JP4091156B2 - コンベアベルトの縦裂検出装置 - Google Patents

コンベアベルトの縦裂検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用中のコンベアベルトに生じた縦裂を検出するコンベアベルトの縦裂検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉱石等の被運搬物を搬送する場合、大型のコンベアベルトが用いられている。このようなコンベアベルトで鉱石等を運搬する場合、コンベアベルトに鉱石を投入落下させた際、或いは搬送時に鉱石の突起などによってコンベアベルトに傷が付いたり縦裂が生じることが多々あった。
【0003】
このようにコンベアベルトに縦裂を生じると、搬送作業に支障を生じるばかりか、多大な損害を被ることになる。
【0004】
このため、コンベアベルトには縦裂を検出する縦裂検出装置が備えられている。このようなコンベアベルトの縦裂検出としては外装式、内装式等種々のものが知られている。
【0005】
図2は、前述した内装式縦裂検出装置の一例を示す構成図である。図において、1はコンベア装置で、駆動プーリ2、従動プーリ3、これらの駆動プーリ2と従動プーリ3に架け渡されたコンベアベルト4、及び駆動プーリ2を回転させる電動機5から構成されている。
【0006】
また、コンベアベルト4には、図3に示すように、その長手方向に所定の等間隔をあけて複数の被検出体が埋設されている。被検出体は、例えばコイル6aとコンデンサ6bとからなる共振回路6から構成され、コイル6aを形成する導電線の一部はコンベアベルト4の幅方向に延ばしてコンベアベルト4内に埋設されている。この共振回路6の共振周波数は、約650KHzに設定されている。
【0007】
さらに、駆動プーリ2にはエンコーダ7が設けられており、このエンコーダ7からは所定の回転数ごとにパルス信号が出力される。また、このパルス信号の出力タイミングは、コンベアベルト4に埋設された共振回路6の移動に同期して設定されている。
【0008】
一方、コンベアベルト4の下方には、3つの検出部8a乃至8cが固定して配設され、これらの検出部8a乃至8cは図4に示すようにコンベアベルト4の幅方向に少しずつずらして配置されている。
【0009】
これらの検出部8a乃至8cにはそれぞれ、図5に示すようにアンテナコイル81、発振回路82、判定回路83が備えられ、発振回路82からはアンテナコイル81に約650KHzの周波数を有する交流信号が供給されている。また、判定回路83は、発振回路82からアンテナコイル81に供給される交流信号Aと、エンコーダ7から出力されるタイミングパルス信号TPとを入力し、これらの信号に基づいて共振回路6の異常の有無を判定し、異常があった際に異常信号Dを出力する。
【0010】
前述の構成よりなるコンベアベルトの縦裂検出装置によれば、コンベアベルト4に縦裂が生じていないときは、各共振回路6は正常に動作し、検出部8a乃至8c上に共振回路6が位置したときに、アンテナコイル81と共振回路6が電磁結合する。これにより、アンテナコイル81から放射されるエネルギーが共振回路6に吸収されるため、アンテナコイル81に供給される交流信号のレベルが低下するので、共振回路6の正常が確認される。
【0011】
また、落下物の突起等によって使用中のコンベアベルト4に縦裂が生じた場合には、コンベアベルト4内に埋設された共振回路6のコイル6aを構成する導電線が切断され、共振回路6が動作しなくなるので、アンテナコイル81から放射されるエネルギーが共振回路6に吸収されることがない。このため、アンテナコイル81に供給される交流信号のレベルが低下しないので、共振回路6の異常が検出される。これによりコンベアベルトの縦裂が検出される。このようにコンベアベルト4の縦裂が検出されると、判定回路83から電動機5に対して異常信号Dが出力され、電動機5が停止される。
【0012】
さらに、コンベアベルト4が搬送中にその幅方向にずれることがあるが、前述したように複数の検出部8a乃至8cが配置されているので、共振回路6の状態を確実に検出することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のコンベアベルトの縦裂検出装置によれば、アンテナコイル81から放射されるエネルギーが共振回路6に吸収され、アンテナコイル81に供給される交流信号のレベルが低下したことを検出することにより、共振回路6の正常が確認されるため、感度が低いため、前記交流信号のレベル低下が不十分となって誤動作を生ずることが多々あり、安定性に欠けるという問題点があった。
【0014】
本発明の目的は上記の問題点に鑑み、誤動作の発生を低減し安定した縦裂検出を行えるコンベアベルトの縦裂検出装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために請求項1では、ベルトの幅方向に延びる導電線を含むループコイルを有する複数の被検出体が埋設されたコンベアベルトを備え、前記被検出体のループコイルが切断されたことによって前記コンベアベルトの縦裂を検出するコンベアベルトの縦裂検出装置において、相互誘導を生ずる所定の距離をおいて配置された発信コイルとセンスコイルとを有し、前記センスコイルはコイル巻回面が垂直となるように配置されると共に、前記発信コイルは前記センスコイルのコイル巻回面が該発信コイルのコイル中央部に位置し且つ該発信コイルのコイル巻回面が水平になるように配置され、前記コンベアベルトのベルト面に対向して設けられたアンテナ部と、所定の振幅を有する所定周波数の交流信号を基準信号として発振する発振手段と、前記発信コイルに対して前記基準信号に基づくドライブ信号を供給する駆動手段と、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報を得る存在検知手段と、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報と前記センスコイルに誘起される交流信号のレベルとに基づいて、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在するときに前記センスコイルに誘起される交流信号のレベル変化が所定値以下のとき、前記被検出体のループコイルが切断されているとして検出する切断検出手段とを設けたコンベアベルトの縦裂検出装置を提案する。
【0016】
該コンベアベルトの縦裂検出装置によれば、発振手段によって発信された基準信号は駆動手段によってドライブ信号とされて発信コイルに供給される。これにより、発信コイルからはドライブ信号に基づく磁束が発生し、該磁束はセンスコイルに交差して、センスコイルには相互誘導作用に基づく誘導起電力、即ち前記基準信号と同じ周波数の交流信号が発生する。
【0017】
コンベアベルトに設けられた被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在しないとき若しくはアンテナ部から所定距離内に存在する被検出体のループコイルが切断されているときは、該被検出体によるアンテナ部への影響はほぼ皆無となり前記センスコイルには前記相互誘導作用に基づく交流信号が発生する。
【0018】
また、前記ループコイルが切断されていない被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在するとき、即ち該被検出体がアンテナ部から所定距離内を通過するときには、該被検出体のループコイルと発信コイルとの間に相互誘導作用が生じて発信コイルから輻射されるエネルギーが被検出体に吸収され、前記センスコイルに誘起する交流信号のレベル(振幅)が急激に低下する。
【0019】
従って、切断検出手段により、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報と前記センスコイルに誘起される交流信号のレベルとに基づいて、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在するときに前記センスコイルに誘起される交流信号のレベル変化が所定値以下のとき、前記被検出体のループコイルが切断されているものとして検出される。
【0020】
また、請求項2では、請求項1記載のコンベアベルトの縦裂検出装置において、前記切断検出手段は、前記センスコイルに誘起される交流信号とバランス信号を混合して出力する混合手段と、該混合手段によって混合された混合信号の信号レベルの絶対値を検出すると共に、該混合信号の位相を検出する位相検出手段と、該位相検出手段によって検出された位相と信号レベルの絶対値に基づいて、該位相とほぼ180度異なった位相を有すると共に、該絶対値とほぼ同じ信号レベルを有する信号を生成し、該信号を所定時間遅らせて前記バランス信号として出力するバランス信号生成手段と、前記位相検出手段によって検出された信号レベルの絶対値が所定の閾値以上のときに検出信号を出力する検出信号出力手段と、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在し、且つ前記検出信号が出力されないときに、前記被検出体のループコイルが切断されていると判定する切断判定手段とを備えているコンベアベルトの縦裂検出装置を提案する。
【0021】
該コンベアベルトの縦裂検出装置によれば、位相検出手段によって、混合信号の信号レベルの絶対値及び位相が検出され、該位相検出手段によって検出された位相と信号レベルの絶対値に基づいて、バランス信号生成手段により、該位相とほぼ180度異なった位相を有し、且つ該絶対値とほぼ同じ信号レベルを有する信号が生成され、該信号は所定時間遅らせてバランス信号として出力される。
【0022】
該バランス信号は、混合手段によってセンスコイルに誘起される交流信号と混合されて、前記混合信号として出力される。これにより、前記センスコイルに誘起される交流信号のレベルに急激な変化が生じなければ、該交流信号に対するバランス信号による相殺作用によって、混合信号のレベル(振幅)は0レベルに近い値となる。
【0023】
ここで、コンベアベルトに設けられた被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在しないとき若しくはアンテナ部から所定距離内に存在する被検出体のループコイルが切断されているときは、該被検出体によるアンテナ部への影響はほぼ皆無となるので、前記センスコイルには前記相互誘導作用に基づく交流信号が発生し、該交流信号のレベルに急激な変化は現れない。
【0024】
また、前記ループコイルが切断されていない被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在するときには、該被検出体のループコイルと発信コイルとの間に相互誘導作用が生じて発信コイルから輻射されるエネルギーが被検出体に吸収され、前記センスコイルに誘起する交流信号のレベル(振幅)が急激に低下する。
【0025】
センスコイルに誘起する交流信号のレベルが急激に低下すると、該交流信号に対する前記バランス信号の相殺作用が崩れて、前記混合信号のレベルが急激に増加する。
【0026】
従って、ループコイルが切断されていない被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在するとき、即ち該被検出体がアンテナ部から所定距離内を通過するときに、前記位相検出手段によって検出された信号レベルの絶対値が閾値以上となり、検出信号出力手段によって検出信号が出力される。
【0027】
これにより、存在検知手段による前記アンテナ部から所定距離内における前記被検出体の存在情報に基づいて、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在し、且つ前記検出信号が出力されないときに、切断判定手段によって、前記被検出体のループコイルが切断されていると判定される。
【0028】
また、請求項3では、請求項1又は2記載のコンベアベルトの縦裂検出装置において、前記発信コイル及びセンスコイルは、前記コンベアベルトの幅方向に延ばして配置されているコンベアベルトの縦裂検出装置を提案する。
【0029】
該コンベアベルトの縦裂検出装置によれば、アンテナ部における発信コイル及びセンスコイルが、前記コンベアベルトの幅方向に延ばして配置されているため、コンベアベルトの横揺れが生じても、被検出体のループコイルと発信コイルとの間の相互誘導作用を得ることができる。
【0030】
また、請求項4では、ベルトの幅方向に延びる導電線を含むループコイルを有する複数の被検出体が埋設されたコンベアベルトを備え、前記被検出体のループコイルが切断されたことによって前記コンベアベルトの縦裂を検出するコンベアベルトの縦裂検出装置において、相互誘導を生ずる所定の距離をおいて配置された発信コイルとリファレンスコイルとセンスコイルとを有し、前記センスコイルはコイル巻回面が垂直となるように配置されると共に、前記発信コイルは前記センスコイルのコイル巻回面が該発信コイルのコイル中央部に位置し且つ該発信コイルのコイル巻回面が水平になるように配置され、前記コンベアベルトのベルト面に対向して設けられたアンテナ部と、所定の振幅を有する所定周波数の交流信号を基準信号として発振する発振手段と、前記発信コイルに対して前記基準信号に基づくドライブ信号を常時供給する発信コイル駆動手段と、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在しないときに、前記ドライブ信号により発信コイルから発生する磁束によって前記センスコイルに生じる相互誘導起電力をほぼ相殺する相互誘導起電力をセンスコイルに生じさせる磁束を発生するように、前記リファレンスコイルに前記基準信号に基づくリファレンス信号を常時供給するリファレンスコイル駆動手段と、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報を得る存在検知手段と、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報と前記センスコイルに誘起される交流信号のレベルとに基づいて、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在し且つ前記センスコイルに誘起される交流信号のレベルが所定の閾値以下であるとき、前記被検出体のループコイルが切断されているとして検出する切断検出手段とを設けたコンベアベルトの縦裂検出装置を提案する。
【0031】
該コンベアベルトの縦裂検出装置によれば、発振手段によって発信された基準信号は発信コイル駆動手段によってドライブ信号とされて発信コイルに供給される。さらに、リファレンスコイル駆動手段によって、前記基準信号に基づくリファレンス信号がリファレンスコイルに供給される。
【0032】
これにより、発信コイルからはドライブ信号に基づく磁束が発生し、該磁束はセンスコイルに交差する。さらに、リファレンスコイルからはリファレンス信号に基づく磁束が発生し、該磁束はセンスコイルに交差する。
【0033】
ここで、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在しないときに、前記ドライブ信号によって発信コイルから発生する磁束によって前記センスコイルに生じる相互誘導起電力をほぼ相殺する相互誘導起電力をセンスコイルに生じさせる磁束を発生するように、前記リファレンスコイルに前記リファレンス信号が常時供給されているため、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在しないとき、或いはアンテナ部から所定距離内に存在する被検出体のループコイルが切断されているときは、センスコイルに生じる誘導起電力のレベルは0レベルに近い値となる。
【0034】
また、前記ループコイルが切断されていない被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在するとき、即ち該被検出体がアンテナ部から所定距離内を通過するときには、該被検出体のループコイルと発信コイル或いはリファレンスコイルとの間に相互誘導作用が生じて、発信コイル或いはリファレンスコイルから輻射されるエネルギーが被検出体に吸収され、前記センスコイルにおける誘導起電力の相殺のバランスが崩れ、センスコイルには誘起する誘導起電力のレベル(振幅)が急激に増加する。
【0035】
従って、切断検出手段により、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報と前記センスコイルに誘起される交流信号のレベルとに基づいて、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在するときに前記センスコイルに誘起される交流信号のレベル変化が所定値以下のとき、前記被検出体のループコイルが切断されているものとして検出される。
【0036】
また、請求項5では、請求項4記載のコンベアベルトの縦裂検出装置において、前記発信コイルとリファレンスコイルとセンスコイルは、前記コンベアベルトの幅方向に延ばして配置されているコンベアベルトの縦裂検出装置を提案する。
【0037】
該コンベアベルトの縦裂検出装置によれば、アンテナ部における発信コイル及びセンスコイルが、前記コンベアベルトの幅方向に延ばして配置されているため、コンベアベルトの横揺れが生じても、被検出体のループコイルと発信コイル及びリファレンスコイルとの間の相互誘導作用を得ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態のコンベアベルトの縦裂検出装置を示す構成図である。図において、前述した従来例と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。また、第1の実施形態と従来例との相違点は、従来例における検出部8a乃至8cに代えてアンテナユニット10(10a,10b)を設けると共に、判定ユニット20をコンベア装置1から所定距離だけ離して配置したことにある。
【0039】
即ち、アンテナユニット10(10a,10b)は、例えばコンベアベルト4の始端部上に設けられたホッパ9の直後にコンベアベルト4の下部に所定距離離して配設され、2つのアンテナユニット10a,10bはコンベアベルト4の長手方向に並設されている。故障に備えて2つのアンテナユニット10a,10bを並設させたが1つのみを配設しても良い。
【0040】
また、アンテナユニット10a,10bのそれぞれは、例えば図6に示すように、幅23cm、長さ44cm、高さ22cm程度の大きさをなし、その上段部には屋根型形状の絶縁物筐体11内にアンテナ部12を備え、下段部には直方体形状の金属筐体13内にアンプ部14が設けられている。さらに、金属筐体13の両側には、アンテナユニット10を固定設置するための固定用L字部材15a,15bが設けられている。
【0041】
アンテナユニット10の上段部を屋根型形状とすることにより、コンベアベルト4からの落下物の堆積を防止し、常に正常なベルト縦裂検出を行えるようにしている。
【0042】
この絶縁物筐体11内には、図7に示すように発信コイル12a及びセンスコイル12bが収納されている。発信コイル12a及びセンスコイル12bのそれぞれは筐体11にほぼ対応した形状、即ち長方形或いは楕円形状に形成され、センスコイル12bは絶縁物筐体11の幅方向中央に、コイル面がほぼ垂直になるように配置され、発信コイル12aはその中央部を絶縁物筐体11の幅方向の中央に一致させてセンスコイル12bの両側に広がりほぼ水平になるように配置されている。
【0043】
アンテナユニット10を設置する際、コンベアベルト4の幅方向にユニットが延びるように、また、発信コイル12aのコイル面が共振回路6のコイル6aのコイル面に平行になるように配置することが好ましい。これにより、コンベアベルト4の横揺れが生じても正常な検出動作を行えると共に、検出感度をさらに高めることができる。
【0044】
アンプ部14は、図8に示すように、発信部30、検出部40、入出力部50、及び電源回路60から構成されている。
【0045】
発信部30は、基準発振回路31、発信監視回路32、波形整形回路33、及び駆動アンプ34からなり、基準発振回路31は約650KHzの交流信号V1を基準信号として発生させる。
【0046】
発信監視回路32は、基準発振回路31から正常に交流信号V1が発生されているか否かを監視し、交流信号V1の発生が停止している間に異常信号ALを出力し続ける。例えば、発信監視回路32は、コンパレータ及び自走カウンタ回路等から構成され、コンパレータによって交流信号V1が所定の閾値をクロスしたときにパルス信号を出力し、このパルス信号によって自走カウンタ回路をクリアする。また、自走カウンタ回路は交流信号V1の周期でクリアされないときにフルカウントで停止して異常信号ALを出し続ける。
【0047】
波形整形回路33は、交流信号V1のノイズ成分を除去して駆動アンプ34に出力する。
【0048】
駆動アンプ34は、波形整形回路33によってノイズ成分が除去された交流信号V1を増幅して発信コイル12aに供給する。
【0049】
検出部40は、フィルタ回路41、混合回路42、自動利得制御(以下、AGCと称する)回路43、AGC制御回路44、入力アンプ45、同期整流回路46、自動バランス回路47、信号抽出回路48、及びコンパレータ49から構成されている。
【0050】
フィルタ回路41は、センスコイル12bに誘起した誘導起電力のうちの約650KHzを中心とする所定帯域内の周波数の交流信号V2を通過させる。
【0051】
混合回路42は、フィルタ回路41から出力される交流信号V2と自動バランス回路47から出力される交流信号V3とを混合して、信号V4として出力する。
【0052】
AGC回路43は、信号V4を入力し、AGC制御回路44から入力する制御信号に基づいて、信号V4の信号レベルが変化しても検出に適正な信号V5を出力するように、増幅率を自動制御しながら信号V4を増幅して信号V5を出力する。
【0053】
AGC制御回路44は、入力アンプ45の出力信号V5と信号抽出回路48の出力信号V8を入力し、これらの信号のレベルが適正なものになるようにAGC回路43を制御する制御信号CSをAGC回路43に出力する。
【0054】
入力アンプ45は、AGC回路43の出力信号V5を増幅した信号V6を出力する。
【0055】
同期整流回路46は、図9に示すように、信号V6(交流信号)の絶対値Vi と、交流信号V1の位相を基準とした信号V6の位相θを検出すると共に、交流信号V1のベクトルをX軸に対応させたときの交流信号V6のX成分及びY成分を求めて、これらを自動バランス回路47に出力する。ここで、交流信号V6のX成分及びY成分は、次の(1)(2)式によって表され、式中のKは定数である。
X=K(Vi)COSθ …(1)
Y=K(Vi)SINθ …(2)
さらに、同期整流回路46は、入力信号V6を信号V7として出力する。
【0056】
自動バランス回路47は、図10に示すように、同期整流回路46から入力したX成分及びY成分並びに基準発振回路31から入力した基準信号V1に基づいて、フィルタ41の出力信号V2をほぼ相殺する信号V3を生成して出力する。信号V3を生成する際に、自動バランス回路47は、同期整流回路46から入力したX成分及びY成分、即ち前記(1)(2)式で表されるX,Y成分のそれぞれを、次の(3)(4)式に示すように積分する。これにより、信号V6の位相と180度異なった位相をもつ信号Vo を生成し、これを信号V3とする。
X’=−K’∫Xdt …(3)
Y’=−K’∫Ydt …(4)
ここで、K’は定数である。また、積分における時定数を変化させることにより、信号V3を遅延させることができ、ここでは信号V3に1/10周期程の遅延を与えている。
【0057】
信号抽出回路48は、信号V7を入力し、信号V7を全波整流し、その絶対値Vi を表す信号V8を出力する。
【0058】
コンパレータ49は、信号V8を入力し、信号V8のレベル(絶対値Vi )と予め設定されている閾値とを比較し、信号V8のレベルが閾値を越えたときにパルス信号V9(検出信号)を出力する。
【0059】
入出力部50は、出力回路51,52、複数のサージアブソーバからなるサージアブソーバ回路53、及び入出力コネクタ54から構成されている。
【0060】
出力回路51は、例えばフォトカプラ及びトランジスタ等から構成され、入力したパルス信号V9を、信号V9とは絶縁されたオープンコレクタの検出信号PLとして、サージアブソーバ回路53及びコネクタ54を介して判定ユニット20に出力する。
【0061】
出力回路52は、出力回路51と同様に、例えばフォトカプラ及びトランジスタ等から構成され、入力した異常信号ALを。信号ALとは絶縁されたオープンコレクタの異常信号ATとして、サージアブソーバ回路53及びコネクタ54を介して判定ユニット20に出力する。
【0062】
電源回路60は、判定ユニット20から送電されたDC電源をコネクタ54及びサージアブソーバ回路53を介して入力し、発信部30、検出部40、入出力部50の各構成回路に供給する。
【0063】
判定ユニット20は、図11に示すように、入出力部21,22,23、CPUからなる演算処理部24,25、警報発生部26,27、及び電源部28から構成されている。
【0064】
入出力部21は、コネクタ211 、複数のサージアブソーバからなるサージアブソーバ回路212 、入力回路213,214 から構成されている。入力回路213 は、例えばフォトカプラ等から構成され、一方のアンテナユニット10aから出力された検出信号PLをコネクタ211 及びサージアブソーバ回路212 を介して入力し、信号PLとは電気的に絶縁された信号PL1として演算処理部24に出力する。
【0065】
入力回路214 は、入力回路213 と同様に、例えばフォトカプラ等から構成され、一方のアンテナユニット10aから出力された異常信号ATをコネクタ211 及びサージアブソーバ回路212 を介して入力し、信号ATとは電気的に絶縁された信号AT1として演算処理部24に出力する。
【0066】
入力回路223 は、例えばフォトカプラ等から構成され、他方のアンテナユニット10bから出力された検出信号PLをコネクタ221 及びサージアブソーバ回路222 を介して入力し、信号PLとは電気的に絶縁された信号PL2として演算処理部25に出力する。
【0067】
入力回路224 は、入力回路223 と同様に、例えばフォトカプラ等から構成され、他方のアンテナユニット10bから出力された異常信号ATをコネクタ221 及びサージアブソーバ回路222 を介して入力し、信号ATとは電気的に絶縁された信号AT2として演算処理部25に出力する。
【0068】
入出力部23は、コネクタ231 、サージアブソーバ232 、入力回路233 から構成され、入力回路233 は、駆動プーリ2に設けられたエンコーダ7から出力されるパルス信号Pを、この信号Pとは電気的に絶縁された信号P’として演算処理部24,25に出力する。
【0069】
演算処理部24は、予め設定されたプログラムに従って動作する周知のCPUから構成され、入出力部21から信号PL1と信号AT1を入力すると共に、入出力部23からパルス信号P’を入力し、パルス信号P’の入力タイミングに同期して信号PL1(パルス信号)が入力しなかったときに、コンベアベルト4に縦裂が生じてコンベアベルト4内に埋設された共振回路6のコイル6aを構成する導電線が切断されたものとして、警報発生部26を駆動して警報を発生する。さらに、演算処理部24は、異常信号AT1が入力されたときに、アンテナユニット10aの基準発振回路31の発振が停止したものとして、警報発生部26を駆動して警報を発生する。
【0070】
演算処理部25は、予め設定されたプログラムに従って動作する周知のCPUから構成され、入出力部22から信号PL2と信号AT2を入力すると共に、入出力部23からパルス信号P’を入力し、パルス信号P’の入力タイミングに同期して信号PL2(パルス信号)が入力しなかったときに、コンベアベルト4に縦裂が生じてコンベアベルト4内に埋設された共振回路6のコイル6aを構成する導電線が切断されたものとして、警報発生部27を駆動して警報を発生する。さらに、演算処理部25は、異常信号AT2が入力されたときに、アンテナユニット10bの基準発振回路31の発振が停止したものとして、警報発生部27を駆動して警報を発生する。
【0071】
警報発生部26,27のそれぞれは、ブザー及び複数の異なる色のランプを備え、演算処理部24,25から入力した駆動信号によってブザーを鳴動させるとと共に、警報の種類、即ちコンベアベルトに縦裂が生じたときの警報か、或いはアンテナユニット10の基準発振回路31が停止したときの警報かによって異なる色のランプを点灯する。
【0072】
電源部28は、入出力部21,22,23を構成する各回路及び演算処理部24,25並びに警報発生部26,27に電源を供給すると共に、入出力部21,22を介してアンテナユニット10a,10bのそれぞれに対してDC電源を供給する。
【0073】
次に、前述の構成よりなる第1の実施形態の動作を図12に示すタイミングチャートに基づいて説明する。アンテナユニット10a,10bでは、常に発振部30から発信コイル12aに交流信号が供給されており、これにより発信コイル12aの周囲には電磁界が発生している。この電磁界はセンスコイル12bに交差し、センスコイル12bには相互誘導作用によって基準信号V1と同等のレベル及び周期をもった交流信号V2が発生する。
【0074】
また、同期整流回路46によって、信号V5(混合信号)の信号レベルの絶対値及び位相が検出され、この位相と信号レベルの絶対値に基づいて、自動バランス回路47により、この位相とほぼ180度異なった位相を有し、且つこの絶対値とほぼ同じ信号レベルを有する信号V3が生成され、この信号V3は所定時間遅延されて出力される。
【0075】
信号V3は、混合回路42によってセンスコイル12bに誘起される交流信号V2と混合されて混合信号V4として出力される。これにより、センスコイル12bに誘起される交流信号V2のレベルに急激な変化が生じなければ、交流信号V2に対するバランス信号V3による相殺作用によって、混合信号V4のレベル(振幅)は0レベルに近い値となる。
【0076】
一方、コンベア装置1が動作していると、正常時においては、エンコーダから出力されるタイミングパルス信号Pに同期して、このタイミングでアンテナユニット10a,10bの上部をコンベアベルト4内に埋設された共振回路6が通過する。
【0077】
ここで、コンベアベルト4に設けられた共振回路6がアンテナユニット10a,10bから所定距離内に存在しないとき、若しくはアンテナユニット10a,10bから所定距離内に存在する共振回路6のループコイル6aがコンベアベルト4の縦裂によって切断されているときは、共振回路6による発信コイル12aとセンスコイル12bとの間の電磁結合への影響はほぼ皆無となるので、図12の(a)に示すように、センスコイル12bには発信コイル12aとの相互誘導作用に基づく交流信号V2が発生し、交流信号V2のレベルに急激な変化は現れないため、混合信号V4はほぼ0レベルに近い状態となっている。
【0078】
また、ループコイル6aが切断されていない共振回路6がアンテナユニット10a,10bから所定距離内に存在するとき、即ち共振回路6がアンテナユニット10a,10bの上部を通過するときには、図12の(b)に示すように、共振回路6のループコイル6aと発信コイル12aとの間に相互誘導作用が生じて発信コイル12aから輻射されるエネルギーが共振回路6に吸収され、センスコイル12bに誘起する交流信号V2のレベル(振幅)が急激に低下する。
【0079】
センスコイル12bに誘起する交流信号V2のレベルが急激に低下すると、交流信号V2に対するバランス信号V3の相殺作用が崩れて、混合信号V4のレベルが急激に増加する。
【0080】
従って、ループコイル6aが切断されていない共振回路6がアンテナユニット10a,10bから所定距離内に存在するとき、即ち共振回路6がアンテナユニット10a,10bから所定距離内を通過するときに、同期整流回路46によって検出された信号レベルの絶対値Vi (信号V7、V8の絶対値)がコンパレータ49の閾値以上となり、パルス信号V9(検出信号PL)が出力される。
【0081】
これにより、判定ユニット20では、タイミングパルスP(P’)に基づいて、共振回路6がアンテナユニット10a,10bから所定距離内に存在し、且つ検出信号PL1、PL2が出力されないときに、共振回路6のループコイル6aが切断されていると判定して、即ちコンベアベルト4に縦裂が生じたと判定して警報を発生する。
【0082】
また、アンテナユニット10a,10bにおいて、基準発振回路31の発振が停止したときには、異常信号ATが出力され、判定ユニット20によって警報が発生される。
【0083】
従って、共振回路6がアンテナユニット10a,10bから所定距離内に存在していることを表すタイミングパルスPとセンスコイル12bに誘起される交流信号V2のレベルとに基づいて、高感度に且つ安定性を保って共振回路6のループコイル6aの切断、即ちコンベアベルト4の縦裂を検出することができる。
【0084】
また、センスコイル12bに誘起される交流信号V2とバランス信号V3を混合することにより、これらの信号を相殺し、ループコイル6aが切断されていない共振回路6がアンテナユニット10a,10bから所定距離内に存在するとき、即ち共振回路6がアンテナユニット10a,10bから所定距離内を通過するときにのみ、混合信号V4及び及び信号V5,V6,V7,V8のレベルが急激に増大するようにしているので、共振回路6の通過検出を行う検出部40の回路等を容易に作成することができる。
【0085】
さらに、バランス信号V3は、混合信号V4(V5)の位相及びレベルの絶対値に基づいて、同期整流回路46によって自動的に生成されるので、外界の影響によってセンスコイル12bに生じる誘導起電力(信号V2)の緩やかな変化が生じても、誤検出を生じることがない。
【0086】
また、アンテナユニット10a,10bにおける発信コイル12a及びセンスコイル12bが、コンベアベルト4の幅方向に延ばして配置されているので、コンベアベルト4の横揺れが生じても、コンベアベルト4の縦裂を的確に検出することができる
【0087】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図13は第2の実施形態におけるアンテナ部のコイル配置を示す図、図14は第2の実施形態におけるアンテナユニットの電気系回路を示す構成図である。図において、前述した第1の実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。
【0088】
また、第1の実施形態と第2の実施形態との相違点は、第1の実施形態においてセンスコイル12bの誘導起電力V2の相殺をバランス信号V3によって行っていたことに代えて、第2の実施形態ではアンテナ部12にリファレンスコイル12cを付加し、リファレンスコイル12cにバランス信号V3を供給することにより、電磁界を介してセンスコイル12bの誘導起電力V2を相殺するようにしたことにある。
【0089】
即ち、第2の実施形態においては、図13に示すように、絶縁物筐体11内には、発信コイル12a、センスコイル12b及びリファレンスコイル12cが収納されている。発信コイル12a、センスコイル12b及びリファレンスコイル12cのそれぞれは筐体11にほぼ対応した形状、即ち長方形或いは楕円形状に形成され、センスコイル12bは絶縁物筐体11の幅方向中央に、コイル面がほぼ垂直になるように配置され、発信コイル12aはその中央部を絶縁物筐体11の幅方向の中央に一致させてセンスコイル12bの両側に広がりほぼ水平になるように配置され、さらにリファレンスコイル12cは絶縁物筐体11の幅方向の中央を境にした一端側にほぼ水平になるように配置されている。
【0090】
アンプ部14においては、図14に示すように、検出部40の混合回路42が除去され、フィルタ41から出力される信号V2(センスコイル12bの誘導起電力)は直接AGC回路43に入力されている。また、自動バランス回路47から出力されるバランス信号V3(交流信号)はリファレンスコイル12cに供給されている。
【0091】
ここで、リファレンスコイル12cの巻回方向は、次のように設定されている。即ち、図15に示すように、基準信号V1の供給によって発信コイル12aから発せられる磁界φ1の方向に対して、バランス信号V3の供給によってリファレンスコイル12cから発せられる磁界φ2の方向が逆向きになるように設定されている。
【0092】
これにより、センスコイル12bの一方の側における磁界はφ1とφ2を合成したφ1’となり、他方の側の磁界はφ1となって、センスコイル12bの両側における磁界のバランスが平衡状態とされるので、各コイルの配置のバランスが崩れても、センスコイル12bにおいては、磁界φ1によって生じる誘導起電力と、磁界φ1’によって生じる誘導起電力とがほぼ相殺され、センスコイル12bから出力される誘導起電力は、第1の実施形態における混合信号V4とほぼ同じになる。
【0093】
従って、前述の構成よりなる第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0094】
尚、第2の実施形態における発信コイル12a、センスコイル12b、リファレンスコイル12cの配置及びこれらのコイルの巻回方向は一例でありこれに限定されることはない。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1によれば、ループコイルが切断されていない被検出体がアンテナ部から所定距離内に存在するとき、即ち該被検出体がアンテナ部から所定距離内を通過するときにのみ、該被検出体のループコイルと発信コイルとの間に相互誘導作用が生じて発信コイルから輻射されるエネルギーが被検出体に吸収され、センスコイルに誘起する交流信号のレベルが急激に低下するので、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報と前記センスコイルに誘起される交流信号のレベルとに基づいて、高感度に且つ安定性を保って前記被検出体のループコイルの切断、即ちコンベアベルトの縦裂を検出することができる。
【0096】
また、請求項2によれば、上記の効果に加えて、センスコイルに誘起される交流信号とバランス信号を混合することにより、こららの信号を相殺し、ループコイルが切断されていない被検出体がアンテナ部から所定距離内に存在するとき、即ち該被検出体がアンテナ部から所定距離内を通過するときにのみ、前記混合信号のレベルが急激に増大するようにしているので、前記被検出体の通過を高感度に検出することができる。さらに、前記バランス信号は、混合信号の位相及びレベルの絶対値に基づいて、バランス信号生成手段によって自動的に生成されるので、センスコイルに生じる誘導起電力に、外界の影響による緩やかな変化が生じても、誤検出を生じることがない。
【0097】
また、請求項3によれば、上記の効果に加えて、アンテナ部における発信コイル及びセンスコイルが、コンベアベルトの幅方向に延ばして配置されているので、コンベアベルトの横揺れが生じても、コンベアベルトの縦裂を的確に検出することができる
【0098】
また、請求項4によれば、ループコイルが切断されていない被検出体がアンテナ部から所定距離内に存在するとき、即ち該被検出体がアンテナ部から所定距離内を通過するときにのみ、該被検出体のループコイルと発信コイル或いはリファレンスコイルとの間に相互誘導作用が生じて発信コイル或いはリファレンスコイルから輻射されるエネルギーが被検出体に吸収され、センスコイルに誘起する交流信号のレベルが急激に増加するので、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報と前記センスコイルに誘起される交流信号のレベルとに基づいて、高感度に且つ安定性を保って前記被検出体のループコイルの切断、即ちコンベアベルトの縦裂を検出することができる。
【0099】
また、請求項5によれば上記の効果に加えて、アンテナ部における発信コイル及びセンスコイルが、コンベアベルトの幅方向に延ばして配置されているので、コンベアベルトの横揺れが生じても、コンベアベルトの縦裂を的確に検出することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態コンベアベルトの縦裂検出装置を示す構成図
【図2】 従来例を示す構成図
【図3】 従来例におけるコンベアベルト内に埋設された被検出体を示す図
【図4】 従来例における検出部の配置を示す図
【図5】 従来例における検出部を示す構成図
【図6】 本発明の第1の実施形態におけるアンテナユニットを示す外観斜視図
【図7】 本発明の第1の実施形態におけるアンテナ部の構成を説明する図
【図8】 本発明の第1の実施形態におけるアンテナユニットの電気系回路を示す構成図
【図9】 本発明の第1の実施形態における同期検出回路の動作を説明する図
【図10】 本発明の第1の実施形態における自動バランス回路の動作を説明する図
【図11】 本発明の第1の実施形態における判定ユニットの電気系回路を示す構成図
【図12】 本発明の第1の実施形態の動作を説明するタイミングチャート
【図13】 本発明の第2の実施形態におけるアンテナ部の構成を説明する図
【図14】 本発明の第2の実施形態におけるアンテナユニットの電気系回路を示す構成図
【図15】 本発明の第2の実施形態のアンテナ部における磁界の方向を説明する図
【符号の説明】
1…コンベア装置、2…駆動プーリ、3…従動プーリ、4…コンベアベルト、5…電動機、6…共振回路、6a…コイル、6b…コンデンサ、7…エンコーダ、9…ホッパ、10(10a,10b)…アンテナユニット、11…絶縁筐体、12…アンテナ部、12a…発信コイル、12b…センスコイル、12c…リファレンスコイル、13…金属筐体、14…アンプ部、15a,15b…固定用L字部材、20…判定ユニット、21,22,23…入出力部、24,25…演算処理部、26,27…警報発生部、28…電源部、30…発信部、31…基準発振回路、32…発振監視回路、33…波形整形回路、34…駆動アンプ、40…検出部、41…フィルタ回路、42…混合回路、43…自動利得制御(AGC)回路、44…AGC制御回路、45…入力アンプ、46…同期整流回路、47…自動バランス回路、48…信号抽出回路、49…コンパレータ、50…入出力部、51,52…出力回路、53…サージアブソーバ回路、54…コネクタ、60…電源部。

Claims (5)

  1. ベルトの幅方向に延びる導電線を含むループコイルを有する複数の被検出体が埋設されたコンベアベルトを備え、前記被検出体のループコイルが切断されたことによって前記コンベアベルトの縦裂を検出するコンベアベルトの縦裂検出装置において、
    相互誘導を生ずる所定の距離をおいて配置された発信コイルとセンスコイルとを有し、前記センスコイルはコイル巻回面が垂直となるように配置されると共に、前記発信コイルは前記センスコイルのコイル巻回面が該発信コイルのコイル中央部に位置し且つ該発信コイルのコイル巻回面が水平になるように配置され、前記コンベアベルトのベルト面に対向して設けられたアンテナ部と、
    所定の振幅を有する所定周波数の交流信号を基準信号として発振する発振手段と、
    前記発信コイルに対して前記基準信号に基づくドライブ信号を供給する駆動手段と、
    前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報を得る存在検知手段と、
    前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報と前記センスコイルに誘起される交流信号のレベルとに基づいて、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在するときに前記センスコイルに誘起される交流信号のレベル変化が所定値以下のとき、前記被検出体のループコイルが切断されているとして検出する切断検出手段とを設けた
    ことを特徴とするコンベアベルトの縦裂検出装置。
  2. 前記切断検出手段は、
    前記センスコイルに誘起される交流信号とバランス信号を混合して出力する混合手段と、
    該混合手段によって混合された混合信号の信号レベルの絶対値を検出すると共に、該混合信号の位相を検出する位相検出手段と、
    該位相検出手段によって検出された位相と信号レベルの絶対値に基づいて、該位相とほぼ180度異なった位相を有すると共に、該絶対値とほぼ同じ信号レベルを有する信号を生成し、該信号を所定時間遅らせて前記バランス信号として出力するバランス信号生成手段と、
    前記位相検出手段によって検出された信号レベルの絶対値が所定の閾値以上のときに検出信号を出力する検出信号出力手段と、
    前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在し、且つ前記検出信号が出力されないときに、前記被検出体のループコイルが切断されていると判定する切断判定手段とを備えている
    ことを特徴とする請求項1記載のコンベアベルトの縦裂検出装置。
  3. 前記発信コイル及びセンスコイルは、前記コンベアベルトの幅方向に延ばして配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のコンベアベルトの縦裂検出装置。
  4. ベルトの幅方向に延びる導電線を含むループコイルを有する複数の被検出体が埋設されたコンベアベルトを備え、前記被検出体のループコイルが切断されたことによって前記コンベアベルトの縦裂を検出するコンベアベルトの縦裂検出装置において、
    相互誘導を生ずる所定の距離をおいて配置された発信コイルとリファレンスコイルとセンスコイルとを有し、前記センスコイルはコイル巻回面が垂直となるように配置されると共に、前記発信コイルは前記センスコイルのコイル巻回面が該発信コイルのコイル中央部に位置し且つ該発信コイルのコイル巻回面が水平になるように配置され、前記コンベアベルトのベルト面に対向して設けられたアンテナ部と、
    所定の振幅を有する所定周波数の交流信号を基準信号として発振する発振手段と、
    前記発信コイルに対して前記基準信号に基づくドライブ信号を常時供給する発信コイル駆動手段と、
    前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在しないときに、前記ドライブ信号により発信コイルから発生する磁束によって前記センスコイルに生じる相互誘導起電力をほぼ相殺する相互誘導起電力をセンスコイルに生じさせる磁束を発生するように、前記リファレンスコイルに前記基準信号に基づくリファレンス信号を常時供給するリファレンスコイル駆動手段と、
    前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報を得る存在検知手段と、
    前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在する情報と前記センスコイルに誘起される交流信号のレベルとに基づいて、前記被検出体が前記アンテナ部から所定距離内に存在し且つ前記センスコイルに誘起される交流信号のレベルが所定の閾値以下であるとき、前記被検出体のループコイルが切断されているとして検出する切断検出手段とを設けた
    ことを特徴とするコンベアベルトの縦裂検出装置。
  5. 前記発信コイルとリファレンスコイルとセンスコイルは、前記コンベアベルトの幅方向に延ばして配置されていることを特徴とする請求項4記載のコンベアベルトの縦裂検出装置。
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