JP4090843B2 - 赤外線感光性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は赤外線感光性組成物に関するものであり、特にコンピュータ等のディジタル信号から直接製版できるいわゆるダイレクト製版用のポジ型平版印刷版用原版の画像形成層等に使用することができる赤外線感光性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータのディジタルデータから直接製版するシステムとしては、(1)電子写真法によるもの、(2)532nm、488nm、405nm等の可視光又はUV光レーザによる露光と後加熱の組み合わせによる光重合系感材、(3)感光性樹脂上に銀塩感材を積層したもの、(4)シルバーマスタータイプのもの、(5)放電破壊やレーザ光によりシリコーンゴム層を破壊することによるもの等が知られている。
【0003】
しかしながら(1)の電子写真法を用いるものは、帯電、露光、現像等処理が煩雑であり、装置が複雑で大がかりなものになる。(2)の方法では後加熱工程を要するほか、高感度な版材を要し、明室での取扱いが難しくなる。(3)、(4)の方法では銀塩を使用するため処理が煩雑になり、コストが高くなる欠点がある。また(5)の方法は比較的完成度の高い方法であるが、版面に残るシリコーン滓の除去に問題点を残している。
一方、近年におけるレーザの発展は目覚しく、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザ・半導体レーザは高出力かつ小型の物が容易に入手できる様になっている。製版システムの小型化、製版作業時の環境光、及び版材コスト等の面において、コンピュータ等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザは非常に有用である。
【0004】
従来の平版印刷版材料として、加熱する前は不溶性もしくは僅かに可溶性であり、熱の影響下に溶媒中でより可溶性になし得る重合体化合物または組成物を混入した記録層を含む記録材料を情報に従って加熱し、画像形成する方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。また、ノボラック型フェノール樹脂とカーボンブラックを含有する感熱層を有する感熱記録材料も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、これらは、レーザ光を用いずに画像を記録した場合の実施例しか開示されておらず、コンピュータ等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、上記の近赤外から赤外に発光領域を持つレーザを用いて画像を記録した場合には、地汚れや耐刷力の低下などで必ずしも良好な印刷物を得ることができなかった。良好な印刷物を得るためには、露光後アルカリ現像液により現像処理される際に、光の照射された部分(非画像部)が容易に溶解され、光の当たらなかった部分(画像部)が残存し、更にこの残存した画像部の耐久性が良好である必要がある。即ち、上記公知技術では、レーザ光を用いた場合、画像の記録性が良好でないため、非画像部が溶解しにくく、また画像部が溶解され易くなっていると考えられた。
【0005】
このような上記の公知技術の問題点に対して、従来の処理装置や印刷装置をそのまま利用できる、コンピュータ等のディジタルデータから直接製版可能な記録性の良いものを提供することを目的として、画像形成層に、結着剤と、光を吸収し熱を発生する物質と、熱分解性でありかつ分解しない状態では該結着剤のアルカリ溶解性を実質的に低下させる物質を含む画像記録材料を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
また、光熱変換物質及びアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型感光性組成物が有機酸を含むことで、アルカリ現像時に未露光部の残膜率が改善されることが開示されている(特許文献4参照。)。さらに、光熱変換物質と、ノボラック樹脂とアクリル樹脂を特定の重量比で含有したものとを含むポジ型感光性組成物が開示されており(特許文献5参照。)、高感度でかつ未露光部の残膜率が向上したものが得られている。
【0007】
また、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂に酸発色性色素又は塩基発色性色素を組み合わせることで、未露光部の残膜率、未露光部と露光部のコントラストを向上させ得ることが開示されている(例えば、特許文献6及び特許文献7参照。)。
しかしながら、上記で開示された技術においても、露光と未露光部におけるアルカリ溶解性の差異(所謂、溶解ディスクリミネーション)は大きくなく、結果として現像ラチチュードが不十分となっていた。また感度においても、平版印刷版の製版時の生産性を上げるため、更なる向上が望まれている。
【0008】
一方、非特許文献1及び2には、塩基の作用により新たに塩基を発生する化合物とその感光性材料への適用が開示されている。
しかしながら、これら技術によっても、現像ラチチュードや、感度において満足のいくものではなかった。
【0009】
【特許文献1】
特公昭46−27919号公報
【特許文献2】
特開昭56−69192号公報
【特許文献3】
特開平7−285275号公報
【特許文献4】
特開平10−282643号公報
【特許文献5】
特開2001−324808号公報
【特許文献6】
特開平11−143076号公報
【特許文献7】
特開平11−190903号公報
【非特許文献1】
"Proceedings of ACS. on Polym. Mater. Sci. Eng.", 81, 93
(1999)
【非特許文献2】
"Angew. Chem. Int. Ed.", 39, 3245 (2000)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の技術の欠点を克服し、平版印刷版用原版の画像形成層等に用いた場合に、露光と未露光部におけるアルカリ溶解性の差異(溶解ディスクリミネーション)が大きく、現像ラチチュードが優れ、高感度な赤外線感光性組成物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記の課題は以下の手段によって解決された。
(1)(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、(B)光熱変換物質、及び、(C)下記一般式(I)〜(IV)のいずれかで表される化合物を含有することを特徴とする赤外線感光性組成物。
【0012】
【化2】
Figure 0004090843
【0013】
式中、
Arはアリール基又はヘテロアリール基を表す。
1〜R5、R7〜R11、R13〜R17及びR18〜R23は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
6及びR12は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
Zは単結合、又は、6〜10員環の環状イミド構造を形成する原子もしくは原子群を表す。
但し、Ar及びR1〜R3のうちの2つ、又は、R6〜R9のうちの2つ、又は、R12〜R15のうちの2つ、又は、R18〜R21のうちの2つが互いに結合し環を形成してもよい。また、R4とR5、又は、R10とR11、又は、R16とR17、又は、R22とR23が互いに結合し環を形成してもよい。
【0014】
本発明の機構については不明な点があるが、成分(C)の塩基の作用により分解し、新たに塩基性分子を発生する化合物を含有させることで、未露光部のアルカリ溶解阻止性が向上し、露光部においてはアルカリ溶解性が向上する作用を発現するものと考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の赤外線感光性組成物の各成分について、詳細に説明する。
[本発明(A)のフェノール水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂]
本発明において使用するアルカリ可溶性樹脂は(以下、適宜、アルカリ可溶性高分子と称する)とは、水不溶性且つアルカリ溶解性を有する高分子化合物であり、高分子中の主鎖および/または側鎖にフェノール性水酸基を含有する単独重合体、これらの共重合体またはこれらの混合物を包含する。従って、本発明に係る感光層は、赤外線レーザー露光後、アルカリ性現像液に接触すると溶解する特性を有するものである。
本発明に使用されるアルカリ可溶性高分子は、従来公知のものであれば特に制限はない。例えば以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
(1)ノボラック又はレゾール樹脂
フェノール、クレゾール(o−、m−、p−体)、キシレノール(2,3−、2,5−、3,5−体等)、レゾルシン、ピロガロールを適宜混合し、ホルムアルデヒドと縮合させたノボラック樹脂やレゾール樹脂が挙げられる。好ましくはノボラック樹脂であり、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,又はm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂、フェノール/キシレノール(2,3−、2,5−、3,5−、又はこれらの混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,又はm−/p−混合のいずれでもよい)/キシレノール(2,3−、2,5−、3,5−、又はこれらの混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂、フェノール/キシレノール(2,3−、2,5−、3,5−、又はこれらの混合のいずれでもよい)/レゾルシン又はピロガロール混合ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール/キシレノール(2,3−、2,5−、3,5−、又はこれらの混合のいずれでもよい)/レゾルシン又はピロガロール混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂、更にレゾルシン又はピロガロールアセトン樹脂が挙げられる。
(2)側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物
側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物としては、フェノール性水酸基と重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。
【0017】
フェノール性水酸基を有する重合性モノマーとしては、フェノール性水酸基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、又はヒドロキシスチレン等が挙げられる。具体的には、N−(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、3−メチル−p−ヒドロキシスチレン、3−メトキシ−p−ヒドロキシスチレン、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート等を好適に使用することができる。好適にはポリヒドロキシスチレン類(o−、m−、p−ヒドロキシスチレン、3−置換−4−ヒドロキシスチレン及びこれらの共重合体)を挙げることができる。
【0018】
本発明において、フェノール性水酸基を側鎖に有する高分子化合物が、上記フェノール性水酸基を有する重合性モノマーと他の重合性モノマーとの共重合体である場合には、フェノール性水酸基を有するモノマーは10モル%以上含むことが好ましく、20モル%以上含むものがより好ましい。共重合成分が10モル%より少ないと、アルカリ可溶性が不十分となりやすく、現像ラチチュードの向上効果が十分達成されないことがある。
【0019】
フェノール性水酸基を有する重合性モノマーと共重合させるモノマー成分としては、下記(m1)〜(m12)に挙げる化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
(m1)2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
【0020】
(m5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(m10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、n−メチルマレイミド、n−シクロヘキシルマレイミド、n−フェニルマレイミド等の不飽和イミド類。
(m12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0021】
アルカリ可溶性高分子化合物の共重合の方法としては、従来知られている、グラフト共重合法、ブロック共重合法、ランダム共重合法等を用いることができる。
【0022】
また本発明におけるフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂の分子量は、前記ノボラック樹脂又はレゾール樹脂の場合、重量平均分子量Mwが好ましくは500〜20,000、より好ましくは1,000〜10,000であり、数平均分子量Mnが好ましくは200〜5,000、より好ましくは500〜3,000である。分散度(Mw/Mn)は3〜12の範囲が好ましい。
フェノール性水酸基を側鎖に有する高分子化合物の場合、重量平均分子量で2,000以上、数平均分子量が500以上のものが好ましい。更に好ましくは、重量平均分子量が5,000〜300,000で、数平均分子量が800〜100,000であり、分散度(Mw/Mn)が1.1〜8のものである。分子量が小さすぎると十分な塗膜が得られず、大きすぎると現像性が劣る傾向がある。
【0023】
これらフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂は、1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらアルカリ可溶性樹脂は、組成物の全固形分中、好ましくは30〜99質量%、より好ましくは40〜95質量%、特に好ましくは50〜90質量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性樹脂の添加量が30質量%未満であると感光層の耐久性が悪化し、また、99質量%を超えると感度、耐久性の両面で好ましくない。
【0024】
[本発明(B)の光熱変換物質]
本発明において用いられる光熱変換物質は、赤外光を吸収し熱を発生する物質であれば特に制限はなく、赤外線吸収染料のほか、赤外線吸収顔料として知られる種々の顔料を用いることができる。好ましくは赤外線吸収染料であり、以下に示したものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0025】
本発明に係る赤外線吸収染料としては、市販の染料及び文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料などの染料が挙げられる。本発明において、これらの染料のうち赤外光、もしくは近赤外光を吸収するものが、赤外光もしくは近赤外光を発光するレーザでの利用に適する点で特に好ましい。
【0026】
そのような赤外光、もしくは近赤外光を吸収する染料としては例えば特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号各公報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号各公報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号各公報等に記載されているナフトキノン染料、 特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号公報記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0027】
更に、染料として米国特許第5,156,938号明細書記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号各公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物等が、市販品としては、エポリン社製のEpolight III−178、Epolight III−130、Epolight III−125等が、特に好ましく用いられる。
また、染料として特に好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
【0028】
赤外線吸収顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
【0029】
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
【0030】
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0031】
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の記録層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると記録層の均一性の点で好ましくない。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0032】
本発明において光熱変換物質の添加量としては、感光性組成物の全固形分に対し好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%である。染料の添加量が0.01質量%未満であると感度が低くなる傾向があり、また50質量%を超えると感光層の均一性が失われ、感光層の耐久性が悪くなる傾向がある。
【0033】
[本発明(C)の塩基の作用により分解し、新たに塩基性分子を発生する化合物]
本発明(C)の塩基の作用により分解し、新たに塩基性分子を発生する化合物は、塩基の存在下、好ましくは加熱条件で塩基を発生する化合物である。発生した塩基により、再度化合物(C)より塩基を発生する。従って連鎖的に塩基発生が進行する。このような化合物としては、Proc.ACS.Polym.Mater.Sci.Eng.,vol.81,93(1999)、Angew.Chem.Int.Ed.,vol.39,3245(2000)に記載された化合物を例示することができる。好ましくは下記一般式(I)〜(IV)で表される化合物が挙げられる。
【0034】
【化3】
Figure 0004090843
【0035】
一般式(I)中、
Arはアリール基又はヘテロアリール基を表す。
1〜R5は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
但し、Ar及びR1〜R3のうちの2つ及び/又はR4とR5が互いに結合し環を形成してもよい。
【0036】
一般式(II)中、
6はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
7〜R11は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
但し、R6〜R9のうちの2つ及び/又はR10とR11が互いに結合し環を形成してもよい。
【0037】
一般式(III)中、
12はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
13〜R17は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
但し、R12〜R15のうちの2つ及び/又はR16とR17が互いに結合し環を形成してもよい。
【0038】
一般式(IV)中、
18〜R23は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
但し、R18〜R21のうちの2つ及び/又はR22とR23が互いに結合し環を形成してもよい。
Zは単結合、又は、6〜10員環の環状イミド構造を形成する原子もしくは原子群を表す。
【0039】
尚、上記において、アリール基、ヘテロアリール基、アルキル基、シクロアルキル基及びアラルキル基は各々置換基を有していてもよい。
【0040】
上記アリール基としては、例えば炭素数6〜15個のアリール基であって、具体的には置換基を有しても良いフェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等を好ましく挙げることができる。
ヘテロアリール基としては、好ましくは芳香族性を有する5又は6員環のヘテロ環であり、具体的にはフラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、インドール環、ピロリジン環、ピリジン環、ピペラジン環が挙げられる。
アルキル基としては、例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には置換基を有しても良いメチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。
【0041】
シクロアルキル基としては単環型でも良く、多環型でも良い。単環型としては炭素数3〜8個のものであって、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を好ましく挙げることができる。多環型としては例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基等を好ましく挙げることができる。
アラルキル基としては、例えば炭素数7〜12個のアラルキル基であって、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を好ましく挙げることができる。
【0042】
一般式(IV)のZにおける、6〜10員環の環状イミド構造を形成する原子もしくは原子群としては、例えば酸素原子、硫黄原子、N−R24、置換基を有していてもよい、また酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を有していてもよいアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基を挙げることができる。これらアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していても良いメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素数1〜5個のものが挙げられる。アルケニレン基としては、好ましくは置換基を有していても良いエテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数2〜5個のものが挙げられる。シクロアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していても良いシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数5〜8個のものが挙げられる。アリーレン基としては、好ましくは置換基を有していても良いフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜15個のものを好ましく挙げることができる。R24基は、アシル基(アセチル基、プロパノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、又はアリール基(フェニル基、トリル基等)を表す。
【0043】
またこれらの基に置換される置換基としては、アミド基、ウレイド基、ヒドロキシル基等の活性水素を有するものや、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、チオエーテル基、アシル基(アセチル基、プロパノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基等)、ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピル基、ピロリジル基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0044】
また、Ar及びR1〜R3のうちの2つ、R6〜R9のうちの2つ、R12〜R15のうちの2つ、R18〜R21のうちの2つが互いに結合し形成する環としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、環内に酸素原子を含んでいてもよいテトラヒドロフラン環、ピラン環等が挙げられる。R4とR5、R10とR11、R16とR17、R22とR23が互いに結合し形成する環としては、ピロリジン環、ピペリジン環等の窒素原子を含む5〜8員環が挙げられる。
【0045】
また一般式(I)〜(IV)の化合物として、Ar、R6、R12又はR4、R5、R10、R11、R16、R17、Zを介して1分子中に複数の塩基発生部位を含む化合物(即ち多量体構造)であってもよい
以下に一般式(I)〜(IV)で表される化合物の具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0046】
【化4】
Figure 0004090843
【0047】
【化5】
Figure 0004090843
【0048】
【化6】
Figure 0004090843
【0049】
【化7】
Figure 0004090843
【0050】
【化8】
Figure 0004090843
【0051】
本発明において、(C)の塩基発生化合物の添加量としては、感光性組成物の全固形分に対し0.01〜20質量%であるのが好ましく、より好ましくは0.05〜15質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%である。(C)成分の添加量が少なすぎると、感度が低下し、逆に多すぎると共存するフェノール性水酸基を有する樹脂との相溶性が劣化し、印刷時の耐刷性も低下する。
【0052】
[その他の成分]
本発明の赤外線感光性組成物を形成するにあたっては、上記の必須成分の他、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。以下に、添加剤の例を挙げて説明する。
例えばオニウム塩、o−キノンジアジド化合物、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物等の熱分解性であり、分解しない状態ではアルカリ水可溶性高分子化合物の溶解性を実質的に低下させる物質を併用することは、画像部の現像液への溶解阻止性の向上を図る点では、好ましい。オニウム塩としてはジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等を挙げることができる。
【0053】
本発明において用いられるオニウム塩として、好適なものとしては、例えば S. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18, 387(1974) 、T. S. Bal et al, Polymer, 21, 423(1980) 、特開平5−158230号公報に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号、特開平3-140140号の明細書に記載のアンモニウム塩、D. C. Necker et al, Macromolecules, 17, 2468(1984)、C. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988)、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号に記載のホスホニウム塩、J. V.Crivello et al, Macromolecules, 10(6), 1307 (1977)、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31 (1988)、欧州特許第104,143 号、特開平2-150848号、特開平2-296514号に記載のヨードニウム塩、J. V.Crivello et al, Polymer J. 17, 73 (1985)、J. V. Crivello et al. J. Org.Chem., 43, 3055 (1978)、W. R. Watt et al, J.Polymer Sci., Polymer Chem.Ed., 22, 1789 (1984) 、J. V. Crivello et al, Polymer Bull., 14, 279 (1985) 、J. V. Crivello et al, Macromolecules, 14(5) ,1141(1981)、J. V. Crivello etal, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 2877 (1979) 、欧州特許第370,693 号、同233,567 号、同297,443 号、同297,442 号、米国特許第4,933,377 号、同3,902,114 号、同4,760,013 号、同4,734,444 号、同2,833,827 号、独国特許第2,904,626 号、同3,604,580 号、同3,604,581 号に記載のスルホニウム塩、J. V. Crivello et al, Macromolecules, 10(6), 1307 (1977)、J. V. Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem.
Ed., 17, 1047 (1979) に記載のセレノニウム塩、C. S. Wen et al, Teh,Proc.Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988)に記載のアルソニウム塩等があげられる。
オニウム塩のなかでも、ジアゾニウム塩が特に好ましい。また、特に好適なジアゾニウム塩としては特開平5−158230号公報記載のものがあげられる。
【0054】
オニウム塩の対イオンとしては、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸が好適である。
【0055】
好適なキノンジアジド類としてはo−キノンジアジド化合物を挙げることができる。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造の化合物を用いることができる。つまり、o−キノンジアジドは熱分解により結着剤の溶解抑制能を失うことと、o−キノンジアジド自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果により感材系の溶解性を助ける。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley & Sons. Inc.)第339〜352頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステル又はスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403 号公報に記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120 号及び同第3,188,210 号に記載されているベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。
【0056】
さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとフェノールホルムアルデヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告され知られている。
例えば特開昭47−5303号、特開昭48−63802 号、特開昭48−63803 号、特開昭48−96575 号、特開昭49−38701 号、特開昭48−13354 号、特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、特公昭49−17481 号、米国特許第2,797,213 号、同第3,454,400 号、同第3,544,323 号、同第3,573,917 号、同第3,674,495 号、同第3,785,825 号、英国特許第1,227,602 号、同第1,251,345 号、同第1,267,005 号、同第1,329,888 号、同第1,330,932 号、ドイツ特許第854,890 号などの各明細書中に記載されているものを挙げることができる。
【0057】
o−キノンジアジド化合物の添加量は好ましくは本発明の組成物の全固形分に対し、1〜50質量%、更に好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜30質量%の範囲である。これらの化合物は単一で使用できるが、数種の混合物として使用してもよい。
【0058】
o−キノンジアジド化合物以外の上記の添加剤の添加量は、好ましくは1〜50質量%、更に好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜30質量%である。
【0059】
また、画像のディスクリミネーションの強化や表面のキズに対する抵抗力を強化する目的で、特開2000−187318号公報に記載されているような、分子中に炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を2又は3個有する(メタ)アクリレート単量体を重合成分とする重合体を併用することが好ましい。添加量としては、組成物中に占める割合が0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
【0060】
本発明の赤外線感光性組成物には、キズに対する抵抗性を付与する目的で、表面の静摩擦係数を低下させる化合物を添加することもできる。具体的には、米国特許第6117913号明細書に用いられているような、長鎖アルキルカルボン酸のエステルなどを挙げることが出来る。添加量として好ましいのは、組成物中に占める割合が0.1〜10質量%。より好ましくは0.5〜5質量%である。
【0061】
また、本発明の赤外線感光性組成物には、必要に応じて溶解性を向上させる目的で低分子量の酸性基を有する化合物を含んでもよい。酸性基としては、チオール基、フェノール性水酸基、スルホンアミド基、活性メチレン基等のpKa値が7〜11までの酸性基を挙げることができる。
添加量として好ましいのは、組成物中に占める割合が0.05〜5質量%。より好ましくは0.1〜3質量%である。5%より多いと各層の現像液に対する溶解性が増加してしまう傾向があり、好ましくない。
【0062】
また、本発明においては、溶解性を調節する目的で種々の溶解抑制剤を含んでもよい。溶解抑制剤としては、特開平11−119418公報に示されるようなジスルホン化合物又はスルホン化合物が好適に用いられ、具体例として、4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホンを用いることが好ましい。
添加量として好ましいのは、それぞれ組成物中に占める割合が0.05〜20質量%。より好ましくは0.5〜10質量%である。
【0063】
また、更に感度を向上させる目的で、環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類を併用することもできる。環状酸無水物としては米国特許第4,115,128 号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−Δ4 −テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。
フェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4′,4″−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。
【0064】
更に、有機酸類としては、特開昭60−88942号公報、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類及びカルボン酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
上記の環状酸無水物、フェノール類及び有機酸類の組成物中に占める割合は、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%である。
【0065】
また、本発明の赤外線感光性組成物には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、EP950517公報に記載されているようなシロキサン系化合物、特開平11−288093号公報に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合体を添加することができる。さらに、塗布面質を向上するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。
【0066】
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)製)等が挙げられる。
シロキサン系化合物としては、ジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロック共重合体が好ましく、具体例として、(株)チッソ社製、DBE−224,DBE−621,DBE−712,DBP−732,DBP−534、独Tego社製、Tego Glide100等のポリアルキレンオキシド変性シリコーンを挙げることが出来る。
上記界面活性剤の組成物中に占める割合は、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
【0067】
本発明の赤外線感光性組成物には、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼き出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号及び同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0068】
画像の着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料を挙げることができる。
具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)などを挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。
これらの染料は、組成物の全固形分に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%の割合で印刷版材料中に添加することができる。
【0069】
更に本発明の組成物中には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
【0070】
その他本発明の組成物中には、画像のインキ着肉性を向上させるための、疎水基を有する各種樹脂、例えばオクチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、t−ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、t−ブチルフェノール・ベンズアルデヒド樹脂、ロジン変性ノボラック樹脂、及びこれら変性ノボラック樹脂のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル等を加えることができる。これらの添加量は組成物全質量に対して、0.01〜30質量%の範囲が好ましい。
【0071】
更にこれらの組成物中には、皮膜の耐摩耗性を更に向上させるための公知の樹脂を添加できる。これらの樹脂としては、例えばポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ナイロン、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等があり、単独または混合して使用することができる。添加量は組成物全質量に対して、2〜40質量%の範囲が好ましい。
【0072】
本発明の組成物は、上記した通り、平版印刷版用の画像形成層(以下感光層と呼ぶことがある)として使用するのが好ましい。
本発明の赤外線感光性組成物から平版印刷版用感光材料を得る場合には、まずそれが適当な支持体上に画像形成層として設けられる。
【0073】
以下、本発明の組成物を、平版印刷版用の画像形成層として使用する場合について説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、下記の有機溶剤の単独あるいは混合したものに溶解または分散され、支持体に塗布され乾燥される。
有機溶剤としては、公知慣用のものがいずれも使用できるが、沸点40℃〜200℃、特に60℃〜160℃の範囲のものが、乾燥の際における有利さから選択される。
【0074】
有機溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−またはイソ−プロピルアルコール、n−またはイソ−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メトキシベンゼン等の炭化水素類、エチルアセテート、n−またはイソ−プロピルアセテート、n−またはイソ−ブチルアセテート、エチルブチルアセテート、ヘキシルアセテート等の酢酸エステル類、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロルベンゼン等のハロゲン化物、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジオキサン、ジメチルジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
【0075】
エチレングリコール、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、ジエチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール等の多価アルコールとその誘導体、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の特殊溶剤などが単独あるいは混合して好適に使用される。そして、組成物中の固形分の濃度は、2〜50質量%とするのが適当である。
【0076】
本発明の組成物の塗布方法としては、例えばロールコーティング、ディップコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、グラビアオフセットコーティング、ホッパーコーティング、ブレードコーティング、ワイヤドクターコーティング、スプレーコーティング等の方法が用いられ、乾燥後の質量にして0.3〜4.0g/m2が好ましい。塗布量が小さくなるにつれて画像を得るための露光量は小さくて済むが、膜強度は低下する。塗布量が大きくなるにつれ、露光量を必要とするが感光膜は強くなり、例えば、印刷版として用いた場合、印刷可能枚数の高い(高耐刷の)印刷版が得られる。
【0077】
支持体上に塗布された感光性組成物の乾燥は、通常加熱された空気によって行われる。加熱は30℃〜200℃、特に40℃〜140℃の範囲が好適である。乾燥の温度は乾燥中一定に保たれる方法だけでなく段階的に上昇させる方法も実施し得る。また、乾燥風は除湿することによって好結果が得られる場合もある。加熱された空気は、塗布面に対し0.1m/秒〜30m/秒、特に0.5m/秒〜20m/秒の割合で供給するのが好適である。
【0078】
[支持体]
感光性平版印刷版等に使用される支持体は、寸度的に安定な板状物であり、これ迄印刷版の支持体として使用されたものが含まれ、好適に使用することができる。かかる支持体としては、紙、プラスチックス(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)がラミネートされた紙、例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、鉄、銅などのような金属の板、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールなどのようなプラスチックスのフイルム、上記のような金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなどが含まれるが、特にアルミニウム板が好ましい。アルミニウム板には純アルミニウム板及びアルミニウム合金板が含まれる。アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、例えばケイ素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属とアルミニウムの合金が用いられる。これらの組成物は、いくらかの鉄およびチタンに加えてその他無視し得る程度の量の不純物をも含むものである。
【0079】
支持体は、必要に応じて表面処理される。例えば感光性平版印刷版の場合には、支持体の表面に、親水化処理が施される。また金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、砂目立て処理、ケイ酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、リン酸塩等の水溶液への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。また、米国特許第2,714,066号明細書に記載されているように、砂目立てしたのちケイ酸ナトリウム水溶液に浸漬処理したアルミニウム板、米国特許第3,181,461号明細書に記載されているようにアルミニウム板を陽極酸化処理を行った後にアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に浸漬処理したものも好適に使用される。
上記陽極酸化処理は、例えば、リン酸、クロム酸、硫酸、ホウ酸等の無機酸、若しくはシュウ酸、スルファミン酸等の有機酸またはこれらの塩の水溶液又は非水溶液の単独又は二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施される。
【0080】
また、米国特許第3,658,662号明細書に記載されているようなシリケート電着も有効である。これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とする為に施される以外に、その上に設けられる感光性組成物との有害な反応を防ぐ為や、感光層との密着性を向上させる為に施されるものである。アルミニウム板を砂目立てするに先立って、必要に応じて表面の圧延油を除去すること及び清浄なアルミニウム面を表出させるためにその表面の前処理を施しても良い。
前者のためには、トリクレン等の溶剤、界面活性剤等が用いられている。又後者のためには水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ・エッチング剤を用いる方法が広く行われている。
【0081】
砂目立て方法としては、機械的、化学的および電気化学的な方法のいずれの方法も有効である。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラスト研磨法、軽石のような研磨剤の水分散スラリーをナイロンブラシで擦りつけるブラシ研磨法などがあり、化学的方法としては、特開昭54−31187号公報に記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適しており、電気化学的方法としては塩酸、硝酸またはこれらの組合せのような酸性電解液中で交流電解する方法が好ましい。このような粗面化方法の内、特に特開昭55−137993号公報に記載されているような機械的粗面化と電気化学的粗面化を組合せた粗面化方法は、感脂性画像の支持体への接着力が強いので好ましい。上記の如き方法による砂目立ては、アルミニウム板の表面の中心線表面粗さ(Ra)が0.3〜1.0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。このようにして砂目立てされたアルミニウム板は必要に応じて水洗および化学的にエッチングされる。
【0082】
エッチング処理液は、通常アルミニウムを溶解する塩基あるいは酸の水溶液より選ばれる。この場合、エッチングされた表面に、エッチング液成分から誘導されるアルミニウムと異なる被膜が形成されないものでなければならない。好ましいエッチング剤を例示すれば、塩基性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム等;酸性物質としては硫酸、過硫酸、リン酸、塩酸及びその塩等であるが、アルミニウムよりイオン化傾向の低い金属例えば亜鉛、クロム、コバルト、ニッケル、銅等の塩はエッチング表面に不必要な被膜を形成するから好ましくない。これらのエッチング剤は、使用濃度、温度の設定において、使用するアルミニウムあるいは合金の溶解速度が浸漬時間1分あたり0.3グラムから40g/m2になる様に行なわれるのが最も好ましいが、これを上回るあるいは下回るものであっても差支えない。
【0083】
エッチングは上記エッチング液にアルミニウム板を浸漬したり、該アルミニウム板にエッチング液を塗布すること等により行われ、エッチング量が0.5〜10g/m2の範囲となるように処理されることが好ましい。上記エッチング剤としては、そのエッチング速度が早いという特長から塩基の水溶液を使用することが望ましい。この場合、スマットが生成するので、通常デスマット処理される。デスマット処理に使用される酸は、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。エッチング処理されたアルミニウム板は、必要により水洗及び陽極酸化される。陽極酸化は、この分野で従来より行なわれている方法で行なうことができる。
具体的には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはそれらの二種類以上を組み合せた水溶液又は非水溶液中でアルミニウムに直流または交流の電流を流すと、アルミニウム支持体表面に陽極酸化被膜を形成させることができる。
【0084】
陽極酸化の処理条件は使用される電解液によって種々変化するので一般には決定され得ないが一般的には電解液の濃度が1〜80質量%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜100V、電解時間30秒〜50分の範囲が適当である。これらの陽極酸化処理の内でも、とくに英国特許第1,412,768号明細書に記載されている硫酸中で高電流密度で陽極酸化する方法および米国特許第3,511,661号明細書に記載されているリン酸を電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。上記のように粗面化され、さらに陽極酸化されたアルミニウム板は、必要に応じて親水化処理しても良く、その好ましい例としては米国特許第2,714,066号及び同第3,181,461号明細書に開示されているようなアルカリ金属シリケート、例えばケイ酸ナトリウム水溶液または特公昭36−22063号公報に開示されている弗化ジルコニウム酸カリウムおよび米国特許第4,153,461号明細書に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法がある。
【0085】
[マット層]
上記のようにして設けられた感光層の表面には、真空焼き枠を用いた密着露光の際の真空引きの時間を短縮し、且つ焼きボケを防ぐため、マット層を設けることが好ましい。具体的には、特開昭50−125805号、特公昭57−6582号、同61−28986号の各公報に記載されているようなマット層を設ける方法、特公昭62−62337号公報に記載されているような固体粉末を熱融着させる方法などが挙げられる。
【0086】
[有機下塗層]
本発明の組成物を用いて感光性平版印刷版を製造する際には、上記した感光層を塗設する前に有機下塗層を設けることが非画像部の感光層残りを減らす上で好ましい。かかる有機下塗層に用いられる有機化合物としては例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩などから選ばれるが、二種以上混合して用いてもよい。
【0087】
また、有機下塗り層にオニウム基を有する化合物を含有することも好ましい。オニウム基を有する化合物は特開2000−10292号、特開2000−108538等公報に詳述されている。
その他ポリ(p−ビニル安息香酸)などで代表される構造単位を分子中に有する高分子化合物群の中から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。より具体的にはp−ビニル安息香酸とビニルベンジルトリエチルアンモニウム塩との共重合体、p−ビニル安息香酸とビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドとの共重合体などがあげられる。
【0088】
この有機下塗層は次のような方法で設けることができる。即ち、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記有機化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。
前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。
【0089】
これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpHを調節し、pH1〜12の範囲で使用することもできる。また、感光性平版印刷版の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。さらにこの溶液には、下記一般式(a)で示される化合物を添加することもできる。
(HO)x−R5−(COOH)y (a)
但し、R5は置換基を有してもよい炭素数14以下のアリーレン基を表し、x,yは独立して1から3の整数を表す。
【0090】
上記一般式(a)で示される化合物の具体的な例として、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、10−ヒドロキシ−9−アントラセンカルボン酸などが挙げられる。
有機下塗層の乾燥後の被覆量は、1〜100mg/m2が適当であり、好ましくは2〜70mg/m2である。上記の被覆量が2mg/m2より少ないと十分な耐刷性能が得られにくい。また、100mg/m2より大きくても同様である。
【0091】
[バックコート]
支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコートとしては特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物および特開平6−35174号公報記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4、Si(OC25) 4、Si(OC37) 4、Si(OC49) 4などのケイ素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得られる金属酸化物の被覆層が耐現像液に優れており特に好ましい。
【0092】
上記のようにして作成された平版印刷版は、通常、像露光、現像処理を施される。像露光に用いられる活性光線の光源としては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
【0093】
[アルカリ現像液]
本発明の赤外線感光性樹脂組成物を用いる平版印刷版の現像液として好ましいものは、(a)非還元糖から選ばれる少なくとも一種の糖類および(b)少なくとも一種の塩基を含有し、pHが9.0〜13.5の範囲にある現像液である。以下この現像液について詳しく説明する。なお、本明細書中において、特にことわりのない限り、現像液とは現像開始液(狭義の現像液)と現像補充液とを意味する。
【0094】
現像液としては、その主成分が、非還元糖から選ばれる少なくとも一つの化合物と、少なくとも一種の塩基からなるものが好ましく、液のpHが9.0〜13.5の範囲であることが好ましい。かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類され、何れも好適に用いられる。トレハロース型少糖類には、サッカロースやトレハロースがあり、配糖体としては、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げられる。また糖アルコールとしてはD,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシットおよびアロズルシットなどが挙げられる。更に二糖類の水素添加で得られるマルチトールおよびオリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)が好適に用いられる。 これらの中で特に好ましい非還元糖は糖アルコールとサッカロースであり、特にD−ソルビット、サッカロース、還元水あめが適度なpH領域に緩衝作用があることと、低価格であることで好ましい。
【0095】
これらの非還元糖は、単独もしくは二種以上を組み合わせて使用でき、それらの現像液中に占める割合は0.1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは、1〜20質量%である。
この範囲以下では十分な緩衝作用が得られず、またこの範囲以上の濃度では、高濃縮化し難く、また原価アップの問題が出てくる。尚、還元糖を塩基と組み合わせて使用した場合、経時的に褐色に変色し、pHも徐々に下がり、よって現像性が低下するという問題点がある。
【0096】
非還元糖に組み合わせる塩基としては従来より知られているアルカリ剤が使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウムなどの無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。
【0097】
これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。これらの中で好ましいのは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。その理由は、非還元糖に対するこれらの量を調整することにより広いpH領域でpH調整が可能となるためである。また、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどもそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。
これらのアルカリ剤は現像液のpHを9.0〜13.5の範囲になるように添加され、その添加量は所望のpH、非還元糖の種類と添加量によって決められるが、より好ましいpH範囲は10.0〜13.2である。
【0098】
現像液には更に、糖類以外の弱酸と強塩基からなるアルカリ性緩衝液が併用できる。かかる緩衝液として用いられる弱酸としては、解離定数(pKa)が10.0〜13.2のものが好ましい。
このような弱酸としては、Pergamon Press社発行のIONISATION CONSTANTS OF ORGANIC ACIDS IN AQUEOUS SOLUTIONなどに記載されているものから選ばれ、例えば2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール−1(PKa12.74)、トリフルオロエタノール(同12.37)、トリクロロエタノール(同12.24)などのアルコール類、ピリジン−2−アルデヒド(同12.68)、ピリジン−4−アルデヒド(同12.05)などのアルデヒド類、サリチル酸(同13.0)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(同12.84)、カテコール(同12.6)、没食子酸(同12.4)、スルホサリチル酸(同11.7)、3,4−ジヒドロキシスルホン酸(同12.2)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン(同11.82)、ハイドロキノン(同11.56)、ピロガロール(同11.34)、o−クレゾール(同10.33)、レゾルシノール(同11.27)、p−クレゾール(同10.27)、m−クレゾール(同10.09)などのフェノール性水酸基を有する化合物、
【0099】
2−ブタノンオキシム(同12.45)、アセトキシム(同12.42)、1,2−シクロヘプタンジオンジオキシム(同12.3)、2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグリオキシム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム(同11.37)、アセトフェノンオキシム(同11.35)などのオキシム類、アデノシン(同12.56)、イノシン(同12.5)、グアニン(同12.3)、シトシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同12.1)、キサンチン(同11.9)などの核酸関連物質、他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.32)、1−アミノ−3,3,3−トリフルオロ安息香酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸(同12.10)、1,1−エチリデンジホスホン酸(同11.54)、1,1−エチリデンジホスホン酸1−ヒドロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾール(同12.86)、チオベンズアミド(同12.8)、ピコリンチオアミド(同12.55)、バルビツル酸(同12.5)などの弱酸が挙げられる。
【0100】
これらの弱酸の中で好ましいのは、スルホサリチル酸、サリチル酸である。これらの弱酸に組み合わせる塩基としては、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムが好適に用いられる。これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。上記の各種アルカリ剤は濃度および組み合わせによりpHを好ましい範囲内に調整して使用される。
【0101】
現像液には、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙げられる。
【0102】
界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非イオン性界面活性剤、
【0103】
脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類などのアニオン界面活性剤、
【0104】
アルキルアミン塩類、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホべタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられる。
以上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含される。
【0105】
更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤である。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニオン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。
上記の界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使用することができ、現像液中に0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲で添加される。
【0106】
現像液には、種々の現像安定化剤を用いることができる。それらの好ましい例として、特開平6−282079号公報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩およびジフェニルヨードニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。更には、特開昭50−51324号公報記載のアニオン界面活性剤または両性界面活性剤、また特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオニックポリマー、特開昭56−142528号公報に記載されている水溶性の両性高分子電解質を挙げることができる。
【0107】
更に、特開昭59−84241号公報のアルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特開昭60−111246号公報記載のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面活性剤、特開昭60−129750号公報のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレンジアミン化合物、特開昭61−215554号公報記載の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコール、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公報の酸またはアルコールに4モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
【0108】
現像液には更に必要により有機溶剤が加えられる。かかる有機溶剤としては、水に対する溶解度が約10質量%以下のものが適しており、好ましくは5質量%以下のものから選ばれる。例えば、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニル−1−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノールおよび4−メチルシクロヘキサノール、N−フェニルエタノールアミンおよびN−フェニルジエタノールアミンなどを挙げることができる。
有機溶剤の含有量は使用液の総質量に対して0.1〜5質量%である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係があり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の量は増加させることが好ましい。これは界面活性剤の量が少なく、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全に溶解せず、従って、良好な現像性の確保が期待できなくなるからである。
【0109】
現像液には更に還元剤を加えることができる。これは印刷版の汚れを防止するものである。好ましい有機還元剤としては、チオサリチル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキノン、レゾルシン、2−メチルレゾルシンなどのフェノール化合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジンなどのアミン化合物が挙げられる。更に好ましい無機の還元剤としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジチオン酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。
これらの還元剤のうち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。これらの還元剤は使用時の現像液に対して好ましくは、0.05〜5質量%の範囲で含有される。
【0110】
現像液には更に有機カルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸および芳香族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例としては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアルカン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。芳香族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などにカルボキシル基が置換された化合物で、具体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2,4−ジヒドロシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒドロキシナフトエ酸は特に有効である。
【0111】
上記脂肪族および芳香族カルボン酸は水溶性を高めるためにナトリウム塩やカリウム塩またはアンモニウム塩として用いるのが好ましい。本発明で用いる現像液の有機カルボン酸の含有量は格別な制限はないが、0.1質量%より低いと効果が十分でなく、また10質量%以上ではそれ以上の効果の改善が計れないばかりか、別の添加剤を併用する時に溶解を妨げることがある。従って、好ましい添加量は使用時の現像液に対して0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜4質量%である。
【0112】
現像液には、更に必要に応じて、防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡剤および硬水軟化剤などを含有させることもできる。硬水軟化剤としては例えば、ポリリン酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸および1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチレンホスホン酸)および1−ヒドロキシタエン−1,1−ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩を挙げることができる。
【0113】
このような硬水軟化剤はそのキレート化と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像液に0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲である。この範囲より少ない添加量では所期の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲より多い場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでてくる。現像液の残余の成分は水である。現像液は、使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は、各成分が分離や析出を起こさない程度が適当である。
【0114】
本発明の赤外線感光性組成物を用いる平版印刷版の現像液としてはまた、上記非還元糖の代わりに、適度なpH領域に緩衝作用を有する化合物として、シリケート化合物を添加して使用できる。具体的には、珪酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2と、アルカリ成分としてのアルカリ酸化物M2Oの混合物を添加できる(Mはアルカリ金属を表す)。ケイ素SiO2とM2Oとの混合比率は、濃度の調整により最適な範囲に容易に調節することができる。これら珪酸塩は基板の親水化成分としての作用も有する。
好ましい酸化ケイ素SiO2とアルカリ酸化物M2Oとの混合比率(SiO2/M2Oのモル比)は0.75〜4.0であり、より好ましくは0.75〜3.0、更に好ましくは0.75〜1.5の範囲で使用される。
前記SiO2/M2Oが0.75未満であると、アルカリ性が強くなり、平版印刷版原版の支持体としてのアルミ基板の陽極酸化皮膜が過度に溶解(エッチング)され、前記放置汚れが発生したり、溶解アルミと珪酸との錯体形成による不溶性のカスが生じることがある。また4.0更には3.0を超えると、現像性が低下したり珪酸塩の縮合した不溶性のカスが発生するという問題が生じることがある。
また現像液中の珪酸アルカリの濃度としては、アルカリ水溶液の質量に対して、0〜10質量%が好ましく、より好ましくは3〜8質量%の範囲で使用される。この濃度が0.5質量%未満であると、現像性、現像処理能力が低下することがあり、10質量%を超えると沈殿や結晶を生成し易くなり、また廃液時の中和の際にゲル化し易くなる結果、廃液処理に支障を来たすことがある。
【0115】
現像液にはさらに、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて、前述の種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。
【0116】
かかる組成の現像液で現像処理された平版印刷版(以下、PS版と呼ぶことがある)は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明において、PS版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
【0117】
近年、型版・印刷業界では製版作業の合理化および標準化のため、PS版用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、PS版を搬送する装置と、各処理液槽およびスプレー装置からなり、露光済みのPS版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像および後処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによってPS版を浸漬搬送させて現像処理する方法や、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗し、その廃水を現像液原液の希釈水としで再利用する方法も知られている。
【0118】
このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼動時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することができる。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0119】
【実施例】
以下本発明を実施例に基づいて更に説明する。ただし本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0120】
[支持体の作製]
JIS A 1050アルミニウムシートをパミス−水懸濁液を研磨剤として回転ナイロンブラシで表面を砂目立てした。このときの表面粗さ(中心線平均粗さ)は0.5μmであった。水洗後、10%苛性ソーダ水溶液を70℃に温めた溶液中に浸漬して、アルミニウムの溶解量が6g/m3になるようにエッチングした。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬して中和し、十分水洗した。その後に、0.7%硝酸水溶液中で、陽極時電圧13ボルト、陰極時電圧6ボルトの矩形波交番波形電圧を用いて20秒間電解粗面化を行ない、20%硫酸の50℃溶液中に浸漬して表面を洗浄した後、水洗した。
粗面化後のアルミニウムシートに、20%硫酸水溶液中で直流を用いて多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行なった。電流密度5A/dm2で電解を行ない、電解時間を調節して、表面に質量4.0g/m2の陽極酸化皮膜を有する基板を作製した。この基板を100℃1気圧において飽和した蒸気チャンバーの中で10秒間処理して封孔率60%の基板(a)を作成した。
基板(a)をケイ酸ナトリウム2.5質量%水溶液で30℃10秒間処理して表面親水化を行なった後、下記下塗り液を塗布し、塗膜を80℃で15秒間乾燥し平版印刷版用支持体〔A〕を得た。乾燥後の塗膜の被覆量は15mg/m4であった。
【0121】
〔下塗り液〕
・下記共重合体(1) 0.3g
・メタノール 100g
・水 1g
【0122】
【化9】
Figure 0004090843
【0123】
[感光層の形成]
上記により得られた下塗り処理後のアルミ支持体〔A〕、及び溶解速度測定用としてフラットなSUS基板上に、以下の感光液を塗布量が1.5g/m2になるよう塗布、乾燥して感光層(記録層)を形成し、本発明の感光性平版印刷用原版1(アルミ処理基板)及び2(SUS基板)を得た。なお感光液に使用した本発明(C)の塩基発生化合物を表1に示す。
【0124】
〔感光液〕
Figure 0004090843
【0125】
【化10】
Figure 0004090843
【0126】
[比較例の感光層の形成]
上記感光液における本発明(C)の化合物を含まない以外は上記と同じ感光液を用い、下塗り処理後のアルミ支持体〔A〕及びフラットなSUS基板上に、上記と同様にして塗布、乾燥して、塗布量が1.5g/m2の比較例の感光性平版印刷用原版を作製した。
【0127】
[現像液の調製]
〔現像液A〕
D−ソルビット0.22モル/L、水酸化カリウム0.22モル/L、クエン酸カリウム18g/Lの濃度で各成分を調整、混合し現像液Aとした。この現像液Aの電導度は約45mS/cmであった。
〔現像液B〕
酸化ケイ素(SO2)及び酸化カリウム(K2O)の混合比(SO2/K2O)が1.1のケイ酸カリウム4wt%、クエン酸0.5wt%、ポリエチレングリコールラウリルエーテル0.5wt%の濃度で現像液Bを作製した。この現像液Bの電導度は約47mS/cmであった。
【0128】
<実施例1〜11及び比較例1(現像における溶解ディスクリミネーションの評価)>
上記で得られた原版2(SUS基板)に対し、Creo社製Trendsetter3244にて、ビーム強度9W、ドラム回転速度150rpmの条件で200mJ/cm2のエネルギーで露光を行った。上記組成のアルカリ現像液A又は現像液Bを用いて、露光部及び未露光部が完全に溶解除去される時間を溶解速度モニター(Perkin Elmer社製DRM)にて測定した。結果を表1に示す。
【0129】
【表1】
Figure 0004090843
【0130】
表1より、本発明の組成物を使用した場合、未露光部の溶解性に影響なく、露光部の溶解性が向上した。未露光部/露光部の溶解速度比(溶解時間比)が拡大して、溶解ディスクリミネーションが向上したことが判る。
【0131】
<実施例12〜18及び比較例2>
実施例1〜11と同様にして、表2に示す実施例12〜18の感光層を形成させた。
【0132】
[現像ラチチュードの評価]
得られた平版印刷版用原版1及び比較例の原版をCreo社製Trendsetter3244にてビーム強度9w、ドラム回転速度150rpmでテストパターンを画像状に描き込みを行った。
まず、上記の条件で露光した平版印刷版原版を、上記現像液Aの1.5倍濃縮液を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサー900Hを用い、液温を30℃に保ち、現像時間12秒で現像した。
次に、現像液を徐々に水で希釈しながら、処理を繰り返した。この時、現像不良の記録層残膜に起因する汚れや画像部の濃度低下の有無を確認した。更に、水で希釈しながら処理を繰り返し、問題なく現像できた時の現像液の電導度を測定した。上限値と下限値との差が大きいものを現像ラチチュードに優れると評価する。
【0133】
[感度の評価]
上記得られた平版印刷版用原版1及び比較例の原版をCreo社製Trendsetter3244にて、各種の露光エネルギーで200線、3〜97%の網点画像を露光し、上記現像液Aにて液温30℃、現像時間12秒で現像した。3%の網点画像が再現する露光エネルギーにより、感度とした。露光エネルギーが小さい程、高感度であることを示している。
結果を表2に示す。
【0134】
【表2】
Figure 0004090843
【0135】
表2の結果より、本発明の赤外線感光性組成物を平版印刷版用原版の画像形成層に適用することで、現像ラチチュード及び感度が優れることが判る。
【0136】
【発明の効果】
本発明により、平版印刷用原版の画像形成層として用いる場合、現像ラチチュードに優れ、高感度な赤外線感光性組成物を提供することができる。

Claims (1)

  1. (A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、(B)光熱変換物質、及び、(C)下記一般式(I)〜(IV)のいずれかで表される化合物を含有することを特徴とする赤外線感光性組成物。
    Figure 0004090843
    式中、
    Arはアリール基又はヘテロアリール基を表す。
    1 〜R 5 、R 7 〜R 11 、R 13 〜R 17 及びR 18 〜R 23 は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
    6 及びR 12 は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
    Zは単結合、又は、6〜10員環の環状イミド構造を形成する原子もしくは原子群を表 す。
    但し、Ar及びR 1 〜R 3 のうちの2つ、又は、R 6 〜R 9 のうちの2つ、又は、R 12 〜R 15 のうちの2つ、又は、R 18 〜R 21 のうちの2つが互いに結合し環を形成してもよい。また、R 4 とR 5 、又は、R 10 とR 11 、又は、R 16 とR 17 、又は、R 22 とR 23 が互いに結合し環を形成してもよい。
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