JP4083358B2 - 半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置 - Google Patents

半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、頚椎・胸椎で裁断された片側の豚かた部位を予め人手により筋入れ前処理を行い、該前処理済みの頚椎・胸椎の半分、上腕骨、肩甲骨、橈骨、尺骨等を含む豚かた部位を懸垂状態で装置内を搬送し, 装置内の各ステーションでクランプ爪、ワーク回転昇降装置、カッタ装置、肉押え装置、位置測定装置等を作動させて自動的に脱骨を行う半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置と該脱骨装置を使用した脱骨システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
豚かた部位肉の脱骨は、―部で補助器具を使用する以外は全てナイフを用いて手作業で行われているのがー般であって、椎骨、肋骨の自動脱骨装置として開示されたものがあるが(特開平10-179014および特開平10-179015)、これらは食肉用屠体の半丸枝肉より分割したロース・ばら部の脱骨作業のー端としての椎骨の棘突起剥離、肋骨関節部脱骨および肋骨の自動脱骨装置であり、かた部位を搬送しながら各ステーションで順次脱骨していくー貫作業を自動的に行うものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、食肉用屠体のかた部位肉の脱骨作業においては部分的に補助器具が用いられたり、或は一部自動脱骨の装置が提案されているが、大部分は人手による筋入れ、切り削ぎ、剥離が行われており特に剥離にはかなり大きな力を要し作業者は重労働を余儀なくされ、また作業者がワークである前記かた部位肉に接触する時間が長く衛生上の問題もある。
【0004】
さらに、上述の手作業による脱骨は複雑なナイフ捌きを必要とし煩雑な手数と時間を要するものであり、且つその結果は脱骨歩留りの良不を左右するので熟練者による作業が求められコストアップの要因をなしている。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、手作業は非熟練者でも容易な数カ所の筋入れのみに限定し、その他の切り削ぎ、剥離等の熟練や力を要する作業は段階を追って順次自動的に行う豚うで・かたロース肉脱骨装置と該脱骨装置を使用した脱骨システムの提供を目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述した課題を解決するために以下のように構成される。
筋入れ前処理を施した頚椎・胸椎で縦断された片側の豚のかた部位を搬送ライン上の台車装置で把持・懸垂し、前腕骨、上腕骨、肩甲骨、頚椎、胸椎および肋骨等を脱骨する脱骨装置であって、うで部とかたロース部を切り離すまでの複数の加工ステーションからなる第1の加工ステーション群と、うで部の前腕骨、上腕骨、肩甲骨を取り除く複数の加工ステーションからなる第2の加工ステーション群と、かたロース部の頚椎、胸椎、肋骨を取り除く複数の加工ステーションからなる第3の加工ステーション群と、ワークを把持して各ステーション間を搬送する台車装置と、該台車を搬送する搬送装置とを含む半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置において、
前記第1加工ステーション群は、ワークである豚かた部位肉の足首を足首クランパに取り付けるステーション1−1と、豚かた部位の懸垂状態でのかた部位最下端の位置をセンサにて感知して基準位置からかた部位最下端までのワーク長さを検出するワーク長さ検出装置が配設されたステーション1−2と、ワークのかたロース部を押し下げてかたロース肉とうで肉を結合膜部で引き剥がしさらに残った膜部を切断するかたロース部剥離切断装置が配設されたステーション1−3と、肩甲骨表面の肉を切りながら剥がす肩甲骨部切込み剥離装置が配設されたステーション1−4と、うで部とかたロース部とを切断分離するかたロース部切断分離装置が配設されたステーション1−5とを含む構成とし、
前記第2の加工ステーション群は、足首で把持し懸垂された豚うで部に筋入れ前処理を施したワークである豚うで部の基準位置からの肩甲骨の高さを測定する肩甲骨高さ測定装置が配設されたステーション2−1と、肩甲骨首元裏側筋入れ装置と、肩甲骨剥がし装置が配設されたステーション2−2と、複数の前腕骨および上腕骨引き剥がし装置が配設されたステーション2−3と、うで部切断分離装置が配設されたステーション2−4とを含む構成とし、
更に前記第3の加工ステーション群は、前記第1加工ステーション群で分離されたかたロース部を固定した状態で行う肋骨上面高さ測定装置が配設されたステーション3−1と、棘突起筋入れ装置が配設されたステーション3−2と、かたロース切込み・肋骨高さ測定・棘突起厚測定装置が配設されたステーション3−3と、かたロース・棘突起切り離し装置が配設されたステーション3−4と、複数のかたロース・椎骨切り離し装置が配設されたステーション3−5と、スペアリブ・椎骨切断分離装置が配設されたステーション3−6とを含み、
前記第1加工ステーション群にて、ワーク長さ検出装置にて前記かた部位最下端の位置をセンサにて感知して基準位置からかた部位最下端までのワーク長さを検出後、該検出されたワーク長さに基づいて前記第1加工ステーション群のステーション1−3,1−4及び1−5に夫々配設された装置によりかたロース部のうで部からの切り落としを行った後、
前記かたロース部が切り落とされたワークについて人手により豚うで部の筋入れの前処理を行い、
その後前記第2の加工ステーション群、筋入れ前処理を施した豚うで部の基準位置からの肩甲骨の高さを測定後に、豚うで部の肩甲骨及び前腕骨と上腕骨の引き剥がしを行い、
更に前記第3加工ステーション群は、固定されたかたロース部の肋骨上面高さ位置を第一基準値、棘突起厚さを第二基準値とし、前記第一および第二基準値に基づいて第3ステーションのステーション3−4,3−5及び3−6に夫々配設された装置によりかたロース部の脱骨とスペアリブカットを行うことを特徴とする半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置を提案する
【0007】
前記第1加工ステーション群は、前記ワークのうで部とかたロース部とを切断分離するまでの脱骨を自動的に行う複数の加工ステーションであって、足首を把持して懸垂されたワークのかたロース部最下端の位置を検出してこのステーショングループの最後のステーションでうで部とかたロース部とを切り離す位置を算出する(個体によってワークの大きさが異なり従って懸垂状態でうで部とかたロース部とを切り離すべき位置が異なる)検出装置と、ワークのかたロース部を押し下げてうで肉とかたロース肉とを結合している膜部で両者を剥離し更に残る膜部を切断するかたロース部剥離切断装置と、つぎに肩甲骨と肉との結合が強くて剥離困難な部分を肉部に切込みを入れながら剥がす肩甲骨部切込み剥離装置と、うで部とかたロース部とを切断分離するかたロース切断分離装置とを含む構成としてある。
【0008】
又、台車装置は、ワークの足首を把持して前記搬送レール上を走行する台車装置であって、前記ワークの足首を強固に把持するクランパと該クランパを搬送する台車と、該台車を貫通する連結シャフトよりなり、該連結シャフトはその下端部に前記クランパが固着され上端部は外力によって前記連結シャフトが前記台車に対して回転および昇降可能に構成され、前記台車には搬送爪嵌合部及び固定爪嵌合部が設けられている。
【0009】
請求項記載の発明は、前記第1加工ステーション群におけるワーク長さ検出装置であって、リミットスイッチと、昇降ユニットと、センシングバーとを備え、該センシングバーの前記ワークの下端への接触を感知してワークの基準位置からの長さを測定する。
【0013】
請求項記載の発明は、ワークのうで部とかたロース部を切断分離するかたロース部切断装置であって、カッタを振動的に往復動させて肉部を切断するもので切断装置と背面支持装置からなり、該切断装置はカッタを往復動させる振動機構と、カッタの水平面に対する角度を変更できる角度変更モータと、カッタに切り込みを与えるカッタ切り込みモータと、これらを昇降させる昇降部とを備え、背面支持装置は背面プレート昇降モータと背面プレートを備え、該背面プレートは2枚の平行なプレートからなり、前記背面支持装置は前記カッタが前記2枚の平行な背面プレートの中間位置で肉部を切断するように前記かたロース部切断分離装置の昇降に同期して昇降される。かくてワークは前記2枚の背面プレートによって確実に支えられてそれらの中間部で正確に切断される。
【0014】
【0015】
請求項記載の発明は、前記第2加工ステーション群における前記肩甲骨の高さを測定する装置であって、測定板を前腕骨に押し当てて下降させ、該測定板が上腕骨と肩甲骨の関節部に嵌まると測定板が前進するのを検出器の変位置で感知して測定板の位置を測定し基準面からの肩甲骨高さを算出するもので、該高さは後工程で肩甲骨首元部を把持する際のクランプヘッドの位置を算出するデータとなる。
【0016】
請求項記載の発明は、前記第2加工ステーション群における上腕骨と肩甲骨の関節部の肩甲骨裏側で肉との結合が強固な部分に筋入れを行う装置であって、肩甲骨首元を跨いで筋入れを行うものであって、サークルカッタを揺動、前進させて筋入れを行う。
【0017】
請求項記載の発明は前記第2加工ステーション群における、肩甲骨首元部を先に算出された位置に下降されたクランプヘッドの爪で把持し手前側に引き倒して肩甲骨を除去する装置であって、前記クランプヘッドは爪を前記肩甲骨首元部に押し当て爪を開いて嵌入する際にクランプヘッドを揺動させて前記爪による肩甲骨首元部を確実に掴むようにしている。
【0018】
請求項記載の発明は、前記第2加工ステーション群における前腕骨および上腕骨の肉との結合を引き剥がすためのミートセパレータであって、先端部がU字形凹形状の2枚の爪板で骨を挟んだ状態でワークが上昇されることによって前記結合が引き剥がされるもので、骨が部位によって形状、大きさが異なるため複数の各ステーションでは骨形状,大きさに適合したU字形状の爪板を持つミートセパレータで引き剥ぎを行う。また、ステーションによっては引き剥ぎ後に前記爪板直上で骨全周に亘って肉や筋の切断を行うためのカッタ装置が設けられている。
【0019】
請求項記載の発明は、肘頭高さ測定のためミートセパレータの2枚の爪板のうち一方の爪板の先端部を凸形状とし、また前腕骨側面肘頭付近の骨と肉の結合は強固で引き剥ぎだけで骨と肉を剥がすことが困難のためナイフ状刃物で削ぐようにして引き剥がすようにしてある。
【0020】
請求項記載の発明は、前記ミートセパレータの構成であって、中間で枢支された2個のセパレータうでのそれぞれ上端に骨を挟む爪板を有し、シリンダで下端側を押し或は引いてミートセパレータを開閉し前記爪板は骨を挟む際に両爪板が上下に重なるようにして骨の周囲をまんべんなく挟むようにしたものである。
【0021】
【0022】
又、前記かたロース肉搬送台車装置であって、台車を貫通する連結シャフトの下端にワークであるかたロース部を固定するかたロース肉クランパが固設され、該連結シャフトの上端側は外力によって連結シャフトを台車に対して昇降可能に構成され、前記台車には搬送爪嵌合部及び固定爪嵌合部が設けられている。
【0023】
請求項1記載の発明は、前記第3加工ステーション群における前記かたロース肉固定装置(かたロース肉クランパ)であって、複数個の鉤形の爪を爪揺動シリンダを作動して前記ワークの肋骨間の肉部に食い込ませ、爪トグルロックシリンダを作動して前記爪をロックしてワークをクランパテーブルに強固に固定する構成としてある。
【0024】
請求項1記載の発明は、前記第3加工ステーション群における棘突起筋入れ装置であって、かたロース押さえシリンダを作動してかたロースの上部を押え、下部を手前へ引き戻しておいて、ナイフ状カッタを往復動しながら下降して棘突起に沿って肉との結合部を切り下げていくもので、前記ナイフ状カッタは脱骨の歩留まり向上のため前記棘突起上の場所によって角度を変えて切り下げる。
【0025】
請求項1記載の発明は、肋骨上面高さの測定であって、該測定データに基いてつぎの工程でのカッタの進入位置がきめられる。測定レバーを装着した装置が前後左右に移動して肋骨付け根の上部に停止し、つぎにワークが上昇されて前記レバーが前記肋骨付け根に接触する時点の位置を測定して前記肋骨上面高さを算出する。
【0026】
請求項13記載の発明は、前記第3加工ステーション群におけるかたロースとスペアリブを切り離す装置であって、前記肋骨上面高さ測定値を基に円弧状カッタと丸刃カッタを備えたカッタ台に対して最適位置になるようにワークを昇降し、つぎに両カッタが左右方向に揺動しながら斜め下方に前進して、円弧状カッタが肋骨直下を棘突起に当るように切り進み、円弧状カッタが棘突起上面に当って前進できなくなった時点のカッタ台位置を測定して棘突起厚さを算出する。前記肋骨上面高さと棘突起厚さの測定結果は後の工程でも使用される。なお、前記丸刃カッタはカッタ台にスプリングを介して装着されていて、その刃先が円弧状カッタの刃先より先に骨に当っても逃げられるようにしてある。
【0027】
請求項1記載の発明は、前記第3加工ステーション群における前記複数のかたロース・椎骨切り離し装置は、棘突起表面カット装置と、頚椎側面カット装置と、頚椎上面カット装置と、かたロース分離切断装置とからなり、各装置はそれぞれナイフ状カッタを備えたカッタ装置と、胸椎押えシリンダ、頚椎押えシリンダ及びかたロース戻しシリンダを備えた肉押え装置とからなることを特徴とするカッタ装置であって、各装置はシリンダを作用させてワークの胸椎と頚椎を押え、さらに肉を骨に残さないためにかたロース戻しシリンダが作用してかたロースを引っ張って棘突起及び頚椎付近の肉にテンションをかけて切断を容易にしてある。
【0028】
請求項1記載の発明は、前記第3加工ステーション群における棘突起、胸椎、頚椎に沿ってかたロースを切り離す各装置に用いられるカッタ装置であって、ナイフ状カッタが先に測定された肋骨上面高さと棘突起厚さとを基に最適位置に移動され、カッタ台に取り付けられた移動可能に載置されたカッタが水平方向に移動することによって骨に沿ってカットする。前記移動中にカッタが下方に曲がった頚椎に当るとカッタ台はカッタ昇降サーボモータの作動によって下降され、かくてカッタは常に骨に沿ってカットすることができる。
なお、前記カッタはカッタテンションシリンダによって切り込み方向に一定の力で押されており、また前記カッタ台を水平方向に移動して切り込みを行わせる切り込みシリンダには減圧弁を設けてカッタが骨を切ることがないようにしてある。
【0029】
請求項1記載の発明は、前記第3加工ステーション群におけるスペアリブと椎骨を切断分離する装置であって、棘突起押えシリンダが作動して棘突起をクランパテーブルに押しつけた後、かたロース肉クランパの爪トグルロックシリンダが作動してロックを解除することによって爪をはずし、カッタ上下シリンダが作動して鋸刃の円盤状回転カッタが最適位置に移動し、カッタスライドシリンダが作動してスペアリブを切り離す。
【0030】
又本発明は、ワークを懸垂した台車を各加工ステーションに順次搬送する搬送ラインであって、搬送装置、台車固定装置、搬送ピッチ変更装置を備えている。
特に本発明は、要所要所のステーションでワークの寸法測定を自動的に行って後工程でのワークやカッタの最適位置を算出しワークの個体差に自動的に対応して順次脱骨を行っていく脱骨システムである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に設明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
先ず、本発明の装置およびシステムの構成および作動の理解を容易にするために、豚かた部位肉の脱骨工程を説明する。
【0032】
図1は頚椎・胸椎で縦断された片側の豚かた部位肉を本発明の脱骨装置に取り付ける前に人手により行う筋入れ箇所を示す。図1(A)は前腕骨筋入れ箇所を、図1(B)は椎骨およびスペアリブ筋入れ箇所を示す。図1(A)、(B)において、1は橈骨、2は尺骨、3は上腕骨、4は胸椎、5は頚椎、6は肋骨、7は棘突起である。橈骨1と尺骨を合せて前腕骨と呼び、肉が付いた肋骨部をスペアリブと呼ぶ。図1(A)に示すように、前腕骨筋入れ21は橈骨体側面と尺骨体表面・側面の肉を切り開いた後、肘頭8の周りの肉を切り開いて肘頭を露出させる。つぎに、図1(B)に示すように、椎骨上面肉削ぎ落し22を行った後頚椎5に沿って筋入れ23を行い、そのまま一太刀でスペアリブ側面からかたバラとの結合膜に沿ってスペアリブ筋入れ24をおこなってうで部とかたロース部を分離するきっかけを作る。
以上が豚かた部位肉を本発明の脱骨装置に取り付ける前の筋入れ前処理である。
【0033】
図2は前記前処理済の豚かた部位肉の前腕骨端部(以下足首と呼ぶ)を足首クランパ34で把持、懸垂して行う脱骨工程のうちかたロース部位肉を切り離すまでの工程を示し、図2(A)〜(E)に示されるSTa1〜STa5の5つの工程よりなっている。
STa1は、ワーク投入工程でワークである前記前処理を施した豚かた部位肉の足首を人手により足首クランパ34に取り付ける。
STa2は、ワーク長さ測定工程で、ワークは懸垂状態でかた部位肉の切断面17が水平面18に対して約60°の角度をなしており、該切断面17の方向に沿って上昇するセンシングバー50のワーク下端への接触を感知してその位置を測定し基準位置(クランパ下面)からのワーク長さを算出する。
【0034】
STa3は、うで・かたロース部引き剥がし第一工程で、かたロース肉とうで肉をその結合膜部で剥離切断するもので、剥がし板66a、66dでスペアリブとかたロース部を押し下げて前記膜部をある程度剥がした後、更に残りの肉間結合が強固な膜部をカッタ68を入れて切断する。なお、図2には剥がし板は2枚しか描かれていないが、後述するようにスペアリブ押し下げ用が2枚とかたロース肉押し下げ用が2枚の計4枚の板がそれぞれ高さ位置を違えて配設されている。
STa4は、うで・かたロース部引き剥がし第二工程で、肩甲骨部肉切り込み剥離工程であって、肩甲骨9に強固に結合した肉部にカッタ80で骨表面まで多数の切込みを入れながら剥がし板85で押し下げていくもので、前記カッタ80は前記剥がし板85と一緒に押し下げられる。
STa5は、うで・かたロース部切断分離工程で、うで部とかたロース部を切断分離する。
以上で豚かたロース部がうで部から切り落とされた。つぎに、クランパに足首を把持され懸垂状態で残ったうで部に人手による筋入れを行う箇所が図3(A)〜(D)に示されている。
【0035】
図3(A)はかたバラ筋入れを示し、かたバラ15を膜に沿って剥ぎ起こす。同図(B)は上腕骨上面筋入れを示し、すね肉16を前腕骨・上腕骨関節部11より切り離した後上腕骨3の表面から肉を切り開いていく。同図(C)は上腕骨側面筋入れを示し、前腕骨・上腕骨関節部11より上腕骨右側面に筋入れ25を行い、つぎに上腕骨頭の左側面から肩甲骨9の左側面に沿って一太刀で筋入れ26を行う。同図(D)は肩甲骨右側面筋入れを示し、上腕骨・肩甲骨関節部12の筋を切断した後肩甲骨上面の肉を剥ぎ起こし、前記上腕骨・肩甲骨関節部12から肩甲骨右側面に沿って筋入れ27を行う。
【0036】
以上で豚うで部の人手による筋入れを終る。図4,5は筋入れを終えたワークである豚うで部肉の脱骨工程を示す。工程は図4,5(A)〜(M)に示すSTb1〜STb13の13工程からなる。同図(B)と(C)はワークを側面から見た図で他は前面からみた図である。
【0037】
図4(A)のSTb1は、肩甲骨高さ測定工程で、上腕骨3に押し当てて下降させた測定板105が上腕骨・肩甲骨関節部12に嵌まって前進するまでの下降量を測定し、基準位置からの肩甲骨高さを算出し豚うで部に対する第一基準値とする。
図4(B)のSTb2は、肩甲骨首元裏側筋入れ工程で、肩甲骨9を押し板で押して前記肩甲骨首元13を突出させ、サークルカッタ111で前記肩甲骨首元13の裏側の筋入れを行う。
図4(C)のSTb3は、肩甲骨剥がし工程で、肩甲骨首元23をクランプヘッド120の爪121で把持して肩甲骨9を引剥がす。
図4(D)のSTb4は、足首全周カット工程で、足首に円盤状の回転カッタを当て、クランパ34を上から見て反時計方向に450°回転して足首の筋・肉を全周カットする。
尚、450°回転するのは、STb3では前記クランパ34は台車トラバース後に180°回転されており、次のSTb5〜STb9ではさらに90°回転して作業を行なうので、足首カットのための360°に前記90°を加えた450°の回転を行なうものである。
図4(E)のSTb5は、前腕骨第一引剥がし工程で、ミートセパレータ(図21参照)を閉じて前記STb4でカットした位置を挟み、クランパを60mm引き上げて前腕骨下部(図の懸垂状態では上部)の肉を剥がす。
【0038】
図4(F)のSTb6は、前腕骨第二引き剥がし工程で、前記STb5での引き剥がし終了位置でミートセパレータを閉じて骨を挟み、クランパを50mm引き上げて前腕骨上部(図では下部)の肉を剥がす。前記STb5とは骨の大きさが異なるのでU字形状が異なるミートセパレータを用いる。
図5(G)のSTb7は、前腕・上腕骨関節周り第一引剥がし及び肘頭高さ測定工程で、前記STb6での引剥がし終了位置でミートセパレータを閉じて骨を挟み、クランパを引き上げる。この工程ではナイフ状の刃物を前腕骨に沿って当て、ワークの上昇により刃物を沿わせた部分の肉は該刃物により削ぐように切られる(この部分は関節であるため引剥ぎのみでは脱骨が困難である)。また、この工程ではミートセパレータの片方の爪板は凸形状をなしていてその先端を前腕骨表面に当て、ワークが上昇して該先端が肘頭直下関節部に嵌まる位置をラックとピニオンのような直動−回転変換機構とエンコーダの変位置で検出し、基準位置から肘頭までの高さを算出し豚うで肉に対する第二基準値とする。この測定は豚うで肉の個体によって異なる関節位置を把握し、その切断が関節脱臼の原因となる切ってはならない筋や膜の位置を正確に把握するための最重要な測定である。
【0039】
図5(H)のSTb8は、前腕骨第二引剥がし及び肘頭直上カット工程で、前記STb7での引剥がし終了位置でミートセパレータを閉じて骨を挟み、クランパを引上げて前腕骨・上腕骨関節周りの肉を引剥がす。引剥がしは前記STb7で測定した肘頭下から15mm下がった所まで行い、つぎにミートセパレータから25mm上に位置する左右2枚の丸刃カッタで肘頭の10mm上を全周カットする。この位置はSTb7で述べた切ってはならない筋や膜の直下であり、この高さでのカットが重要なポイントである。
図5(I)のSTb9は、肘頭直下引剥がし及びカット工程で、前記STb8での引剥がし終了位置でミートセパレータを閉じて骨を挟み、前記STb7で測定した肘頭下から25mm下がった所まで引剥がし(クランパを引上げ)、前記ミートセパレータから25mm上に位置する左右2枚の丸刃カッタ(1枚のみ図示)で肘頭直下を全周カットする。
【0040】
図5(J)のSTb10は、上腕骨引剥がし及び上腕骨頭高さ測定工程で、STb9の引剥がし終了位置でミートセパレータを閉じて骨を挟み、クランパを引き上げる。引上げは上腕骨頭の太い部分がミートセパレータに当たってクランパ引上げ装置のエアシリンダが動かなくなったことを検出した時点で停止する。この時の引上げ量が測長器によって測定され、測定値を豚うで肉に対する第三基準値とする。
前記STb1で肩甲骨高さが測定されており、それはかたロース分離高さそのものであるが、ワークはこれまで幾度も引っ張られているため関節延びが起きており、脱骨の歩留まりを良くするために再度の測定が必要となるものである。
図5(K)のSTb11は、上腕骨頭周り引剥がしカット工程で、STb10の引剥がし終了位置でミートセパレータを閉じて骨を挟み、クランパを前記第三基準値+固定値(40mm)だけ引き上げた後ミートセパレータから25mm上に位置する左右2枚の丸刃カッタ(1枚のみ図示)で上腕骨頭中間付近を全周カットする。尚、STb10ではクランパは上から見て50°時計方向に回転して作業を行なう。
【0041】
図5(L)のSTb12は、うで肉引剥がし分離カット工程で、前記STb11での引剥がし終了位置でミートセパレータを閉じて骨を挟み、クランパを前記第三基準値+固定値(75mm)だけ引上げた後ミートセパレータから25mm上に位置する右側1枚の丸刃カッタで上腕骨頭直下をカットして骨から肉を分離する。落ちた豚うで肉はミートセパレータの下のコンベアにより排出される。
図5(M)のSTb13は、クランパ回転原点復帰及び骨排出工程で、前記STb4及びSTb10で回転されたクランパを前記STa3の姿勢に戻し、クランパを開いて前腕・上腕骨を開放する。落ちた骨はコンベアにより排出される。
【0042】
以上で豚うで肉の脱骨が終わった。つぎに前記STa5の工程で切り落とされた豚かたロース部の脱骨工程が図6,7に示されている。工程は図6,7(A)〜(H)に示されるSTc1〜STc8の8工程よりなる。
図6(A)のSTc1はワーク投入工程で、ワークである豚かたロース部の胸椎・棘突起の縦断面をかたロース肉クランパテーブル151の前面に人手で押し付けながらワークの切断面17及び胸椎の上面を前記クランパテーブルの傾斜基準板及び胸椎基準板に合わせた後3本の鉤形の爪145を前記ワークの肋骨間の肉部に食い込ませてワークを固定する。
図6(B)のSTc2は棘突起筋入れ工程で、ワークの切断面17側からカッタ171を胸椎に沿う方向(水平方向)に振動させながら切断面に近い棘突起に沿って下降して棘突起から肉をきりはなし、STc4の工程でのカッタの進入のための切口を作る。
【0043】
図6(C)のSTc3はかたロース・切り込み及び肋骨高さ・棘突起厚測定工程で、先ず肋骨高さ位置を測定後ワークとカッタの相対位置設定を行い、カッタを斜め下向きに入れて肋骨直下を切り込む。前記肋骨高さ測定値は豚かたロース部肉に対する第一基準値とする。カッタ195が棘突起の根元に当って停止する時のカッタ位置から棘突起厚さが算出される。該算出値は豚かたロース部肉に対する第二基準値とする。前記第一および第二基準値は後述のSTc4〜STc7でのカッタの位置決めにも用いられる。
図6(D)のSTc4は棘突起表面カット工程で、ナイフ刃のカッタを棘突起表面に沿って切り進める。カッタ刃先が頚椎に当るとカッタは進みながら下降し頚椎に沿って骨と肉を分離する。カッタの位置は前記2つの基準値を基に決められる。
【0044】
図7(E)のSTc5は頚椎側面カット工程で、ナイフ刃のカッタを胸椎に沿って切り進め、頚椎側面までくるとカッタ刃先が頚椎に当りそこからは進みながら下降し頚椎に沿って骨と肉を分離する。カッタの位置は前記2つの基準値を基に決められる。
図7(F)のSTc6は頚椎上面カット工程で、ナイフ刃のカッタを胸椎上面に沿って進め、頚椎までくるとカッタ刃先が頚椎肋横突起に当りそこからは進みながら下降し頚椎肋横突起に沿って骨と肉を分離する。カッタの位置は前記2つの基準値を基に決められる。
【0045】
図7(G)のSTc7はかたロース分離カット工程で、ナイフ刃のカッタを胸椎上面に沿って進め、頚椎から先は進みながら下降し頚椎肋横突起上面に沿って骨と肉を分離するとかたロース肉は落下する。カッタの位置は前記の2つの基準値を基に決められる。
図7(H)のSTc8はスペアリブカット工程で、スペアリブ押し板でスペアリブをクランパテーブル151に押し付けてから前記鉤形の爪145の肉への食い込みをはずし、丸鋸刃カッタ241で肋骨と胸椎の関節部でスペアリブを切断する。切断終了後前記スペアリブ押し板による押し付けを開放すると棘突起とスペアリブは落下する。
以上で豚かたロース部の脱骨が終わり、これで豚かた部位肉の脱骨は完了した。
【0046】
つぎに各装置について説明する。
図8は本発明に係わる豚かた部位肉を脱骨する装置のうで部からかたロース部を切り離すまでのステーションとうで部の脱骨を行うステーションの配置を示す概略図で、STa1〜STa5はうで部からかたロース部を切り離す第一グループステーション、STb1〜STb13はうで部の脱骨を行う第二グループステーションである。前記第一グループステーションと第二グループステーションの間にはうで部に人手で筋入れを行う区域が設けられている。図5のSTb13のステーションは図に記載されていないがSTb12の次に設けられている。ステーションは2列平行に設けられ、各列の上部空間には後述の台車を搬送する台車搬送ラインとカッタ装置等を懸垂設置するフレームが各ステーション列に平行に設けられ、前記台車搬送レールの両端側には前記台車を一方の列のラインから他方の列のラインへトラバースするトラバース部が設けられている。かくて閉回路をなす台車搬送レール上を台車は各ステーションに移送される。
【0047】
図9は本発明に係わる豚かた部位肉を脱骨する装置の第三グループステーションである豚かたロース部の脱骨を行うステーション列の上部空間に設けられる台車搬送ラインを示し、台車31がレール251上を搬送される状況がわかる。同図において、メイン搬送部は台車が各ステーション毎に搬送される部分を示し、サブ搬送部はスペースに余裕があって空ステーションがある場合に台車を早送りする搬送部でエンドレスチェーンに取り付けたアタッチメントで台車を引っ掛け、モータで該チェーンを駆動して台車を搬送する。搬送の停止はセンサによりアタッチメントを検出して行う。メインラインについては後述する。トラバース部は台車を平行に並べられた他方のラインに移送する部分で台車を載せるフォークユニットには移送中に台車が動かないように台車固定機構が設けられている。トラバース部にはピッチ換えシリンダが備えてなく、また搬送はサーボモータではなくシリンダで行っている点がメイン搬送部と異なる。トラバース部でトラバースされたクランパは次に述べる連結シャフトの外力による回転により180°回転される。前記第一及び第二グループステーション列の上部空間に設けられる台車搬送ラインもステーション配置が異なる他は本図と同様である。
【0048】
図10は前記第一及び第二グループステーションで使用される台車装置を示し、図10(A)は正面図、(B)は側面図,(C)は上面図である。台車31は4個の車輪32を備え、両側面には固定爪嵌合部37及び搬送爪嵌合部38が設けられている。該台車31を連結シャフト33が貫通し、該連結シャフト33の下端にはトグル機構により足首を把持・固定する足首クランパ34が固設され、上端部は該連結シャフト33の軸に偏芯して取り付けられた回転ローラ35を介し、及びフィンガー36を介して、外力によって前記連結シャフト33を前記台車に対して回転及び昇降可能に構成してある。
図11(A)は外部装置の回転プレート271を前記回転ローラ35に当てて前記連結シャフト33を回転させる状況を、同図(B)は外部装置の引上げユニット272で前記フィンガー36を介して前記連結シャフト33を上昇させる状況を示す。
【0049】
図12はSTa2で用いられるワーク長さ検出装置を示し、同図12(A)は側面図,同図(B)は正面図である。図12において、位置決め部41は固定柱42に前後方向に移動可能に装着された傾斜基準板43と前記柱42に固設された取付台44に固設されたブラケット45に取付けられた横押し板46を備えている。該横押し板46は90°回転してワークの右側(首側)端面を押して該ワーク左側の切断面17を前記傾斜面に当てる。測定部40は前記柱42に固設された取付台47に前記傾斜板と同方向に傾斜して取り付けられたサーボモータ48により上下動可能なブラケット49を備え、該ブラケット49には測定バー50を備えたリミットスイッチ51が取り付けられている。前記サーボモータ48の作動によって前記傾斜基準板43の傾斜の延長線S1に沿って上昇される前記測定バー50がワークの下端部に接触する時点を前記リミットスイッチ49が感知してワークの基準位置(クランパ下面)からのワーク長さを測定する。
【0050】
図13はSTa3で用いられるかたロース部剥離切断装置の側面図で、剥がし部60、カッタ部61、位置決め部62、及び昇降部63で構成され、該昇降部63はラインの上枠上に設置され、昇降シャフト64を介して該シャフト64に連結されたフレーム65に固設された前記剥がし部60と、同じくフレーム65に固設された前記カッタ部61を昇降させる。
図14は図13における剥がし部60をX矢視方向で見た剥がし板66a,66b,66c,66dを示す図で、これらは水平面S2に対して傾斜した仮想面S3上に階段状に並べた形状に配設されていてその傾きはワーク前面(図13では右側)から見て11°右上がりとしてある。ワークの懸垂状体ではスペアリブ表面からかたロース部表面にかけて右上がりとなり、これら表面を均等に押し下げるのに最適な角度が11°であり、66a,66bでかたロース部を押し下げ、66c,66dでスペアリブを押し下げる。
図13のカッタ部61はカッタの切込みを与える切込シリンダ67と、該シリンダの軸端に取り付けられた長方形のカッタ68と、該シリンダの取付台69と、該取付台を横方向(紙面手前方向)にスライドさせる横スライドシリンダ70とからなり、カッタの刃先は鋸刃状にして肉への切込みが容易にしてある。
【0051】
図15はSTa4で用いられる肩甲骨部切込み剥離装置のカッタ部の側面図である。
該肩甲骨部切込み剥離装置は前記かたロース部剥離切断装置と同様に、剥がし部、カッタ部、位置決め部、及び昇降部で構成され、剥がし部とカッタ部のみが異なる。該カッタ部は図15に示すように、カッタ80、カッタ押付シリンダ81、偏芯カム82、カッタ駆動モータ83、肩甲骨上面肉剥がし板84、スペアリブ剥がし板85を備え、カッタ80は長方形状で、偏芯カム82を介して上から見て楕円運動をなし、前記カッタ80が肩甲骨にくい込むことなく肩甲骨上面肉に幅広く切込みを入れることができるようにしてある。前記カッタ80はカッタ押付シリンダ81によって一定の力で肩甲骨上面に押し付けられるので、前記カッタ80は常に肩甲骨上面に接しその刃先は真の楕円とは異なった動きをすることになる。剥がし部は剥がし板がスペアリブ押し下げ用とかたロース部押し下げ用の2枚としてある。
【0052】
図16はSTa5で用いられるかたロース切断装置の側面図で、昇降部90とカッタ部91からなる切断装置と背面支持装置92とからなり、前記昇降部90はカッタ部91を昇降する。
図17は図16におけるカッタ部91のY矢視図である。該カッタ部91は図16、図17において、カッタ93、カッタ切込モータ94、カッタの角度変更モータ95、カッタ駆動モータ96を備え、それぞれカッタの切込み(T方向)、切込み角度の変更(T方向)、振動的往復動(T方向)をおこなう。背面支持装置92は背面プレート昇降モータ97、背面プレート98、横押え板99を備え、前記背面プレート98は2枚の平行な板でワーク前面からみて右上がりに傾斜している。前記カッタ93は前記角度変更モータ95によって前記背面プレート98の2枚の板の間で肉を切断するように角度が調節される。また、前記背面支持装置92は、前記カッタが前記背面プレート90の2枚の平行なプレートの中間位置で肉部を切断するようにカッタ部に同期して昇降される。
【0053】
図18はSTb1で用いられる肩甲骨高さ測定装置の測定部の側面図で、同図(A)は側面図、同図(B)は上面図である。該測定部は図示しない昇降装置により昇降される。図18において、101は測定器ベース、102は前記測定器ベースを固設した連結柱で前記図示しない昇降装置に連結されて前記測定器ベース101を昇降する。前記測定器ベース101上に取り付けられたシリンダ103が測定板104の先端105をワークの上腕骨に当てた状態で前記図示しない昇降装置によって測定板105を下降し、先端105が上腕骨と肩甲骨の関節部に嵌まって後退から前進に転ずるので、これをラックとピニオンで構成される直動−回転変換装置とエンコーダにより検出し、前記測定器ベース101の下降を停止させる。該下降量は図示しない昇降装置のサーボモータにより測定される。
【0054】
図19はSTb2で用いられる肩甲骨首元裏側筋入れ装置のカッタ部の側面図で、装置は裏側筋入れを行うサークルカッタ111、肩甲骨首元部の筋と膜を切断するために該サークルカッタ111を揺動させる切込シリンダ112、サークルカッタ111を前進させるカッタ前進モータ113、これらを昇降する図示しない昇降装置、及び筋入れを容易にするため肩甲骨上面を押して肩甲骨首元を突出させるシリンダからなる。
図20はSTb3で用いられる肩甲骨剥がし装置の剥がし部の側面図で、肩甲骨首元を挟む爪121と該爪を開閉するシリンダ122を備えたクランプヘッド120、前記クランプヘッド120をT方向に引き倒すためのシリンダ123、およびこれらを昇降する図示しない昇降装置からなる。
【0055】
図21はSTb5〜STb12で用いられるミートセパレータを示し、同図(A)は側面図、(B)は正面図である。図21(A)において、左右の長アーム133、133の上端部にはそれぞれ爪板131、132が固設され下端部は横うで134、135の一端側に固設され、該横うで134,135の他端部には短アーム136、136が固設されて支持枠139に固定されたシャフト137に枢支され、前記リンク136、136の下端にシリンダ138、138が連結されている。シリンダ138、138の作動により爪板は開閉するが、閉時に両爪板131と132は上下に重なり合うようにしてある。両爪板131、132の先端部骨を挟むためのU字形凹みが設けられておりその形状は肉を剥ぎ取る骨の位置によって最適な形としてある。
【0056】
図22は第三グループステーションで使用される台車装置で、豚かたロース部位肉を把持して搬送するかたロース肉台車装置140と爪ロッカー160を示し、同図(A)は正面図、(B)は側面図である。
図22において、台車装置は図10に示した台車31を連結シャフト141が貫通し、該連結シャフト141の下端部にはかたロース肉クランパ143が固設され,上端部は外力によってフィンガー142を持ち上げることによってかたロース肉クランパの上昇が可能に構成されている。下降はクランパ143と連結シャフト141の自重による。
【0057】
図23は、図22におけるかたロース肉クランパ143のクランプ爪部の拡大図で、同図(A)は前記爪部144の正面図、(B)は上面図、(C)は側面図、(D)は爪145をロックした状態を示す側面図である。
図23において、傾斜基準板152と胸椎基準板153を備えたクランパテーブル151の背面にはブラケット154、154が固設されている。3本の鉤形の爪を有する爪145は爪ガイド146に前後方向に移動可能に載置された爪台144に固設され、該爪台144の前記爪145と反対側の端部は前記爪ガイド146に固設された台板147上に固設されたブラケット148に枢支されたリンク機構150に連結されている。該リンク機構150を同図(C)の状態から同図(D)のように倒すと前記爪台144は後方(同図(C)、(D)では右方)に引かれて前記爪145がロックされた状態になる。前記爪ガイド146の両側にはシャフト155,156が固設され、シャフト155,156は前記ブラケット154、154に枢支されている。該シャフト155は端部でスプリング157によって前記爪145が開く方向に付勢され、またシャフト156は、スプリング158によって左方向に付勢されている。従って下に述べるように爪揺動シリンダ167を作動して該爪145を閉じる際に爪が肋骨に干渉する場合は爪はスプリング158の力に抗して右へ移動して肋骨間の肉に食い込む。このようにして個体による肋骨位置の違いに対応できる。
【0058】
図22において、爪ロッカー160は、固定枠体168にブラケット161及びブラケット166を介して該固定枠体168に固設され先端に引き金具165を取付けた爪トグルロックシリンダ164と、同じく前記固定枠体168に固設された先端に押し板を有する横部材162と、爪揺動シリンダ167とからなる。前記爪揺動シリンダ167でエンドピース149(図23)を押し上げると前記爪145が前記スプリング157の力に抗して閉じ、前記爪トグルロックシリンダ164の引き金具165で前記リンク機構150を引き倒すと前記爪145はロックされ、ワークに外力が作用しても爪が緩むことがない。
【0059】
図24はSTc2で用いられる棘突起筋入れ装置を示し、同図(A)は正面図、(B)は側面図である。本装置は、ナイフ状のカッタ171を取付けたカッタ台178、該カッタ171を振動的に往復動させるカッタモータ172、前記カッタ台178を押して前記カッタ171を骨(棘突起)に押付けるカッタ押付シリンダ173、肉に刺し込む差込シリンダ174、角度を変える角度変更シリンダ175を備えたカッタ部とカッタ昇降サーボモータ176、昇降台177を備えた昇降部からなり、前記カッタ台178は前記昇降台177に前後左右方向に移動可能に載置されている。
【0060】
図25には棘突起筋入れ時のカッタ171の動きが示されている。同図において、7は棘突起、9はスペアリブである。カッタ171は棘突起7の位置によって角度を3段階に変えて棘突起7に沿って切り下げており、この角度を変えるのを前記角度変更シリンダ175で行う。また最初から棘突起に正確に沿う位置にカッタ171を刺し込むのは困難であって、高さ位置は算出値に基づいて設定されて最初にカッタ171は3°傾いて肉部に刺し入り、つぎにカッタ押付けシリンダ173がカッタ171を棘突起側に押し付けることによって棘突起7の胸椎との付け根部に沿う。この状態でカッタ171は振動しながら降下し、つぎにカッタ角度は垂直に変わって降下し、棘突起先端部で刺し込み時とは反対方向に3°傾いて下降し、最後に再び垂直に変わって下降し筋入れを終わる。なお、ワークである豚かた部位肉はかたロース押えシリンダ179によって押えられると同時にその下部は脂戻しシリンダ180によって引き戻し、筋入れ部の肉に張力をかけた状態で筋入れが行われる。
【0061】
図26はSTc3での切り込み前に用いられる肋骨上面高さ測定装置の測定部の正面図で、中間を枢支された測定レバー181と近接センサ182を備えた測定部は図示しない移動装置によって前記測定レバー181が測定部位である肋骨付け根の上部に来るように移動される。ワークが上昇されて測定レバー181がワークの胸椎4の下面(図では上面)に当って前記測定レバー181の前記近接センサ182との接触が離れる時点の位置を検出して肋骨高さを算出する。
【0062】
図27はSTc3で用いられるかたロース・スペアリブ切り離し装置のカッタ部を示し、同図(A)は側面図、(B)は上面図である。図27において、カッタ台191の傾斜板192に該傾斜板192上をスライド可能に載置された前後スライド板193の上に更に横スライド板194が載置され、該横スライド板194には円弧状カッタ195、丸刃カッタ196、が取り付けられている。前記該横スライド板194と一体のカッタ195、196はカッタ駆動モータ197により偏芯カム198を介して横方向に往復運動される。前記カッタ195、196の前進による切込みは切込シリンダ199によって与えられる。
【0063】
図28には前記円弧状カッタ195がかたロースに切り込む模様が示されている。前記円弧状カッタ195の刃先が棘突起に当って前記カッタが前進しなくなった位置が図示しないエンコーダにより検出されるが、それ以前に前記丸刃カッタ196が何かの障害物に当って前進が阻害されることがないように該丸刃カッタ196は取付シャフト200とスプリング201を介して円弧状カッタ195に対して前後方向にフレキシブルに取付けられている。なお、前記カッタ台191はかたロース押えシリンダ202と共に床に固定されている。
【0064】
図29はSTc4〜 STc7で用いられるかたロース・椎骨切り離し装置を示し、同図(A)は側面図、(B)は正面図である。該装置は、カッタ台盤211と昇降用サーボモータ212を備えた昇降装置210と、カッタ台221、カッタ切込シリンダ222、カッタ位置決めサーボモータ223、カッタテンションシリンダ224、ナイフ刃状のカッタ225を備えたカッタ装置220と、胸椎押えシリンダ231、頚椎押えシリンダ232、かたロース肉下部を前方に引き戻して切断部にテンションをかけるかた戻しシリンダ233を備えた肉押え装置230とよりなる。前記カッタ台221はカッタ台盤211上に前後および左右にスライドできるように載置されている。前記かた戻しシリンダ233はかたロースを前方に引っ張って切り離し部の肉にテンションを与えて切り離しを容易にする。前記カッタ切り込みシリンダ222には骨を切り込むことがないように減圧弁が設けられている。本かたロース・椎骨切り離し装置と同じ構成の装置が先に説明したように、STc4〜STc7のステーションで使用され、各ステーションではカッタ225の刃先形状が違えてある。
【0065】
図30はSTc8で用いられるスペアリブ・椎骨切断分離装置のカッタ装置を示し、同図(A)は側面図、(B)は(A)におけるW視図である。該装置は図示しないクランプ爪145(図22、21参照)を抜き出すための爪解除装置と、同じく図示しない前記クランプ爪145を抜き出してもスペアリブが落ちないように背面から押すシリンダと、カッタ装置とからなる。該カッタ装置は、丸鋸刃カッタ241、該カッタを回転させるエアモータ242、カッタ上下シリンダ243、カッタスライドシリンダ244を備え、前記カッタを上昇してスライドすることによって肋骨根元を切断する。なお、前記爪解除装置は、図22に示される爪ロッカー160から押え板163と爪揺動シリンダ167を取り除いたもので、引き金具165で今度はリンク機構150を押してロックを解除し、つぎに図示しないシリンダで台板147を押し下げることによって前記クランプ爪145を肉から抜き出す。
【0066】
図31は図9に示した搬送ラインのメイン搬送部の一部分の拡大図で、図31(A)は上面図、(B)は同図(A)におけるZ−Z断面図である。図31において、フレーム250に搬送レール251、LMガイド256、ブラケット252、サーボモータ253が固設され、一端が該サーボモータに連接されたボールねじ254の他端は前記ブラケット252に回転自在に支持され、前記ボールねじ254に螺合された搬送ブラケット255は前記ボールねじの回転により左右に移動する。該搬送ブラケット255は前記LMガイド256に案内される搬送テーブル257に固設されている。該搬送テーブル257にはさらに搬送ピッチ変更シリンダ265が固設され、該シリンダ265には搬送爪台258が連接され、該搬送爪台258は前記シリンダ265によって左右移動可能に前記搬送テーブル257に載置されている。
【0067】
前記搬送爪台258にはエアシリンダ260によって出入する搬送爪259が装着されており、該搬送爪259は台車31の搬送爪嵌合部に嵌脱される。また、前記搬送テーブル257と前記レール251を挟んで反対側には先端部に位置決めピン263が固設されたアーム262と該アーム262を出し入れさせるエアシリンダ264を備えた固定爪台261が前記フレーム250に固設されている。このように構成されているので、前記サーボモータ253の回転方向によって前記搬送爪台は左或は右に移動する。搬送爪259が前記台車31の搬送爪嵌合部38に嵌合した状態で前記台車31を移送し、つぎに前記爪259を脱出させて前記搬送爪台258を、従って前記搬送テーブル257を元の位置まで戻しつぎの台車の搬送爪嵌合部に嵌合する。台車は作業中に動かないようにエアシリンダ264の作動でアーム262の位置決めピン263を台車31の固定爪嵌合部37に嵌入して固定される。また、搬送ピッチ変更シリンダ265により搬送のピッチを変えることができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明の上記構成により、重量物である豚かた部位肉を懸垂状態で各ステーションに搬送し、人手による作業を最初の筋入れ前処理と、ワークのクランパへの取り付けと、中間での懸垂状態での筋入れのみに限り、主要脱骨作業はワーク寸法の自動測定を含む自動脱骨装置による効率的で歩留まりの良い処理が可能となり、且つ、重労働を排除したなかで衛生的に脱骨できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 頚椎・胸椎で縦断された片側の豚かた部位肉の人手による筋入れ箇所を示す模式図である。
【図2】 頚椎・胸椎で縦断された片側の豚かた部位肉からかたロース部位肉を切り離すまでの本発明の脱骨システムによるSTa1〜STa5に亘る作業内容を示す模式図である。
【図3】 かたロース部が切り離されてクランパに残った豚うで部位肉に人手により行う筋入れ箇所を示す模式図である。
【図4】 豚うで部位肉の本発明の脱骨システムによるSTb1〜STb6に亘る作業内容を示す模式図である。
【図5】 豚うで部位肉の本発明の脱骨システムによるSTb7〜STb13に亘る作業内容を示す模式図である。
【図6】 豚かたロース部位肉の本発明の脱骨システムによるSTc1〜STc4に亘る作業内容を示す模式図である。
【図7】 豚かたロース部位肉の本発明の脱骨システムによるSTc5〜STc8に亘る作業内容を示す模式図である。
【図8】 本発明の半自動豚うで肉脱骨装置によりうで部からかたロース部を切り離すまでの脱骨を行うステーションとうで部の脱骨を行うステーションの配置を示す概略図である。
【図9】 本発明の半自動豚かたロース肉脱骨装置によりかたロース部の脱骨を行うステーションのワーク搬送装置を示す概略図である。
【図10】 本発明の半自動豚うで肉脱骨装置のうで部からかたロース部を切り離すまでの脱骨を行うステーションとうで部の脱骨を行うステーションで用いられる台車装置で、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図11】 本発明の半自動豚うで肉脱骨装置のうで部からかたロース部を切り離すまでの脱骨を行うステーションとうで部の脱骨を行うステーションで用いられる台車装置のクランパを外力で回転或は昇降する状況を示す概略図である。
【図12】 本発明の半自動豚うで肉脱骨装置のワーク長さ測定装置で、(A)は側面図、(B)は正面図である。
【図13】 本発明の半自動豚うで肉脱骨装置のかたロース部剥離切断装置の側面図である。
【図14】 図13におけるX視図である。
【図15】 本発明の半自動豚うで肉脱骨装置の肩甲骨部切りこみ剥離装置のカッタ部の側面図である。
【図16】 本発明の半自動豚うで肉脱骨装置のかたロース部切断装置の側面図である。
【図17】 図16におけるY視図である。
【図18】 本発明の半自動豚うで脱骨装置の肩甲骨高さ測定装置の測定部の側面図及び上面図である。
【図19】 本発明の半自動豚うで脱骨装置の肩甲骨首元裏側筋入れ装置のカッタ部の側面図である。
【図20】 本発明の半自動豚うで脱骨装置の肩甲骨剥がし装置の剥がし部の側面図である。
【図21】 本発明の半自動豚うで脱骨装置のミートセパレータで、(A)は側面図、(B)は正面図である。
【図22】 本発明の半自動豚かたロース肉脱骨装置によりかたロース部の脱骨を行うステーションで用いられる台車装置で、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図23】 本発明の半自動豚かたロース肉脱骨装置によりかたロース部の脱骨を行うステーションで用いられる台車装置のクランパ部で、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は側面図、(D)はロックした時の側面図である。
【図24】 本発明の半自動豚かたロース肉脱骨装置の棘突起筋入れ装置で、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図25】 本発明の半自動豚かたロース肉脱骨装置の棘突起筋入れ装置で筋入れを行う際のカッタの動きを示す概略図である。
【図26】 本発明の半自動豚かたロース肉脱骨装置の肋骨上面高さ測定装置の測定部の正面図である。
【図27】 本発明の半自動豚かたロース肉脱骨装置のかたロース・スペアリブ切り離し装置のカッタ部で、(A)は側面図、(B)は上面図である。
【図28】 図27のカッタがかたロースに切り込む状況を示す側面図である。
【図29】 本発明の半自動豚かたロース肉脱骨装置のかたロース・椎骨切り離し装置で、(A)は側面図、(B)は正面図である。
【図30】 本発明の半自動豚かたロース肉脱骨装置のスペアリブ・椎骨切断分離装置のカッタ装置で、(A)は側面図、(B)は正面図である。
【図31】 図9に示した搬送ラインのメイン搬送部の部分拡大図で、図31(A)は上面図、(B)は同図(A)におけるZ−Z断面図である。
【符号の説明】
31 台車
33 連結シャフト
34 足首クランパ
35 回転ローラ
36 フィンガー
37 固定爪嵌合部
38 搬送爪嵌合部
50 測定バー
51 リミットスイッチ
64 昇降シャフト
66a〜66d 剥がし板
67 切込みシリンダ
68 カッタ
94 カッタ切込モータ
95 角度変更モータ
96 カッタ駆動モータ
97 背面プレート昇降モータ
98 背面プレート
102 連結柱
104 測定板
106 エンコーダ
121 爪
122 シリンダ
123 シリンダ
131 爪板
132 爪板
133 長アーム
136 短アーム
141 連結シャフト
143 かたロース肉クランパ
145 爪
146 爪ガイド
150 リンク機構
151 クランパテーブル
162 横部材
163 押し板
165 引き金具
193 前後スライド板
194 横スライド板
201 スプリング
224 カッタテンションシリンダ
225 カッタ
243 カッタ上下シリンダ
258 搬送爪台
261 固定爪台
264 エアシリンダ

Claims (16)

  1. 筋入れ前処理を施した頚椎・胸椎で縦断された片側の豚のかた部位を搬送ライン上の台車装置で把持・懸垂し、前腕骨、上腕骨、肩甲骨、頚椎、胸椎および肋骨等を脱骨する脱骨装置であって、うで部とかたロース部を切り離すまでの複数の加工ステーションからなる第1の加工ステーション群と、うで部の前腕骨、上腕骨、肩甲骨を取り除く複数の加工ステーションからなる第2の加工ステーション群と、かたロース部の頚椎、胸椎、肋骨を取り除く複数の加工ステーションからなる第3の加工ステーション群と、ワークを把持して各ステーション間を搬送する台車装置と、該台車を搬送する搬送装置とを含む半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置において、
    前記第1加工ステーション群は、ワークである豚かた部位肉の足首を足首クランパに取り付けるステーション1−1と、豚かた部位の懸垂状態でのかた部位最下端の位置をセンサにて感知して基準位置からかた部位最下端までのワーク長さを検出するワーク長さ検出装置が配設されたステーション1−2と、ワークのかたロース部を押し下げてかたロース肉とうで肉を結合膜部で引き剥がしさらに残った膜部を切断するかたロース部剥離切断装置が配設されたステーション1−3と、肩甲骨表面の肉を切りながら剥がす肩甲骨部切込み剥離装置が配設されたステーション1−4と、うで部とかたロース部とを切断分離するかたロース部切断分離装置が配設されたステーション1−5とを含む構成とし、
    前記第2の加工ステーション群は、足首で把持し懸垂された豚うで部に筋入れ前処理を施したワークである豚うで部の基準位置からの肩甲骨の高さを測定する肩甲骨高さ測定装置が配設されたステーション2−1と、肩甲骨首元裏側筋入れ装置と、肩甲骨剥がし装置が配設されたステーション2−2と、複数の前腕骨および上腕骨引き剥がし装置が配設されたステーション2−3と、うで部切断分離装置が配設されたステーション2−4とを含む構成とし、
    更に前記第3の加工ステーション群は、前記第1加工ステーション群で分離されたかたロース部を固定した状態で行う肋骨上面高さ測定装置が配設されたステーション3−1と、棘突起筋入れ装置が配設されたステーション3−2と、かたロース切込み・肋骨高さ測定・棘突起厚測定装置が配設されたステーション3−3と、かたロース・棘突起切り離し装置が配設されたステーション3−4と、複数のかたロース・椎骨切り離し装置が配設されたステーション3−5と、スペアリブ・椎骨切断分離装置が配設されたステーション3−6とを含み、
    前記第1加工ステーション群にて、ワーク長さ検出装置にて前記かた部位最下端の位置をセンサにて感知して基準位置からかた部位最下端までのワーク長さを検出後、該検出されたワーク長さに基づいて前記第1加工ステーション群のステーション1−3,1−4及び1−5に夫々配設された装置によりかたロース部のうで部からの切り落としを行った後、
    前記かたロース部が切り落とされたワークについて人手により豚うで部の筋入れの前処理を行い、
    その後前記第2の加工ステーション群、筋入れ前処理を施した豚うで部の基準位置からの肩甲骨の高さを測定後に、豚うで部の肩甲骨及び前腕骨と上腕骨の引き剥がしを行い、
    更に前記第3加工ステーション群は、固定されたかたロース部の肋骨上面高さ位置を第一基準値、棘突起厚さを第二基準値とし、前記第一および第二基準値に基づいて第3ステーションのステーション3−4,3−5及び3−6に夫々配設された装置によりかたロース部の脱骨とスペアリブカットを行うことを特徴とする半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  2. 前記第1加工ステーション群におけるワーク長さ検出装置は、リミットスイッチと、昇降ユニットと、センシングバーとを備え、該センシングバーの前記ワークの下端への接触を、前記リミットスイッチを介して感知してワークの基準位置からの長さを測定することを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  3. 前記第1加工ステーション群における前記かたロース部切断分離装置は、かたロース切断装置と背面支持装置とからなり、該かたロース切断装置はカッタと、該カッタを振動的に往復動させるカッタ駆動モータと、カッタの水平面に対する角度を変更できる角度変更モータと、カッタに切り込みを与えるカッタ切り込みモータとを備えたカッタ部と、該カッタ部を昇降させる昇降部とからなり、背面支持装置は背面プレート昇降モータと背面プレートとを備え、該背面プレートは2枚の平行なプレートからなり、前記背面支持装置は前記カッタが前記2枚の平行な背面プレートの中間位置で肉部を切断するように前記かたロース部切断分離装置の昇降に同期して昇降されることを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  4. 前記第2加工ステーション群における前記肩甲骨高さ測定装置は、測定器ベースと、該測定器ベースに取り付けられシリンダによって前後される測定板および検出機構と、前記測定器ベースを昇降させる昇降モータとを備え、前記測定板を前記シリンダによってワークの前腕骨に押し当てて下降させ、測定板が上腕骨と肩甲骨の関節部に嵌まると測定板が後退から前進に転ずるので、これを検出して下降を停止させ、その時の測定板の下降量を昇降モータにより算出し、基準面からの肩甲骨高さを算出することを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  5. 前記第2加工ステーション群における前記肩甲骨首元裏側筋入れ装置は、肩甲骨関節部筋入れを行うサークルカッタと、該カッタを前進させるモータと、該カッタを揺動させる切り込みシリンダと、これらを昇降させるサーボモータを取り付けた昇降部とを含む構成としたことを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  6. 前記第2加工ステーション群における前記肩甲骨剥がし装置は、肩甲骨首元部を把持する肩甲骨首元クランプヘッドと、該クランプヘッドを引き倒すシリンダと、これらを昇降させるサーボモータを取り付けた昇降部とを含む構成としたことを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  7. 前記第2加工ステーション群における前記複数の前腕骨および上腕骨引き剥がし装置は、脱骨する骨を挟む一対のU字状凹部を設けた爪板を有する固設されたミートセパレータに対して豚うで部を引き上げることによって骨から肉を剥がすミートセパレータと、骨周囲の肉や筋を全周に亘って切断するカッタとを備えた引き剥がし装置を含むことを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  8. 前記第2加工ステーション群における前記複数の前腕骨および上腕骨引き剥がし装置は、ミートセパレータの2枚の爪板のうち一方の爪板は先端部がU字形凹形状をなし他方の爪板は先端部が凸形状をなし、両爪板で前腕骨を挟んだ状態で前記豚うで部を引き上げて肉部を引き剥がす際に前記凸部の先端が前腕骨に沿って肘頭下に入った時点を感知してその位置を検出する検出機構と、往復動して前腕骨側面肘頭付近の肉を骨に沿って切断するナイフ状カッタとを備えた肘頭位置測定装置付きミートセパレータを含むことを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  9. 請求項記載の前記ミートセパレータは、上端に骨を挟む爪板を有し、上端と下端の中間で揺動自在に枢支された2個のセパレータアームと該セパレータアームの下端部を押し或は引いてセパレータを開閉するシリンダを備え、セパレータを閉じて前記爪板2枚の爪板で骨を挟む際に2枚の爪板が上下に重なるようにしたことを特徴とする請求項記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  10. 前記第3加工ステーション群における前記かたロース肉の固定は、前記かたロース肉のクランパテーブルと、複数個の鉤形の爪と、爪揺動シリンダと、爪トグルロック機構とを備え、豚かたロース部肋骨間の肉部に前記複数個の鉤状の爪を前記爪揺動シリンダを作動して食い込ませトグルロックすることによって前記豚かたロース部を固定していることを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  11. 前記第3加工ステーション群における前記棘突起筋入れ装置は、位置決め部とカッタ部からなり、該位置決め部はかたロース押えシリンダと脂戻しシリンダとを備え、カッタ部はカッタ、カッタ台、カッタ差込シリンダ、カッタ押付シリンダ、カッタモータ、角度変更シリンダ、およびカッタ昇降サーボモータを備え、前記カッタが常に棘突起に接しながら筋入れを行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  12. 前記第3加工ステーション群における前記肋骨上面高さ測定装置は、中間で枢支された測定レバーと、近接センサと、これらを前後左右に移動する移動装置とを備え、ワークが上昇されて肋骨付け根部が前記測定レバーの前記枢支点より一方側に接触して該レバーが持ち上げられて他方側の前記センサとの接触が離れる時の位置を検出して肋骨高さを算出することを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  13. 前記第3加工ステーション群における前記かたロース・スペアリブ切り離し装置は、円弧状カッタおよび丸刃カッタ、前記両カッタを揺動させるモータと偏芯カム、カッタの切り込みを行うシリンダ、かたロース押えシリンダ、および円弧状カッタが棘突起の根元に当って切り込みが進まなくなる時点の位置を検出する検出機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  14. 前記第3加工ステーション群における前記複数のかたロース・椎骨切り離し装置は、棘突起表面カット装置と、頚椎側面カット装置と、頚椎上面カット装置と、かたロース分離切断装置とからなり、各装置はそれぞれナイフ状カッタを備えたカッタ装置と、胸椎押えシリンダ、頚椎押えシリンダ及びかたロース戻しシリンダを備えた肉押え装置とからなることを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  15. 前記複数のかたロース・椎骨切り離し装置の各カッタ装置は、カッタ台盤と昇降サーボモータを備えたカッタ昇降装置と、前記カッタ台盤上に前後左右方向に移動可能に載置されたカッタ台と、該カッタ台を前後方向に移動する位置決めサーボモータと、左右方向に移動する切り込みシリンダとよりなり、前記カッタ台に設置されたナイフ状のカッタは切り込み方向に一定の力で押すテンションシリンダで押されており、前記切り込みシリンダには減圧弁が設けられていることを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
  16. 前記第3加工ステーション群における前記スペアリブ・椎骨切断分離装置は、棘突起を押えてクランパテーブルに固定する棘突起押えシリンダ、丸鋸刃カッタ、該カッタを回転駆動するモータ、カッタ上下シリンダ、およびカッタスライドシリンダを備えたことを特徴とする請求項1記載の半自動豚うで・かたロース肉脱骨装置。
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