JP4087136B2 - 建物における耐震性能の表示方法 - Google Patents

建物における耐震性能の表示方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンピュータを使用し、特定地域で生じる可能性のある地震動の規模と、任意に設定した複数の耐震等級に属する建物が被る損傷度合との相関関係を定量的に表わす図表(グレード表、損傷度合いに関する画像)で表示する方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物の耐震性能を明示し評価する方法として耐震グレード評価表が作成されている。
【0003】
この耐震グレード評価表は、任意に設定された耐震等級に属する建物と地震動の規模との相関関係を、予測される損傷度合(以下、予測損傷度合と云う。)を交えて表した図表である。
【0004】
前記耐震等級は、その区分設定に統一的な規定は設けられていない。しかしながら、当該地震等級は一般に建築基準法施工令第88条第3項に定められた地震力(以下、基準地震力と云う。)に対して倒壊しない程度以上の耐震性能を示す耐震等級(グレードI)と、基準地震力の1.25倍の地震力に対して倒壊しない程度以上の耐震性能を示す耐震等級(グレードII)と、基準地震力の1.5倍の地震力に対して倒壊しない程度以上の耐震性能を示す耐震等級(グレードIII)の3つの区分から構成されている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術のとおり、建物の耐震等級は、各建物が最低限保有する耐震性能で判別され区分される。そのため、例えば、グレードIに属する建物が実際にはグレードIIIの耐震性能を有している場合もあり、耐震グレード評価表は建物の耐震性能を評価する上で最適なツールではなかった。更に云うと、耐震グレード評価表は実際の建物の耐震性能に基づいていないため、当該グレード評価表の中に示される予想損傷度合が、実際に地震が発生した際に被る建物の損傷度合を的確に表してはいなかった。
【0006】
また、耐震グレード評価表は、地震による建物の被害に対して予備知識を持っていない者、例えば新築又は耐震改修等の建築工事の顧客が見ても一見して理解することは難しく、建物の耐震性能を前記顧客に対し明確に理解させることは困難であった。
【0007】
本発明の目的は、建築物の耐震性能に関して専門知識を有さない者が建築工事の結果得られる建物の耐震性能を視覚的且つ簡単に理解し評価することのできる図表(グレード表)をコンピュータを用いて作成し表示する、建物における耐震性能の表示方法を提供することにある。
【0008】
本発明の次の目的は、建物が地震動により被る予想損傷度合をより的確かつ定量的に表示した図表(損傷度合いに関する画像)をコンピュータを用いて作成し表示する、建物における耐震性能の表示方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る建物における耐震性能の表示方法は、
少なくとも入力手段3及び出力表示手段4を有し、耐震性能の表示方法を実行するためのプログラム及び各種のデータベース群5a、5b、5cを記憶格納する補助記憶装置5を有するコンピュータ1を使用し、特定地域で生じる可能性がある地震動の規模と任意に設定した複数の耐震等級に属する建物が被る、層間変形角によって決定される予測損傷度合との相関関係を損傷評価曲線として図表で表示する、建物の耐震性能表示方法であって、
前記コンピュータ1は、特定地域のあらゆる地震規模の発生頻度、並びに地盤及び土質等の地質情報、そして、地震ハザード曲線を演算し地震の予想最大加速度(PME)を算定するために必要なデータの地震ハザード情報群を記憶格納する地震ハザード・データベース5aを備え、且つ、データ入出力画面10に地理情報および地盤情報の入力欄51、52を備えており、
前記コンピュータ1が地理情報及び地盤情報の入力を促すデータ入力ステップと、
入力された地理情報および地盤情報を基に、前記コンピュータ1が、前記地震ハザード・データベース5a内の地震ハザード情報を参照して図表の一の軸に設定された震度階級に対応する地震動の規模を示す地表面最大加速度及びそれに応じた再現期間を演算する第一の演算ステップと、
更に、前記地理情報及び地盤情報を基に前記地震ハザード・データベース5a内の地震ハザード情報を参照して前記の各耐震等級に属する建物毎に、層間変形角とそれに応じた損傷度曲線とを演算する第二の演算ステップと、
前記第一の演算ステップおよび第二の演算ステップにおける演算結果を基に、地表面最大加速度及びそれに応じた再現期間を一の軸とし、建物の層間変形角に応じた損傷度を他の軸として、地表面最大加速度と建物の層間変形角に応じた損傷評価曲線を表した図表の作図データを作成し、前記作図データを出力表示手段に表示する図表作成・表示ステップとから成ることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載した建物における耐震性能の表示方法において、
前記図表作成・表示ステップにより表示された地震動の規模と建物の層間変形角との相関関係を表す図表(グレード表)は、地震動の規模に対して各耐震等級に属する建物に生じる層間変形角の発生確率を示すライン(これを損傷評価曲線と定義する。)を示していることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載した建物における耐震性能の表示方法において、
前記図表作成・表示ステップにおいて、コンピュータ1が、入力された地理情報および地盤情報を基に前記地震ハザード・データベース内の地震ハザード情報を参照して地震の予想最大加速度(PME値)を算定し、算定した地震の予想最大加速度(PME値)を出力表示手段4へ表示することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した建物における耐震性能の表示方法において、
コンピュータ1は更に、地震により建物が被る損傷度合に応じた建物の損傷画像データを記録した参照データ群を記憶格納する参照資料データベース5bを備え、
前記コンピュータ1が前記参照資料データベース5bに記憶格納した前記建物の損傷画像データの参照データ一覧を読み込み出力表示手段4へ表示して、前記出力表示手段4へ表示する参照データ(画像)を選択するように促すデータ選択ステップと、
前記コンピュータ1が、選択された参照データ(画像)を基に参照資料データベース5bから該当する建物の損傷画像データ(損傷度合いに関する画像)を読み込み、前記出力表示手段4へ表示する参照データ出力・表示ステップを含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態及び実施例】
以下、図面を参照して、請求項1〜4に記載した発明に係る建物における耐震性能の表示方法の実施形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る「建物における耐震性能の表示方法」が実施されるコンピュータシステム(以下、コンピュータと云う。)1の構成例を示している。
【0015】
このコンピュータ1は、主にCPU等から成る演算・制御装置2と、ハードディスクドライブや光磁気ディスクドライブ等の読み書き可能な記憶媒体及び駆動デバイスから成る補助記憶装置5と、出力表示手段であるディスプレイ4aやプリンタ4b等の出力装置4と、キーボード3aやマウス3b等の入力装置3とから構成される。従って、前記コンピュータ1は、カスタムメイドのコンピュータのみならず、一般的なパーソナルコンピュータや汎用コンピュータが好適に用いられる。なお、前記コンピュータ1の演算・制御装置2は、例えばマイクロソフト社のウインドウズ(登録商標)2000やme等の一般的なオペレーティングシステム(OS)により制御され、好適に使用される。
【0016】
上記補助記憶装置5は、本発明に係る建物における耐震性能の表示方法を実行するためのプログラムを記憶格納しているだけでなく、種々のデータを項目別に配備したデータベース群を記憶格納している。
前記データベース群は、地震ハザード・データベース5a、参照資料データベース5b、補助データベース5cとから構成される。
【0017】
前記地震ハザード・データベース5aは、プレートや活断層等を基に日本全国を区分した各地区の地震ハザード情報群を記憶格納している。この地震ハザード情報には、前記各地区におけるあらゆる地震規模の発生頻度や、各地区の地盤及び土質等の地質情報が納められている。更に、前記ハザード情報には耐震性能評価の指標として用いられる予想最大損失率(以下、PMLと云う。)の概念における地震ハザード曲線を演算し地震の予想最大加速度(以下、PMEと云う。)を算定するために必要なデータが納められている。因みに、前記地震の予想最大加速度(PME)とは、前記各地区における再現期間475年の地震の大きさを意味する。
【0018】
前記参照資料データベース5bは、参照データ群を記憶格納している。この参照データ群は、地震により建物が被る損傷度合の画像データ及び数値データ並びに実験データ等、関連するデータを様々なファイル形式で取りまとめたデータの集合である。
【0019】
前記補助データベース5cは、耐震性能の指標の一つであるPML値の算定に必要な基礎データ群と共に、構造耐震指標(以下、Is値と云う。)と保有耐力余裕度と耐震グレードとの3つの相関関係を記憶した一覧表を記憶格納する。
【0020】
次に図2は、図1に示したコンピュータ1を用いて実施される、請求項1に記載した建物における耐震性能の表示方法の流れ図を示している。以下、図2の流れ図に沿って処理内容を説明する。なお、以下に説明する実施例では、建物が保有するIs値の数値によって耐震グレードI〜Vの5段階に順位付した各耐震等級に属する建物に係るグレード表を作成する場合の例を代表的に説明する。因みに、各耐震階級が有する耐震性能の順位、即ち耐震階級のIs値の大小関係は、グレードI> グレードII> グレードIII> グレードIV> グレードVと設定する。
【0021】
上記したコンピュータ1が始動(開始)すると、ステップAにおいて、先ず、利用者により入力装置3を介して前記コンピュータ1の演算・制御装置2に対し、図3に示すデータ入出力画面10の表示指令が行われ、前記演算・制御装置2がディスプレイ4aの画面上へ前記データ入出力画面10を表示する(データ入力ステップ)。前記データ入出力画面10には、「地理情報」の入力欄である地点リスト51、「地盤情報」の入力欄である地盤条件52、地震動の規模と建物の層間変形角との相関関係を表した図表(以下、グレード表と云う。)の表示枠53、参照データの表示に際して用いるコマンドボタン部54、更にPME値の表示枠55、耐震グレード及びPML値並びに保有耐力余裕度の各入力・表示枠56,57,58とが設けられている。なお、前記表示枠53は、グレード表上に前記耐震グレードI〜Vの全てを表示する全グレード評価シート53aと、耐震グレードI〜V毎のグレード表を示す個別シート61〜65から成るグレード別評価シート53bから構成されている。
【0022】
上記のとおりデータ入出力画面10が表示された後に、利用者が入力装置3を操作して当該データ入出力画面10上で「地理情報」及び「地盤情報」を入力する。
【0023】
前記「地理情報」の入力は、図4に示すように地点リスト51の都道府県一覧51a及び地点一覧51bから目的の都道府県名及び区市町村名を選択して行われる。なお、区市町村名が選択されると、連動して地点表示欄51cへ選択された区市町村名が表示される。更に、選択された区市町村名の緯度及び経度が自動的にコンピュータ1の演算・制御装置2により演算され緯度・経度表示欄51d,51eへ表示される。
【0024】
一方、「地盤情報」の入力は、図3に示す地盤条件52に列挙された「硬い」、「柔らかい」、「普通」、「軟弱」の4つの条件の内で該当するラジオボックスをチェックして行われる。斯くして、ステップAにおける「地理情報」及び「地盤情報」の入力作業が終了すると、次のステップBへ進む。
【0025】
ステップBでは、ステップAで入力された「地理情報」及び「地盤情報」を基にコンピュータ1がグレード表の作図データを作成し、当該作図データをデータ入出力画面10へグレード表として表示する(図表作成・表示ステップ)。
【0026】
以下に、コンピュータ1が行う前記ステップBの処理内容を、図5に示す当該処理内容の流れ図に沿って詳細に説明する。
【0027】
先ず、サブステップB1において、コンピュータ1が「地理情報」および「地盤情報」を基に地震ハザード・データベース5a内の地震ハザード情報を参照して、グレード表の縦軸(又はこれを一の軸とも呼ぶ)に設定された気象庁の震度階級に対応する地震動の規模を示す地表面最大加速度(なお、本書では表層最大加速度と呼ぶ場合もある。)、及び当該地表面最大加速度の再現期間を演算する(これを第一の演算ステップとも称する。)。なお、本実施例では、図3に示すとおり気象庁が発表する震度階級のうち、震度5弱〜震度7を5段階(5弱、5強、6弱、6強、7)に区分した震度階級をグレード表の縦軸に設定した。従って、本実施例では、前記5段階の震度階級に対応した地表面最大加速度とその再現期間とが前記地震ハザード情報を基に演算される。
【0028】
前記コンピュータ1はまた、前記サブステップB1での地表面最大加速度等の演算と並行して、耐震グレードI〜Vの各耐震等級に属する建物毎に層間変形角に応じた損傷度曲線(Fragility Curve)を、「地理情報」および「地盤情報」を基に地震ハザード情報を参照して演算する(サブステップB2。これを第二の演算ステップと称する。)。この損傷度曲線の演算は、グレード表上の横軸(他の軸ともいう。)に設定した一連の全層間変形角、又は少なくとも後述する[表1]に示した3つの予測損傷度合の区分に属する層間変形角の各代表値について行われる。当該損傷度曲線の演算を行うべき層間変形角の設定は、利用者によって任意に変更できる。
【0029】
その後、上記サブステップB1及びサブステップB2の演算結果を基に、地震動の規模と建物の層間変形角との相関関係を表したグレード表の作図データを作成し、当該グレード表の作図データを、図6等に示すようにデータ入出力画面10の表示枠53へ表示する(サブステップB3)。
【0030】
前記表示枠53へ出力されるグレード表は、図6等に示すように、縦軸が地震の規模を示す「震度階級」と「表層最大加速度」とその「再現期間」から構成される。勿論、縦軸に用いる地震の規模を示す指標は、これら3つの指標に限定されない。その他の地震規模を示す指標(例えば、地震基盤における地震加速度等)を用いて実施しても良い。
【0031】
一方、当該グレード表の横軸には、層間変形角を用いて当該層間変形角の数値の大小で建物の予測損傷度合を下記[表1]に示す3つの区分に分類し、グレード表上に表される。
【0032】
【表1】
Figure 0004087136
【0033】
上記した縦軸と横軸とから成るグレード表に表される右下がりに傾斜した各耐震グレードI〜Vの帯は、サブステップB2で演算した損傷度曲線の演算結果を基に、各耐震グレードI〜Vの建物における”地震動の規模と層間変形角(その発生確率を含む。)との相関関係”を表す点をプロットし、各層間変形角における同一の発生確率の点を回帰直線で結ぶことにより得られる。この各耐震グレードI〜Vの帯は、地震動(縦軸)に対して各耐震グレードI〜Vに属する建物が一定の損傷(横軸)を生じる発生確率を示している(図6参照)。なお、グレード表上に表す帯の幅、即ち地震動に対する層間変形角の発生確率の表示領域は、利用者により任意に設定可能である。
【0034】
因みに、各耐震グレードI〜Vに関して個別のグレード表で示した個別シートは、図7に示すデータ入出力画面10上で目的の個別シート61〜65を利用者が入力装置3を介して選択することで各々表示される。
【0035】
また、上記図表作成・表示ステップ(ステップB)において、コンピュータ1は利用者により入力された地理情報および地盤情報を基に前記地震ハザード・データベース5a内の地震ハザード情報を参照して地震ハザード曲線を演算しPME値を算定する(サブステップB4)。算定したPME値は、前記コンピュータ1によって直ちに、データ入出力画面10上のPME値の表示枠55へ表示される(サブステップB5)(以上、請求項3記載の発明)。因みに、地震ハザード曲線は所謂震源距離分布、推定加速度推定式の情報を集積して建物の建設地又は所在地における地震動の年超過確率を表したものである。
【0036】
以上、ステップBにおける一連の作業が終了となり、斯くして請求項1〜3に記載した発明に係る建物における耐震性能の表示方法に係る一連の処理が終了となる。
【0037】
なお、データ入出力画面10を構成する耐震グレード及びPML値並びに保有耐力余裕度の各入力・表示枠56,57,58は、当該入力・表示枠へ表示する値に関して互いに連動(リンク)しており、いずれか1つの入力・表示枠へデータを入力すると、コンピュータ1が補助データベースの一覧表及び基礎データ群を参照して残りの入力・表示枠へ表示すべき適切な値を策定し表示する。
【0038】
以上に説明した請求項1〜3に記載した発明に係る建物における耐震性能の表示方法によれば、建築工事の結果得られる建物の耐震性能を、確率統計学的な被害確率に基づいた図表、即ちグレード表によって視覚的に明確に表示するので、耐震性能に関する専門知識を持たない顧客等の利用者が視覚的に且つ簡単に耐震等級毎の建物の耐震性能を理解しながら比較・検討して評価できる。
【0039】
また、グレード表に示す建物が地震動により被る予測損傷度合は、PML概念の損傷度曲線を用いて確率統計学的に演算した数値に基づくものである。従って、本発明に係るグレード表は、従来の耐震グレード表と比べて、より的確かつ定量的に予測損傷度合を表示することができるので、利用者が建物の耐震性能についてより的確な評価を下すことを可能にするのである。
【0040】
これらの効果は、以上に説明した請求項1〜3に記載した本発明に係る動作の後、請求項4に記載した発明に係る以下の動作を行うことで、より相乗的に享受することができる。以下、図8に示す流れ図に沿って、図7及び図9を参照しながら説明する。
【0041】
先ず、前記請求項1〜3に記載した本発明に係る動作の後に、ステップCとして、利用者が入力装置3を介して図7に示すデータ入出力画面10内のコマンドボタン部54に列挙された倒壊ボタン54a、大破ボタン54b、中破ボタン54c、小破ボタン54dから任意のコマンドボタン54a〜54dを選択し押す。すると、コンピュータ1は、任意に選択されたコマンドボタン54a〜54dが示す損傷度合に関する参照データ(画像)の一覧を、図9に示すダイアログ11によりディスプレイ4aへ表示する(以上、データ選択ステップ)。
【0042】
その後、利用者が前記ダイアログ11に列挙された参照データ(画像)を入力装置3を介して選択し決定すると、次のステップDへ進む。
【0043】
ステップDでは、コンピュータ1が上記ステップCで選択された参照データの拡大画像を、ダイアログ11とは別に、ビューアで表示する(参照データ出力・表示ステップ)。参照データは、各々個別に複数の参照データを同時にディスプレイ4a上へ表示することもできる。
【0044】
斯くして、請求項4に記載した発明に係る一連の動作が終了となる。
以上に、説明した請求項4記載の発明によれば、参照データを閲覧可能にせしめることで、グレード表上に示す各予測損傷度合の被害状況等の関連事項をより明確に理解・把握することができる。例えば、横軸に設定された建物の予測損傷度合を示す区分について参照データの画像を見ることで、より鮮明且つ明確に地震災害時の被害をイメージすることができ、より的確な判断の下で当該グレード表に基づいた建物の耐震性能の評価を行うことができる。
【0045】
以上には本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱することなく、当業者が通常行う種々の応用、変更による実施も可能であることを付言する。例えば、本発明に供されるコンピュータ・システムとして、クライアント/サーバ・システムを採用して実施しても良い。更に云えば、Webサーバを設け、本発明をインターネット上で実施しても良い。
【0046】
【本発明が奏する効果】
請求項1〜4に記載した発明に係る建物における耐震性能の表示方法によれば、建築工事の結果得られる建物の耐震性能を、確率統計学的な被害確率に基づいた図表(グレード表)によって視覚的に明確に表示するので、耐震性能に関する専門知識を有さない顧客等の利用者が視覚的に且つ簡単に耐震等級毎の建物の耐震性能を理解し比較・検討して評価できる。
【0047】
更に、建物が地震動により被る予想損傷度合を、より的確かつ定量的な数値で表示した図表(参照データの画像)を提供し、利用者が建物の耐震性能についてより的確な評価を下すことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建物における耐震性能の表示方法を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る建物における耐震性能の表示方法を実現するためにコンピュータ上で実行される全体的な処理動作を示す流れ図である。
【図3】コンピュータの出力表示手段に表示されるデータ入出力画面の構成例を示す説明図である。
【図4】地理情報の入力方法を示す説明図である。
【図5】ステップBの処理動作を示す流れ図である。
【図6】全グレード評価シートを表示したデータ入出力画面の構成例を示す説明図である。
【図7】グレード別評価シートを表示したデータ入出力画面の構成例を示す説明図である。
【図8】参照データの出力・表示処理動作を示す流れ図である。
【図9】参照データの一覧を表示するダイアログ画面の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ
3 入力手段(入力装置)
4 出力表示手段(出力装置)
5a 地震ハザード・データベース
5c 参照資料データベース

Claims (4)

  1. 少なくとも入力手段及び出力表示手段を有し、耐震性能の表示方法を実行するためのプログラム及び各種のデータベース群を記憶格納する補助記憶装置を有するコンピュータを使用し、特定地域で生じる可能性がある地震動の規模と任意に設定した複数の耐震等級に属する建物が被る、層間変形角によって決定される予測損傷度合との相関関係を損傷評価曲線として図表で表示する、建物の耐震性能表示方法であって、
    前記コンピュータは、特定地域のあらゆる地震規模の発生頻度、並びに地盤及び土質等の地質情報、そして、地震ハザード曲線を演算し地震の予想最大加速度(PME)を算定するために必要なデータの地震ハザード情報群を記憶格納する地震ハザード・データベースを備え、且つ、データ入出力画面に地理情報および地盤情報の入力欄を備えており、
    前記コンピュータが地理情報及び地盤情報の入力を促すデータ入力ステップと、
    入力された地理情報および地盤情報を基に、前記コンピュータが、前記地震ハザード・データベース内の地震ハザード情報を参照して図表の一の軸に設定された震度階級に対応する地震動の規模を示す地表面最大加速度及びそれに応じた再現期間を演算する第一の演算ステップと、
    更に、前記地理情報及び地盤情報を基に前記地震ハザード・データベース内の地震ハザード情報を参照して前記の各耐震等級に属する建物毎に、層間変形角とそれに応じた損傷度曲線とを演算する第二の演算ステップと、
    前記第一の演算ステップおよび第二の演算ステップにおける演算結果を基に、地表面最大加速度及びそれに応じた再現期間を一の軸とし、建物の層間変形角に応じた損傷度を他の軸として、地表面最大加速度と建物の層間変形角に応じた損傷評価曲線を表した図表の作図データを作成し、前記作図データを出力表示手段に表示する図表作成・表示ステップとから成ることを特徴とする、建物における耐震性能の表示方法。
  2. 前記図表作成・表示ステップにより表示された地震動の規模と建物の層間変形角との相関関係を表す図表は、地震動の規模に対して各耐震等級に属する建物に生じる層間変形角の発生確率を示していることを特徴とする、請求項1に記載した建物における耐震性能の表示方法。
  3. 前記図表作成・表示ステップにおいて、コンピュータが、入力された地理情報および地盤情報を基に前記地震ハザード・データベース内の地震ハザード情報を参照して地震の予想最大加速度(PME値)を算定し、算定した地震の予想最大加速度(PME値)を出力表示手段へ表示することを特徴とする、請求項1又は2に記載した建物における耐震性能の表示方法。
  4. コンピュータは更に、地震により建物が被る損傷度合に応じた建物の損傷画像データを記録した参照データ群を記憶格納する参照資料データベースを備え、
    前記コンピュータが、前記参照資料データベースに記憶格納した前記建物の損傷画像データの参照データ一覧を読み込み出力表示手段へ表示して、前記出力表示手段へ表示する参照データを選択するように促すデータ選択ステップと、
    前記コンピュータが、選択された参照データを基に参照資料データベースから該当する建物の損傷画像データを読み込み、前記出力表示手段へ表示する参照データ出力・表示ステップを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した建物における耐震性能の表示方法。
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