JP4090665B2 - 電解水製造方法 - Google Patents

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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、水を電気分解して電解水を製造する方法に関する。また殺菌力の保持時間が長く、金属腐食を起こしにくい酸性電解水に関する。
【0002】
【従来技術】
少量の塩素系電解質、例えば食塩を添加した水を電気分解して得られる電解水は、遊離塩素を含有し、強い酸性で高い酸化還元電位(ORP)を呈し、大腸菌など各種の細菌やバクテリアに対して強力な殺菌効果を有する。そのため、医療分野、農業分野、酪農分野等で広く滅菌に使用され始めている。一般的な酸性電解水の物性は、pH値が2.7以下であり、酸化還元電位が1100mV以上であって、含有する遊離塩素濃度は10〜60ppmで、塩素イオン濃度は355ppm(0.01モル)以上である。しかし、最近の学会等での発表によれば、酸性電解水が強い殺菌力を示す主たる原因は、含有している遊離塩素(Cl2、HClO)によるものと言われている。一方、高い酸化還元電位(ORP)が殺菌力に寄与しているとの発表もある。したがって、殺菌力の強い酸性電解水の必要条件は、遊離塩素濃度と酸化還元電位を一定以上に高く保つことである。
【0003】
酸性電解水を製造する方法には、次の如き方法が知られている。すなわち、中間に配置した隔膜で陽極室と陰極室に仕切った二室構造の水電気分解装置に、あらかじめ電解質を添加した水を通水して電気分解する方法。また、2枚の隔膜で仕切って陽極室と中間室と陰極室とを設けた三室構造の水電気分解装置を用い、中間室に電解質を収納し、陽極室には陽極を、陰極室には陰極を設け、陽極室及び陰極室に電解質を添加しない原水を通水しながら、同時に両極に直流電流を負荷して、中間室に収納した電解質を電気泳動により電解処理用水に供給しながら電気分解する方法などである。
【0004】
本発明者は、三室構造の水電気分解装置を用い、原水の通水方法として、陽極側及び陰極側にそれぞれ供給した原水を、電解処理する水(以下、電解処理用水ということがある。)と電解処理しない水(以下、非電解処理水ということがある)とに分流させ、電解処理用水だけを陽極室及び陰極室に通水させ、該電解処理用水に対して1リットル当たり1500クーロン以上の直流電流を負荷させる電気分解方法を提案した(特願平11−52550号)。この方法により、従来より酸性電解水中の遊離塩素濃度を高めたり、電気分解効率を高め消費電力を減らしたり、スケールが陰極板に付着するトラブルを防止することができる。また、電気分解効率は従来に比べて大幅に向上し、例えば消費電力で比較すると二室構造の電解方式の場合の1リットル当たりの消費電力が500〜1000Wであるのに対して10分の1の50〜100Wにでききる。また、生産量は7.5アンペアの電流負荷量で約1リットル/分の能力がえられている。しかし、更なる消費電力の節約と生産能力の向上が望まれている。
【0005】
一方、上記の方法で製造された酸性電解水は、その優れた殺菌力を活用すべく各分野での需要が高まってきているが、この水の最大の欠点は殺菌力の保持時間が短いこと、医療器具などの金属に対する腐食性が高いことである。この従来の酸性電解水の殺菌力の保持時間が短い原因は遊離塩素のうちの塩素ガス(Cl2)の形態になったものが容易に蒸発してしまうためであり、また金属腐食を起こす原因の一つは酸性電解水に含有されている電解質濃度(塩分や塩素イオン等の陰イオン)が高いことが挙げられる。通常、上記の二室構造の水電気分解装置に、原水にあらかじめ電解質を添加し通水して電気分解する方法で製造された酸性電解水には、500ppmから1000ppmの塩分が含有されている。このため、殺菌力の保持時間が極端に短く、金属腐食が発生しやすい欠点がある。また、上記の三室構造の水電気分解装置を用い、陽極室及び陰極室に電解質を添加しない原水を通水し、両極に直流電流を負荷することにより、中間室に収納した電解質を電気泳動により電解処理用水に供給しながら電気分解する方法で製造される酸性電解水の場合であっても、100ppmを越える電解質(塩素イオン等の陰イオン)が含有されているのが普通である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、上記の三室構造の水電気分解装置を用いて、電解効率の大幅な改善と生産性の向上を達成でき、且つ殺菌力を確保する上で最も重要な遊離塩素濃度を十分に高く(15ppm以上)保ち、しかも含有する電解質、特に塩素イオン量を極力少なく(100ppm以下)した、殺菌力の保持時間が長く、金属腐食を起こしにくい酸性電解水を、スケール発生のトラブルを起すことなく製造する方法、及び新規な酸性電解水を提供することを目的とする。
【0007】
【発明が解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成させるべく研究を進めた結果、三室構造の水電気分解装置を用い、使用する隔膜の種類、電極の設置方法、原水の通水方法及び電気分解条件を工夫して本発明を完成させた。また、従来は、酸性電解水が示す強い殺菌力の原因は、低いpH値と高い酸化還元電位値であると考えられ、pH値を2.7以下に保つことが必要である考えられていたが、酸性電解水が持つ強力な殺菌力を示す最大の要因はpH値や酸化還元電位値よりもむしろ、次亜塩素酸の形態で含有されている遊離塩素で、遊離塩素濃度を一定値以上に高めればpH値は多少高くても十分に殺菌力を保てることを知り、本発明を完成した。
【0008】
すなわち本発明は、2枚の隔膜で仕切られた陽極室と中間室と陰極室との三室からなり、(1)陽極室と中間室を隔離する隔膜が陰イオン交換膜であり、(2)中間室と陰極室を隔離する隔膜が陽イオン交換膜又は不織布や織布であり、(3)陽極室には多数の孔がある陽極板が、また陰極室には多数の孔がある陰極板がそれぞれ設置され、該陽極室の陽極板は少なくとも2枚の電極板同士が電気的に導通した状態で配置されたものであり、且つ(4)中間室には塩素イオンを含む電解質を収納した電解槽を用いて電解水を製造する方法であって、陽極側に供給する原水を電解処理用水と非電解処理水とに分流させ、該電解処理用水を原水の1/4以下の割合で陽極室に通水させ、陽極室から排出した電解処理水を再び非電解処理水と合流させ、また上記の陽極に電解処理用水1リットル当たり1500クーロン以上の直流電流を負荷することを特徴とする電解水製造方法である。
【0009】
また本発明は、2枚の隔膜で仕切られた陽極室と中間室と陰極室との三室からなり、(1)陽極室と中間室を隔離する隔膜が陰イオン交換膜であり、(2)中間室と陰極室を隔離する隔膜が陽イオン交換膜又は不織布や織布であり、(3)陽極室には多数の孔がある陽極板が、また陰極室には多数の孔がある陰極板がそれぞれ設置され、該陽極室の陽極板は少なくとも2枚の電極板同士が電気的に導通した状態で配置されたものであり、且つ(4)中間室には塩素イオンを含む電解質を収納した電解槽を用いて電解水を製造する方法であって、(a)陽極側に供給する原水を電解処理用水と非電解処理水とに分流させ、該電解処理用水を原水の1/4以下の割合で陽極室に通水させ、陽極室から排出した電解処理水を再び非電解処理水と合流させ、また(b)陰極側に供給する原水を電解処理用水と非電解処理水とに分流させ、該電解処理用水を陰極室に通水させ、陰極室から排出した電解処理水を再び非電解処理水と合流させ、且つ(c)陰極室に供給する電解処理の水量(リットル/分)を、負荷する直流電流(アンペア秒)を1500クーロンで除した数値以下にすることを特徴とする電解水製造方法である。
【0010】
また本発明の上記の電解水製造方法で、pH値が3〜5、遊離塩素濃度が15ppm以上、且つ塩素イオン濃度が100ppm以下である酸性電解水を得ることができる
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の酸性電解水の製造においては、(i)陽極室と中間室を隔離する隔膜として陰イオン交換膜を使用する、(ii)陽極室の陽極は少なくとも2枚の電極板同士が電気的に導通した状態で配置する、(iii)陽極室に供給する原水を電解処理用水と非電解処理水とに分流させ、該電解処理用水を原水の1/4以下の割合で陽極室に通水させ、陽極室から排出した電解処理水を再び非電解処理水と合流させる方式にし、電解処理用水1リットル当たり1500クーロン以上の直流電流を負荷させる、の三条件を組み合わせることで、大幅な電解効率改善及び生産性の向上が行え、且つ遊離塩素濃度が15ppm以上であり、塩素イオン濃度が100ppm以下である酸性電解水を製造できる。
【0012】
まず、図面を用いて本発明の酸性電解水製造方法を説明する。
図1及び図2は本発明で使用する水電気分解用電解槽の断面図である。図1は、原水を陽極側、陰極側においてそれぞれ電解処理する水(電解処理用水)と電解処理しない水(非電解処理水)に分流し、分流した電解処理用水を、陽極室及び陰極室に通水後、それぞれの非電解処理水と合流する構造の例であり、図2は、上記通水方式において、陽極室と陰極室のそれぞれに冷却室を設け、該冷却室に非電解処理水を通水する例である。
【0013】
図1は、本発明方法で使用する水電気分解装置の一例の断面図である。この水電気分解装置は、2枚の隔膜で仕切ることによって陽極室と中間室と陰極室とを設けた電解槽を備えている。(A)、(B)及び(C)はそれぞれ電解槽の壁である。この電解槽は隔膜(1)及び隔膜(2)によって、陽極室(D)、中間室(F)及び陰極室(E)に仕切られている。隔膜(1)には陰イオン交換膜を使用する。また、隔膜(2)には陽イオン交換膜又は不織布や織布を使用する。(3)及び(4)は電極板であり、電極板(3)は陽極、電極板(4)は陰極である。各電極板には多数の孔があいている。陽極室の電極板(3)は、2枚以上の電極板(3)が相互に接触した状態で、すなわちそれぞれの電極板同士が電気的に導通した状態で配置されている。この2枚以上の電極板の配置は任意で、電解処理用水の通水方向に並行に配置されていてもよいし、そうでなくてもよい。また、電極板(3)と隔膜(1)の間隔、及び電極板(4)と隔膜(2)の間隔は、離れていても、密着していてもよい。図1は密着している場合を示したものである。
【0014】
上記の水電気分解装置の電解槽の陽極室(D)及び陰極室(E)のそれぞれに電解処理用水を通水させて電気分解処理するが、本発明においては、水電気分解装置の陽極側及び陰極側に供給された原水を、電解処理用水と非電解処理水とに分流して電解操作する。すなわち、陽極側へ供給された原水(5)は電解処理用水(6)と非電解処理水(7)とに分流される。電解処理用水(6)は陽極室(D)を通過し、電解処理された後、非電解処理水(7)と合流し希釈されて所定の酸性電解水(8)となる。一方、陰極側に供給された原水(9)は電解処理用水(10)と非電解処理水(11)とに分流される。電解処理用水(10)は陰極室(E)を通過し、電解処理された後、非電解処理水(11)と合流し所定アルカリ性電解水(12)となる。(6’)、(7’)、(10’)及び(11’)はそれぞれ水量を調節するためのバルブである。バルブの代わりにオリフィスや細管を用いて水量を調節してもよい。中間室(F)には、塩素イオンを含有する高濃度の電解質水溶液を充填する。通常は塩化カリウムや塩化ナトリウムの10%以上の水溶液を使用し、別に設けた水溶液貯槽からポンプ等を使用して送給してもよい。
【0015】
電気分解に際しての陽極室(D)に通水する電解処理用水(6)の水量は、陽極側に供給する原水(5)の1/4以下になるようにし、直流電流(アンペア秒)は電解処理用水1リットル当り1500クーロン以上の値になるように負荷する。また、電気分解に際して、陰極室(E)に通水する電解処理用水(10)の水量(リットル/分)は、負荷した直流電流(アンペア秒)を1500クーロンで除して算出した数値以下にするのが好ましい。陽極側では、中間室(F)内に充填した電解質水溶液に含有している塩素イオンなどの陰イオンが各イオンの輸率に基づき陽極室(D)内に電気泳動で移動し、次に電極表面に於いて陰イオン及び水が電気分解される。一方、陰極側では、中間室(F)内の電解質水溶液に含有しているナトリウムイオンなどの陽イオンが各イオンの輸率に基づき陰極室(F)内に移動し、次に電極表面に於いて陽イオン及び水が電気分解される。
【0016】
陽極室及び陰極室で電気分解されて生成される水は、それぞれ濃縮された酸性電解水及びアルカリ性電解水であり、それぞれ非電解処理水(7)及び(11)と混合されて所定の濃度の酸性電解水及びアルカリ性電解水となる。本発明においては、陽極室(D)と中間室(F)を仕切る隔膜(1)として陰イオン交換膜を使用することにより、中間室(F)に存在するナトリウム等の陽イオンが陽極室に移動するのが防げ、また電気泳動で移動する塩素イオン以外に、拡散力等で余分なイオンが隔膜を透過して陽極室に移動するのが防げる。そのため、酸性電解水に含まれる電解質の混入量を最小限度に押さえることができる効果がある。
【0017】
本発明においては、陽極側では、電解用水量に対して1500クーロン/リットル以上の直流電流を負荷する。1500クーロン/リットル以上の直流電流を負荷する理由は、電解効率を低下させる原因の一つである水の輸液現象を防止するのに必要な電流負荷量を調べた結果、その値が1500クーロン/リットル以上であったこと、遊離塩素の生成効率が1500クーロン/リットル以上で高まる現象を示したこと、また陰極側において電解用水量に対して1500クーロン/リットル以上の直流電流を負荷すると陰極におけるスケールの付着が見られなくいなるからである。そして、1500クーロン/リットル以上の電流負荷時における陽極室内で生成する強酸性電解水のpH値は1.9以下になり、陰極室内の強アルカリ性電解水のpH値は12.1以上になる。本発明では、この陽極室内で生成した強酸性電解水及び強アルカリ性電解水は、それぞれ非電解処理水と合流して希釈されて所定pH値の酸性水及びアルカリ水にすることができる。
【0018】
そして、本発明においては、上記の如く、陽極室に供給する原水を電解処理用水と非電解処理水とに分流させ、該電解処理用水を原水の1/4以下の割合で陽極室に通水させ、陽極室から排出した電解処理水を再び非電解処理水と合流させるが、このとき、電解処理用水を原水の1/4以下の割合にするのは、電解用水量に対して1500クーロン/リットル以上の直流電流を負荷させるためである。すなわち、1リットル/分の酸性電解水を製造するに必要な直流電流の経験値は6.25アンペア以上であって、これは375クーロン/リットル以上に相当するが、直流電流負荷を変えずに電解処理水を1/4以下にすれば、該電解処理水1リットル当りのクーロン量が375×4=1500クーロン以上になる。
【0019】
陽極及び陰極に直流電流が負荷されると、中間室内の塩素イオン等の陰イオンは電流に比例して電気泳動により陽極室に移動し、ナトリウム等の陽イオンは陰極に移動する。陽極室内では、以下に示す反応式に基づいて水及び塩素イオンが陽極表面で反応する。
2H2O − 4e~ → O2 + 4H+ ・・・・・・(a)
2Cl~ − 2e~ → Cl2 ・・・・・・・・・(b)
4H2O ⇔ 4H+ + 4OH~ ・・・・・・・・(c)
4OH~ − 4e~ → O2 + 2H2O ・・・・・(d)
(b)式の反応で生成する塩素ガスは(e)式に基づき、水と反応して塩酸と次亜塩素酸を生成する。また、次亜塩素酸の一部は、(f)式に基づく平衡反応で水素イオンと次亜塩素酸イオンに解離する。
Cl2 + H2O ⇔ HCl + HClO ・・・・(e)
HClO ⇔ H+ + ClO~ ・・・・・・・・・(f)
【0020】
遊離塩素には、(e)式、(f)式で示すごとく、Cl2、HClO、ClO~の三つの形態がある。これらには殺菌力に差があり、ClO~は、他の二つに比べて1/80程度の殺菌力と言われている。図3は、一般によく使われている遊離塩素の存在比を表したKumpora,Linzの図である。この図は、pH値の変化に対するCl2、HClO、ClO~の三つの形態の遊離塩素の存在比を示している。しかし、この図は単にpH値だけを因子としているが、(e)式を化学平衡の観点から分析して見るとpH値以外にCl~イオンも化学平衡に関与している。すなわち、(e)式を更に分解して表現すると、次式(e’)式となる。
Cl2 + H2O ⇔ H+ + Cl~ + HClO ・・・・(e’)
【0021】
(e’)式に基づく化学平衡の場合、pH値が低い(水素イオン濃度が高い;H+が多い)と化学平衡は左に移行してCl2が増加し、またCl~イオンが増加しても化学平衡は左に移行してCl2が増加する。この関係を詳細に計算して示したものが図4である。先に説明した図3は、pH値が5以上であると殺菌力の弱いClO~イオンの割合が増加して好ましくないことを示している。図4は、pH値が低下すると遊離塩素を構成する塩素ガス(Cl2)の比率が高くなること、及び、含有する塩素イオン(Cl~イオン)の量が増加する〔図4では、35.5ppm、100ppm、180ppm、355ppm、及び607ppm(=NaCl:1000ppm)と増加している〕と遊離塩素を構成する塩素ガス(Cl2)の比率が高くなることを示している。しかして、塩素ガス(Cl2)は、次亜塩素酸(HClO)に比べて蒸発しやすいので、殺菌力の保持期間が短い。そのため、塩素ガス(Cl2)の生成は好ましくないので、塩素ガス(Cl2)の生成を押さえる。
【0022】
図5は、原水に食塩を約1000ppm(Cl~イオン=607ppm)を添加してpH2.2に設定して製造した従来法による酸性電解水(A)と、塩素イオン(Cl~イオン)含有量が180ppm、pHが2.6の本発明方法で製造した酸性電解水(B)と、塩素イオン(Cl~イオン)含有量が60ppm、pHが3.2の本発明方法で製造した本発明の酸性電解水(C)とについて、それぞれの酸性電解水を開放したペットボトルに入れ、各酸性電解水の遊離塩素濃度の経時変化を測定したグラフである。図5によると、上記の説明のとおり、殺菌力に最も関係する遊離塩素濃度の保持期間は、(A)>(B)>(C)の順序になっている。図6は、酸性電解水のpH値と酸化還元電位(ORP)との関係をプロットしたものである。酸化還元電位値を1000mV以上に保つにはpH値を4.5以下にする必要があることを示している。
【0023】
また本発明では、陽極室内に陽電極として、2枚以上の電極板を相互に接触させ電気的に導通するように配置したので、陽極室内に移動した塩素イオンに、上記(b)式に基づく反応を効率良く行わせることができる。すなわち、本発明では水電気分解装置に供給された原水から少量の電解処理用水を分流させ、この少量の電解処理用水を1500クーロン/リットル以上の電流負荷のもとで電解処理するが、このような場合には、陽極室に単に1枚の電極を配置したのみでは、電極表面で電解することなく電極に開けた多数の孔を通過してしまう塩素イオンが多く存在し、そのため製造した酸性電解水中の塩素イオン濃度が高くなる。ところが、陽極室に2枚以上の電極板を相互に電気的に導通するように配置すると、塩素イオンを効率良く補足し、したがって上記(b)式の反応を効率的に行せることができる。そのため、製造した酸性電解水中の遊離塩素濃度を15ppm以上に高め、一方塩素イオン濃度を100ppm以下に低下させることができる。また、陽極室に2枚以上の電極板を相互に電気的に導通するように配置することにより、電解電圧を下げ、電解効率を高めることができる。
【0024】
また、陰極側に供給する原水を非電解処理水と電解処理水とに分けて、陰極室に通す電解処理水の水量(リットル/分)を、負荷した直流電流(アンペア秒)を1500クーロンで除して算出した数値以下になるようにすることによって、陰極におけるスケールの付着が見られなくなる。すなわち、本発明方法によると、陰極にスケールは付着するトラブルを解消することができる。この作用効果は、陽極室の電極の配置に関係なく、すなわち陽極室に1枚の電極板が配置されたものであっても2枚以上の電極板が電気的に導通した状態で配置されたものであっても発揮される。この陰極に対するスケールの付着現象を減少させ得る理由を説明する。陰極において行われる主な電気分解反応は以下の通りである。
2H2O+2e~ → H2+2OH~ ・・・・・・・(i)
Na++e~ → Na ・・・・・・・・・・・・(j)
2Na+2H2O → 2Na++2OH~+H2 ・・(k)
上記の反応式のように、陰極では、水酸イオンや水素ガスの発生と共に、ナトリウム等の金属イオンが還元されて一旦金属となり、更に水と反応する現象が起こる。このとき水中にカルシウム、マグネシウム、シリカ等のイオンが存在するとそれらのイオンも同様な反応で還元され金属化されたり、カルシウム、マグネシウム等の成分が水酸化物を生成したりするため、これらがしばしば電極表面にスケールとして沈着する。
【0025】
このように、従来から水の電気分解の際に陰極にスケールが付着する現象は不可避なものとして考えられており、付着防止対策としては、軟水装置等を用いて原水中に含有する硬度成分を除去したり、電極に付着したスケールを酸で洗うなり、電極の極性を反転させてスケールを剥離させるなりの対策がとられている。従来の方法による電気分解でアルカリ性電解水を生成する場合の、陰極室に通水する電解用水に対して負荷する電流量は、およそ毎分1リットル当たり12アンペア程度(720クーロン/リットル)であるが、この条件の場合にはしばしば陰極板の表面に析出しスケールとなるのが観察されている。陰極室の側壁を透明の材料で製作した電解槽を用いて電気分解時の電極表面を目視観察し、陰極にスケールを析出させない条件を研究した結果、通水量に対して1500クーロン/リットル以上、好ましくは1800クーロン/リットル以上の電流を負荷し、陰極室のpHを12.1以上の強アルカリ性にするとスケールが電極表面に析出しないことを確認した。この理由は、強アルカリ条件のもとでは、多くのスケール成分は溶解しているか、或は結晶を析出させにくいためであると推測される。更に、陽極側の隔膜に比べて陰極側の隔膜のイオン透過率の方が大きいものを選択し、中間室内の水溶液のpH値を酸性に保つこともスケールの発生を防ぐ効果がある。
【0026】
本発明の電解水製造方法で、pH値が3〜5であり、遊離塩素濃度が15ppm以上、且つ塩素イオン濃度が100ppm以下の酸性電解水を得ることができる。本請求項1発明の製造方法では、記したように、陽極室内でpH1.9以下の強酸性水を生成させることができる。そして、原水と電解処理用水との割合、すなわち電解処理水を非電解処理水と合流させ希釈するときの割合を加減することによって、種々のpH値の酸性水にすることができる。上記の酸性電解水では、前述した殺菌力の強いHClO生成の観点から、また殺菌力に関係すると言われている酸化還元電位を1000mV以上に保ち易いと言う観点から、酸性電解水のpH値を3〜5、好ましくは3.1〜4.5にする。
【0027】
本発明の上記の陽極側に供給した原水を電解処理用水と非電解処理水とに分流させて電解処理する方式、陽極室内に陽極板を2枚以上配置する方式を採用することによって、上記の希釈割合を高めてpH値を3〜5と高くしても、その酸性電解水の遊離塩素濃度を15ppm以上、且つ塩素イオン濃度を100ppm以下に維持できる。従来の酸性電解水はpH値が2.7以下である。また、従来の酸性電解水の遊離塩素濃度は10〜60ppmで、塩素イオン濃度は335ppm(0.01モル)以上であり、金属を錆びさせたり、殺菌力の保持期間が短い問題点があったが、本発明の酸性電解水は、pH値が3〜5と高くても、遊離塩素が多いため殺菌性に優れており、塩素イオン濃度が100ppm以下と小さいためHClOが安定に存在し、蒸発しやすい塩素ガスの生成が少なく、殺菌力の保持期間を長く保てるし、金属に腐食、錆びを生じさせることが少ない。
【0028】
図2は、本発明方法で使用する水電気分解装置の他の例の断面図で、図1の電解槽の側壁(A、B)の内側に非電解処理水の流路を設けた例である。すなわち、陽極側では、側壁(A)の内側に隔壁(13)を設け、側壁(A)と隔壁(13)の隙間に非電解処理水(7)を通水する流路(G)も設けた例である。陽極室に通水する電解処理用水(6)は陽極室(D)に導入され、一方非電解処理水(7)は流路(G)に導入され、陽極室で電気分解された電解処理水と流路を通過した非電解処理水(7)は出口付近で再び混合され、配管(8)で排出される構造である。なお、電解処理水と非電解処理水との混合は、電解槽から出たところで配管内で混合してもよいし、隔壁(13)の上部出口付近に孔を設け、この孔を通して電解処理水を流路(G)に導き、ここで非電解処理水と混合し、配管(8)から排出させてもよい。また、電解用水(6)の導入方法は3通り有り、陽極室の下部に設けた入口から直接導入しても良いし、原水をまず流路(G)に導入して、隔壁(13)の下部に設けた孔から陽極室に導入しても良いし、隔壁(13)の上部に設けた出口用の孔から電解後の生成水及びガスと置換させて導入してもよい。
【0029】
また、陰極側では、側壁(B)の内側に隔壁(14)を設け、側壁(B)と隔壁(14)の隙間に非電解処理水(11)を通水する流路(H)を設ける。陰極室に通水する電解処理用水(10)は陰極室(E)に導入され、一方非電解処理水(11)は流路(H)に導入される。そして、陰極室(E)で電気分解された電解処理水と流路(H)を通過した非電解処理水は出口付近で再び混合され、配管(12)で排出される構造である。なお、電解処理水と非電解処理水との混合は、電解槽から出たところで配管内で混合してもよいし、隔壁(14)の上部出口付近に孔を設け、この孔を通して電解処理水を流路(H)に導き、ここで非電解処理水と混合し、配管(12)から排出させてもよい。また、電解用水(10)の導入方法は3通り有り、陰極室の下部に設けた入口から直接導入しても良いし、原水をまず流路(H)に導入してから隔壁(14)の下部に設けた孔から陰極室に導入してもよいし、隔壁(14)の上部に設けた出口用の孔から電解後の生成水及びガスと置換させて導入しても良い。また、陽極側を図2の装置とし、陰極側を図1の装置とするように、組み合わせて用いてもよい。
【0030】
図2の水電気分解装置を用いて水電気分解する方法は、図1で説明した方法に準じて行うことができる。また、図2の水電気分解装置においては、流路(G)、流路(H)が設けられている。流路(G)及び流路(H)を流れる水は、電気分解の際に陽極室内及び陰極内室に生じる熱を冷却する作用、効果がある。
【0031】
本発明の水電解処理装置で使用する電極板について説明する。電極板の材料は、例えば銅、鉛、ニッケル、クロム、チタン、タンタル、金、白金、酸化鉄、ステンレス鋼、炭素繊維やグラファイトの板などが用いられる。特に、陽極板の材料としてはチタンに白金族の金属をメッキしたり焼き付けしたりしたものが好ましく用いられる。また、陰極板の材料としては高クロムステンレス(SUS316L)やニッケルを使用してもよい。また、電極板には孔径1.0〜3.0mmの孔が多数設けられている。電極板は網状でもよい。また、本発明の水電解処理装置で使用する隔膜としては、陽極室と中間室を仕切る隔膜には陰イオン交換膜を使用する。また、中間室と陰極室を仕切る隔膜には陽イオン交換膜を使用するのが好ましいが、ポリ弗化ビニル系繊維、アスベスト、グラスウール、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリエステル繊維、芳香属ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維からなる織布や不織布を使用することもできる。電極板と隔膜とは密着させても、させなくてもよい。
【0032】
【実施例】
実施例1
図2に示す水電気分解装置を用いた本発明の実施例を説明する。陽極用の電極板(3)には、有効面積が50cm2の多数の孔(孔径1.0〜3.0mm)を有するのチタン板に白金/酸化イリヂウムを焼成した電極を用いた。陽極の電極板は、2枚、3枚又は5枚使用し、それぞれの場合について測定した。電極を複数枚使用する場合は、それぞれの電極板の一部が接触していて電気的に導通した状態とした。陰極用の電極板(4)には有効面積が50cm2(平方センチメートル)である多数の孔(孔径1.0〜3.0mm)を有するのチタン板に白金メッキした電極を使用した。陽極室と中間室の仕切の隔膜(1)には陰イオン交換樹脂膜を使用し、陰極室と中間室の仕切の隔膜(2)には陽イオン交換樹脂膜を使用し、中間室(F)には電解質として濃度約30%の塩化ナトリウム水溶液を充填した。
【0033】
電極板に負荷する直流電流は7.5アンペアに統一し、陽極側に供給した原水は、電解処理用水と非電解処理水に分流し、電解処理用水の水量を100cc/分に固定し、非電解処理水の水量を調節して両者を混合し生成する酸性電解水のpH値が2.6〜2.7の範囲になるようにコントロールした。また、陰極側に供給した原水は電解処理用水と非電解処理用水に分流し、それぞれの水量を電解処理用水100cc/分、非電解処理用水900cc/分とした。
また、同時に比較例として陽極の電極板が1枚の場合(No.1,2)、及び陽極室と中間室の仕切の隔膜に不織布(No.1)を使用した場合を示した。
表1は、酸性電解水の製造条件(電極枚数、隔膜の種類、電流)、消費電力及び酸性電解水の生成量、並びに得られた酸性電解水のpH、酸化還元電位(ORP)、遊離塩素含有量、塩素イオン濃度の測定値を表にしたものである。
【0034】
【表1】
Figure 0004090665
【0035】
以上の結果から明らかなように、陽極室と中間室の仕切の隔膜に不織布(No.1)を使用した場合に比べ、陰イオン交換樹脂膜(No.2)を使用すると、消費電力量が改善され、酸性電解水中に含まれる塩素イオンの濃度が減少する。
また、陽極に使用する電極枚数を増加させる(No.3〜5)と消費電力の改善及び製造能力が増加する。しかし、2枚(No.3)、3枚(No.4)、5枚(No.5)の比較では遊離塩素濃度の多少の増加が見られるがその他はほぼ同じである。むしろ5枚の場合にやや消費電力の増加がみられる。いずれの場合も塩素イオン濃度は1枚の例に比べて減少している。また、陰極へのスケールの付着は見られなかった。
【0036】
実施例2
pH値を3.1以上とし、遊離塩素を15ppm以上に保ち、塩素イオン濃度を100ppm以下に抑えた新しい物性を示す酸性電解水の製造条件及びそのデータの一例を表2に示す。
【0037】
【表2】
Figure 0004090665
【0038】
この表2に示す本発明の酸性電解水は、pH値が3.17、遊離塩素が25ppm、塩素イオン濃度は60ppmである。そして、図5のに示すごとく、pH値を3.1以上とし、遊離塩素を15ppm以上に保ち、塩素イオン濃度を100ppm以下に抑えた酸性電解水(図5のC)は、殺菌力に有効な遊離塩素濃度の保持期間が、従来の二室構造の電解装置で製造され一般に使用されているpH値2.7以下、酸化還元電位約1100mV、遊離塩素10〜40ppm、塩素イオン濃度300〜700ppmの酸性電解水(図5のA)に比べてはるかに長期間である。
【0039】
実施例3
本発明の製造方法で製造した酸性電解水と、従来の市販の製造装置で製造した酸性電解水を用いて、金属腐食試験を行い比較した。腐食試験用の金属として、SUS304ステンレススチール製のスプーン及び銅板を用いた。腐食試験方法はそれぞれのコップにサンプル水を入れ、その中にスプーン及び銅板をそれぞれ5日間浸して、水並びにスプーン及び銅板の変質を観察した。その結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
Figure 0004090665
【0041】
【発明の効果】
本発明方法によると、殺菌力を確保する上で最も重要な遊離塩素濃度を十分に高く(15ppm以上)保ち、しかも含有する電解質、特に塩素イオン量を極力少なく(100ppm以下)した、殺菌力の保持期間が長く、金属腐食を起こしにくい酸性電解水を、電解効率の大幅な改善と生産性の向上のもとに製造することができる。また、本発明の酸性電解水は、pH値が3〜5と高いにも関わらず、殺菌性に優れている。そして、塩素イオン含有量が少ないので、殺菌力の保持期間が長く、金属腐食を起こしにくい。したがって、医療器具の殺菌処理に好適であり、その他農業用分野などでの殺菌処理にも適用できる。
【0042】
また、電気分解により陰極にスケールが付着するトラブルが発生しやすいという従来の水電気分解の欠点を改善して、所定のpH2.0〜5.0の酸性電解水とpH10.5〜12.0のアルカリ性電解水を効率よく製造することができる。またスケールの付着を防止できるので、従来行われている定期的な電極の極の反転や、酸で洗うなどの操作が不要となり、また電解処理する原水の軟化装置も不要となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる水電気分解装置の一例の断面図
【図2】本発明で用いる水電気分解装置の他の例の断面図
【図3】遊離残留塩素の存在比を示すグラフ
【図4】遊離塩素とpHと塩素イオンとの関係を示すグラフ
【図5】酸性電解水中の遊離塩素の経時変化を示すグラフ
【図6】酸性電解水の酸化還元電位とpHとの関係を示すグラフ
【符号の説明】
A,B,C 電解槽の壁、D 陽極室、E 中間室、F 陰極室、G,H 流路、1,2 隔膜、3 陽極板、4 陰極板、5 陽極側への原水、6 電解処理用水、7 非電解処理水、8 酸性電解水、9 陰極側への原水、10 電解処理用水、11 非電解処理水、12、アルカリ性電解水、6’,7’,10’,11’ バルブ

Claims (2)

  1. 2枚の隔膜で仕切られた陽極室と中間室と陰極室との三室からなり、(1)陽極室と中間室を隔離する隔膜が陰イオン交換膜であり、(2)中間室と陰極室を隔離する隔膜が陽イオン交換膜又は不織布や織布であり、(3)陽極室には多数の孔がある陽極板が、また陰極室には多数の孔がある陰極板がそれぞれ設置され、該陽極室の陽極板は少なくとも2枚の電極板同士が電気的に導通した状態で配置されたものであり、且つ(4)中間室には塩素イオンを含む電解質を収納した電解槽を用いて電解水を製造する方法であって、陽極側に供給する原水を電解処理用水と非電解処理水とに分流させ、該電解処理用水を原水の1/4以下の割合で陽極室に通水させ、陽極室から排出した電解処理水を再び非電解処理水と合流させ、また上記の陽極に電解処理用水1リットル当たり1500クーロン以上の直流電流を負荷することを特徴とする電解水製造方法。
  2. 2枚の隔膜で仕切られた陽極室と中間室と陰極室との三室からなり、(1)陽極室と中間室を隔離する隔膜が陰イオン交換膜であり、(2)中間室と陰極室を隔離する隔膜が陽イオン交換膜又は不織布や織布であり、(3)陽極室には多数の孔がある陽極板が、また陰極室には多数の孔がある陰極板がそれぞれ設置され、該陽極室の陽極板は少なくとも2枚の電極板同士が電気的に導通した状態で配置されたものであり、且つ(4)中間室には塩素イオンを含む電解質を収納した電解槽を用いて電解水を製造する方法であって、(a)陽極側に供給する原水を電解処理用水と非電解処理水とに分流させ、該電解処理用水を原水の1/4以下の割合で陽極室に通水させ、陽極室から排出した電解処理水を再び非電解処理水と合流させ、また(b)陰極側に供給する原水を電解処理用水と非電解処理水とに分流させ、該電解処理用水を陰極室に通水させ、陰極室から排出した電解処理水を再び非電解処理水と合流させ、且つ(c)陰極室に供給する電解処理の水量(リットル/分)を、負荷する直流電流(アンペア秒)を1500クーロンで除した数値以下にすることを特徴とする電解水製造方法。
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