JP4090098B2 - 走査光学装置 - Google Patents
走査光学装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4090098B2 JP4090098B2 JP00006198A JP6198A JP4090098B2 JP 4090098 B2 JP4090098 B2 JP 4090098B2 JP 00006198 A JP00006198 A JP 00006198A JP 6198 A JP6198 A JP 6198A JP 4090098 B2 JP4090098 B2 JP 4090098B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lens
- holding member
- light source
- refractive index
- design value
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B26/00—Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
- G02B26/08—Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
- G02B26/10—Scanning systems
- G02B26/12—Scanning systems using multifaceted mirrors
- G02B26/124—Details of the optical system between the light source and the polygonal mirror
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
- Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
- Lenses (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源に可視光レーザを用いた走査光学系の、温度補償に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、走査光学系の光源部の温度補償の分野では、例えば特開平4−107518号公報に記載されている如く、図5に示すような複数の集光レンズ群保持部材21を組み合わせる事で、温度変化によるレーザ光源22と集光レンズ群23との間隔変化を補償する技術が提案されている。尚、同図の24は凹レンズ、25はレンズホルダである。また、特開昭61−162014号公報に記載されている如く、半導体レーザの発振波長の温度による変化を、光源保持部材の長さ変化で補償する技術が提案されている。
【0003】
また、集光レンズを1枚のレンズで構成すると、温度変化によってレーザの発振波長が変わる事に起因し、光源部の焦点距離が変化するが、これによる被走査媒体上での結像点のズレを補償する方法として、上記特開昭61−162014号公報では、さらに、光源部保持部材の熱変形による発光点と集光レンズとの間隔の変化量が、前記焦点距離の変化量に等しくなるように、保持部材の線膨張係数を選ぶ方法を示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平4−107518号公報に記載されているような構成では、上述したように、温度補償しているのはレーザ光源と集光レンズ群との間隔であり、集光レンズ群の焦点距離は変化しないものとして扱われている。ところが実際は、波長や温度による屈折率変化で焦点距離は変化するのであり、集光レンズ群に複数のガラス材を用いてこれらを抑える構成にする事は可能であるが、レンズ枚数が多くなるため、部品や組立工数の面でコストアップとなるという問題がある。
【0005】
また、上記特開昭61−162014号公報に記載されているような構成では、コリメータレンズの温度による屈折率変化や熱膨張、及びfθレンズ系の温度による影響が考慮されていない。更に可視光の場合、上記焦点距離変化が大きいため、保持部材として線膨張係数の大きいものが必要になり、この場合は材料選択の幅が狭く、ガラス繊維入りの樹脂においてその配合比率を変える程度しか方法がない。そして、この保持部材を1種類の線膨張係数の部材で構成しようとすると、前記配合比率を微調整する事が必要となり、そのような樹脂材料を安価に入手する事は困難であるという問題がある。
【0006】
また、レーザの発振波長を短波長化する事でビームを小径化し、コリメータレンズを1枚で構成する事で低コスト化しようとする場合、発振波長が短くなるほど波長変化によるガラス材の屈折率変化が大きくなり、温度変化に対して不利になるという問題がある。
【0007】
本発明は、これらの問題点に鑑み、波長による屈折率変化が大きい可視光領域においても、集光レンズを1枚のレンズで構成し、温度変化による被走査媒体上での結像点のズレを補償する事が可能な光源部を持つ走査光学装置、さらには走査光学系において、結像位置を検出してフィードバックをかけるような高価なオートフォーカス機構を用いる事なく、簡単な構成で、fθレンズ系の温度変化も含めた全光学系の温度補償を施した走査光学装置を提供する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、可視光レーザを発振する光源と、該光源からの光束を略平行にする第1レンズと、該第1レンズにより略平行にされた前記光束を偏向する偏向器と、該偏向器により偏向された前記光束を被走査媒体上に結像させる第2レンズ群とを備えた走査光学装置において、前記光源の発振波長をλとすると、460nm<λ<650nmの範囲内であり、前記第1レンズが1枚のレンズで構成される走査光学装置であって、前記第1レンズを保持する第1の保持部材と、前記光源と前記第1の保持部材とを連結する第2の保持部材とを有し、前記第1の保持部材と第2の保持部材との固定位置は、前記光源から見て前記第1レンズよりも遠方であり、前記第1の保持部材の線膨張係数をα1とし、前記第2の保持部材の線膨張係数をα2とした時、α1<α2であり、温度変化による前記第1レンズと第2レンズ群の曲率変化或いは屈折率変化によって起こる前記被走査媒体上での主走査方向の結像点のズレを、前記第1,第2の保持部材により補償するようにした事を特徴とする。
【0009】
また、前記温度変化がΔt(deg)である時、前記第1レンズの焦点距離変化による前記被走査媒体上での結像点のズレを補償するための前記光源の発光点シフト量をL1(mm)、前記第2レンズ群の焦点距離変化による前記被走査媒体上での結像点のズレを補償するための前記光源の発光点シフト量をL2(mm)、前記第1,第2の保持部材の熱変形による前記発光点と前記第1レンズとの間の距離変化量をL3(mm)とすると、以下の条件を満たす構成とする。
|L1+L2−L3|<0.0001(mm/deg)・Δt
【0010】
但し、L1,L2,L3は次の関係式により算出される。
nCO′=nCO+{−(nCO−1)νCO -1・Δλ+dCO}・Δt
nf′=nf+{−(nf−1)νf -1・Δλ+df}・Δt
flf′={(nf−1)/(nf′−1)+ΔLf・Δt}flf
L1=fl CO ′−fl CO ={(nCO−1)/(nCO′−1)+ΔLCO・Δt−1}flCO
L2=(1/flf−1/flf′)flCO 2
L3=(Lb・α2−La・α1)・Δt
また、
Δλ:発振波長温度依存係数
nCO:第1レンズの屈折率(設計値)
nCO′:第1レンズの屈折率(温度変化時)
nf:第2レンズ群の屈折率(設計値)
nf′:第2レンズ群の屈折率(温度変化時)
flCO:第1レンズの焦点距離(設計値)
flCO′:第1レンズの焦点距離(温度変化時)
fl CO ′={(n CO −1)/(n CO ′−1)+ΔL CO ・Δt } fl CO
flf:第2レンズ群の焦点距離(設計値)
flf′:第2レンズ群の焦点距離(温度変化時)
νCO -1:第1レンズの分散率
νf -1:第2レンズ群の分散率
dCO:第1レンズの屈折率温度依存係数
df:第2レンズ群の屈折率温度依存係数
ΔLCO:第1レンズの線膨張係数
ΔLf:第2レンズ群の線膨張係数
La:第1の保持部材と第2の保持部材の固定位置から第1レンズまでの光軸上の距離(設計値)
Lb:光源の発光点から第1の保持部材と第2の保持部材の固定位置までの光軸上の距離(設計値)
である。
【0011】
また、別の構成として、可視光レーザを発振する光源と、該光源からの光束を略平行にする第1レンズと、該第1レンズにより略平行にされた前記光束を偏向する偏向器と、該偏向器により偏向された前記光束を被走査媒体上に結像させる第2レンズ群とを備えた走査光学装置において、前記光源の発振波長をλとすると、460nm<λ<650nmの範囲内であり、前記第1レンズが1枚のレンズで構成される走査光学装置であって、前記第1レンズを保持する第1の保持部材と、前記光源と前記第1の保持部材とを連結する第2の保持部材とを有し、前記第1の保持部材と第2の保持部材との固定位置が、前記第1レンズより前記偏向器側にあり、前記第1の保持部材と第2の保持部材は互いに線膨張係数が異なっており、温度変化による前記光源の発振波長の変化或いは前記第1レンズと第2レンズ群の曲率変化或いは屈折率変化によって起こる前記被走査媒体上での主走査方向の結像点のズレを、前記第1,第2の保持部材により補償するようにした事を特徴とする。但し、前記光源の発振波長の温度に対する変化率をΔλ(nm・deg-1),前記第1レンズのガラス材における分散率をνCO -1とするとき、νCO -1・Δλが以下の条件式を満足する。
{α−L2’+dCO/(nCO−1)−ΔLCO}−ΔX’≦νCO -1・Δλ
≦{α−L2’+dCO/(nCO−1)−ΔLCO}+ΔX’
【0012】
尚、α,L2',ΔX'は次の関係式により算出される。
α=(L b ・α2−L a ・α1)/fl CO
L2’={νf -1・Δλ−df/(nf−1)+ΔLf}・flCO/flf
ΔX’=0.25・D0 2・flCO/(|Δt|・λ・flf 2)
Δt=±30deg
但し、
nCO:第1レンズの屈折率(設計値)
dCO:第1レンズの屈折率温度依存係数
ΔLCO:第1レンズの線膨張係数
α:光源部保持部材の合成線膨張係数
α1:第1の保持部材の線膨張係数
α2:第2の保持部材の線膨張係数
L a :第1の保持部材と第2の保持部材の固定位置から第1レンズまでの光軸上の距離(L a >0,設計値)
L b :光源の発光点から第1の保持部材と第2の保持部材の固定位置までの光軸上の距離(L b >0,設計値)
flCO:第1レンズの焦点距離(設計値)
flf:第2レンズ群の焦点距離(設計値)
nf:第2レンズ群の屈折率(設計値)
νf -1:第2レンズ群の分散率
df:第2レンズ群の屈折率温度依存係数
ΔLf:第2レンズ群の線膨張係数
D0:ビーム径(設計値)
±Δt:温度変化(性能保証範囲)
である。
【0013】
或いは、可視光レーザを発振する2つの光源と、該2つの光源からの光束を合成するキューブビームスプリッタと、前記2つの光源からの光束を略平行にする第1レンズと、該第1レンズにより略平行にされた前記光束を偏向する偏向器と、該偏向器により偏向された前記光束を被走査媒体上に結像させる第2レンズ群とを備えた走査光学装置において、前記2つの光源の発振波長をλとすると、460nm<λ<650nmの範囲内であり、前記第1レンズが1枚のレンズで構成される走査光学装置であって、前記第1レンズを保持する第1の保持部材と、前記光源と前記第1の保持部材とを連結する第2の保持部材とを有し、前記第1の保持部材と第2の保持部材との固定位置が、前記第1レンズより前記偏向器側にあり、前記第1の保持部材と第2の保持部材は互いに線膨張係数が異なっており、温度変化による前記光源の発振波長の変化或いは前記第1レンズと第2レンズ群の曲率変化或いは屈折率変化によって起こる前記被走査媒体上での主走査方向の結像点のズレを、前記第1,第2の保持部材により補償するようにした事を特徴とする。但し、前記光源の発振波長の温度に対する変化率をΔλ(nm・deg-1),前記第1レンズのガラス材における分散率をνCO -1とするとき、νCO -1・Δλが以下の条件式を満足する。
{α+L4’−L2’+dCO/(nCO−1)−ΔLCO}−ΔX’≦νCO -1・Δλ
≦{α+L4’−L2’+dCO/(nCO−1)−ΔLCO}+ΔX’
【0014】
尚、α,L2’,ΔX’,L4’は次の関係式により算出される。
α=(L b ・α2−L a ・α1)/fl CO
L2’={νf -1・Δλ−df/(nf−1)+ΔLf}・flCO/flf
ΔX’=0.25・D0 2・flCO/(|Δt|・λ・flf 2)
L4’=Lp{(ΔLp・|Δt|+1)/np’−1/np−ΔLp・|Δt|}/flCO /|Δt|
np’=np+{(np−1)・νp -1・Δλ+dp}・Δt
Δt=±30deg
但し、
nCO:第1レンズの屈折率(設計値)
dCO:第1レンズの屈折率温度依存係数
ΔLCO:第1レンズの線膨張係数
α:光源部保持部材の合成線膨張係数
α1:第1の保持部材の線膨張係数
α2:第2の保持部材の線膨張係数
L a :第1の保持部材と第2の保持部材の固定位置から第1レンズまでの光軸上の距離(L a >0,設計値)
L b :光源の発光点から第1の保持部材と第2の保持部材の固定位置までの光軸上の距離(L b >0,設計値)
flCO:第1レンズの焦点距離(設計値)
flf:第2レンズ群の焦点距離(設計値)
nf:第2レンズ群の屈折率(設計値)
νf -1:第2レンズ群の分散率
df:第2レンズ群の屈折率温度依存係数
ΔLf:第2レンズ群の線膨張係数
D0:ビーム径(設計値)
±Δt:温度変化(性能保証範囲)
Lp:キューブビームスプリッタの一辺の長さ(設計値)
np:キューブビームスプリッタの屈折率(設計値)
dp:キューブビームスプリッタの屈折率温度依存係数
ΔLp:キューブビームスプリッタの線膨張係数
νp -1:キューブビームスプリッタの分散率
である。
【0016】
さらに、前記光源の発光部はパッケージを有していて、前記保持部材の合成線膨張係数αが以下の式で算出される構成とする。
α={Lb・α2−La・α1+LC・(α2−α3)}/flCO
但し、
LC:光源の発光点から第2の保持部材とパッケージの固定位置までの光軸上の距離(設計値)
α3:パッケージの線膨張係数
である。
【0017】
また、前記第1レンズはガラスレンズであり、前記光源の発振波長付近におけるそのガラス材の分散率νCO -1は、以下の条件式を満足する構成とする。
νCO -1≦2.0×10-4
また、前記第2の保持部材の材質がプラスチックである構成とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の走査光学装置の基本構成を模式的に示した斜視図である。同図に示すように、光源部1から出たレーザ光は、シリンドリカルレンズ2を通過して断面が線状となり、回転するポリゴンミラーより成る偏向器3により偏向される。そして、fθレンズ系である第2レンズ群4を通過し、ミラー5に反射されて被走査面6に入射する。尚、後述するように、光源部1にはレーザ発光する光源,光源保持部材,コリメータレンズ系である第1レンズが含まれている。
【0019】
《第1の実施形態》
図2は、本発明の第1の実施形態に係る上記光源部1の縦断面図である。同図に示すように、レーザ発光する光源7は、保持部材A,Bを介して第1レンズ9と光軸上に結合されている。また、同図の寸法線La は保持部材Aと保持部材Bの固定位置から第1レンズ9までの光軸上の距離を示しており、Lb は光源7の発光点8から保持部材Aと保持部材Bの固定位置までの光軸上の距離を示している。
【0020】
以下の表は、主走査方向(偏向面と平行な面上)での構成における、各構成要素の常温(t=20℃)での仕様を示したものである。シリンドリカルレンズは、この面内で屈折力を持たない事から省略している。また、偏向面も省略している。
〔表1〕レーザ(光源)
発振波長 [nm] 635
発振波長温度依存係数(Δλ)[nm/deg] 0.23
【0021】
〔表2〕光学系(λ=635nm)
コリメータレンズ fθレンズ
焦点距離 [mm] 15 300
ガラス材 SF55 ZEONEX
屈折率 1.69564 1.52305
線膨張係数(ΔL) [ deg-1] 7.9×10-6 6.9×10-5
屈折率温度依存係数(d)[deg-1] 9.5×10-6 −8.4×10-5
レンズの分散率(ν-1) [nm-1] 12.81×10-5 7.48×10-5
【0022】
〔表3〕光源部保持部材
保持部材A 保持部材B
材料 Fe PC−GF30
線膨張係数(α1,α2)[ deg-1]1.17×10-5 3.2×10-5
【0023】
この構成において、温度変化Δtが20degの場合について、以下に説明する。温度上昇時(Δt=+20deg,t=40℃)のレーザの発振波長は、
である。
【0024】
光学系のコリメータレンズの屈折率は、
であり、その焦点距離は、
である。
【0025】
また、コリメータレンズの焦点距離変化による像面シフトを補正するためのレーザ発光点シフト量(L1)は、
である。
【0026】
fθレンズの屈折率は、
であり、その焦点距離は、
である。
【0027】
また、fθレンズの焦点距離変化による像面シフトを補正するためのレーザ発光点シフト量(L2)は、
である。式(4),(7)より、
L1+L2=1.08×10-2[mm] (8)
となる。
【0028】
また、光源部保持部材のレーザ発光点〜コリメータレンズ間の変化量(L3)は、保持部材Aの長さLa 、保持部材Bの長さLb =La +flCOとすると、
L3={(flCO+La )・α2−La ・α1}・Δt (9)
La =(L3−flCO・α2・Δt)/(α2−α1)/Δt (10)
である。ここで、
L3=L1+L2 (11)
となるようLa を求めると、
となる。
【0029】
但し、
Δλ :発振波長温度依存係数
nCO :第1レンズの屈折率(設計値)
nCO′ :第1レンズの屈折率(温度変化時)
nf :第2レンズ群の屈折率(設計値)
nf ′ :第2レンズ群の屈折率(温度変化時)
flCO :第1レンズの焦点距離(設計値)
flCO′:第1レンズの焦点距離(温度変化時)
flf :第2レンズ群の焦点距離(設計値)
flf ′:第2レンズ群の焦点距離(温度変化時)
νCO -1 :第1レンズの分散率
νf -1 :第2レンズ群の分散率
dCO :第1レンズの屈折率温度依存係数
df :第2レンズ群の屈折率温度依存係数
ΔLCO :第1レンズの線膨張係数
ΔLf :第2レンズ群の線膨張係数
La :保持部材Aと保持部材Bの固定位置から第1レンズまでの光軸上の距離
Lb :光源の発光点から保持部材Aと保持部材Bの固定位置までの光軸上の距離
である。
【0030】
まず、温度変化によるレンズの屈折率変化について説明すると、本実施形態のように色消しレンズでない場合、式(1)に示すレーザの発振波長の変化による屈折率変化の影響を無視する事ができない。特に可視光域では、波長変化による屈折率変化が大きく、ガラス材によっては従来使用されているλ=780nm付近のものに対して2倍近い値となる。従って、式(2),(5)に示すように、温度変化による屈折率変化と波長変化による屈折率変化の両方について考えなければならない。
【0031】
次に、焦点距離について説明すると、上記屈折率変化に加えてレンズの熱変形の影響も受けるため、温度変化後の焦点距離は、式(3),(6)で示す様なものになる。この結果、コリメータレンズ,fθレンズ共、焦点距離は延び、レーザ発光点が変わらなければ、被走査媒体上での結像点は+側へシフトする。この結像点のシフトを補正するために必要な、レーザ発光点とレンズとの間隔の変化量が、それぞれ式(4),(7)で算出されるので、式(8)で示すようなこの2つの値の和に等しい変化量を、光源保持部材の熱変形によって作り出す事となる。
【0032】
尚、式(4)では、
レーザ発光点シフト量=(コリメータレンズの)焦点距離変化量
としている。この関係が厳密に成立するのは、レーザ発光点から発散された光束が、コリメータレンズによって完全な平行光になる構成の場合であるが、走査光学装置の光源部として構成する事ができる程度の、平行光に近い収束光,発散光になるような配置の場合でも、ほぼこの関係を満足する。また、式(7)も式(4)と同様に平行光の場合のものであるが、式(4)の場合以上にコリメータレンズからの光束の状態には影響されないため、無視する事ができる。
【0033】
さらに、保持部材の熱変形によるレーザ発光点とレンズ間の変化量(L3)を示したのが式(9)である。この式を保持部材Aと保持部材Bの固定位置から第1レンズまでの光軸上の距離La について解いたものが式(10)であり、ここでのL3を、式(11)に示すようにL3=L1+L2とする事で、温度補償系を成立させるためのLa ,Lb を算出する事ができる。本実施形態の場合、La =3mm,Lb =18mmとなる。レーザ発光点とレンズ間は、誤差感度が非常に高いので、組立調整時に保持部材Bに対して保持部材Aをスライドさせ、間隔を調整する事が必要になるが、この調整量はミクロンオーダーであり、温度補償系に影響を与えるレベルではない。
【0034】
以上説明したように、温度補償系を成立させるためには、
L1+L2−L3≒0
を満足させる事が必要である。被走査面上での焦点深度、及び上記
レーザ発光点シフト量=(コリメータレンズの)焦点距離変化量
とする事による若干の影響を考慮すると、上記関係式は次式のように置き換えられる。
|L1+L2−L3|<0.002[mm]
さらに、本実施形態では温度変化Δt=20degとしている事から、
|L1+L2−L3|<0.0001・Δt (12)
とする事で、関係式を一般化する事ができる。
【0035】
尚、本発明の光源部は、発振波長と線膨張係数以外は従来例とほぼ同じ形態である。即ち、La <Lb である。上記特開平4−107518号公報に見られるような従来例の場合、光源とコリメータレンズとの間隔が、温度変化による影響を受けないようにするため、長い保持部材の材質として小さい線膨張係数のものを用い、短い保持部材の材質として大きい線膨張係数のものを用いている。即ち、La <Lb 且つα1>α2である。
【0036】
上記従来例の様な状態が成立するのは、波長変化が小さい場合或いは波長変化の影響を受けにくい場合、及び屈折率変化が小さい場合である。具体的には、
1.λ=780nm(波長変化に対する屈折率変化が小さい)。
2.コリメータレンズが色消し(負レンズを含む複数構成)である。
3.fθレンズ系がガラスレンズで構成されている。
という条件である。
【0037】
一方、本発明が想定している構成は、上記1〜3とは相反するものであり、このような構成で光源とコリメータレンズとの間隔が変わらなければ、温度上昇時に像面は+側に大きくシフトする。これを補償するには、光源とコリメータレンズの間隔を広げなければならない。そのためには、温度上昇時に光源とコリメータレンズとの間隔を広げるように作用する保持部材Bの線膨張係数α2を大きくし、逆に、光源とコリメータレンズとの間隔を狭くするように作用する保持部材Aの線膨張係数α1を小さくする事が望ましい。故に、本発明ではα1<α2となるように設定している。
【0038】
ところで、本発明で使用する可視光レーザの発振波長の範囲は、
460nm<λ<650nm
を想定している。上記範囲外においては、長波長側ではα1>α2でないと構成が難しいし、短波長側ではガラスの分散率が大きくなりすぎ、式(12)を満足させるような第1レンズのガラス材と保持部材との組み合わせが殆どなくなってしまう。これらの構成は、以下の第2の実施形態においても想定している。
【0039】
《第2の実施形態》
図2は、上記第1の実施形態に係るとともに、第2の実施形態の後述する実施例1,4に係る光源部の縦断面図である。また図3は、保持部材の固定位置がレーザの発光点と距離を持っている場合を考慮したものであり、後述する実施例2,5に係る光源部の縦断面図である。また図4は、2つの光源から出たレーザ光を走査する光学系において、発光点とコリメータレンズとの間にキューブビームスプリッタを用いた場合を示したものであり、後述する実施例3,6に係る光源部の縦断面図である。
【0040】
本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、シリンドリカルレンズ及び偏向面を省略している。まず、温度変化Δtによるレンズの屈折率変化について説明する。レンズの屈折率は、直接温度変化によって変化するものだけでなく、光源である半導体レーザの発振波長変化によるものも考慮しなければならない。これは、次式で算出される。
n′=n+{−(n−1)ν-1・Δλ+d}・Δt
【0041】
但し、
n :温度変化を受ける前のレンズの屈折率
n′:温度変化Δt後のレンズの屈折率
ν-1:レンズの分散率
Δλ:レーザの発振波長温度依存係数
d :レンズの屈折率温度依存係数
である。
【0042】
次に、焦点距離の変化であるが、上記の屈折率変化に加えて、レンズの熱変形(熱膨張)の影響も受ける。これは、次式で算出される。
fl′={(n−1)/(n′−1)+ΔL・Δt}fl
【0043】
但し、
fl :温度変化を受ける前のレンズの焦点距離
fl′:温度変化Δt後のレンズの焦点距離
ΔL :レンズの線膨張係数
である。
【0044】
この結果、温度変化Δtが正のとき、即ち温度上昇した場合、コリメータレンズ(第1レンズ),fθレンズ(第2レンズ群)共、焦点距離は延びるので、レーザ発光点とコリメータレンズとの間隔が変わらなければ、被走査媒体上での結像点は+側へシフトする。
【0045】
次に、この結像点のシフトを補償するために必要な、レーザ発光点とコリメータレンズとの間隔変化量を算出する。この変化量は、コリメータレンズによるもの(L1)と、fθレンズによるもの(L2)についてそれぞれ算出する。温度補償系を構成するには、この2つの値の和に等しい変化量を、光源保持部材の熱変形によって作り出さなければならない。
【0046】
まず、コリメータレンズの焦点距離変化による像面シフトを補正するための、レーザ発光点シフト量L1は、
となる。
【0047】
尚、上記の式では、
レーザ発光点シフト量=(コリメータレンズの)焦点距離変化量
としている。この関係が厳密に成立するのは、レーザ発光点から発散された光束が、コリメータレンズによって完全な平行光になる構成の場合であるが、走査光学装置の光源部として構成する事ができる程度の、平行光に近い収束光,発散光になるような配置の場合でも、ほぼこの関係を満足する。
【0048】
また、fθレンズの焦点距離変化による像面シフトを補正するためのレーザ発光点シフト量L2は、
となる。上記の式もL1の場合と同様に平行光の場合のものであるが、L1の場合以上にコリメータレンズからの光束の状態には影響されないため、無視する事ができる。
【0049】
但し、
flCO :第1レンズの焦点距離(設計値)
flCO′:第1レンズの焦点距離(温度変化時)
flf :第2レンズ群の焦点距離(設計値)
flf ′:第2レンズ群の焦点距離(温度変化時)
νCO -1 :第1レンズの分散率
νf -1 :第2レンズ群の分散率
dCO :第1レンズの屈折率温度依存係数
df :第2レンズ群の屈折率温度依存係数
ΔLCO :第1レンズの線膨張係数
ΔLf :第2レンズ群の線膨張係数
である。
【0050】
一方、レーザ発光点とコリメータレンズとの間隔を実際に変化させるのは、光源保持部材の熱変形(熱膨張)である。この変化量をL3とすると、
となる。
【0051】
但し、
α :保持部材の線膨張係数
La :保持部材Aと保持部材Bの固定位置から第1レンズまでの光軸上 の距離
Lb :光源の発光点から保持部材Aと保持部材Bの固定位置までの光軸 上の距離(Lb =flCO+La )
α1 :保持部材Aの線膨張係数
α2 :保持部材Bの線膨張係数
LC :光源の発光点から保持部材BとLD(レーザダイオード)パッケージの固定位置までの光軸上の距離
α3 :LDパッケージの線膨張係数
である。
【0052】
上記L3の式の上段は、保持部材の線膨張係数が1種類からなる場合、或いは異なる線膨張係数を持つ複数の保持部材からなる場合に、αをそれらの合成線膨張係数としたときの変化量計算式である。発光点とコリメータレンズとの間隔は、コリメータレンズの焦点距離flCOとして問題はないため、L3は線膨張係数α,の焦点距離flCO,温度変化Δtの積で計算する事ができる。中段の式は、保持部材を2部材で構成した場合のものであり、α1,α2,La を選ぶ事で、必要な合成線膨張係数αを作る事ができる。図2はこの状態を示したものである。
【0053】
下段の式は、光源であるLD(レーザダイオード)の発光部がパッケージに入っていて、このLDパッケージと保持部材Bの固定位置が、LDの発光点との間で(光軸方向に)距離を持っている場合のものである。LDパッケージの材料は、通常は決まっているので、合成線膨張係数αを作るための変数の1つとは言えないが、コリメータレンズの焦点距離が短い場合には、考慮しなくてはならないものである。
【0054】
以上説明したように、温度補償系を成立させるためには、
L1+L2≒L3
を満足させる事が必要である。即ち、上記関係式は、ΔXを許容値として、次式のように置き換えられる。
|L1+L2−L3|≦ΔX
【0055】
許容値ΔXは、装置内部の温度変化±Δtを性能保証範囲とし、またこの時の像面上でのビーム径変化D/D0 の許容値を規定し、そこから決めるのが妥当である。そこで、
D/D0 ≦1.05
と規定すると、これより像面シフト量の許容値を算出する事ができる。但し、
D0 :温度変化を受ける前の像面上でのビーム径
D :温度変化Δt後の像面上でのビーム径
である。
【0056】
ここで、像面シフト許容量(焦点深度)をdXf とし、レーザの発振波長をλと置くと、
dXf =πD0 2/4λ・{(D/D0 )2 −1}1/2
となる。ΔXは光源側での深度になるので、ΔX=flCO 2 /flf 2・dXf より、
となり、上記の式から発振波長やビーム径、及びレンズの焦点距離に応じた適正な許容値を求める事ができる。
【0057】
また、L1,L2,L3は、いずれもflCO・Δtの項を含む事から、
L1=L1′・flCO・|Δt|
L2=L2′・flCO・|Δt|
L3=L3′・flCO・|Δt|=α・flCO・|Δt|
ΔX=ΔX′・flCO・|Δt|
と置き換えると、温度補償系を成立させるための条件式|L1+L2−L3|≦ΔXは、次式のように置き換えられる。
α−L2′−ΔX′≦L1′≦α−L2′+ΔX′
即ち、
よって、上記の条件式を満足するような分散率νCO -1を持つガラス材をコリメータレンズ(第1レンズ)に採用すれば良い。
【0058】
次に、図4に示すような2つの光源7a,7bを持つ2LD走査系で、発光点とコリメータレンズとの間にキューブビームスプリッタ10を用いた場合について説明する。温度変化Δtによって、ビームスプリッタは他のレンズと同じように屈折率が変わるほか、熱膨張によってプリズムの大きさが変わる。これらの結果生じる光路長の変化量をL4とすると、
L4=Lp {(ΔLp ・Δt+1)/np ′−1/np −ΔLp ・Δt}
となる。
【0059】
但し、
np ′=np +{(np −1)・νp -1 ・Δλ+dp }・Δt
ここで、
Lp :キューブビームスプリッタの一辺の長さ
ΔLp ,np ,np ′,νp -1 ,dp :キューブビームスプリッタの諸量
である。
【0060】
従って、キューブビームスプリッタを発光点とコリメータレンズとの間に配置した構成において、温度補償系を成立させるための条件式は、
|L1+L2−L3−L4|≦ΔX
となる。L4=L4′・flCO・|Δt|と置き換えると、
α+L4′−L2′−ΔX′≦L1′≦α+L4′−L2′+ΔX′
即ち、
{α+L4′−L2′+dCO/(nCO−1)−ΔLCO}−ΔX′
≦νCO -1・Δλ
≦{α+L4′−L2′+dCO/(nCO−1)−ΔLCO}+ΔX′…条件式▲2▼
である。
【0061】
よって、キューブビームスプリッタを発光点とコリメータレンズとの間に用いた場合には、上記の条件式▲2▼を満足するような分散率νCO -1を持つガラス材をコリメータレンズ(第1レンズ)に採用すれば良い。尚、ビームスプリッタが薄い板ガラスのハーフミラーである場合や、コリメータレンズと偏向器との間にキューブビームスプリッタが配置されている場合には、それらによる温度変化の影響は無視できるので、この場合には条件式▲2▼ではなく、キューブビームスプリッタを用いない条件式▲1▼を使用すれば良い。以下に、各実施例における諸量について述べる。
【0062】
[実施例1〜3]
〔表4〕レーザ(光源)
発振波長(nm) [nm] 635
発振波長温度依存係数(Δλ)[nm/deg] 0.23
【0063】
但し、L′=ν-1・Δλ−d/(n−1)+ΔLである。
【0064】
〈実施例1〉
Δt =±30deg D0 =70μm
flCO= 10mm 1LD,LC =0
flf =350mm fθ系のガラス材:ZEONEX
La = 3.3mm α1=1.17×10-5(Fe)
Lb =13.3mm α2=3.20×10-5(PC−GF30%)
【0065】
【0066】
L1′=L′であるので、上表よりコリメータレンズとして適当なガラス材を選べば、温度補償系を構成する事ができる。この例の場合、SF6,SF55が適当である。このとき、像面シフト許容量(焦点深度)dXf が、
であるのに対して、SF6を選んだ場合のΔtでの像面シフト量ΔXf は、
である。
【0067】
〈実施例2〉
Δt =±30deg D0 =70μm
flCO= 7mm 1LD
flf =250mm fθ系のガラス材:ZEONEX
La = 3mm α1=2.30×10-5(Al)
Lb = 10mm α2=3.20×10-5(PC−GF30%)
LC =2.5mm α3=1.70×10-5(Cu)
【0068】
【0069】
L1′=L′であるので、上表よりコリメータレンズとして適当なガラス材を選べば、温度補償系を構成する事ができる。この例の場合、SF57,FKS53が適当である。このとき、像面シフト許容量(焦点深度)dXf が、
であるのに対して、SF57を選んだ場合のΔtでの像面シフト量ΔXf は、
である。
【0070】
〈実施例3〉
Δt =±30deg D0 =65μm
flCO= 9mm 2LD,LC =0
flf =300mm fθ系のガラス材:SF57
La = 3mm α1=1.17×10-5(Fe)
Lb = 12mm α2=1.64×10-5(ステンレス)
LP = 5mm キューブビームスプリッタのガラス材:SF57
【0071】
【0072】
L1′=L′であるので、上表よりコリメータレンズとして適当なガラス材を選べば、温度補償系を構成する事ができる。この例の場合、LAK31,BK7が適当である。このとき、像面シフト許容量(焦点深度)dXf が、
であるのに対して、LAK31を選んだ場合のΔtでの像面シフト量ΔXf は、
である。
【0073】
[実施例4〜6]
〔表6〕レーザ(光源)
発振波長(nm) [nm] 470
発振波長温度依存係数(Δλ)[nm/deg] 0.23
【0074】
但し、L′=ν-1・Δλ−d/(n−1)+ΔLである。
【0075】
〈実施例4〉
Δt =±30deg D0 =50μm
flCO= 9mm 1LD,LC =0
flf =320mm fθ系のガラス材:ZEONEX
La = 5mm α1=1.17×10-5(Fe)
Lb = 14mm α2=3.20×10-5(PC−GF30%)
【0076】
【0077】
L1′=L′であるので、上表よりコリメータレンズとして適当なガラス材を選べば、温度補償系を構成する事ができる。この例の場合、SK5,BK7が適当である。このとき、像面シフト許容量(焦点深度)dXf が、
であるのに対して、SK5を選んだ場合のΔtでの像面シフト量ΔXf は、
である。
【0078】
〈実施例5〉
Δt =±30deg D0 =35μm
flCO= 15mm 1LD
flf =350mm fθ系のガラス材:SF57
La = 4.5mm α1=1.17×10-5(Fe)
Lb =19.5mm α2=3.20×10-5(PC−GF30%)
LC = 2.5mm α3=1.70×10-5(Cu)
【0079】
【0080】
L1′=L′であるので、上表よりコリメータレンズとして適当なガラス材を選べば、温度補償系を構成する事ができる。この例の場合、SK5,BK7が適当である。このとき、像面シフト許容量(焦点深度)dXf が、
であるのに対して、SK5を選んだ場合のΔtでの像面シフト量ΔXf は、
である。
【0081】
〈実施例6〉
Δt =±30deg D0 =40μm
flCO= 9mm 2LD,LC =0
flf =300mm fθ系のガラス材:ZEONEX
La = 3mm α1=2.30×10-5(Al)
Lb = 12mm α2=3.20×10-5(PC−GF30%)LP = 5mm キューブビームスプリッタのガラス材:SF57
【0082】
【0083】
L1′=L′であるので、上表よりコリメータレンズとして適当なガラス材を選べば、温度補償系を構成する事ができる。この例の場合、BK7,SK5が適当である。このとき、像面シフト許容量(焦点深度)dXf が、
であるのに対して、BK7を選んだ場合のΔtでの像面シフト量ΔXf は、
である。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、波長による屈折率変化が大きい可視光領域においても、集光レンズを1枚のレンズで構成し、温度変化による被走査媒体上での結像点のズレを補償する事が可能な光源部を持つ走査光学装置、さらには走査光学系において、結像位置を検出してフィードバックをかけるような高価なオートフォーカス機構を用いる事なく、簡単な構成で、fθレンズ系の温度変化も含めた全光学系の温度補償を施した走査光学装置を提供する事ができる。
【0085】
特に、請求項1又は請求項2によるならば、光源部(第1レンズ)が色消し構成でなく、且つ光源として可視光レーザを用いた場合でも、簡単な光源保持部材の構成で、温度変化による被走査媒体上での結像点のズレを補償する事を可能にする。また、これにより、光源部の保持構造を単純化,小型化し、保持部材の材料選択の幅を持たせる事ができるため、光源部のコストダウンを可能にする。
【0086】
また、請求項3乃至請求項7によるならば、可視光レーザを用いる事でビームの小径化を図るとともに、波長変化による屈折率変化の大きい可視光レーザを用いた場合でも、光源部(第1レンズ)に単レンズの使用を可能にし、そのガラス材の選択と簡単な光源保持部材の構成により、温度変化による被走査媒体上での結像点のズレを補償する事を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走査光学装置の基本構成を模式的に示した斜視図。
【図2】本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態の実施例1,4に係る光源部の縦断面図。
【図3】本発明の第2の実施形態の実施例2,5に係る光源部の縦断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態の実施例3,6に係る光源部の縦断面図。
【図5】従来例の光源部の縦断面図。
【符号の説明】
1 光源部
2 シリンドリカルレンズ
3 偏向器
4 第2レンズ群
5 ミラー
6 被走査面
7 光源
8 発光点
9 第1レンズ
10 キューブビームスプリッタ
A,B 保持部材
Claims (7)
- 可視光レーザを発振する光源と、該光源からの光束を略平行にする第1レンズと、該第1レンズにより略平行にされた前記光束を偏向する偏向器と、該偏向器により偏向された前記光束を被走査媒体上に結像させる第2レンズ群とを備えた走査光学装置において、
前記光源の発振波長をλとすると、460nm<λ<650nmの範囲内であり、前記第1レンズが1枚のレンズで構成される走査光学装置であって、
前記第1レンズを保持する第1の保持部材と、前記光源と前記第1の保持部材とを連結する第2の保持部材とを有し、
前記第1の保持部材と第2の保持部材との固定位置は、前記光源から見て前記第1レンズよりも遠方であり、
前記第1の保持部材の線膨張係数をα1とし、前記第2の保持部材の線膨張係数をα2とした時、
α1<α2
であり、
温度変化による前記第1レンズと第2レンズ群の曲率変化或いは屈折率変化によって起こる前記被走査媒体上での主走査方向の結像点のズレを、前記第1,第2の保持部材により補償するようにした事を特徴とする走査光学装置。 - 前記温度変化がΔt(deg)である時、前記第1レンズの焦点距離変化による前記被走査媒体上での結像点のズレを補償するための前記光源の発光点シフト量をL1(mm)、前記第2レンズ群の焦点距離変化による前記被走査媒体上での結像点のズレを補償するための前記光源の発光点シフト量をL2(mm)、前記第1,第2の保持部材の熱変形による前記発光点と前記第1レンズとの間の距離変化量をL3(mm)とすると、以下の条件を満たす事を特徴とする請求項1に記載の走査光学装置;
|L1+L2−L3|<0.0001(mm/deg)・Δt
但し、L1,L2,L3は次の関係式により算出される。
nCO′=nCO+{−(nCO−1)νCO -1・Δλ+dCO}・Δt
nf′=nf+{−(nf−1)νf -1・Δλ+df}・Δt
flf′={(nf−1)/(nf′−1)+ΔLf・Δt}flf
L1=fl CO ′−fl CO ={(nCO−1)/(nCO′−1)+ΔLCO・Δt−1}flCO
L2=(1/flf−1/flf′)flCO 2
L3=(Lb・α2−La・α1)・Δt
また、
Δλ:発振波長温度依存係数
nCO:第1レンズの屈折率(設計値)
nCO′:第1レンズの屈折率(温度変化時)
nf:第2レンズ群の屈折率(設計値)
nf′:第2レンズ群の屈折率(温度変化時)
flCO:第1レンズの焦点距離(設計値)
flCO′:第1レンズの焦点距離(温度変化時)
fl CO ′={(n CO −1)/(n CO ′−1)+ΔL CO ・Δt } fl CO
flf:第2レンズ群の焦点距離(設計値)
flf′:第2レンズ群の焦点距離(温度変化時)
νCO -1:第1レンズの分散率
νf -1:第2レンズ群の分散率
dCO:第1レンズの屈折率温度依存係数
df:第2レンズ群の屈折率温度依存係数
ΔLCO:第1レンズの線膨張係数
ΔLf:第2レンズ群の線膨張係数
La:第1の保持部材と第2の保持部材の固定位置から第1レンズまでの光軸上の距離(設計値)
Lb:光源の発光点から第1の保持部材と第2の保持部材の固定位置までの光軸上の距離(設計値)
である。 - 可視光レーザを発振する光源と、該光源からの光束を略平行にする第1レンズと、該第1レンズにより略平行にされた前記光束を偏向する偏向器と、該偏向器により偏向された前記光束を被走査媒体上に結像させる第2レンズ群とを備えた走査光学装置において、
前記光源の発振波長をλとすると、460nm<λ<650nmの範囲内であり、前記第1レンズが1枚のレンズで構成される走査光学装置であって、
前記第1レンズを保持する第1の保持部材と、前記光源と前記第1の保持部材とを連結する第2の保持部材とを有し、
前記第1の保持部材と第2の保持部材との固定位置が、前記第1レンズより前記偏向器側にあり、
前記第1の保持部材と第2の保持部材は互いに線膨張係数が異なっており、
温度変化による前記光源の発振波長の変化或いは前記第1レンズと第2レンズ群の曲率変化或いは屈折率変化によって起こる前記被走査媒体上での主走査方向の結像点のズレを、前記第1,第2の保持部材により補償するようにした事を特徴とする走査光学装置。
但し、前記光源の発振波長の温度に対する変化率をΔλ(nm・deg-1),前記第1レンズのガラス材における分散率をνCO -1とするとき、νCO -1・Δλが以下の条件式を満足する。
{α−L2’+dCO/(nCO−1)−ΔLCO}−ΔX’≦νCO -1・Δλ
≦{α−L2’+dCO/(nCO−1)−ΔLCO}+ΔX’
尚、α,L2',ΔX'は次の関係式により算出される。
α=(L b ・α2−L a ・α1)/fl CO
L2’={νf -1・Δλ−df/(nf−1)+ΔLf}・flCO/flf
ΔX’=0.25・D0 2・flCO/(|Δt|・λ・flf 2)
Δt=±30deg
但し、
nCO:第1レンズの屈折率(設計値)
dCO:第1レンズの屈折率温度依存係数
ΔLCO:第1レンズの線膨張係数
α:光源部保持部材の合成線膨張係数
α1:第1の保持部材の線膨張係数
α2:第2の保持部材の線膨張係数
L a :第1の保持部材と第2の保持部材の固定位置から第1レンズまでの光軸上の距離(L a >0,設計値)
L b :光源の発光点から第1の保持部材と第2の保持部材の固定位置までの光軸上の距離(L b >0,設計値)
flCO:第1レンズの焦点距離(設計値)
flf:第2レンズ群の焦点距離(設計値)
nf:第2レンズ群の屈折率(設計値)
νf -1:第2レンズ群の分散率
df:第2レンズ群の屈折率温度依存係数
ΔLf:第2レンズ群の線膨張係数
D0:ビーム径(設計値)
±Δt:温度変化(性能保証範囲)
である。 - 可視光レーザを発振する2つの光源と、該2つの光源からの光束を合成するキューブビームスプリッタと、前記2つの光源からの光束を略平行にする第1レンズと、該第1レンズにより略平行にされた前記光束を偏向する偏向器と、該偏向器により偏向された前記光束を被走査媒体上に結像させる第2レンズ群とを備えた走査光学装置において、
前記2つの光源の発振波長をλとすると、460nm<λ<650nmの範囲内であり、前記第1レンズが1枚のレンズで構成される走査光学装置であって、
前記第1レンズを保持する第1の保持部材と、前記光源と前記第1の保持部材とを連結する第2の保持部材とを有し、
前記第1の保持部材と第2の保持部材との固定位置が、前記第1レンズより前記偏向器側にあり、
前記第1の保持部材と第2の保持部材は互いに線膨張係数が異なっており、
温度変化による前記光源の発振波長の変化或いは前記第1レンズと第2レンズ群の曲率変化或いは屈折率変化によって起こる前記被走査媒体上での主走査方向の結像点のズレを、前記第1,第2の保持部材により補償するようにした事を特徴とする走査光学装置。
但し、前記光源の発振波長の温度に対する変化率をΔλ(nm・deg-1),前記第1レンズのガラス材における分散率をνCO -1とするとき、νCO -1・Δλが以下の条件式を満足する。
{α+L4’−L2’+dCO/(nCO−1)−ΔLCO}−ΔX’≦νCO -1・Δλ
≦{α+L4’−L2’+dCO/(nCO−1)−ΔLCO}+ΔX’
尚、α,L2’,ΔX’,L4’は次の関係式により算出される。
α=(L b ・α2−L a ・α1)/fl CO
L2’={νf -1・Δλ−df/(nf−1)+ΔLf}・flCO/flf
ΔX’=0.25・D0 2・flCO/(|Δt|・λ・flf 2)
L4’=Lp{(ΔLp・|Δt|+1)/np’−1/np−ΔLp・|Δt|}/flCO /|Δt|
np’=np+{(np−1)・νp -1・Δλ+dp}・Δt
Δt=±30deg
但し、
nCO:第1レンズの屈折率(設計値)
dCO:第1レンズの屈折率温度依存係数
ΔLCO:第1レンズの線膨張係数
α:光源部保持部材の合成線膨張係数
α1:第1の保持部材の線膨張係数
α2:第2の保持部材の線膨張係数
L a :第1の保持部材と第2の保持部材の固定位置から第1レンズまでの光軸上の距離(L a >0,設計値)
L b :光源の発光点から第1の保持部材と第2の保持部材の固定位置までの光軸上の距離(L b >0,設計値)
flCO:第1レンズの焦点距離(設計値)
flf:第2レンズ群の焦点距離(設計値)
nf:第2レンズ群の屈折率(設計値)
νf -1:第2レンズ群の分散率
df:第2レンズ群の屈折率温度依存係数
ΔLf:第2レンズ群の線膨張係数
D0:ビーム径(設計値)
±Δt:温度変化(性能保証範囲)
Lp:キューブビームスプリッタの一辺の長さ(設計値)
np:キューブビームスプリッタの屈折率(設計値)
dp:キューブビームスプリッタの屈折率温度依存係数
ΔLp:キューブビームスプリッタの線膨張係数
νp -1:キューブビームスプリッタの分散率
である。 - 前記光源の発光部はパッケージを有していて、前記保持部材の合成線膨張係数αが以下の式で算出される事を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の走査光学装置;
α={Lb・α2−La・α1+LC・(α2−α3)}/flCO
但し、
LC:光源の発光点から第2の保持部材とパッケージの固定位置までの光軸上の距離(設計値)
α3:パッケージの線膨張係数
である。 - 前記第1レンズはガラスレンズであり、前記光源の発振波長付近におけるそのガラス材の分散率νCO -1は、以下の条件式を満足する事を特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の走査光学装置;
νCO -1≦2.0×10-4 - 前記第2の保持部材の材質がプラスチックである事を特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の走査光学装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00006198A JP4090098B2 (ja) | 1998-01-05 | 1998-01-05 | 走査光学装置 |
US09/223,804 US6208448B1 (en) | 1998-01-05 | 1998-12-31 | Scanning optical apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00006198A JP4090098B2 (ja) | 1998-01-05 | 1998-01-05 | 走査光学装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11194289A JPH11194289A (ja) | 1999-07-21 |
JP4090098B2 true JP4090098B2 (ja) | 2008-05-28 |
Family
ID=11463689
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00006198A Expired - Fee Related JP4090098B2 (ja) | 1998-01-05 | 1998-01-05 | 走査光学装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6208448B1 (ja) |
JP (1) | JP4090098B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04243081A (ja) * | 1991-01-17 | 1992-08-31 | Mitsubishi Electric Corp | 光ディスク装置 |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100374598B1 (ko) * | 2000-03-14 | 2003-03-04 | 삼성전자주식회사 | 광 주사유니트 |
JP2002131669A (ja) * | 2000-10-20 | 2002-05-09 | Asahi Optical Co Ltd | 光源ユニット |
JP4706131B2 (ja) * | 2001-06-12 | 2011-06-22 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 走査光学系用レンズ |
US6742828B2 (en) * | 2002-09-24 | 2004-06-01 | John Donovan Enterprises, Inc. | Container covering apparatus |
JP4139389B2 (ja) | 2002-11-29 | 2008-08-27 | 富士通株式会社 | コリメート光学系および光情報記憶装置 |
AU2003229725A1 (en) * | 2003-04-24 | 2004-11-19 | Carl Zeiss Smt Ag | Projection optical system |
US7570851B2 (en) | 2004-07-21 | 2009-08-04 | Purdue Research Foundation | Ultrashort photonic waveform measurement using quasi-phase-matched non-linear optics |
US7680161B2 (en) * | 2005-09-09 | 2010-03-16 | Optoelectronics Co., Ltd. | Temperature compensated laser focusing optics |
JP5285518B2 (ja) * | 2009-06-30 | 2013-09-11 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置の走査光学系の製造方法 |
DE102019107146B4 (de) | 2019-01-30 | 2021-02-25 | Jenoptik Optical Systems Gmbh | Athermale Laseroptik aus Kunststoff |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59140420A (ja) * | 1983-02-01 | 1984-08-11 | Canon Inc | 半導体レ−ザ−を用いた光源装置 |
JPH04320079A (ja) * | 1991-04-18 | 1992-11-10 | Tokyo Electric Co Ltd | レーザユニット |
US5870133A (en) * | 1995-04-28 | 1999-02-09 | Minolta Co., Ltd. | Laser scanning device and light source thereof having temperature correction capability |
JPH10193680A (ja) * | 1997-01-10 | 1998-07-28 | Fujitsu Ltd | 光源装置とそれを用いた画像形成装置 |
-
1998
- 1998-01-05 JP JP00006198A patent/JP4090098B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1998-12-31 US US09/223,804 patent/US6208448B1/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04243081A (ja) * | 1991-01-17 | 1992-08-31 | Mitsubishi Electric Corp | 光ディスク装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6208448B1 (en) | 2001-03-27 |
JPH11194289A (ja) | 1999-07-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4090098B2 (ja) | 走査光学装置 | |
US5581392A (en) | Optical Scanner | |
JP4395691B2 (ja) | レーザー走査装置 | |
US7245411B2 (en) | Collimating lens with temperature compensation and an optical scanning apparatus using the same | |
JPS61162014A (ja) | 平行レ−ザ−ビ−ム用光源装置 | |
JP3073790B2 (ja) | 光走査装置 | |
JPH11249048A (ja) | 光走査装置 | |
US4993812A (en) | Semiconductor laser optical system | |
JP2736984B2 (ja) | 光走査装置 | |
JPH1152265A (ja) | 走査光学系 | |
JPH0463395B2 (ja) | ||
US6108115A (en) | Scanning optical system | |
US5959759A (en) | Multiple beam scanning optical system | |
JP2005084359A (ja) | レンズ | |
JPH10293261A (ja) | 光走査装置 | |
JPH05127077A (ja) | シリンドリカルレンズ系 | |
JP3254367B2 (ja) | 光走査光学系 | |
JP3550911B2 (ja) | 光源装置及びレーザ走査光学装置 | |
JP4418567B2 (ja) | マルチビーム走査光学系及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP3472205B2 (ja) | 光走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置 | |
US6607129B1 (en) | Optical scanner and image forming apparatus | |
JP3387805B2 (ja) | 走査光学系及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP2000019445A (ja) | 光走査装置 | |
JPH04320079A (ja) | レーザユニット | |
JPH10282441A (ja) | 光源装置及びその光源装置を備えたマルチビーム走査光学装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050318 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050329 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050527 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20050527 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20050527 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050906 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051024 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080131 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080226 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140307 Year of fee payment: 6 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |