JP4089200B2 - ディスクカートリッジ及びディスクカートリッジ製造方法 - Google Patents

ディスクカートリッジ及びディスクカートリッジ製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報記録媒体を回転可能に収納した上下シェルの開口部を開閉するシャッタの開閉操作をインナーシェルの回動によって行うようにしたディスクカートリッジの製造方法、具体的にはインナーシェルへのシャッタの取付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に、音声、映像或いはコンピュータのデータ等の情報の記録及び/又は再生が可能な情報記録媒体をカートリッジ筐体内に回転自在に収納したディスクカートリッジとして、例えば、コンピュータのデータ等の情報を使用者が後から記録書き込みができる追記型あるいは書換型光ディスクを内蔵しているものが知られている。
【0003】
図29に示したように、ディスクカートリッジ101として、ディスク状の情報記録媒体102を回転可能に収納し、少なくとも一方に記録再生のための第1の開口部103を有する上下シェル104、105と、前記第1の開口部103と略同形の第2の開口部106を有するインナーシェル107と、インナーシェル107に設けた第1、第2の支持軸108、109を第1、第2の軸受孔110、111に挿入することにより、前記第1、第2の支持軸108、109に回動可能に取り付けられた第1、第2のシャッタ112、113を備えたものが知られている。
【0004】
前記ディスクカートリッジ101は、インナーシェル107を一方向に回転させると第1、第2の支持軸108、109を中心にして第1、第2のシャッタ112、113が一方向に回動して第1の開口部103を閉塞し、インナーシェル107を他方向に回転させると第1、第2のシャッタ112、113が第1、第2の支持軸108、109を中心にして他方向に回動して第1の開口部103を開放するようになっている。
【0005】
前記第1のシャッタ112は、前記下シェル105の内面に設けた第1の回動操作用の凸部114を挿入する第1の回動操作用の長孔115を備え、前記第2のシャッタ113は、前記下シェル105の内面に設けた第2の回動操作用の凸部116を挿入する第2の回動操作用の長孔117を備えている。
【0006】
そして、前記インナーシェル107を一方向に回転させると前記第1、第2の回動操作用の凸部114、116と前記第1、第2の回動操作用の長孔115、117により、第1、第2のシャッタ112、113が、第1、第2の支持軸108、109を中心にして一方向に回動して第1の開口部103を閉塞し、インナーシェル107を他方向に回転させると、前記第1、第2のシャッタ112、113が第1、第2の支持軸108、109を中心にして他方向に回動して第1の開口部103を開放するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記第1、第2の支持軸108、109を、第1、第2の軸受孔110、111に挿入して、第1、第2のシャッタ112、113をインナーシェル107に組み付けただけでは、第1、第2のシャッタ112、113がインナーシェル107から容易に脱落してしまう。
【0008】
そこで、第1、第2のシャッタ112、113の脱落を防止するために、図30に示すように、前記第1、第2の支持軸108、109の先端部を第1、第2のシャッタ112、113の表面から突出させ、図31に示すように、熱かしめ装置の頭部成型チップ(加熱チップ)202により前記第1、第2の支持軸108、109の先端部を加熱し、溶融状態にして塑性変形させて伏椀状の抜け止め用の拡径頭部121を形成し、該拡径頭部121により第1、第2のシャッタ112、113が前記第1、第2の支持軸108、109から抜け落ちるのを防止していたために、次に述べるような問題点があった。
(1)第1、第2のシャッタ112、113の表面から拡径頭部121が突出した状態になっているために、そのぶん第1、第2のシャッタ112、113に下シェル105を近付けるのが困難になり、ディスクカートリッジを薄形化する上で不利になる。
(2)第1、第2の支持軸108、109の先端部を、熱かしめ装置の頭部成型チップ202により加熱し、塑性変形させて拡径頭部121を形成するため、該拡径頭部121の周縁部122が前記第1、第2のシャッタ112、113の表面に溶着されてしまう恐れがある。(溶着されると第1、第2のシャッタ112、113は、回動不可能になる)。
【0009】
本発明は、前記従来の問題点を解決したディスクカートリッジの製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、情報記録媒体を回転可能に収納し、少なくとも一方に記録再生のための第1の開口部を有する上下シェルと、前記第1の開口部と略同形の第2の開口部を有するインナーシェルと、前記インナーシェルに設けた支持軸に回動可能に取り付けられていて前記インナーシェルを回転させることによって、前記支持軸を中心に回動して前記第1の開口部を開閉するシャッタと、を備え、
前記支持軸を、前記シャッタに設けた軸受孔に挿入し、前記支持軸の先端部を熱かしめ装置でかしめ加工して抜け止め用の傾斜した拡径頭部を形成し、前記インナーシェルに前記シャッタを回動可能に取り付けるディスクカートリッジの製造方法であって、
前記支持軸の先端部には、予め前記熱かしめ装置の頭部成型チップの先端部を導入する凹部を設けておくとともに、前記軸受孔を前記シャッタの表裏面を貫通させて形成し、前記シャッタの表面側の端部には、前記支持軸の先端部に形成する拡径頭部を収容する傾斜した拡径孔部を予め設けておいて、
前記支持軸の先端部に設けた凹部内に、前記熱かしめ装置の頭部成型チップの先端部を導入し、前記頭部成型チップで前記支持軸の先端部を加熱して溶融、軟化させ、前記凹部の周壁を外側に向けて倒すようにしながら前記支持軸の先端部を塑性変形させて前記拡径頭部を前記拡径孔部内に形成することにより、
前記拡径頭部が前記シャッタの表面から突出するのを防止するとともに、前記拡径頭部が前記シャッタの表面に溶着されるのを防止した。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、以下の順序で本発明を詳細に説明する。(1)ディスクカートリッジの概略構成、(2)インナーシェルへのシャッタの組付方法、(3)カートリッジ筐体の構成、(4)情報記録媒体の構成、(5)インナーシェルの構成、(6)シャッタの構成、(7)ディスクカートリッジの作用、の各項に分けて順に説明する。
【0012】
(1)ディスクカートリッジの概略構成
図1は、ディスクカートリッジを上シェル側から見た斜視図、図2は図1の分解斜視図、図3は下シェル側から見たシャッタ開状態の斜視図、図4は図3の分解斜視図である。 図1〜図4に示したように、ディスクカートリッジ1は、ディスク状の情報記録媒体3を回転可能に収納し、少なくとも一方に記録再生のための第1の開口部6を有する上、下シェル21、22からなるカートリッジ筐体2と、前記第1の開口部6と略同形の第2の開口部42を有するインナーシェル4と、前記インナーシェル4に連結されて前記第1の開口部を開閉するシャッタ5と、を備えている。
【0013】
ディスクカートリッジ1は、カートリッジ筐体2内に、ディスク状の情報記録媒体3と、インナーシェル4と、シャッタ5とを収納することにより構成されていて、インナーシェル4を一方向に回転させると、シャッタ5がカートリッジ筐体2に設けた開口部6を閉じる第1の位置に移動し、インナーシェル4を他方向に回転させると、シャッタ5がカートリッジ筐体2に設けた開口部6を開放する第2の位置に移動するようになっている。前記シャッタ5は、一対のシャッタ部材5a,5bからなっている。
【0014】
前記インナーシェル4は、前記一対のシャッタ部材5a,5bを回動可能に支持する一対の支持軸49,49を備えていて、これら一対の支持軸49,49を前記一対のシャッタ部材5a,5bに設けた軸受孔52に挿入し、前記一対の支持軸49,49の先端部を、次に説明する熱かしめ装置でかしめ加工して抜け止め用の拡径頭部49bを形成することにより、インナーシェル4に一対のシャッタ部材5a,5bを回動可能に結合されている。
【0015】
カートリッジ筐体2は、上,下シェル21,22の周壁21a,22aを突き合せることにより形成されていて、下シェル22に前記開口部6が設けられている。上シェル21の内面には、チャッキングプレート7がチャッキングプレート押さえ8によって垂直方向に移動自在に取り付けられている。
【0016】
そして、前記ディスクカートリッジ1を情報記録再生装置に装填すると、チャッキングプレート7は、情報記録再生装置のターンテーブル側に磁気吸引されて、前記ディスク状の情報記録媒体3を前記情報記録再生装置のターンテーブルの間に挟み着けてチャッキングする構成になっている。
【0017】
(2)インナーシェルへのシャッタの取付方法
図5に示すように、前記一対の支持軸49,49は、円柱のボス状に形成されていて、先端部には円形状の凹部49aが形成されている。前記一対の支持軸49,49及びその先端部の円形状の凹部49aは、インナーシェル4を成型する際に、これと一体的に樹脂成型されている。
【0018】
前記軸受孔52のシャッタ表面側の端部には、前記一対の支持軸49,49の先端部に形成される抜け止め用の拡径頭部49bを収容する拡径孔部52aが形成されている。前記拡径孔部52aは、前記シャッタ部材5a,5bを樹脂成型する際に、軸受孔52と同時に形成されている。
【0019】
図6に示すように、前記一対のシャッタ部材5a,5bは、軸受孔52に支持軸49を挿入し、該支持軸49の先端部をシャッタ部材の表面から突出させた状態でインナーシェル4上に載置される。
【0020】
そして、図7に示すように、熱かしめ装置201で前記一対の支持軸49,49の先端部に抜け止め用の拡径頭部49bを形成するようになっている。
【0021】
前記熱かしめ装置201は、前記一対の支持軸49,49の先端部に設けた凹部49a,49a内に挿入される一対の頭部成型チップ202,202と、これら一対の頭部成型チップ202,202を加熱する頭部成型チップ加熱手段としての一対のヒーター203,203と、これら頭部成型チップ202及びヒーター203を設けた一対の支持ロッド204,204と、一対の支持ロッド204,204を昇降台205を介して昇降させるシリンダー206と、ワーク送り台207と、を備えている。
【0022】
前記ヒーター203は、熱電対を内蔵していて、電気コード208を介して電源に接続されている。そして、前記熱電対に電源を供給することにより、前記頭部成型チップ202を瞬間的に加熱するようになっている。
【0023】
図8に示すように、前記一対の支持ロッド204,204は、中空状に形成されていて、一端部にスパイラル状のエアチーブ209が接続されている。前記エアチューブ209は、頭部成型チップ冷却手段としてのエアコンプレッサー(図示省略)に接続されている。そして、前記エアコンプレッサーから冷却風を頭部成型チップ202に供給して、該頭部成型チップ202を瞬間的に冷却するようになっている。頭部成型チップ202を冷却した冷却風は、頭部成型チップ202に設けたスリット210から外部に排出されるようになっている。(上述のような頭部成型チップ202に対する瞬間加熱、瞬間冷却が可能な熱かしめ装置は、インパルスウェルダー装置と称されている)。
【0024】
図9に示すように、前記頭部成型チップ202の直径φは、前記一対の支持軸49,49の直径よりも太い2〜3mm程度の太さに形成されているとともに、先端面202aは、半径(R)が5〜10mmの球面状に形成されている。
【0025】
そして、図10の(A)〜(E)に示すように、前記頭部成型チップ202の先端面202aを、前記一対の支持軸49,49の先端部の凹部49a内に挿入し、ヒーター203で瞬間的に加熱し、前記凹部49aの内側から前記一対の支持軸49,49の先端部を溶融、軟化させて、前記凹部49aの周壁を外側に向けて倒すように塑性変形させていって、図10の(E)に示すように、拡径頭部49bを前記拡径孔部52a内に形成する。このとき、図10の(B)に示すように、前記頭部成型チップ202の先端面202aは、前記凹部49aの内周面49cの上端に接触して、該内周面49c側のみを瞬間的に溶融させ、外周面49d側まで溶融するのを阻止し、該外周面49d側を前記拡径孔部52aの内周面に対向させるので、拡径頭部49bが拡径孔部52a内に溶着されるのを防止する。
【0026】
このようにして、前記拡径頭部49bを成型したら前記エアコンプレッサーにより冷却風を送り込んで、前記頭部成型チップ202を瞬間的に冷却するのである。前記拡径孔部52aは、少なくとも前記拡径頭部49bを完全に収容できる容積(大きさ)に形成されている。
【0027】
(3)カートリッジ筐体の構成
カートリッジ筐体2は、上,下シェル21,22の周壁21a,22aを突き合せることにより形成されている。
【0028】
図1及び図12に示したように、上シェル21は、正面側が円弧形状とされた略四角形をなす薄い皿状部材からなり、外周縁部には周壁21aが設けられている。また、上シェル21の周壁21aは、前縁部21bと、一対の側縁部21c,21dと、後縁部21eからなっている。後縁部21eの中央部には、下シェル22との位置決めを行う位置決め用の凹部21fが設けられている。
【0029】
周壁21aの内側、詳しくは、前縁部21bと一方の側縁部21cのコーナー部分、一方の側縁部21cと後縁部21eのコーナー部分、後縁部21eと他方の側縁部21dのコーナー部分のそれぞれには、次に説明する下シェル22の第1の防塵壁11aの内側に重なり合って、第1の防塵壁11aと共に第1の塵埃侵入阻止部11を構成する第1の防塵壁11bが設けられている。
【0030】
第2の防塵壁11bの内側には、これと略同じ高さの円弧状リブ14が、第2の防塵壁11bの一端部から他端部に跨るように円弧状に形成されている。
【0031】
円弧状リブ14の内側には、リング状リブ15が設けられている。このリング状リブ15の内側は、ディスク状の情報記録媒体3の収納部16になっている。
【0032】
リング状リブ15の外側には、後に詳しく説明するインナーシェル4のリング部の先端が嵌合するリング状の凹部17が設けられている。リング状の凹部17の底面の前後対称位置(180°位相をずらした位置)にはインナーシェル4を下シェル22から離間する方向に移動させるためのリフトアップ用の凸部18が設けられている。リフトアップ用の凸部18は、インナーシェル4のリング部41の先端面に設けたインナーシェル側のリフトアップ用の凸部46が乗り上げることにより、インナーシェル4を上シェル21から離間する方向に移動させるようになっている。
【0033】
図12に示したように、下シェル22は、上シェル21と同様に正面側が円弧形状とされた略四角形をなす薄い皿状部材からなり、外周縁部には周壁22aが設けられている。
【0034】
周壁22aは、前縁部22bと、一対の側縁部22c,22dと、後縁部22eからなっている。後縁部22eの中央部には、上シェル21との位置決めを行う位置決め用の凸部22fが設けられている。
【0035】
周壁22aの内側、詳しくは、前縁部22bと一方の側縁部22cのコーナー部分、一方の側縁部22cと後縁部22eのコーナー部分、後縁部22eと他方の側縁部22dのコーナー部分には、それぞれ上シェル21の第2の防塵壁11bの外側に重なり合って、第2の防塵壁11bと共に第1の塵埃侵入阻止部11を構成する第1の防塵壁11aが設けられている。
【0036】
第1の防塵壁11aは、下シェル22の周壁22aの先端から突出するように、下シェル22の周壁22aの内面に重ね合わせた状態でこれと一体に形成されている。
【0037】
図13に示したように、第1の防塵壁11aの高さH1は、下シェル22の周壁22aの高さH2に、上シェル21の周壁21aの高さH3を加えた値(H1=H2+H3)の高さに形成されている。
【0038】
第1の防塵壁11aの内側には、図12に示したように、前記第1の防塵壁11aと略同じ高さの円弧状リブ19が、第1の防塵壁11aの一端部から他端部に跨るように円弧状に形成されている。
【0039】
下シェル22の円弧状リブ19…19の内側は、インナーシェル4の肉厚方向の略半分及び一対のシャッタ5を収納する収納部になっている。
【0040】
上,下シェル21,22は、位置決め用の凹部21fに位置決め用の凸部22fを嵌合した状態で、互いの周壁21a,22aを突き合せた状態で重ね合わされている。
【0041】
そして、上,下シェル21,22を重ね合わせると、図13に示したように、上シェル21の第2の防塵壁11bが下シェル22の第1の防塵壁11aの内側面に0.1mm以上、0.5mm以下のクリアランスCで重なり合って、第1の塵埃侵入阻止部11が形成される。また、第1の塵埃侵入阻止部11の内側(ディスク収納部側)においては、上シェル21の円弧状リブ14と下シェル22の円弧状リブ19が重なり合って、該部においても塵埃侵入阻止部が構成されている。
【0042】
図14に示したように、下シェル22とシャッタ5の摺接面(接触面)には、シャッタ5が開口部6を閉じる第1の位置にある状態において、開口部6からディスク状記録媒体3側に塵埃が侵入するのを阻止するクランク状の第2の塵埃侵入阻止部12が設けられている。
【0043】
第2の塵埃侵入阻止部12は、開口部6を囲むように下シェル22に設けられたリブ状の凸部12aと、シャッタ5に設けられていて該シャッタ5が開口部6を閉じる第1の位置に移動してきたときに前記リブ状の凸部12aが嵌合する溝状の凹部12bとで構成されている。
【0044】
リブ状の凸部12aと溝状の凹部12bの幅方向の端部は、傾斜面12cになっていて、シャッタ5が開口部6を閉じている第1の位置から開口部6を開放する第2の位置に移動する際に、リブ状の凸部12aが溝状の凹部12bから抜け出しやすくなっている。
【0045】
また、下シェル22とシャッタ5の摺接面の前記クランク状の第2の塵埃侵入阻止部12よりも更に内側には、凹凸状の第3の塵埃侵入阻止部13が設けられている。
【0046】
図12に示したように、下シェル22には、中央部から前縁部22bにかけて開口部6が設けられている。この開口部6は、ディスク回転駆動機構のターンテーブルと光学ピックアップ装置の光学ヘッドをディスク状の情報記録媒体3に臨ませるためのもので、これらが自由に出入りできる広さに設定されている。
【0047】
第2の塵埃侵入阻止部12を構成するリブ状の凸部12aは、開口部6を囲むように平面視略H形状に、且つ略0.5mm程度の高さに形成されている。略H形状のリブ状の凸部12aの4つの端部には第1〜第4の背高部(閉塞部)12d〜12gが設けられている。第1〜第4の背高部12d〜12gは、リブ状の凸部12aの高さの4倍程度の高さに形成されている。略H形状のリブ状の凸部12aの4端部は第1〜第4の背高部12d〜12gを介して、前記円弧状リブ19に接続されている。また、下シェル22の内面には、後に説明する一対のシャッタ部材5a,5bの長孔53に挿入されるボス状(円柱状)の凸部20が設けられている。ボス状の凸部20は、前記略H形状のリブ状の凸部12aを挟んでその両側部に1個づつ形成されている。
【0048】
また、図3に示したように、上,下シェル21,22の一方の側縁部21d,22dの略中央部には、インナーシェル4の外周面のギヤ43の一部を露出させるための開口窓30が設けられている。この開口窓30は、上シェル21に設けた上シェル側切欠き部30aと、下シェル22に設けた下シェル側切欠き部30bとによって形成されている。更に、上,下シェル21,22の一方の側縁部21c,22cには、その接合面に沿って前後方向に延びるガイド溝31が設けられている。このガイド溝31は、ディスクカートリッジ1をディスク記録再生装置に装着する際の誤挿入防止等を目的として設けられたものである。このガイド溝31には開口窓30が連通されている。
【0049】
図2に示したように、下シェル22の前縁部22bと一方の側縁部22dとのコーナー部には、ロック部材32が回動可能に収納されるロック収納部33が設けられている。このロック収納部33は、下シェル22のインナーシェル等の収納部に連通されていると共に、一方の側縁部22dに設けられた開口穴34を介してガイド溝31に連通されている。更に、下シェル22のロック収納部33には、ロック部材32を回動自在に支持する支持軸35が、上シェル21側へ突出するように設けられている。
【0050】
ロック部材32は、支持軸35に回動自在に嵌合されて平面方向へ揺動可能とされたレバー状部材によって形成されている。ロック部材32の長手方向の一端には複数の歯を有するストッパ部36が設けられ、長手方向の他端には操作部37が設けられている。更に、ロック部材32には、ストッパ部36と対向するよう同方向に突出されたバネ片38が一体に設けられている。
【0051】
前記ロック部材32は、ストッパ部36をインナーシェル等の収納部側に向けた状態で支持軸35に嵌入され、バネ片38が前縁部22bの内面に当接される。このバネ片38のバネ力によってストッパ部36がインナーシェル等の収納部側に付勢されると共に、操作部37が開口穴34を内側から貫通してガイド溝31内に突出される。また、下シェル22の一方の側縁部22cと後縁部22eのコーナー部分に設けた誤消去防止部材取付部91には、光ディスク等の記録媒体に記録された情報の誤消去を防止するための誤消去防止部材92が取り付けられている。
(4)情報記録媒体の構成
情報記録媒体3として、オーディオ情報としての音楽信号やビデオ情報としての映像信号及び音楽信号等の各種の情報信号が予め記録された再生専用型の光ディスク、或いはオーディオ情報やビデオ情報等の情報信号が1度だけ記録可能(追記型)若しくは何度でも繰り返して記録可能(書換え型)とされた記録可能型の光ディスクが知られているが、実施例では記録可能型の光ディスク(以下、ディスク状の情報記録媒体を単に光ディスクと称する)が使用されている。
【0052】
図4に示したように、光ディスク3は、中央部にセンタ穴3aが設けられた厚みの薄い円板状の記録部材からなる。
【0053】
光ディスク3は、チャッキングプレート7により記録再生装置のターンテーブルにチャッキングされて回転方向に一体化されて所定速度(例えば、ゾーン毎の角速度一定)で回転される。
【0054】
光ディスク3の一面には、記録再生装置に内蔵される光学ピックアップ装置の光学ヘッドが対向される情報記録の可能な情報記録領域29aと、情報記録の不可能な非記録領域29bとが設けられている。非記録領域29bは、光ディスク3の内側に所定幅で設けられた内側の非記録領域29bと、光ディスク3の外周縁に所定幅で設けられた外側の非記録領域29bとからなる。この内外側の非記録領域29b,29b間に情報記録領域29aが設けられている。
【0055】
光ディスク3は、次に説明するインナーシェル4のリング部41内に回転自在に収納される。なお、光ディスク3の基板の材質としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリレート(PMMA)等の合成樹脂が好適であるが、他の合成樹脂を用いることができることは勿論のこと、合成樹脂以外でも、ガラス材やアルミニウム合金等の各種の材料を用いることができる。
【0056】
ディスク状の情報記録媒体としては、光ディスクに限定されるものではなく、薄い円盤の表面に、磁性薄膜層を形成して特定位置の磁化状態により情報を記憶するようにした磁気ディスク、同様に形成した磁性薄膜層に光ヘツドと磁気ヘツドを使用して情報を書き込み又は読み出すようにした光磁気ディスクその他の記憶媒体を適用することができる。
【0057】
(5)インナーシェルの構成
図2に示すように、インナーシェル4は、円盤状の薄い板材からなる平面部40と、この平面部40の外周縁に連続して設けられたリング部41とを有している。インナーシェル4の平面部40には、開口部42が形成されている。この開口部42は、下シェル22の開口部6と形状及び大きさがほぼ等しく形成されている。
【0058】
リング部41は、上シェル21のリング状リブ15の外径よりも稍大径の円筒状に形成され、前記リング状リブ15の外周に回転自在に嵌合され、その先端部が前記リング状リブ15の外側に設けられたリング状の凹部17に挿入されるようになっている。また、リング部41の外周面には、周方向の所定範囲に渡って多数の歯を有するギア部43が設けられている。このギア部43は、インナーシェル4の回転角度よりも少々大きい角度範囲となるように設定されている。即ち、図16に示すように、下シェル22の開口部6に対してインナーシェル4の開口部42が最大に傾いて、次に説明する一対のシャッタ部材5a,5bが完全に閉じた状態になると、ギア部43の周方向の一端が開口窓30に露出される。また、図15に示すように、インナーシェル4が所定角度回転して開口部42と開口部6が重なり合った状態となり、一対のシャッタ部材5a,5bが完全に開いたときに、ギア部43の周方向の他端が開口窓30に露出される。
【0059】
インナーシェル4のギア部43の両側には、インナーシェル4の回転移動量を制限するストッパ部44a,44bが半径方向外側へ突出するように設けられている。
【0060】
このようにギア部43及びストッパ部44a,44bがリング部41の外周面から外側へ突出しているため、上シェル21及び下シェル22の対応する部分には、ストッパ部44a,44b等との接触を回避してその通過を許容するための逃げ溝45a,45bがそれぞれ設けられている。
【0061】
図15に示したように、インナーシェル4の開口部42と下シェル22の開口部6が重なり合った状態になると、ストッパ部44aの一端部が逃げ溝45aの一端部に設けたストッパ係合部45cに係合してインナーシェル4の更なる回転を阻止する。また、図16に示したように、インナーシェル4の開口部42が下シェル22の開口部6に対して最大に傾いた状態になると、ストッパ部44bの一端部が開口部6の一端部に設けたストッパ係合部45dに係合してインナーシェル4の更なる回転を阻止する。
【0062】
更に、リング部41の先端面には、周方向の2箇所にリフトアップ用の凸部46が設けられている。これらインナーシェル側のリフトアップ用の凸部46は、図16に示したように、インナーシェル4の開口部42が下シェル22の開口部6に対して最大に傾いた状態において、図23Aに示したように、上シェル21のリング状の凹部17内に設けたリフトアップ用の凸部18に乗り上げるようになっている。更に、インナーシェル4の平面部40のリング部41と反対側の面には、図16に示したように、一対のシャッタ部材5a,5bを平面方向へ回動自在に支持するための一対の支持軸49,49が設けられている。この一対の支持軸49,49の先端部には、図5に示すように、円形状の凹部49aが設けられていることは前述の通りである。また、この一対の支持軸49,49は、開口部42を中心にして点対称となるよう1個づつ設けられている。また、一対の支持軸49,49の近傍には、下シェル22に設けた略H形状のリブ状の凸部12aと略同じ高さの台形状の嵌合解除用の凸部48、48が設けられている。これら嵌合解除用の凸部48、48は、シャッタ部材5a,5bが開口部6を閉じている図16の位置(第1の位置)から開口部6を開放する図15の位置(第2の位置)に移動する際に、リブ状の凸部12aを溝状の凹部12bから抜き出すためのものである。
【0063】
嵌合解除用の台形状の凸部48、48は、図16に示す位置において、下シェル22に設けた略H形状のリブ状の凸部12aの端部に設けた第2,第4の背高部12e,12gの側方に位置している。
【0064】
(6)シャッタの構成
図17及び図18に示したように、シャッタ5は、ほぼ同一の形状及び大きさに形成された一対のシャッタ部材5a,5bによって構成されている。前記一対のシャッタ部材5a,5bは、略半円形をなす前記リブ状の凸部12aの第1〜第4の背高部12d〜12gの高さと略同じ板厚の板体によって形成されている。各シャッタ部材5a、5bの弦側辺の略中央部には、弦線と直交する方向に所定の長さで形成された段部50が設けられており、この段部50を介してその両側に凸側接合部50aと凹側接合部50bとが形成されている。更に、シャッタ部材5a,5bの各接合部50a,50bには、弦の延在方向と直交する方向に庇状に突出する庇部51a,51bがそれぞれ設けられている。 かくして、一対のシャッタ部材5a,5bにおいて、互いの凸側接合部50aの端面と凹側接合部50bの端面とがそれぞれ対向され、凸側接合部50aの庇部51aが凹側接合部50bの庇部51bにそれぞれ重なり合わされる。このシャッタ部材5a,5bの弦側辺の凸側接合部50b側の端部である軸組付部50cには、軸受孔52がそれぞれ設けられている。また、前述したように、前記軸受孔52のシャッタ表面側には拡径孔部52aが設けられている。
【0065】
シャッタ部材5a、5bの弦側辺の凹側接合部50b側の端部には、それぞれ下シェル22の略H形状のリブ状の凸部12aの端部に設けた第2の背高部12e又は第4の背高部12gを導入する切欠部50dが設けられている。
【0066】
前記軸受孔52に平面部40の支持軸49を嵌合させることにより、各シャッタ部材5a,5bがインナーシェル4にそれぞれ回動自在に取り付けられる。この際、一対のシャッタ部材5a,5bは、互いの弦側辺を対向させて取り付けるようにする。その結果、図19に示すように、一対のシャッタ部材5a、5bをそれぞれ外側へ離反させるように回動させたとき、各シャッタ部材5a,5bは、インナーロータ4の開口部42を挟んで、その両側部上に重なるように載置される。一方、一対のシャッタ部材5a,5bをそれぞれ内側へ回動させて互いの接合部50a,50bをそれぞれ当接させることにより、図20に示すように、開口部42の中央部が一対のシャッタ部材5a,5bによって閉じられる。
【0067】
更に、図17〜図20に示したように、シャッタ部材5a,5bの凹側接合部50b側には、このシャッタ部材5a,5bを開閉動作させるための長孔(開閉溝)53がそれぞれ設けられている。各長孔53は、それらが設けられているシャッタ部材5a,5bの軸受孔52を中心に放射方向へ延びるように形成されている。この長孔53には、下シェル22のボス状の凸部20が摺動可能に係合される。更に、各長孔53の外側の端部には、周囲に切り込みを入れることによって形成された弾性片54と、ボス状の凸部20を逃がすための凹部53aとが設けられている。また、シャッタ部材5a,5bの円弧側辺には閉鎖用の凸片55が設けられている。図22に示したように、シャッタを閉じた状態において、前記シャッタ部材5aの凸片55は、下シェル22の第1の背高部12dに当接し、シャッタ部材5bの凸片55は、下シェル22の第3の背高部12fに当接して、これらの間の隙間を塞ぐようになっている。
【0068】
また、図17、図20に示したように、シャッタ部材5a,5bの下シェル22との摺接面には、略H形状のリブ状の凸部12aと係合して、第2の塵埃侵入阻止部12を構成する溝状の凹部12bが設けられている。溝状の凹部12bには、シャッタ部材5a,5bが開口部42を閉じている状態において、下シェル22のリブ状の凸部12aが嵌合するようになっている。また、第2の塵埃侵入阻止部12の内側には、多数の凹凸からなる第3の塵埃侵入阻止部13が設けられている。
【0069】
シャッタ部材5a,5bの材質としては、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、HIPS(高衝撃性ポリスチレン)、POM(ポリアセタール)等の合成樹脂が用いられ、更には摺動性が付与されたタイプの材料が好適である。しかしながら、その他の合成樹脂を適用できることは勿論のこと、アルミニウム合金、ステンレス鋼その他の金属材料を用いることもできる。
【0070】
(7)ディスクカートリッジの作用
次に、ディスクカートリッジの作用をディスク記録再生装置の構成と共に説明する。ディスク記録再生装置60は、図21に示すように、中空の筐体からなる外装ケース61と、この外装ケース61内に収納された記録再生装置本体(図示省略)等をを備えて構成されている。外装ケース61は、上面及び前面に開口されたケース本体62と、このケース本体62の上面を閉じるように上部に着脱可能に取り付けられたケース蓋体63と、ケース本体62及びケース蓋体63の前面を閉じるように前部に着脱可能に取り付けられた前面パネル64等を備えている。
【0071】
ケース本体62の4箇所には、下方に突出する脚体62aが設けられている。これらの脚体62aによってディスク記録再生装置60が支えられている。前面パネル64は、横長とされた板状部材からなり、その上部には横長のカートリッジ出入口65が設けられている。カートリッジ出入口65は、ディスクカートリッジ1の正面側の大きさ略同程度の大きさに形成されている。このカートリッジ出入口65は、その内側に配置された開閉扉66によって常時は閉じられている。
【0072】
この開閉扉66をディスクカートリッジ1の前部で押圧し、所定の位置まで差し込む。これにより、図示しないローディング機構によってディスクカートリッジ1が自動的に取リ込まれる。そして、ローディング機構で搬送されたディスクカートリッジ1は、ディスク記録再生装置60内の所定位置で位置決めされて固定される。これと同時に又は前後して、ディスク記録再生装置60に設けられているシャッタ開閉機構によってシャッタ5が操作され、開口部6,42が開放される。
【0073】
ディスクカートリッジ1が所定の位置まで挿入されると、図22に示すように、ディスク記録再生装置60に内蔵されたシャッタ開閉機構のラック棒70が、ディスクカートリッジ1の一方の側面部に設けたガイド溝31内に入り込む。これにより、ガイド溝31内に突出されているロック部材32の操作部37が、バネ片38の付勢力に抗してラック棒70の押圧力によりロック収納部33内に押し込められる。更に、ラック棒70が相対的に前進することにより、そのギア部70aの先端がインナーシェル4のギア部43に噛み合わされる。
【0074】
このギア部43がラック棒70のギア部70aに噛み合うことにより、ラック棒70の移動量に応じてインナーシェル4が回転される。
【0075】
図22は、ラック棒70のギア部70aがインナーシェル4のギア部43に噛み合う前の状態を示すものである。この状態では、一対のシャッタ部材5a,5bの凸側接合部50a及び凹側接合部50bは互いに突き当てられて密着されている。このとき、インナーシェル4の開口部42は、下シェル22の開口部6に対して傾斜された位置にあるため、両開口部6,42の重なり合った中央部分のみが開口されるが、その開口部は一対のシャッタ部材5a,5bによって閉じられている。従って、開口部6、42の重複部分から塵埃がディスク収納部内に入り込む虞れがない。
【0076】
更に、開口部6と開口部42とが鋭角で接近している部分には、一対のシャッタ部材5a,5bの軸取付部50cが介在されており、これら軸取付部50cがリブ状の凸部12aの第2,第4の背高部12e,12gの内側に位置して隙間を消滅させている。また、第1,第3の背高部12d,12fの内側には閉鎖用の突片55が介在されて隙間を消滅させている。更に、一対のシャッタ部材5a,5bに設けた長孔53は、シャッタ部材5a,5bが重なっている下シェル22によって閉じられている。更にまた、図23A及び図14に示したように、開口部6を囲むように下シェル22に設けた略H形状のリブ状の凸部12aがシャッタ部材5a,5bに設けた溝状の凹部12bに嵌まり込んでクランク状の第2の塵埃侵入阻止部12が形成されると共に、第2の塵埃侵入阻止部12の内側にはシャッタ部材5a,5bに設けた多数の凹凸からなるラビリンス状の第3の塵埃侵入阻止部13が形成されているので、開口部6,42を介して塵埃がディスク収納部内に侵入するおそれが無い。
【0077】
この状態から、ディスクカートリッジ1の挿入動作に対応してラック棒70がガイド溝31内に入り込み、そのギア部70aとインナーシェル4のギア部43との噛み合いが開始されると、インナーシェル4が反時計方向に回転される。この場合、インナーシェル4が回転動作を開始する初期状態では、図22及び図23Aに示すように、インナーシェル4のリフトアップ用の凸部46が上シェル21のリフトアップ用の凸部18に乗り上げてインナーシェル4との間で一対のシャッタ部材5a、5bを挟持した状態となっているため、インナーシェル4の回転動作には比較的大きな力が必要とされる。リフトアップ用の凸部18,46相互の乗り上げによる大きな摩擦力に抗してインナーシェル4を回転させることにより、図23Bに示すように、リフトアップ用の凸部18,46相互の係合が外れ摩擦力が消滅する。そのため、これ以後のインナーシェル4の回転動作は、極めて軽く且つスムースに行うことができる。
【0078】
インナーシェル4を回転により、インナーシェル4の底面に設けた嵌合解除用の台形状の凸部48,48が下シェル22のリブ状の凸部12aの第1,第3の背高部12d,12fに乗り上げて、下シェル22に対してインナーシェル4が持ち上げられた状態になると共に、シャッタ部材5a,5bも上昇して、リブ状の凸部12aから溝状の凹部12bが抜け出た状態になるのである。
【0079】
このとき、シャッタ部材5a,5bの各軸受孔52は、インナーシェル4の回転によって同様に回転される一方、他端側に設けた長孔53には下シェル22のボス状の凸部20,20がそれぞれ摺動可能に係合されている。この一対のボス状の凸部20,20は、下シェル22に設けられていて移動することがない。その一方、長孔53は、シャッタ部材5a,5bの回動に追従してボス状の凸部20,20との間に相対移動が可能なように軸受孔52とボス状の凸部20を結ぶ方向Sに延在されているので、シャッタ部材5a,5bの回動量に応じてボス状の凸部20が長孔53内を軸受孔52側に相対移動する。これにより、各シャッタ部材5a,5bにおいて軸受孔52が対応するボス状の凸部20側に移動する。その結果、図24の状態から、図25、図26及び図27の状態を経て、図28に示すように、各シャッタ部材5a,5bがインナーシェル4の開口部42の両側部に移動する。これにより、上下の開口部6,42が完全に開放される。そのため、ディスク収納部内に収納されている光デイスク3の一部が開口部6,42によって露出される。
【0080】
その結果、開口部6,42からディスクカートリッジ1内へターンテーブル67及び図示省略の光学ヘッドの挿入が可能となる。そして、記録再生装置本体62による情報信号の再生又は記録が実行される。
【0081】
情報信号の再生又は記録の後、例えば、ディスク記録再生装置60に設けられるカートリッジ排出ボタン(図示せず)を操作することにより、ローディング機構の作動を介してディスクカートリッジ1がディスク記録再生装置60から排出される。即ち、ローディング機構の排出動作によってディスクカートリッジ1がカートリッジ出入口65側に移動すると、相対的にラック棒70が後退動作される。
【0082】
このラック棒70の後退動作により、インナーシェル4及び一対のシャッタ部材5a,5bが上述した挿入時とは逆の動作を実行する。即ち、図28に示す一対のシャッタ部材5a,5bが完全に開いた状態から、インナーシェル4及び一対のシャッタ部材5a,5bが時計方向に回動し、図27、図26及び図25の状態を経て、図24の状態に変化する。この図27〜図24の状態では、インナーシェル4のリフトアップ用の凸部46は、下シェル22のリフトアップ用の凸部18と非接触状態にあるため、インナーシェル4を軽い力Fで回転させることができる。
【0083】
次に、インナーシェル4が図24の状態から図22の状態に変化する際に、インナーシェル4のリフトアップ用の凸部46が下シェル22のリフトアップ用の凸部18に乗り上げるため、これ以後、インナーシェル4の回動には上述した摩擦力が加えられる。一方、ボス状の凸部20に対して長孔53が最外側部まで移動し、弾性片54に接触してこれを抑圧する。これにより、ボス状の凸部20の押圧力によって弾性片54にバネ力Xが発生する。この弾性片54のバネ力Xによって中央の段部50には、他方のシャッタ部材5a又は5bに作用する圧接力Yが発生する。
【0084】
この圧接力Yは、一対のシャッタ部材5a,5bの両者に発生するため、互いの圧接力Yによって一対のシャッタ部材5a,5bの密閉性が更に高められる。従って、一対のシャッタ部材5a,5bの接合部における防塵性を向上させて、塵埃等がディスク収納部内に侵入するのをより効果的に防止することができる。
【0085】
その後、ラック棒70のギア部70aがギア部43から外れた後、そのラック棒70が開口穴34を通過することにより、ロック部材32の操作部37が開口穴34からガイド溝31内に突出される。これと同時に、ストッパ部36が内側に移動してギア部43に噛み合わされる。その結果、ロック部材32によってインナーシェル4がロックされ、その回動が停止される。そして、図20及び図22に示すように、一対のシャッタ部材5a,5bによって開口部6,42の全体が完全に閉じられる。
【0086】
【発明の効果】
本発明には次に述べるような効果がある。
(1)本発明は、支持軸の先端部に設けた凹部内に、熱かしめ装置の頭部成型チップの先端部を挿入し、前記チップで前記支持軸の先端部を前記凹部の内周側から加熱して軟化させ、前記凹部の周壁を外側に向けて倒すように塑性変形させて抜け止め用の拡径頭部を、シャッタの軸受孔の拡径孔部内に容易に形成することができる。
(2)本発明は、熱かしめ装置に、頭部成型チップを瞬間加熱及び瞬間冷却が可能な過熱手段及び冷却手段を備えたインパルスウェルダー装置を用いたので、インナーシェルのシャッタ部材を結合するための時間を短縮することができる。
(3)本発明は、前記頭部成型チップの先端面を球形状に形成したので、前記支持軸の先端の凹部の周壁を無理なく外側に向けて倒すようにして、抜け止め用の拡径頭部を形成することができる。
(4)本発明は、抜け止め用の拡径頭部を、軸受孔の上端部の拡径孔部内に収容したので、前拡径頭部がディスクカートリッジを薄肉化する上で障害になるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスクカートリッジを上面側から見た斜視図。
【図2】図1の分解斜視図。
【図3】ディスクカートリッジを下面側から見た斜視図。
【図4】図3の分解斜視図。
【図5】インナーシェルとシャッタ部材の斜視図。
【図6】インナーシェル上にシャッタ部材を載置した状態の斜視図。
【図7】熱かしめ装置の斜視図。
【図8】熱かしめ装置の要部の側面図。
【図9】頭部成型チップの拡大側面図。
【図10】(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、熱かしめ工程図。
【図11】上シェルの内面側の平面図。
【図12】下シェルの内面側の平面図。
【図13】図1のA−A断面図。
【図14】図3のB−B断面図。
【図15】下シェルにインナーシェルを組み付けて両者の開口部の位置を合わせた状態の平面図。
【図16】下シェルにインナーシェルを組み付けて両者の開口部の位置をずらした状態の平面図。
【図17】シャッタ部材を上面側から見た斜視図。
【図18】シャッタ部材を下面側から見た斜視図。
【図19】シャッタ部材をインナーシェルに取り付けて開口部を開いた状態の斜視図。
【図20】シャッタ部材をインナーシェルに取り付けて開口部を閉じた状態の斜視図。
【図21】ディスク記録再生装置の斜視図。
【図22】カートリッジ筐体とシャッタ機構との動作関係を示し、シャッタ部材で開口部を完全に閉じた状態を示す説明図。
【図23】(A)はインナーシェルのリフトアップ用の凸部が上シェルのリフトアップ用の凸部に乗り上げた状態を示す断面図、(B)はインナーシェルと上シェルのリフトアップ用の凸部の係合が外れた状態を示す断面図。
【図24】図22の状態からインナーシェルが少し回転して一対のシャッタ部材が少し開いた状態を示す説明図。
【図25】図24の状態からインナーシェルが更に少し回転して一対のシャッタ部材が更に少し開いた状態を示す説明図。
【図26】図25の状態からインナーシェルが更に回転して一対のシャッタ部材が更に開いた状態を示す説明図。
【図27】図26の状態からインナーシェルが更に回転して一対のシャッタ部材が更に開いた状態を示す説明図。
【図28】 図27の状態からインナーシェルが更に回転して一対のシャッタ部材が完全に開いた状態を示す説明図。
【図29】従来例の分解斜視図。
【図30】従来例の要部の斜視図。
【図31】(A)と(B)は、従来例の熱かしめ工程図。
【符号の説明】
1…ディスクカートリッジ、2…カートリッジ筐体、3…光ディスク(情報記録媒体)、4…インナーシェル、5…シャッタ、5a,5b…シャッタ部材、6…開口部、49…支持軸、49a…凹部、49b…抜け止め用の拡径頭部、52…軸受孔、52a…拡径孔部、201…熱かしめ装置、202…頭部成型チップ、202a…球状面、203…ヒーター(加熱手段)、209…エアーコンプレッサー(冷却手段)。

Claims (4)

  1. 情報記録媒体を回転可能に収納し、少なくとも一方に記録再生のための第1の開口部を有する上下シェルと、
    前記第1の開口部と略同形の第2の開口部を有するインナーシェルと、
    前記インナーシェルに設けた支持軸に回動可能に取り付けられていて前記インナーシェルを回転させることによって、前記支持軸を中心に回動して前記第1の開口部を開閉するシャッタと、
    を備え、
    前記支持軸を、前記シャッタに設けた軸受孔に挿入し、前記支持軸の先端部を熱かしめ装置でかしめ加工して抜け止め用の傾斜した拡径頭部を形成し、前記インナーシェルに前記シャッタを回動可能に取り付けるディスクカートリッジの製造方法であって、
    前記支持軸の先端部には、予め前記熱かしめ装置の頭部成型チップの先端部を導入する凹部を設けておくとともに、前記軸受孔を前記シャッタの表裏面を貫通させて形成し、前記シャッタの表面側の端部には、前記支持軸の先端部に形成する拡径頭部を収容する傾斜した拡径孔部を予め設けておいて、
    前記支持軸の先端部に設けた凹部内に、前記熱かしめ装置の頭部成型チップの先端部を導入し、前記頭部成型チップで前記支持軸の先端部を加熱して溶融、軟化させ、前記凹部の周壁を外側に向けて倒すようにしながら前記支持軸の先端部を塑性変形させて前記拡径頭部を前記拡径孔部内に形成すること
    を特徴とするディスクカートリッジの製造方法。
  2. 前記熱かしめ装置は、前記頭部成型チップを瞬間加熱する加熱手段と、前記頭部成型チップを瞬間冷却する冷却手段と、を備えていること
    を特徴とする請求項1に記載のディスクカートリッジの製造方法。
  3. 前記熱かしめ装置の頭部成型チップの先端面は、前記支持軸の先端の凹部よりも大径の球面状に形成されていること
    を特徴とする請求項2に記載のディスクカートリッジの製造方法。
  4. 情報記録媒体を回転可能に収納し、少なくとも一方に記録再生のための第1の開口部を有する上下シェルと、
    前記第1の開口部と略同形の第2の開口部を有するインナーシェルと、
    前記インナーシェルに回動可能に設けた支持軸に取り付けられていて前記インナーシェルを回転させることによって前記支持軸を中心に回動して前記第1の開口部を開閉するシャッタと、
    を備えたディスクカートリッジであって、
    前記シャッタの支持軸が挿入される軸受孔は、前記シャッタの表裏面を貫通させて形成されていて、前記軸受孔は、前記シャッタの表面側の端部に傾斜した拡径孔部を備え、
    前記支持軸は、前記拡径孔部内に収容されて前記シャッタが前記支持軸から抜け出るのを阻止するフランジ状の傾斜した拡径頭部を先端部に備えていること
    を特徴とするディスクカートリッジ。
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