JP4088748B2 - データ処理装置およびデータ処理方法 - Google Patents

データ処理装置およびデータ処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば曲データを有料配信する配信サービス等に用いて好適なデータ処理装置およびデータ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ブロードバンド通信技術の進展に伴い、映像や音楽等をディジタル化したコンテンツを有料配信する様々なビジネスモデルが生れつつある。この種の技術としては、例えばインターネットを介して接続されるサービス事業者およびその事業者と配信契約したユーザからなり、ユーザがサービス事業者の配信サイトにアクセスして所望の曲データについてダウンロードを要求すると、配信サイトがその要求に応じて曲データをユーザへ送出すると共に、当該ユーザからその料金を徴収する曲データ配信サービスが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような配信サービスによってサイトからダウンロードするコンテンツは、他の記憶媒体への複写や移動が容易であるため、コピーガード等を施す場合が多い。しかしながら、データ複写を防止してしまうと、正規に入手したユーザであっても、バックアップ用のデータを複写したり、データを他の記憶媒体に移動することができなくなるという問題や、一旦ユーザにダウンロードされたコンテンツはネット上で再配布され易いという問題もある。
そこで本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、正規に入手したユーザだけがバックアップ用のデータを複写したり、データを他の記憶媒体に移動できる上、再配布も防止し得るデータ処理装置およびデータ処理方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ネットワークを介して接続される配信手段からヘッダを含むコンテンツデータをダウンロードする端末装置に設けられ、ダウンロードに先立って前記配信手段から送出されるヘッダの内容に従い、当該ヘッダを含むコンテンツデータが正規なものであるか否かを判定する判定手段と、この判定手段によって正規なコンテンツデータと判定された場合にのみ前記配信手段にダウンロード開始を指示する指示手段と、前記ダウンロード開始の指示に応じて前記配信手段からダウンロードされるコンテンツデータに含まれるヘッダの内容をダウンロード済みを表す属性に更新し、更新したヘッダを含むコンテンツデータを記憶手段に格納する保存手段とを具備することを特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の発明では、ネットワークを介して接続される配信手段からヘッダを含むコンテンツデータをダウンロードする端末装置で実行されるデータ処理方法であって、ダウンロードに先立って前記配信手段から送出されるヘッダの内容に従い、当該ヘッダを含むコンテンツデータが正規なものであるか否かを判定する判定過程と、この判定過程にて正規なコンテンツデータと判定された場合にのみ前記配信手段にダウンロード開始を指示する指示過程と、前記ダウンロード開始の指示に応じて前記配信手段からダウンロードされるコンテンツデータに含まれるヘッダの内容をダウンロード済みを表す属性に更新し、その更新されたヘッダを含むコンテンツデータを保存する保存過程とを具備することを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の発明では、自己の所有者および装置を各々識別する所有者IDおよび装置IDが予め記憶されるID記憶手段と、このID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDが格納されたヘッダを含むデータを記憶する第1の記憶手段と、装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段と、第1の記憶手段に記憶されたデータを第2の記憶手段に複写した後、第1の記憶手段からデータを削除する一方、第2の記憶手段に複写されたデータのヘッダの内容を、所有者および装置を識別しない不特定状態に変更する第1の移動手段と、第2の記憶手段に記憶されるデータのヘッダの内容が所有者および装置を識別しない不特定状態に設定されている場合にのみ、第2の記憶手段に記憶されるデータを第1の記憶手段に複写した後、第2の記憶手段からデータを削除する一方、この第1の記憶手段に複写されたデータのヘッダの内容を、前記ID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDに書き換える第2の移動手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の発明では、自己の所有者および装置を各々識別する所有者IDおよび装置IDを予めID記憶手段に記憶しておき、このID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDが格納されたヘッダを含むデータを第1の記憶手段に記憶する記憶過程と、第1の記憶手段に記憶されたデータを、装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段に複写した後、この第1の記憶手段からデータを削除する一方、第2の記憶手段に複写されたデータのヘッダの内容を、所有者および装置を識別しない不特定状態に変更する第1の移動過程と、第2の記憶手段に記憶されるデータのヘッダの内容が所有者および装置を識別しない不特定状態に設定されている場合にのみ、この第2の記憶手段に記憶されるデータを第1の記憶手段に複写した後、第2の記憶手段からデータを削除する一方、第1の記憶手段に複写されたデータのヘッダの内容を、前記ID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDに書き換える第2の移動過程とを具備することを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明では、自己の所有者および装置を各々識別する所有者IDおよび装置IDが予め記憶されるID記憶手段と、このID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDが格納されたヘッダを含むデータを記憶する第1の記憶手段と、この第1の記憶手段に記憶されたデータを、装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段に複写する第1の複写手段と、前記ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、前記第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写する第2の複写手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の発明では、自己の所有者および装置を各々識別する所有者IDおよび装置IDを予めID記憶手段に記憶しておき、このID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDが格納されたヘッダを含むデータを第1の記憶手段に記憶する記憶過程と、この記憶過程にて第1の記憶手段に記憶されたデータを、装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段に複写する第1の複写過程と、前記ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写する第2の複写過程とを具備することを特徴とする。
【0010】
請求項7に記載の発明では、自己の所有者および装置を各々識別する所有者IDおよび装置IDが予め記憶されるID記憶手段と、このID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDが格納されたヘッダを含むデータを記憶する第1の記憶手段と、装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段と、この第1の記憶手段に記憶されたデータを第2の記憶手段に複写した後、第1の記憶手段に記憶されたデータを削除する第1の移動手段と、前記ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、前記第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、この第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写した後、第2の記憶手段に記憶されたデータを削除する第2の移動手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
請求項7に従属する請求項8に記載の発明では、前記第2の移動手段は、前記ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、前記第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、所定回数以下の移動であるかどうかを判断し、所定回数以下の移動であれば、第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写した後、第2の記憶手段に記憶されたデータを削除することを特徴とする。
【0012】
請求項9に記載の発明では、自己の所有者および装置を各々識別する所有者IDおよび装置IDを予めID記憶手段に記憶しておき、このID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDが格納されたヘッダを含むデータを第1の記憶手段に記憶する記憶過程と、前記第1の記憶手段に記憶されたデータを、装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段に複写した後、第1の記憶手段に記憶されたデータを削除する第1の移動過程と、前記ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、前記第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写した後、この第2の記憶手段に記憶されたデータを削除する第2の移動過程とを具備することを特徴とする。
【0013】
請求項9に従属する請求項10に記載の発明では、前記第2の移動過程は、前記ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、所定回数以下の移動であるかどうかを判断し、所定回数以下の移動であれば、第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写した後、第2の記憶手段に記憶されたデータを削除することを特徴とする。
【0014】
本発明では、コンテンツデータのダウンロードに先立って配信手段から送出されるコンテンツデータのヘッダの内容に従い、データ処理装置が正規なコンテンツデータであるか否かを判定し、正規なコンテンツデータである場合にのみ配信手段にコンテンツデータのダウンロード実行を指示するので、例えば不正に複写されたコンテンツデータが配信手段から配信されるのを未然に防止し得る。また、データ処理装置が正規なコンテンツデータをダウンロードすると、その曲データのヘッダの内容をダウンロード済みの属性に更新する為、コンテンツデータの再配布を防止し得るようになる。
【0015】
また、本発明では、第1の記憶手段に記憶されたデータを、装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段に複写した後、この第1の記憶手段からデータを削除する一方、第2の記憶手段に複写されたデータのヘッダの内容を所有者および装置を識別しない不特定状態に変更し、第2の記憶手段に記憶されるデータのヘッダの内容が所有者および装置を識別しない不特定状態に設定されている場合にのみ、この第2の記憶手段に記憶されるデータを第1の記憶手段に複写した後、第2の記憶手段からデータを削除する一方、第1の記憶手段に複写されたデータのヘッダの内容を自己の所有者IDおよび装置IDに書き換えるので、複製を作ることなくデータを第1の記憶手段と第2の記憶手段との間で移動し得るようになる。
【0016】
さらに、本発明では、第1の記憶手段に記憶されるデータを第2の記憶手段に複写すると、複写先ではヘッダの内容が複写元と同じものになる為、第2の記憶手段が他人に渡ってもデータを他の装置における第1の記憶手段に移動したり複写することが出来ない、所有者専用のバックアップデータとなる。また、第2の記憶手段に複写されたデータは、所有者同一であって、しかも装置同一である場合にのみ第1の記憶手段に複写可能になる為、不正複写を防止し得る。
【0017】
加えて、本発明では、第1の記憶手段に記憶されたデータを第2の記憶手段に複写した後、第1の記憶手段に記憶されたデータを削除し、ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写した後、この第2の記憶手段に記憶されたデータを削除するので、第2の記憶手段に移動されたデータは、所有者同一であって、しかも装置同一である場合にのみ第1の記憶手段に戻せるようになる結果、不正複写を防止し得る。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明によるデータ処理装置は、例えば配信サービスによって配信サイトからダウンロードした曲データを記憶再生する端末装置などに適用される。以下では、このような配信サービスに用いられる端末装置を実施例とし、これについて図面を参照して説明する。
【0019】
A.第1実施例
(1)構成
図1は曲データ配信システムの概略構成を示すブロック図である。この図に示すシステムは、インターネット等のネットワークNTを介して互いに接続されるサービス事業者の配信サイト1と、配信契約したユーザの端末装置2からなり、端末装置2が配信サイト1にアクセスして所望の曲データについてダウンロードを要求すると、その要求に応じて配信サイト1が対応する曲データを端末装置1へ送出する一方、その課金をオンライン決済するようになっている。
【0020】
配信サイト1は、例えばプロキシーサーバ1a、配信管理サーバ1bおよびデータベースサーバ1c等から構成される。プロキシーサーバ1aは、配信管理サーバ1b側に接続されるイントラネット(図示略)とインターネット等のネットワークNTとを遮断する機能を備えると共に、両ネットワーク間の通信を制御する。
具体的には、アクセス認証された正当なユーザ、つまり、配信契約した端末装置2からの転送要求のみを配信管理サーバ1bへ中継する一方、それに対応する配信管理サーバ1bからの各レスポンスを該当する端末装置2に返送する。
【0021】
配信管理サーバ1bは、プロキシーサーバ1aを介してサイトアクセスしてくる端末装置2からの要求に対応した種類のHTMLファイルを送出してWebページ画面を閲覧させ、このWebページ画面を閲覧した端末装置2からの要求に応じた処理を実行する。
具体的には、例えば端末装置2からのダウンロード要求に応じて、該当する曲データをデータベースサーバ1cから抽出してダウンロードする。さらに、配信管理サーバ1bは、曲データのダウンロードが完了した時点で、ダウンロードを要求したユーザ(端末装置2)の決済条件(クレジット情報)をデータベースサーバ1cから検索し、それに基づきバンキングシステム(図示略)にオンライン決済を依頼する。
データベースサーバ1cは、会員データベースや曲データベース等を備え、配信管理サーバ1bからの検索要求に対応したデータを該当データベースから抽出する。
【0022】
本発明によるデータ処理装置を搭載する端末装置2は、装置各部を制御するCPU、本体内部メモリとして用いられるRAM、各種制御プログラム等を記憶するROMおよびLCDパネル等の表示手段を備え、ネットワークNTを介して配信サイト1と通信する機能の他、配信サイト1からダウンロードした曲データを再生したり、あるいはダウンロードした曲データを、本体内部メモリからスマートメディア等の2次記憶媒体2aに複写あるいは移動する機能を有する。
この端末装置2の特徴的な処理は、正規ユーザの端末装置2だけがダウンロードした曲データをバックアップ用に複写したり、あるいはダウンロードした曲データをスマートメディア等の2次記憶媒体2aに移動でき、さらにはダウンロードした曲データの再配布も防止し得るようにデータ処理を施すことにあり、そうした処理の詳細については追って述べる。
【0023】
なお、端末装置2は、上記構成に限定されるものではなく、例えば周知のブラウザ機能や曲再生機能を備え、ネットワークNTを介してダウンロードしたデータをスマートメディア等の2次記憶装置に複写あるいは移動可能な携帯電話や無線携帯端末であっても構わず、その場合、図1に図示するように、無線接続する接続業者3を経由してネットワークNTに接続する形態となる。
【0024】
(2)動作
次に、図2〜図3に示すシーケンスフローを参照して曲データ配信システムの動作を述べた後、図4〜図13に示すフローチャートを参照して、本発明の要旨に係わる端末装置2の動作を説明する。
【0025】
▲1▼曲データ配信システムの動作
まず、端末装置2がネットワークNTを介して配信サイト1にアクセスすると、配信サイト1のプロキシーサーバ1aが端末装置2側からの接続要求を受けて端末装置2との接続を確立する。そして、両者の通信が開設されると、配信サイト1の配信管理サーバ1bはステップSA1に処理を進め、Webページに相当するメニュー画面を作成し、それを接続要求してきた端末装置2に送出する。 一方、端末装置2は配信サイト1側との通信開設後、ステップSA2に処理を進め、受信したメニュー画面を画面表示する。メニュー画面とは、配信サイト1が提供するサービス内容を一覧表示する画面であり、この画面には例えば配信要求するダウンロードアイコンや配信サービスの終了を指示する終了アイコン等が設けられている。
【0026】
そして、端末装置2において、ユーザが配信要求すべくメニュー画面のダウンロードアイコンをクリックすると、ステップSA3の判断結果が「YES」となり、ダウンロード指示を配信サイト1側に送出する。なお、メニュー画面においてダウンロードアイコン以外がクリックされた場合には、上記ステップSA3の判断結果は「NO」となり、クリックされたアイコン種に応じた、その他の処理を実行する。
ダウンロード指示を受信した配信サイト1の配信管理サーバ1bは、ステップSA4に処理を進め、配信可能な曲データを一覧表示する曲リスト画面を作成し、それをダウンロード要求を出した端末装置2へ返送する。
【0027】
ダウンロード要求を出した端末装置2では、曲リスト画面を受信して画面表示し(ステップSA5)、続くステップSA6にて曲リスト画面からダウンロードしたい曲目を選択し、この選択操作に応じて発生する曲選択イベントを配信サイト1に送出する。
配信サイト1では、曲選択イベントを受信すると、ステップSA7を実行する。ステップSA7では、受信した曲選択イベントが指定する曲データをデータベースサーバ1cから検索し、該当する曲データのヘッダ部HD(後述する)を端末装置2に返送する。
【0028】
端末装置2は、曲データのヘッダ部HDを受信すると、図3に示すステップSA8に処理を進めて判定処理を実行する。この判定処理とは、曲選択に応じて配信サイト1から返送されるヘッダ部HDの内容に基づき、不正な曲データであるか否かを判定し、正規な曲データと判定された場合にはダウンロード可を表すべくフラグDLFを「1」にセットし、不正な曲データと判定された場合にはダウンロード不可を表すべくフラグDLFを「0」にセットするものであり、その詳細については追って述べる。
【0029】
次いで、端末装置2はステップSA9に処理を進め、フラグDLFに応じた処理を実行する。すなわち、フラグDLFが「0」の場合には、ステップSA10に処理を進め、例えば「不正な曲データである為、ダウンロード出来ません」なる警告メッセージを画面表示して配信サイト1からのダウンロードを中止する。一方、フラグDLFが「1」の場合には、正規な曲データであるから、配信サイト1にダウンロードOK信号を送出する。
【0030】
これにより、配信サイト1はステップSA11を実行し、先に送出したヘッダ部HDに対応する曲データをデータベースサーバ1cから検索して端末装置2に返送する。さらに、配信サイト1では、曲データのダウンロードが完了した時点で、配信管理サーバ1bがダウンロードを要求したユーザ(端末装置2)の決済条件(クレジット情報)をデータベースサーバ1cから検索し、それに基づきバンキングシステム(図示略)にオンライン決済を依頼する。
そして、端末装置2では、配信サイト1からダウンロードした曲データを本体内部メモリ(RAM)に格納すると共に、その格納の際に、ダウンロード済みの属性を表すように曲データのヘッダ部HDの内容を書き換える保存処理(後述する)を実行する(ステップSA12)。
【0031】
▲2▼判定処理の動作
次に、図4〜図5を参照して判定処理の動作について説明する。ここでは、配信サイト1のデータベースサーバ1cに記憶管理される曲データの構成について説明した後、曲選択に応じて配信サイト1から返送されるヘッダ部HDの内容に基づき不正な曲データであるか否かを判定する判定処理の動作について述べる。
【0032】
配信サイト1に記憶管理される曲データは、図5に図示するように、ヘッダ部HDとMIDI等の楽音データ部MDとから構成される。ヘッダ部HDは、ダウンロードの有無を表すフラグWeb、UserIDおよびHardIDからなる。
正規な曲データであると、フラグWebは「1」であり、ダウンロードされていない属性を表す。フラグWebが「0」の場合、かつて端末装置2にダウンロードされた属性を表す。UserIDおよびHardIDは、配信サイト1に記憶管理されている状態では、いずれも不特定状態を表すデータanyoneとしてセットされる。端末装置2にダウンロードされると、後述するように、端末装置2の所有者を識別する情報(所有者ID)がUserIDに、装置機器を識別する情報(例えば機種番号や製造シリアル番号などの装置ID)がHardIDにセットされる。
【0033】
さて、こうしたヘッダ部HDが配信サイト1から返送されて来ると、端末装置2は前述したステップSA8(図3参照)を介して図4に示す判定処理を実行し、受信したヘッダ部HDの内容に基づき、ダウンロードしようとする曲データが不正なものであるかどうかを判定する。
すなわち、ステップSB1〜SB3では、ヘッダ部HDを構成するフラグWeb、UserIDおよびHardIDがいずれも正規なデータであるかどうかを判断する。全て正規なデータであれば、ステップSB1〜SB3の各判断結果がいずれも「YES」となり、ステップSB4に進み、ダウンロード可を表すべくフラグDLFを「1」にセットする。
一方、フラグWeb、UserIDおよびHardIDのいずれかが正規なデータでない場合、例えばかつて端末装置2にダウンロードされ、それが不正に複写されて配信サイト1に登録されるケースなどではステップSB1〜SB3の各判断結果のいずれかが「NO」となり、ステップSB5に進み、ダウンロード不可を表すべくフラグDLFを「0」にセットする。
【0034】
▲3▼保存処理の動作
次に、図5〜図6を参照して判定処理の動作について説明する。前述したように、配信サイト1から正規な曲データをダウンロードし終えると、端末装置2はステップSA12(図3参照)を介して図6に示す保存処理を実行し、ステップSC1に処理を進める。
ステップSC1では、配信サイト1からダウンロードした曲データを本体内部メモリに格納し、続くステップSC2〜SC4では、ダウンロード済みの属性を表すべく、フラグWebを「0」、UserIDおよびHardIDをそれぞれ所有者ID、装置IDに書き換える。これにより、図5に示す形態でダウンロードした曲データのヘッダ部HDの属性が更新される。
なお、UserIDは配信サイト1側から発行されるもので、本体内部メモリの所定アドレスに予めセットされているものを読み出して使用する。また、HardIDは、ROMにファクトリープリセットされる装置IDを読み出して使用する。
【0035】
▲4▼端末処理の動作
次に、端末装置2において実行される端末処理の動作について図7〜図13を参照して説明する。端末処理とは、上述の保存処理によって本体内部メモリ(RAM)に格納した曲データ、つまり正規に入手した曲データを複写したり移動させる処理である。
端末処理が実行されると、図7に示すステップSD1に処理を進め、本体内部メモリであるRAMのワークエリアをイニシャライズし、続くステップSD2では、メニュー画面を表示手段に画面表示する。このメニュー画面には、後述する「移動A処理」、「移動B処理」、「複写A処理」および「複写B処理」にそれぞれ対応したアイコンが設けられており、これらアイコンの起動操作(例えばダブルクリック)に応じて対応する処理が実行される。
【0036】
すなわち、「移動A処理」のアイコンを起動操作した場合には、ステップSD3の判断結果が「YES」となり、ステップSD7に進み、曲データを本体内部メモリ(RAM)から2次記憶媒体2aに移動させる「移動A処理」が実行される。
「移動B処理」のアイコンを起動操作した場合には、ステップSD4の判断結果が「YES」となり、ステップSD8に進み、曲データを2次記憶媒体2aから本体内部メモリ(RAM)に移動させる「移動B処理」が実行される。
【0037】
「複写A処理」のアイコンを起動操作した場合には、ステップSD5の判断結果が「YES」となり、ステップSD9に進み、本体内部メモリに格納される曲データを2次記憶媒体2aに複写する「複写A処理」が実行される。
「複写B処理」のアイコンを起動操作した場合には、ステップSD6の判断結果が「YES」となり、ステップSD10に進み、2次記憶媒体2aに格納される曲データを本体内部メモリに複写する「複写B処理」が実行される。
なお、メニュー画面において上記以外のアイコンが起動操作された場合には、ステップSD11に進み、その他の処理を実行する。
【0038】
(a)移動A処理の動作
ステップSD7を介して移動A処理が実行されると、端末装置2は図8に示すステップSE1に処理を進め、前述の保存処理(図6参照)によって本体内部メモリに格納した曲データを、移動対象の元データに指定する。続いて、ステップSE2では、2次記憶媒体2aが書き込み可能状態にあるか、
すなわち、2次記憶媒体2aが端末装置2に装着されているかどうかを判断する。2次記憶媒体2aが端末装置2に装着され、書き込み可能であると、判断結果は「YES」となり、次のステップSE3に処理を進めるが、2次記憶媒体2aが端末装置2に装着されておらず、書き込み不可であれば、判断結果が「NO」となり、後述するステップSE8に処理を進める。
【0039】
ステップSE3では、本体内部メモリに格納されている元データ(曲データ)を2次記憶媒体2aにコピーする。次いで、ステップSE4では、2次記憶媒体2aにコピーされた曲データ中のヘッダ部HDにおいて、UserIDに不特定状態を表すデータanyoneを書き込む。続くステップSE5では、同様にHardIDに不特定状態を表すデータanyoneを書き込む。そして、ステップSE6に進むと、2次記憶媒体2aへの書き込みが正常に行われたかどうかを判断する。
【0040】
ここで、書き込みが正常終了すると、判断結果は「YES」となり、次のステップSE7に進み、本体内部メモリに格納されている元データ(曲データ)を削除する。これにより、図9に図示する一例のように、本体内部メモリ(RAM)に格納されている元データ(曲データ)を2次記憶媒体2aに移動すると、ヘッダ部HDのUserID、HardIDが共に不特定状態を表すデータanyoneに変更されるようになっている。
なお、上記ステップSE6において、例えば2次記憶媒体2aの空きデータ容量が少なく、本体内部メモリに格納されている元データ(曲データ)を全てコピーしきれず、書き込みが正常終了しない場合には、判断結果が「NO」となり、ステップSE8に処理を進め、データ移動できない旨の警告表示を行って本処理を完了させる。
【0041】
(b)移動B処理の動作
前述のステップSD8(図7参照)を介して移動B処理が実行されると、端末装置2は図10に示すステップSF1に処理を進め、本体内部メモリが書き込み可能状態にあるか、すなわち、所定以上の空きデータ容量があるかどうかを判断する。書き込み可能であれば、判断結果は「YES」となり、次のステップSF2に処理を進めるが、空きデータ容量が少なく書き込み不可であると、判断結果が「NO」となり、後述のステップSF9に処理を進める。
【0042】
次いで、ステップSF2,SF3では、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)において、そのヘッダ部HDのUserIDおよびHardIDがそれぞれ不特定状態を表すデータanyoneであるか、つまり上述した移動A処理によって2次記憶媒体2aに格納された正規な曲データであるかどうかを判断する。
そして、UserIDおよびHardIDの両者が共に不特定状態を表すデータanyoneであれば、2次記憶媒体2aに格納された曲データは正規なものであると判断し、上記ステップSF2,SH3の各判断結果はいずれも「YES」となり、ステップSF4に処理を進める。
一方、UserIDおよびHardIDのいずれか一方もしくは両方が不特定状態を表すデータanyoneでなければ、2次記憶媒体2aに格納された曲データは不正なものと見做して後述するステップSF9に処理を進める。
【0043】
さて、2次記憶媒体2aに格納された曲データが正規なものであると、ステップSF4に処理を進め、この2次記憶媒体2aに格納された曲データを本体内部メモリに書き込む。続いて、ステップSF5,SF6では、本体内部メモリに書き込んだ曲データのヘッダ部HDにおいて、UserIDおよびHardIDをそれぞれ所有者ID、装置IDに書き換える。
なお、この際、UserIDは本体内部メモリの所定アドレスに予めセットされているものを読み出して使用し、HardIDはROMにファクトリープリセットされる装置IDを読み出して使用する。
【0044】
次に、ステップSF7では、本体内部メモリへの書き込みが正常に行われたかどうかを判断する。書き込みが正常終了すると、判断結果は「YES」となり、次のステップSF8に進み、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)を削除する。これにより、図9に図示する一例のように、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)を本体内部メモリに移動すると、ヘッダ部HDのUserID、HardIDが共に自己の所有者ID、装置IDに書き換えられる。
なお、上記ステップSF7において、例えば本体内部メモリの空きデータ容量が少なく、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)を全てコピーしきれず、書き込みが正常終了しない場合や、2次記憶媒体2aに格納された曲データが不正なものである場合には、ステップSF9に処理を進め、データ移動できない旨の警告表示を行って本処理を完了させる。
【0045】
(c)複写A処理の動作
前述のステップSD9(図7参照)を介して図11に示す複写A処理が実行されると、端末装置2はステップSG1に処理を進め、複写元となるデータ、すなわち本体内部メモリに格納される曲データを指定する。次に、ステップSG2では、2次記憶媒体2aが端末装置2に装着されて書き込み可能状態にあるかどうかを判断する。書き込み可能であると、判断結果は「YES」となり、次のステップSG3に処理を進めるが、2次記憶媒体2aが端末装置2に装着されておらず、書き込み不可であれば、判断結果が「NO」となり、後述のステップSG5に進む。
【0046】
ステップSG3では、本体内部メモリに格納されている元データ(曲データ)を2次記憶媒体2aにコピーする。続くステップSG4では、2次記憶媒体2aへの書き込みが正常に行われたかどうかを判断する。書き込みが正常終了した場合には、判断結果が「YES」となり、本処理を完了させる。これにより、図12に図示する一例のように、本体内部メモリ(RAM)に格納されている元データ(曲データ)がそっくりそのまま2次記憶媒体2aに複写される。
したがって、2次記憶媒体2aに複写された曲データは、ヘッダ部HDのUserID、HardIDが共に所有者のものになる為、2次記憶媒体2aが他人に渡っても曲データを本体内部メモリ側に移動したり複写することが出来ない、所有者専用のバックアップデータとなる。
【0047】
なお、上記ステップSG4において、例えば2次記憶媒体2aの空きデータ容量が少なく、本体内部メモリに格納されている元データ(曲データ)を全てコピーしきれず、書き込みが正常終了しない場合には、判断結果が「NO」となり、ステップSG5に処理を進め、複写できない旨の警告表示を行って本処理を完了させる。
【0048】
(d)複写B処理の動作
前述のステップSD10(図7参照)を介して図13に示す複写B処理が実行されると、端末装置2はステップSH1に処理を進め、本体内部メモリが書き込み可能状態にあるか、すなわち、所定以上の空きデータ容量があるかどうかを判断する。書き込み可能であれば、判断結果は「YES」となり、次のステップSH2に処理を進めるが、空きデータ容量が少なく書き込み不可であると、判断結果が「NO」となり、後述のステップSH6に処理を進める。
【0049】
次いで、ステップSH2では、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)のヘッダ部HDにおけるUserIDが、本体側のそれと一致するかどうか、つまり2次記憶媒体2aに格納されている曲データの所有者と端末装置2の所有者とが同一であるか否かを判断する。所有者同一であれば、判断結果は「YES」となり、次のステップSH3に進むが、同一でなければ、判断結果が「NO」となり、後述のステップSH6に進む。
ステップSH3では、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)のヘッダ部HDにおけるHardIDが、本体側のそれと一致するかどうか、つまり2次記憶媒体2aに曲データを複写した端末装置2と、この曲データの複写先となる端末装置2とが同一であるか否かを判断する。装置同一であれば、判断結果は「YES」となり、次のステップSH4に進むが、同一でなければ、判断結果が「NO」となり、後述のステップSH6に進む。
【0050】
所有者同一であって、しかも装置同一であると、ステップSH4に処理を進め、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)を本体内部メモリにコピーする。次いで、ステップSH5では、本体内部メモリへの書き込みが正常に行われたかどうかを判断する。書き込みが正常終了した場合には、判断結果が「YES」となり、本処理を完了させる。
これにより、図12に図示する一例のように、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)がそっくりそのまま本体内部メモリに複写される。したがって、2次記憶媒体2aに複写された曲データは、所有者同一であって、しかも装置同一である場合にのみ本体内部メモリに複写できる為、不正複写を防止し得るようになっている。
なお、上記ステップSH5において、例えば本体内部メモリの空きデータ容量が少なく、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)を全てコピーしきれず、書き込みが正常終了しない場合には、判断結果が「NO」となり、ステップSH6に処理を進め、複写できない旨の警告表示を行って本処理を完了させる。
【0051】
以上説明したように、第1実施例によれば、曲データのダウンロードに先立って配信サイト1から送出される曲データのヘッダ部HDの内容に従い、端末装置2が正規な曲データであるか否かを判定し、正規な曲データである場合にのみ配信サイト1に曲データのダウンロード実行を指示するので、例えば不正に複写された曲データが配信サイト1から配信させるのを未然に防止し得る。
また、端末装置2では正規な曲データをダウンロードすると、その曲データのヘッダ部HDの内容をダウンロード済みの属性に更新する為、曲データの再配布を防止し得るようになる。
【0052】
さらに、第1実施例による端末装置2によれば、本体内部メモリにダウンロードした曲データを2次記憶媒体2aに移動させる場合、移動元では曲データを削除し、移動先ではヘッダ部HDのUserIDおよびHardIDを不特定状態に変更し、これを再び本体内部メモリ側に戻す場合、移動元では曲データを削除し、移動先ではヘッダ部HDのUserIDおよびHardIDが不特定状態に設定されているか、つまり正規入手した曲データであるかどうかを判断し、正規なものであれば本体内部メモリ側に移動させてヘッダ部HDのUserIDおよびHardIDをそれぞれ自己の所有者IDおよび装置IDに書き換えるので、複製を作らずに曲データを記憶媒体間で移動し得るようになっている。
【0053】
また、第1実施例による端末装置2によれば、本体内部メモリに格納される曲データを2次記憶媒体2aに複写すると、複写先ではヘッダ部HDのUserID、HardIDが共に複写元と同じ所有者のものになる為、2次記憶媒体2aが他人に渡っても曲データを本体内部メモリ側に移動したり複写することが出来ない、所有者専用のバックアップデータとなる。
加えて、2次記憶媒体2aに複写された曲データは、所有者同一であって、しかも装置同一である場合にのみ本体内部メモリに複写可能になるから、不正複写を防止し得る。
【0054】
B.第2実施例
次に、第2実施例について説明する。前述の第1実施例では、本体内部メモリに記憶される曲データを2次記憶媒体2aに移動させる際にヘッダ部HDのUserIDおよびHardIDを不特定状態に変更するようにしたが、こうした形態であると、2次記憶媒体2aに移動させた曲データは他ユーザの端末装置2で使われてしまう虞がある。
そこで、第2実施例では2次記憶媒体2aに移動させた曲データを他ユーザの端末装置2には移動し得ず、同一ユーザの端末装置2にのみ所定回数分の移動を可能にする。以下では、そうした動作を具現する移動A処理および移動B処理について図14〜図15を参照して説明する。
【0055】
▲1▼移動A処理の動作
前述した第1実施例と同様、ステップSD7(図7参照)を介して第2実施例による移動A処理が実行されると、端末装置2は図14に示すステップSJ1に処理を進め、移動元となるデータ、すなわち本体内部メモリ(RAM)に格納される曲データを指定する。次に、ステップSJ2では、2次記憶媒体2aが端末装置2に装着されて書き込み可能状態にあるかどうかを判断する。書き込み可能であると、判断結果は「YES」となり、次のステップSJ3に処理を進めるが、2次記憶媒体2aが端末装置2に装着されておらず、書き込み不可であれば、判断結果が「NO」となり、後述のステップSJ6に進む。
【0056】
ステップSJ3では、本体内部メモリに格納されている元データ(曲データ)を2次記憶媒体2aにコピーする。続くステップSJ4では、2次記憶媒体2aへの書き込みが正常に行われたかどうかを判断する。書き込みが正常終了した場合には、判断結果が「YES」となり、ステップSJ5に進み、本体内部メモリ(RAM)に格納されている元データ(曲データ)を削除して本処理を完了させる。これにより、本体内部メモリに格納されている元データ(曲データ)は、そっくりそのまま2次記憶媒体2aに移動する。
なお、上記ステップSJ4において、例えば2次記憶媒体2aの空きデータ容量が少なく、本体内部メモリに格納されている元データ(曲データ)を全てコピーしきれず、書き込みが正常終了しない場合には、判断結果が「NO」となり、ステップSJ6に処理を進め、複写できない旨の警告表示を行って本処理を完了させる。
【0057】
▲2▼移動B処理の動作
前述のステップSD8(図7参照)を介して移動B処理が実行されると、端末装置2は図15に示すステップSK1に処理を進め、本体内部メモリ(RAM)が書き込み可能状態にあるか、すなわち、所定以上の空きデータ容量があるかどうかを判断する。書き込み可能であれば、判断結果は「YES」となり、次のステップSK2に処理を進めるが、空きデータ容量が少なく書き込み不可であると、判断結果が「NO」となり、後述のステップSK11に処理を進める。
【0058】
本体内部メモリが書き込み可能状態にあり、ステップSK2に処理を進めると、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)のヘッダ部HDにおけるUserIDが、本体側のそれと一致するかどうか、つまり2次記憶媒体2aに格納されている曲データの所有者と端末装置2の所有者とが同一であるか否かを判断する。所有者同一であれば、判断結果は「YES」となり、次のステップSK3に進むが、同一でなければ、判断結果が「NO」となり、後述のステップSK11に進み、2次記憶媒体2aから本体内部メモリへのデータ移動はキャンセルされる。
【0059】
ステップSK3では、ヘッダ部HDにUserIDの書き込み可能エリアが有るか否かを判断する。本体内部メモリのヘッダ部HD格納領域には、複数の移動回数に対応したUserID書き込みエリアが設けられており、データ移動が行われる毎にその書き込みエリアにUserIDが順番に書き込まれ移動履歴として登録されるようになっている。
したがって、このステップSK3では、換言すると所定回数以下の移動であるかどうかを判断する。そして、所定回数以下の移動であって、UserIDを新規登録し得る場合には、判断結果が「YES」となり、次のステップSK4に処理を進め、本体(端末装置2)の所有者を識別する所有者IDを、新たなUserIDとして本体内部メモリのヘッダ部HDに登録する。
一方、所定回数を超えた移動であると、UserIDを新規登録することができず、上記ステップSK3の判断結果が「NO」となり、後述のステップSK11に進み、2次記憶媒体2aから本体内部メモリ(RAM)へのデータ移動はキャンセルされる。
【0060】
次に、ステップSK5では、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)のヘッダ部HDにおけるHardIDが、本体側のそれと一致するかどうか、つまり2次記憶媒体2aに曲データを移動した端末装置2と、この曲データの移動先となる端末装置2とが同一であるか否かを判断する。装置同一であれば、判断結果は「YES」となり、次のステップSK6に進むが、同一でなければ、判断結果が「NO」となり、後述のステップSK11に進み、2次記憶媒体2aから本体内部メモリへのデータ移動はキャンセルされる。
【0061】
ステップSK6では、ヘッダ部HDにHardIDの書き込み可能エリアが有るか否かを判断する。本体内部メモリ(RAM)のヘッダ部HD格納領域には、複数の移動回数に対応したHardID書き込みエリアが設けられており、データ移動が行われる毎にその書き込みエリアにHardIDが順番に書き込まれ移動履歴として登録される。
したがって、このステップSK6では、換言すると所定回数以下の移動であるかどうかを判断する。そして、所定回数以下の移動であって、HardIDを新規登録し得る場合には、判断結果が「YES」となり、次のステップSK7に処理を進め、本体(端末装置2)を識別する自己の装置IDを、新たなHardIDとして本体内部メモリのヘッダ部HDに登録する。
一方、所定回数を超えた移動であると、HardIDを新規登録することができず、上記ステップSK6の判断結果が「NO」となり、後述のステップSK11に進み、2次記憶媒体2aから本体内部メモリへのデータ移動はキャンセルされる。
【0062】
所定回数以下の移動であって、しかも所有者および装置が同一であると、ステップSK8に処理を進め、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)を本体内部メモリにコピーする。次いで、ステップSK9では、本体内部メモリへの書き込みが正常に行われたかどうかを判断する。書き込みが正常終了した場合には、判断結果が「YES」となり、ステップSK10に進み、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)を削除して本処理を完了させる。
なお、上記ステップSK9において、例えば本体内部メモリ(RAM)の空きデータ容量が少なく、2次記憶媒体2aに格納されている元データ(曲データ)を全てコピーしきれず、書き込みが正常終了しない場合には、判断結果が「NO」となり、ステップSK11に処理を進め、データ移動できない旨の警告表示を行って本処理を完了させる。
【0063】
このように、第2実施例によれば、2次記憶媒体2aに移動させた曲データを他ユーザの端末装置2には移動できず、同一ユーザの同じ端末装置2にのみ所定回数分の移動を可能にしたので、2次記憶媒体2aが他人に渡っても曲データを本体内部メモリ側に移動することが出来ない、所有者専用のバックアップデータとなる。
加えて、2次記憶媒体2aに移動された曲データは、所有者同一であって、しかも装置同一である場合にのみ本体内部メモリに戻せる為、不正複写を防止し得るようになっている。
【0064】
なお、上述した第1および第2実施例では、ネットワークNTを介して配信される曲データを記憶再生する端末装置2について言及したが、本発明の要旨はこれに限定されず、読み出し/書き込み可能な記憶媒体のデータを再生したり、その記憶媒体にデータを書き込む機能を備えるレコーダ全般にも適用可能である。また、上述の各実施例では、正規に入手したユーザだけがバックアップ用のデータを複写したり、データを他の記憶媒体に移動し得るようにする処理プログラムを端末装置2の本体内部メモリに常駐する態様としたが、これに替えて、その処理プログラム自体をデータとバンドルさせて記憶媒体に一体的に格納するようにし、処理プログラムを記憶媒体から読み出して実行させることでデータの複写や移動を可能にし、データ単体での複写や移動を禁止する態様にすることも可能である。
【0065】
【発明の効果】
請求項1,2に記載の発明によれば、コンテンツデータのダウンロードに先立って配信手段から送出されるコンテンツデータのヘッダの内容に従い、正規なコンテンツデータであるか否かを判定し、正規なコンテンツデータである場合にのみ配信手段にコンテンツデータのダウンロード実行を指示するので、例えば不正に複写されたコンテンツデータが配信手段から配信されるのを未然に防止できる。また、正規なコンテンツデータをダウンロードした場合には、そのコンテンツデータのヘッダの内容をダウンロード済みの属性に更新する為、コンテンツデータの再配布を防止することができる。
請求項3,4に記載の発明によれば、第1の記憶手段に記憶されたデータを、装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段に複写した後、この第1の記憶手段からデータを削除する一方、第2の記憶手段に複写されたデータのヘッダの内容を所有者および装置を識別しない不特定状態に変更し、第2の記憶手段に記憶されるデータのヘッダの内容が所有者および装置を識別しない不特定状態に設定されている場合にのみ、この第2の記憶手段に記憶されるデータを第1の記憶手段に複写した後、第2の記憶手段からデータを削除する一方、第1の記憶手段に複写されたデータのヘッダの内容を自己の所有者IDおよび装置IDに書き換えるので、第1の記憶手段と第2の記憶手段との間で複製を作ることなくデータを移動させることができる。
請求項5,6に記載の発明によれば、第1の記憶手段に記憶されるデータを第2の記憶手段に複写すると、複写先ではヘッダの内容が複写元と同じものになる為、第2の記憶手段が他人に渡ってもデータを他の装置における第1の記憶手段に移動したり複写することが出来ない、所有者専用のバックアップデータにすることができる。また、第2の記憶手段に複写されたデータは、所有者同一であって、しかも装置同一である場合にのみ第1の記憶手段に複写可能になる為、不正複写を防止し得る。
請求項7,9に記載の発明によれば、第1の記憶手段に記憶されたデータを第2の記憶手段に複写した後、第1の記憶手段に記憶されたデータを削除し、ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写した後、この第2の記憶手段に記憶されたデータを削除するので、第2の記憶手段に移動されたデータは、所有者同一であって、しかも装置同一である場合にのみ第1の記憶手段に戻せるようになる結果、不正複写を防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による曲データ配信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】曲データ配信システムの動作を示すシーケンスフローである。
【図3】曲データ配信システムの動作を示すシーケンスフローである。
【図4】判定処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】配信サイト1から端末装置2にダウンロードされる曲データの構成を示す図である。
【図6】保存処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】端末処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】移動A処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】移動A処理および移動B処理の動作を説明するための図である。
【図10】移動B処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】複写A処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】複写A処理および複写B処理の動作を説明するための図である。
【図13】複写B処理の動作を示すフローチャートである。
【図14】第2実施例による移動A処理の動作を示すフローチャートである。
【図15】第2実施例による移動B処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 配信サイト
1a プロキシーサーバ
1b 配信管理サーバ
1c データベースサーバ
2 端末装置
2a 2次記憶媒体
3 接続業者

Claims (10)

  1. ネットワークを介して接続される配信手段からヘッダを含むコンテンツデータをダウンロードする端末装置に設けられ、
    ダウンロードに先立って前記配信手段から送出されるヘッダの内容に従い、当該ヘッダを含むコンテンツデータが正規なものであるか否かを判定する判定手段と、
    この判定手段によって正規なコンテンツデータと判定された場合にのみ前記配信手段にダウンロード開始を指示する指示手段と、
    前記ダウンロード開始の指示に応じて前記配信手段からダウンロードされるコンテンツデータに含まれるヘッダの内容をダウンロード済みを表す属性に更新し、その更新されたヘッダを含むコンテンツデータを記憶手段に格納する保存手段と
    を具備することを特徴とするデータ処理装置。
  2. ネットワークを介して接続される配信手段からヘッダを含むコンテンツデータをダウンロードする端末装置で実行されるデータ処理方法であって、
    ダウンロードに先立って前記配信手段から送出されるヘッダの内容に従い、当該ヘッダを含むコンテンツデータが正規なものであるか否かを判定する判定過程と、
    この判定過程にて正規なコンテンツデータと判定された場合にのみ前記配信手段にダウンロード開始を指示する指示過程と、
    前記ダウンロード開始の指示に応じて前記配信手段からダウンロードされるコンテンツデータに含まれるヘッダの内容をダウンロード済みを表す属性に更新し、その更新されたヘッダを含むコンテンツデータを保存する保存過程と
    を具備することを特徴とするデータ処理方法。
  3. 自己の所有者および装置を各々識別する所有者IDおよび装置IDが予め記憶されるID記憶手段と、
    このID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDが格納されたヘッダを含むデータを記憶する第1の記憶手段と、
    装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段と、
    第1の記憶手段に記憶されたデータを第2の記憶手段に複写した後、第1の記憶手段からデータを削除する一方、第2の記憶手段に複写されたデータのヘッダの内容を、所有者および装置を識別しない不特定状態に変更する第1の移動手段と、
    第2の記憶手段に記憶されるデータのヘッダの内容が所有者および装置を識別しない不特定状態に設定されている場合にのみ、第2の記憶手段に記憶されるデータを第1の記憶手段に複写した後、第2の記憶手段からデータを削除する一方、この第1の記憶手段に複写されたデータのヘッダの内容を、前記ID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDに書き換える第2の移動手段と
    を具備することを特徴とするデータ処理装置。
  4. 自己の所有者および装置を各々識別する所有者IDおよび装置IDを予めID記憶手段に記憶しておき、このID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDが格納されたヘッダを含むデータを第1の記憶手段に記憶する記憶過程と、
    第1の記憶手段に記憶されたデータを、装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段に複写した後、この第1の記憶手段からデータを削除する一方、第2の記憶手段に複写されたデータのヘッダの内容を、所有者および装置を識別しない不特定状態に変更する第1の移動過程と、
    第2の記憶手段に記憶されるデータのヘッダの内容が所有者および装置を識別しない不特定状態に設定されている場合にのみ、この第2の記憶手段に記憶されるデータを第1の記憶手段に複写した後、第2の記憶手段からデータを削除する一方、第1の記憶手段に複写されたデータのヘッダの内容を、前記ID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDに書き換える第2の移動過程と
    を具備することを特徴とするデータ処理方法。
  5. 自己の所有者および装置を各々識別する所有者IDおよび装置IDが予め記憶されるID記憶手段と、
    このID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDが格納されたヘッダを含むデータを記憶する第1の記憶手段と、
    この第1の記憶手段に記憶されたデータを、装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段に複写する第1の複写手段と、
    前記ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、前記第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写する第2の複写手段と
    を具備することを特徴とするデータ処理装置。
  6. 自己の所有者および装置を各々識別する所有者IDおよび装置IDを予めID記憶手段に記憶しておき、このID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDが格納されたヘッダを含むデータを第1の記憶手段に記憶する記憶過程と、
    この記憶過程にて第1の記憶手段に記憶されたデータを、装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段に複写する第1の複写過程と、
    前記ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写する第2の複写過程と
    を具備することを特徴とするデータ処理方法。
  7. 自己の所有者および装置を各々識別する所有者IDおよび装置IDが予め記憶されるID記憶手段と、
    このID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDが格納されたヘッダを含むデータを記憶する第1の記憶手段と、
    装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段と、
    この第1の記憶手段に記憶されたデータを第2の記憶手段に複写した後、第1の記憶手段に記憶されたデータを削除する第1の移動手段と、
    前記ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、前記第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、この第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写した後、第2の記憶手段に記憶されたデータを削除する第2の移動手段と
    を具備することを特徴とするデータ処理装置。
  8. 前記第2の移動手段は、前記ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、前記第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、所定回数以下の移動であるかどうかを判断し、所定回数以下の移動であれば、第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写した後、第2の記憶手段に記憶されたデータを削除することを特徴とする請求項7記載のデータ処理装置。
  9. 自己の所有者および装置を各々識別する所有者IDおよび装置IDを予めID記憶手段に記憶しておき、このID記憶手段から読み出した自己の所有者IDおよび装置IDが格納されたヘッダを含むデータを第1の記憶手段に記憶する記憶過程と、
    前記第1の記憶手段に記憶されたデータを、装置本体と挿脱自在に設けられた第2の記憶手段に複写した後、第1の記憶手段に記憶されたデータを削除する第1の移動過程と、
    前記ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、前記第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写した後、この第2の記憶手段に記憶されたデータを削除する第2の移動過程と
    を具備することを特徴とするデータ処理方法。
  10. 前記第2の移動過程は、前記ID記憶手段に記憶される自己の所有者IDおよび装置IDと、第2の記憶手段に記憶されたデータのヘッダに格納される所有者IDおよび装置IDとがそれぞれ一致した場合にのみ、所定回数以下の移動であるかどうかを判断し、所定回数以下の移動であれば、第2の記憶手段に記憶されたデータを第1の記憶手段に複写した後、第2の記憶手段に記憶されたデータを削除することを特徴とする請求項9記載のデータ処理方法。
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