JP4088356B2 - 加熱型混合機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上部より原材料を投入して加熱混合処理をする加熱型混合機に関し、特に材料部投入部分の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば化学系接着材やシール材等の製造過程中では加熱型混合機を用いて所定の反応処理を行わせる。加熱型混合機は一般に熱反応を起こさせる中空の混合処理槽部(20)を備えその上面部分には外部から原材料等を投入するための投入口が、また処理槽下方の適宜部位には処理済材料を取り出す取出し機構が夫々設けられその他にも混合用の手段が付加されている。材料投入部は筒状に突出した板状部材による筒状投入口と該筒状投入口の上端開口部を閉止するための蓋を設けた構造及びがひろく用いられている。
【0003】
図2は、上述の従来用いられている加熱型混合機の設置状態を投入口部を主体に側方から示した概略図である。図において、混合処理槽部(20)は上端の一部のみ示されている。混合処理槽部の上面部分(20a) には、外部から原材料を投入するために筒状投入口(10D) が取付けられ上方に開口している。なお、この投入口の開口縁部(11A) は水平になっている。
【0004】
この投入口に付帯して装置奥側で軸支されて回動可能で水平位置にて該筒状投入口を上から閉止する蓋部材(10E) が設けられている。符号(16)は、蓋部材(10B) を開閉駆動する流体シリンダである。加熱型混合機の上方には図示しない吸気装置(15)に接続された上方フード(14F) が設けられて作業箇所の排気を行うようになっている。
【0005】
加熱型混合機の稼働時には適宜間隔で蓋部材(10E) を駆動して作業者が開口した筒状投入口(10D) から一般に細かな粒状あるいは粉体状の材料その他を投入することになる。加熱型混合機の場合、その加熱混合過程に発生する臭気性ガス(樹脂ミスト,水分等)が密閉された混合槽内に充満する。
【0006】
そして、原料の投入時等に投入口を開けた場合、混合処理槽部内部が外部と連通し処理槽内部の高温度の生成気体が投入口より連続的に流出する。この生成気体には悪臭や刺激臭を伴うものが多く、多量に吸い込むと人体に好ましくないものもある。前述した上方フード(上方吸引型外付け式フード)はこうした作業環境の悪化を防止するための対応であるが、従来のこの上方吸引型外付け式フードでは発生する臭気性ガスを吸引しきれず工場内に飛散する割合が多く未だ対策充分とは言い難く、更なる作業環境の改善が熱望されていた。
【0007】
また、高温度の生成気体がこれより低温度の外部の空気等に接触して冷却され、液化あるいは凝固して多くのものが蓋裏側(下面)に液状分として付着して縁部より垂れて投入口周囲を汚染させる。汚れ除去のために定期的に行われる汚染部位の清浄化作業も作業者にとって無視できない負担となっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の加熱型混合機における上述したような幾つかの問題点に鑑みてなされたもので、材料のガス化に依る揮発と凝縮の結果生じる液化を原因とした原料等の投入時の悪作業環境の解消、また投入口周囲の汚染を防止して作業性の向上を図ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では投入口の開口端の(面)角度を作業側に傾斜させ、且つ投入口内で作業側開口縁部よりも高い位置に吸気口を設けて処理槽からの発生ガスを効率よく排気し良環境を保つ。
【0010】
また、開口縁部を手前に傾斜させるとともに外周に沿って下部に樋状の液貯留部材を設けて、開口部の液状汚染物を適切に収集しまた廃棄を簡単にする。なお、上述した各構成は独立して作用し状況に応じて個々に採否を決めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は投入口角度を手前に傾斜させたこと、筒状投入口内部に局所排吸込口を設けたこと、及び投入口縁部外側下方にタレ受けを設けたことである。なお、投入口蓋部にガイド板を設けても良い。また、各構成が単独にも効果を奏するが併用した場合には相乗的に効果を高め得る。
【0012】
即ち、投入口の開口端の(面)角度を作業側に傾斜させ、且つ投入口内で作業側開口縁部よりも高い位置に吸気口を設ける。これにより処理槽内からの発生ガスを効率よく排気して作業空間に漏らさず環境浄化に役立つ。なお、手前の縁より高い位置に吸気口を設けるのは、下方に開口させた場合には原料等投入の際に軽い粒状体原料が落下せずに吸気口から吸い込まれてしまうとの不都合が生じてしまうからである。
【0013】
また、開口縁部を手前に傾斜させるとともに外周に沿って下部に樋状の液貯留部材を設ける。これにより開口部に付着した液状汚染物が斜面に沿って垂れ液貯留部材に集まり溜まるから開口部清掃頻度が減り貯留汚染物の廃棄も簡単になり作業性が上がる。液貯留部材は手前作業側部が効果顕著であるが外周全周にわたって取付けても良い。
【0014】
なお、回動して開く蓋部材の裏側に開口状態に対応させた凸壁(ガイド板)を設けることができる。これにより液化凝縮物を自動的に槽内に戻して汚染を少なくすることができる。開口縁部を手前に傾斜させ且つ蓋部材の開放角度上限を垂直以下に制限することで液化凝縮物を高効率で槽内に回収できる。
【0015】
各発明は独立して適用できる。なお、開口縁部を手前に傾斜させた構成は原料等の投入作業を容易にする副次的利点も有している。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の加熱型混合機を示すもので、図1(a) は投入口部を主体に要部を示した一部断面側面図で混合処理槽部(20)は上端の一部のみ示されている。図1(b) は投入口部を示す上面図である。
従来装置同様に混合処理槽部の上面部分(20a) には外部から原材料を投入するために筒状投入口(10A) が取付けられ上方に開口している。但し、本発明ではこの投入口の開口縁部(11)が水平面とは一定角度(θ1 )をなし作業者が作業を行う手前側に傾斜させてある。
【0017】
そして、開口縁部(11)の外周下部には樋状の液貯留部材(13)が取付けられている。実施例では開口縁部(11)の手前作業側にのみ所定長の液貯留部材(13)を取付てあるが、開口縁部(11)の外周下部全周に沿って同様な液貯留部材(13)を設けるようにしても良い。後述するように揮発して液化し開口縁部(11)に付着した汚染物が傾斜に沿って流れ垂下して液貯留部材(13)に溜まる。
【0018】
この筒状投入口(10A) にも装置奥側で軸支された蓋部材(10B) が取付けられていて流体シリンダ(16)によって開閉駆動され、回動下降して傾斜姿勢で投入口を閉止する。また開放時には蓋部材(10B) は開口縁部(11)と角度(θ2 )となる上限位置まで開角する。回動上限位置は蓋部材が直立しない範囲に留める。
【0019】
なお、この蓋部材(10B)の裏側面(10c)には開口縁部の開口形状に対応してこれにより内方側で全周にわたって帯状材を片側縁に固着することで立設した凸壁(12)を突出形成しても良い。この場合、実施例の帯状材(凸壁)は下方に向かって開くように傾斜して取付けられている。凸壁(12)は、蓋部材(10B)が開放位置に在るときに蓋裏側に凝結液化し付着した被処理物成分を蓋の傾斜を利用して重力により凸壁(12)部に集めて垂下させ混合処理槽部(20)内に回収しもって従来見られた投入口部の汚染を防止する目的で設けられるもので、作用上は奥側に形成された凸壁(12)がもっとも効率的に機能するので簡易的にはこの奥側部分のみ設けるようにしても良く、かなり実効が得られる。
【0020】
さて、実施例では吸気用には上方フードは全く用いておらず、替わりに吸気のために投入口筒内に開口する吸気口(14)を設けている。即ち、傾斜した開口縁部(11)の手前作業側のへりの位置に比べて略同じ高さか高い位置となるように筒内に開口するように吸気口が設けられていてこの吸気口に吸気装置を接続してある。実施例では、断面略矩形の筒部の左右の筒側面に開口縁部手前側へりと略同じ高さで2個の比較的小径な吸気口(14,14) が開口していて連結パイプ(14a) を介して図示しない適宜吸気装置(15)へと接続されている。吸気装置は、従来の上方フードに用いるのと同定格で充分な吸気効果が得られる。
【0021】
上述した如き構成の実施例の加熱型混合機は、その稼働時に従来同様に作業者が適宜間隔で蓋部材(10B) を制御駆動して開口させ、筒状投入口(10A) 上方から粒状あるいは粉体状の材料等を投入するが、蓋部材(10B) を開放位置にした場合でも連動して運転される吸気装置(15)により混合槽内に充満し上昇してきた臭気性ガス(樹脂ミスト,水分等)の大部分が吸気口(14,14) から吸収されて外部に殆ど流出せず作業者に達することがなく作業空間を汚染することもない。
【0022】
液化して裏側に付着した液状汚染物も、傾斜して開放位置にあり傾斜姿勢を保つ蓋部材に沿って後方側に流れて凸壁部位で凸壁に沿って下降しそのまま垂れ落ちて再び混合処理槽部(20)に回収されるから他部を汚染することが無い。更に、開口縁部(11)に僅かに付着した汚染液体も傾斜に沿って移動し手前側に集まり液貯留部材(13)内に集中的に溜まり混合機はきれいな状態を保てる。そして液貯留部材(13)内の汚染物を適宜周期で回収するのみで混合機を清浄に保て従来のように高頻度で念入りな清掃作業を行うことは全く不要となり、作業労力を大幅に軽減することができる。
【0023】
上記の如く、実施例では前記吸気口(14,14) を具備したことに起因して作業環境の飛躍的良化が達成されるとともに混合機の汚染が軽減され、更には前記凸壁(12)を設けた場合には、これに依って開口部の汚染が一層少なくなり、液貯留部材(13)を設けたことに依っても清掃作業の頻度も極めて少なくなりしかも作業自体が非常に簡易なものとなる。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、 上記目的を達成するために、本発明では投入口の開口端の(面)角度を作業側に傾斜させ、且つ投入口内で作業側開口縁部よりも高い位置に吸気口を設けた結果、作業場の空気環境が大幅に改善され、液貯留部材の付加に依り清掃作業が格段に軽減され、また、蓋部材裏側に凸壁を設けた場合には、これに依って汚染そのものを減少することができ、夫々に作業者の就労環境を大いに改善でき、その効果は極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) 、(b) の両図は本発明の加熱型混合機の一実施例を示し、(a) は投入口部を主体に示した一部断面側面図、(b) は投入口部の要部を示す上面図である。
【図2】従来の加熱型混合機とその設置状態を示している、投入口部を主体とした側方から観た概略図である。
【符号の説明】
(10A) …筒状投入口、
(10B) …蓋部材、
(10c) …裏側面、
(11)…開口縁部、
(12)…凸壁、
(13)…液貯留部材、
(14)…吸気口、
(15)…吸気装置、
(20)…混合処理槽部。
Claims (2)
- 混合処理槽部(20)の上面部分に外部から原材料を投入するための筒状投入口(10A) と該筒状投入口を閉止可能な蓋部材(10B) を設けた加熱型混合機において、前記筒状投入口の開口縁部(11)を手前作業側に傾斜せしめて形成するとともに手前作業側の開口縁部位置に比べ高い位置で筒内に開口する吸気口(14)を設け該吸気口に吸気装置(15)を接続したことを特徴とする加熱型混合機。
- 混合処理槽部(20)の上面部分に外部から原材料を投入するための筒状投入口(10A) と該筒状投入口を閉止可能な蓋部材(10B) を設けた加熱型混合機において、前記筒状投入口の開口縁部(11)を手前作業側に傾斜せしめて形成するとともに開口縁部(11)の外周下部の全周或いは少なくとも手前作業側に樋状の液貯留部材(13)を取付けたことを特徴とする加熱型混合機。
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---|---|---|---|
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JPH119983A JPH119983A (ja) | 1999-01-19 |
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Family Applications (1)
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1997
- 1997-06-20 JP JP18052297A patent/JP4088356B2/ja not_active Expired - Fee Related
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