JP4085271B2 - 記録紙搬送量補正制御方法、及び記録紙搬送量補正制御装置、並びに記録紙搬送量補正制御プログラム - Google Patents

記録紙搬送量補正制御方法、及び記録紙搬送量補正制御装置、並びに記録紙搬送量補正制御プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する記録紙搬送量補正制御方法、及び記録紙搬送量補正制御装置、並びに記録紙搬送量補正制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置等の記録装置は、回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送させる記録紙搬送装置を備えたものが一般的であるが、その一例として、単票用紙と連続用紙とを選択的に紙送りして印刷を実行可能な構成を備えた記録装置が公知である。単票用紙に記録を実行する際には、上述した搬送ローラで単票用紙を搬送し、連続用紙に記録を実行する際には、搬送ローラに併設された連続用紙の側縁部に沿って設けられた送り孔に係合して回動するトラクタやスプロケット等で連続用紙を搬送するものが一般的である。このような記録装置は、連続用紙を搬送する際に搬送ローラとトラクタとの間で連続用紙がたるまないように、搬送ローラによる搬送がトラクタよりわずかに過送りに設定されている。それによって、単票用紙に記録を実行する際には、単票用紙を搬送する度に搬送誤差が蓄積されて搬送方向の記録実行位置がずれていってしまうという問題が生じる。そのため、あらかじめ設定されている搬送ローラの過送り量から単票紙の搬送量が一定の搬送量に達した時点で搬送量を補正して記録実行位置がずれないようにする技術が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、記録紙には、搬送ローラと記録紙とが高い摩擦抵抗を有する搬送ローラの周面の摩擦抵抗と記録紙表面の摩擦抵抗とによって密着し、搬送ローラの回転が確実に伝達されるようになっているが、それでも搬送ローラの周面と記録紙との間にわずかにすべりが生じてしまう。また、記録紙搬送装置の搬送精度も製造誤差の範囲内でばらつきが生じてしまい、それらの要因によって、微少な搬送誤差が生じてしまっていた。しかし、従来は、記録画質にほとんど影響しない程度のものであったため、問題となることはほとんど無かった。
【0004】
【特許文献1】
特開平03−262663号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の記録装置の高画質化に伴い、それによって生じる画質の低下が無視できないものとなってきた。そのため、高画質な記録が可能な近年の記録装置においては、この微少な搬送誤差を補正した搬送量で記録紙を搬送することが可能な記録紙搬送量補正制御が課題となっている。しかし、この微少な搬送誤差は、不可避な性質を有するものであると同時に、記録紙搬送装置の個々の搬送精度や記録紙の種別毎に異なる記録紙表面の摩擦抵抗等の要因によって、その誤差量が一義的に決まらず、また、その搬送誤差量が記録紙搬送装置の単位搬送量(搬送可能な最小の搬送量)よりはるかに小さい極めて微少な誤差量であることから、このような微少な搬送誤差を補正することは困難であり、それによる記録画質の低下をある程度、容認せざるを得ないのが現状であった。
【0006】
本願発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、記録紙搬送装置の搬送精度、及び搬送ローラの周面と記録紙表面との間に生じるわずかなすべり等の要因によって生じる不可避な微少搬送誤差を的確に補正して、それによる記録画質の低下を少なくすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願発明の第1の態様は、回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、前記搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する記録紙搬送量補正制御方法であって、前記記録紙搬送装置の単位搬送量をN、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJM、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJP、単位搬送量当たりの搬送補正量s=ADJM+ADJP、補正前の記録紙の搬送量をx・N、記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算した搬送補正量積算値をr、搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商をQとし、補正後の記録紙の搬送量=(x+Q)・N、補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとする、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法である。
【0008】
前述したように、回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送させる記録紙搬送装置においては、記録紙搬送装置の搬送精度も製造誤差の範囲内でばらつきと、搬送ローラの周面と記録紙との間に生じてしまうわずかなすべりとによって、微少な搬送誤差が生じてしまう。そこで、まず、記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJM、つまり、記録紙搬送装置の製造誤差によって個々に異なる記録紙搬送装置によって生じる単位搬送量当たりの搬送誤差量と、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJP、つまり、記録紙の種別によって異なる記録紙表面と搬送ローラの周面との間に生じるすべりによる単位搬送量当たりの搬送誤差量とを加算して単位搬送量当たりの搬送補正量sを求める。ここで、単位搬送量Nとは、記録紙搬送装置の最小単位の搬送量である。したがって、この単位搬送量当たりの搬送補正量sとは、記録紙搬送装置の最小単位の搬送量に対する搬送補正量である。また、記録紙の種別とは、記録紙の材質、及び寸法、形状等を示すものである。
【0009】
次に、記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを求める。具体的には、記録紙搬送装置によって記録紙を搬送する際の補正前の搬送量x・Nを単位搬送量Nで除算し、商として得られるxを単位搬送量当たりの搬送補正量sに乗算する。そして、記録紙を搬送する度に、その搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算していき、整数の商Qを単位搬送量Nに乗算した搬送量(Q・N)を記録紙の搬送量(x・N)に加算して搬送する。また、同時に、搬送補正量積算値rから整数の商Qを単位搬送量Nに乗算した搬送量(Q・N)を減算する。つまり、積算した単位搬送量当たりの搬送誤差量sを記録紙搬送装置の最小単位の搬送量である単位搬送量Nずつ、記録紙の搬送量に加算して搬送することによって記録紙の搬送量を単位搬送量Nずつ補正する。そして、加算した搬送量(Q・N)を搬送補正量積算値rから減算することによって、補正後の搬送補正量積算値rは、常に単位搬送量N未満の値となる。
【0010】
このように、記録紙が搬送する度に蓄積される記録紙搬送装置の搬送精度による搬送誤差、及び記録紙面と搬送ローラの周面との間に生じるすべりによる搬送誤差を積算し、つまり、単位搬送量当たりの搬送補正量sを積算し、積算した搬送補正量sを記録紙搬送装置で搬送できる最小の搬送単位ずつ、つまり単位搬送量Nずつ加算していくことによって、搬送誤差が蓄積されて記録紙の搬送誤差が徐々に大きくなっていくことを防止することができる。尚、加算する補正量は、記録紙の搬送方向に補正するならば、正の値の補正量を加算し、記録紙の搬送方向と反対方向に補整するならば、負の値の補正量を加算することになる。
【0011】
これにより、本願発明の第1の態様に示した記録紙搬送量補正制御方法によれば、搬送誤差が蓄積されて記録紙の搬送誤差が徐々に大きくなっていくことを防止することができるので、記録紙搬送装置の搬送精度、及び搬送ローラの周面と記録紙表面との間に生じるわずかなすべり等の要因によって生じる不可避な微少搬送誤差を的確に補正することができ、それによって、記録紙の搬送誤差が蓄積されることによる記録画質の低下を少なくすることができるという作用効果が得られる。
【0012】
本願発明の第2の態様は、前述した第1の態様において、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJM、及び記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを前記記録装置に接続された外部記憶手段から取得する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法である。
【0013】
本願発明の第2の態様に示した記録紙搬送量補正制御方法によれば、前述した第1の態様に記載の発明による作用効果に加えて、記録紙搬送装置の搬送精度による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJM、及び記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを外部記憶手段から取得するので、記録装置に不揮発性の記憶手段を搭載する必要がなく、搬送誤差量の情報を容易に変更、更新することができ、新規な記録紙への対応を容易に行うことができるという作用効果が得られる。
【0014】
本願発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様において、記録紙の種別を該記録紙から検出し、検出した記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを取得する工程を有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法である。
【0015】
本願発明の第3の態様に示した記録紙搬送量補正制御方法によれば、前述した第1の態様又は第2の態様に記載の発明による作用効果に加えて、記録紙の種別を記録紙から検出し、検出した記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを取得するので、記録実行時に記録紙の種別を設定する工程が不要になり、記録実行制御の工程を簡略化することができるという作用効果が得られる。
【0016】
本願発明の第4の態様は、前述した第1の態様において、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJMは、前記記録装置に搭載された不揮発性記憶媒体から取得し、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPは、前記記録装置と情報伝送可能に接続されている情報処理装置から取得する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法である。
【0017】
記録紙搬送装置の搬送精度による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJMは、記録紙搬送装置毎に異なる記録紙搬送装置固有のものであるので、記録装置に搭載されたフラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体にあらかじめ記憶しておくことによって、単位搬送量当たりの搬送補正量sを求める際にいつでも読み出すことができる。一方、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPは、記録を実行する記録紙の種別によって異なるので、例えば、記録実行時に記録装置に接続されているパーソナルコンピュータ等の情報処理装置から取得することによって、記録を実行する記録紙の種別に応じた単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを取得することができる。
【0018】
本願発明の第5の態様は、前述した第1の態様〜第4の態様のいずれかにおいて、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算しない、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法である。
【0019】
記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の小さな搬送量である場合には、その搬送量に対して補正を行うと搬送量が大きく変わってしまうことになる。つまり、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合にも、その搬送量当たりの搬送補正量x・sを搬送補正量積算値rに積算してしまうと、その時点で搬送補正量積算値rが単位搬送量Nを超えた場合、その搬送量に単位搬送量Nが加算されて記録紙が搬送されることになる。一定の搬送量未満の小さな搬送量に単位搬送量Nを加算して搬送量を補正してしまうと、搬送量が大幅に変わってしまうことになり、かえって記録画質を大きく低下させてしまう虞がある。したがって、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算しないことで、一定の搬送量未満の小さな搬送量に単位搬送量Nが加算されて記録紙を搬送してしまうことを防止することができる。
【0020】
これにより、本願発明の第5の態様に示した記録紙搬送量補正制御方法によれば、前述した第1の態様〜第4の態様に記載の発明による作用効果に加えて、一定の搬送量未満の小さな搬送量を補正して記録紙を搬送してしまうことを防止することができるので、搬送量が大幅に変わって記録画質を大きく低下させてしまうことを防止することができるという作用効果が得られる。
【0021】
本願発明の第6の態様は、前述した第1の態様〜第4の態様のいずれかにおいて、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、補正後の記録紙の搬送量=x・Nとし、補正後の搬送補正量積算値=rとする、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法である。
【0022】
前述したように、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の小さな搬送量の場合には、その搬送量を補正してしまうと搬送量が大きく変わってしまうことになり、かえって記録画質を大きく低下させてしまう虞がある。そこで、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、整数の商Qを単位搬送量Nに乗算した搬送量(Q・N)を記録紙の搬送量に加算せずに搬送する。つまり、補正前の搬送補正量積算値rの値に関わらず、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、記録紙の搬送量を補正しないようにすることで、搬送量が大幅に変わって記録画質を大きく低下させてしまうことを防止することができる。
【0023】
これにより、本願発明の第6の態様に示した記録紙搬送量補正制御方法によれば、前述した第1の態様〜第4の態様のいずれかに記載の発明による作用効果に加えて、一定の搬送量未満の小さな搬送量を補正して記録紙を搬送してしまうことを防止することができるので、搬送量が大幅に変わって記録画質を大きく低下させてしまうことを防止することができるという作用効果が得られる。
【0024】
本願発明の第7の態様は、前述した第1の態様〜第4の態様のいずれかにおいて、記録紙の上端近傍及び下端近傍に、記録紙の搬送量が連続して一定の搬送量未満で記録を実行する場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算しないで記録を実行し、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算し、補正後の記録紙の搬送量=x・Nとし、補正後の搬送補正量積算値=rとする、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法である。
【0025】
前述したように、一定の搬送量未満の小さな搬送量を補正してしまうと、搬送量が大幅に変わってしまうことになり、かえって記録画質を大きく低下させてしまう虞がある。したがって、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、記録紙の搬送量に単位搬送量Nを加算しないようにすることで、搬送量が大幅に変わって記録画質を大きく低下させてしまうことを防止することができる。その際に当該搬送量当たりの搬送補正量x・sを搬送補正量積算値rに加算するか否かによって、その後の搬送補正量積算値rの値が異なってくるので、それによって、その後の搬送誤差の補正が異なってくることになる。そこで、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合に、当該搬送量当たりの搬送補正量x・sを搬送補正量積算値rに加算するか否かの1つの判断基準としては、一定の搬送量未満での記録紙の搬送が連続するか否かを目安とすることで、より的確な搬送量の補正を行うことができる。
【0026】
つまり、記録紙の上端近傍及び下端近傍に、記録紙の搬送量が連続して一定の搬送量未満で記録を実行する場合に搬送補正量積算値rは、記録紙の搬送量が補正されないまま、その間における搬送量当たりの搬送補正量x・sが積算されつづけてしまうので、記録紙の搬送量が連続して一定の搬送量未満で記録を実行した後、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の搬送量となったときに、大きな補正量が記録紙の搬送量に加算されて大きな搬送誤差が生じてしまう虞がある。したがって、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算しないで記録を実行する。一方、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が補正されないまま搬送量当たりの搬送補正量x・sが積算されつづけてしまう虞がないので、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算して記録を実行する。
【0027】
これにより、本願発明の第7の態様に示した記録紙搬送量補正制御方法によれば、前述した第1の態様〜第4の態様のいずれかに記載の発明による作用効果に加えて、記録紙の上端近傍及び下端近傍に、記録紙の搬送量が連続して一定の搬送量未満で記録を実行する場合には、記録紙の搬送量が連続して一定の搬送量未満で記録を実行した後、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の搬送量となったときに、大きな補正量が記録紙の搬送量に加算されて大きな搬送誤差が生じてしまうことを防止することができる。また、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が補正されないまま搬送量当たりの搬送補正量x・sが積算されつづけてしまう虞がない。したがって、搬送量が一定の搬送量未満となる記録紙の搬送を含む記録実行時において、より的確で記録画質の低下の虞が少ない記録が可能になるという作用効果が得られる。
【0028】
本願発明の第8の態様は、回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、前記搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する記録紙搬送量補正制御装置であって、前記記録紙搬送装置の単位搬送量をN、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJM、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJPとし、搬送補正量s=ADJM+ADJPとする搬送補正量演算手段と、記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算して搬送補正量積算値rとする搬送補正量積算手段と、補正前の記録紙の搬送量をx・N、搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商をQとし、補正後の記録紙の搬送量=(x+Q)・Nとする搬送量補正手段と、補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとする搬送補正量積算値減算手段とを備える、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置である。
本願発明の第8の態様に示した記録紙搬送量補正制御装置によれば、記録紙搬送量補正制御装置において、前述した本願発明の第1の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
本願発明の第9の態様は、前述した第8の態様において、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJM、及び記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを前記記録装置に接続された外部記憶手段から取得する手段を備える、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置である。
本願発明の第9の態様に示した記録紙搬送量補正制御装置によれば、記録紙搬送量補正制御装置において、前述した本願発明の第2の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0030】
本願発明の第10の態様は、前述した第8の態様又は第9の態様において、記録紙の種別を該記録紙から検出する手段と、検出した記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを取得する手段とを備える、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置である。
本願発明の第10の態様に示した記録紙搬送量補正制御装置によれば、記録紙搬送量補正制御装置において、前述した本願発明の第3の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0031】
本願発明の第11の態様は、前述した第8の態様において、前記記録装置に搭載された不揮発性記憶媒体から前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJMを取得し、前記記録装置と情報伝送可能に接続されている情報処理装置から記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを取得する搬送誤差量取得手段を備える、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置である。
本願発明の第11の態様に示した記録紙搬送量補正制御装置によれば、記録紙搬送量補正制御装置において、前述した本願発明の第4の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
本願発明の第12の態様は、前述した第8の態様〜第11の態様のいずれかにおいて、前記搬送補正量積算手段は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算しない、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置である。
本願発明の第12の態様に示した記録紙搬送量補正制御装置によれば、記録紙搬送量補正制御装置において、前述した本願発明の第5の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0033】
本願発明の第13の態様は、前述した第8の態様〜第11の態様のいずれかにおいて、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、前記搬送量補正手段は、補正後の記録紙の搬送量=x・Nとし、前記搬送補正量積算値減算手段は、補正後の搬送補正量積算値=rとする、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置である。
本願発明の第13の態様に示した記録紙搬送量補正制御装置によれば、記録紙搬送量補正制御装置において、前述した本願発明の第6の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0034】
本願発明の第14の態様は、前述した第8の態様〜第11の態様のいずれかにおいて、前記搬送補正量積算手段は、記録紙の上端近傍及び下端近傍に、記録紙の搬送量が連続して一定の搬送量未満で記録を実行する場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算せず、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算し、前記搬送量補正手段は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、補正後の記録紙の搬送量=x・Nとし、前記搬送補正量積算値減算手段は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、補正後の搬送補正量積算値=rとする、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置である。
本願発明の第14の態様に示した記録紙搬送量補正制御装置によれば、記録紙搬送量補正制御装置において、前述した本願発明の第7の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0035】
本願発明の第15の態様は、前述した第8の態様〜第14の態様のいずれかにに記載の記録紙搬送量補正制御装置を備えた記録装置である。
本願発明の第15の態様に示した記録装置によれば、記録装置において、前述した前述した第8の態様〜第14の態様のいずれかに記載の発明による作用効果を得ることができる。
【0036】
本願発明の第16の態様は、回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、前記搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する制御をコンピュータに実行させるための記録紙搬送量補正制御プログラムであって、前記記録紙搬送装置の単位搬送量をN、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJM、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJPとし、搬送補正量s=ADJM+ADJPとする搬送補正量演算手順と、記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算して搬送補正量積算値rとする搬送補正量積算手順と、補正前の記録紙の搬送量をx・N、搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商をQとし、補正後の記録紙の搬送量=(x+Q)・Nとする搬送量補正手順と、補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとする搬送補正量積算値減算手順とを有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラムである。
【0037】
本願発明の第16の態様に示した記録紙搬送量補正制御プログラムによれば、前述した本願発明の第1の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この記録紙搬送量補正制御プログラムを実行することができる任意の記録装置に、前述した本願発明の第1の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0038】
本願発明の第17の態様は、前述した第16の態様において、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJM、及び記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを前記記録装置に接続された外部記憶手段から取得する手順を有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラムである。
【0039】
本願発明の第17の態様に示した記録紙搬送量補正制御プログラムによれば、前述した本願発明の第2の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この記録紙搬送量補正制御プログラムを実行することができる任意の記録装置に、前述した本願発明の第2の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0040】
本願発明の第18の態様は、前述した第16の態様又は第17の態様において、記録紙の種別を該記録紙から検出する手順と、検出した記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを取得する手順とを有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラムである。
【0041】
本願発明の第18の態様に示した記録紙搬送量補正制御プログラムによれば、前述した本願発明の第3の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この記録紙搬送量補正制御プログラムを実行することができる任意の記録装置に、前述した本願発明の第3の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0042】
本願発明の第19の態様は、前述した第16の態様において、前記記録装置に搭載された不揮発性記憶媒体から前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJMを取得し、前記記録装置と情報伝送可能に接続されている情報処理装置から記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを取得する手順を有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラムである。
【0043】
本願発明の第19の態様に示した記録紙搬送量補正制御プログラムによれば、前述した本願発明の第4の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この記録紙搬送量補正制御プログラムを実行することができる任意の記録装置に、前述した本願発明の第4の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0044】
本願発明の第20の態様は、前述した第16の態様〜第19の態様のいずれかにおいて、前記搬送補正量積算手順は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算しない手順を有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラムである。
【0045】
本願発明の第20の態様に示した記録紙搬送量補正制御プログラムによれば、前述した本願発明の第5の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この記録紙搬送量補正制御プログラムを実行することができる任意の記録装置に、前述した本願発明の第5の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0046】
本願発明の第21の態様は、前述した第16の態様〜第19の態様のいずれかにおいて、前記搬送量補正手順は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、補正後の記録紙の搬送量=x・Nとする手順を有し、前記搬送補正量積算値減算手順は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、補正後の搬送補正量積算値=rとする手順を有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラムである。
【0047】
本願発明の第21の態様に示した記録紙搬送量補正制御プログラムによれば、前述した本願発明の第6の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この記録紙搬送量補正制御プログラムを実行することができる任意の記録装置に、前述した本願発明の第6の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0048】
本願発明の第22の態様は、前述した第16の態様〜第19の態様のいずれかにおいて、前記搬送補正量積算手順は、記録紙の上端近傍及び下端近傍に、記録紙の搬送量が連続して一定の搬送量未満で記録を実行する場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算しない手順と、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算する手順とを有し、前記搬送量補正手順は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、補正後の記録紙の搬送量=x・Nとする手順を有し、前記搬送補正量積算値減算手順は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、補正後の搬送補正量積算値=rとする手順を有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラムである。
【0049】
本願発明の第22の態様に示した記録紙搬送量補正制御プログラムによれば、前述した本願発明の第7の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この記録紙搬送量補正制御プログラムを実行することができる任意の記録装置に、前述した本願発明の第7の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の第1実施例を図面に基づいて説明する。
まず、本願発明に係る「記録装置」としてのインクジェット式記録装置の構成について説明する。図1は、本願発明に係るインクジェット記録装置の概略のブロック図である。
【0051】
インクジェット式記録装置50は、各種記録処理の制御を実行する記録制御部2を備えている。記録制御部2において、中央演算処理装置MPU24では各種処理の演算処理が行われる。ROM21には、MPU11の演算処理に必要なソフトウェア・プログラム及びデータがあらかじめ記憶されている。RAM22は、ソフトウェア・プログラムの一時的な記憶領域、MPU24の作業領域等として使用される。また、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体23には、MPU24における演算処理結果の所定のデータが格納され、インクジェット記録装置50の電源断の間においても該データを保持する構成となっている。
【0052】
さらに、記録制御部2は、外部装置とのインターフェース機能を有するインターフェース部27を介して、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置1と接続され、その情報処理装置1との間において、各種情報やデータの入出力が可能な構成となっている。そして、I/O25は、MPU24における演算処理結果に基づいて、入出力部26を介して各種モータ制御部31や記録ヘッドドライバ33に対して出力制御を行い、かつ各種センサー32からの入力情報等を入力する。
【0053】
各種モータ制御部31は、インクジェット式記録装置50の各種モータを駆動制御する駆動制御回路であり、記録制御部2によって制御される。記録ヘッドドライバ33は、記録紙に記録処理を行う記録ヘッドに接続され、記録ヘッドに対して記録処理の制御を行うドライバである。また、各種センサー32は、インクジェット記録装置50の各種状態情報を検出し、入出力部26を介してI/O25に出力する。
【0054】
図2は、本願発明に係るインクジェット式記録装置50の概略の平面図であり、図3はその側面図である。
インクジェット式記録装置50には、記録紙Pに記録を実行する記録手段として、キャリッジガイド軸51に軸支され、主走査方向Xに移動するキャリッジ61が設けられている。キャリッジ61には、記録紙Pにインクを吐出して記録を行う記録ヘッド62が搭載されている。記録ヘッド62と対向して、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pとのギャップを規定するプラテン52が設けられている。そして、キャリッジ61を主走査方向Xに搬送し、キャリッジ61とプラテン52の間に記録紙Pを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作と、記録ヘッド62を主走査方向Xに一往復させる間に記録ヘッド62から記録紙Pにインクを吐出する動作とを交互に繰り返すことによって記録紙Pに記録が行われる。
【0055】
給紙トレイ57は、例えば普通紙やフォト紙等の記録紙Pを給紙可能な構成となっており、記録紙Pを自動給紙するためのASF(オート・シート・フィーダー)が設けられている。ASFは、給紙トレイ57に設けられた2つの給紙ローラ57b及び図示してない分離パッドを有する自動給紙機構である。
【0056】
この2つの給紙ローラ57bの1つは、給紙トレイ57の一方側に配置され、もう1つの給紙ローラ57bは、記録紙ガイド57aに取り付けられており、記録紙ガイド57aは、記録紙Pの幅に合わせて幅方向に摺動可能に給紙トレイ57に設けられている。そして、給紙ローラ57bの回転駆動力と、分離パッドの摩擦抵抗により、給紙トレイ57に置かれた複数の記録紙Pを給紙する際に、複数の記録紙Pが一度に給紙されることなく1枚ずつ正確に自動給紙される。
【0057】
記録紙Pを副走査方向Yに搬送する記録紙搬送手段として、搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54が設けられている。搬送駆動ローラ53は、ステッピング・モータ等の回転駆動力により回転制御され、搬送駆動ローラ53の回転により、記録紙Pは副走査方向Yに搬送される。搬送従動ローラ54は、複数設けられており、それぞれ個々に搬送駆動ローラ53に付勢され、記録紙Pが搬送駆動ローラ53の回転により搬送される際に、記録紙Pに接しながら記録紙Pの搬送に従動して回転する。搬送駆動ローラ53の表面には、高摩擦抵抗を有する皮膜が施されている。搬送従動ローラ54によって、搬送駆動ローラ53の表面に押しつけられた記録紙Pは、その表面の摩擦抵抗によって搬送駆動ローラ53の表面に密着し、搬送駆動ローラ53の回転によって副走査方向に搬送される。
【0058】
また、給紙ローラ57bと搬送駆動ローラ53との間には、従来技術において公知の技術による紙検出器63が配設されている。紙検出器63は、立位姿勢への自己復帰習性が付与され、かつ記録紙搬送方向にのみ回動し得るよう記録紙Pの搬送経路内に突出する状態で枢支されたレバーを有し、このレバーの先端が記録紙Pに押されることでレバーが回動し、それによって記録紙Pが検出される構成を成す検出器である。紙検出器63は、給紙ローラ57bより給紙された記録紙Pの始端位置、及び終端位置を検出し、その検出位置に合わせて記録領域が決定され、記録が実行される。
【0059】
一方、記録された記録紙Pを排紙する手段として、排紙駆動ローラ55と排紙従動ローラ56が設けられている。排紙駆動ローラ55は、ステッピング・モータ等の回転駆動力により回転制御され、排紙駆動ローラ55の回転により、記録紙Pは副走査方向Yに排紙される。排紙従動ローラ56は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラになっている。複数の排紙従動ローラ56は、それぞれ個々に排紙駆動ローラ55に付勢され、記録紙Pが排紙駆動ローラ55の回転により排紙される際に記録紙Pに接して記録紙Pの排紙に従動して回転する。
【0060】
そして、給紙ローラ57bや搬送駆動ローラ53、及び排紙駆動ローラ55を回転駆動する図示していない回転駆動用モータ、並びにキャリッジ61を主走査方向に駆動する図示していないキャリッジ駆動用モータは、記録動作制御部2により駆動制御される。また、記録ヘッド62も同様に、記録動作制御部2により制御されて記録紙Pの表面にインクを吐出する。
【0061】
次に、本願発明に係るインクジェット式記録装置50の記録制御部2による記録紙搬送量補正制御の手順について説明する。図4は、本願発明に係る記録紙搬送量補正制御の手順における初期値処理の手順を示したフローチャートである。
【0062】
ここで、「記録紙搬送装置による搬送量α当たりの搬送誤差量」をADJMとし、「記録紙の種別による搬送量α当たりの搬送誤差量」をADJPとし、搬送量αを1インチとすると、ADJMは、前述の搬送駆動ローラ53及び搬送従動ローラ54とによる記録紙搬送手段の1インチ当たりの搬送誤差量、ADJPは、記録紙Pの種別による1インチ当たりの搬送誤差量ということになる。また、「一定の搬送量」をMINFとする。MINFは、搬送量の補正をする最小の搬送量であり、搬送量を補正することによってむしろ搬送量に大きな誤差が生じることを防止するために記録紙の搬送量がMINFに満たない搬送量の場合には、搬送量の補正を行わないためのものである。
【0063】
まず、ADJPを初期値として0に設定する(ステップS1)。インクジェット式記録装置50の初期状態、つまり、インクジェット式記録装置に電源を投入した時点、あるいは、情報処理装置1からの初期化要求信号によってインクジェット式記録装置50の記録制御部2がリセットされて初期状態となった場合等においては、記録を実行する記録紙Pの種別情報が無いので、初期値として0にしておく。また、搬送量の補正をする最小の搬送量も記録紙Pの種別等に依存して値が異なるので、同様に初期値として0に設定する(ステップS2)。そして、不揮発性記憶媒体23に格納されている記録紙搬送手段の1インチ当たりの搬送誤差量としての補正値AをADJMに設定する(ステップS3)。
【0064】
図5は、本願発明に係る記録紙搬送量補正制御の手順における補正値の設定手順を示したフローチャートである。当該手順においては、記録実行時に記録紙Pの搬送量を補正するために必要な補正値を、初期状態で0に設定されているADJP及びMINFにそれぞれ設定する。つまり、情報処理装置1から受信(搬送誤差量取得手順)した「記録紙Pの種別による1インチ当たりの搬送誤差量」としての補正値BをADJPに設定し(ステップS11)、同じく情報処理装置1から受信した一定の搬送量としての補正値CをMINFに設定する(ステップS12)。
【0065】
図6は、本願発明に係る記録紙搬送制御の手順において、搬送補正搬送量を演算する「搬送補正搬送量演算手順」を示したフローチャートである。
ここで、単位搬送量N、つまり、記録紙搬送手段による最小単位の搬送量を1ステップと規定すると、上述した搬送量α、補正値A、補正値B、及び補正値Cを単位搬送量Nで除算することによって、搬送量α、ADJP、ADJM、及びMINFは、単位搬送量Nを単位としたステップ数に換算されることになる。そして、このステップ数に換算したADJPとADJMとを加算した値で、搬送量αをステップ数に換算した値(当該実施例においては5760ステップ)を除算して搬送補正搬送量Sに設定する(ステップS21)。この搬送補正搬送量Sは、前述したように、記録紙Pの搬送誤差が単位搬送量Nに達する記録紙Pの搬送量を意味しており、つまりは、Sステップだけ記録紙Pが搬送された時点で、記録紙Pの搬送誤差量が1ステップとなり、1ステップの搬送量の補正が必要となることを意味している。
【0066】
また、搬送量積算値Rを0にリセットする(ステップS22)。この搬送量積算値Rについては、後述で説明する。尚、当該手順は、情報処理装置1から記録データを受信した際、あるいは、他の情報伝達経路から記録データを受信した際等に実行される手順である。したがって、当該記録データには、前述した補正値B(記録紙の種別による搬送量α当たりの搬送誤差量)、及び補正値C(記録紙の搬送量の補正を行う最小搬送量)を含んだデータである必要がある。ちなみに、当該記録データに補正値B及び補正値Cが含まれていない場合には、ADJP及びMINFが初期設定状態の0のまま記録が実行され、記録紙搬送量の補正は一切行われない状態で当該記録データの記録が実行されることになる。
【0067】
図7は、本願発明に係る記録紙搬送制御の手順において、搬送補正搬送量Sに基づいて記録紙Pの搬送量を補正する手順を示したフローチャートである。
まず、記録紙Pの搬送量(x・N)とMINFとを比較し、搬送量がMINFより小さいか否かを判定する(ステップS31)。搬送量(x・N)がMINFより小さい場合には(ステップS31でYes)、当該搬送量(x・N)だけ記録紙Pを搬送して当該手順を終了する(ステップS35)。したがって、記録紙Pの搬送量(x・N)がMINFより小さい場合には、当該搬送量(x・N)が補正されることはない。一方、搬送量(x・N)がMINF以上の場合には(ステップS31でNo)、つづいて、当該搬送量(x・N)に搬送量積算値Rを加算した値を搬送補正搬送量Sで除算し、その整数の商Qを算出する(ステップS32)。搬送量積算値Rは、記録紙Pの各搬送量を積算(搬送量積算手順)した値である。また、当該搬送量(x・N)に搬送量積算値Rを加算した値を搬送補正搬送量Sで除算した余りの搬送量を補正後の搬送量積算値Rに設定する。つまり、搬送補正搬送量Sに整数の商Qを乗算した補正量を搬送量積算値Rから減算(搬送量積算値減算手順)する(ステップS33)。R/S=商Q+余りであることから、余り=R−S・Qとなるので、R/Sの余りを補正後の搬送量積算値Rとすることによって、補正後の搬送量積算値=R−S・Qとすることができる。そして、単位搬送量Nに整数の商Qを乗算した補正量を当該搬送量(x・N)に加算した搬送量で記録紙Pを搬送(搬送量補正手順)する(ステップS34)。
【0068】
このようにして、搬送量積算値Rを除算した整数の商Qを単位搬送量Nに乗算した補正量を加算して当該搬送量を補正していくことによって、記録紙Pに生じる搬送誤差を的確に補正することができる。また、記録紙Pの搬送量が一定の搬送量未満の場合には、搬送量積算値Rに当該搬送量を積算しないので、一定の搬送量未満の搬送量に単位搬送量Nを加算して記録紙を搬送してしまうことによって、搬送量が大きく変わってしまい、かえって搬送誤差が生じてしまうことを防止することができる。
【0069】
また、本願発明の第2実施例としては、上述した第1実施例において、記録紙Pの搬送量がMINFより小さい場合には、当該搬送量を搬送量積算値Rに加算しつつ、補正量を当該搬送量に加算せずに記録紙Pを搬送するものが挙げられる。つまり、第1実施例においては、記録紙Pの搬送量がMINFより小さい場合には、当該搬送量の補正をせずに記録紙Pを搬送するだけであるのに対して、第2実施例においては、記録紙Pの搬送量がMINFより小さい場合には、当該搬送量の補正をせずに記録紙Pを搬送するとともに、当該搬送量を搬送量積算値Rに積算するものである。
【0070】
図8は、本願発明に係る記録紙搬送制御の第2実施例において、搬送補正搬送量Sに基づいて記録紙Pの搬送量を補正する手順を示したフローチャートである。
ステップS41〜S44は、図7のステップS31〜S34と同様なので説明は省略する。記録紙Pの搬送量(x・N)がMINFより小さい場合には(ステップS41でYes)、当該搬送量(x・N)を搬送量積算値Rに加算し(ステップS45)、当該搬送量(x・N)にて記録紙Pを搬送する(ステップS46)。このように、記録紙Pの搬送量が一定の搬送量未満の場合には、当該搬送量に搬送量積算値Rを加算するが、当該搬送量に整数の商Qに単位搬送量N(1ステップ)を乗算した補正量を加算せずに、当該搬送量にて記録紙Pを搬送するので、搬送量積算値Rの値に関わらず、記録紙Pの搬送量が一定の搬送量未満の場合に、搬送量が大幅に変わって記録画質を大きく低下させてしまうことを防止することができる。
【0071】
さらに、本願発明の第3実施例としては、第1実施例において、記録紙Pの上端近傍及び下端近傍に、MINFより小さい搬送量で連続して記録を実行する場合には、搬送量積算値Rに当該搬送量を積算しないで記録を実行し、搬送量がMINFより小さい記録と、搬送量がMINF以上の記録とを交互に実行する場合には、搬送量がMINFより小さい記録実行時に、搬送量積算値Rに当該搬送時の搬送量を積算しつつ、補正量を当該搬送量に加算せずに搬送するとともに、搬送量積算値Rから搬送補正搬送量Sに整数の商Qを乗算した搬送量を減算しないものが挙げられる。図9は、本願発明に係る記録紙搬送制御の第3実施例において、搬送補正搬送量Sに基づいて記録紙Pの搬送量を補正する手順を示したフローチャートである。
【0072】
まず、記録紙Pの搬送量(x・N)とMINFとを比較し、搬送量(x・N)がMINFより小さいか否かを判定する(ステップS51)。搬送量(x・N)がMINF以上の場合には(ステップS51でNo)、当該搬送量(x・N)に搬送量積算値Rを加算した値を搬送補正搬送量Sで除算し、その整数の商Qを算出する(ステップS52)。また、当該搬送量(x・N)に搬送量積算値Rを加算した値を搬送補正搬送量Sで除算した余りの搬送量を搬送量積算値Rに設定、つまり、当該搬送量に加算する搬送補正搬送量Sに整数の商Qを乗算した補正量を搬送量積算値Rから減算(搬送量積算値減算手順)しておく(ステップS53)。そして、単位搬送量N(1ステップ)に整数の商Qを乗算した補正量を当該搬送量(x・N)に加算した搬送量で記録紙Pを搬送(搬送量補正手順)する(ステップS54)。
【0073】
一方、搬送量(x・N)がMINFより小さい場合には(ステップS51でYes)、搬送量がMINFより小さい記録と、搬送量がMINF以上の記録とを交互に実行する、いわゆるバンド記録モードか否かを判定する(ステップS55)。バンド記録モードでない場合には(ステップS55でNo)、当該搬送量(x・N)を搬送量積算値Rに加算し(ステップS56)、当該搬送量(x・N)にて記録紙Pを搬送する(ステップS57)。バンド記録モードの場合には(ステップS55でYes)、搬送量(x・N)がMINF以上の場合(ステップS51でNo)と同様に、当該搬送量(x・N)に搬送量積算値Rを加算した値を搬送補正搬送量Sで除算し、その整数の商Qを算出する(ステップS58)。また、当該搬送量(x・N)に搬送量積算値Rを加算した値を搬送補正搬送量Sで除算した余りの搬送量を搬送量積算値Rに設定する。つまり、当該搬送量に加算する搬送補正搬送量Sに整数の商Qを乗算した補正量を搬送量積算値Rから減算(搬送量積算値減算手順)する(ステップS59)。そして、単位搬送量N(1ステップ)に整数の商Qを乗算した補正量を当該搬送量(x・N)に加算せずに、当該搬送量(x・N)で記録紙Pを搬送する(ステップS57)。したがって、記録紙Pの搬送量がMINFより小さい場合には、当該搬送量(x・N)が補正されることはない。さらに、バンド記録モードにおいては、搬送量積算値Rを搬送補正搬送量Sで除算して整数の商Qが得られても、その分の搬送補正搬送量Sを搬送量積算値Rから減算するのみで、整数の商Qに単位搬送量Nを乗算した補正量を当該搬送量(x・N)に加算せずに記録紙Pを搬送する。
【0074】
つまり、記録紙Pの上端近傍及び下端近傍に、記録紙Pの搬送量が連続して一定の搬送量(MINF)未満で記録を実行する場合(バンド記録モードでない場合)には、記録紙Pの搬送量が補正されないまま、その間における搬送量が積算されつづけてしまう。そのため、記録紙Pの搬送量が連続してMINF未満で記録を実行した後、記録紙Pの搬送量がMINF以上の搬送量となったときに、大きな補正量が記録紙Pの搬送量に加算されて大きな搬送誤差が生じてしまう虞があるので、搬送量積算値Rに当該搬送量を積算しないで記録を実行する。
【0075】
一方、搬送量が一定の搬送量未満の記録と、搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合(バンド記録モードの場合)には、記録紙Pの搬送量が補正されないまま搬送量が積算されつづけてしまう虞がないので、記録紙Pの搬送量がMINF未満の記録実行時に、搬送量積算値Rに当該搬送量を積算して記録を実行する。このようにして、搬送量がMINF未満となる記録紙Pの搬送を含む記録実行時において、より的確で記録画質の低下の虞が少ない記録が可能になる。
【0076】
さらに、本願発明の第4実施例としては、前述した第1〜第3実施例が搬送量を積算した搬送量積算値Rを単位搬送量Nに相当する搬送誤差が生じる搬送量としての搬送補正搬送量で除算して得た整数の商Qに単位搬送量Nを乗算して補正量を算出しているのに対して、搬送誤差そのものを積算した搬送誤差積算値を単位搬送量Nに相当する搬送誤差で除算して得た整数の商Qに単位搬送量Nを乗算して補正量を算出するものが挙げられる。以下、図10〜図14を参照しながら説明する。尚、第1〜第3実施例と重複した説明となる部分については一部省略して説明する。
【0077】
図10は、本願発明の第4実施例における記録紙搬送量補正制御の初期値処理の手順を示したフローチャートである。
当該実施例においては、「記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量」をADJMとし、「記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量」をADJPとする。MINFは、前述した第1〜第3実施例と同様に、搬送量の補正をする最小の搬送量であり、搬送量を補正することによってむしろ搬送量に大きな誤差が生じることを防止するために記録紙の搬送量がMINFに満たない搬送量の場合には、搬送量の補正を行わないためのものである。まず、ADJPを初期値として0に設定する(ステップS61)。MINFも記録紙Pの種別等に依存して値が異なるので、同様に初期値として0に設定する(ステップS62)。そして、不揮発性記憶媒体23に格納されている記録紙搬送手段の単位搬送量当たりの搬送誤差量としての補正値aをADJMに設定する(ステップS63)。
【0078】
図11は、本願発明の第4実施例における記録紙搬送量補正制御の補正値の設定手順を示したフローチャートである。当該手順においては、記録実行時に記録紙Pの搬送量を補正するために必要な補正値を、初期状態で0に設定されているADJP及びMINFにそれぞれ設定する。つまり、情報処理装置1から受信(搬送誤差量取得手順)した「記録紙Pの種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量」としての補正値bをADJPに設定し(ステップS71)、同じく情報処理装置1から受信した一定の搬送量としての補正値cをMINFに設定する(ステップS72)。
【0079】
図12は、本願発明の第4実施例における記録紙搬送制御の手順において、単位搬送量当たりの搬送補正量を演算する「搬送補正量演算手順」を示したフローチャートである。
ADJPとADJMとを加算した値を搬送補正量sに設定する(ステップS81)。この搬送補正量sは、単位搬送量当たりの搬送誤差に相当する。また、搬送補正量積算値rを0にリセットする(ステップS82)。この搬送補正量積算値rについては、後述で説明する。尚、当該手順は、情報処理装置1から記録データを受信した際、あるいは、他の情報伝達経路から記録データを受信した際等に実行される手順である。
【0080】
図13は、本願発明の第4実施例における記録紙搬送制御の手順において、搬送補正量sに基づいて記録紙Pの搬送量を補正する手順を示したフローチャートである。
まず、記録紙Pの搬送量(x・N)とMINFとを比較し、搬送量(x・N)がMINFより小さいか否かを判定する(ステップS91)。搬送量(x・N)がMINFより小さい場合には(ステップS91でYes)、当該搬送量(x・N)だけ記録紙を搬送して当該手順を終了する(ステップS95)。したがって、記録紙Pの搬送量(x・N)がMINFより小さい場合には、当該搬送量が補正されることはない。一方、搬送量(x・N)がMINF以上の場合には(ステップS91でNo)、つづいて、当該搬送量(x・N)に搬送補正量sを乗算して得られる当該搬送量当たりの搬送補正量に搬送補正量積算値rを加算した値を単位搬送量Nで除算し、その整数の商Qを算出する(ステップS92)。搬送補正量積算値rは、当該記録紙Pの搬送量当たりの搬送補正量、すなわち各搬送量当たりの搬送誤差量を積算(搬送量補正積算手順)した値である。
【0081】
また、当該搬送量当たりの搬送補正量に搬送補正量積算値rを加算した値を単位搬送量Nで除算した余りの搬送補正量を補正後の搬送補正量積算値rに設定することによって、当該搬送量に加算する単位搬送量Nに整数の商Qを乗算した補正量を搬送補正量積算値rから減算(搬送補正量積算値減算手順)する(ステップS93)。r/N=商Q+余りであることから、余り=r−Q・Nとなるので、r/Nの余りを補正後の搬送補正量積算値rとすることによって、補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとすることができる。そして、単位搬送量Nに整数の商Qを乗算した補正量を当該搬送量(x・N)に加算した搬送量で記録紙Pを搬送(搬送量補正手順)する(ステップS94)。例えば、単位搬送量Nを1ステップとし、当該搬送量を100ステップとする。搬送補正量sを0.055ステップとすると、当該搬送量当たりの搬送補正量は、100×0.055=5.5ステップということになる。この値を単位搬送量N(1ステップ)で除算すると、整数の商Qは5、余りは、0.5ステップということになる。したがって、当該搬送量100ステップに補正量5ステップを加算した搬送量105ステップで記録紙Pを搬送し、搬送補正量積算値rは、0.5ステップとなる。
【0082】
このようにして、搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商Qを単位搬送量Nに乗算した補正量を加算することによって、積算された搬送誤差量を単位搬送量Nずつ当該搬送量に加算して記録紙Pの搬送誤差を補正することができる。そして、その結果、第1実施例に示した記録紙搬送量補正制御手順と同様に記録紙Pの搬送誤差を補正することになり、それによって記録紙Pに生じる搬送誤差を的確に補正することができる。また、記録紙Pの搬送量が一定の搬送量未満の場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送量当たりの搬送補正量を積算しないので、第1実施例に示した記録紙搬送量補正制御手順と同様に、一定の搬送量未満の搬送量に単位搬送量Nを加算して記録紙を搬送してしまうことによって、搬送量が大きく変わってしまい、かえって搬送誤差が生じてしまうことを防止することができる。
【0083】
さらに、本願発明の第5実施例としては、上記第4実施例において、前述した第2実施例と同様に、記録紙Pの搬送量がMINFより小さい場合には、当該搬送量当たりの搬送補正量を搬送補正量積算値rに加算しつつ、補正量を当該搬送量に加算せずに記録紙Pを搬送するものが挙げられる。図14は、第5実施例における記録紙搬送制御の手順において、搬送補正量sに基づいて記録紙Pの搬送量を補正する手順を示したフローチャートである。
【0084】
記録紙Pの搬送量(x・N)がMINFより小さい場合には(ステップS101でYes)、当該搬送量当たりの搬送補正量を搬送補正量積算値rに加算し(ステップS105)、当該搬送量(x・N)にて記録紙Pを搬送する(ステップS106)。このように、記録紙Pの搬送量が一定の搬送量未満の場合には、当該搬送量当たりに搬送補正量を搬送補正量積算値rに加算するが、当該搬送量に整数の商Qに単位搬送量Nを乗算した補正量を加算せずに、当該搬送量にて記録紙Pを搬送するので、搬送補正量積算値rの値に関わらず、記録紙Pの搬送量が一定の搬送量未満の場合に、搬送量が大幅に変わって記録画質を大きく低下させてしまうことを防止することができる。
【0085】
さらに、本願発明の第6実施例としては、上記第4実施例において、前述した第3実施例と同様に、記録紙Pの上端近傍及び下端近傍に、MINFより小さい搬送量で連続して記録を実行する場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送量当たりの搬送補正量を積算しないで記録を実行し、搬送量がMINFより小さい記録と、搬送量がMINF以上の記録とを交互に実行する場合には、搬送量がMINFより小さい記録実行時に、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量を積算しつつ、補正量を当該搬送量に加算せずに搬送するとともに、搬送補正量積算値rから整数の商Qに単位搬送量Nを乗算した搬送量を減算しないものが挙げられる。図15は、本願発明に係る記録紙搬送制御の第6実施例において、搬送補正量sに基づいて記録紙Pの搬送量を補正する手順を示したフローチャートである。
【0086】
まず、記録紙Pの搬送量(x・N)とMINFとを比較し、搬送量(x・N)がMINFより小さいか否かを判定する(ステップS111)。搬送量(x・N)がMINF以上の場合には(ステップS111でNo)、当該搬送量当たりの搬送補正量に搬送補正量積算値rを加算した値を単位搬送量Nで除算し、その整数の商Qを算出する(ステップS112)。また、当該搬送量当たりの搬送補正量に搬送補正量積算値rを加算した値を単位搬送量Nで除算した余りを搬送補正量積算値rに設定、つまり、搬送補正量積算値rから単位搬送量Nに整数の商Qを乗算した補正量を減算(搬送補正量積算値減算手順)しておく(ステップS113)。そして、単位搬送量Nに整数の商Qを乗算した補正量を当該搬送量(x・N)に加算した搬送量で記録紙Pを搬送(搬送量補正手順)する(ステップS114)。
【0087】
一方、搬送量(x・N)がMINFより小さい場合には(ステップS111でYes)、搬送量がMINFより小さい記録と、搬送量がMINF以上の記録とを交互に実行する、いわゆるバンド記録モードか否かを判定する(ステップS115)。バンド記録モードでない場合には(ステップS115でNo)、当該搬送量当たりの搬送補正量を搬送補正量積算値rに加算し(ステップS116)、当該搬送量(x・N)にて記録紙Pを搬送する(ステップS117)。バンド記録モードの場合には(ステップS115でYes)、搬送量(x・N)がMINF以上の場合(ステップS111でNo)と同様に、当該搬送量当たりの搬送補正量に搬送補正量積算値rを加算した値を単位搬送量Nで除算し、その整数の商Qを算出する(ステップS118)。また、当該搬送量当たりの搬送補正量に搬送補正量積算値rを加算した値を単位搬送量Nで除算した余りを搬送補正量積算値rに設定する。つまり、搬送補正量積算値rから単位搬送量Nに整数の商Qを乗算した補正量を減算(搬送補正量積算値減算手順)する(ステップS119)。そして、単位搬送量Nに整数の商Qを乗算した補正量を当該搬送量(x・N)に加算せずに、当該搬送量(x・N)で記録紙Pを搬送する(ステップS117)。したがって、記録紙Pの搬送量がMINFより小さい場合には、当該搬送量が補正されることはない。さらに、バンド記録モードにおいては、搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算して整数の商Qが得られても、その分の補正量を搬送補正量積算値rから減算するのみで、整数の商Qに単位搬送量Nを乗算した補正量を当該搬送量に加算せずに記録紙Pを搬送する。
【0088】
つまり、記録紙Pの上端近傍及び下端近傍に、記録紙Pの搬送量が連続して一定の搬送量(MINF)未満で記録を実行する場合(バンド記録モードでない場合)には、搬送補正量積算値rに当該搬送量当たりの搬送補正量を積算しないで記録を実行する。一方、搬送量が一定の搬送量未満の記録と、搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合(バンド記録モードの場合)には、記録紙Pの搬送量が補正されないまま搬送量が積算されつづけてしまう虞がないので、記録紙Pの搬送量がMINF未満の記録実行時に、搬送補正量積算値rに当該搬送量当たりの搬送補正量を積算して記録を実行する。このようにして、搬送量がMINF未満となる記録紙Pの搬送を含む記録実行時において、より的確で記録画質の低下の虞が少ない記録が可能になる。
【0089】
尚、本願発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本願発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係るインクジェット記録装置のブロック図である。
【図2】 本願発明に係るインクジェット式記録装置の平面図である。
【図3】 本願発明に係るインクジェット式記録装置の側面図である。
【図4】 初期値処理の手順を示したフローチャートである。
【図5】 補正値の設定手順を示したフローチャートである。
【図6】 搬送補正搬送量を演算する手順を示したフローチャートである。
【図7】 記録紙の搬送量を補正する手順を示したフローチャートである。
【図8】 記録紙の搬送量を補正する手順を示したフローチャートである。
【図9】 記録紙の搬送量を補正する手順を示したフローチャートである。
【図10】 初期値処理の手順を示したフローチャートである。
【図11】 補正値の設定手順を示したフローチャートである。
【図12】 搬送補正量を演算する手順を示したフローチャートである。
【図13】 記録紙の搬送量を補正する手順を示したフローチャート。
【図14】 記録紙の搬送量を補正する手順を示したフローチャート。
【図15】 記録紙の搬送量を補正する手順を示したフローチャート。
【符号の説明】
1 情報処理装置、2 記録制御部、50 インクジェット式記録装置、
51 キャリッジガイド軸、52 プラテン、53 搬送駆動ローラ、
54 搬送従動ローラ、55 排紙駆動ローラ、56 排紙従動ローラ、
57 給紙トレイ、57b 給紙ローラ、61 キャリッジ、
62 記録ヘッド、63 紙検出器、X 主走査方向、Y 副走査方向

Claims (19)

  1. 回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、前記搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する記録紙搬送量補正制御方法であって、
    前記記録紙搬送装置の単位搬送量をN、
    前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJM、
    記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJP、
    単位搬送量当たりの搬送補正量s=ADJM+ADJP、
    補正前の記録紙の搬送量をx・N、
    記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算した搬送補正量積算値をr、
    搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商をQとし、
    補正後の記録紙の搬送量=(x+Q)・N、
    補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとし、
    記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算しない、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法。
  2. 回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、前記搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する記録紙搬送量補正制御方法であって、
    前記記録紙搬送装置の単位搬送量をN、
    前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJM、
    記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJP、
    単位搬送量当たりの搬送補正量s=ADJM+ADJP、
    補正前の記録紙の搬送量をx・N、
    記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算した搬送補正量積算値をr、
    搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商をQとし、
    補正後の記録紙の搬送量=(x+Q)・N、
    補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとし、
    記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、補正後の記録紙の搬送量=x・Nとし、補正後の搬送補正量積算値=rとする、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法。
  3. 回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、前記搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する記録紙搬送量補正制御方法であって、
    前記記録紙搬送装置の単位搬送量をN、
    前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJM、
    記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJP、
    単位搬送量当たりの搬送補正量s=ADJM+ADJP、
    補正前の記録紙の搬送量をx・N、
    記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算した搬送補正量積算値をr、
    搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商をQとし、
    補正後の記録紙の搬送量=(x+Q)・N、
    補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとし、
    記録紙の上端近傍及び下端近傍に、記録紙の搬送量が連続して一定の搬送量未満で記録を実行する場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・ sを積算しないで記録を実行し、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算し、補正後の記録紙の搬送量=x・Nとし、補正後の搬送補正量積算値=rとする、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJM、及び記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを前記記録装置に接続された外部記憶手段から取得する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、記録紙の種別を該記録紙から検出し、検出した記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを取得する工程を有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項において、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJMは、前記記録装置に搭載された不揮発性記憶媒体から取得し、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPは、前記記録装置と情報伝送可能に接続されている情報処理装置から取得する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御方法。
  7. 回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、前記搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する記録紙搬送量補正制御装置であって、
    前記記録紙搬送装置の単位搬送量をN、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJM、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJPとし、搬送補正量s=ADJM+ADJPとする搬送補正量演算手段と、
    記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算して搬送補正量積算値rとする搬送補正量積算手段と、
    補正前の記録紙の搬送量をx・N、搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商をQとし、補正後の記録紙の搬送量=(x+Q)・Nとする搬送量補正手段と、
    補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとする搬送補正量積算値減算手段とを備え
    前記搬送補正量積算手段は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算しない、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置。
  8. 回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、前記搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する記録紙搬送量補正制御装置であって、
    前記記録紙搬送装置の単位搬送量をN、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJM、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJPとし、搬送補正量s=ADJM+ADJPとする搬送補正量演算手段と、
    記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算して搬送補正量積算値rとする搬送補正量積算手段と、
    補正前の記録紙の搬送量をx・N、搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商をQとし、補正後の記録紙の搬送量=(x+Q)・Nとする搬送量補正手段と、
    補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとする搬送補正量積算値減算手段とを備え
    記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、前記搬送量補正手段は、補正後の記録 紙の搬送量=x・Nとし、前記搬送補正量積算値減算手段は、補正後の搬送補正量積算値=rとする、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置。
  9. 回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、前記搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する記録紙搬送量補正制御装置であって、
    前記記録紙搬送装置の単位搬送量をN、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJM、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJPとし、搬送補正量s=ADJM+ADJPとする搬送補正量演算手段と、
    記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算して搬送補正量積算値rとする搬送補正量積算手段と、
    補正前の記録紙の搬送量をx・N、搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商をQとし、補正後の記録紙の搬送量=(x+Q)・Nとする搬送量補正手段と、
    補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとする搬送補正量積算値減算手段とを備え
    前記搬送補正量積算手段は、記録紙の上端近傍及び下端近傍に、記録紙の搬送量が連続して一定の搬送量未満で記録を実行する場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算せず、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算し、前記搬送量補正手段は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、補正後の記録紙の搬送量=x・Nとし、前記搬送補正量積算値減算手段は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、補正後の搬送補正量積算値=rとする、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項において、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJM、及び記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを前記記録装置に接続された外部記憶手段から取得する手段を備える、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項において、記録紙の種別を該記録紙から検出する手段と、検出した記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを取得する手段とを備える、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置。
  12. 請求項7〜9のいずれか1項において、前記記録装置に搭載された不揮発性記憶媒体から前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJMを取得し、前記記録装置と情報伝送可能に接続されている情報処理装置から記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを取得する搬送誤差量取得手段を備える、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御装置。
  13. 請求項7〜12のいずれか1項に記載の記録紙搬送量補正制御装置を備えた記録装置。
  14. 回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、前記搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する制御をコンピュータに実行させるための記録紙搬送量補正制御プログラムであって、
    前記記録紙搬送装置の単位搬送量をN、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJM、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJPとし、搬送補正量s=ADJM+ADJPとする搬送補正量演算手順と、
    記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算して搬送補正量積算値rとする搬送補正量積算手順と、
    補正前の記録紙の搬送量をx・N、搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商をQとし、補正後の記録紙の搬送量=(x+Q)・Nとする搬送量補正手順と、
    補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとする搬送補正量積算値減算手順とを有
    前記搬送補正量積算手順は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算しない手順を有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラム。
  15. 回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、前記搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する制御をコンピュータに実行させるための記録紙搬送量補正制御プログラムであって、
    前記記録紙搬送装置の単位搬送量をN、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJM、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJPとし、搬送補正量s=ADJM+ADJPとする搬送補正量演算手順と、
    記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算して搬送補正量積算値rとする搬送補正量積算手順と、
    補正前の記録紙の搬送量をx・N、搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商をQとし、補正後の記録紙の搬送量=(x+Q)・Nとする搬送量補正手順と、
    補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとする搬送補正量積算値減算手順とを有
    前記搬送量補正手順は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、補正後の記録紙の搬送量=x・Nとする手順を有し、前記搬送補正量積算値減算手順は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の場合には、補正後の搬送補正量積算値=rとする手順を有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラム。
  16. 回転駆動力源の回転駆動力によって回転する搬送ローラの周面に記録紙を密着させ、前記搬送ローラの回転によって記録紙を所定の方向に所定の搬送量だけ搬送する記録紙搬送装置を備えた記録装置において、記録紙の搬送量の誤差を補正する制御をコンピュータに実行させるための記録紙搬送量補正制御プログラムであって、
    前記記録紙搬送装置の単位搬送量をN、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJM、記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量をADJPとし、搬送補正量s=ADJM+ADJPとする搬送補正量演算手順と、
    記録紙の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算して搬送補正量積算値rとする搬送補正量積算手順と、
    補正前の記録紙の搬送量をx・N、搬送補正量積算値rを単位搬送量Nで除算した整数の商をQとし、補正後の記録紙の搬送量=(x+Q)・Nとする搬送量補正手順と、
    補正後の搬送補正量積算値=r−Q・Nとする搬送補正量積算値減算手順とを有
    前記搬送補正量積算手順は、記録紙の上端近傍及び下端近傍に、記録紙の搬送量が連続して一定の搬送量未満で記録を実行する場合には、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算しない手順と、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、搬送補正量積算値rに当該搬送時の搬送量当たりの搬送補正量x・sを積算する手順とを有し、前記搬送量補正手順は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、補正後の記録紙の搬送量=x・Nとする手順を有し、前記搬送補正量積算値減算手順は、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録と、記録紙の搬送量が一定の搬送量以上の記録とを交互に実 行する場合には、記録紙の搬送量が一定の搬送量未満の記録実行時に、補正後の搬送補正量積算値=rとする手順を有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラム。
  17. 請求項14〜16のいずれか1項において、前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJM、及び記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを前記記録装置に接続された外部記憶手段から取得する手順を有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラム。
  18. 請求項14〜17のいずれか1項において、記録紙の種別を該記録紙から検出する手順と、検出した記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを取得する手順とを有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラム。
  19. 請求項14〜16のいずれか1項において、前記記録装置に搭載された不揮発性記憶媒体から前記記録紙搬送装置による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJMを取得し、前記記録装置と情報伝送可能に接続されている情報処理装置から記録紙の種別による単位搬送量当たりの搬送誤差量ADJPを取得する手順を有する、ことを特徴とした記録紙搬送量補正制御プログラム。
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