JP4084552B2 - エンジンの負圧ポンプ取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ディーゼルエンジン等に適用されるエンジンの負圧ポンプ取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ディーゼルエンジンでは、スロットルバルブを持たないため、負圧が発生することがない。通常のスロットルバルブを有するエンジンでは、スロットルバルブが閉じているとき、例えば、フィルタを通した燃焼用空気が吸引される部位には負圧が発生するために、その負圧を、例えば、ブレーキ系や各種の制御弁及び過給器(以下、ターボチャージャという)などの作動源として利用している。
【0003】
このため、ディーゼルエンジンには、負圧ポンプ(以下、バキュームポンプという)を搭載し、このバキュームポンプをエンジンの駆動系に連動させて駆動させることにより、ブレーキ系や各種の制御弁及びターボチャージャなどの負圧ポンプ取付けシステムを構築している。
【0004】
ところで、このような負圧ポンプ取付けシステムは、図7に概略的に示すように、エンジンの駆動系に連動させて駆動するバキュームポンプ51から発生する負圧を、ゴム製または樹脂製のチューブ52及びインストールパイプ(金属製パイプ)53を介して接続されるブレーキ用マスタパワー(M/P)へ直接供給している。あるいは、バキュームポンプ51からの負圧を、インストールパイプ53から分岐するゴム製または樹脂製のチューブ54及びT型ジョイント部材55を介して接続されたバキュームタンク56内に一旦供給して蓄積する。そして、このバキュームタンク56の負圧をゴム製または樹脂製のチューブ57、制御弁(EVRV)58及びバキュームダンパ59を介してエキゾーストマニホールドの集合部60の下流に接続されたターボチャージャ61に供給している。また、バキュームタンク56の負圧は、バキュームタンク56から分岐する分岐管(ゴム製または樹脂製のチューブ)62及びソレノイドバルブ63及びバキュームダンパ64を介してスワールコントロールバルブ(SWCV)65にも供給してなる構成となっている。
【0005】
従来のディーゼルエンジンにおけるバキュームポンプの取付構造においては、例えば、特開平8−86222号公報等に開示されているように、シリンダブロックの一方の端面側にチェンケースを形成する。そして、このチェンケース内に、バキュームポンプのポンプシャフトを臨ませ、このポンプシャフトに、クランクシャフトからの駆動力の伝達手段となるタイミングベルトやチェンベルトなどの巻掛け伝達体を掛け渡してなる構成を有するものがある。
【0006】
ところが、バキュームポンプは、チェンケースを形成するチェンカバーの外側に突出させて取り付けられているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このため、前記した従来のバキュームポンプの取付構造にあっては、バキュームポンプがチェンカバーの外側に突出させた分、エンジンがポンプシャフト軸方向(クランクシャフト方向)に長くなる。これにより、車両搭載時におけるエンジンルーム内への組付け性(収まり)が悪いばかりでなく、エンジン全体のコンパクト化が期待できない。
【0008】
ところで、エンジンブロックのチェンケース内において、クランクシャフトとカムシャフトとの間に掛け渡されるタイミングチェンは、クランクシャフトが回転駆動すると、エンジンブロックの一側方、例えば、インテーク側で引っ張られ、エンジンブロックの他側方、例えばエキゾースト側で弛み易い。
【0009】
そこで、従来より、チェンケースをチェンブロックと、このチェンブロックを閉塞するチェンカバーとで形成し、このチェンブロックを剛性の高いシリンダブロック及びシリンダヘッドと一体に形成し、チェンブロックの一部をエキゾースト側に延出するように張り出させている。そして、この張出しブロック部を取付部として、タイミングチェンのテンション調整用のアクチュエータと共にテンショナを回動自在に軸支して、エンジンブロックのエキゾースト側に設置している。さらに、このテンショナの摺動面をタイミングチェンの弛み側に当接させ、タイミングチェンの張りを任意に調整していた。
【0010】
ところが、エンジンブロックを構成するシリンダブロックのエキゾースト側の外側壁には、各気筒に接続されたエキゾーストマニホールド集合部や、このエキゾーストマニホールド集合部に接続される触媒コンバータ及びターボチャージャなどの補機類が配置されているが、エキゾーストマニホールド集合部と張出しブロック部の裏側との間は無駄なデットスペースとなり易く、設計的にも好ましくなかった。
【0011】
しかも、バキュームポンプがチェンカバーの外側に取り付けられていたため、組立時に、バキュームポンプのポンプシャフトに対するタイミングチェンの掛け渡しが困難であるという問題もあった。
【0012】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたもので、エンジン全体のコンパクト化を図れるようなレイアウトにすることができるエンジンの負圧ポンプ取付構造を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明に係るエンジンの負圧ポンプ取付構造では、エンジンブロックの一端面側に、巻掛け伝達体が格納されるチェンケースを設け、前記巻掛け伝達体にて負圧ポンプを駆動させてなるエンジンにおいて、前記チェンケースは、前記エンジンブロックと一体に形成されたチェンブロックを含んで構成され、前記チェンブロックは、前記エンジンブロックと一体にクランクシャフトの軸方向と直交する側方に向け張り出して形成された張出しブロック部を有し、前記負圧ポンプは、前記張出しブロック部に配置されるとともに、前記張出しブロック部に設けたポンプ嵌込み開口部の裏側から前記チェンケース内に臨むように嵌め込んで位置決めされ、前記ポンプ嵌込み開口部に近接する前記張出しブロック部の内部には、前記張出しブロック部の表裏方向に沿って延在し、シリンダヘッドや前記巻掛け伝達体へ潤滑オイルを供給する潤滑オイル通路に連通することにより前記負圧ポンプ内に潤滑オイルを導入するオイル通路が設けられることを特徴とする。
【0014】
このような構成とすることにより、負圧ポンプが張出しブロック部に設けたポンプ嵌込み開口部の裏側から前記チェンケース内に臨むように嵌め込んで位置決めされるとともに、チェンブロックの裏側に負圧ポンプが配置されるため、従前のように、負圧ポンプがチェンケースの外側に突出することがない。これにより、エンジン全体のコンパクト化を図ることが可能となる。また、負圧ポンプの張り出しブロック部(チェンブロック)への組付けや取外しがポンプ嵌込み開口部を介して容易に行える。さらに、張り出しブロック部に形成されたポンプ嵌込み開口部に沿って負圧ポンプを嵌め込んで位置決めすることにより、従前のようなノックピン等の固定具を使用する必要がなくなる。さらにまた、ポンプ嵌込み開口部に近接する張出しブロック部の内部には、前記張出しブロック部の表裏方向に沿って延在し、シリンダヘッドや巻掛け伝達体へ潤滑オイルを供給する潤滑オイル通路に連通するオイル通路を設けることにより、前記負圧ポンプ内に潤滑オイルを容易に導入することができる。
【0015】
また、本発明は、前記したエンジンの負圧ポンプ取付構造において、負圧ポンプは、エンジンブロックの側面に配置される吸気通路または排気通路と、チェンケースとの間に形成される空間に配置したことを特徴とする。
【0016】
このような構成とすることにより、負圧ポンプがエンジンブロックのエキゾースト側外壁に配置される吸気通路または排気通路と、チェンケースの裏側との間の空間に設けてなるために、エンジン全体のコンパクト化と相俟って、デッドスペースを有効に利用することが可能になり、設計の自由度も大きくなる。
【0017】
さらに、本発明は、前記したエンジンの負圧ポンプ取付構造において、前記負圧ポンプは、張出しブロック部に設けられた巻掛け伝達体の張力を調整するテンショナの上部に配置したことを特徴とする。
【0018】
このような構成とすることにより、チェンブロックに張り出して形成される張出しブロック部が、テンショナの上部スペースを有効利用しているため、吸気通路側から排気通路側に亘っての幅方向における寸法の拡大を抑制可能になる。これにより、エンジン全体が大型化することがない。
【0021】
また、本発明は、前記したエンジンの負圧ポンプ取付構造において、前記負圧ポンプは、前記張出しブロック部の表側から締結してなることを特徴とする。
【0022】
このような構成とすることにより、負圧ポンプの張出しブロック部への組付け及び締結作業が簡便かつ容易に行うことが可能になる。
【0023】
さらに、本発明は、前記したエンジンの負圧ポンプ取付構造において、前記負圧ポンプの前記張出しブロック部に対する締結部位を、前記巻掛け伝達体から外れた部位に設けてなることを特徴とする。
【0024】
このような構成とすることにより、特に、負圧ポンプの張出しブロック部への組付けや取外しに用いられる工具類が巻掛け伝達体に干渉することがないため、作業性の向上を図ることが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1から図5に示す図面に基づいて詳細に説明する。図1は、例えば、車両のフロント側エンジンルーム内に設置される横置き型直列4気筒のディーゼルエンジンで、チェンケースの全体的概略構成を示す運転席側から車両前方を見た正面図である。図2は、エンジンブロックのチェンケースの内部構成を拡大して示す要部斜視図である。図3は、バキュームポンプの取付部位の要部拡大斜視図である。図4は、バキュームポンプの取付け状態を示す要部拡大斜視図である。図5は、バキュームポンプのバキュームパイプ配管状態を示すエンジンブロックの平面図である。
【0026】
図1及び図2に示すように、本発明に係るエンジンにおけるエンジンブロック1の基本的な形態は、シリンダブロック2がアッパブロック3及びロアブロック4で形成されている。また、このシリンダブロック2の上部に締結されるシリンダヘッド5の上面は、ヘッドカバー6にて被冠されている。さらに、このヘッドカバー6の上面には、各気筒に対応する複数のチャンバからなる凸部6aが凹凸状態を呈するように形成されている。さらにまた、シリンダブロック2の下部は、オイルパン7が締結固定されてなる構成を有する。
【0027】
シリンダブロック2内のアッパブロック3とロアブロック4との間には、クランクケース(図示せず)が形成され、このクランクケース内には、クランクシャフト8の両端が軸支されて挿通されている。そして、このクランクシャフト8の軸支端側には、スプロケット9が取り付けられ、このスプロケット9は、シリンダブロック2の外部、すなわち、後記するチェンケース12内に臨んでいる。
【0028】
また、シリンダブロック2とシリンダヘッド5の間の内部には、図示しないピストンが配置されている。このピストンは、シリンダヘッド5の上部に挿通したカムシャフト10の回転駆動により開閉する吸・排気弁の動作と、この吸・排気弁の動作によって燃焼室内に供給された空気と、燃焼室内に供給された燃料が混合して爆発することにより昇降する。そして、このようなピストンの昇降動作は、図示しないコンロッドを介してクランクシャフト8に伝達されて、このクランクシャフト8を回転駆動させるようになっている。さらに、このクランクシャフト8の駆動力は、後記するチェンケース12内に臨ませたカムシャフト10のスプロケット11とクランクシャフト8のスプロケット9の間に掛け渡されるタイミングチェン18により伝達されるようになっている。
【0029】
前記したチェンケース12は、エンジンブロック1のトランスミッションTの取付側(後記する図6参照)の反対側端面(一端面)に形成されている。そして、このチェンケース12の構成は、剛性の高いシリンダブロック2、シリンダヘッド5及びオイルパン7のそれぞれの一端面に一体に形成したチェンブロック13と、このチェンブロック13の外側開放端面13aを閉塞するように取外し可能に組付けられるチェンカバー14とからなる。
【0030】
また、チェンケース12を構成するチェンブロック13の一部、すなわち、シリンダブロック2を構成するアッパブロック3の一部は、クランクシャフト8の軸方向と直交する方向の側方としてのエキゾースト側Aに向けて延出するように一体に張り出させることにより、張出しブロック部15を形成している。
【0031】
この張出しブロック部15は、エンジンブロック1のエキゾーストA側に、タイミングチェン18のテンション調整用のアクチュエータ16と共に設置されるテンショナ17の取付部となっている。そして、このテンショナ17は、張出しブロック部15に回動自在に軸支されている。また、テンショナ17の摺動面は、タイミングチェン18の弛み側18Aに当接している。これにより、タイミングチェン18の弛み側18Aには、エンジンブロック1のエキゾースト側Aからインテーク側Bに向けて外側から内側に押し込むような荷重が付与される。このため、タイミングチェン18は、その引張り側18Bと共に緊張状態を維持し、タイミングチェン18の弛み側18Aの張りが調整されている。
【0032】
そして、前記したチェンケース12を構成するチェンブロック13に一体に形成された張出しブロック部15には、バキュームポンプ30が設けられている。
【0033】
このバキュームポンプ30は、図3及び図4に示すように、張出しブロック部15の裏側15a、すなわち、張出しブロック部15におけるエンジンブロック1のトランスミッションTの取付側に面する側に配置されている。そして、バキュームポンプ30の嵌込み端部30aは、張出しブロック部15の裏側15aの上部からチェンケース12内に向けて円筒状に一体に突出形成したポンプ嵌込み開口部19に嵌め込んで位置決めされている。これによって、従前のようなノックピン等を用いることなく、バキュームポンプ30の位置決めが簡便に行われるようになっている。
【0034】
また、このポンプ嵌込み開口部19の周囲には、少なくとも3個以上のボス状のボルト挿入孔20が設けられている。さらに、これらの各ボルト挿入孔20は、クランクシャフト8のスプロケット9と、カムシャフト10のスプロケット11との間に掛け渡されるタイミングチェン18の弛み側18Aを間に跨ぐように設けられている(図2参照)。そして、これらの各ボルト挿入孔20には、バキュームポンプ30の嵌込み端部30a側周囲に一体的に形成した取付けフランジ部31のボルト螺合孔32が張出しブロック部15の裏側15aから対応して位置している(図4参照)。
【0035】
すなわち、ポンプ嵌込み開口部19の周囲に設けた各ボルト挿入孔20と、バキュームポンプ30の取付けフランジ部31の周囲に設けたボルト螺合孔32との間には、図4に示すように、張出しブロック部15の表側15bからボルト21がスプリングワッシャ22を介して挿入される。そして、張出しブロック部15の裏側15aとバキュームポンプ30の取付けフランジ部31との間には、バキュームポンプ30の嵌込み端部30aに形成した凹溝30bに嵌め込まれるOリング23が介在される。このため、ポンプ嵌込み開口部19とバキュームポンプ30の嵌込み端部30aとの間が、水密的に封止される。これにより、バキュームポンプ30の取付部からのオイル漏れを防止すると共に、バキュームポンプ30の安定的な取り付けを可能にしている。
【0036】
さらに、バキュームポンプ30がテンショナ17の上方に配置され、ポンプシャフト33に取り付けたスプロケット34がチェンケース12内に臨むように嵌込み支持されている。しかも、バキュームポンプ30の締結部位が、タイミングチェン18から外れた部位になるようにしている。
【0037】
すなわち、クランクシャフト8の軸方向にバキュームポンプ30の締結部位とタイミングチェン18とがラップしていない。このため、バキュームポンプ30を張出しブロック部15に組み付けたり、取り外したりするときに用いられる工具類がタイミングチェン18に干渉することがない。これにより、作業性の向上を図ることが可能になる。しかも、タイミングチェン18をシリンダブロック2側に極力近づけることができるため、エンジン全体のコンパクト化にも寄与する。特に、クランクシャフト8の軸方向にバキュームポンプ30の締結部位とタイミングチェン18とがラップしないようにすれば、エンジン全体のコンパクト化に一層有利である。
【0038】
なお、張出しブロック部15が形成されるチェンブロック13は、図5に示すように、エンジンブロック1を構成するシリンダブロック2の端面と一体となっている。しかも、このシリンダブロック2の端面側の壁の内部近傍には、シリンダヘッド5へのオイル通路W1、タイミングチェン18へのオイル通路W2及びアクチュエータ16やテンショナ17へのオイル通路W3等の潤滑オイル通路が縦横に形成されている。そこで、この潤滑オイル通路を利用して、バキュームポンプ30内に潤滑オイルを導くようなオイル通路W4を設ける。これにより、従前のようなチェンカバー14にバキュームポンプ30を取り付けた場合と比較して、バキュームポンプ30への潤滑オイルの供給が容易に行える。
【0039】
特に、テンショナ17と同じ側のエキゾーストA側にバキュームポンプ30を配置すれば、テンショナ17のオイル通路W3からバキュームポンプ30側に分岐するオイル通路W4を追加するだけで、バキュームポンプ30内に潤滑オイルを供給することが可能になる。これにより、潤滑オイル通路が全体的に複雑になることがない。しかも、テンショナ17の上部にバキュームポンプ30を配置しているため、テンショナ17のオイル通路W3から分岐したシリンダヘッド5へのオイル通路W1から分岐させて、バキュームポンプ30内に潤滑オイルを供給するようにすれば、潤滑オイル通路の構成が簡便になる。
【0040】
また、図2に示すように、バキュームポンプ30のスプロケット34にタイミングチェン18を掛け渡す場合には、予めバキュームポンプ30をチェンブロック13側に取り付け(図3、図4参照)、その後、クランクシャフト8のスプロケット9,カムシャフト10のスプロケット11と、バキュームポンプ30のスプロケット34にタイミングチェン18を掛け渡せば良い。このため、従前のように、チェンブロック13へのチェンカバー14の取付時に、一々、タイミングチェン18とバキュームポンプ30のスプロケット34との位置合わせを行う必要がない。これにより、バキュームポンプ30のスプロケット34へのタイミングベルト18の掛け渡し作業が容易に行える。
【0041】
ところで、前記したエンジンブロック1の外壁や上面の周辺には、各種の補機類が配置されている。これらの補機類としては、例えば、図1、図5及び図6に示すように、各気筒に接続されるカバー41aで覆われたエキゾーストマニホールド41、このエキゾーストマニホールド41の集合部41bの下流に接続されるターボチャージャ42、このターボチャージャ42にジョイント部材43を介して接続される触媒コンバータ44等があり、エキゾースト側Aの外壁1aに配置される。この場合、エキゾーストマニホールド41のカバー41aは、バキュームポンプ30と対向する位置まで延出させるようにしているため、バキュームポンプ30は、エキゾーストマニホールド41の熱影響を受けにくい。
【0042】
一方、エンジンブロック1のインテーク側Bには、インテークマニホールド45やスワールコントロールバルブ(SWCV)46等が配置されている。また、図1及び図6に示すように、エンジンブロック1上面のシリンダヘッド5を被冠するヘッドカバー6上には、バキュームパイプ35がエンジンブロック1のチェンケース12側の端面側からトランスミッションT側の端面に沿って配管されている。そして、このバキュームパイプ35は、ヘッドカバー6に凹凸形成される凸部6aに取付けステー37を介して取り付けられるようになっている。さらに、ヘッドカバー6上には、ブローバイガス通路用等のブリーザパイプ47や電気系のハーネス48等が配管または配線されるようになっている。これらブリーザパイプ47やハーネス48等は、バキュームパイプ35にクリップ38を介して共に一緒に束締されて取り付けられている。
【0043】
なお、前記した実施形態において、バキュームポンプ30は、図1及び図6に示すように、特に、エンジンブロック1のエキゾースト側Aの外壁1aに配置したエキゾーストマニホールド41の集合部41bと、張出しブロック部15の裏面15aとの間に形成される空間に配置されるようになっている。これにより、エンジン全体のコンパクト化と相俟って、デッドスペースを有効に利用することが可能になる。さらに、バキュームポンプ30は、シリンダブロック2の外壁1aと、排気通路としてのジョイント部材43との間に配置しているため、デッドスペースが有効に活用され、エンジン全体のコンパクト化に一層寄与している。
【0044】
また、バキュームポンプ30は、図5に示すように、主バキュームパイプ35及びそれらの各分岐パイプ36,36A,36B,36C等を介して、エンジンブロック1の周辺に配置したバキュームタンク39,ターボチャージャ42及びスワールコントロールバルブ(SWCV)46等やブレーキ用マスタパワー(M/P)49に接続されている。そして、これら各補機類の作動時の負圧源として供給されるようになっている。
【0045】
なお、前記した実施形態においては、ディーゼルエンジンを例に説明したが、負圧ポンプを備えるものであれば、通常のエンジンにも適用可能である。また、負圧ポンプは、吸気通路としてのインテークマニホールド側に配置してもよい。この場合、負圧ポンプをインテークマニホールドとチェンケースとの間に配置すれば、排気通路からの熱を受けることがないため、遮熱装置等が不要になり、構造的にも有利である。その他、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更実施可能なことは云うまでもない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るエンジンの負圧ポンプ取付構造によれば、以下に列挙するような優れた効果を奏する。
【0047】
本発明は、エンジンの負圧ポンプ取付構造において、エンジンブロックの端面側に、巻掛け伝達体が格納されるチェンケースを設け、巻掛け伝達体にて負圧ポンプを駆動させてなるエンジンにおいて、チェンケースは、エンジンブロックと一体に形成されたチェンブロックを含んで構成され、このチェンブロックの裏側に負圧ポンプを配置したことから、従前のように、負圧ポンプがチェンケースの外側に突出することがない。これにより、エンジン全体のコンパクト化を図ることができる。しかも、本発明では、前記チェンブロックの張出しブロック部の内部に、張出しブロック部の表裏方向に沿って延在し、シリンダヘッドや巻掛け伝達体へ潤滑オイルを供給する潤滑オイル通路に連通するオイル通路を設けることにより、前記負圧ポンプ内に潤滑オイルを容易に導入することができる。
【0048】
また、本発明は、負圧ポンプがエンジンブロックの側面に配置される吸気通路または排気通路と、チェンケースの裏側との間に形成される空間に配置したことから、エンジン全体のコンパクト化と相俟って、デッドスペースを有効に利用することができるため、設計の自由度も大きい。
【0049】
さらに、本発明は、負圧ポンプがエンジンブロックと一体にクランクシャフトの軸方向と直交する側方に向け張り出して形成されるチェンブロックの張出しブロック部に設置されるとともに、この張出しブロック部に設けられた巻掛け伝達体の張力を調整するテンショナの上部に配置したことから、負圧ポンプの張出しブロック部への組付けや取外しが容易に行える。しかも、チェンケースに張り出し形成される張出しブロック部も、テンショナの上部スペースを有効利用しているため、吸気通路としてインテーク側から、排気通路としてのエキゾースト側に亘っての幅方向の寸法を拡大することがない。これにより、エンジンが大型化することがない。
【0050】
さらにまた、本発明は、負圧ポンプがチェンブロックの張出しブロック部に設けたポンプ嵌込み開口部の裏側からチェンケース内に臨むように嵌め込んで位置決めされていることから、従前のようなノックピン等の位置決め固定具を使用する必要がなくなる。
【0051】
また、本発明は、負圧ポンプがチェンブロックの張出しブロック部の表側から締結されていることから、負圧ポンプの張出しブロック部への組付け及び締結作業が簡便かつ容易に行うことができる。
【0052】
さらに、本発明は、負圧ポンプの張出しブロック部に対する締結部位を、巻掛け伝達体から外れた部位に設けてなることから、特に、負圧ポンプの張出しブロック部への組付けや取外しに用いられる工具類が巻掛け伝達体に干渉することがないために、作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンのエンジンブロックを運転席側から車両前方に見た正面図である。
【図2】エンジンブロックのチェンケースの内部構成を拡大して示す要部斜視図である。
【図3】負圧ポンプの取付部位の要部拡大斜視図である。
【図4】負圧ポンプの取付け状態を示す要部拡大斜視図である。
【図5】シリンダブロックのオイル通路を示す要部拡大斜視図である。
【図6】バキュームポンプのバキュームパイプ配管状態を示すエンジンブロックの平面図である。
【図7】一般的な負圧ポンプシ取付けステームの概略的説明図である。
【符号の説明】
1……エンジンブロック
1a……外壁
2……シリンダブロック
3……アッパブロック
8……クランクシャフト
12……チェンケース
13……チェンブロック
14……チェンカバー
15……張出しブロック部
15a……裏側
15b……表側
16……アクチュエータ
17……テンショナ
18……巻掛け伝達体(タイミングチェン)
19……ポンプ嵌込み開口部
20……ボルト挿入孔
21……ボルト
22……スプリングワッシャ
30……負圧ポンプ(バキュームポンプ)
30a……嵌込み端部
35……負圧パイプ(バキュームパイプ)
41……エキゾーストマニホールド
43……ジョイント部材
45……インテークマニホールド
A……エキゾースト側
B……インテーク側
Claims (5)
- エンジンブロックの一端面側に、巻掛け伝達体が格納されるチェンケースを設け、前記巻掛け伝達体にて負圧ポンプを駆動させてなるエンジンにおいて、
前記チェンケースは、前記エンジンブロックと一体に形成されたチェンブロックを含んで構成され、
前記チェンブロックは、前記エンジンブロックと一体にクランクシャフトの軸方向と直交する側方に向け張り出して形成された張出しブロック部を有し、
前記負圧ポンプは、前記張出しブロック部に配置されるとともに、前記張出しブロック部に設けたポンプ嵌込み開口部の裏側から前記チェンケース内に臨むように嵌め込んで位置決めされ、
前記ポンプ嵌込み開口部に近接する前記張出しブロック部の内部には、前記張出しブロック部の表裏方向に沿って延在し、シリンダヘッドや前記巻掛け伝達体へ潤滑オイルを供給する潤滑オイル通路に連通することにより前記負圧ポンプ内に潤滑オイルを導入するオイル通路が設けられることを特徴とするエンジンの負圧ポンプ取付構造。 - 前記負圧ポンプは、前記エンジンブロックの側面に配置される吸気通路または排気通路と、前記チェンケースとの間に形成される空間に配置したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの負圧ポンプ取付構造。
- 前記負圧ポンプは、前記張出しブロック部に設けられた前記巻掛け伝達体の張力を調整するテンショナの上部に配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンの負圧ポンプ取付構造。
- 前記負圧ポンプは、前記張出しブロック部の表側から締結してなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエンジンの負圧ポンプ取付構造。
- 前記負圧ポンプの前記張出しブロック部に対する締結部位を、前記巻掛け伝達体から外れた部位に設けてなることを特徴とする請求項4に記載のエンジンの負圧ポンプ取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001266575A JP4084552B2 (ja) | 2001-09-03 | 2001-09-03 | エンジンの負圧ポンプ取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001266575A JP4084552B2 (ja) | 2001-09-03 | 2001-09-03 | エンジンの負圧ポンプ取付構造 |
Publications (2)
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