JP4037282B2 - 食肉脱骨方法と食肉脱骨装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、図16の豚枝肉分割図に見るように、牛、豚、馬、羊、山羊等の食肉の背割りした半截ブロックのうち、かた部位70やもも部位71を足首70a、71aを介して、吊り下げ脱骨をする食肉部位に対するもので、前記食肉部位の左側ワーク、右側ワークのいずれかを問わずランダムに対応できる脱骨装置として、前記食肉部位が左側ワークと右側ワークの何れであるかを判別させ、該判別結果に対応して、左右切り換えステーションの要切り換え部の左右切り換えを行い、左右ランダム脱骨処理ラインを形成させ、左右の使い分けをして効率的脱骨処理を可能とするとともに、自動ローディング装置によるワークの投入と、脱骨時における骨部の確実な把持と、骨関節の脱臼防止とを可能とする食肉脱骨方法と食肉脱骨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来これら食肉部位の脱骨は、背割りした半截ブロックを食肉処理場にて、牛、豚の場合、大分割後、かた、ももに対しては吊り下げ脱骨がされているが、左側ワークと右側ワークの脱骨はそれぞれ専用の脱骨処理ラインを個別に設け、それぞれ専用脱骨処理ラインにより脱骨を行なっている。
【0003】
従来より、上記豚、羊等の食肉屠体の背割りされた左又は右の半截ブロックの除骨方法が提案されている。(例えば特許文献1参照)
図13に見るように豚食肉部位のかた部の半截ブロックの除骨システムを、前処理工程41と、うで・かた分離工程42と、骨部露出工程43と、肩甲骨除骨工程44と、骨・肉分離工程45と、かた部除骨工程46とより構成し、
上記提案は、まな板上の処理を最小限に押さえ、宙吊り姿勢での除骨作業を導入するとともに、動力補助手段によるワークの姿勢制御、姿勢保持、要部切開箇所の露出と、露出した関節部の嵌合離脱には、一連の動力補助動作と人手による要部切開筋入れ動作を有機的に併用する構成としたものである。
【0004】
また、前記豚、羊等の食肉屠体の背割りされた左又は右の半截ブロックの豚もも肉の吊り下げ脱骨方法が提案されている。(例えば特許文献2参照)
図14に示すように、上記提案は、クランパを含む宙吊り用姿勢制御装置60と、複数の左右交叉カッター61と、複数のミートセパレータ62と、搬送ライン63とにより構成し、骨部周囲の肉部の剥ぎ取りには、肉部重量の有効利用を図るとともに、衛生的対策をなし、アクチュエータによる複数の補助手段の併用と重力の有効利用を図るとともに、人手によるものは要部筋入れに極限した省力的除骨を行うようにしたものである。
【0005】
また、前記豚等の食肉屠体の背割りされた左又は右の半截ブロックの豚うで・かたロース肉の吊り下げ脱骨装置とそのシステムが本願発明者等により提案されている。(例えば特許文献3参照)
上記提案は、豚うで・かたロース肉の全脱骨において、一部を人手による筋入れを行うのみで大部分は自動的に行う肉歩留まりの良い脱骨システムを提供するもので、
図15に見るように、人手による前処理筋入れ後、豚かた部からかたロース部を切り離すうで・かたロース分離部65と、残りのうで部の筋入れを行ううで筋入れ工程66と、その後に行う肩甲骨剥がし67を含むうでの脱骨を行ううで除骨部68と、うで部自動脱骨ラインと、前記切り離されたかたロース部の脱骨を行うかたロース脱骨工程69とより構成している。
上記提案は、ワークが懸垂され各ラインに送られライン途中のSTa2、STb1、STb7、STb10では要所要所でのワークの寸法測定を行い、ワークやカッターの最適位置を算出して、ワークやカッターを最適位置に移動して順次効率的脱骨を行うように構成し、
一部を人手による筋入れを行うのみで大部分は自動的に高歩留まりのもとに行うようにしたものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−286057号公報
【特許文献2】
特開平11−056226号公報
【特許文献3】
特開2001−120165公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の脱骨ラインはそれぞれ半截した吊り下げ状態で脱骨する食肉部位に対して行うもので、該食肉部位の左側ワーク、右側ワークに対し、
左右個別の脱骨ラインの設置を必要とし、設備コスト高の原因を形成するとともに、コスト高の前記設備費に対する稼働率を半減させ、且つ停止時における設備の衛生管理の点からも、その都度洗浄・殺菌を行なわなければならない等の煩雑な管理を必要とされる。
【0008】
また、前記大分割された前記食肉部位の脱骨の場合、従来は例えば豚うで部の場合約7kgの重量を持つワークを人力により持ち上げて脱骨ラインのクランパへの投入を行なっていたが、高い労働負荷を必要とし、労働安全性においても稼働中のクランパへの投入は危険を伴うという問題がある。また前記クランパは断続サイクル運転を行っているため、投入の機会を逃すと次サイクルまで待たなければならない時間的ロスの問題と、投入ミスを起こしたクランパは当該サイクルが終了するまでは生産に寄与できないため、上記従来の人手による投入は作業効率を悪くする等の問題点を内蔵している。
【0009】
本発明は、上記問題点の解決のためになされたもので、背割りされた食肉の半截ブロックのうち吊り下げ状態で脱骨をする食肉部位(ワーク)に対し、左側ワーク又は右側ワークの何れにもランダムに対応できる脱骨装置として、
左側ワークと右側ワークの何れであるかを判別させ、該判別結果に対応して左右切り換えステーションの要切り換え部の左右切り換えを行い、左右ランダム脱骨処理ラインを形成させ、前記左右の使い分けにより効率的脱骨処理を可能とするとともに、
自動ローディング装置によるワークの投入と、脱骨時における骨部の確実な把持と、骨関節の脱臼防止とを可能とする食肉脱骨方法と食肉脱骨装置の提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の食肉脱骨方法は、食肉屠体の骨付きかた部位若しくは骨付きもも部位のように非同一で且つ対称形状の左側食肉部位と右側食肉部位(以下食肉部位を総称してワークといい、左側食肉部位を左側ワーク、右側食肉部位を右側ワークという)とを混在させて、ワーク搬送ラインに設けた吊り下げ治具に吊り下げるワーク投入工程と、
前記ワークを吊り下げ治具に吊り下げた状態で、左側ワークと右側ワークのふくらみ方向の違いによるワークの左右の膨らみ偏位をセンサにより検出して前記ワークが左側ワークか右側ワークかの判別を行うワーク左右判別工程と、
前記ワーク左右判別工程の後流側に、ワークを吊り下げ治具に吊り下げた状態でワークを搬送するワーク搬送ラインのライン移動方向に沿って複数の脱骨処理ステーションを形成し、該処理ステーション毎に設けた処理治具により前記ワークの脱骨処理をする脱骨処理工程とを具え、
前記ワーク左右判別工程よりの判別信号に基づいて、対応する前記脱骨処理ステーションにおける処理位置の左右切り換え若しくは左側ワーク処理治具か右側ワーク処理治具のいずれかの選別を行い、1の搬送ラインで左側ワークと右側ワークの両者の脱骨処理を行うようにしたことを特徴とする。
【0011】
上記発明は、順次送られて来る食肉部位に対し、脱骨処理の左右使い分けをランダムに行う連続処理可能の食肉脱骨方法に付き記載したもので、
脱骨前の前処理として、人手による要部筋入れを行なった後の背割りした左側ワークないし右側ワークの食肉部位の両者がランダムに混ざった状態でのワークを受け入れた後、前記受け入れたワークが左側ワークであるか右側ワークであるかを判別し、該判別結果に応じて出力された判別信号に、後段に設けてある複数処理ステーションからなる脱骨処理ラインを対応させ、
該判別信号に基づいて、対応する脱骨処理ステーションにおける脱骨処理位置の左右対称位置の切り換え若しくは左側ワーク処理治具か右側ワーク処理治具のいずれかの選別を行い、1つの脱骨処理工程で左側ワークと右側ワークの両者の脱骨処理をランダムに行うようにしたもので、左側ワークと右側ワークを別々に用意してそれぞれに対応する脱骨処理工程を用意する必要がなく左右のワークに対し連続処理を可能にしたものである。
【0012】
そして、上記発明により、従来は左右別々に用意した脱骨処理ラインの代りに一の脱骨処理ラインに処理位置の左右対称位置の切り換えと左右処理治具を用意するだけで、効率的脱骨処理が可能となり、脱骨施設の有効利用を可能とし、設備コストの削減を図るとともに稼働率の向上と、効率的運転と、施設の衛生管理の確実な実施による好適な衛生環境の確立に貢献している。
【0013】
そして、斯かる上記本発明の食肉脱骨方法における、
前記対応する脱骨処理ステーションにおける処理位置の左右切り換え若しくは左側ワーク処理治具か右側ワーク処理治具のいずれかの選別操作は、
現位のワークが対応する脱骨処理ステーションに到着前で且つ前位のワークの脱骨処理された後の間に順次行なわれることが好ましい。
【0014】
上記発明は、左側ワークか右側ワークかの判別信号に対応し脱骨処理ラインの対応処理について記載したもので、則ち、処理位置の左右対称位置の切り換え及び左側ワーク右側ワーク処理治具の選別操作を必要とする脱骨処理ステーションは、少なくとも当該ワークが前記ステーションに到着する手前で且つ先行するワークの脱骨処理終了後に順次行うことが必要である。
【0015】
そしてまた、上記本発明の食肉脱骨方法における、
前記対応する脱骨処理ステーションにおける処理位置の左右切り換えは、
左右対称位置にある処理位置に対するワークの回転機構を備えたワーク吊り下げ手段により行なわれることが好ましい。
【0016】
上記発明は、処理位置への左右切り換えについて記載したもので、処理位置がワークのクランプ芯に対し対称位置にある場合は、該対称位置に設けた処理器材に対し、ワークをクランパの回転機構により180度回動させ、点対称位置に位置替えする構成にする。
【0017】
そしてまた、上記本発明の食肉脱骨方法における、
前記対応する脱骨処理ステーションにおける処理位置の左右切り換えは、
左右対称位置にある処理位置に対するワークの左右傾動機構と回転機構とを備えたワーク吊り下げ手段により行なわれることが好ましい。
【0018】
上記発明は、処理位置への左右切り換えについての別の場合について記載したもので、処理位置が左右面対称位置にある場合は、該面対称位置に設けた処理器材に対し、ワークをクランパの左右傾動機構を持つワーククランパにより、左右切り換えを行う構成にする。
【0019】
そこで、前記本発明の左右使い分け可能の食肉脱骨方法を利用した食肉部位に対する好適な左右使い分けの食肉脱骨装置は、食肉屠体の左側ワークと右側ワークとを混在させて、ワーク搬送ラインに設けた吊り下げ治具に吊り下げるワーク投入部と、
前記ワークを吊り下げ治具に吊り下げた状態で、左側ワークと右側ワークのふくらみ方向の違いによるワークの左右の膨らみ偏位をセンサにより検出して前記ワークが左側ワークか右側ワークかの判別を行うワーク左右判別部と、
前記ワーク左右判別部の後流側に、ワークを吊り下げ治具に吊り下げた状態でワークを搬送するワーク搬送ラインを設け、該搬送ラインのライン移動方向に沿って複数の脱骨処理ステーションを形成し、該処理ステーション毎に設けた処理治具により前記ワークの脱骨処理をする脱骨処理部と、
前記ワーク左右判別部よりの判別信号に基づいて、対応する前記脱骨処理ステーションにおける処理位置の左右切り換え若しくは左側ワーク処理治具か右側ワーク処理治具のいずれかの選別を行う左右切り換え操作部とを備え、
前記左右切り換え操作がタクト搬送サイクルと連動して行うようにしたことを特徴とする。
【0020】
上記発明は、前記本発明の左右使い分け可能の食肉脱骨方法を利用した好適な左右使い分け可能の食肉脱骨装置に係わるもので、
当該搬送ラインに投入された食肉部位が左側ワークか又は右側ワークの何れに該当するかを吊架した状態で判別するワーク左右判別部と、
判別信号に対応して、処理位置の左右切り換えと左側ワーク処理治具と右側ワーク処理治具のいずれかの選別を要する対応ステーションの左右切り換えをタクト搬送サイクルに連動して行う左右切り換え操作部と、
より構成したものである。
【0021】
また、上記本発明の食肉脱骨装置における、
前記切り換え操作は、ワーク搬送ラインに設けた複数の脱骨処理ステーション間をタクト搬送させるとともに、現位のワークが対応する脱骨処理ステーションに到着前で且つ前位のワークの脱骨処理直後のタクト搬送時に連動して行なわれるようにした構成が好ましい。
【0022】
上記発明は、前記左右切り換え操作部の切り換え作動時につき限定したもので、当該ワークが対応する脱骨処理ステーションへの到着手前で且つ先行ワークの脱骨処理直後の間に、ワークをタクト搬送するタクト送りに連動して行う構成にする。
【0023】
また、上記本発明の食肉脱骨装置における、
前記ワーク左右判別部は、
食肉部位が吊り下がっているワークの左右の部位を検知してその膨らみ偏位位置を検出するセンシング部である構成が好ましい。
【0024】
上記発明は食肉部位の左側ワークか右側ワークかの判別手段について記載したもので、非接触型センサを使用するのが良い。
【0025】
また、上記本発明の食肉脱骨装置における、
前記脱骨処理部は、ワークの一時貯留をするバッファー機能を持ち、下流運転状況に応じて前記ワークを脱骨処理ラインへ供給するスクリュー機構とした構成が好ましい。
【0026】
上記発明は、従来より課題とされた安全労働と脱骨ラインの効率的稼働の問題の解決を可能にしたもので、
うで・かた部、ももの脱骨に係わり、ワークである食肉部位の投入に際しての作業の効率向上と、安全性の向上、労働負荷の軽減を可能とし、特に従来の投入方法における下記の問題点を解決している。
a、従来の投入方法は、例えば豚うで部位の場合、その都度約7kg前後の重量を持ち上げる高負荷労働であった。
b、投入するクランパは搬送ライン内にあるため、危険を伴う作業であった。
c、投入するクランパはサイクル搬送により運転されているため、タイミングを外すとワンサイクルの間の作業停止が起き、作業効率の低下の原因を形成していた。
【0027】
それに対して、上記発明では、前処理作業者は、筋入れ等の前処理終了後、前処理したワークを俎板と同じ高さを緩走するベルトコンベヤよりなる搬送コンベヤに移載し、移載後前記コンベヤに伴走するシャックル搬送ラインの走行シャックルにワークの足首を引っ掛け、ワークを持ち上げることなく、また、作業者の安全を確保した中でシャックル搬送ラインに移載する。
なお、上記シャックルによる搬送ラインには、バッファー機能を持つ一時貯留可能で停止可能の供給スクリューへワークを受け渡す自動受け継ぎ部を設け、ワークを前記一時貯留可能の供給スクリューへ移載する構成としたため、遅滞なく余裕のあるワークの安全供給を可能にしている。
【0028】
また、上記本発明の食肉脱骨装置における、
前記脱骨処理ラインの1の処理ステーションは、把持する骨部の幅より大きい間口を持つ門型枠内へ銜え込み骨部を把持する門型チャックよりなる把持手段を備える構成が好ましい。
【0029】
上記発明において、従来肩甲骨の引き剥がしなどの際は、はさみ状の爪を使用した把持手段が使用されていたが、この場合は把持部にずれを生じ、安定した引き剥がしが出来ず、作業効率の低下の原因を形成していたため、本発明はこの問題の解決のためなされたもので、チャックの形状を門型としてチャックする間口を広くして、把持部材の固体差、位置ずれを吸収させ、チャックミス率の低減を図ることができるようにしてある。
【0030】
また、上記本発明の食肉脱骨装置における、
前記脱骨処理部の1の処理ステーションは、ワークを所定方向に傾動位置決めさせて、ワークの吊り下げ基準位置よりのワークの長さを検出して下流側処理ステーションの治具位置の制御を行うワーク寸法検出手段が存在する構成が好ましい。
【0031】
上記発明は、本発明の食肉脱骨装置に使用する、固体差のあるワークに対し最適な作業をするために、姿勢制御した後のワーク下面の基準位置よりのワークの大きさを測定し、検出したワーク寸法を基にしてワーク及びカッター等を最適な位置に移動して作業をするために行う基準長測定法につき記載したものである。
【0032】
また、上記本発明の食肉脱骨装置における、
前記左側ワーク処理治具か右側ワーク処理治具かのいずれかの選別がされる左右専用治具は、
a、脱骨時に必要とする姿勢制御部を備えた処理ステーションにおける、傾斜板を含む左右それぞれの姿勢制御ガイド手段、
b、ワークの切断機能を備えた処理ステーションにおいては、左傾斜若しくは右傾斜にそれぞれの傾斜面を持つ切断機構、
c、ミートセパレータ機能を備えた処理ステーションにおける、スクレープをする左右それぞれの骨部側と対面してなるスクレーパ機構、
のうち少なくとも1の治具である構成が好ましい。
【0033】
上記発明は、本発明の食肉脱骨装置の左側ワークか左側ワークかの判別信号により行う、左側ワーク処理治具か右側ワーク処理治具かのいずれかの選別の対象となる治具について列挙したものである。
【0034】
また、上記本発明の食肉脱骨装置における、
前記対応する脱骨処理ステーションにおける処理位置の左右切り換えによる共用治具は、ワークの骨首部クランパに回動若しくは傾動機構を備えたクランパ治具である構成が好ましい。
【0035】
上記発明は、クランパを共用治具として使用し、ワークが右側ワークである判別後40度の反半時計回りをさせ切り換え使用をし、ワークが左側ワークの場合は、判別後40度の時計回りをさせ切り換え使用をする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0037】
図1は本発明の背割り半截した吊し状態で脱骨する食肉部位の左右ブロックにランダムに対応して脱骨する食肉脱骨装置の概略構成を示すブロック図で、図2は図1のタクト送り部での左右ブロックのランダム処理の状況の一例を示す図である。
図3(A)は図1の左右判別部のワークの左右判別の状況を示す豚うで・かたロース部のクランパ側から見た光電センサの配光状況を示す正面図で、(B)はセンサの配設位置を示すクランプされた豚うで・かたロース部の縦断面図である。
図4は、図1のワーク投入部の自動ローディング装置の概略構成を示すブロック図で、図5は、図1の脱骨処理ステーションにおける門型チャックを使用した肩甲骨の引き剥がし把持手段の概略構成を示す図で、(A)は側面図で、(B)は正面図である。
図6は図5における門型チャックにより豚うで部から肩甲骨を取り除く状況を示す図で、(A)は上腕骨・肩甲骨の関節破壊を示し、(B)は倒れた肩甲骨の先端を銜えてチャックした状況を示し、(C)は肩甲骨をチャックした門型チャックの旧位置への復帰と肩甲骨の放出の状況を示し、(D)はチャック時におけるチャック許容範囲を示す図である。
図7は、図1の脱骨ステーションにおける骨関節を介在させた引っ張りの一例として前腕骨・上腕骨関節脱臼防止手段の概略構成を示す図である。
図8は、図1の左右切り換えステーションにおける、クランパ左右切り換え回動の状況を示す図である。
図9は、図1の左右切り換えステーションにおける、左専用スクレーパと右専用スクレーパの選択の状況を示す図である。
図10は、従来の半自動うで肉脱骨装置の姿勢制御の状況を示す図である。
図11は、従来の半自動うで肉脱骨装置のワークの長さ測定装置の概略構成を示す図である。
図12は、従来の豚かた部位のかたロース部切断の概略構成を示す図である。
【0038】
図1に示すように、本発明の食肉脱骨装置は、
背割りされ、吊り下げ状態で脱骨する食肉部位よりなるワークの筋入れをする前処理部10と、前処理したワークを本発明の食肉脱骨装置が形成する脱骨処理ラインに自動ローディング装置を介して投入するワーク投入部11と、投入されたワークをクランパに吊架した状態で左側ワークか右側ワークの何れに該当するかを判別する左右判別部12と、該判別部により判別結果に応じて下流の対応するステーションに左右切り換え信号を出力する左右切り換え操作部13と、前記左右切り換え信号を受け、要切り換え部位の切り換えをする左右切り換えステーション15と、前記切り換えを行い左右ランダムの脱骨ラインを形成するタクト送り部16と、脱骨排出部17とより構成する。
【0039】
そして、左右判別部12の判別結果に対応して下記に示す作動をする。
投入された当該食肉部位の左側ワークか右側ワークのいずれに該当するか左右判別部12で判別し、判別信号に応じて左右切り換え操作部13により、対応する左右切り換えステーション15で処理位置の左右切り換えと左側ワーク処理治具か右側ワーク処理治具かのいずれかの選別を行い、タクト送り部16でのタクト搬送に連動して左右ランダム脱骨ラインを形成する。
なお、上記左右判別部12による左右の判別は脱骨ラインへの投入直後に行い、
前記左右切り換え操作部13により左右切り換えステーション15で対応するステーションに対し行う左右切り換えは、当該現位ワークが対応ステーションへ到着手前で且つ先行する前位のワークの脱骨処理直後の間でタクト送り部16のタクト搬送に連動して、ワークのタクト搬送する過程で行う構成にしてある。
【0040】
従来は、前段の筋入れ前処理10で人手による要部筋入れを行ない、背割り後5分割された牛、豚、馬、羊、山羊等のブロックの内かた部位やもも部位の食肉部位を、後段の脱骨ラインに右側ワークないし左側ワークに分別してそれぞれ右左の専用脱骨ラインに分岐させ、それぞれの専用脱骨ラインでほぼ自動脱骨を行なっていた。
【0041】
本発明では、前記前処理部10により前処理の終了した食肉部位よりなるワークを、自動ローディング装置によるワーク投入部11で投入を行い、その後段で投入されたワークの左側ワークか右側ワークかの判別をセンサにより左右判別部12で行い、該判別結果に対応して後段の左右切り換え操作部13により、左右切り換え信号を後段の対応するステーションへ出力し、左右切り換えステーション15でタクト搬送に連動して左右切り換え設定を行うようにしたものである。その結果、例えば図2に示す左右ランダム脱骨ラインを形成し、各ステーション毎に左右の切り換えをタクト送り毎に行い左右のワークの混在した状態での脱骨を可能とする構成にしてある。
なお、図2には9個のステーション群よりなる脱骨ラインの各ステーションで右、左のワークがランダムに処理されている状況を示してある。
【0042】
上記構成により、左右何れの食肉部位かの判別と、該判別に対応できる左右ランダム脱骨ラインの使用により、従来の右左専用の脱骨ラインに代わり設備コストの削減を図るとともに稼働率の向上と、効率的運転ができ、前記稼働率の向上による設備の休転時間の短縮からくる施設の衛生管理の確実な実施を可能とし、より好適な衛生環境のもとに脱骨解体を行うことができる。
【0043】
上記センサによる左右判別部12は、図3(A)に示すように、例えばワークである食肉部位にかた部位を使用した場合には、右側ワークかた部位であるワーク50a、または左側ワークかた部位であるワーク50bの何れかのワーク(図で実線は右側かた部位50aを指し、二点鎖線は左側かた部位50bを指す)を、図3(B)に示す足首クランパ51を介してその表側(頚椎・胸椎で縦断した縦断面の反対側)がワーク搬送軸X1に平行の鉛直壁面X2に対面するよう吊架し、前記鉛直壁面X2に光電距離センサ18aと18bとを設け、その照射光は図の(B)に示すワークの左右の部位を照射するように配設してある。
図3(A)には、前記したようにワークの前記照射位置を過る載断面を実線または二点鎖線で示してあるが、図に見るようにワーク50aの右側かた部位の場合は左側ワークが膨らみ、ワーク50bの左側かた部位の場合は右側ワークが膨らむため、この膨らみによるワークの偏位を距離検出光電センサにより検出して左右の判別を行う構成にしてある。
則ち、図3(A)に見るように、実線載断面の場合は光電センサ18aが作動し、二点鎖線の場合は光電センサ18bが作動してワークが右側ワークかた部位か左側ワークかた部位であるかを判別する。
【0044】
次に、左右切り換えステーション15の要切り換え部位の処理位置の切り換え及び左側ワーク処理治具と右側ワーク処理治具の選別は、下記のように構成する。則ち、
a、図8に示すように、クランパの左右切り換えは、左右兼用クランパの左右切り換え回動により構成し、
食肉動物の四肢はそれぞれ前後に傾斜する形状になっているため、足首クランパの切り換えは80度の回転により対称位置に切り換えを行うようにし、
b、また、脱骨時に必要とする姿勢制御は、図10に示すように、右専用または左専用の姿勢制御ガイドと制御手段より構成する。
図10には頚椎・胸椎で縦断された(背割りされた)右側ワークの豚かた部位肉の脱骨時の吊架状態を示す図であるが、図に示すようにワーク(右側かた部位)50aは足首51aを足首クランパ52aを介して斜め右肩上がりにクランプされ、姿勢制御用の傾斜基準板54a(傾斜角60度)に対し横押し板56aによりその切断面67aを押し当て位置制御するようにして、それぞれの治具を選別使用する。
図10に見るように、傾斜基準板54aを左右面対称位置に突出可能に設けるととともに、同じく左右面対称位置に突出可能に設けた横押し板56aを左右切り換え可能に押圧する押圧手段を設ける構成にしてある。
c、カッターに対しては、右専用または左専用の分離用の切り下げカッターを左右に備えるか、またはそれを可能とする切り下げ手段を左右別々に用意し切り換え使用する。例えば、図12に示すかたロース部切断の場合は水平に対し11度の傾斜面により往復カッター63aにより切断している。そのため左右それぞれ11度の傾斜面を持つ切断機構を持つ治具を設け選別使用する。
なお、図11に見るように、前記姿勢制御(図10参照)して60度の傾斜を持つワーク(右側かた部位)50aは、上記姿勢制御した状態でセンシングバー54cを介して足首クランパ52aの下面である基準位置よりのワーク50aの長さを検出し、検出したワーク寸法を基にしワーク及びカッター等を最適な位置に移動して最適な作業をする構成にしてあるため、上記左右の傾斜基準板54a、54bの設置及び該傾斜基準板を基準にしたワークの姿勢制御は、脱骨処理に必要な第1処理段階を形成しており、この姿勢制御用傾斜基準板は右側ワークと左側ワーク用にそれぞれ設備を必要とするとともに、姿勢制御のための押し、または引っ張り用アクチュエータを必要とする。
d、また、ミートセパレータ58に対しては、図9に示すように、肉削ぎ落としミートセパレータの骨部に対する削ぎ落とし方向を異にする右専用スクレーパ58aまたは左専用スクレーパ58bを切り換え使用する構成にしてある。
e、前腕骨部の引き剥がし後に行う、関節縦切断用の左右の回転刃及び関節横切を含む機構を左右切り換え可能に構成してある。
【0045】
前記したように、例えば、図10に示すワーク姿勢制御ステーションで、足首51aを右専用クランパ52aで吊架したワーク50a(右側かた部位)を水平に対し60度傾斜を持つ傾斜基準板54aに対し横押し板56aにより横押しして、ワーク50aの載断面67aを前記傾斜基準板54aに押圧姿勢制御をした後、図11に示すセンシングバー54cを介してクランパ52aの下面の基準面よりワークの長さを測定し、検出したワーク寸法を基にしてワーク及びカッター等を最適な位置に移動させて最適な作業をする構成にしてある。そのため、上記左右個別に面対称位置に突出可能に設けた傾斜基準板54a、54b及び、該傾斜基準板を基準にしてワークの姿勢制御用横押し板56a、56bの設置は、かた部位の脱骨処理に必要な第1処理段階を形成する切り換え部位である。
【0046】
また、例えば図12に示すかたロース部切断ステーションにおいては、図に見るように前記姿勢制御したワーク50aのかたロース部の切断は、水平に対し11度の傾斜切断面で往復作動するカッターにより行なっているが、この場合も左右のワーク50a、50bに対しそれぞれ対応するカッター機構を用意し切り換え作動させる構成が必要である。
【0047】
なお、ワークをクランプする足首クランパ52aも、図8に示すように左右専用位置にそれぞれ左右40度の回転により切り換える切り換え手段を用意し、それぞれ切り換え作動させ、正しい姿勢制御をする構成にしてある。
なお、上記以外にも左右切り換え加工部には、
右専用または左専用の分離用切り下げカッターを左右に備えた切り下げカッター部や、又は図9に示す肉切り削ぎ方向を異にする右専用スクレーパ58a又は左専用スクレーパ58bを切り換え使用する左右切り換え機構と、前腕骨部の引き剥がし後に行う、関節縦切断用の左右の回転刃及び関節横切を含む機構もそれぞれ設ける必要がある。
【0048】
次に、図4には、図1に示す食肉脱骨装置における、自動ローディング装置25の概略構成が示してある。
図に見るように、前記自動ローディング装置25は、ワークである吊り下げ状態で脱骨する食肉部位の筋入れを人手により行う前処理用の俎板20と、該俎板20の縁に沿って緩走し俎板上の前処理済みワークを容易に搬送可能とする搬送コンベヤ21と、該搬送コンベヤに殆ど同一速度で伴走して前記搬送コンベヤ21上のワークの足首を引っ掛け搬送するシャックル搬送ライン22と、シャックル22aよりワークを受け取る受け継ぎシャックル23aを備えたワーク受け継ぎ部23と、受け継ぎシャックル23aよりワークの供給を受け一時貯留する供給スクリュー24とより構成し、
前記一時保留中のワークを後段の断続運動をする停止時の脱骨ラインのクランパ52a、52bに自動投入する構成としたものである。
【0049】
上記発明は従来より課題とされた安全労働と脱骨ラインの効率的稼働の問題の解決を可能にしたもので、
従来の投入作業は、例えば豚うで部位の場合人手により約7kg前後のワークを投入する高負荷労働が必要とされ、また、搬送ライン中のクランパへの投入を余儀なくされる構造のため危険を伴う作業であった。なお、投入の機会を失った場合は、次回サイクルまで、そのクランパに対する作業は停止を余儀なくされる等の問題点を抱えていた。
そのため、本発明では、前処理作業者は、筋入れ等の前処理終了後、前処理したワークを俎板20と同じ高さを緩走する搬送コンベヤ21に移載し、移載後前記搬送コンベヤ21に伴走するシャックル搬送ライン22のシャックル22aにワークの足首を引っ掛け、ワークを持ち上げることなく、また作業者の安全を確保した中でシャックル搬送ライン22に移載する。
なお、上記シャックル搬送ライン22の後段には、バッファー機能を持つ一時貯留可能の供給スクリュー24へ受け継ぎシャックル23aを介してワークを受け渡すワーク受け継ぎ部23を設け、ワークを前記一時貯留可能の供給スクリュー24へ移載する構成としたため、遅滞なく余裕のあるワークの安全供給を可能にし、従来に見られたタイミングを見計らっての不安定な重労働、且つ危険度の高い投入作業を皆無とした。
【0050】
図5は、図1の脱骨処理ステーションにおける門型チャックを使用した肩甲骨の引き剥がし把持手段の概略構成を示す図である。
図5(A)は、図1の脱骨ステーションにおける右側ワークの豚うで・かたロース部から、かたロース部を切り離した豚うで部のワーク60aを足首クランパ52aにクランプさせ、その前に門型チャック27を配設した肩甲骨把持部を主体とする引き剥がし部の側面図で、図5(B)は(A)のIVB−IVB視図である。
図5(A)に見るように、足首クランパ52aにクランプされている前腕骨53は、図示していない前腕骨・上腕骨関節を介して上腕骨54が接合され、上腕骨54の下部の上腕骨頭には肩甲骨55が関節56を介して接合されている。
本発明の門型チャック27を使用した把持手段は、肩甲骨55の下部を押圧する肉折りプレート26と、該肉折りプレートに付随して移動するアクチュエータ27bを介して昇降する門型チャック27と、肉押さえバー28とより構成し、
前記肉押さえバー28を上腕骨54の反対側肉部を押さえるように配設し、門型チャック27は脱骨しようとする肩甲骨55の前面に配設して、前記各部材は図6(A)、(B)、(C)に見るように、矢印方向に番号順に移動して前倒させた肩甲骨55のくびれ部55aをチャックする構成にしてある。
【0051】
図6は図5と同じく図1に示す脱骨ステーションにおいて、(A)は上腕骨・肩甲骨の関節56の破壊される状況を示し、図6(B)は破壊され前倒れになった肩甲骨55のくびれ部55aを門型チャック27で銜えチャックした状況を示し、図6(C)は肩甲骨55をチャックした門型チャック27の旧位置への復帰と肩甲骨55の放出の状況を示し、図6(D)は門型チャック27のチャック時におけるチャック許容範囲を示す図である。
図6(A)に見るように、最初に肉折りプレート26を矢印< 1 >方向へ前進させ、肩甲骨55の下部への押圧力により肉押さえバー28の下端を支点にして上腕骨54の下部肉部を矢印< 2 >の方向へ折り曲げる。
その結果、肩甲骨55は上腕骨54との間の関節部を破壊されて、その先端部位は門型チャック27内に前倒する。
ついで、図6(B)に示すように、前記門型チャック27をアクチュエータ27bを介して矢印< 3 >に沿い下降させ、爪26aと27aで肩甲骨55のくびれ部55aをチャックする。
ついで、図6(C)に示すように、肉折りプレート26、門型チャック27、アクチュエータ27bを矢印< 4 >の方向に後退させ旧位置に復帰させるとともに、前腕骨53、上腕骨54を含む肉部は足首クランパ52aを介して矢印< 5 >の方向に上昇させる。
その後、前記肉折りプレート26を矢印< 6 >の方向に回動させるとともに門型チャック27を矢印< 7 >の方向に上昇させ、門型チャックを解放して引き剥がした肩甲骨55を放出する。
【0052】
なお、図6(D)に示すように門型チャック27の使用の場合は、肩甲骨のくびれ部55aに対し左右に余裕S1、S2を持たせてあるため、肩甲骨を銜え込む際に、ワークに多少のずれが生じてもチャックから外れ出ることはなく、確実に肩甲骨の引き剥がしを行うことができる。
【0053】
また、図7は、図1の脱骨ステーションにおける骨関節を介在させた引っ張りの一例として前腕骨・上腕骨関節脱臼防止手段の概略構成を示す図である。
図7に見るように、前腕骨53、前腕骨・上腕骨関節57を介して、上腕骨54より、ミートセパレータ58を介して、ワーク61a(肩甲骨を脱骨した豚うで部)よりの脱骨の状態が示してある。
本発明は、上記上腕骨54の肉の引き剥がし、及び上腕骨頭54dの高さ測定に際して使用する前腕骨・上腕骨関節57の脱臼を防止する防止手段で、上腕骨54の骨部挟持用フォーク29と該フォークの上腕骨部への挿入をするアクチュエータ29aと挿入したフォーク29を上昇させるアクチュエータ29bとより構成し、
上腕骨54のくびれた部分に前記フォーク29をアクチュエータ29aにより差し込み、クランパ52aの引き上げと同時に前記差し込んだフォーク29をアクチュエータ29bにより引き上げ、
上腕骨54の引き剥がし及び上腕骨頭54aの高さ測定時に起きる前記前腕骨・上腕骨関節57の脱臼を防止する構成にしてある。
【0054】
なお、使用に際しては、下記手順により行う。
a、まず、ミートセパレータ58を閉める(矢印< 1 >)。
b、ついで、フォーク29を上腕骨54のくびれ部分に差し込む(矢印< 2 >)。
c、ついで、クランパ52aの引き上げ(矢印< 3 >)とフォーク29の引き上げ
(矢印< 4 >)を同時に行う。
d、引き剥がし、測定を行う。
【0055】
【発明の効果】
上記構成により下記効果を奏する。
a、左右判別部の判別により脱骨ラインの左右切り換えステーションの要切り換え部位の切り換えを行い、左右ランダム脱骨ラインを形成する。従来の個別の左専用ないし右専用脱骨ラインに代わり、左右判別機能、左右切り換え操作機能の導入により左右ランダム脱骨ラインを形成して、同一装置内での左右ブロックの脱骨処理を可能にした。
そのため設備コストの大幅削減、稼動率の大幅向上、設備の衛生管理も一元化でき、良好な衛生環境での作業を可能とした。
b、また、自動ローディング装置の導入により、労働荷重の大幅低減と安全性の確保と、効率的且つ安定した脱骨作業を可能とした。
c、また、門型チャックの導入により、チャックする間口が広くなり、固体差、位置ずれを吸収でき、チャックミス率の低減を図ることができる。
d、また、骨関節の脱臼防止手段の導入により、例えば前腕骨・上腕骨関節の脱臼防止が可能となり、後工程の脱骨を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の背割り半截した吊し状態で脱骨する食肉部位の左右ブロックにランダムに対応して脱骨を行う食肉脱骨装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のタクト送り部での左右ブロックのランダム処理の状況の一例を示す図である。
【図3】 (A)は図1の左右判別部のワークの左右判別の状況を示す豚うで・かたロース部のクランパ側から見た光電センサの配光状況を示す正面図で、(B)はセンサの配設位置を示すクランプされた豚うで・かたロース部の縦断面図である。
【図4】 図1のワーク投入部の自動ローディング装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】 図1の脱骨処理ステーションにおける門型チャックを使用した肩甲骨の引き剥がし把持手段の概略構成を示す図で、(A)は側面図で、(B)は(A)のIVB−IVB視図である。
【図6】 図5における門型チャックにより豚うで部から肩甲骨を取り除く状況を示す図で、(A)は上腕骨・肩甲骨の関節破壊を示し、(B)は倒れた肩甲骨の先端を銜えてチャックした状況を示し、(C)は肩甲骨をチャックした門型チャックの旧位置への復帰と肩甲骨の放出の状況を示し、(D)はチャック時におけるチャック許容範囲を示す図である。
【図7】 図1の脱骨ステーションにおける骨関節を介在させた引っ張りの一例として前腕骨・上腕骨関節脱臼防止手段の概略構成を示す図である。
【図8】 図1の左右切り換えステーションにおける、クランパ左右切り換え回動の状況を示す図である。
【図9】 図1の左右切り換えステーションにおける、左専用スクレーパと右専用スクレーパの選択の状況を示す図である。
【図10】 従来の半自動うで肉脱骨装置の姿勢制御の状況を示す図である。
【図11】 従来の半自動うで肉脱骨装置のワークの長さ測定装置の概略構成を示す図である。
【図12】 従来の豚かた部位のかたロース部切断の概略構成を示す図である。
【図13】 従来の豚ウデカタ部の半截ブロックの除骨システムの概略構成を示すブロック図である。
【図14】 従来の豚もも肉の除骨装置の概略構成を示す図である。
【図15】 従来の豚うで・かたロース肉の全脱骨をする脱骨装置の流れを示す図である。
【図16】 豚枝肉の分割部位を示す模式図である。
【符号の説明】
10 前処理部
11 ワーク投入部
12 左右判別部
13 左右切り換え操作部
15 左右切り換えステーション
16 タクト送り部
17 脱骨排出部
18a、18b 光電距離センサ
20 俎板
21 搬送コンベヤ
22 シャックル搬送ライン
22a シャックル
23 ワーク受け継ぎ部
23a 受け継ぎシャックル
24 供給スクリュー
25 自動ローディング装置
26 肉折りプレート
26a、27a 爪
27 門型チャック
27b、29a、29b アクチュエータ
28 肉押さえバー
29 骨部挟持用フォーク
Claims (3)
- 食肉屠体の骨付きかた部位若しくは骨付きもも部位のように、非同一で且つ対称形状の左側食肉部位と右側食肉部位(以下食肉部位を総称してワークといい、左側食肉部位を左側ワーク、右側食肉部位を右側ワークという)とを混在させて、ワーク搬送ラインに設けた吊り下げ治具に吊り下げるワーク投入工程と、
前記ワークを吊り下げ治具に吊り下げた状態で、左側ワークと右側ワークのふくらみ方向の違いによるワークの左右の膨らみ偏位をセンサにより検出して前記ワークが左側ワークか右側ワークかの判別を行うワーク左右判別工程と、
前記ワーク左右判別工程の後流側に、ワークを吊り下げ治具に吊り下げた状態でワークを搬送するワーク搬送ラインのライン移動方向に沿って複数の脱骨処理ステーションを形成し、該処理ステーション毎に設けた処理治具により前記ワークの脱骨処理をする脱骨処理工程とを具え、
前記ワーク左右判別工程よりの判別信号に基づいて、対応する前記脱骨処理ステーションにおける処理位置の左右切り換え若しくは左側ワーク処理治具か右側ワーク処理治具のいずれかの選別を行い、1の搬送ラインで左側ワークと右側ワークの両者の脱骨処理を行うようにしたことを特徴とする食肉脱骨方法。 - 食肉屠体の左側ワークと右側ワークとを混在させて、ワーク搬送ラインに設けた吊り下げ治具に吊り下げるワーク投入部と、
前記ワークを吊り下げ治具に吊り下げた状態で、左側ワークと右側ワークのふくらみ方向の違いによるワークの左右の膨らみ偏位をセンサにより検出して前記ワークが左側ワークか右側ワークかの判別を行うワーク左右判別部と、
前記ワーク左右判別部の後流側に、ワークを吊り下げ治具に吊り下げた状態でワークを搬送するワーク搬送ラインを設け、該搬送ラインのライン移動方向に沿って複数の脱骨処理ステーションを形成し、該処理ステーション毎に設けた処理治具により前記ワークの脱骨処理をする脱骨処理部と、
前記ワーク左右判別部よりの判別信号に基づいて、対応する前記脱骨処理ステーションにおける処理位置の左右切り換え若しくは左側ワーク処理治具か右側ワーク処理治具のいずれかの選別を行う左右切り換え操作部とを備え、
前記左右切り換え操作がタクト搬送サイクルと連動して行うようにしたことを特徴とする食肉脱骨装置。 - 前記左側ワーク処理治具か右側ワーク処理治具かのいずれかの選別がされる左右専用治具が、
脱骨時に必要とする姿勢制御部を備えた処理ステーションにおける、傾斜板を含む左右それぞれの姿勢制御ガイド手段、
ワークの切断機能を備えた処理ステーションにおける、左傾斜若しくは右傾斜にそれぞれの傾斜面を持つ切断機構、
ミートセパレータ機能を備えた処理ステーションにおける、スクレープをする左右それぞれの骨部側と対面してなるスクレーパ機構、
のうち少なくとも1の治具であることを特徴とする請求項2記載の食肉脱骨装置。
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