JP4087275B2 - 非常対策付きヒンジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トイレ等の開き戸に用いる下部ヒンジの改良で非常対策付きヒンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
トイレ等の開き戸の扉に手を掛けて開いたときに手を離すと自動的に閉鎖可能な下部ヒンジとしてグレビテイヒンジを用いた扉がある(例えば、特許文献1参照。)。
下部ヒンジに対とし用いられる上部ヒンジとして各種のものがあるが、例えば枠上部に固着された永久磁石によって上部ヒンジ軸を吸着可能としたもの(例えば、特許文献2参照。)、上部ヒンジ軸の下方にコイルばねを介在させて上方に付勢可能としたもの(例えば、特許文献1参照。)等がある。
又、扉を閉じた時にスライド式のロックバーによって内側より施錠し、外側に使用中であることを表示窓を通して目視可能な色分け表示部分を有する表示装置がある(例えば、特許文献3参照。)。
トイレ等の開き戸の開閉と施解錠用ヒンジとしては、上記特許文献1〜3に記載の各構成要素を適宜組合わせたものが多用されているが、近時外側より目視可能な表示装置は外観上煩わしく美的でないとしてこれを廃止し扉外側には全く表示を設けないとすることが行われている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−207720号公報([0012]〜[0015]、第1、2、4、5図)
【特許文献2】
特開2002−21411号公報([請求項1]、[0019]〜[0022]、[図2]、[図6])
【特許文献3】
実開平7−14042号公報([請求項1]、[0005]〜[0007][図1]、[図2]、[図4])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の開き戸において、例えば老人、身障者の人が使用中のトイレ等の扉をロックしたまま倒れるような非常事態が発生したとき、これを救出するには外側から脚立を立て、棒等を使って施錠状態のロックバーを遠隔操作して解錠するか、それが困難なときは体当たりするとかバール等を使って強引に扉、ヒンジ部分を破壊するしかなかった。
これに対し本発明では、密閉されたトイレ等の内部において非常事態が発生したとき、外側からの手荒な操作が全く不要で、下部ヒンジとしてグレビテイヒンジを用いた開き戸の扉下部を容易に取外し、密閉状態を開放可能な非常対策付きヒンジを得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1の発明にあっては、
開き戸の枠体下部に固着された垂直基板と突出する水平基板とで形成された下部支持材の該水平基板に立設される下部軸に嵌着され上向き傾斜カム面を有する下側カム部と、扉下部に固着された扉取付材に装着され下向き傾斜カム面を有する上側カム部との該各傾斜カム面を向合わせて該下部軸回り該扉を開閉可能とした下部ヒンジに外れ止め具を用い、イ)前記外れ止め具は一方側に略U字形の切欠部が穿設された止め板の一対を前記垂直基板に嵌着可能な間隔で平行におき他方端を繋ぎ、一方端は開口状態とされて略コ字形に形成され、ロ)前記下部軸は中部から上部は円柱部とし、下部は該円柱部より僅かに大きい円に内接する多角形縁部とし、該縁部の中間に間隔をおいて一対の円形細溝をおき、該細溝に前記切欠部が嵌合可能とされ、ハ)前記水平基板には前記縁部が嵌合可能な多角形孔が穿設されており、ニ)通常時には前記細溝に案内されて前記切欠部を前記水平基板の自由端部側より押込み前記下部軸を前記外れ止め具との係止によって該水平基板に固定し、非常時には該切欠部を該水平基板より引出し該下部軸を該外れ止め具との係止解除によって該水平基板から脱落せしめ、前記扉下部を取外し可能とした非常対策付きヒンジにより解決した。
請求項2の発明にあっては、開き戸の枠体下部に固着された垂直基板と突出する水平基板とで形成された下部支持材の該水平基板に立設される下部軸に嵌着され上向き傾斜カム面を有する下側カム部と、扉下部に固着された扉取付材に装着され下向き傾斜カム面を有する上側カム部との該各傾斜カム面を向合わせて該下部軸回り該扉を開閉可能とした下部ヒンジに外れ止め具を用い、イ)前記外れ止め具はピン状で直線部を含み、ロ)前記下部軸は中部から上部は円柱部とし、下部は該円柱部より僅かに大きい円に内接する多角形縁部とし、下端部に該縁部より僅かに大きいフランジが連設され、該縁部に該下部軸の軸芯を通り直交する前記直線部が挿入可能な止め孔が穿設され、ハ)前記下側カム部外側の円筒状体の下端部周囲に前記縁部の角数と同数の前記直線部が挿入可能な周辺孔が穿設され、ニ)前記水平基板には前記縁部が嵌合可能な多角形孔が穿設されており、ホ)通常時には前記直線部を前記周辺孔から前記止め孔に挿入し前記下部軸を前記外れ止め具との係止によって前記水平基板に固定し、非常時には該直線部を該周辺孔から引出し該下部軸を該外れ止め具との係止解除によって該水平基板から脱落せしめ、前記扉下部を取外し可能とした非常対策付きヒンジにより解決した。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき以下詳細に説明する。
図1は、本発明の非常対策付きヒンジの第一例の各構成要素の分解斜視図である。
図2は、図1の非常対策付きヒンジの組立斜視図及び操作説明図である。
図3は、図1の非常対策付きヒンジヒンジ、対で用いられる上部ヒンジ、扉及び枠体との取合い関係を示す概略斜視図である。
図4は、図1の非常対策付きヒンジヒンジを用いた扉の作動及び非常時の開放手順を説明する概略平面図である。
図5は、本発明の非常対策付きヒンジの第二例の各構成要素の分解斜視図及び組立斜視図である。
各構成要素の位置関係の説明は開き戸の使用状態で行い、扉の軌跡が移動する側を内側とし、その反対側を外側とし、外側から内側を見て前後、上下、左右として説明する。
又以下の説明では、図3、4に示す通り、使用時に便器Tの周囲が囲まれ密閉されているトイレ等において、外側より視て左側の左枠体Y1と右側の右枠体Y2間に扉Xを配設し、扉Xの左縁側に上部ヒンジ9、下部ヒンジとしての本発明の非常対策付きヒンジ1又は10、及び右縁側にスライド式のロックボルト20を取付けた例によっているが、施工現場に合わせ上下ヒンジ及びロックボルトを左右入替えて配設することもできる。又左枠体Y1と床面Gとの間には空間をおき幅木Z1及び右枠体Y2と床面Gとの間に空間をおき幅木Z2がそれぞれ配設されている。ここで、幅木Z1、Z2を設けずにサポートを設けるだけにして大部分が空間にしてある場合もある。
更に、各構成要素は以下に説明する各図のものを施工現場に合わせ左右入替えた構成のものを用いることができる。又重複する構成要素は一部符号記載を省略してある。
【0007】
図1において、本発明の第一例の非常対策付きヒンジ1の構成を説明する。
非常対策付きヒンジ1は、下部支持材2、下部軸3、外れ止め具4、下側カム部5、上側カム部6、上側カム嵌合部7及び扉取付材8を有している。ここで、下側カム部5、上側カム部6、上側カム嵌合筒7及び扉取付材8は、例えば特許文献1に記載の構成要素と同様である。
下部支持材2は、略方形板状の垂直基板21と厚さt1の略U字形板状の水平基板22とで略L字形に形成され、水平基板22の右側に下部軸3が嵌合立設される回止めの多角形孔22a(本例では8角形であるがこれに限定されず、角数は下側カム部5の変位調整ピッチに対応して決められる)が穿設され、垂直基板21には全体適所に複数個(本例では4個であるがこれに限定されない)の例えば木ねじ等の固着具を挿通する取付孔21aがそれぞれ穿設されている。
下部軸3は、中部から上部は軸径dの円柱部31で、下部に多角形孔22aに嵌合可能で軸径dより僅かに大きい円に内接する回止めの多角形(多角形孔22aと同角数)の上側縁部32、中間縁部33及び下側縁部34とが中間の上下幅t7で直径w1の円形細溝32a及び33aをおいて設けられている。ここで下部軸3は組立時において、縁部32は上下幅t4で下側カム部5が嵌着され、縁部33は上下幅t5で水平基板22の多角形孔22aに遊嵌され、縁部34は縁部32、33より狭い上下幅t6で水平基板22の下方に突出しておかれ、通常t4>t5=t1>t6にとられる。
外れ止め具4は、左側中央部に前後幅w2で略U字形の切欠部41aが穿設された厚さt3の止め板41の一対を平行に上下間隔t2をおき右端部を連結板42で繋いで、左端部は開口状態とされ側面視において略コ字形に形成されている。ここで、w2はw1に対し、t2はt5に対し、t3はt7に対しそれぞれ嵌合可能なようにプラス交差の僅かに大きくとられている。
【0008】
下側カム部5は、外層の下端面がフラットで上端面に傾斜カム面52、52をもった円筒状体51と、円筒状体51の内層に下端面がフラットで上端面に傾斜カム面53、53をもち軸芯部に下部軸3の縁部32に嵌着可能な多角形の中心孔54aを有する円筒状体54とが固着されて形成されている。外層の傾斜カム面52、52は対称形で最も高い頂部から左右に振分けて最も低い谷部まで連続するなだらかな通常直線勾配にとられ、内層の傾斜カム面53、53は対称形で最も高い頂部から左右に振分けて最も低い谷部まで連続するなだらかな通常直線勾配にとられ、傾斜カム面52と53は位相が180度ずれて配設されている。上側カム部6は、上部は外層の上端面が略フラットで下端面に傾斜カム面62、62をもった円筒状体61と、円筒状体61の内層に上端面が略フラットで下端面に傾斜カム面63、63をもった円筒状体64とが固着されて形成され、略フラットな上端面に異形突起部65及び一対の円形小突起66が突設され、傾斜カム面63、63及び突起部65の軸芯部に下部軸3の円柱部31を通して摺動可能な円形中心孔64aが穿設されている。外層の傾斜カム面62、62は対称形で最も低い底部から左右に振分けて最も高い頭部まで連続するなだらかな通常直線勾配にとられ、又内層の傾斜カム面63、63は対称形で最も低い底部から左右に振分けて最も高い頭部まで連続するなだらかな通常直線勾配にとられ、各傾斜カム面62と63とは位相が180度ずれて配設されている。
下側カム部5の傾斜カム面52、52と上側カム部6の傾斜カム面62、62のカム線図は通常直線状で上下逆向き形状にとられ、下側カム部5の傾斜カム面53、53と上側カム部6の傾斜カム面63、63とのカム線図も同様に通常直線状で上下逆向き形状にとられている。
上側カム嵌合部7は、上側カム部6が傾斜カム面62、63が下向きに収納可能なように下端側より円筒状開口部71aをもち上端面には異形突起部65が嵌着可能な異形開口部71bと円形小突起66と嵌着可能な一対の丸孔71cをもった筒状体71と、該筒状体71の下端縁にフランジ72とを有し、フランジ72にノック溝72aが設けられている。
扉取付材8は、略U字形板状で、湾曲部側に筒状体71が装着可能な嵌合孔8aと全体適所に複数個(本例では4個で内1個は長孔)の取付孔8bが穿設され、扉取付材8裏面の嵌合孔8a近接位置にノック8cが突設されている。
下側カム部5、上側カム部6には、外層、内層のダブルカムが用いられているが、これに限定されず特許文献1に記載の一層のシングルカムであってもよい。
【0009】
以下において、非常対策付きヒンジ1の組立てを説明する。
図1、2(c)において、先ず下部軸3を多角形孔22aに立て、多角形の中間の縁部33が多角形孔22aで隠れ、円形の細溝32a、33aが水平基板22の表裏面に見えるように置き、外れ止め具4を水平基板22の右端側より矢印P方向に押込むと上下の止め板41、41の切欠部41a部分が細溝32a、33a案内されて進み行止まった所で下部軸3に外れ止め具4が係止され、水平基板22に下部軸3が強固に固定され円柱部31が突出状態におかれた図2(b)に示す状態となる。水平基板22に固定された下部軸3に、上側より下側カム部5の多角形の中心孔54aを通し縁部32嵌着し軸芯回りに回動不能で傾斜カム面52、53を上向きにして固定する。
一方、上側カム嵌合部7の開口部71aに下側より上側カム部6を傾斜カム面62、63を下向きにして挿着し、上端の異形開口部71bに異形突起部65を嵌着し丸孔71cに円形小突起66を嵌合溶着して固定し、上側カム嵌合部7の筒状体71を扉取付材8の嵌合孔8aに嵌着し、フランジ72のノック溝72aにノック8cを係合かしめて上側カム嵌合部7を扉取付材8に固定する。
そして、図2(a)、3、4に示す通り、下部支持材2の垂直基板21を取付孔21aに例えば木ねじ等の固着具を挿通し枠体Y1側縁下方に螺合して固着し、水平基板22は枠体Y1側縁下方から垂直に突出状態におかれる。他方下部支持材2に対向する扉Xの側縁の近接位置に上側カム嵌合部7を埋込み、扉取付材8の取付孔8bに固着具を挿通し扉Xの下縁位置に螺合して固着する。
最後に、扉Xに取付けられた上側カム嵌合部7内の上側カム部6の円形中心孔64aを、枠体Y1に取付けられた水平基板22上の下部軸3の円柱体31に通し下側カム部5の傾斜カム面52、53と上側カム部6を傾斜カム面62、63とがそれぞれ向合って接触状態におかれて、上側カム部6が固定された下部軸3回りに回動可能且つ下側カム部5の傾斜カム面52、53に案内されて上下可能なグレビテイヒンジとしての非常対策付きヒンジ1の通常時の組立が完了する。
【0010】
次に、図5において、本発明の第二例の非常対策付きヒンジ10の構成を説明する。
非常対策付きヒンジ10は、下部支持材2、下部軸11、外れ止め具12、下側カム部13、上側カム部6、上側カム嵌合部7及び扉取付材8を有している。ここで、下部支持材2、上側カム部6、上側カム嵌合部7及び扉取付材8は、前記非常対策付きヒンジ1と同様の構成であり同一符号を用い、詳細説明及び一部図示を省略する。
下部軸11は、中部から上部は軸径dの円柱部111と、下部に多角形孔22aに嵌合可能で軸径dより僅かに大きい円に内接する回止めの多角形で上下幅t8の縁部112と、下端部に縁部112より僅かに大きい直径の円形フランジ113とが連設されている。ここでt8>t1にとられ、後述する下部軸11の組付け時において、縁部112は水平基板22の多角形孔22aに遊嵌されたとき、水平基板22表面から縁部112の上部が突出し後述する下側カム部13の中心孔134aに嵌着可能とされ、縁部112の円形フランジ113の上端より上下間隔t9の位置の多角形角部に下部軸11の軸芯を通り直交する外れ止め具12が嵌着可能な止め孔112aが穿設されている。外れ止め孔112aは、止め具12によって下部軸11が強固に固定されればよくので、貫通孔でもめくら孔でもよく、穿設位置は多角形角部でなく平面部であってもよい。
外れ止め具12は、大部分の一端側が金属製ピン状の直線部12aと、僅かな他端部の折曲がった把手部12bとからなり、直線部12aは止め孔112aに挿入可能とされている。把手部12bは本例に限られず小突起によってもよく、外れ止め具12は少なくとも直線部12aを含むものであればよい。
下側カム部13は、外層の傾斜カム面132、132をもった円筒状体131と、円筒状体131の内層に傾斜カム面133、133をもち軸芯部に下部軸11の縁部112を嵌着可能な多角形の中心孔134aを有する円筒状体134とが固着されて形成されている。傾斜カム面132、133及び円筒状体143の構成は前記下側カム部5の各構成と同様であるが、外層の円筒状体131は下端部周囲に縁部112の多角形の角数と同じ数の外れ止め具12の直線部12aが挿入可能なアーチ形の周辺孔131aが等間隔に穿設されている。周辺孔131aは外れ止め具12が外側より挿入可能な大きさ、形状であればアーチ形に限定されない。
ここで、下側カム部13、上側カム部6は、外層、内層のダブルカムでなく特許文献1に記載の一層のシングルカムであってもよい。
【0011】
以下において、非常対策付きヒンジ10の組立てを説明する。
図5において、先ず止め孔112aが水平基板22の右側に向くようにして下部軸11を水平基板22下面側より多角形孔22aに立て、円形フランジ113が水平基板22下面に当接して停止する位置で多角形の縁部112上部が水平基板22表面から突出状態とする。下部軸11の上端側より下側カム部13の中心孔134aを嵌着し、下部軸11の軸芯に対する各傾斜カム面132、133の周方向位置を調整した後、外れ止め具12の把手部12bを持って直線部12aを水平基板22の右側より矢印P方向に周辺孔131aから止め孔112aに通して挿入し下部軸11に外れ止め具12が係止され、下部軸11が水平基板22に強固に固定され円柱部111が突出状態におかれた図5(b)に示す状態となり、傾斜カム面132、133を上向きに固定し通常時の状態とする。
その後の上側カム部6、上側カム嵌合部7及び扉取付材8の組立ては非常対策付きヒンジ1の場合と同様であり、詳細説明は省略する。
【0012】
以下において、非常対策付きヒンジ1、10の非常時の操作を説明する。
図2(a)(b)に示す通常状態にあった非常対策付きヒンジ1において、非常事態が発生したとき、ロックされている扉Xを開けるには、外れ止め具4の止め板41、41を前記矢印Pと反対の矢印Q方向に手又はドライバー等によって引出すと、図2(c)に示す状態となり、外れ止め具4による下部軸3の係止が解除され、左枠体Y1、右枠体Y2と床面Gとの間には空間があり、その結果水平基板22下面の下方に隙間があり、下部軸3は上下方向には何等支持する部材がなくなり、多角形孔22aを通過して水平基板22の下方に落下するか、摩擦等によって落下しない場合でも僅かに手を加えるかし、いずれにしても容易に脱落する。これにより、軸芯が無くなってフリーとなった下側カム部5も脱落し扉Xの下縁は横方向に移動でき容易に取外しが可能となる。
図5(b)に示す通常状態にあった非常対策付きヒンジ10において、非常事態が発生したとき、外れ止め具12を矢印Q方向に手又はドライバー等によって引出すと、外れ止め具12による下部軸11の係止が解除され、下部軸11は前記非常対策付きヒンジ1と同様上下方向には何等支持する部材がなくなり、前記軸3と同様に多角形孔22aを通過して水平基板22の下方に脱落し、扉Xの下縁は横方向に移動でき容易に取外しが可能となる。
【0013】
以下において、図3を参照して、非常対策付きヒンジ1、10の対として用いられる扉Xの上部ヒンジ9の一例の構成について説明するが、ここでは特許文献1に記載と同様のものを用いている。しかし、この部分の構成はこの例に限定されず、公知の各種の変形例があり、例えば特許文献2の記載のものが用い得る。上部ヒンジ9は、上部支持材91、抜止め具92、上部軸93、ピボット嵌挿筒(図示省略)及び扉取付材94を有している。
上部支持材91は、板状の垂直基板911と水平基板912とで略L字形に形成され、水平基板912の一端の自由端部側には円形開口部912aが穿設されている。垂直基板911の全体には万遍なく複数個の例えば木ねじ等の固着具を挿通する取付孔911aがそれぞれ穿設されている。ここで、円形開口部912aには通常無給油軸受けとして例えばナイロン、弗素、ウレタン等の合成樹脂製軸受けを嵌着するのが好ましい。
抜止め具92は、水平基板912の自由端縁側より矢印P方向に該水平基板912に嵌着可能な長方形断面の空間部92aをもち下面側に細長の差込開口部92bが穿設されている。
扉取付材94は水平板状で、図示省略するが一端部に下方に突設され内側に下部大径円筒状で上部小径円筒状の段付き円形の開口部94aをもった外側円筒状のピボット嵌挿筒を有し、他端部側には万遍なく複数個の固着具を挿通可能な円形の取付孔94bが穿設されている。
上部軸93は、下部がピボット嵌挿筒に嵌挿された円柱状で、ピボット嵌挿筒内の大径円筒状部に装着されたばね材(図示省略)により上部軸93を上方に付勢し、上端からの加圧によって下降可能とされている。上部軸93には上端面に細径の先端頭部93aが同芯状に連設され、円形開口部912aと摺動可能な大きさとされている。
【0014】
上部ヒンジ9の組立ては図3に示す通り、枠体Y1側縁下方の下部支持材2の垂直基板21の固着位置に対向する枠体Y1側縁上方位置に垂直基板911の取付孔911aに固着具を通して螺合して固着し、水平基板912は下方の水平基板22と対向して水平に枠体Y1側縁上方に突出状態におかれる。
他方上部支持材91に対向する扉Xの上側縁の近接位置に穿設された孔にピボット嵌挿筒を埋込み、上部軸93はボット嵌挿筒内に装着されたばね材により上方に付勢され先端頭部93aと共に扉Xの上側縁から上方に突出した状態で、扉取付材94を取付孔94bに固着具を通し扉Xに螺合して固着する。
最後に、扉Xに取付けられた水平基板912の円形開口部912aに下側から扉Xの上側縁から上方に突出した上部軸93の先端頭部93aをばね材に抗して下方に加圧しながら円形開口部912aに嵌着した後加圧を無くし、抜止め具92を水平基板912に右端縁側より空間部92a及び差込開口部92bを用いて矢印P方向に押込み、上部軸93が円形開口部912aに対し摺動可能且つ離脱不能とされ上部ヒンジ9の組立てが完了する。
【0015】
更に以下において、上部ヒンジ9の非常時の操作を説明する。通常の扉X閉鎖時においては図4(b)に示す通り、ロックボルト20により施錠され、上部ヒンジ9は上部軸93が上部支持材91の円形開口部912aを介して摺動可能且つ抜止め具92によって離脱不能とされている。非常事態が発生したときは図4(c)に示す通り、抜止め具92を矢印Pと反対のQ方向に引張り出した後、上部軸93の先端頭部93aをばね材に抗して下方に加圧しながら円形開口部912aとの嵌着を容易に外すことができる。このときロックボルト20は施錠状態のままであってもよい。
扉Xの下縁は、下部ヒンジとしての非常対策付きヒンジ1、10について前記した通り非常時の操作で容易に取外しが可能であるが、加えてこの上部ヒンジ9の非常時の操作により扉X全体を容易に取外せるので更に完璧に非常時事態に対処できる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の非常対策付きヒンジによれば、密閉されたトイレ等の内部において非常事態が発生したとき、外側からの手荒な操作が全く不要で、下部ヒンジとしてグレビテイヒンジを用いた開き戸の扉下部を容易に取外し、密閉状態を開放可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非常対策付きヒンジの第一例の各構成要素の分解斜視図で、(a)斜め上方視、(b)斜め下方視の各図である。
【図2】図1の非常対策付きヒンジの(a)組立斜視図,(b)(c)操作説明図である。
【図3】図1の非常対策付きヒンジヒンジ、対で用いられる上部ヒンジ、扉及び枠体との取合い関係を示す概略斜視図である。
【図4】図1の非常対策付きヒンジヒンジを用いた扉の(a)作動を示す概略平面図、(b)(c)非常時の開放手順を説明する概略平面図である。
【図5】本発明の非常対策付きヒンジの第二例の各構成要素の(a)分解斜視図、(b)組立斜視図である。
【符号の説明】
1、10 非常対策付きヒンジ
2 下部支持材
21、911 垂直基板
22、912 水平基板
22a 多角形孔
3、11 下部軸
31、111 円柱部
32、33、34、112 縁部
32a、33a 円形細溝
4、12 外れ止め具
5、13 下側カム部
51、54、131 円筒状体
52、53、62、63、132、133 傾斜カム面
54a、64a、134a 中心孔
6 上側カム部
7 上側カム嵌合筒
71 筒状体
8 扉取付材
9 上部ヒンジ
112a 止め孔
131a 周辺孔
X 扉
Y1、Y2 枠体
Claims (2)
- 開き戸の枠体下部に固着された垂直基板と突出する水平基板とで形成された下部支持材の該水平基板に立設される下部軸に嵌着され上向き傾斜カム面を有する下側カム部と、扉下部に固着された扉取付材に装着され下向き傾斜カム面を有する上側カム部との該各傾斜カム面を向合わせて該下部軸回り該扉を開閉可能とした下部ヒンジに外れ止め具を用い、イ)前記外れ止め具は一方側に略U字形の切欠部が穿設された止め板の一対を前記垂直基板に嵌着可能な間隔で平行におき他方端を繋ぎ、一方端は開口状態とされて略コ字形に形成され、ロ)前記下部軸は中部から上部は円柱部とし、下部は該円柱部より僅かに大きい円に内接する多角形縁部とし、該縁部の中間に間隔をおいて一対の円形細溝をおき、該細溝に前記切欠部が嵌合可能とされ、ハ)前記水平基板には前記縁部が嵌合可能な多角形孔が穿設されており、ニ)通常時には前記細溝に案内されて前記切欠部を前記水平基板の自由端部側より押込み前記下部軸を前記外れ止め具との係止によって該水平基板に固定し、非常時には該切欠部を該水平基板より引出し該下部軸を該外れ止め具との係止解除によって該水平基板から脱落せしめ、前記扉下部を取外し可能としたことを特徴とする非常対策付きヒンジ。
- 開き戸の枠体下部に固着された垂直基板と突出する水平基板とで形成された下部支持材の該水平基板に立設される下部軸に嵌着され上向き傾斜カム面を有する下側カム部と、扉下部に固着された扉取付材に装着され下向き傾斜カム面を有する上側カム部との該各傾斜カム面を向合わせて該下部軸回り該扉を開閉可能とした下部ヒンジに外れ止め具を用い、イ)前記外れ止め具はピン状で直線部を含み、ロ)前記下部軸は中部から上部は円柱部とし、下部は該円柱部より僅かに大きい円に内接する多角形縁部とし、下端部に該縁部より僅かに大きいフランジが連設され、該縁部に該下部軸の軸芯を通り直交する前記直線部が挿入可能な止め孔が穿設され、ハ)前記下側カム部外側の円筒状体の下端部周囲に前記縁部の角数と同数の前記直線部が挿入可能な周辺孔が穿設され、ニ)前記水平基板には前記縁部が嵌合可能な多角形孔が穿設されており、ホ)通常時には前記直線部を前記周辺孔から前記止め孔に挿入し前記下部軸を前記外れ止め具との係止によって前記水平基板に固定し、非常時には該直線部を該周辺孔から引出し該下部軸を該外れ止め具との係止解除によって該水平基板から脱落せしめ、前記扉下部を取外し可能としたことを特徴とする非常対策付きヒンジ。
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-
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