JP4086255B2 - 煮詰め料理の調理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食材の水分を極限まで少なくするまで煮詰める煮詰め料理の調理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジャム、ピューレの素、餡、飴或いは佃煮といった水分を極限まで少なくする煮詰め料理は、最初は蓋をした状態で鍋容器を加熱し、ある程度煮たなら、蓋を取り、弱火で鍋容器内を攪拌し(掻き混ぜ)ながら煮詰めていた。
【0003】
このような調理方法によると、鍋容器から蒸発して蓋に付着した水分が直接或いは裏面を伝わり落ちて再度鍋容器内に還元する。この還元水は、蒸留水であるために濃度が低く、食材に触れると、その浸透圧で食材中の旨味成分を抽出してしまう。又、鍋容器内の温度の低下と熱むらを生じさせる原因となる。更に、再度蒸発させられ、その際に気化熱を奪って調理時間を長くする。
【0004】
つまり、蓋をして調理すれば、鍋容器の保温性に優れて内部の温度を均一に保てる長所があり、一方、蓋をしないで調理をすれば、食材から出た味を低下させる水分を外部に放出できる利点がある。しかし、両方を同時にというわけにはゆかないのが実情である。
本発明は、このような課題を解決するものであり、両方を同時に可能にする、即ち、蓋をしていても、食材から出た水分を鍋容器内に戻さないようにし、美味しく、しかも、短時間でできる加熱料理の調理を可能にしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題の下、本発明は、鍋容器に食材と必要なら水や調味料を加えて入れて食材の水分を極限まで少なくするまで煮詰める煮詰め料理の調理方法において、鍋容器として、蓋を裏面に付着した水分が端まで滑り落ちて来る丸みを持った形状にするとともに、鍋容器と蓋との間に水受けリングを着脱自在に取り付け、鍋容器から蒸発して蓋に付着した水分が滑り落ちて来るのを水受けリングによって受け止めて鍋容器内に戻さないものを使用し、常時蓋をして弱火で無攪拌状態で煮詰めることを特徴とする煮詰め料理の調理方法を提供したものである。
【0006】
このような調理方法によれば、鍋容器内から蒸発した水分は再度鍋容器内に還元されない。このため、蒸発水が還元されることによる食材中の旨味成分の抽出は行なわれず、又、鍋容器内の熱低下も熱むらも起らないから、加熱料理を美味しく調理できる。更に、鍋容器内の水分は経時的に減少して行くから、調理時間も短くてすむ。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本発明は、要するに、鍋容器に食材と必要なら水や調味料を加えて入れ、これに蓋をして加熱する際に、蓋に付着した水分を除去して再度鍋容器内に戻さないようにするのである。図1は本発明の実施に使用する調理鍋の一例を示す断面図、図2は蓋を取った状態の平面図であるが、この調理鍋10は、上部に外方に張出する蓋受け部22を有して所定深さ凹陥する鍋容器12と、鍋容器12の蓋受け部22に載せ掛けられる蓋14と、蓋受け部22と蓋14との間に載せ掛けられる水受けリング16とからなる。
【0008】
まず、鍋容器12であるが、アルミの厚肉のもの、アルミとステンレスの多層構造のものといったように肉厚のものを採用している。鍋容器12を肉厚にすれば、保温性に優れ、且つ、内部の温度分布を一様にできる利点があるからである。次に、蓋14であるが、少なくとも、蓋14に付着した水分を縁まで滑り落ちさせる程度の丸みを有する、ボウル形の形状にしている。加えて、本例の蓋14は、中央部を透明ガラスにして容器本体12の内部が見通せるようにしている。
【0009】
鍋容器12を加熱すると、食材等に含まれた水分が蒸発するが、鍋容器12から蒸発して蓋14に付着した水分は、縁の部分まで滑り落ちるが、本発明では、この水分を水受けリング16で回収して取り避けるようにしている。本例の水受けリング16は、中央部が開口したドーナツ形のリングであり、そのリング部18を、内周側を上り勾配にして形成するとともに、リング部18の外周に形成されるフランジ部20を蓋14の下で、鍋容器12の蓋受け部22の上に着脱自在に載せ掛けるようにしている。
【0010】
そして、リング部18の適所に、水溜めボックス24を下方に垂下する状態で取り付けており、リング部18に落ちた水分はこの水溜めボックス24に落とし込まれて集められる。これに伴い、リング部18の勾配をこの水溜めボックス24に向けて下り勾配にしている。但し、蓋14を滑り落ちた水分は、再度鍋容器12内に還元されなければよいのであるから、この水溜めボックス24は必ずしも必要ではない。この他、フランジ部20には、把手26が付いており、着脱操作はこの把手26を持って行なう。
【0011】
蓋14に付着した水分は、滑り落ちてリング部18の上に落ちるが、これを確実にするため、本例では、蓋14を以下のような構造にしている。則ち、蓋14の中央の透明ガラス部28の外周に周縁部30を接続し、周縁部30の最下点を下方突起32に形成してこの下方突起32がリング部18の上に来るようにしている。これにより、透明ガラス部28を滑り落ちた水分は下方突起32の部分でほぼ強制的に落下させられ、その下にあるリング部18の上に確実に落ちることになる。
【0012】
この場合、周縁部30はステンレス等の金属で構成し、透明ガラス部28に対して耐熱性の樹脂やゴム等のシール材34を介在させてカシメ等で固定している。この他、本例の蓋14には、透明ガラス部28を架橋する棒状の把手36が付いている(把手36は摘まみ構造のものであってもよい)。又、容器本体12の外周にも適宜把手38が設けられている。
【0013】
以上により、鍋容器12内に食材を入れ、これに必要なら水と調味料を加えて加熱する。この状態のままで(蓋をした状態で)所定時間加熱すれば、加熱料理はでき上がる。このとき、鍋容器12から蒸発して蓋14に付着した水分は、端まで滑り落ちてその下にある水受けリング16で受け止められて鍋容器12内に戻らない。従って、高浸透圧の水分が食材に触れて旨味成分を抽出することはないから、美味しい加熱料理ができる。
【0014】
加えて、この水分の戻り防止は、鍋容器12内の温度低下や熱むらを防止することになるから、美味しさの低下防止と調理時間の短縮に寄与する。更に、加熱中は蓋14をしたままであるから、酸素を多く含んだ外気が食材に触れることはないので、酸化による美味しさの低下も来さない。
【0015】
更に、このとき、鍋容器12の蓋受け部22と蓋14の周縁部30との接触長を長くしておけば、容器本体12内で発生した蒸気がこの接触面にシールを生成し、容器本体12内をほぼ密封した状態にする。従って、容器本体12内は一層高温、高圧になるから、食材の加熱に一層好適な状態となる。
【0016】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、種々改変された形態をとる。例えば、加熱料理として、前記したものの他にオーブンを使うオーブン調理或いは保温器を使う保温調理であってもよい。これらは、未調理、半調理、調理済みの食材を調理鍋に入れ、この状態の調理鍋をオーブンや保温器に入れるものであるから、このとき、鍋容器から水分が蒸発することもあるからである。又、調理が完了した状態でも、蓋に付着した水分は滴下することもあるから、これを防ぐためにも、完全に冷却するまで水受けリングを装着しておくのが好ましい。
【0017】
以下は、リンゴジャムを例にとっての本発明に係る調理方法(実施例)と従来の調理方法(比較例)とを比較したものである。
食材 :リンゴ1Kg
調味量:蜂蜜400g
火力 :LPガス
【0018】
【0019】
これを見ると、調理時間、調理にかける手間、でき上がった製品の品質(美味しさ)、エネルギー消費量のどれを較べても、実施例の方が比較例に優っているのがわかる。特に、実施例の調理時間は比較例のそれの半分以下である。
【0020】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、次のような効果が期待できる。
1)鍋容器内で蒸発した水分が再度鍋容器内に戻るのを阻止するのであるから、高浸透圧の水分が食材に触れてその旨味成分を抽出することがない。
2)戻り水分による鍋容器内の温度低下や熱むらを起こすこともないから、味の良い加熱料理を短時間で調理できる。
3)加熱中、蓋ができるのであるから、食材が外気と触れて酸化を来すこともなく、味の低下が防がれる。又、鍋容器の内部を高温、高圧に保ち、しかも、温度分布を一様にできるから、味、色ともに優れたものにできる。この他、食材等が容器外に飛散することもないから、安全で、周囲を汚さない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する調理鍋の断面図である。
【図2】本発明を実施する調理鍋の蓋を取った状態の平面図である。
【符号の説明】
10 調理鍋
12 鍋容器
14 蓋
16 水受けリング
22 鍋容器の蓋受け部
24 水溜めボックス
Claims (1)
- 鍋容器に食材と必要なら水や調味料を加えて入れて食材の水分を極限まで少なくするまで煮詰める煮詰め料理の調理方法において、鍋容器として、蓋を裏面に付着した水分が端まで滑り落ちて来る丸みを持った形状にするとともに、鍋容器と蓋との間に水受けリングを着脱自在に取り付け、鍋容器から蒸発して蓋に付着した水分が滑り落ちて来るのを水受けリングによって受け止めて鍋容器内に戻さないものを使用し、常時蓋をして弱火で無攪拌状態で煮詰めることを特徴とする煮詰め料理の調理方法。
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---|---|---|---|
JP07758699A JP4086255B2 (ja) | 1999-03-23 | 1999-03-23 | 煮詰め料理の調理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP07758699A JP4086255B2 (ja) | 1999-03-23 | 1999-03-23 | 煮詰め料理の調理方法 |
Publications (2)
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JP2000271012A JP2000271012A (ja) | 2000-10-03 |
JP4086255B2 true JP4086255B2 (ja) | 2008-05-14 |
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ID=13638092
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP07758699A Expired - Fee Related JP4086255B2 (ja) | 1999-03-23 | 1999-03-23 | 煮詰め料理の調理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4086255B2 (ja) |
-
1999
- 1999-03-23 JP JP07758699A patent/JP4086255B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000271012A (ja) | 2000-10-03 |
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