JP4086797B2 - オフセット印刷用湿し水循環系 - Google Patents

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本発明は、湿し水からインキ等を除去して湿し水を浄化するオフセット印刷用湿し水浄化装置を有するオフセット印刷用湿し水循環系に関する。
一般に、オフセット印刷においては、厚み3mm以下の薄いアルミニュウム金属板からなる平版の表面に、親油性が高いインキ受理画像部と、インキをはじく親水性の高いアルミニュウム陽極酸化皮膜による湿し水受理非画像部とを形成する。そして、油と水との反発を利用して画像部のみにインキを付与する。
図1は、オフセット印刷機における平板へのインキおよび湿し水供給機構の一例を示しており、水舟(湿し水容器)1内の湿し水を、水元ローラー2、水受け渡しローラー3および水着けローラー4を介して、版胴5に取り付けられた平版6全面に付与し、親水性の高い非画像部のみに湿し水を微量に保持させる。しかる後に、インキ着けローラー7で平版6表面全面に油性のオフセットインキを付与すると、親油性ひいてはインキ受理性の高い画像部のみにインキが付着し、湿し水を保持している非画像部は油性のインキをはじき、非画像部にはインキは付着しない。
このようにオフセット印刷においては、水と油(湿し水とインキ)の反発現象を利用して、同一表面上(厳密に言うと、画像部が数ミクロン凸状に高い)に形成された画像部と非画像部のうちの画像部のみに選択的にインキを付着させ、さらに平版6からブランケット(図示せず)を介して紙(被印刷体、図示せず)へとインキを転移させて、紙面上にインキによる画像を形成させている。
したがって、オフセット印刷においてきれいな印刷を大量に行うには、湿し水の働きは非常に重要である。このため、湿し水には、平版6表面であるアルミニウム陽極酸化皮膜に均一にしっかりとした水の皮膜を形成し、油性のインキを反発するための種々の化学物質が混入されている。また、水舟の湿し水の量は常に一定に保つ必要があり、補充の目的で湿し水は水舟と湿し水貯蔵タンクとの間を循環させ、長期間使用している。
しかし、水着けローラー4は平版6に湿し水を付与する毎に平版6上の印刷インキに接触するので、水着けローラー4にはインキが付着する(なお、図1の構造とは異なり、水着けローラーからインキ着けローラーに湿し水を付与し、インキ着けローラーからインキおよび水を同時に平版表面に付与し、画像部のみにインキを転移させる方式もあるが、このような方式においては、水着けローラーにインキが付着する機会が一層多くなる)。このため、湿し水内には徐々にインキが混入して来る。
また、オフセット印刷では、印刷機の排紙部においては、インキが乾かない状態で次々と印刷物が重なって行くため、印刷物紙面の裏にインキが付着しないようにする目的で、最終色の印刷が行われ、排紙される直前に印刷面全面に微粉末(パウダー)が一枚一枚にスプレー塗布されているが、空中に飛散したこのパウダーが湿し水の中に混入することがある。さらに、印刷途中で平版6表面をきれいにするために、溶剤系の版クリーナーをスポンジに含ませて平版6表面を拭くことが多くあり、またブランケットゴム胴に堆積した印刷インキを除去するためにブランケットゴム胴を溶剤系のブランケット洗浄剤で洗浄するが、これらクリーナーおよび洗浄剤が湿し水内に混入する機会も多い。加えるに、印刷用紙の裁断の切粉(紙粉)が空中に飛散し、湿し水に混入する。
このように、湿し水は、使用するにつれて、油性のインキ、溶剤、油、紙粉パウダー等の種々の不純物が混入し、本来のその機能を阻害されて行く環境にある。このために、毎日品質の安定した、きれいな印刷を行うことが困難になり、印刷オペレーターは苦労している。
この問題を解決するために、最近は、循環している湿し水からインキ、油、溶剤、紙粉パウダー等の混入不純物を除去するために、湿し水循環経路中に湿し水濾過装置を設置して湿し水を浄化する方法が取られるようになって来た。濾過装置に用いられている不純物濾過フィルターにはカートリッジ型のもの、油やインキの吸着性のある特殊不織布を用いたマット方式のもの等が使用され、各々その効果は認められている。
しかしながら、用いているフィルターに前記インキ等の不純物が付着し、短期間のうちにフィルターの目詰まりが生じ、フィルター本来の機能を発揮しなくなってしまう問題がある。このために、フィルターの交換回数を増やしているが、フィルターの交換作業の手間、費用、インキ、油等の付着したフィルター廃棄物が増え、その処理等の問題が出ている。
フィルターの目詰まり防止のため、特許文献1は、「湿し水舟を益流した湿し水を流入させる中継タンクから、湿し水冷却循環タンクを経て前記湿し水舟へ戻される湿し水を浄化する湿し水浄化装置において、前記中継タンクから湿し水冷却循環タンクへ流れる湿し水の一部を流す分岐管を設け、同分岐管を流れる湿し水を浄化する浄化装置を設けた湿し水浄化装置」を提案している。
この特許文献1に提案されている湿し水浄化装置においては、具体的には、前記浄化装置は、前記分岐された湿し水を保有するプロセスタンクと、同プロセスタンク内から上層の液を受入れて浮遊したインキを分離し残留液を前記プロセスタンクへ戻す濃縮タンクと、前記プロセスタンクの液を濾過して前記湿し水冷却循環タンクへ流入させる濾過装置とを有し、前記プロセスタンク及び前記濃縮タンクからの濃縮液を外部に排出可能に構成している。
特開2002−595931号公報
しかしながら、前記特許文献1に提案されている湿し水浄化装置は、湿し水循環路に並列に挿入され、湿し水循環流の一部のみ(実施例では1/10の程度)が分流されて該浄化装置に送られ、該浄化装置で浄化された後、濾過装置を介して湿し水冷却循環タンクへ戻されるようになっており、前記浄化装置および濾過装置を経由しない湿し水循環流が平行して多量に存在するので、全体として浄化装置のインキ除去能力および濾過装置の濾過能力は小さなものに抑えられてしまうという問題があった。
また、前記特許文献1に提案されている湿し水浄化装置においては、分流された湿し水循環流はプロセスタンクに送られ、このプロセンスタンク内の上層の液が所定量ずつ間欠的に濃縮タンクに取り込まれるようになっており、濃縮タンクの方は所定量の液毎に繰り返し濃縮工程を行ってインキを分離して残留液をプロセスタンクへ戻し、前記所定量の液に対する濃縮工程が完了したときに初めて次の所定量の液を新たにプロセスタンクから取り込むという非連続な処理を行う関係上、処理速度が遅く、循環する湿し水の全量を浄化装置で浄化するようにシステムを組み直すことも不可能であった。
また、前記特許文献1に提案されている湿し水浄化装置においては、限外濾過膜を使用した濾過装置を用いており、これにより装置が非常に高価になる上、前述のような複雑な処理を行う濃縮タンクが必要であり、これによっても装置が高価になるという問題があった。
湿し水を十分大きな能力で浄化し、かつフィルターの目詰まりを十分低減するためには(さらに理想的には、フィルターの使用自体を不要とするためには)、インキ等の不純物を除去する浄化装置を湿し水循環路に直列に挿入し、該浄化装置により湿し水循環流の全量に対しインキや油分を除去する浄化処理を行った上、フィルターを介して水舟に戻す(フィルターが不要な場合はフィルターを介することなく水舟に戻す)ようにすることが好ましい。しかし、湿し水循環流の全量に対しインキ等の不純物を除去する浄化処理を行う場合には、次のような問題が生じる。
湿し水は一般に毎分20リットル以上の量が循環しているので、この湿し水循環流量に対応できるインキ除去速度を持つ浄化装置が必要である。
他方、湿し水内に混入したインキは、タンク等の容器へ流入させ、この容器内で開放し、静止状態にすると、パウダー、紙粉等他の不純物と一緒になった状態で徐々に水面上に浮上して来て、粒径の大きい粒子状や比較的に大きな塊状になってインキ層を形成するが、このようにインキが水面に浮いて来るまでにはある程度の静止時間が必要である。ところが、前述のように湿し水は一般に毎分20リットル以上の量が循環しているので、インキを十分分離するに必要な時間だけ容器内に滞留・静止させておくには、容器の容量を相当大きくする必要がある。しかし、スペースに余裕の無い印刷現場ではそのような大きな容器を設置することは事実上不可能である。
また、分離して水面に浮いて来たインキ層も、長時間そのまま放置しておくと、固化し始め、容器の底に沈殿して行き、パウダー、紙粉等他の不純物と一緒に容器の底に固着し、徐々に堆積して容器底部からの除去が困難になって来る。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、インキ、油等の除去処理能力が大きく、湿し水循環流の全量に対しインキ、油等を除去する浄化処理を行うことができるオフセット印刷用湿し水循環系を提供することにある。
本発明の他の目的は、濾過装置のフィルターの目詰まりを低減することができるオフセット印刷用湿し水循環系を提供することにある。
本発明の他の目的は、設置スペースを小さくすることができるオフセット印刷用湿し水浄化循環系を提供することにある。
本発明の他の目的は、複雑な操作により繰り返し濃縮工程を行ってインキを分離する濃縮タンクを必要とせず、単純な構造および工程により湿し水の浄化処理を行うことができるオフセット印刷用湿し水循環系を提供することにある。
本発明の他の目的は、コストの安価なオフセット印刷用湿し水循環系を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によるオフセット印刷用湿し水循環系は、中間タンクと、オフセット印刷用湿し水浄化装置と、濾過装置とを含み、オフセット印刷用湿し水を、湿し水供給機構の水舟から前記中間タンク、前記オフセット印刷用湿し水浄化装置および前記濾過装置をこの順に経由して前記水舟に戻ることとなるように循環させるようになっており、
前記オフセット印刷用湿し水浄化装置は、入口および出口を備えており、前記入口から前記中間タンク側より到来する湿し水を受け入れ、前記出口から前記湿し水を前記濾過装置へ送られるように排出するインキ分離槽と、このインキ分離槽内に設けられ、前記湿し水の流れの方向を変える邪魔板と、前記インキ分離槽内の前記湿し水の水面に浮上して来たインキを前記湿し水から除去するインキ除去手段とを有し、
前記インキ除去手段は、前記インキ分離槽内の前記湿し水の水面に浮上して来たインキの層に接触されて該インキを付着されるインキ除去ベルトと、このインキ除去ベルトを駆動する駆動装置とを有し
前記オフセット印刷用湿し水浄化装置は、前記邪魔板として複数の邪魔板を有し、これらの邪魔板が前記インキ分離槽を複数の部屋に仕切り、前記湿し水が前記複数の部屋を経由するようにしており、かつ前記複数の邪魔板のうちの一部の邪魔板は前記湿し水が前記インキ分離槽の上側を流れるのを阻止する一方、底部側を流れるのは許し、他の一部の邪魔板は前記湿し水が前記インキ分離槽の底部側を流れるのを阻止する一方、上側を流れるのは許すようになっており、これにより前記湿し水は前記インキ分離槽内において下降および上昇を繰り返しながら前記入口から前記出口に向かうようになっており、
前記邪魔板のうちの、前記湿し水が前記インキ分離槽の底部側を流れるのを阻止する一方、上側を流れるのは許す邪魔板の少なくとも一部のものの上端側に切欠きが設けられ、前記湿し水が前記切欠きを通るようになっており、前記インキ除去手段は前記切欠き部分または(および)該切欠きの後方において前記湿し水の水面に浮上して来たインキを捕捉するようになっているものである。
本発明においては、インキ分離槽内において邪魔板が湿し水の流れの方向を変えるので、湿し水の移動距離が大きくなり、インキ分離槽内における湿し水の滞留時間を長くすることができる。これにより、インキ分離槽の容量、ひいては設置スペースを小さく抑え、なおかつ湿し水中に混入したインキおよび油等が粒径の大きい粒子状や比較的に大きな塊状になって水面に浮上して層をなし、十分分離した状態となるようにすることができる。
浮上インキ層のインキは、インキ除去手段により湿し水から除去される。ここで、邪魔板が設けられていないとすると、浮上インキ層がインキ分離槽内の水面全面に多数の島に分かれて非連続的に広がってしまい、インキ除去手段でインキを除去する際の除去効率が悪くなるが、本発明のように邪魔板を設ければ、浮上インキ層が比較的に狭い領域に集められて連続した層を形成するので、効率的にインキ層を除去できる。したがって、邪魔板の設置は、インキ除去効率を上げる点でも効果がある。
上述のようにして粒径の大きい粒子状や比較的に大きな塊状になったインキおよび油を除去された湿し水は、出口より排出され、濾過装置へ送られ、該濾過装置で微細なインキ・油粒子、紙粉、パウダー等の微細な不純物を除去される。
本発明においては、湿し水循環流量に対応できるインキ除去速度を容易に実現できる。したがって、湿し水循環流の全量に対しインク等を除去する浄化処理を行うことができ、湿し水を十分大きな能力で浄化し、濾過装置のフィルターの目詰まりを十分低減することができる。
また、複雑な操作により繰り返し濃縮工程を行ってインキを分離する濃縮タンクを必要とせず、単純な構造および工程により湿し水の浄化処理を行うことができる。また、コストを安価とすることができる。
本発明のオフセット印刷用湿し水循環系においては、
(イ)インキ、油等の除去処理能力が大きく、湿し水循環流の全量に対しインク等を除去する浄化処理を行うことができ、濾過装置を用いる場合、濾過装置のフィルターの目詰まりを十分低減することができる、
(ロ)オフセット印刷用湿し水浄化装置の設置スペースを小さくすることができる、
(ハ)複雑な操作により繰り返し濃縮工程を行ってインキを分離する濃縮タンクを必要とせず、単純な構造および工程により湿し水の浄化処理を行うことができる、
(ニ)コストを安価とすることができる。
等の優れた効果を得ることができる。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図2〜5は本発明の一実施例を示している。図2は本実施例の湿し水浄化装置10を含む湿し水循環系を示しており、同図において、11は図1と同様の従来公知のオフセット印刷機における平板へのインキおよび湿し水供給機構を示している(同一の部品は同一の符号で示している)。本実施例においては、湿し水は、インキおよび湿し水供給機構11の水舟1−中間タンク12−湿し水浄化装置10−濾過装置13−湿し水貯蔵タンク14−水舟1の経路からなる湿し水循環系を循環するようになっている。この湿し水循環系の湿し水循環流量は毎分20リットルとされている。水舟1から送られて来た湿し水は中間タンク12で泡を除去された後、浄化装置10を構成するインキ分離槽15に送られるようになっている。
図3および4は、前記浄化装置10の詳細を示している。前記インキ分離槽15は、容量100リットルのタンクからなり、その一端上部側に入口16、他端上部側に出口17をそれぞれ設けられている。このインキ分離槽15内には、入口16側から出口17側に向かって順に6枚の邪魔板18〜23が設けられ、インキ分離槽15内を7つの部屋24〜30に仕切っている。前記邪魔板のうち18,20,22はその上端がインキ分離槽15内の湿し水の水面より高く位置する一方、下端はインキ分離槽15の底部より上方に位置するよう設置されている。残りの邪魔板19,21,23はその上端がインキ分離槽15内の湿し水表面より下方に位置する一方、下端はインキ分離槽15底部に接触するように設置されている。湿し水は中間タンク12から入口16を経て第一番目の部屋24に導入される。
前記部屋24,26,28の上方には、それぞれインキ除去手段31が設けられている。これらのインキ除去手段31は、それぞれ筺体32と、プーリー33,34(図4参照)と、これらのプーリー33,34間に巻き掛けられた無端状のインキ除去ベルト35とを有している。前記インキ除去ベルト35の下端部は、部屋24,26,28内において後述する浮上インキ層37に接触するように位置されている。さらに、前記筺体32内には、一方のプーリー33を介してインキ除去ベルト35を駆動回転する駆動装置(図示せず)と、インキ除去ベルト35に付着したインキ等を掻き落とすスクレーパー(図示せず)が収容されており、インキ除去ベルト35から掻き落とされたインキ等は排出管36により筺体32外に排出されるようになっている。
本実施例における湿し水循環系においては、次に説明するようにして、インキ分離槽15において、粒径の大きい粒子状や比較的に大きな塊状になったインキ、油等を除去する一次処理が行われる。
中間タンク12から送られてきた湿し水は、インキ分離槽15の入口16から部屋24〜30を通って出口17から排出される。その過程で湿し水は、矢印Aで示すように邪魔板18の下方、邪魔板19の上方、邪魔板20の下方、邪魔板21の上方、邪魔板22の下方、邪魔板23の上方を通ることにより、下降および上昇を繰り返しながら進行するので、湿し水の移動距離が大きくなり、インキ分離槽15内における湿し水の滞留時間を長くすることができる。これにより、インキ分離槽15の容量、ひいては設置スペースを小さく抑え、なおかつ湿し水中に混入したインキや油が粒径の大きい粒子状や比較的に大きな塊状になって水面に浮上して層37をなし、十分分離した状態となるようにすることができる。なお、図3は、便宜上、前記浮上インキ層37を模式的に描いており、浮上インキ層37を実際の通り忠実に描いている訳ではないことに注意されたい。
本実施例の場合、主として、第一番目および二番目の部屋24,25と、湿し水が邪魔板の上端を越えて到来することになる部屋26,28に浮上インキ層37が形成される(なお、最後の部屋30も湿し水が邪魔板23の上端を越えて到来するが、この最後の部屋30にはインキ層37はほとんど形成されない)。これらの浮上インキ層37のインキは、インキ除去ベルト35に付着し、該ベルト35の回転に伴いインキ除去手段31の筺体32内に送られ、この筺体32内で前記スクレーパーでインキ除去ベルト35から掻き落とされ、排出管36を通って筺体32外へ排出される。
ここで、インキ分離槽15内に邪魔板18〜23が設けられていないとすると、浮上インキ層37がインキ分離槽15内の水面全面に多数の島に分かれて非連続的に広がってしまい、インキ除去手段31でインキを除去する際の除去効率が悪くなるが、本浄化装置10のようにインキ分離槽15を邪魔板18〜23により複数の部屋24〜30に仕切ると、浮上インキ層37は比較的に狭い領域に集められて連続した層を形成するので、効率的にインキ層37を除去できる。したがって、邪魔板18〜23による仕切りは、インキ除去効率を上げる点でも効果がある。
なお、インキ除去手段31は常時稼働させてもよいし、一定時間毎に定期的に稼働させてもよい。
上述のようにして粒径の大きい粒子状や比較的に大きな塊状になったインキおよび油を除去された湿し水は、最後の部屋30に設けられたインキ分離槽15の出口17より排出され、濾過装置13へ送られる。
濾過装置13は、微細なインキ・油粒子、紙粉、パウダー等の微細な不純物を除去する二次処理を行うが、前記一次処理を行われた後の湿し水を処理するので、フィルターの目詰まりを生じ難い。このため、濾過装置13のフィルターの使用寿命を延ばすとともに、フィルター交換の費用および手間の削減、さらにはフィルター廃棄物の削減による環境保護を図ることができる。
本実施例において、濾過装置13としてダアイシム工業製多段式インキ吸着マット湿し水濾過装置を使用し、オフセット印刷を2ヶ月間行ったところ、フィルターは、インキによる汚れが少なく、取り替える必要が無かった(従来の循環方式では1ヶ月毎に取り替えていた)。また、インキ分離槽15内の表面に浮いた浮上インキ層37は固化し、沈殿する前に、前記のようにインキ除去手段31によりインキ分離槽15外に除去されるため、インキ分離槽15の底部に堆積することもなく、きれいな状態で使用することができた。
なお、設置スペースを考慮すると、インキ分離槽15は該槽内における湿し水の移動距離を大きくするため、できるだけ深いものが好ましい。さらに、邪魔板の枚数もなるべく多くすることが好ましい。また、本実施例では湿し水循環流量毎分20リットルに対しインキ分離槽15の容量を100リットルとしたが、インキ分離槽15の容量は湿し水循環流量の3倍以上にすることが好ましい。
図5は本発明の他の実施例を示している。本実施例においては、邪魔板19および21はそれらの上端中央部に矩形状の切欠き38を設けられている。前記切欠き38の幅はインキ分離槽15および邪魔板19,21の幅の1/3程度とされている。前記邪魔板19,21の切欠き38部分以外の上端は水面より高くなるようにされている。他の構成は実施例1と同様である。
本実施例においては、湿し水は邪魔板19,21の切欠き38を通る。したがって、湿し水表面に浮いた浮上インキ層37をより狭い領域に集め、インキ除去の効率を高めることができる。
以上のように本発明は、オフセット印刷用湿し水循環系として有用である。
オフセット印刷機における平板へのインキおよび湿し水供給機構の一例を示す概略側面図である。 本発明のオフセット印刷用湿し水循環系の実施例1を示す系統図である。 前記実施例1の湿し水浄化装置を示す断面図である。 図3のIV−IV線における断面図である。 本発明の湿し水浄化装置の実施例2を示す断面図である。
符号の説明
1 水舟
10 湿し水浄化装置
12 中間タンク
13 濾過装置
14 湿し水貯蔵タンク
15 インキ分離槽
16 入口
17 出口
18〜23 邪魔板
24〜30 部屋
31 インキ除去手段
33,34 プーリー
35 インキ除去ベルト
37 浮上インキ層
38 切欠き

Claims (1)

  1. 中間タンクと、オフセット印刷用湿し水浄化装置と、濾過装置とを含み、オフセット印刷用湿し水を、湿し水供給機構の水舟から前記中間タンク、前記オフセット印刷用湿し水浄化装置および前記濾過装置をこの順に経由して前記水舟に戻ることとなるように循環させるようになっており、
    前記オフセット印刷用湿し水浄化装置は、入口および出口を備えており、前記入口から前記中間タンク側より到来する湿し水を受け入れ、前記出口から前記湿し水を前記濾過装置へ送られるように排出するインキ分離槽と、このインキ分離槽内に設けられ、前記湿し水の流れの方向を変える邪魔板と、前記インキ分離槽内の前記湿し水の水面に浮上して来たインキを前記湿し水から除去するインキ除去手段とを有し、
    前記インキ除去手段は、前記インキ分離槽内の前記湿し水の水面に浮上して来たインキの層に接触されて該インキを付着されるインキ除去ベルトと、このインキ除去ベルトを駆動する駆動装置とを有し
    前記オフセット印刷用湿し水浄化装置は、前記邪魔板として複数の邪魔板を有し、これらの邪魔板が前記インキ分離槽を複数の部屋に仕切り、前記湿し水が前記複数の部屋を経由するようにしており、かつ前記複数の邪魔板のうちの一部の邪魔板は前記湿し水が前記インキ分離槽の上側を流れるのを阻止する一方、底部側を流れるのは許し、他の一部の邪魔板は前記湿し水が前記インキ分離槽の底部側を流れるのを阻止する一方、上側を流れるのは許すようになっており、これにより前記湿し水は前記インキ分離槽内において下降および上昇を繰り返しながら前記入口から前記出口に向かうようになっており、
    前記邪魔板のうちの、前記湿し水が前記インキ分離槽の底部側を流れるのを阻止する一方、上側を流れるのは許す邪魔板の少なくとも一部のものの上端側に切欠きが設けられ、前記湿し水が前記切欠きを通るようになっており、前記インキ除去手段は前記切欠き部分または(および)該切欠きの後方において前記湿し水の水面に浮上して来たインキを捕捉するようになっているオフセット印刷用湿し水循環系。
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