JP4089650B2 - 液体容器の栓 - Google Patents

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本発明は、携帯用魔法瓶、卓上用魔法瓶、水筒等の液体容器において、同一の容器本体の栓孔に異なる二種類の栓体を差し替えることにより、用途の異なる二種類の栓体を備えた液体容器の栓に関する。
従来より、この種の液体容器用の栓では、(イ) 容器本体を傾斜して栓内液通路の注出口から内容液をコップ等に注出するようにした間接飲み用栓体や、ストローの飲み口に直接に口をつけて内容液を飲むようにした直接飲み用栓体などが知られている。
前述の間接飲み用栓体や直接飲み用栓体は異なる構造であるため、それらの栓体を嵌脱自在に嵌挿する液体容器の容器本体も異なる構造のものであり、使用目的に応じて別個の液体容器を使い分ける必要があった。換言すれば、従来の液体容器の栓は1つの容器本体に対して間接飲みと直接飲みとに選択して使用することはできないという問題があった。
このような問題を解消するため、(ロ) 特開平9−313363号公報に示された液体容器の栓が知られている。この公報記載の液体容器の栓は、1つの容器本体の栓孔に、間接飲み用の第1液通路と直接飲み用の第2液通路との2系統の液通路を有する1つの栓体を嵌脱自在に嵌挿し、第1液通路を開閉する第1弁体、第2液通路を開閉する第2弁体、第1弁体及び第2弁体の開閉手段として用いる飲み口部材を有しており、前記飲み口部材は外部からの操作により別異の二態様の作動が可能であって、その一態様の作動時に前記第2液通路を閉塞したまま第1液通路を閉塞せしめ、他の一態様の作動時に第1液通路を閉塞したまま前記第2液通路を開閉せしめるようにしてなるものである。
上記(ロ)のものによれば、1つの容器本体に1つの栓体を嵌挿して、所定の操作を行なうことにより、間接飲み用と直接飲み用のいずれかに切り替えて使用できるものであるため、従来例(イ)のものに比べて極めて便利なものとなる。
特開平9−313363号公報
しかしながら、前記(ロ)のものでは、第2液通路、第2弁体、飲み口部材及び注ぎ口開閉部材など多数の部品を1つの栓体に組み込まねばならず、部品点数が多くなるばかりか構造が煩雑となるという難点がある。
また、第1液通路と第2液通路の開閉は、飲み口部材の上下動、又は回転・スライドなどの別異の作動が必要であるため、使用者が操作する際には煩雑で面倒であるなどの問題がある。
本発明は、上記従来例(イ)、(ロ)の問題点を解消しようとするものであり、1つの容器本体の栓孔に差し替え可能な間接飲み用栓体と直接飲み用栓体の二種類の栓体を用いることによって、間接飲みと直接飲みのいずれかを選択して使用できるだけでなく、両栓体は部品点数の増大化を防止できるとともに構造の簡単化が図られ、さらに間接飲みと直接飲みの各操作が、使用者にとって簡単容易で確実に行なえ、使い勝手が良好な液体容器の栓を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、容器本体の栓孔に着脱自在に螺着される略筒状の栓本体と、この栓本体内に着脱自在に設けられて栓本体との間で栓内液通路が形成される間接飲み用栓体の第1栓副体及び直接飲み用栓体の第2栓副体と、前記栓内液通路を開閉する共通の弁体とを備え、前記栓本体に対して第1栓副体と第2栓副体とを差し替えることにより、間接飲み用栓体または直接飲み用栓体として選択使用できるとともに、前記弁体は第1栓副体及び第2栓副体に設けた弁開閉機構の操作により作動されて、前記栓内液通路が開閉されるように構成してあることを特徴とする(請求項1参照)。
ここで、栓本体は1個で間接飲み用栓体と直接飲み用栓体として共通して使用でき、栓副体は間接飲み用栓体用の第1栓副体と直接飲み用栓体用の第2栓副体とで構成し、前記栓本体に対して前記第1栓副体と第2栓副体とを差し替えることにより、間接飲み用栓体または直接飲み用栓体として選択使用できるように構成してあるので、部品点数が減少できる上に構造が簡単となる。
間接飲み用栓体と直接飲み用栓体とを、容器本体の栓孔に嵌挿するとともに該容器本体に固定する構造としては、本発明では特に限定されず任意である。
また、本発明は、前記第1栓副体と第2栓副体には、上部に空室を底部に弁棒挿通穴を有するとともに、前記栓本体の空室下部にはガイド筒を立設し、このガイド筒の上部には第1栓副体と第2栓副体のいずれかを選択して取り付け、取り付けられた第1栓副体又は第2栓副体の弁棒挿通穴に前記弁体の弁棒部をバネにより常時上方に付勢して臨ませ、閉弁時には弁体により栓内液通路の下部が閉弁され、前記弁開閉機構の開閉操作により栓内液通路を自動的に開閉されるようにすることができる(請求項2参照)。
請求項1の発明によれば、容器本体の栓孔に着脱自在に螺着される1個の栓本体に対して、間接飲み用栓体用の第1栓副体と直接飲み用栓体用の第2栓副体とを差し替えることにより、間接飲み用栓体または直接飲み用栓体として選択使用できて、栓本体が共用できるため、部品点数がより一層少なくでき構造が簡単となる。また、第1栓副体及び第2栓副体に設けた弁開閉機構の操作により、弁体が栓内液通路を簡単に開閉する。
請求項2の発明によれば、簡単な構造で上記効果が得られる。
本発明の第1実施例を図1〜図3に基づいて以下に説明する。
この液体容器は、内容器1Aと外容器1Bとの間に断熱空間2を形成した容器本体1と、容器本体1の内容器1Aの栓孔3をそれぞれ閉塞する間接飲み用栓体20及び直接飲み用栓体40と、閉栓状態で前記間接飲み用栓体20と容器本体1の口部とを被蓋するコップ兼用の外蓋60とを備えている。
前記容器本体1は、金属で形成された有底筒状の内容器1Aと、同じく金属で形成された底板4を底体5と溶接などで接合した外容器1Bとで二重容器を形成し、内外両容器1A、1B間に形成される隙間を真空排気することにより同隙間を真空の断熱空間2としてあり、容器本体1の栓孔3には間接飲み用栓体20または直接飲み用栓体40のいずれかが嵌挿される。
前記間接飲み用栓体20は、図1及び図3に示すように、容器本体1の栓孔3に着脱自在に螺着される略筒状の栓本体21と、該栓本体21の空室下部の中央部に立設したガイド筒22と、このガイド筒22の上部に選択的に螺合24により取り付けられる第1栓副体23と第2栓副体83と、栓本体21と栓副体23との間に形成され容器本体1の内部と外部とを連通する栓内液通路25と、弁棒部27aをガイド筒22内から弁棒挿通穴23bを介して栓副体23の空室23a内に臨ませるようにバネ26で上方に付勢し、かつ前記栓内液通路25を開閉する弁体27と、栓副体23内に設けられ押圧操作により弁体27を下動して開弁する弁開閉機構28とを備えている。前記弁開閉機構28は、押圧板29と、この押圧板29と栓副体23との間に揺動部材30を介在するとともに、該揺動部材30の下部には傾斜面bを有するリブaが形成されている。従って、外蓋60を取り外した状態で、弁開閉機構28の押圧板29を押し下げることにより揺動部材30のリブaの傾斜面bが弁棒部27aを下動し弁体27が開弁される。この開弁時に容器本体1を傾斜して栓内液通路25の注出口25aから内容液を注出するようにしてある。閉弁時には弁体27により栓内液通路25が閉弁される。
間接飲み用栓体20を容器本体1に取り付ける具体的構成を説明すると、図1及び図3に示すように、間接飲み用栓体20の栓本体21の外周に形成した雄ねじ21aを容器本体1の開口縁に形成した雌ねじ6に螺合する。そして、容器本体1の肩部1cに形成した雄ねじ7に外蓋(コップ兼用外蓋)60の雌ねじ61を螺合して、前記間接飲み用栓体20を外蓋(コップ兼用外蓋)60で被蓋する。
なお、図3で、31は揺動部材30のバネ、32はパッキン、33は折り曲げ可能な把手、34は吊紐である。
次に、直接飲み用栓体40は、図3において間接飲み用栓体20や外蓋60を容器本体1から取り外して、同容器本体1に支障なく取り付けられるものでなければならない。つまり、この直接飲み用栓体40は、容器本体1の内部と外部とを連通する栓内液通路49をも形成するストロー等からなる直接飲み部材48と、前記栓内液通路49を開閉する弁体27とを有し、開弁時に直接飲み部材48の飲み口48aに直接に口をつけて内溶液を飲むようにしたものである。
この実施例の液体容器の栓は、栓本体21に、第1栓副体23または第2栓副体83を選択して取り付けることにより、液体容器の栓として、間接飲み用栓体20又は直接飲み用栓体40に使い分けることができる。
すなわち、前記間接飲み用栓体20と直接飲み用栓体40はいずれも栓本体21と栓副体とで分離可能に形成し、栓本体21は1個で間接飲み用栓体20と直接飲み用栓体40として共通して使用でき、栓副体は間接飲み用栓体20用の第1栓副体23と直接飲み用栓体40用の第2栓副体83とで構成してある。そして、前記栓本体21に対して前記第1栓副体23と第2栓副体83とを差し替えることにより、間接飲み用栓体20または直接飲み用栓体40として選択使用できるように構成してある。
直接飲み用栓体40は、栓本体として前記間接飲み用栓体20の栓本体21を共用し、この栓本体21に第2栓副体83を着脱自在に取り付けたものである。この場合の第2栓副体83は、本発明では特に限定しないで適宜設計変更できるものであるが、この第1実施例では図2に示されてるように、図1に示した第1栓副体23の上部外周縁にスカート部45の基端を一体に形成し、該スカート部45を外方へ拡開して垂設しているとともに、スカート部45の一部に図4に示す如き直接飲み部材48を突設してなり、その他は第1栓副体23と同一構成としている。なお、図2で85はキャップである。
この第2栓副体83には、図4に示すような、揺動部材70や第1、第2の直接飲み部材48A、48Bは構成されていず、飲み口48aは飛び上がるものではなく固定式である。
この第1実施形態によれば、本願の液体容器の使用者の立場から言えば、通常は、栓本体21に第1栓副体23を結合して間接飲み用栓体20として使用し、必要に応じて栓体を直接飲みに切り替えたいときには、前記第1栓副体23を栓本体21から取り外してから、該栓本体21に第2栓副体83を結合して容器本体1の栓孔3に嵌挿するとよい。従って、この液体容器の栓は栓本体21を1個と第1栓副体23を1個と第2栓副体83を1個の合計3個を1組として1つの液体容器に備えておくことにより、前述のように2つの使用態様に切り替えられる。また、本願の液体容器の栓の生産者の立場から言えば、1個の栓本体21を間接飲み用栓体20と直接飲み用栓体40とに共用して、各々の栓本体を必要としないため、部品が省略できるとともに栓体の製造費用が安価にできる。
また、第1実施形態の場合も、図3のように使用することができるのは勿論である。
本発明の第2実施例を図4と図5に基づいて以下に説明する。
この第2実施例は、前記第1実施例の変形例と言えるものであって、両者は直接飲み用栓体の構造のみが異なり、間接飲み用栓体や容器本体その他の構造は第1実施例のものと同一であるので、図1及び図3に対応する図面は省略した。従って、本実施形態においては、間接飲み用栓体や容器本体等は図1及び図3を参照すべきである。
弁体47は、ばね受42bと弁体ガイド筒42の内底面間に設けた弁体用ばね42aで常時は閉弁方向(上方向)に付勢されている。
この場合の直接飲み用栓体40は、弁体47の開閉と直接飲み部材48の出没とを押しボタン方式で同時に行なうものである。
すなわち、この場合の栓本体41の上部空室には、直接飲み部材48と、直接飲部材48の飲み口48aを開閉するとともに弁体47を下動して開弁する揺動部材70と、揺動部材70を作動する押しボタン76が設けてある。
直接飲み部材48は、下端が直接飲み部材ガイド筒43の上端を嵌挿するとともに、下部外周壁に鍔部48bを形成した第1直接飲み部材48Aと、該第1直接飲み部材48Aの上部を外嵌めして同第1直接飲み部材48Aより上動されるとともに、先端に飲み口48aを有する第2直接飲み部材48Bとからなっている。
揺動部材70は、断面が略しゃくし状のものであって、一端側には第1直接飲み部材48Aと第2直接飲み部材48Bとが二重管状態時において飲み口48aを封止するシール部71を形成し、他端側には押しボタン76で下動される作動部72とを有し、枢支点73を回動中心として該揺動部材70が回動されるようになっている。
この押しボタン式の直接飲み用栓体40の作動について以下に説明する。
図4は閉弁状態であって、直接飲み部材48が揺動部材70のシール部71で封止されているので、飲み口48aに口をつけて内溶液を飲むことはできない。
この図4の閉弁状態において、押しボタン76を押すと、揺動部材70の他端部の作動部72が枢支点73を回動中心として時計方向に回動されるに伴い、図5に示すように、弁体47が下動され開弁される。それと同時に揺動部材70のシール部71は前記枢支点73を回動中心として時計方向に回動されて飲み口48aが開放される。そこで飲み口48aに口をつけて容器本体1内の内容液を飲むことができる。このとき、直接飲み部材48は、第1直接飲み部材48Aは常時に栓体上方に突出されているが、この第1直接飲み部材48Aの高さ位置より第2直接飲み部材48Bを手で上方へ引き上げると図13のように更に高くなるので、飲み易くなる。
この開弁状態から図4の如く閉弁状態とするには、第2直接飲み部材48の上端面を第1直接飲み部材48Aの上端面と同一面となるように、該第2直接飲み部材48Bを押し下げて、揺動部材70のシール部71が前記第1、2の直接飲み部材48A、48Bの上端面を密着するまで反時計方向に回動する。すると、揺動部材70の作動部72によって弁体用ばね42aに抗して開弁されていた弁体47が、図12のように、弁体用ばね42aの付勢力によって上動し、栓内液通路49をも構成する直接飲み部材48の入口を閉弁し閉弁状態となる。
外蓋60又は直接飲み用栓体40の雌ねじ61、45aが螺合される雄ねじ7は、各実施例では、容器本体1の肩部位置に無理嵌め等により固定した別部材の肩部1cに形成しているが、例えば、前記別部材の肩部1cを設けずに容器本体1の外容器1Bの首部外周に雄ねじ7を形成する構成も実施できる。
間接飲み用栓体20は、例えば、本出願人の出願に係る実開平5−88452号公報記載の栓体、実開平2−25953号公報記載の栓体などでもよいし、少なくとも栓内液通路と弁体とを有しているものであればその他の構造のものでもよく、適宜設計変更できる。
直接飲み用栓体40は、押しボタン式に限らず、回動式その他適宜設計変更できる。
間接飲み用栓体20と直接飲み用栓体40とを、選択して、容器本体1に固定する手段としては、各実施例に示した容器本体1の肩部1cに形成した雄ねじ7に、間接飲み用栓体20の外蓋60の雌ねじ61を螺合できるだけでなく、同雄ねじ7に直接飲み用栓体40の雌ねじ45aを螺合できるようにしているが、このような螺合方式に限らずその他の固定方式を採用することもできる。
第1実施例における間接飲み用栓体を閉弁した状態の一部断面図である。 第1実施例における直接飲み用栓体を閉弁した状態の一部断面図である。 図1の栓体を含む液体容器の全体を示した断面図である。 第2実施例における直接飲み用栓体を閉弁した状態の一部断面図である。 図4における弁体を開放した状態の一部断面図である。
符号の説明
1 容器本体
1c 肩部
3 栓孔
6 雌ねじ
7 雄ねじ
8 雄ねじ
10 収納凹部
20 間接飲み用栓体
21 栓本体
21a 雄ねじ
23 栓副体(第1栓副体)
25 栓内液通路
25a 注出口
27 弁体
30 揺動部材
40 直接飲み用栓体
41 栓本体
42a 弁体用ばね
44a 雄ねじ
45a 雌ねじ
45b 雄ねじ
47 弁体
48 直接飲み部材
48a 飲み口
49 栓内液通路
50 スライダー
60 外蓋
61 雌ねじ
63 第2の外蓋
64 雌ねじ
70 揺動部材
71 シール部
72 作動部
76 押しボタン
83 第2栓副体

Claims (2)

  1. 容器本体の栓孔に着脱自在に螺着される略筒状の栓本体と、この栓本体内に着脱自在に設けられて栓本体との間で栓内液通路が形成される間接飲み用栓体の第1栓副体及び直接飲み用栓体の第2栓副体と、前記栓内液通路を開閉する共通の弁体とを備え、前記栓本体に対して第1栓副体と第2栓副体とを差し替えることにより、間接飲み用栓体または直接飲み用栓体として選択使用できるとともに、前記弁体は第1栓副体及び第2栓副体に設けた弁開閉機構の操作により作動されて、前記栓内液通路が開閉されるように構成してあることを特徴とする液体容器の栓。
  2. 前記第1栓副体と第2栓副体には、上部に空室を底部に弁棒挿通穴を有するとともに、前記栓本体の空室下部にはガイド筒を立設し、このガイド筒の上部には第1栓副体と第2栓副体のいずれかを選択して取り付け、取り付けられた第1栓副体又は第2栓副体の弁棒挿通穴に前記弁体の弁棒部をバネにより常時上方に付勢して臨ませ、閉弁時には弁体により栓内液通路の下部が閉弁され、前記弁開閉機構の開閉操作により栓内液通路を自動的に開閉されるようにしてなる請求項1に記載の液体容器の栓。
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