JP4089990B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣料用液体軽質洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウールや絹で造られたセーター、カ―ディガン、ブラウス等の所謂おしゃれ着の洗濯には、木綿類の衣料の洗濯に使用される重質洗剤とは別に、中性の軽質洗剤が使用されている。
中性の軽質洗剤が使用される理由として、おしゃれ着を構成する繊維が酸やアルカリに弱いこと、洗い上がりの柔軟性が重視されること、縮みや型くずれを防ぐこと、などが挙げられる。
おしゃれ着の洗濯には、縮みや型くずれを防ぐために、洗面器等の器に水またはぬるま湯を入れ、中性の軽質洗剤を溶解させて衣類を浸漬する所謂手洗い法が一般に用いられているが、衣料のへたり、ごわつきを避けることはできず、大切なおしゃれ着を傷めてしまうことが多かった。
柔軟仕上げ剤を使用することで、ごわつきを避けることはできるが、へたりを防止することはできず、洗い上がりの風合いを損なわないおしゃれ着用の洗浄剤組成物の開発が望まれていた。
【0003】
洗い上がりの柔軟性を改善する従来技術としては、例えば非イオン界面活性剤、両性界面活性剤とモノアルキルアンモニウム塩型陽イオン界面活性剤を組合わせたもの(特公昭59−14077号公報)、非イオン界面活性剤、モノまたはジアルキルアンモニウム塩型陽イオン界面活性剤とアニオン性合成高分子化合物を組合わせたもの(特開平1―132692号公報)が挙げられる。
しかし、特公昭59―14077号公報で開示された組成物に代表される、モノアルキルアンモニウム塩型陽イオン界面活性剤を使用したものは充分な柔軟性を示さず、また、特開平1―132692号公報で開示された組成物に代表される、ジアルキルアンモニウム塩型陽イオン界面活性剤を使用したものは優れた柔軟性を示すものの、配合安定性に難点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、優れた柔軟性を示し、仕上がり時の風合いが良く、且つ配合安定性に優れた液体軽質洗浄剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、(1)一般式1で表される高級アルコール非イオン系界面活性剤 5〜20重量%
【0006】
【化4】
R1O(CH2CH2O)nH (1)
【0007】
(式中、R1は炭素原子数8〜22の直鎖もしくは分岐の、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基またはアシル基を示し、nは5〜20の数を示す)、
(2)一般式2で表される第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤0.5〜10重量%
【0008】
【化5】
【0009】
(式中、R2及びR3は互いに独立に、炭素原子数が10〜24のアルキル基またはアルケニル基を示し、R2とR3は同一であることも異なることもできる。R4及びR5は互いに独立にメチル基またはエチル基であり、R4とR5は同一であることも異なることもできる。Xはハロゲン、アルキル硫酸基、アリール基、水酸基を示す)、および
(3)疎水性カルボキシル変性ポリシロキサン 0.05〜3重量%、
を含んでなる洗浄剤組成物であって、( 2 ) 陽イオン界面活性剤が、 ( 1 ) 非イオン界面活性剤成分の3〜15重量部に対して1重量部配合される、洗浄剤組成物を提供するものである。
【0010】
さらに本発明は、上記の組成物にさらに(4)一般式3で表されるグリコールエーテル系溶剤0.5〜10重量%を含んでなる請求項1記載の洗浄剤組成物を提供するものである。
【0011】
【化6】
R7−O−(R8O)n−H (3)
【0012】
(R7は直鎖又は分岐のアルキル基またはアリール基またはアルキルアリール基、アルキレン基、R8は直鎖又は分岐のオキシアルキレン基、nは自然数)。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される(1)非イオン界面活性剤は、下記一般式1で表されるポリオキシエチレンアルキルエ―テルである。
【0014】
【化7】
R1O(CH2CH2O)nH (1)
【0015】
(式中、R1は炭素原子数8〜22の直鎖もしくは分岐の、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基またはアシル基を示し、nは5〜20の数を示す)ここで、R1は炭素原子数8〜22、好ましくは10〜18の直鎖もしくは分岐の、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基またはアシル基を示す。
例えば、アルキル基としては、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イコシル、ドコシルであることができる。
例えばアルケニル基としては、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、イソトリデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニシル、オレイル、イコセニル、ドコセニルであることができる。
例えばアルキルアリール基としては、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、エチルαナフチル、エチルβナフチルであることができる。
【0016】
例えばアシル基としては前記アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基の結合末端に、カルボニル基が結合した基であることができ、たとえば、バレリル、ピバリル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、アクロイル、プロピオロイル、メタクロイル、クロトノイル、オレイロイル、ベンゾイル、フタロイル、スクシニルであることができる。
R1の炭素原子数が8未満であると充分な洗浄力が得られず、R1の炭素原子数が22を超えると低温安定性が低下するものである。
nはエチレンオキサイド付加モル数であって5〜20であることができるが、好ましくは8〜12である。n(エチレンオキサイド付加モル数)が5未満であると低温安定性が著しく劣化し、nが20を超えると洗浄剤組成物の起泡力及ぴ洗浄力が低下する。
【0017】
また、(1)非イオン界面活性剤の配合量は全量中、5%以上20%以下であることが好ましい。20%以上であると、配合、低温安定性、泡切れが劣化する他、仕上がり時のふっくらさが悪くなる。5%に満たないと洗浄力に劣るものとなる。
【0018】
本発明に使用される(2)陽イオン界面活性剤は、一般式(2)で表される第4級アンモニウム塩である。
【0019】
【化8】
【0020】
(式中、R2及びR3は互いに独立に、炭素原子数が10〜24のアルキル基またはアルケニル基を示し、R2とR3は同一であることも異なることもできる。R4及ぴR5は互いに独立にメチル基またはエチル基であり、R4とR5は同一であることも異なることもできる。Xはハロゲン、アルキル硫酸基、アリール基、水酸基を示す)
式中、R2及びR3は互いに独立に、炭素原子数が10〜24、さらに好ましくは16〜22の直鎖状または分枝状のアルキル基またはアルケニル基を示す。アルキル基としては、例えば、デシル、ウンデシル、ラウリル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシルであることができ、アルケニル基としては、例えば、デセニル、ウンデセニル、ドデケニル、トリデケニル、テトラデケニル、ヘキサデケニル、オレイル、イコセニル、ドコセニル、テトラコセニルであることができる。
R2とR3は同一であることも異なることもできる。R2又はR3の炭素原子数が10未満の場合、仕上がり時の風合いが劣り、R2又はR3の炭素豪子数が24を超える場合、低温安定性が低下するものである。
【0021】
R4又はR5 はメチル基またはエチル基であり、R4とR5は同一であることも異なることもできる。Xは対イオンであって、ハロゲン、アルキル硫酸基、アリール基、水酸基から選択される1種である。例えば、塩素、臭素、沃素、メチル硫酸基、エチル硫酸基、フェニル基であることができる。
【0022】
一般式2で表される第4級アンモニウム塩は例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和高級脂肪酸もしくはパーム油脂肪酸、大豆抽出脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸等の天然脂肪酸もしくはこれらの混合物、又はこれらと牛脂脂肪酸等の飽和高級脂肪酸との混合物を出発原料として任意の公知の手段により製造することができる。
【0023】
本発明においては、上記(2)第4級アンモニウム塩のヨウ素価は60〜100、好ましくは70〜90の範囲にあることが好ましい。ヨウ素価が60未満であると低温安定性が著しく劣化し、100を超えると着色が著しく製品外観上実用性に欠ける。
【0024】
また本発明では上記(2)陽イオン界面活性剤は、(1)非イオン界面活性剤成分の3〜15重量部に対して1重量部配合される。
【0025】
また (2)陽イオン界面活性剤の配合量は全量中、0.5%以上10%以下であることがこのましい。10%以上であると、配合、低温安定性が劣化する他、仕上がり時の風合いにゴワツキが生じる。0.5%に満たないと十分な仕上がり時の風合い(柔らかさ、ふっくらさ)が得られない。
【0026】
本発明で用いるカルボキシル変性ポリシロキサンは特に限定されない。例えば、 オルガノポリシロキサンの任意の珪素に結合する1ヶ所又は2ヶ所以上の水素がカルボン酸で変性されたものであることができ、たとえば下記の一般式
【0027】
【化9】
(C H3-)3Si- O-{-Si(-CH3)2-O-}m-{-Si(-CH3)(-R6COOH )-O-}n- Si (-CH3)3
【0028】
で表されるものであれば特に限定されない。
(3)カルボキシル変性ポリシロキサンの配合量は0.05%以上3%以下が好ましい。3%を超えても、添加に見合った効果が得られず、コスト高になる。0.03%に満たないと十分な仕上がり時の風合い(柔らかさ)が得られない。
なお、(3) カルボキシル変性ポリシロキサンは疎水性が強いため、配合時には、水に40〜60%分散させたエマルジョンの状態で配合されることが好ましい。分散に際しては適切な任意のノニオン界面活性剤を添加することができる。
またSiOR当量(カルボキシル変性ポリシロキサンの分子量を−R6COOHで表される基の個数で除算したもの)は3000〜4000であることが好ましい。
【0029】
本発明の別の形態では、さらにグリコールエーテルを含んでなることが好ましい。グリコールエーテルは特に限定されない。たとえば一般式3
【0030】
【化10】
R7−O−(R8O)n−H (3)
【0031】
(R7は直鎖又は分岐のアルキル基またはアリール基またはアルキルアリール基、アルキレン基、R8は直鎖又は分岐のオキシアルキレン基、nは自然数)
で表されるグリコールエーテル、例えば、ヘキシルグリコール、ヘキシルジグリコール、2-エチルヘキシルグリコール、2-エチルヘキシルジグリコール、アリルグリコール、フェニルグリコール、ベンジルグリコール、ベンジルジグリコール、メチルプロピレングリコール、メチルプロピレンジグリコール、メチルプロピレントリグリコール、プロピルプロピレングリコール、プロピルプロピレンジグリコール、ブチルプロピレングリコール、ブチルプロピレンジグリコール、フェニルプロピレングリコールであることができ、2-エチルヘキシルジグリコールは最も好ましくもちいることができる。
その配合量は0.5%以上10%以下が好ましい。10%以上であると、配合、低温安定性が劣化する。0.5%に満たないと十分な仕上がり時の風合い(ふっくらさ)が得られない。
【0032】
本発明の洗浄剤組成物は、繊維製品の液体軽質洗剤として好ましく使用できる。繊維製品としては、木綿、羊毛、絹等の天然繊維、アセテート等の半合成繊維、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成繊維及びこれらを混合した各種繊維よりなる編み物、織物等の繊維製品が例示でき、特に家庭用繊維製品(セーター、マフラー、カーディガン、ランジェリー)に好ましく使用できる。
【0033】
本発明の洗浄剤組成物は、実際に衣料などの洗浄に使用する際は、所望の濃度となるように水で薄めて使用するものである。その濃度は特に限定されないが、一般に市販されている液体軽質洗剤は、通常手洗いで400倍(洗浄剤12.5ml/洗浄水5l)、洗濯機洗いでは750倍(洗浄剤40ml/洗浄水30l)程度に希釈して使われており、本発明の洗浄剤組成物もそれと全く同様に使用できる。
【0034】
本発明の洗浄剤組成物には、以上の成分に加えて、本発明特有の効果を阻害しない範囲で必要に応じて他の任意成分を通常用いられる量にて配合することができる。例えば、水溶性シリコーン、ジアルキルジアリルアンモニウム等の陽イオンポリマー、エタノール等の低級アルコール、尿素等の可溶化剤、防腐剤、金属イオン捕捉剤(キレート剤)、無機電解質、染料、香料、酵素、漂白剤、殺菌剤等を添加することができる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<洗浄剤組成物の調製>
40℃に加温した調合水中に、以下の表に示す割合で必要の応じ成分(1)〜(4)の順に試料を配合し、配合後20℃に冷却したものを本発明品及び比較品のサンプルとした。
【0036】
成分(1) 高級アルコール系非イオン活性剤
非イオン活性剤1:ヤシ油アルコールポリエチレンオキシド付加物
(前記一般式1におけるR1はラウリル基:ミリスチル基=3:1 エチレンオキシド付加数mは8)
非イオン活性剤2:デカノールポリエチレンオキシド付加物
(一般式1におけるR1はデシル基 エチレンオキシド付加数mは8)
【0037】
成分(2) 第4級アンモニウム塩型陽イオン型活性剤
陽イオン活性剤1:
前記一般式2において、R2=R3=オレイル基、R4=R5=メチル
陽イオン活性剤2:
一般式2において、R2=オレイル基 R3=R4=R5=メチル
【0038】
成分(3) ポリシロキサンン誘導体
誘導体1:カルボキシ変性シリコーンエマルジョン
(FZ-4633 日本ユニカー製:有効成分 47%)
誘導体2:アミノ変性シリコーンエマルジョン
(FZ-4635 日本ユニカー製)
誘導体3:ジメチルポリシロキサン・ポリエチレングリコール共重合体
(FZ-2118 日本ユニカー製)
誘導体4:ポリエーテル変性シリコン
(日本ユニカー製 FZ-2222)
誘導体5:ポリエーテル変性シリコン
(日本ユニカー製 FZ-2207)
【0039】
成分(4)グリコール系溶剤
2-エチルヘキシルジグリコール
【0040】
<配合安定性>
上記の調製法によち得られた組成物の配合直後20℃での液の外観を肉眼観察した。この時の判定基準は以下のとおりとする。結果は表にまとめて示した。
○:透明液状
△:不透明液状
×:ゲル化・固化
【0041】
<仕上がりの風合い>
羊毛糸布を温度25度の水で約400倍(12.5ml/5l)に希釈した洗浄剤組成物で秒に20回の押し洗いを行い、軽く脱水後、25度の水道水で10回の押し洗いで濯ぎをおこなった。水を換え2回濯ぎを行なった後、30秒間脱水し22℃、50%RHの恒温恒湿室で平乾し乾燥を行なった。乾燥後、ふっくらさ、柔らかさについて官能試験を行なった。
官能試験は市販の軽質液体洗剤と比較して、下記判定基準に従い、10名のパネラーの合計点として評価した。結果はまとめて表1および表2に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成したので、優れた柔軟性を示し、仕上がり時の風合いが良く、且つ配合安定性に優れた液体軽質洗浄剤組成物を提供することができる。
Claims (2)
- (1)一般式1で表される高級アルコール非イオン系界面活性剤5〜20重量%
(2)一般式2で表される第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤0.5〜10重量%
(3)疎水性カルボキシル変性ポリシロキサン0.05〜3重量%、
を含んでなる洗浄剤組成物であって、 ( 2 ) 陽イオン界面活性剤が、 ( 1 ) 非イオン界面活性剤成分の3〜15重量部に対して1重量部配合される、洗浄剤組成物。
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