりのスケールドリフト(Δx21〜25、Δy21〜25)と各点の目標座標(Xi、Yi)より、次式の最小2乗法を用いてfθレンズ7の単位温度上昇当たりに発生するスケールドリフトの伸縮率(gx2、gy2)ppm/℃を次式により求める。
fθレンズ7の単位温度上昇当たりのスケールドリフトとfθレンズ7の温度上昇ΔTfθよりfθレンズ7の温度上昇により発生したスケールドリフト(Gx2、Gy2)ppmを次式により算出する。
Gy2=gy2×ΔTfθ
スケールドリフトの伸縮率(Gx1、Gy1)ppmから、fθレンズ7の温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率2(Gx2、Gy2)ppmを取り除き、静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率(Gx3、Gy3)ppmを次式により算出する。
静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率(Gx3、Gy3)ppmとレーザ加工開始からのミラーマウントの温度変化ΔTx、ΔTyより、補正係数(gx3、gy3)ppm/℃を算出する。例えば、キャリブレーション加工を15回繰り返して行い、次式に示すそれぞれの回についての補正誤差のRMS値が最小となるように補正係数(Xa、Ya)を次式により算出する。
ステップS5、ステップS9で求めた補正係数(Xa、Ya)、(gx3、gy3)を補正パラメータ算出部に記憶させて加工する。
次に、補正例を示す。例えば、補正パラメータ算出部15に補正係数(Xa、Ya)=(1.5、1.0)μm/℃、補正係数(gx3、gy3)=(−80、−60)ppm/℃が備えられており、レーザ加工開始からのミラーマウントの温度変化(ΔTx、ΔTy)=(2、3)℃発生した場合、目標加工位置(X、Y)=(25、25)mmとすると目標加工位置は以下のように補正される。ミラーマウントの熱変形によるエリアドリフトの補正パラメータ(Ax、Ay)を算出する。
Ay=1.0[μm/℃]×2[℃]=2.0[μm]
ΔY’=3[℃]×(-60)[ppm/℃]×25[mm]=-4.5[μm]
Y’=Y-Ay-ΔY’=25[mm]-2.0[μm]-(-4.5)[μm]=25.0025[mm]
以下の実施の形態2〜5においては、ミラーマウントの変形に起因するエリアドリフトの補正について説明する。図6(a)、(b)は、Y軸、X軸スキャンミラー部の構成を示したものである。Y軸スキャンミラー3は、Y軸ミラーマウント21に接着剤により固定されている。Y軸ミラーマウント21には、シャフト穴21aがあけられており、Y軸スキャンミラー駆動装置5の回転軸(シャフト)5aが挿入されている。シャフト5aは、Y軸ミラーマウント21にシャフト押さえ21bをネジどめすることで固定されている。X軸スキャンミラー部についてもY軸スキャンミラー部と同様の構成になっている。X軸スキャンミラー4は、X軸ミラーマウント22に接着剤により固定されている。X軸ミラーマウント22にはシャフト穴22aがあけられており、X軸スキャンミラー駆動装置6の回転軸(シャフト)6aが挿入されている。シャフト6aはX軸ミラーマウント22にシャフト押え22bをネジどめすることで固定されている。
Y方向の補正パラメータAy=Ya×Δx=1.0[μm/℃]×2[℃]=2.0[μm]
y’=y-Ax
高エネルギー加工(45Wで3分程度)と加工位置ずれの測定を連続して繰り返し(15回)行う。同時にレーザ加工装置の温度を測定する。上記の例では、ミラーマウント21,22の温度を測定したが、ここでは、ミラーマウント21,22の他に、fθレンズ7、ガルバノボックス101、カメラ取り付け板102の温度を測定する例について説明する。測定個所については、必要に応じて、適宜設定してもよく、その場合には、測定個所に応じて以下の数式を応用させて用いるようにすればよい。
以下のステップS2〜S4はそれぞれの回について実施する。
まず、ステップS2において、X方向、Y方向のエリア方向の加工位置ずれの平均(ΔX1、ΔY1):エリアドリフトを求める。
次に、fθレンズ7とCCDカメラ10間の熱膨張によるエリアドリフト(ΔX2、ΔY2)を次式により算出する(カメラオフセットドリフト)。
ΔY2=Δr10=ρ10×ΔT10×r10
ρ10:ガルバノボックスの線膨張係数、
ρ11:カメラ取り付け板の線膨張係数、
ΔT10:ガルバノボックスの温度変化、
ΔT11:カメラ取り付け板の温度変化
l10:fθレンズ中心からカメラ取り付け板までの距離(X方向)
l11:カメラ取り付け板からカメラ中心までの距離(X方向)
r10:fθレンズ中心からカメラ取り付け板までの距離(Y方向)
エリアドリフト(ΔX1、ΔY1)からカメラオフセットドリフト(ΔX2、ΔY2)を取り除き、ミラーマウントの熱変形によるエリアドリフト(ΔX3、ΔY3)を次式により算出する。
各回のX軸ミラーマウント22の温度上昇ΔTx、Y軸ミラーマウント21の温度上昇ΔTyと、ミラーマウント21,22の熱変形によるエリアドリフト(ΔX3、ΔY3)とから、15回の補正誤差のRMS値が最小となるような補正係数(Xa、Ya)を次式により算出する。なお、補正係数はスキャンミラーの単位温度上昇により生じるエリアドリフトの大きさとした。
補正パラメータ算出部15に補正係数(Xa、Ya)を予め備えさせておく。
温度センサによりレーザ加工開始からのミラーマウント21,22の温度変化ΔTx、ΔTyを測定する。
補正パラメータ算出部15にて、補正パラメータ(Ax、Ay)を算出する。
Ax=Xa×ΔTy
Ay=Ya×ΔTx
加工位置補正処理部16で補正加工位置指令(X'、Y’)を算出する。
X'=X- Ax
Y'=Y- Ay
補正加工位置指令(X’、Y’)を用いてスキャンミラーの回転角度を制御して、エリアドリフトを補正する。
加工位置補正処理部16で、加工テーブル9の位置(x、y)をの補正位置指令(x‘、y’)を算出する。
y’=y-Ay
加工テーブル9の補正位置指令(x‘、y’)を用いて加工テーブル9の位置を制御して、エリアドリフトを補正する。
Ay=1.0[μm/℃]×2[℃]=2.0[μm]
Y’=25[mm]-2.0[μm]=24.998[mm]
y’=-0.02[mm]
図11は実施の形態3に係るレーザ加工装置の位置ずれ補正を示している。上述の実施の形態2の図10においては、温度センサをミラーマウントに設ける例について説明したが、本実施の形態においては、スキャンミラー本体に温度センサを設けた場合について説明する。スキャンミラー本体の方が、ミラーマウントよりもサイズが大きく、かつ、図8からも明らかなように、熱変形量が少ないため、温度センサを取り付けやすいという利点がある。
上述の実施の形態2および3においては、スキャンミラー3,4の回転角度を制御することにより加工位置ずれを補正する例について説明したが、本実施の形態においては、加工テーブルのX方向およびY方向の位置を制御することにより加工位置ずれを補正する例について説明する。
本実施の形態においても、上述の実施の形態4と同様に、加工テーブルのX方向およびY方向の位置を制御することにより加工位置ずれを補正する例について説明する。
上述の実施の形態2〜5においてはエリアドリフトを補正する方法について説明したが、以下の実施の形態6,7においては、スケールドリフトを補正する方法、特に、静電容量センサの温度ドリフトによるスケールドリフトの補正について説明する。
高エネルギー加工(45Wで3分程度)と加工位置ずれの測定を連続して繰り返し(15回)行う。同時にレーザ加工装置の温度を測定する(スキャンミラー部:スキャンミラーやミラーマウント、fθレンズ、ガルバノボックス、加工テーブル、架台など)。なお、加工回数の増加に伴って、装置の温度および加工位置ずれは増大する。
ステップS2〜S5はそれぞれの回の結果について実施する。
ステップS2において、X方向、Y方向のエリア方向の加工位置ずれの平均(ΔX1、ΔY1)を求める(エリアドリフトの算出)。
25点各点での加工位置ずれ(ΔX1〜25、ΔY1〜25)から、ステップS2で算出されたエリアドリフトによるずれを取り除き、スケールドリフト(ΔX’1〜25、ΔY’1〜25)を次式により算出した。
(ΔX’1〜25、ΔY’1〜25)= (ΔX1〜25、ΔY1〜25)-(ΔX1、ΔY1)
ステップS3より算出された25点各点での位置誤差のデータと目標の座標位置から、最小2乗法を用いてスケールドリフトの伸縮率(Gx1、Gy1)ppmを求めた。なお、ここで、伸縮率はX、Yそれぞれの座標値における軸方向の誤差量をプロットし、最小2乗法により求められた近似曲線の傾きとした。
スケールドリフトの伸縮率(Gx1、Gy1)ppmから、fθレンズの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率2(Gx2、Gy2)ppmを取り除き、静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率(Gx3、Gy3)ppmを次式により算出した。
(Gx3、Gy3)=(Gx1、Gy1)-(Gx2、Gy2)
(1)fθレンズが1℃温度上昇したときの、各座標位置でのスケールドリフトの理論計算値より、fθレンズの単位温度変化当たりのスケールドリフトの伸縮率(gx2、gy2)ppm/℃を算出。
(2)(Gx2、Gy2)ppm=(gx2、gy2)ppm/℃×Δt℃より、fθレンズの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率を算出(Δtはfθレンズの温度上昇)。
各回の静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率(Gx3、Gy3)ppmとレーザ加工装置の各部分の温度変化を比較した結果、X軸スキャンミラー部の温度変化ΔTxがGx3の変化とよく似た傾向を示し、Y軸スキャンミラー部の温度変化ΔTyがGy3の変化とよく似た傾向を示すことを見出した。このため補正係数(gx3、gy3)を定めれば、スキャンミラー部の温度変化より、(Gx3、Gy3)の予測が可能となる。
まずはじめに、本実施の形態における補正係数の決定方法について説明する。
高エネルギー加工(45Wで3分程度)と加工位置ずれ(25点)の測定を連続して繰り返し(15回)行う。同時に、スキャンミラー3,4、fθレンズ7の温度を測定する。
ステップS2〜S5はそれぞれの回の結果について実施する。
ステップS2において、X方向、Y方向のエリア方向の加工位置ずれの平均(ΔX1、ΔY1)を求める(エリアドリフトの算出)。
25点各点での加工位置ずれ(ΔX1〜25、ΔY1〜25)から、ステップS2で算出されたエリアドリフトによるずれを取り除き、スケールドリフト(Δx‘1〜25、Δy’1〜25)を算出する。
(Δx‘1〜25、Δy’1〜25)= (ΔX1〜25、ΔY1〜25)-(ΔX1、ΔY1)
ステップS3より算出された25点各点でのスケールドリフトのデータより、スケールドリフトの伸縮率(Gx1、Gy1)ppmを求める。
スケールドリフトの伸縮率(Gx1、Gy1)ppmから、fθレンズの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率2(Gx2、Gy2)ppmを取り除き、静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率3(Gx3、Gy3)ppmを算出する。
(Gx3、Gy3)=(Gx1、Gy1)-(Gx2、Gy2)
各回の静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトの伸縮率(Gx3、Gy3)ppmとレーザ加工開始からのスキャンミラーの温度変化ΔTx、ΔTyより、15回の各回での補正誤差のRMS値が最小となるように補正係数(gx3、gy3)ppm/℃を次式により算出する。
補正パラメータ算出部15に補正係数(gx3、gy3)ppm/℃を備えさせておく。
温度センサによりレーザ加工開始からのスキャンミラー3,4の温度変化ΔTx、ΔTyを測定する。
補正パラメータ算出部15にて、補正パラメータ(ΔX’、ΔY’):(スケールドリフトの予測値)を算出する。目標加工位置が(X、Y)mmの場合、補正パラメータは以下の式により算出する。
ΔX’[μm]= ΔTx[℃]×gx3[ppm/℃]×X[mm]
ΔY’[μm]= ΔTy[℃]×gy3[ppm/℃]×Y[mm]
加工位置補正処理部で補正加工位置指令(X‘、Y')を算出する。
X’=X-ΔX’
Y’=Y-ΔY’
補正加工位置指令(X‘、Y')を用いてスキャンミラー3,4の回転角度を制御して、静電容量センサの温度上昇によるスケールドリフトを補正する。
ΔY’=3[℃]×(-60)[ppm/℃]×25[mm]=-4.5[μm]
Y’=25[mm]-(-6[μm])=25.006[mm]
本発明の実施の形態7について図16を参照して説明する。上述の実施の形態6においては、温度センサをスキャンミラー本体に設ける例について説明したが、本実施の形態においては、図16(a)に示すように、結合部であるY軸ミラーマウント21に温度センサ23が取り付けられており、レーザ加工開始時からのY軸ミラーマウント21の温度を測定する。測定された温度は補正パラメータ算出部15に与えられる。補正パラメータ算出部15では、Y軸ミラーマウント21の温度変化と補正係数から補正パラメータを算出する。この補正パラメータにより、加工位置補正処理部16でY方向の補正加工位置指令Y’を求める。補正加工位置指令に応じてY軸スキャンミラー3の回転角度を制御することにより、スキャンミラー駆動装置内の静電容量センサの温度ドリフトによる加工位置ずれを補正することができる。なお、補正係数の決定および実際の補正の方法については、上記の実施の形態6で示した方法と同様に行うこととし、ここでは、その説明を省略する。
図17はレーザ加工装置の構成図を示したものである。レーザ加工装置の温度上昇により、加工テーブル9や加工機ベッド103、ガルバノボックス101などで熱膨張が発生し、fθレンズ7と加工テーブル9の相対位置が変化したり、CCDカメラ10とfθレンズ7の相対位置が変化したりすることにより、加工エリア全体が一様方向にずれる形態のエリアドリフトが発生する。
補正パラメータ算出部15に線膨張係数ρ1〜ρ3、長さのパラメータl1〜l3を備えさせておく(Z軸取り付け台102:(ρ1、l1)、ガルバノボックス101:(ρ2、l2)、加工機ベッド103:(ρ3、l3))。
温度センサを取り付け、Z軸取り付け台102の温度変化ΔT1、ガルバノボックス101の温度変化ΔT2、加工機ベッド103の温度変化ΔT3を測定する。
補正パラメータ算出部15で、各部分の熱膨張ΔL1〜ΔL3を算出し、fθレンズ7と加工テーブル9の相対位置の変化ΔLを算出する。
ΔL=ΔL1+ΔL2-ΔL3=ρ1×l1×ΔT1+ρ2×l2×ΔT2-ρ3×l3×ΔT3
加工位置補正処理部16で補正加工位置X’を算出する。
X’=X-ΔL
補正加工位置指令X‘を用いてスキャンミラー3,4の回転角度を制御して、レーザ加工装置の熱膨張によるエリアドリフトを補正する。
加工位置補正処理部16で加工テーブル9の補正位置指令x’を算出する。
x’=x-ΔL
加工テーブル9の補正位置指令x‘を用いて、加工テーブル9の位置を制御して、レーザ加工装置の熱膨張によるエリアドリフトを補正する。
本発明の実施の形態9について図19を参照に説明する。レーザ加工装置の熱容量と物体の長さを考慮して決定された温度測定点に取り付けられた温度センサ25により、レーザ加工開始時からの温度変化を測定し、補正パラメータ算出部15で各部分の温度変化と線膨張係数、物体の長さより、補正パラメータを算出する。この補正パラメータにより加工位置補正処理部16で、加工テーブル9の位置(x、y)を補正して補正位置指令(x’、y’)を求める。そして補正位置指令(x’、y’)に応じて加工テーブルの位置を制御することにより、CCDカメラ10とfθレンズ7、加工テーブル9の相対位置が変化することにより発生するエリアドリフトを補正することができる。
Claims (1)
- X軸方向およびY軸方向に設けられたそれぞれの回転軸による回転により、レーザ発振器から出力されたレーザを偏向させるX軸およびY軸スキャンミラーと、
前記X軸およびY軸スキャンミラーが偏向した前記レーザを屈折させて、加工テーブル上に載置された加工ワーク上に前記レーザを集光させるレンズと、
レーザ加工装置の2以上の所定の箇所の温度を測定する複数の温度センサと、
前記レーザ加工装置の前記所定の箇所の温度上昇により発生する加工位置ずれを、前記温度センサが測定した前記所定の箇所の温度変化と予め設定された所定の補正係数とに基づいて補正する補正手段と
を備え、
前記補正手段は、
当該加工エリア全体が大きさはそのままで一様方向にずれる形態で発生する前記加工位置ずれのうちのエリアドリフトを補正するエリアドリフト補正部と、
前記X軸およびY軸スキャンミラーと前記レンズとにより決定される前記加工ワーク上の加工エリア全体がその中心に向かって収縮する形態で発生する前記加工位置ずれのうちのスケールドリフトを補正するスケールドリフト補正部と
を有し、
前記エリアドリフト補正部は、前記温度センサのうちのレーザ加工装置のガルバノボックスおよびカメラ取り付け板に取り付けられた温度センサにより測定された前記ガルバノボックスおよび前記カメラ取り付け板の各所定部分の温度変化と、当該各所定部分の線膨張係数に基づいてあらかじめ定められた所定の補正係数とにより、各前記所定部分の熱膨張の大きさを算出し、X軸およびY軸スキャンミラーの回転角度を補正することで、前記レーザ加工装置の熱膨張により発生する前記エリアドリフトを補正し、
前記スケールドリフト補正部は、前記温度センサのうちの前記X軸およびY軸スキャンミラーに取り付けられた温度センサにより測定された前記X軸およびY軸スキャンミラーの所定部分の温度変化と、前記スケールドリフトに対してあらかじめ定められたスケールドリフト用補正係数とに基づいて、前記X軸およびY軸スキャンミラーの回転角度を補正することにより、前記スケールドリフトを補正する
ことを特徴とするレーザ加工装置。
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