JP4087709B2 - 衝撃波による食肉処理方法及びその処理装置 - Google Patents

衝撃波による食肉処理方法及びその処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
この発明は,2個の電極間のコンデンサ放電により発生するプラズマ衝撃波又はパルスに食肉を曝すことによる食肉軟化処理及び/又は食肉中の微生物を殺菌する処理方法及びその処理装置に関する。この出願は,2000年12月8日出願の米国仮出願第60/251,881号,2000年12月8日出願の米国仮出願第60/251,880号,及び2001年5月23日出願の米国仮出願第60/292,513号の国内優先権を主張しており,本願明細書にはこれらの3つの出願の内容が完全に組み込まれている。
【0002】
(背景技術)
従来,化学的爆発装薬又は2枚の電極間でのコンデンサ放電により発生する衝撃波,即ち,音響波又は圧力波によって食肉を軟らかくし,また部分的ながら殺菌することができることは公知である。このような技術は,例えば,発明者ジョン ロングの米国特許が知られている。例えば,米国特許第5,273,766号,米国特許第5,328,403号,米国特許第6,120,818号,及び米国特許第6,168,814B1号である。更に,上記のような技術は,発明者ジョン ロング外の米国特許が知られている。例えば,米国特許第6,224,476B1号である。衝撃波は,爆裂箇所から音速で,又は高圧衝撃波ではそれより幾分速い速度で,外に伝播して,可聴音が壁で半反響するように衝撃波反射表面で反射する。
【0003】
衝撃波の反射条件は,それが伝播する媒体に応じて変化する音の速度が二つの異なる媒体の境界で変わることである。圧力波は水中では,大気中の伝播速度より速い毎秒約1500mで進む。この同じ波はステンレス鋼中では,水中での速度の4倍近くの毎秒5800mで進む。音の進む速度におけるこの違いは,基本的に圧力波である衝撃波での速度の違いと似ている。即ち,圧力音波は音と同じメカニズムで伝播するが,シャープなパルスであり,一般的に大抵の音よりもはるかに高い音の強さ,すなわち,圧力上昇(しばしば,「超過圧力」と呼ばれる)を持っている。
【0004】
音又は衝撃波が水中において鋼材表面に遭遇すると,速さの違い(「音響インピーダンス・ミスマッチ」と称する)のために,その波のほんの一部だけが鋼材内に通り波の大部分は鋼材表面から反射される。先に述べた特許の内の幾つかでは,衝撃パルスの強さを増すために衝撃波の厚い鋼材からの反射を利用している。爆裂による衝撃波のパルスは短いが,それなりの長さがあり,このパルスが鋼材から反射されると,パルス自身を通過し,衝撃波パルス強さを増大する。
【0005】
米国特許第5,273,766B1号及び第5,328,403号に記載の好ましい実施例では,鋼製の半球状シェルの底部に沿って並べたプラスチック・バッグ内に肉塊を入れ,シェル内に水を満たして爆裂を幾何学的中心から外して行う。衝撃波は外側へと進み,略同時に肉塊全体に到達して,超過圧力,即ち強力な衝撃波が略同時に肉塊全体に当たり,包装フィルムを透過した衝撃波は鋼製シェルで反射して再度肉塊を通過する。(肉とその包装バッグとは水に近い音響,即ち力学的インピーダンスを持っているので,衝撃パルスを適正に反射することはない。)
【0006】
上記の従来例のものは,シェルの内壁に沿って又は隣接して並べた肉を柔らかくし,且つ少なくとも部分的に殺菌するのには非常に有効であるが,幾つかの問題がある。特に,上記従来例のものは,基本的にバッチ処理であり,しかも設備が高価である。直径4フィートで厚さ2インチのステンレス製半球体は高価ではないが,防爆シールド,注水装置等を動かすのに必要な設備が高価である。肉塊を充填したり,取り出すのに時間を要し,また安全上の問題が処理時間の遅延になっている。例えば,爆裂手段が装備してある間は,半球体内に肉塊を装填してはならない。
【0007】
また,別の問題点は,爆裂によって水が半球体シェルから上方に噴き出てしまうので補給しなければならないことである。化学反応による爆裂の場合には,シェル中の水は肉塊とは何ら直接的に接触していないけれども,残っている水を排水し,爆裂の化学的副産物で汚染されていない新鮮な水に取り換えることが望ましい。このような排水及び新鮮な給水は,時間を要し,大量の水の使用が余儀なくされる。
【0008】
更に,上記の従来例での爆裂力はバランスに欠けている。爆裂ガスや蒸気の沸騰作用,半球体頂部からの噴出によって半球体を下方へと動かす大きな反作用力が発生するため,該反作用力に抵抗するように大型のばね,ダッシュポット等を装備する必要があり,このような付加的装備が更なる高コスト化し,設備寿命の短命化の原因となる。上記の爆裂ガスや蒸気の沸騰作用による力を吸収するためには,米国特許5,841,056号に開示されているような特殊なドーム式防爆シールドをシェル上に設ける必要がある。
【0009】
肉塊を保護用のプラスチックバッグ内に入れることも別の問題があり,出来れば回避することが望ましい。
【0010】
衝撃波反射性の鋼材に対して,又はその近くに隣接して肉塊を置くことが上述の従来技術での問題点の幾つかの原因であり,そのように肉塊を配置することが本質的改善の妨げとなっている要因である。肉塊全体を倍加する強さに曝す場合,パルス強さが肉塊の厚み全体に亘って倍加されているには衝撃パルスの厚さは少なくとも肉塊の厚さの2倍でなければならない。従って,軟らかくすることのできる肉塊の層の幅は,衝撃パルスの持続時間によって決まる。仮にパルスの持続時間が極めて短いと,パルス後縁が肉層の中に通過した丁度その時に,パルス前縁が鋼材から反射されることとなる。この結果,肉塊の内の鋼材に極めて近い部分では,強さが倍加された衝撃波を受けるのに対し,残りの部分では倍加されていない衝撃波が2回通過するだけである。パルス持続時間(秒)で割った衝撃波の幅(m)は略1500m/秒である。
【0011】
肉塊の厚みに限界があるということは,全処理能率が低下しないように肉の各処理バッチを大きくしようとすれば,半球体の寸法を大きくしなければならないことを意味している。しかしながら,球面波の圧力強さは半径(爆裂源又は爆発点からの距離に相当する)の3乗で低下するので,半球体の直径を大きくすれば,衝撃パルスは弱くなる。
【0012】
仮に肉塊が半球体半径の29%(精密には,1.000〜0.707)だけ内側に動くと,たとえ爆裂エネルギーが増大しないとしても,1回通過するだけの衝撃パルス強さが半球体内側面のところでの倍増強さと丁度同じ大きさとなるであろう(衝撃波は肉塊を通過して外側へと進み,鋼材表面で反射して,肉塊を内側に通過するように戻ってくる。)。
【0013】
そこで,爆裂のために動かないように肉塊を如何にして支えるかについて問題がある。しかしながら,この問題は前述の米国特許6,168,814B1号では,容器を「音響的に透明」に作り,衝撃波が著しく別方向に逸れたり,通路内で遅延したりすることなく,その容器を通過できるようにして解決している。
【0014】
容器を音響的に透明に作るには幾つかの方法があるが,好ましい方法の1つは,容器を,それを沈める液体との「音響インピーダンス」が略同じ材料で作ることである。容器と液体とのインピーダンスが略同じであれば,衝撃波はこの両物質を通して略同じ速度で進むことになる。従って,ホイヘンスの原理によれば,波は,屈折によって曲げられず,また液体と容器との間の境界で反射もされないことになる。
【0015】
液体が水(水は望ましい液体の1つである)の場合,音の進む速さが同じような材料で容器を作ると好い。このような材料は一般に入手が容易であり,例えば,ゴムでは音の速度が水よりほんの3%速いだけであり,また,耐久性に富む数種のプラスチック材は音響インピーダンスが水に非常に近く肉塊収納容器として極めて適している。食品安全上,使用を認可されている材料の内で,肉塊収納容器として適している周知の物質の1つは,可塑化したビニル重合体であるタイゴン(TYGON−米国ストンウエア社製のポリ塩化ビニルの商品名) である。その外には,ポリエチレン,ポリプロピレンがある。その他のプラスチック類についても音響インピーダンス及び爆裂環境内での耐久性について通常的手法で鑑別することができる。
【0016】
しかし,容器材質に関しての上述の改善は,従来技術での問題,即ち,バッチ処理をせざるを得ないこと,それに伴う低い作業効率及び複雑な設備機器,の全ての解消につながることではない。連続処理,半連続又は間歇的処理,又はバッチ処理の改善を達成するために,その後,最初の半球形状のものに換えて本質的に円筒形状のものにする技術があり,またある種の装置では,バッチ容器の代わりに導管(例えば,タイゴン製チューブ)を用いて,その中を通してハンバーガ等(即ち,スラリー状)の食肉製品を圧送又は搬送し,骨抜き鶏肉部位,或いはプラスチック・フィルム包装牛肉のような塊状食肉の場合には水流に乗せて流している。衝撃波に対し実質的に透明であり適切なインピーダンスを持つプラスチックの無孔チューブの方が細かい網目の導管に比して,食品搬送において優れていることは明らかである。このような無孔チューブは網目状や枠組み状の場合より衝撃波に対しより「透明」である。タイゴン及びその他のプラスチック材はチューブの形で入手可能である。
【0017】
従って,米国特許6,168,814B1号では,略円筒状の中空衝撃波反射体がプラスチック導管,即ち,静的な肉塊保持体を取巻いており,その結果,衝撃波は内側へ反射される。もし仮に反射体の幾何学的形状が衝撃波の反射が完璧に整列できるように精密に造られていないと,この反射体は多くの衝撃波エコーが準静水圧的圧力パルスを発する反響チャンバになってしまう。
【0018】
(発明の開示)
この発明の目的は,従来装置が上述のような非常に優れた成果を示すものであるが,それを更に改良して,設備の低コスト化を図り,作業効率の改善及び成果の一層の向上を期している衝撃波による肉の処理方法及びその処理装置を提供することである。この発明による肉の処理方法及びその処理装置は,一つ一つではある程度の改善に過ぎないかもしれないが,組み合わせることによって極めて有意な改善を達成できる数多くの改良をもたらすものである。
【0019】
個々に或いは組み合わせて用いられる多くの改良には,(1)コンデンサ放電チャンバの幾何学的形状を変えること,(2)肉塊を収めるためのチューブ状チャンバに代えて,肉塊を上に載せる「鼓膜」をコンデンサ放電チャンバの上端に配設すること,(3)コンデンサ放電処理の間に鼓膜上の所定位置に肉塊を確りと保持する肉塊支持構造体を設け,この支持構造体の少なくとも一部分が肉塊の運動の幾つかの段階の間に亘り肉塊に選択的に追従するようにしていること,(4)肉塊をコンデンサ放電チャンバ上の所定位置に供給し,処理済肉塊を送出し位置へ搬送する簡単な構成の割出し回転コンベヤを設けること,(5)希薄波又は圧縮負波を一層有効に提供すること,及び(6)肉塊,特に鶏の骨無し胸肉を他の処理操作と組み合わせて衝撃波に曝すことを含む食肉軟化処理におけるある種の改良を提供すること,を含んでいる。
【0020】
(発明を実施するための最良の形態)
この発明の特徴及び利点は,図面を参照しての好ましい実施例,並びにここに開示の幾つかの選択枝と代替手段についての以下の詳細な説明から一層明らかである。
【0021】
この発明の好ましい実施例である図1には,2個の主チャンバ,即ち,下側のコンデンサ放電ないし放電チャンバ12とその直ぐ上方の食品処理チャンバ14とから成る食肉処理装置10が示されている。
【0022】
コンデンサ放電チャンバ12内には,水,塩水或いはその他の所謂非圧縮性流体が満たしており,放電チャンバ12は,底部の放物面状のボウル120と実質的に円柱状の上方部分122とから構成してある。円柱状上方部分122は,中心線に対し15゜より小さい,好ましくは8゜より小さい角度の円錐面を持った幾分円錐状の形態にすることもできる。しかしながら,中心線に対する側面の傾斜角は0゜であることが最も好ましく,上方部分122は実質的に円柱状であるのが最も推奨される。なお,この円柱状形態は真円形の円柱状である必要はない。
【0023】
2本の電極124は,放物面状ボウル120内に水平に進入しており,12〜19Kjを加えるようになっている。これらの電極124の中心線は,放物面の焦点上にあり,電気パルスが放電すると,衝撃波がこの放物面焦点から球面状に放射される。
【0024】
衝撃波が膨張伝播して行くにつれ,膨張する衝撃波頭は大きさ(圧力)と方向とを持っている。従って,膨張していく球面上の各点は,放物面焦点の中心を通るベクトルの前縁点と考えることができる。その結果,放物面状ボウル120の表面から反射する線は,放物面の軸心と平行な方向に反射されることとなる。これらの反射線は,開口を通して食品処理チャンバ14内へと進む。上方部分122に15゜より小さいテーパ面がある場合でも,そのテーパ側面と交差する線は15゜より小さい角度であるので,エネルギー損失は殆ど無い。
【0025】
鼓膜16は,後述するように,コンデンサ放電チャンバ12と食品処理チャンバ14とを分離している。使用に際しては,肉塊を鼓膜16上に置き,電気パルスを放電する。この放電により生じた衝撃波が放電チャンバ12から鼓膜16を透過して肉塊に浸透して,肉塊を軟らかくし,また,その中に存在する細菌のかなりの割合を殺菌することになる。
【0026】
放電チャンバ12の放物面状ボウルの最大直径が鼓膜16のための開口であり,上方部分122が円柱状形態であることが,鼓膜16全域に亘り均一な圧力を提供している。
【0027】
最大圧力を生み出すのに最適な放電アークから鼓膜16までの距離を決めるためにまず一連の試験を行った。放電チャンバ12の放物面状部分の直径が約20.3cmであり,上方部分122がテーパ状ではなく,従って,ここも直径が20.3cmである放電チャンバ12の場合に,放電アークが発生する焦点から鼓膜16までの距離が約29.2cmで良い結果が得られた。
【0028】
しかしながら,放電チャンバ12の焦点から鼓膜16までの高さを約10〜20cmの範囲に短くすると,なお一層良好な結果が得られた。このように垂直距離が10〜20cmの範囲,特に14.6cmである場合について更に一連の試験を行った結果,鶏肉,牛肉いずれでもコンデンサ放電の全出力のほんの一部で均一に軟らかくできることが実証された。従って,放電チャンバ12の上方部分122の高さはその半径よりも小さいことが望ましい。上方部分122は円柱状であることが望ましいが,上述のように,ある程度変更してもなお良好な結果を達成できる。この円柱状側面は±8゜の範囲,望ましくは±2゜の範囲内で傾斜を付けても効果を損なうことはないが,理想的には0゜で傾斜の無いことである。どのような場合でも,放電チャンバ12の最善の高さを決めるために必ず装置の試験をしなければならない。
【0029】
図示の実施例におけるコンデンサ放電装置の全出力は16Kjであった。食肉処理試験によると,鶏の骨無し胸肉の処理に最適な出力は約12.8Kjであり,牛肉の処理に最適な出力は約11.5Kjであった。強すぎる出力は食肉の品質を損なうことになるので,ケース毎に使用すべき出力レベルを決まった手順での試験によって決める必要がある。
【0030】
約30,000乃至50,000psiの高圧衝撃波を使っての食肉製品を軟らかくする実験によると,食肉の軟化は衝撃波が異なる方向から肉を通り,肉製品内で衝突する時に起きることが判った。肉の軟化処理は肉繊維の剪断の結果,肉繊維が破断することによる。しかし,正の衝撃波による圧縮を受けている食肉製品をその圧縮作用から急激に解放すると剪断機構の2乃至3倍の肉軟化効果が生ずる。この時,肉製品は急激に膨張し,ゼロ圧縮状態を通り抜け,更に勢いで張力状態に至る。この現象により肉質の硬さの原因である組織を破壊し,等級の低い肉を軟らかい肉製品に変える。
【0031】
上述の張力状態の現象を創り出すには,圧縮状態を急激に解放することのできる環境を造る必要がある。所定の媒質,好ましくは水,の中で発生した衝撃波は,該衝撃波が発生した媒質よりも稠密(機械的インピーダンスが高い)な目標物に対しその媒質内で衝突すると,確実に反射するであろう。この場合,反射衝撃波は,入射して来る波を通して戻る間にその波の圧力を増大させる。しかしながら,目標物の機械的インピーダンスが低いと,波はエネルギーを解放して製品内に好ましからざる(負の張力)波を生ずる。正の衝撃波が水中を進み,空気との境界に到達すると,そこで,波は解放して水中に張力波を生じる。しかし,上記波は張力を受けることができないので,水中で伝播しない。その結果,水中にキャビテイションを生ずる。しかしながら,正の圧縮衝撃波が肉内にあり,且つ肉が空気との境界にある場合には,肉は張力に耐え,そして張力が肉を通して伝播することで繊維を破断する。
【0032】
上述のように,正の衝撃波は上記波が発生した媒質中で,該媒質と同じ機械的インピーダンスを有する物質を通過することができ,更に上記物質から衝撃波の発生した媒質より機械的インピーダンスの大きい媒質の中へと正波として反射する。このシステムで関連する物質の機械的インピーダンスは,本質的には物質密度に依存している。肉と水,また殆どのプラスチック類は機械的インピーダンスが接近しており,互いに一致している。従って,衝撃波が肉塊を通過して鋼材内へと進む時,その波は反射し,また正波である。
【0033】
しかしながら,波が肉塊を通過した後に空気に当たると,その波の圧力が表面障壁の所で解放され,次いで,無負荷波,言い換えれば,所謂負波又は希薄波として反射されて既に加圧状態にある肉塊を戻る方向に通過する。衝撃波が肉塊を通過した後に鋼材から反射する設計では,爆裂の幾何学的配置のために,水が肉塊表面から除去された後に衝撃波が気体と水滴との混合体に当たり,負波として後方に解放する。このような幾何学的構成の結果,負波の存在しない場合に比して50%ないし100%大きな食肉軟化効果(肉質柔軟化効果)を生むことができた。
【0034】
鼓膜構造を使っての実験では,サイコロ状の肉(牛肉)を鼓膜16の上に載せ,この肉の周りに種々量を違えた水を置いた。肉塊の頂面だけが露出する量の水を置いた場合,負波が肉塊を通って戻るので,食肉軟化効果は公知の技術で得られる場合と同じであった。水が肉塊の半分だけを浸す程度であった場合,食肉軟化効果は高い。ほんの少量の水(鼓膜と肉との結合性を良くするため)を肉塊の下に置いた場合,肉質軟化効果は明らかに向上した。この最後のケースの場合,結合は肉塊六面体の一側面上のみにおいて生じている。肉塊を通った衝撃波は,肉塊六面体の残りの5側面上で空気との境界面に達する。この場合,化学的爆裂による従来方法に比して,肉質軟化効果は少なくとも50%向上することが確認できた。
【0035】
肉と水とは音響的に完全に一致していないので,肉塊に対しては小さな上方への推力が働く(もし肉と水とが音響的に完全に一致しているのであれば,肉質柔軟化効果は起きないであろう。)。そこで,肉を拘束又は鼓膜に対し又は出口コンベヤ上に押付けるように肉上に在る滑らかな表面を有する肉を掴む構造を用いることが望まれる。
【0036】
鶏の胸肉について鼓膜構造を用いる実験を行った。一つの実験では,鶏胸肉を「リンカーンの丸太小屋」のような形に積上げ,一側面が12.5cmの立方体とした。この実験では,最上部の胸肉が積上げられた立方体の底の部分が,中心部分の何れよりも軟らかくなった。これは多分胸肉の間の空隙のために,負波がその後方への反射の間に希薄化されたためであろう。胸肉をメリヤス編み状に詰めて実験を繰返した。この場合には,全ての胸肉が市販できる規格にまで軟らかくできた。この例は,鶏の胸肉のような鶏肉に関しては,肉塊を間に空隙を生じないように詰めて積上げるのが望ましいことを示している。このように肉を詰めて積上げるには,鶏肉の上にタイゴン製シートを載せて肉を圧縮し,且つタイゴン製シートの上に空気を残しておくと良い。
【0037】
従来技術であるか,この発明に係る技術であるかを問わず,流体力学的方法では,筋肉繊維の束を破断して肉に作用する酵素に曝される面積を大きくして,酵素が肉を軟らかくするのを高めているようである(肉の熟成による柔軟化は,各種肉繊維への酵素作用の結果である。)。また,細胞内には多くの酵素が閉じ込められていて,衝撃波が細胞を壊した時にこれら酵素が放出される。それにより広い領域で多くの酵素が働いて,熟成が促進される。この肉の熟成は鶏肉よりも牛肉において顕著であると思える。
【0038】
上述のようにしてメリヤス編み状に詰めて積上げた実験で成功裏に軟らかくできた鶏の胸肉を衝撃波処理後一日経って調理試験した。衝撃波処理後,一日乃至二日経ってから調理することは,市販上問題はなく,むしろ肉質の軟らかさが向上する。従って,この発明のもう1つの観点は,流体力学的方法による処理後,少なくとも24時間,望ましくは二日間の間,肉,即ち,鶏肉を熟成させることである。
【0039】
食品処理チャンバ14内で上述の現象を造り出すためには,肉を鼓膜16に対し平らに置く必要がある。このことは肉のカットの仕方によっては,時として難しく,鶏の骨無し胸肉では特に難しいので,鼓膜16の上に非常に浅い水のプールを設けて,鼓膜16上に載せた肉の底と入射衝撃波との間に空気の境界面ができる可能性を回避することが望ましい。しかし,牛肉の場合には,肉自体と浅いプールの水とが接触しないように肉をプラスチックラップで予め包装していない限り,このような水のプールは避けるべきである。また,鼓膜16それ自体が非常に可撓性に富み弾性に優れているので,静止状態で肉の底面と鼓膜との間にある空隙は,コンデンサ放電時にコンデンサ放電チャンバ12内の非圧縮性流体により上方に押上げられて変形する鼓膜16によって占められることとなるので,実際の処理では水の浅いプールは通常必要ないことが解かった。
【0040】
肉塊の上には空気がある。正の衝撃波はコンデンサ放電チャンバ12内の液体を通り,この液体と略音響的に一致した鼓膜16を通ってから肉を通る。肉内を通り空気に達した波は,空気中に跳び出して肉塊内に無負荷波,即ち,張力波を造る。肉塊は張力波に耐えることができるので,この波は肉を通して伝播して肉質軟化効果を高める。
【0041】
上述のように従来公知の技術で達成していた効果に優る効果を得たこの発明による改良点の1つは,コンデンサ放電チャンバ12の幾何学的変更に関連している。上に説明したようなこの発明の好ましい実施例によれば,放電チャンバ12は,放物面状部分120の上の上方部分122が比較的短い。望ましくは円柱状の上方部分122は,その高さが半径を超えないことが望ましく,できればその半径より低いのが良い。放電チャンバ12の半径が略10cmであれば,上方部分122の高さは約9.5cmだけである。勿論,装置の高さを拡大することもできる。その他の寸法は決まった手順での実験に基づいて定めることができる。この寸法選定は,肉に最適な柔軟化効果を与えるためのアークからの距離に基づいている。この距離のところが円柱状部の端である。
【0042】
円柱状の上方部分122の軸心に直交する平面は実質的に平坦である。この平坦面上に,鼓膜16に似た状態で可撓性プラスチックシートが配設してある。プラスチックは,可撓性及び弾性,水(放物面状ボウルと円錐体とを満たしている)との機械的インピーダンスの一致を求めて,更に望ましくは反復する衝撃波に耐える能力及び衝撃波で上方に駆動される直下の非圧縮性流体から加えられる歪に耐えうる能力を求めて選定される。幾分弾性に優れたポリ塩化ビニルの一種であるタイゴンがデュロメータ硬度の低い種類のポリウレタンと共に用いると満足なものであると解かった。ゴムも耐久性に優れているので望ましい。その他のプラスチックやエラストマーについても,その適,不適を通常の方法で試験すれば良いものである。
【0043】
鼓膜16の厚みは,試験の結果,約0.5cmから0.95cmの間が良いと解かった。鼓膜16の厚さ約0.6cmのゴムのシートが好ましい。鼓膜16は,放電チャンバ12にボルト止めしたステンレス鋼製リングによって所定位置に固定してシールしてあることが望ましい。この固定用リングは,場合によっては,僅かの高さだけ上方に伸ばして鼓膜の周りに浅い縁を作り,ここに鼓膜16の表面上に液体の浅いプールを造るようにすることもできる。上記のように,放電チャンバは水等の非圧縮性流体で満たされているので,鼓膜である可撓性シートの底面は水と接触している。
【0044】
処理すべき肉は鼓膜16の上に載せて,この鼓膜と音響的に結合した状態にしなければならない。鼓膜16と接触する表面に凹凸がある肉の場合には,鼓膜16上で前記円周縁の中に少量の水その他の液体を溜めて肉と鼓膜16との間の結合を良くすることができる。簡単に形を整えられるハンバーグのようなものは,音響的に一致し易い表面を作れるので,鼓膜16との境界面に水を入れる必要はない。また,既に記載したように,鼓膜16は極めて可撓性かつ弾性に富むため,放電チャンバ12内でコンデンサ放電を起こした際に,鼓膜16直下の非圧縮性流体の上昇運動によって,鼓膜16はその上に載っている肉の底面の凹凸に倣ってぴったりくっついて肉底面と鼓膜16との間の音響的結合を保障することとなるので,水その他の液体の浅いプールは通常必要ない。
【0045】
ここに開示する構造では,電極24の周り及び円柱状上方部122内にある水その他の非圧縮性流体は,食品とは決して接触することはない。即ち,この水は完全な閉鎖系の中にある。爆発物を用いて肉を軟らかくする従前の実験では,肉は爆発物を含んでいたのと同じ水に接触している。このために,肉はプラスチックの真空バッグ内に収めておく必要がある。この種のバッグはコストがかかり,しかも破損等不都合なことになり易い。放電チャンバ12上に鼓膜16を採用することによって,肉を入れるバッグは不要になる。
【0046】
肉は通常のコンベヤ装置によって鼓膜16の所へ運ばれ,次いでコンベヤ上を後ろから来る肉によって鼓膜16の中へと押出される。コンベヤには肉が搬送面上で滑らないように上方に延びるフランジ(図示せず)を設けることができる。このフランジは,処理すべき赤身肉又は鶏肉の塊がフランジ間に収まるように,鼓膜16の直径と同じ距離に相互に隔てられていることが望ましい。もう一つ別のコンベヤ装置が肉を鼓膜16から出荷場所へと運んでいる。これらのコンベヤは連続走行式でも良いが,間歇駆動方式の方が望ましい。
【0047】
先にも指摘した通り,衝撃波が鼓膜16を介して肉に到達するまでの間,伝播する水と肉とは,音響的又は機械的インピーダンスにおいて完全に一致していないために,肉塊に対してこれを上方に押上げる小さい力が働くことになる。この場合に,肉を鼓膜16の表面に引戻すような作用に適した肉拘束面を設けることになろう。
【0048】
しかしながら,肉を上方に押上げる力が時々非常に大きくなり,肉塊表面に多くの傷を付けて,肉そのものの商品価値が損なわれて商品にならないか,低廉でしか売れないものになってしまうことがあり得ることがわかっている。肉繊維は,音響的,即ち,機械的インピーダンスにおいて水と実質的に一致しているようであるが,肉の硬さに関与している肉組織はそうではない。軟らかな肉製品を造るには,衝撃波のエネルギーによってこの肉組織を壊す必要がある。実験結果では,硬い等級の肉,即ち,音響的に水と一致しない肉組織の多い等級の肉は処理時に相当に大きな力で鼓膜16の上方に突上げられる。例えば,拘束することなく,鼓膜16上に載せただけの肉塊が,高さ9mの室内で天井タイルに達するほど上に突上げられた。
【0049】
鼓膜16上に載せた肉塊の上に金属性の肉拘束手段を設けると,好ましい負の衝撃波の形成が妨げられることになる。従って,この肉拘束手段は,機械的インピーダンスに於いて水と略一致している必要がある。このための一つの方法は,肉拘束手段を鼓膜16に接触する膨張した環状,即ち,ドーナツ状又はリング形状の装置から成る回転輪の形にすることである。実験に供した環状体には,多分天然ゴム製の普通のタイヤ内側チューブを空気で膨らませたものを用いた。ゴムは,機械的インピーダンスに関して水と一致しており,加硫ゴム及びポリウレタンゴムを含む各種のゴムを利用できる。その他のゴムについても,その適,不適を通常の方法で試験すれば良い。
【0050】
鼓膜16のゴム壁の厚さは,0.95cmを超えないようにすべきであり,充分な耐用性を損なわない限りできるだけ薄くするのが望ましい。壁が厚くなると負の衝撃波を少なくする望ましからざることとなるので,約0.95cmを超える壁厚は避けなければならない。当初の試験に用いた内チューブの壁厚は約0.32cmであった。
【0051】
上記の内チューブの代わりに別の構造体,例えば,発泡ポリウレタンから成るローラーのような発泡プラスチック又はゴムローラーを用いることもできる。このローラーは被覆してあっても良いし,裸のままでも良い。しかしながら,前述の膨張した環状体の類よりも硬い材質から成る発泡構造体は負の衝撃波の発生を抑えるようであるので,あまり好ましくはない。
【0052】
このような肉拘束手段を使うと,送込みコンベヤで鼓膜16上に搬入された骨無し鶏肉や牛肉のような肉塊は,膨張した肉拘束手段によって所定位置,即ち,電極124からの放電による正の衝撃波が電極上の水,鼓膜16そして膨張した肉拘束手段に達した衝撃波は,その壁体を通過して空気に出会う。次いで,この波は,負の波としてチューブ壁体及び肉塊に戻ってきて,硬い肉質の原因である強固な締結肉繊維を大部分を壊して,軟らかい肉にする。
【0053】
正の衝撃波が肉塊を通過している間,強固な締結肉繊維(筋蛋白質組織)のために水と肉繊維とは音響的又は機械的インピーダンスが一致していないために,肉塊が上に押上げられることによって膨張した肉拘束手段を一時的に変形させる。しかし,肉拘束手段内の空気圧の弾性が,肉塊をすばやく鼓膜16へ向けて押し戻す。この肉塊の上下動の間は略30ミリ秒である。
【0054】
肉塊がその上下動の際に鼓膜16から逸脱することの無いように,側面ガイドを設けることが望ましい。しかし,衝撃波が肉塊を伝播通過する前に肉塊と側面ガイドとが接触する事態を考えると,この側面ガイドは機械的インピーダンスが水と略一致する材質で作る必要がある。さもないと,側面ガイドから反射する正波が上方からの好ましい負の波を打消してしまう。従って,側面ガイドは,タイゴン,ポリウレタン,ポリプロピレン或いはゴムのような機械的インピーダンスが水と程よく一致するプラスチック類で作ることが望ましい。その他のプラスチック類についても,その適,不適を通常の方法で試験すれば良い。一つの実施例として,厚さが約0.64cmのタイゴンのシートをその周囲に沿って金属製の額縁内に固定したものを使っている。
【0055】
肉拘束手段を適切な形状にすることによって,側面ガイドを避けることができる。従って,断面が円形のタイヤ状のチューブに代えて,断面が長方形状である,即ち,断面が凹面形状の肉接触表面を備えたローラーを採用して,両端縁の回転肉保持体が肉塊を所定位置に保持するように機能させることもできる。
【0056】
先に指摘したように,肉は通常のコンベヤ装置によって鼓膜16の所へ運ばれ,次いでコンベヤ上を後ろから来る肉によって鼓膜の中へと押出されるのであるが,この搬送装置は信頼性に欠ける。例えば,鶏の胸肉はしばしば重なり合い,横に逸れてしまうので,鼓膜16上での鶏胸肉の積重ね厚みをコントロールするのが極めて難しい。そこで,上述のようなローラー又は膨張した内チューブを用いて,肉接触表面の周速度がコンベヤベルトの速度と一致するように被駆動輪を積極的に回転させることによって,この問題を解決している。積上げた肉を鼓膜上で運ぶために,肉拘束手段から約3psiの下向きの力をかけている。この下向きの力はもっと大きな圧力でも良いが,弱い圧力では効果が幾分低くなる。上述のような肉拘束手段を取付けた被駆動輪は,所望の回転速度で適宜駆動でき,また容易に制御できる。
【0057】
肉拘束手段は,図示し上述したような被駆動輪の代わりに,例えば,膨らませたコンベヤベルトのように,肉の移動方向に長くすることもできる。
【0058】
図1,図3及び図4に示すこの発明の好ましい実施例によると,食品処理チャンバ即ち肉処理チャンバ14の側壁を構成する肉保持リング140と,肉処理チャンバ14の天井を成す第二鼓膜142とで肉処理空間(肉処理チャンバ14)を構成している。肉保持リング140と第二鼓膜142とは機械的インピーダンスが水と略同じである物質,例えば,タイゴン,ポリウレタン,ポリプロピレン或いはゴムで作られている。特に,上下に往復動する肉捕捉器144の一部を成す上方鼓膜142は,下方の鼓膜16と同じ材質でかつ同じ大きさに造られていることが好ましい。
【0059】
肉保持リング140は,ポリウレタンでできているのが好ましい。肉保持リング140の壁厚み及び形状には特に限定的条件は無いが,壁厚は処理中に受ける力に耐え得る必要があり,当初の試験ではポリウレタンの場合,約1.5cmの壁厚が適当であると解かった。
【0060】
特に,図1及び5に示すように,上方鼓膜142の上にエアポケット即ち空気室146が設けてある。エアポケット146の上には図5に示すように,一枚又は複数枚のゴム又は発泡プラスチック層148を適宜配設しても良い。発泡プラスチック層148は必ずしも必要ではなく,従って推奨する程のことではない。エアポケット即ち空気室146は,上記で指摘した理由のため,即ち,肉塊及び上方鼓膜142を通過した後の衝撃波は空気に出会って,上方鼓膜142及び肉塊を通る負の波として戻ってくるためにこの実施例において重要である。
【0061】
空気室146の代わりに発泡パッドを用いることもできる。このような発泡パッドは,既に上述したように,小さな負の衝撃波を作る付加的固形物質から成る。
【0062】
図示の実施例での空気室146の高さは,約2cmが望ましい。この寸法は重要なことではないが,機能面から見ると,この高さは有効な負波を生ずるには最小であるべきであり,鼓膜16と上方鼓膜142との過度の引張りを避けるには最大であるべきである。
【0063】
図1に示す実施形態では,肉塊を食品処理チャンバ14内に置いて,空圧又は水圧シリンダーを図示の位置,即ち,上方鼓膜142が肉塊と僅かに接触する位置,にまで下げる。この位置では,肉塊は上方鼓膜142と鼓膜16との間で僅かに圧迫される。次いで,電極124を放電させて衝撃波を発生する。この衝撃波は先に説明したように,放電チャンバ12を上へと伝播し,次いで下方鼓膜16,肉塊を通り,更に上方鼓膜142を通過する。衝撃波はここで空気室146内の空気に出会い,負の波として戻って行く。衝撃波が最初に肉塊に当たった時,肉塊は鼓膜16の動きに追従して上向きに押上げられる。この上向き運動は空気室146の高さで制限されている。
【0064】
上述の装置において特に好ましいことは,図4及び5に示すような回転式コンベヤと組合せることである。図4に示す装置では,回転式コンベヤ150には相互に90゜の角度で配置した4ヵ所の位置が有り,その内の3ヵ所は機能的仕事位置である。回転式コンベヤ150には4個の肉保持リング140が設けてある。コンベヤ150の間歇的又はステップ式運転の休止時において,各肉保持リング140は,図4に示すように,それぞれ4ヶ所の位置の一つ一つを占めている。肉保持リング140の底面に相当する高さの位置に,好ましくはステンレス鋼製の定置プレート152と,図5に示すような割出しモータで回転駆動される回転式割出しプレート154とがある。割出しプレート154には,肉保持リング140を嵌め込む4個の開口が設けてある。
【0065】
第一位置160において,肉塊が上から送込まれ,肉保持リング140の1つの中で定置プレート152上に載る。次いで,割出しモータで回転式割出しプレート154を回転駆動すると,肉塊と肉保持リング140とは定置プレート152伝いに摺動して,図1〜3及び5に示す放電位置である第二位置162に至る。定置プレート152にはこの放電位置に貫通孔を設けてあり,この中に放電チャンバ12の構造体が収められている。肉保持リング140内の肉塊が回転式コンベヤーの第二位置162に到達すると,空圧又は水圧シリンダーで肉捕捉器144を,図1と図5に示す位置に降ろして,肉塊を電極124の放電に曝す。
【0066】
その後,空圧又は水圧シリンダで肉捕捉器144を引き揚げ,割出しモータで割出しプレート154を回転させて処理済肉塊を肉保持リング140と共に第三位置に動かす。この第三位置においては,定置プレート152にもう1つの貫通孔が設けてあり,処理済肉塊は,定置プレート152内のこの貫通孔を通して処理肉送出し箇所,例えば,肉取出しコンベヤ或いは包装ステーションへと落下する。
【0067】
図4から良く理解できるように,図示の実施例では間歇移動は90゜毎であり,第四位置は何の機能も持たない空位置である。この構成については種々の設計変更が可能である。例えば,割出しを,90゜ではなく120゜毎の3ヵ所位置にするとか,また,割出しを,90゜ではなく72゜毎の5ヶ所位置にすることもできる。
【0068】
この発明は他の処理工程と関連させて実施することができる。例えば,鶏肉産業においては骨無し及び皮無し胸肉は主要な製品である。鶏肉は屠殺後少なくとも6時間経たなければ胸骨から上手くはずれないので,多くの処理プラントでは屠殺した鶏を一晩冷凍又は氷蔵している。鶏肉は死後硬直を経過している間には束ねておくのが良いが,鶏肉がなお骨の上に在ると,肉の骨への付着のためにそのように束ねることができない。しかしながら,死後硬直が終わると,即ち,約6時間後には,肉は骨から取外すことができ,しかも比較的軟らかい。しかし,死後硬直の完了前に鶏肉を取外そうとすると,所謂,ゴム状の鶏肉に成ってしまい,このような鶏肉は流体力学的方法が開発されるまでは,軟らかにする方法が無かった。
【0069】
鶏の胸肉を,屠殺後6時間又は一晩置いておくためには,氷蔵又は冷凍エネルギーを要するだけでなく相当大きな貯蔵スペースを要し,このために著しい処理コストの増大に連なる。従って,鶏肉業界では鶏の胸肉を骨から取外す前に貯蔵しなくて済む方法を必死に捜し求めてきた。助けとなってきた従来手法の一つは,屠殺時に鶏を感電死させる電気刺激である。この電気刺激は死後硬直を速めるので,6時間乃至10時間も待っていることなく,死後硬直を1時間乃至2時間の短時間に起こさせることができる。鶏の死後1時間乃至2時間で早く骨抜きできるように,鶏肉業界では電気刺激を試みてきた。しかし,その成果は鶏胸肉の60〜70%程でしかなかったので,この電気刺激法は廃れてしまった。
【0070】
この発明の別の観点によると,電気刺激法も,先行技術であると上述のこの発明の技術であるとに関りなく流体力学的方法と関連して用いると有効であることが解かった。鶏肉を,例えば,190ボルトで10秒間電気刺激すると,通常6時間乃至8時間である死後硬直が1時間乃至2時間になる。このように電気刺激した鶏肉は電気刺激後直ぐに骨抜きしてから,例えば,上述の実施例による流体力学的処理を行うことができる。こうして処理した鶏胸肉は充分に軟らかく,しかも熟成のために通常必要であった6時間乃至8時間の氷蔵を要しない。
【0071】
以上の特定の実施例についての説明で,この発明の普遍的な本質は,当業者が現在の知識を応用することで過度の実験を行う必要が無く,しかもこの発明の包括的概念から離れることなく容易に改変し且つ/又は特定の実施例を種々の応用に適合させることができる程度に充分に明らかとなったであろう。従って,そのような改変及び適応は,ここに開示した実施例と同等な意味及び範囲内であると理解すべきである。また,ここで採用した表現又は専門用語は,説明目的のものであり,限定的意味をもつものではない。ここに種々開示された機能を果たすための手段,材質及び工程はこの発明から逸脱することの無い各種の代替え形態を執り得るものである。
【0072】
従って,上述の明細書及び/又は後述の請求項に現れているような,機能的記載で修飾されている「─する手段」及び「─のための手段」或いは,何らかの方法工程用語は,ここで詳細に記載した機能を果たすように現時点で又は将来存在するであろうあらゆる構造的,物理的,化学的又は電気的素子又は構造体,又は方法工程を,それらが上記明細書で開示した実施例と厳密に同等であるや否やと関り無く,即ち,同じ機能を果たすための他の手段や工程も使用できる意味で,定義し且つ含むことを意図している。従って,それらの表現には最も広範囲な意味の解釈を与えるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の好ましい実施例の一部を断面とした正面図であり,コンデンサ放電チャンバ,肉塊処理チャンバ,肉塊支持構造体及びそれらに関連の装置を示している。
【図2】 現時点で好ましいと考えられている寸法を示すコンデンサ放電チャンバの拡大断面図である。
【図3】 肉塊支持チャンバの一部とコンデンサ放電チャンバの一部との部分的拡大断面図である。
【図4】 肉塊装入のための第一位置,肉塊処理のための第二位置及び肉塊取出しのための第三位置を有する割出し回転コンベヤの形態を持つこの発明に係る搬送システムの平面図である。
【図5】 図4の線5−5に沿った断面図である。

Claims (18)

  1. 非圧縮性流体中を伝播する衝撃波を肉に当てることから成る肉質を軟らかくし及び/又は肉内の微生物を殺す処理方法において,
    前記非圧縮性流体の音響インピーダンスと略同じ音響インピーダンスを有する鼓膜様の振動膜の第一表面近くに前記肉を置き,前記非圧縮性流体を前記鼓膜様の振動膜の第二表面近くに配置して,前記鼓膜様の振動膜によって前記肉と前記非圧縮性流体とを互いに隔てた状態とし,
    前記衝撃波が前記非圧縮性流体,次いで前記鼓膜様の振動膜を通って前記肉内に伝播する際に前記肉の動きを制限することを特徴とする肉質を軟らかくし及び/又は肉内の微生物を殺す処理方法。
  2. 前記衝撃波が前記肉を通過後に,前記衝撃波を音響インピーダンスの低い領域に触れさせることにより,前記衝撃波と反対の方向に前記肉を通る希薄波を発生させることを特徴とする請求項1に記載の処理方法。
  3. 前記衝撃波による処理の間,前記肉をその側部に沿って拘束しておくことを特徴とする請求項2又は3に記載の処理方法。
  4. 前記衝撃波による処理の間,前記衝撃波が前記肉の下から前記肉に入るように前記肉を配置し,前記肉は前記鼓膜様の振動膜の前記第一表面の上に載っていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の処理方法。
  5. 前記肉の下側にある放物面状チャンバ内のコンデンサ放電により前記衝撃波が発生し,また前記衝撃波による処理の間,前記肉の上方への動きをその上の平坦表面で抑制していることを特徴とする請求項4に記載の処理方法。
  6. 前記衝撃波を放物面状チャンバ内のコンデンサ放電により発生し,且つ前記衝撃波を0゜〜8゜の傾斜角を持つ円柱状チャンバを通して伝播させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の処理方法。
  7. 前記肉が骨なし鶏肉であり,且つ前記骨なし鶏肉を前記衝撃波に曝すのに先立って,骨を抜く前の前記鶏肉に電気刺激を与えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の処理方法。
  8. 前記電気刺激を前記衝撃波処理に先立って略1〜2時間行うことを特徴とする請求項7に記載の処理方法。
  9. 第一音響インピーダンスを備えた非圧縮性流体と,前記非圧縮性流体内に衝撃波を発生させる装置とを収めた衝撃波発生チャンバを有し,
    前記衝撃波発生チャンバに隣接して配置された鼓膜様の振動膜を有し,前記鼓膜様の振動膜は,その一側表面が前記衝撃波による処理時に前記非圧縮性流体と接触し,その反対側表面が前記衝撃波による処理時に前記肉と接触するようになっており,かつ前記第一音響インピーダンスと略同じ音響インピーダンスを備えており,
    前記非圧縮性流体,次いで前記鼓膜様の振動膜を通って前記肉内に伝播する前記衝撃波に曝された時の前記肉の過剰な動きを抑制する構造体を有することから成る請求項1〜8のいずれか1項に記載の処理方法を達成するための処理装置。
  10. 前記鼓膜様の振動膜がゴム等の可撓性物質であることから成る請求項9に記載の処理装置。
  11. 前記衝撃波に曝された時の前記肉の過剰な動きを抑制する前記構造体が,前記第一音響インピーダンスと略同じ前記音響インピーダンスを持つ可撓性物質の第二振動膜から成り,前記第二振動膜は,前記衝撃波による処理時に前記肉の前記鼓膜様の振動膜と接触する表面とは反対側の肉表面と接触するように配置されていることから成る請求項9又は10に記載の処理装置。
  12. 前記鼓膜様の振動膜及び前記第二振動膜と共に,肉処理チャンバを構成する肉保持リングを備えていることから成る請求項11に記載の処理装置。
  13. 前記肉保持リングは,前記第一音響インピーダンスと略同じ前記音響インピーダンスをもつ物質から構成されていることから成る請求項12に記載の処理装置。
  14. 前記衝撃波発生チャンバは,放物面状第一部分と前記放物面状第一部分から遠くへ伸びる円柱状第二部分とから成るコンデンサ放電チャンバであり,前記円柱状第二部分は,0゜〜15゜の傾斜角を有し,更に前記衝撃波発生チャンバ内で前記非圧縮性流体内に前記衝撃波を発生させる装置は,前記放物面状第一部分の焦点のところにコンデンサ放電を発生させるように前記放物面状第一部分内に配置した一対の電極から構成されていることから成る請求項9〜13のいずれか1項に記載の処理装置。
  15. 前記円柱状第二部分は前記傾斜角が0゜〜8゜,好ましくは0゜〜2゜,理想的には0゜であり,高さがその半径より小さいことから成る請求項14に記載の処理装置。
  16. 前記コンデンサ放電チャンバは上向きであることから成る請求項14又は15に記載の処理装置。
  17. 前記衝撃波による前記肉の処理時に,前記鼓膜様の振動膜の肉接触面とは反対の前記肉の側の位置に空間を設けており,前記空間が前記衝撃波と反対の方向に前記肉を通る希薄波を発生させるように前記第一音響インピーダンスより小さい第二音響インピーダンスを有していることから成る請求項9〜16のいずれか1項に記載の処理装置。
  18. 前記第二振動膜を上下に往復動させる空圧又は液体圧シリンダを備えていることから成る請求項11〜17のいずれか1項に記載の処理装置。
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