JP4083368B2 - 車両のシール構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両のシール構造に係り、特に、自動車等の車両における車体に形成されたエンジンフード等の蓋体に使用される車両のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両のシール構造においては、その一例が特開平8−58489号公報に示されている。
【0003】
図10に示される如く、この車両のシール構造では、車体100に取付けられる取付部102と、この取付部102から外方に突出配置され、且つドア104の全閉時にドア104にて押圧されて弾性変形する中空シール部106とをそれぞれ有するウエザストリップ108を使用している。また、中空シール部106の外面であって、且つ車室内の側の箇所には、中空シール部106から外方に向けて延設されたリップ片110が設けられており、ドア104の全閉時に中空シール部106がドア104に押圧されて弾性変形されるのに伴い、リップ片110の先端部分110Aがドア104の内面に配設されたドアトリム112に当接するように構成されている。この結果、2重シール構造にすることができて遮音性及び防水性の向上を図ることができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この車両のシール構造においては、車両の高速走行等によって、ドア104等の蓋体において外側部と内側部との圧力差が大きくなった場合に、この圧力差によってドア104等の蓋体が浮き方向へ移動すると共に、気圧が高い内側部と気圧の低い外側部との気圧差により、ウエザストリップ108のリップ片110及び中空シール部106が、図11に示される如く変形する。この結果、ドア104等の蓋体とウエザストリップ108との間に隙間が発生しシール性が失われ、気流(図11の矢印W)が発生し、車体周囲の空気の流れが乱れる。このため、風切音の発生、操縦安定性の悪化、空力性能の悪化等を招く。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、高速走行時にも高いシール性を確保できる車両のシール構造を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、車体に形成された蓋体の略開閉方向に延設される延設部材と、第1シール部と第2シール部とを有するシール部材と、を備え、
前記第1シール部は、前記シール部材を前記延設部材より前記蓋体の中央側で車体に固着する固着部から延設され、先端部に前記車体で前記蓋体より外側への移動を阻止される固定部を有し、前記延設部材の閉じ方向の押圧に伴う前記固着部と前記固定部との2点間の変形により反力を発生させる前記延設部材側へ膨らんだアーチ形状のリップ片であり、
前記第2シール部は、前記蓋体の開状態で前記延設部材より前記蓋体の中央側にて前記第1シール部から分岐して車両上方へ前記蓋体の外側へ膨らんだアーチ形状に延設され、前記第1シール部の変形に伴い前記延設部材の一般部を前記蓋体の開閉方向と略垂直な方向にシールするリップ片であることを特徴とする。
【0007】
従って、アーチ形状のリップ片とされた第1シール部は、シール部材を延設部材より蓋体の中央側で車体に固着する固着部と、車体で蓋体より外側への移動を阻止される固定部と、の2点で支持されており、固着部と固定部との2点間でアーチ形状を延設部材の押圧により弾性変形させることで高い反力を発生させてシール性を向上させる。また、第1シール部の変形に伴い、リップ片とした第2シール部を蓋体の開閉方向と略垂直な方向に密着させシールし、第1シール部と2重にシールできると共に、高速走行時に、車内の気圧に比べ車外の気圧が低下した場合にも、圧力の作用する方向と第2シール部が延設部材の一般部を押圧する方向とが一致するので、高いシール性を確保することができる。また、蓋体が所定量浮いた場合にも高いシール性を確保できる。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明における車両のシール構造の第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0017】
なお、図中矢印FRは車両前方方向を、矢印UPは車両上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0018】
図3に示される如く、本実施形態では、車体10のフードパネル12とフェンダ14との境界16が、蓋体としてのエンジンフード18の車幅方向両端部において、車両前後方向に沿って延びている。
【0019】
図1に示される如く、エンジンフード18におけるフードパネル(フードアウタパネルとも言う)12の車幅方向外側部の下面側には、フードインナパネル20が配設されている。フードパネル12の車幅方向外側端部には、車両前後方向から見た断面形状が略U字状の下方側への折り返し部12Aが形成されており、この折り返し部12Aの下部先端には、下方へ向けてフランジ12Bが形成されている。一方、フードインナパネル20の車幅方向外側端部には、下方へ向けてフランジ20Aが形成されており、このフランジ20Aがフードパネル12のフランジ12Bに接合されている。また、フードインナパネル20におけるフランジ20Aの下端部には、車幅方向外側へ向けて屈曲部20Bが形成されている。
【0020】
即ち、本実施形態では、フードインナパネル20のフランジ20Aと屈曲部20B及びフードパネル12のフランジ12Bが、延設部材22を形成しており、フードインナパネル20のフランジ20Aとフードパネル12のフランジ12Bとの接合部が、延設部材22の一般部22Aを構成している。また、フードインナパネル20の屈曲部20Bが延設部材22における端末部22Bを構成している。
【0021】
エンジンフード18における延設部材22の下方には、車両前後方向に沿って車体10の構造部材としてのエプロンアッパメンバ24が配設されており、エプロンアッパメンバ24は、エプロンアッパメンバ24の上部を構成するエプロンアッパメンバアッパ26とエプロンアッパメンバ24の下部を構成するエプロンアッパメンバロア28とで構成されている。
【0022】
エプロンアッパメンバアッパ26の車両前後方向から見た断面形状は開口部を下方へ向けたコ字状となっている。エプロンアッパメンバアッパ26における車幅方向内側壁部26Aの下端部には、車幅方向外側へ向けてフランジ26Bが形成されており、このフランジ26Bにはエプロンアッパメンバロア28の車幅方向内側端部28Aが接合されている。また、エプロンアッパメンバロア28の車幅方向外側端部には、下方へ向けてフランジ28Bが形成されており、このフランジ28Bが、エプロンアッパメンバアッパ26の車幅方向外側壁部26Cに接合されている。
【0023】
従って、エプロンアッパメンバ24は、エプロンアッパメンバアッパ26とエプロンアッパメンバロア28とで車両前後方向に延びる閉断面部30を形成している。
【0024】
エプロンアッパメンバアッパ26の上壁部26Dには、車両前後方向に沿って所定の間隔で取付孔32が形成されており、エプロンアッパメンバアッパ26の上壁部26Dの下面側には、取付孔32と同軸的にナット34が固定されている。
【0025】
フードパネル12の折り返し部12Aに対向しているフェンダ14の車幅方向内側縁部14Aは、下方に向かって屈曲されており、フードパネル12の折り返し部12Aと略平行に伸びる縦壁部14Bが形成されている。この縦壁部14Bの下端部には、車幅方向内側へ向かってフランジ14Cが形成されており、フランジ14Cの先端部には、車両前後方向から見た断面形状が開口部を下方へ向けた半円状の取付部14Dが形成されている。
【0026】
また、フェンダ14におけるフランジ14Cには、車両前後方向に所定の間隔で取付孔36が穿設されており、これらの取付孔36とエプロンアッパメンバアッパ26の取付孔32には、ボルト38が上方から挿入されており、このボルト38をナット34に締め込むことによって、フェンダ14におけるフランジ14Cが、エプロンアッパメンバアッパ26の上壁部26Dに固定されている。
【0027】
また、フェンダ14におけるフランジ14Cには、シール部材40が車両前後方向に沿って配設されている。シール部材40の車体前後方向から見た断面形状は、エンジンフード18における延設部材22の端末部22Bに当接して、端末部22Bを押圧シールする第1シール部40Aと、端末部22Bに押圧され第1シール部40Aが、図1に示す様に変形することにより、延設部材22の一般部22Aをエンジンフード18の開閉方向(図1の矢印A方向)に対して略垂直方向(図1の矢印B方向)で押圧シールする第2シール部40Bと、を有している。
【0028】
図2に示される如く、シール部材40における第1シール部40Aの車幅方向内側端部は、シール部材40をフェンダ14に固着するための固着部40Cとなっている。この固着部40Cの下部には、車幅方向外側から車幅方向内側へ向けて取付溝42が形成されており、この取付溝42がフェンダ14の取付部14Dに勘合している。また、シール部材40における第1シール部40Aは、固着部40Cから上方の延設部材22へ向けて凸形状のアーチ状に膨らんで車幅方向外側へ延設されたリップ片となっており、先端部である固定部40Dが、フェンダ14のフランジ14Cにおける縦壁部14B近傍に当接している。従って、シール部材40とボルト38とが干渉しない構成となっていると共に、図1に示される如く、エンジンフード18における延設部材22の端末部22Bによって、シール部材40の第1シール部40Aが押圧された場合には、固着部40Cにおけるフランジ14Cへの固定と、固定部40Dの車幅方向外側への移動がフェンダ14の縦壁部14Bで阻止されることで第1シール部40Aに反力が発生するようになっている。
【0029】
一方、第2シール部40Bは、フードインナパネル20のフランジ20Aからの下方へ伸ばした直線Lより車幅方向内側に設定された分岐点Pにおいて第1シール部40Aから分岐している。また、第2シール部40Bは、分岐点Pから車幅方向外方へ凸形状のアーチ状に上方へ延設されたリップ片となっており、図2に示される如く、延設部材22の端末部22Bによって、第1シール部40Aが押圧されていない状態では、フードインナパネル20のフランジ20Aと第2シール部40Bの先端との間に距離Mの隙間が形成され、エンジンフード18を閉める際に、延設部材22と第2シール部40Bの先端とが干渉することが無く、第2シール部40Bがフランジ20Aの車幅方向内側(エンジンルーム46内)に入るようになっている。
【0030】
また、シール部材40の第2シール部40Bにおける分岐点Pの車幅方向内側部には車体前後方向に伸びる凹部44が形成されており、第2シール部40Bにおける分岐点P近傍が変形し易くなっている。従って、図1に示される如く、延設部材22の端末部22Bによって、第1シール部40Aが押圧された場合には、第2シール部40Bが凹部44を形成した部位を起点にして容易に変形し、フードインナパネル20のフランジ20Aに密着するようになっている。また、車両の高速走行等によって、エンジンルーム46内の気圧に比べ車外の気圧が低下した場合には、この気圧差によって、第2シール部40Bが凹部44を形成した部位を起点に容易に変形し、フードインナパネル20のフランジ20Aに密着するようになっている。
【0031】
次に本実施形態の作用を説明する。
【0032】
本実施形態では、シール部材40における第1シール部40Aとエンジンフード18における延設部材22の端末部22Bとのシール部及び、シール部材40における第2シール部40Bとエンジンフード18における延設部材22の一般部22Aとで2重にシールできる。また、車両の高速走行等によって、エンジンルーム46内の気圧に比べ車外の気圧が低下した場合には、この気圧の差によって、第2シール部40Bが凹部44を形成した分岐点P近傍の部位を起点に容易に変形し、フードインナパネル20のフランジ20Aに密着する。即ち、エンジンフード18の内側から圧力の作用する方向(図1の矢印B方向)と、第2シール部40Bが延設部材22の一般部22Aを押圧する方向とが一致する。このため、高いシール性を確保できる。
【0033】
また、図1に二点鎖線で示す様に、エンジンフード18が車体から所定量浮いた場合にも、第2のシール部40Bが延設部材22の一般部22Aに密着し続けるため、高速走行時にも高いシール性を確保できる。この結果、風切音の発生、操縦安定性の悪化、空力性能の悪化等を低減できる。
【0034】
また、本実施形態では、図1に示される如く、シール部材40における第1シール部40Aは、固着部40Cから上方へ凸形状のアーチ状に車幅方向外側へ延設されたリップ片となっており、第1シール部40Aの車幅外側方向の先端部である固定部40Dが、フェンダ14のフランジ14Cにおける縦壁部14Bの近傍に当接している。従って、シール部材40と締結部材としてのボルト38との干渉を防止できると共に、エンジンフード18における延設部材22の端末部22Bによって、シール部材40の第1シール部40Aが押圧された場合には、固定部40Dの車幅方向外側への移動がフェンダ14の縦壁部14Bで阻止される、即ち、固着部40Cと固定部40Dとの2点で第1シール部40Aを支持することで高い反力が得られ、シール性が向上する。
【0035】
また、本実施形態では、図2に示される如く、第2シール部40Bは、分岐点Pから車幅方向外方へ凸形状のアーチ状に上方へ延設されたリップ片となっており、延設部材22の端末部22Bによって、第1シール部40Aが押圧されていない状態では、フードインナパネル20のフランジ20Aと第2シール部40Bの先端との間に距離Mの隙間が形成されている。このため、エンジンフード18を閉める際に、延設部材22と第2シール部40Bの先端とが干渉することが無く、第2シール部40Bがエンジンルーム46内に必ず入る。
【0036】
また、本実施形態では、シール部材40をフェンダ14のフランジ14Cのエッジに取り付けたため、フェンダ14におけるフランジ14Cのエッジプロテクタをシール部材40によって兼用できる。
【0037】
次に、本発明における車両のシール構造の第2実施形態を図4及び図5に従って説明する。
【0038】
なお、第1実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0039】
図4に示される如く、本実施形態では、シール部材48における第1シール部48Aは中空部であり、第2シール部48Bは中空部とした第1シール部48Aから分岐して延設されたリップ片となっている。
【0040】
図5に示される如く、第2シール部48Bは、フードインナパネル20のフランジ20Aからの下方へ伸ばした直線Lより車幅方向略内側に設定された分岐点Pにおいて第1シール部48Aから分岐している。また、第2シール部48Bは、分岐点Pから車幅方向外方へ凸形状のアーチ状に上側へ延設されたリップ片となっており、図5に示される如く、延設部材22の端末部22Bによって、第1シール部48Aが押圧されていない状態では、フードインナパネル20のフランジ20Aと第2シール部48Bの先端との間に距離Mの隙間が形成され、エンジンフード18を閉める際に、延設部材22と第2シール部48Bの先端とが干渉することが無く、第2シール部48Bがエンジンルーム46内に入るようになっている。
【0041】
また、延設部材22の端末部22Bによって、第1シール部48Aが押圧された場合には、第2シール部48Bが変形し、フードインナパネル20のフランジ20Aに密着するようになっている。また、車両の高速走行等によって、エンジンルーム46内の気圧に比べ車外の気圧が低下した場合には、この気圧の差によって、第2シール部48Bが変形し、フードインナパネル20のフランジ20Aに密着するようになっている。
【0042】
また、本実施形態のシール部材48は中空部の下部48Cにおいてフェンダ14のフランジ14Cにクリップ等を併用した両面テープによる接着等によって固定されている。
【0043】
次に本実施形態の作用を説明する。
【0044】
本実施形態では、シール部材48における第1シール部48Aとエンジンフード18における延設部材22の端末部22Bとのシール部及び、シール部材48における第2シール部48Bとエンジンフード18における延設部材22の一般部22Aとで2重にシールできる。また、車両の高速走行等によって、エンジンルーム46内の気圧に比べ車外の気圧が低下した場合には、この気圧の差によって、第2シール部48Bが変形し、フードインナパネル20のフランジ20Aに密着する。即ち、エンジンフード18の内側から圧力の作用する方向(図4の矢印B方向)と、第2シール部48Bが延設部材22の一般部22Aを押圧する方向とが一致する。このため、高いシール性を確保できる。
【0045】
また、エンジンフード18が車体から所定量浮いた場合にも、第2のシール部48Bが延設部材22の一般部22Aに密着し続けるため、高速走行時にも高いシール性を確保できる。
【0046】
また、本実施形態では、延設部材22の侵入方向に車幅方向等のばらつきが発生した場合にも、中空部とした第1シール部48Aが延設部材22における端末部22Bに当接し確実に弾性変形するため、確実にシールできる。また、第1シール部48Aを中空部としたことで、第1シール部48Aの形状誤差が少なく管理し易い。
【0047】
また、本実施形態では、図5に示される如く、第2シール部48Bは、分岐点Pから車幅方向外方へ凸形状のアーチ状に上方へ延設されたリップ片となっており、延設部材22の端末部22Bによって、第1シール部48Aが押圧されていない状態では、フードインナパネル20のフランジ20Aと第2シール部48Bの先端との間に距離Mの隙間が形成されている。このため、エンジンフード18を閉める際に、延設部材22と第2シール部48Bの先端とが干渉することが無く、第2シール部48Bがエンジンルーム46内に必ず入る。
【0048】
次に、本発明の車両のシール構造の第3実施形態を図6及び図7に従って説明する。
【0049】
なお、第2実施形態と同一部材は、同一符号を付してその説明を省略する。
【0050】
図6に示される如く、本実施形態では、フードインナパネル20の車幅方向外側端部20Cが、フードパネル12の車幅方向外側端部12Cにフェミング加工により結合されており、フードインナパネル20における車幅方向外側端部20C近傍の下面20Dにシール部材48の固定部48Cがクリップ等を併用した両面テープによる接着等によって固定されている。
【0051】
一方、フェンダ50は樹脂材により構成されており、フードパネル12の折り返し部12Aに対向しているフェンダ50の車幅方向内側縁部50Aは、下方に向かって屈曲されており、車幅内側斜め下方に向かって延設された傾斜壁部50Bが形成されている。この傾斜壁部50Bの下端部には、車幅方向内側へ向かってフランジ50Cが形成されており、フランジ50Cの先端部には、車幅方向内側斜め上方に向かって延設された延設部50Dが形成されている。
【0052】
即ち、本実施形態では、フェンダ50の延設部50Dが、一般部52Aと端末部52Bとからなる延設部材52を形成しており、延設部材52の端末部52Bは、第1シール部48Aを傷つけないよう断面円弧状となっている。
【0053】
また、フェンダ50におけるフランジ50Cには、車両前後方向に所定の間隔で取付孔36が穿設されており、これらの取付孔36とエプロンアッパメンバアッパ26の取付孔32には、ボルト38が上方から挿入されており、このボルト38をナット34に締め込むことによって、フェンダ50におけるフランジ50Cが、エプロンアッパメンバアッパ26の上壁部26Dに固定されている。なお、フェンダ50における延設部50Dの根元部近傍には、ノッチ51が形成されており、衝突体が車両の上方から衝突した際に、延設部50Dを折れ易くして衝突体への衝撃荷重を緩和できるようになっている。
【0054】
図6に二点鎖線で示される如く、シール部材48の第2シール部48Bは、延設部材52の端末部52Bからの上方へ伸ばした直線Hより車幅方向内側に設定された分岐点Pにおいて第1シール部48Aから分岐している。また、第2シール部48Bは、分岐点Pから車幅方向外方へ凸形状のアーチ状に下方へ延設されたリップ片となっており、延設部材52の端末部52Bによって、第1シール部48Aが押圧されていない状態では、延設部材52の端末部52Bと第2シール部48Bの先端との間に距離Mの隙間が形成され、エンジンフード18を閉める際に延設部材52と第2シール部48Bの先端とが干渉することが無く、第2シール部48Bが延設部材52の一般部52Aの車幅方向内側(エンジンルーム46内)に入るようになっている。
【0055】
また、図6に実線で示す様に、延設部材52の端末部52Bによって、第1シール部48Aが押圧された場合には、第2シール部48Bが変形し、延設部材52の一般部52Aに密着するようになっている。また、車両の高速走行等によって、エンジンルーム46内の気圧に比べ車外の気圧が低下した場合には、この気圧の差によって、第2シール部48Bが変形し、延設部材52の一般部52Aに密着するようになっている。
【0056】
更に、本実施形態では、シール部材48がエンジンフード18の左右及び後部の外周縁部に沿って平面視コ字状に連続して配置されており、図7に示される如く、エンジンフード18の後部におけるカウルパネル56と対向する部位においては、樹脂材によって構成されたカウルルーバー58の前端部に車両後方向斜め上方に向かって延設された延設部58Aによって、シール部材48の第1シール部48Aが押圧されている。
【0057】
即ち、本実施形態では、カウルルーバー58の延設部58Aが、一般部60Aと端末部60Bとからなる延設部材60を形成しており、延設部材60の端末部60Bは、第1シール部48Aを傷つけないよう断面円弧状となっている。
【0058】
図7に二点鎖線で示される如く、シール部材48の第2シール部48Bは、延設部材60の端末部60Bからの上方へ伸ばした直線Hより車両前側に設定された分岐点Pにおいて第1シール部48Aから分岐している。また、第2シール部48Bは、分岐点Pから車両前方へ凸形状のアーチ状に下方へ延設されたリップ片となっており、延設部材60の端末部60Bによって、第1シール部48Aが押圧されていない状態では、延設部材60の端末部60Bと第2シール部48Bの先端との間に距離Mの隙間が形成され、エンジンフード18を閉める際に延設部材60と第2シール部48Bの先端とが干渉することが無く、第2シール部48Bが延設部材60の一般部60Aの車両前側(エンジンルーム46内)に入るようになっている。
【0059】
また、図7に実線で示す様に、延設部材60の端末部60Bによって、第1シール部48Aが押圧された場合には、第2シール部48Bが変形し、延設部材60の一般部60Aに密着するようになっている。また、車両の高速走行等によって、エンジンルーム46内の気圧に比べ車外の気圧が低下した場合には、この気圧の差によって、第2シール部48Bが変形し、延設部材52の一般部52Aに密着するようになっている。
【0060】
次に本実施形態の作用を説明する。
【0061】
本実施形態では、図6に示される如く、シール部材48における第1シール部48Aとフェンダ50における延設部材52の端末部52Bとのシール部及び、シール部材48における第2シール部48Bとフェンダ50における延設部材52の一般部52Aとで2重にシールできると共に、図7に示される如く、シール部材48における第1シール部48Aとカウルルーバー58における延設部材60の端末部60Bとのシール部及び、シール部材48における第2シール部48Bとカウルルーバー58における延設部材60の一般部60Aとで2重にシールできる。
【0062】
また、車両の高速走行等によって、エンジンルーム46内の気圧に比べ車外の気圧が低下した場合には、この気圧の差によって、第2シール部48Bが変形し、延設部材52、60の一般部52A、60Aにそれぞれ密着する。即ち、エンジンフード18の内側から圧力の作用する方向と、第2シール部48Bが延設部材52、60の一般部52A、60Aを押圧する方向とが一致する。このため、高いシール性を確保できる。
【0063】
また、エンジンフード18が車体から浮いた場合にも、第2のシール部48Bが延設部材52、60の一般部52A、60Aに密着し続けるため、高速走行時にも高いシール性を確保できる。
【0064】
また、本実施形態では、延設部材52、60の侵入方向に車幅方向または車両前後方向等のばらつきが発生した場合にも、中空部とした第1シール部48Aが延設部材52、60における端末部52B、60Bに当接し確実に弾性変形するため、確実にシールできる。また、第1シール部48Aを中空部としたことで、第1シール部48Aの形状誤差が少なく管理し易い。
【0065】
また、本実施形態では、第2シール部48Bが、分岐点Pから車幅方向外方へ凸形状のアーチ状に上側へ延設されたリップ片となっており、延設部材52、60の端末部52B、60Bによって、第1シール部48Aが押圧されていない状態では、延設部材52、60の端末部52B、60Bと第2シール部48Bの先端との間に距離Mの隙間が形成されている。このため、エンジンフード18を閉める際に延設部材52、60と第2シール部48Bの先端とが干渉することが無く、第2シール部48Bがエンジンルーム46内に必ず入る。
【0066】
また、本実施形態では、シール部材48をエンジンフード18側に設けたため、エンジンフード18を開放した時、車体側にシール部材48が残らない。この結果、車体側の外観品質が向上する。また、エンジンフード18の外周部に沿って連続してシール部材48を配設することができるため、部品点数を低減することができ、組付性が向上すると共にコストも低減できる。
【0067】
なお、本実施形態では、フェンダ50におけるフランジ50Cの先端部を車幅方向内側斜め上方に向かって延設した延設部50Dを延設部材52としたが、これに代えて、図8に示される如く、フェンダ50におけるフランジ50Cの先端部を下方に向かって延設した延設部50Eを延設部材52とした構成としても良い。なお、この構成では、延設部材52の上端部がフランジ50Cより上方へ突出した断面円弧状の端末部52Bとなっており、端末部52Bの下方側が一般部52Aとなっていると共に、フェンダ50の傾斜壁部50Bとフランジ50Cの下面に、延設部50Eを支持するリブ50Fが一体成形されており、延設部材52の剛性アップを図っている。
【0068】
また、本実施形態では、フェンダ50を樹脂材で構成したが、図9に示される如く、フェンダ50をアルミ等の軽合金を含む金属により構成しても良い。なお、この構成では、延設部材52の端末部52Bを湾曲させ、シール部材48の第1シール部48Aを傷つけない構成にしている。
【0069】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記各実施形態におけるシール部材は、エンジンフードが浮き上がり延設部材の端末部と第1シール部との間のシールが切れ始める状態でのエンジンルーム内外圧差内で第2シール部が変形して延設部材の一般部に密着する程度に柔軟性を有することが必要であり、シール部材の材料は、特に限定しないが、樹脂系に比べ温度への依存性の小さいゴム系の材料が好ましい。また、蓋体はエンジンフードに限定されず、サイドドア、ラゲージドア等としても良い。
【0070】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明は、車体に形成された蓋体の略開閉方向に延設される延設部材と、第1シール部と第2シール部とを有するシール部材と、を備え、第1シール部は、シール部材を延設部材より蓋体の中央側で車体に固着する固着部から延設され、先端部に車体で蓋体より外側への移動を阻止される固定部を有し、延設部材の閉じ方向の押圧に伴う固着部と固定部との2点間の変形により反力を発生させる延設部材側へ膨らんだアーチ形状のリップ片であり、第2シール部は、蓋体の開状態で延設部材より蓋体の中央側にて第1シール部から分岐して車両上方へ蓋体の外側へ膨らんだアーチ形状に延設され、第1シール部の変形に伴い延設部材の一般部を蓋体の開閉方向と略垂直な方向にシールするリップ片であるため、高速走行時にも高いシール性を確保できるという優れた効果を有する。また、第1シール部との間で高いシール性が得られると共にシール部材と車体や蓋体に配設された締結部材との干渉も防げるという優れた効果を有する。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図3の1−1線に沿った断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係る車両のシール構造におけるエンジンフードが閉まる前の状態を示す図1に対応する断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態に係る車両のシール構造が適用された車両を示す斜視図である。
【図4】 本発明の第2実施形態に係る車両のシール構造を示す図1に対応する断面図である。
【図5】 本発明の第2実施形態に係る車両のシール構造を示す図2に対応する断面図である。
【図6】 本発明の第3実施形態に係る車両のシール構造を示す図1に対応する断面図である。
【図7】 本発明の第3実施形態に係る車両のシール構造における図3の7−7に沿った断面図である。
【図8】 本発明の第3実施形態の変形例に係る車両のシール構造を示す図6に対応する断面図である。
【図9】 本発明の第3実施形態の変形例に係る車両のシール構造を示す図6に対応する断面図である。
【図10】 従来技術における車両のシール構造を示す断面図である。
【図11】 従来技術における車両のシール構造を示す断面図である。
【符号の説明】
12 フードパネル
18 エンジンフード(蓋体)
20 フードインナパネル
22 延設部材
22A 延設部材の一般部
22B 延設部材の端末部
24 エプロンアッパメンバ
38 ボルト(締結部材)
40 シール部材
40A シール部材の第1シール部
40B シール部材の第2シール部
40C シール部材の固着部
40D シール部材の固定部
48 シール部材
48A シール部材の第1シール部
48B シール部材の第2シール部
50 フェンダ
52 延設部材
52A 延設部材の一般部
52B 延設部材の端末部
56 カウルパネル
58 カウルルーバー
60 延設部材
60A 延設部材の一般部
60B 延設部材の端末部

Claims (1)

  1. 車体に形成された蓋体の略開閉方向に延設される延設部材と、第1シール部と第2シール部とを有するシール部材と、を備え、
    前記第1シール部は、前記シール部材を前記延設部材より前記蓋体の中央側で車体に固着する固着部から延設され、先端部に前記車体で前記蓋体より外側への移動を阻止される固定部を有し、前記延設部材の閉じ方向の押圧に伴う前記固着部と前記固定部との2点間の変形により反力を発生させる前記延設部材側へ膨らんだアーチ形状のリップ片であり、
    前記第2シール部は、前記蓋体の開状態で前記延設部材より前記蓋体の中央側にて前記第1シール部から分岐して車両上方へ前記蓋体の外側へ膨らんだアーチ形状に延設され、前記第1シール部の変形に伴い前記延設部材の一般部を前記蓋体の開閉方向と略垂直な方向にシールするリップ片であることを特徴とする車両のシール構造。
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