以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図24は本発明を第1種パチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。4はガラス扉、5は前面板で、これらは前枠3の窓孔6に対応して上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
7は発射用の遊技球を貯留する上皿で、前面板5の前側に装着され、上皿カバー8により覆われている。上皿カバー8には、スピーカー等の音声出力手段9からのサウンドを前側に出力する例えばスリット状の音声出力部8aが形成されている。
また、10は余剰球等を貯留する下皿で、前面板5の下側で前枠3の前側に配置され、下皿カバー11により覆われている。12は遊技盤で、前枠3の窓孔6に対応するように、前枠3の裏側に着脱自在に装着されている。
13は発射手段で、下皿10の一側で前枠3の前側に設けられた発射ハンドル14と、前面板5の後方に配置された発射レール15と、前枠3の裏側に配置された発射モータ16及び打撃槌17等を備え、発射ハンドル14を操作したときに、発射モータ16により打撃槌17が作動して、前面板5の裏側に装着された図外の球送り手段により上皿7から発射レール15上に1個ずつ供給される遊技球を遊技盤12側に発射させるようになっている。
遊技盤12の前面側には、図2に示すように、発射手段13から発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に配設されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、可変表示手段24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。
可変表示手段24は、遊技盤12に前面側から装着された表示ケース29と、この表示ケース29の略中央に配置された例えば液晶式の可変表示部30とを備えている。表示ケース29には、普通図柄表示手段31、普通保留個数表示手段32、特別保留個数表示手段33、ランプ手段34等が設けられている。可変表示部30は、各種動画、静止画等を表示可能であり、特別図柄表示手段35を構成している。
普通図柄表示手段31は、1個又は複数個、例えば2個の普通図柄を変動表示可能な例えば7セグメント式の表示手段により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件にその普通図柄を所定の普通図柄変動パターンに従って所定時間変動表示し、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された当たり判定用乱数値(普通検出情報の一例)が予め定められた当たり判定値と一致する場合には所定の当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止させるようになっている。
普通図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を適宜使用可能である。本実施形態では、2つの普通図柄に夫々「1」「2」の2種類の数字図柄が用いられており、2つの普通図柄が同一となる「1・1」「2・2」の2種類が当たり態様、2つの普通図柄が異なる「1・2」「2・1」の2種類が外れ態様となっている。なお、普通図柄表示手段31は、1又は3以上の普通図柄を変動表示可能に構成してもよいし、例えば1又は複数個の発光体を設け、それら発光手段の発光状態により普通図柄を構成し、所定の発光体が発光した状態を当たり態様とするなど、その発光体の発光状態に応じて当たり/外れを表示するようにしてもよい。
また、普通図柄表示手段31の変動表示中に普通図柄始動手段25が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定用乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶され、普通図柄表示手段31が変動表示可能となる毎に、その記憶された当たり判定用乱数値が順次普通図柄表示手段31による普通図柄の変動に供される。なお、未だ普通図柄表示手段31による普通図柄の変動に供されていない当たり判定用乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)は、例えば上限保留個数と同数の発光手段よりなる普通保留個数表示手段32により遊技者に報知されるようになっている。
特別図柄始動手段26は、遊技球が入球容易な開状態と入球困難(又は入球不可能)な閉状態とに変化可能に構成された開閉動作可能な可変作動式の電動式チューリップ等により構成されており、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となって第1利益状態が発生したときに、左右一対の開閉爪26aが所定時間開状態に作動するようになっている。
特別図柄表示手段35は、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の特別図柄を夫々変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件に、特別図柄を所定の特別図柄変動パターンに従って所定時間変動表示し、左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。特別図柄表示手段35による特別図柄の変動後の停止図柄は、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に取得された大当たり判定用乱数値(特別検出情報の一例)が予め定められた大当たり判定値と一致した場合には例えば全ての特別図柄が同一となる大当たり態様となり、それ以外の場合には特別図柄の少なくとも1つが異なる図柄となる外れ態様となる。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する第2利益状態中に特別図柄始動手段26が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定用乱数値等が所定の上限保留個数、例えば4個を限度として記憶され、特別図柄表示手段35が変動表示可能となる毎に、その記憶された大当たり判定用乱数値が順次特別図柄表示手段35による特別図柄の変動に供される。なお、未だ特別図柄表示手段35による特別図柄の変動に供されていない大当たり判定用乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)は、例えば上限保留個数と同数の発光手段よりなる特別保留個数表示手段33により遊技者に報知されるようになっている。
特別図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を適宜使用可能であり、この実施形態では、「0」〜「9」の10種類の数字図柄を左・中・右の特別図柄に夫々用いている。また、全ての特別図柄が同一となる大当たり態様には、特別大当たり態様と通常大当たり態様とがあり、「3・3・3」「7・7・7」等、奇数図柄よりなる大当たり態様を特別大当たり態様、「2・2・2」「6・6・6」等、偶数図柄よりなる大当たり態様を通常大当たり態様とする。
大入賞手段27は、遊技者に有利な開状態と遊技者に不利な閉状態とに変化可能な開閉板27aを備えた可変作動式であって、特別図柄表示手段35の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて第2利益状態が発生したときに、開閉板27aが前側に所定時間開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。また大入賞手段27は、その内部側が3個等の複数個の通路に分割され、その一部の通路が特定領域38となっている。大入賞手段27は、その開放から所定時間(例えば30秒間)が経過するか、所定時間内に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞することを条件に開閉板27aを閉じ、遊技球が特定領域38を通過することを条件に、最大所定ラウンド(例えば16ラウンド)までこの開閉動作を繰り返すようになっている。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、41は主制御基板、42は演出制御基板で、これら各制御基板41,42は、遊技盤12に装着された可変表示手段24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤12を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板41は、主に遊技盤12側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU、ROM、RAM等により構成される普通乱数発生手段51、普通乱数取得手段52、普通乱数記憶手段53、普通判定手段54、普通図柄変動態様決定手段55、第1利益状態発生手段56、特別乱数発生手段57、特別乱数取得手段58、特別乱数記憶手段59、特別判定手段60、特別図柄変動態様決定手段61、第2利益状態発生手段(利益状態発生手段)62、特別遊技状態発生手段63、制御コマンド送信手段64等を備えている。
普通乱数発生手段51は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定用乱数の他、変動後の普通図柄が当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる当たり図柄用乱数、変動後の普通図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ普通図柄用乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生するように構成されている。
普通乱数取得手段52は、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件に普通乱数発生手段51から当たり判定用乱数値と当たり図柄用乱数値とを夫々1個取得し、それら当たり判定用乱数値及び当たり図柄用乱数値を、普通図柄短縮タイマの初期値と共に予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段53に記憶させると共に、普通保留個数の値に01Hを加算するように構成されている。普通図柄短縮タイマの初期値は、予め所定の値、例えば0258Hに設定されている。
普通乱数記憶手段53は、図4に示すように、当たり判定用乱数値を記憶するための当たり判定用乱数記憶エリア、当たり図柄用乱数値を記憶するための当たり図柄用乱数記憶エリア、普通図柄短縮タイマの値を記憶するための普通図柄短縮タイマ記憶エリアが、夫々上限保留個数(4個)よりも1つ多い5つずつ設けられており、当たり判定用乱数値と当たり図柄用乱数値と普通図柄短縮タイマの初期値とは、夫々対応する各5つの記憶エリア0〜4のうち、記憶エリア0を除く4つの記憶エリア1〜4に順次前詰めで記憶されるようになっている。この普通乱数記憶手段53が、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することに基づいて取得される普通検出情報(当たり判定用乱数値等)を記憶する普通検出情報記憶手段の一例である。
なお、普通図柄短縮タイマ記憶エリア0〜5に記憶された普通図柄短縮タイマの値は、所定のタイマ値減算手段(図示省略)により、例えば定期割り込み毎に01Hずつ減算されるようになっている。本実施形態では、4msec毎に定期割り込みが行われるものとする。従って、普通図柄短縮タイマの値(初期値0258H)は、記憶されてから2.4秒後に0000Hとなる。
普通判定手段54は、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否か、即ち第1利益状態を発生させるか否かを判定するもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定用乱数値が記憶されている場合(普通保留個数が1以上の場合)に、普通乱数記憶手段53の当たり判定用乱数記憶エリア1〜4、当たり図柄用乱数記憶エリア1〜4、普通図柄短縮タイマ記憶エリア1〜4に記憶されている値を夫々対応する記憶エリア0〜3にシフトし、普通保留個数の値から01Hを減算すると共に、当たり判定用乱数記憶エリア0に記憶されている当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かを判定する当たり判定処理を行い、その当たり判定処理で当たりと判定した場合に、例えば当たりフラグ(初期値00H)に内部判定当たりを表す5AHをセットするようになっている。
普通図柄変動態様決定手段55は、普通図柄の変動開始に際してその普通図柄の変動態様、例えば変動パターンと停止図柄とを決定するもので、普通停止図柄選択手段55aと普通図柄変動パターン選択手段55bとを備えている。
普通停止図柄選択手段55aは、普通図柄の変動後の停止図柄(以下、普通停止図柄という)を複数種類の中から選択するもので、例えば所定時間間隔(ここでは4msec毎)で行われる定期割り込み毎に普通停止図柄選択処理を実行するように構成されている。
普通停止図柄選択手段55aによる普通停止図柄選択処理は、例えば図6に示すような手順で行われる。即ち、まず当たりフラグの値が5AH(内部判定当たり)か否かが判定される(S1)。ここで、当たりフラグの値が5AH(内部判定当たり)の場合には、当たり普通停止図柄テーブル(図7(a))の先頭アドレスがテーブルアドレスにセットされ(S2)、そのテーブルアドレスに当たり図柄用乱数記憶エリア0に記憶されている当たり図柄用乱数の値の2倍が加算される(S3)。一方、当たりフラグの値が00H(内部判定当たり以外)の場合には、外れ普通停止図柄テーブル(図7(b))の先頭アドレスがテーブルアドレスにセットされ(S4)、そのテーブルアドレスに、普通乱数発生手段51から取得された外れ普通図柄用乱数の値の2倍が加算される(S5)。
そして、テーブルアドレスの示す領域の値が左普通停止図柄コマンドバッファにセットされ(S6)、更にそのテーブルアドレスに01Hが加算されて(S7)、そのテーブルアドレスの示す領域の値が右普通停止図柄コマンドバッファにセットされる(S8)。
ここで、左右の普通停止図柄コマンドバッファは、制御コマンド送信手段64に対して普通停止図柄指定コマンドの送信を指示するためのもので、例えば左普通停止図柄コマンドバッファに01Hがセットされると、左普通図柄の停止図柄として「1」を指定するための左普通停止図柄1指定コマンドが送信され、左普通停止図柄コマンドバッファに02Hがセットされると、左普通図柄の停止図柄として「2」を指定するための左普通停止図柄2指定コマンドが送信される。右普通停止図柄コマンドバッファについても同様である。
これにより、例えば当たりフラグの値が5AH(内部判定当たり)の場合には、当たり図柄用乱数の値が00Hであれば左右の普通図柄コマンドバッファに共に01Hがセットされて停止図柄は「1・1」となり、当たり図柄用乱数の値が01Hであれば左右の普通図柄コマンドバッファに共に02Hがセットされて停止図柄は「2・2」となる。同様に、当たりフラグの値が00H(内部判定当たり以外)の場合には、外れ普通図柄用乱数の値が00Hであれば左右の普通図柄コマンドバッファに夫々01H,02Hがセットされて停止図柄は「1・2」となり、外れ普通図柄用乱数の値が01Hであれば左右の普通図柄コマンドバッファに夫々02H,01Hがセットされて停止図柄は「2・1」となる。
普通図柄変動パターン選択手段55bは、普通図柄変動パターンを複数種類の中から選択するもので、例えば所定時間間隔(ここでは4msec毎)で行われる定期割り込み毎に普通図柄変動パターン選択処理を実行するように構成されている。
普通図柄変動パターン選択手段55bによる普通図柄変動パターン選択処理は、例えば図8に示すような手順で行われる。即ち、まず変動パターンオフセットに00Hがセットされ(S11)、続いて状態フラグの値が判定される(S12)。状態フラグには、後述する確変遊技状態中には5AHがセットされ、それ以外は00Hがセットされるようになっている。
S12において状態フラグの値が5AHであれば、即ち確変遊技状態中であれば、次のS13〜S16の処理が行われる。即ち、変動パターンオフセットの値に01Hが加算され(S13)、普通図柄短縮タイマの値が普通図柄短縮タイマ記憶エリア0からロードされ(S14)、その普通図柄短縮タイマの値が0000Hか否かが判定される(S15)。普通図柄短縮タイマの値が0000Hであれば、即ち初期値0258Hがセットされてから(普通図柄始動手段25によりこの普通図柄変動に対応する遊技球が検出されてから)既に2.4秒経過している場合には、変動パターンオフセットの値に01Hが加算される(S16)。
この時点での変動パターンオフセットの値は、確変遊技状態以外の通常遊技状態中の場合は00H、確変遊技状態中であって普通図柄始動手段25によりこの普通図柄変動に対応する遊技球が検出されてから未だ2.4秒経過していない場合は01H、確変遊技状態中であって普通図柄始動手段25によりこの普通図柄変動に対応する遊技球が検出されてから既に2.4秒経過している場合は02Hとなる。
続いて、普通図柄変動パターンテーブル(図9)の先頭アドレスがテーブルアドレスにセットされ(S17)、テーブルアドレスに変動パターンオフセットの値が加算され(S18)、そのテーブルアドレスの示す領域の値が普通図柄変動パターンコマンドバッファにセットされる(S19)。ここで選択される普通図柄変動パターンは3種類であり、夫々図10に示すような変動時間に設定されている。
なお、普通図柄変動パターンコマンドバッファは、制御コマンド送信手段64に対して普通図柄変動パターン指定コマンドの送信を指示するためのもので、例えばここに01Hがセットされると普通図柄変動パターン1指定コマンドが、02Hがセットされると普通図柄変動パターン2指定コマンドが、03Hがセットされると普通図柄変動パターン3指定コマンドが、夫々送信される。
普通図柄変動パターンテーブル(図9)によれば、普通図柄始動手段25によりこの普通図柄変動に対応する遊技球が検出されてから未だ2.4秒経過していない場合には必ず変動時間が5.0秒よりも長い普通図柄変動パターンが選択されるため、普通図柄始動手段25により遊技球が検出されてからそれに対応する普通図柄の変動が終了するまでの時間を必ず所定時間(5.0秒)以上確保することができる。また、通常遊技状態中よりも確変遊技状態中の方が普通図柄の変動時間が短くなる。
第1利益状態発生手段56は、普通判定手段54による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となることに基づいて、特別図柄始動手段26の開閉爪26aを所定時間開放させる第1利益状態を発生させるものである。
特別乱数発生手段57は、変動後の特別図柄を大当たり態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定用乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄用乱数、変動後の特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ特別図柄用乱数1〜3、特別図柄変動パターンの選択に用いる特別図柄変動パターン用乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生するように構成されている。本実施形態では、大当たり判定用乱数は0000H(0)〜0167H(359)の範囲で、大当たり図柄用乱数、外れ特別図柄用乱数1は00H(0)から09H(9)の範囲で、外れ特別図柄用乱数2は00H(0)から63H(99)の範囲で、外れ特別図柄用乱数3、特別図柄変動パターン用乱数は00H(0)から13H(19)の範囲で、それぞれ繰り返し発生されるものとする。
特別乱数取得手段58は、特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件に特別乱数発生手段57から大当たり判定用乱数値と大当たり図柄用乱数値とを夫々1個取得し、それら大当たり判定用乱数値及び大当たり図柄用乱数値を、特別図柄短縮タイマの初期値と共に予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として特別乱数記憶手段59に記憶させると共に、特別保留個数の値に01Hを加算するように構成されている。特別図柄短縮タイマの初期値は、予め所定の値、例えば02EEHに設定されている。
特別乱数記憶手段59は、図5に示すように、大当たり判定用乱数値を記憶するための大当たり判定用乱数記憶エリア、大当たり図柄用乱数値を記憶するための大当たり図柄用乱数記憶エリア、特別図柄短縮タイマの値を記憶するための特別図柄短縮タイマ記憶エリアが、夫々上限保留個数(4個)よりも1つ多い5つずつ設けられており、大当たり判定用乱数値と大当たり図柄用乱数値と特別図柄短縮タイマの初期値とは、夫々対応する各5つの記憶エリア0〜4のうち、記憶エリア0を除く4つの記憶エリア1〜4に順次前詰めで記憶されるようになっている。この特別乱数記憶手段59が、特別図柄始動手段26が遊技球を検出することに基づいて取得される特別検出情報(大当たり判定用乱数値等)を記憶する特別検出情報記憶手段の一例である。
なお、特別図柄短縮タイマ記憶エリア0〜5に記憶された特別図柄短縮タイマの値は、普通図柄短縮タイマと同様、所定のタイマ値減算手段(図示省略)により、例えば定期割り込み毎(4msec毎)に01Hずつ減算されるようになっている。従って、特別図柄短縮タイマの値(初期値02EEH)は、記憶されてから3.0秒後に0000Hとなる。
特別判定手段60は、特別図柄の変動後の停止図柄を大当たり態様とするか否か、即ち第2利益状態を発生させるか否かを判定するもので、特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段59に1個以上の大当たり判定用乱数値が記憶されている場合(特別保留個数が1以上の場合)に、特別乱数記憶手段59の大当たり判定用乱数記憶エリア1〜4、大当たり図柄用乱数記憶エリア1〜4、特別図柄短縮タイマ記憶エリア1〜4に記憶されている値を夫々対応する記憶エリア0〜3にシフトし、特別保留個数の値から01Hを減算すると共に、大当たり判定用乱数記憶エリア0に記憶されている大当たり判定用乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かを判定する大当たり判定処理を行い、その大当たり判定処理で大当たりと判定した場合に、例えば大当たりフラグ(初期値00H)に内部判定大当たりを表す5AHをセットするようになっている。
特別図柄変動態様決定手段61は、特別図柄の変動開始に際してその特別図柄の変動態様、例えば変動パターンと停止図柄とを決定するもので、特別停止図柄選択手段61aと特別図柄変動パターン選択手段61bとを備えている。
特別停止図柄選択手段61aは、特別図柄の変動後の停止図柄(以下、特別停止図柄という)を複数種類の中から選択するもので、例えば所定時間間隔(ここでは4msec毎)で行われる定期割り込み毎に特別停止図柄選択処理を実行するように構成されている。
特別停止図柄選択手段61aによる特別停止図柄選択処理は、例えば図11〜図13に示すような手順で行われる。即ち、まず大当たりフラグの値が5AH(内部判定大当たり)であるか否かが判定される(S21)。
大当たりフラグの値が5AH(内部判定大当たり)であれば、乱数値に大当たり図柄用乱数記憶エリア0に記憶されている大当たり図柄用乱数値がセットされ(S22)、その乱数値が左、右、中の各特別停止図柄番号にセットされる(S23)。即ち、大当たり図柄用乱数値がそのまま3つの特別停止図柄番号に夫々セットされる。例えば、大当たり図柄用乱数値が07Hであれば、特別停止図柄は「7・7・7」となる。
続いて、普通保留個数の値がロードされ(S24)、判定値に所定値、例えば03Hがセットされ(S25)、普通保留個数の値と判定値とが比較される(S26)。普通保留個数の値が判定値(03H)未満である場合には特別図柄停止オフセットに00Hがセットされ(S27)、普通保留個数の値が判定値(03H)以上である場合には特別図柄停止オフセットに01Hがセットされる(S28)。
そして、左、右、中の各特別停止図柄コマンドバッファに、夫々左、右、中の各特別図柄番号に01Hを加算した値がセットされる(S29〜S31)。ここで、左、右、中の各特別停止図柄コマンドバッファは、制御コマンド送信手段64に対して特別停止図柄指定コマンドの送信を指示するためのもので、例えばこの左、右、中の各特別停止図柄コマンドバッファに01H以上の値がセットされることに基づいて、そのセットされた値に対応する特別停止図柄指定コマンドが制御コマンド送信手段64から演出制御基板42側に送信されるようになっている。
なお、特別停止図柄番号が00Hの場合、その値をそのまま特別停止図柄コマンドバッファにセットしてもそれに対応する特別停止図柄指定コマンドは送信されないため、本実施形態では、S29〜S31に示すように特別停止図柄番号に所定のオフセット値(ここでは01H)を加算した値を特別停止図柄コマンドバッファにセットするようにしている。勿論、特別停止図柄番号が01H以上の値しかとらない場合にはオフセット値を加算する必要はない。特別停止図柄指定コマンドを受信する側の演出制御基板42側では、例えば特別停止図柄指定コマンドで指定された値からこのオフセット値を差し引いた値を特別停止図柄番号として認識するようにすればよい。
S21において大当たりフラグの値が00H(内部判定大当たり以外)であれば、特別乱数発生手段57から取得した外れ特別図柄用乱数1の値が乱数値にセットされ(S41)、その乱数値が左特別停止図柄番号にセットされる(S42)。即ち、外れ特別図柄用乱数1の値がそのまま左特別停止図柄となる。例えば、外れ特別図柄用乱数1の値が07Hであれば、左特別停止図柄は「7」となる。
続いて、普通保留個数の値がロードされ(S43)、判定値に所定値、例えば03Hがセットされ(S44)、普通保留個数の値と判定値とが比較される(S45)。普通保留個数の値が判定値(03H)未満である場合には、テーブルアドレスに外れ右特別停止図柄選択テーブル1(図14(a))の先頭アドレスがセットされ(S46)、普通保留個数の値が判定値(03H)以上である場合にはテーブルアドレスに外れ右特別停止図柄選択テーブル2(図14(b))の先頭アドレスがセットされる(S47)。
ここで、外れ右特別停止図柄選択テーブル1,2は、外れ特別図柄用乱数2と、図柄値(左特別停止図柄番号と右特別停止図柄番号との差分値、以下、「左−右差分値」という)及び複数の外れ中特別停止図柄選択テーブル1〜3(右オフセット値で示す)との対応関係を規定するもので、その対応関係が1又は複数組設定されている。
続いて、乱数値に外れ特別図柄用乱数2の値がセットされ(S48)、図13に示す右特別停止図柄選択処理(S49)が実行される。この右特別停止図柄選択処理では、まず減算値としてテーブルアドレスの示す領域の値がロードされ(S61)、乱数値から減算値が減算される(S62)。そして、減算後の乱数値の値が判定され(S63)、乱数値が00H以上であれば、テーブルアドレスに03Hを加算しつつ(S64)、乱数値が00Hよりも小になるまでS61〜S63の処理が繰り返される。
乱数値が0よりも小になれば、テーブルアドレスに01Hが加算され(S65)、そのテーブルアドレスの示す領域から図柄値(左−右差分値)がロードされ(S66)、その図柄値に左特別停止図柄番号の値が加算される(S67)。そして、その図柄値が右特別停止図柄番号にセットされる(S70)が、その際に図柄値が0AH以上の場合には、事前に図柄値から0AHが減算される(S68,S69)。更に、テーブルアドレスに01Hが加算され(S71)、そのテーブルアドレスの示す領域の値(ここでは右オフセット値)がオフセット値にロードされる(S72)。
これにより、外れ右特別停止図柄選択テーブル2が選択されている場合(普通保留個数が03H以上の場合)には、図柄値(左−右差分値)00H〜09Hが同じ確率で選択される。図柄値(左−右差分値)が00Hの場合には、右特別停止図柄番号が左特別停止図柄番号と同一となり、停止図柄はリーチ態様となる。即ち、この場合にはリーチ態様となる確率は1/10である。
一方、外れ右特別停止図柄選択テーブル1が選択されている場合(普通保留個数が03H未満の場合)には、外れ特別図柄用乱数2の値(発生範囲00H〜63H)が00H〜4AHの場合に図柄値(左−右差分値)として00Hが選択されるため、リーチ態様となる確率は3/4である。このように、普通保留個数が3個未満の場合には、それ以外の場合と比べてリーチ態様となる確率が高くなる。
また、オフセット値(右オフセット値)には、普通保留個数が判定値(03H)未満であって特別停止図柄がリーチ態様となる場合(左−右差分値として00Hが選択された場合)には00Hが、普通保留個数が判定値(03H)以上であって特別停止図柄がリーチ態様となる場合(左−右差分値として00Hが選択された場合)には01Hが、それ以外の場合には02Hがセットされる。
図13に示す右特別停止図柄選択処理(S49)が終了すると、続いて乱数値に外れ特別図柄用乱数3の値がセットされ(S50)、そのときのオフセット値(S72においてロードされた右オフセット値)に応じて、テーブルアドレスに外れ中特別停止図柄選択テーブル1〜3の何れかの先頭アドレスがセットされる(S51〜S54)。即ち、オフセット値が00Hの場合(普通保留個数が判定値(03H)未満であって特別停止図柄がリーチ態様となる場合)には外れ中特別停止図柄選択テーブル1(図15(a))の先頭アドレスが(S52)、オフセット値が01Hの場合(普通保留個数が判定値(03H)以上であって特別停止図柄がリーチ態様となる場合)には外れ中特別停止図柄選択テーブル2(図15(b))の先頭アドレスが(S53)、オフセット値が02Hの場合(それ以外の場合)には外れ中特別停止図柄選択テーブル3(図15(c))の先頭アドレスが(S54)、夫々テーブルアドレスにセットされる。
ここで、外れ中特別停止図柄選択テーブル1〜3は、外れ特別図柄用乱数3と、図柄値(左特別停止図柄番号と中特別停止図柄番号との差分値、以下、「左−中差分値」という)及び複数の変動パターンテーブル(格納データで示す)との対応関係を規定するもので、その対応関係が1又は複数組設定されている。
そして、図13に示す中特別停止図柄選択処理(S55)が実行される。この中特別停止図柄選択処理は、上述した右特別停止図柄選択処理(S49)と略同じである。即ち、まず減算値としてテーブルアドレスの示す領域の値がロードされ(S61)、乱数値から減算値が減算される(S62)。そして、減算後の乱数値の値が判定され(S63)、乱数値が00H以上であれば、テーブルアドレスに03Hを加算しつつ(S64)、乱数値が00Hよりも小になるまでS61〜S63の処理が繰り返される。
乱数値が0よりも小になれば、テーブルアドレスに01Hが加算され(S65)、そのテーブルアドレスの示す領域から図柄値(左−中差分値)がロードされ(S66)、その図柄値に左特別停止図柄番号の値が加算される(S67)。そして、その図柄値が中特別停止図柄番号にセットされる(S70)が、その際に図柄値が0AH以上の場合には、事前に図柄値から0AHが減算される(S68,S69)。更に、テーブルアドレスに01Hが加算され(S71)、そのテーブルアドレスの示す領域の値(ここでは格納データ)がオフセット値にロードされる(S72)。
以上の処理により、外れ中特別停止図柄選択テーブル1が選択されている場合(普通保留個数が判定値(03H)未満であって特別停止図柄がリーチ態様となる場合)には、図柄値(左−中差分値)として01Hと09Hとの何れかが選択される。左−中差分値が01H、09Hの場合には、左特別停止図柄番号(=右特別停止図柄番号)と中特別停止図柄番号との差が1となる特別停止図柄、例えば「7・6・7」、「7・8・7」等となる。また、これらの何れの場合にも、格納データとして02Hが選択される。この格納データは、後述する特別図柄変動パターン選択処理において特別図柄変動パターンを選択する際に用いられるもので、この値が02Hの場合にはスーパーリーチ外れ変動パターンが選択され易く、03Hの場合にはノーマルリーチ外れ変動パターンが選択され易く、04Hの場合にはリーチなし外れ変動パターンのみが選択されるようになっている。
また、外れ中特別停止図柄選択テーブル2が選択されている場合(普通保留個数が判定値(03H)以上であって特別停止図柄がリーチ態様となる場合)には、図柄値(左−中差分値)として01H〜09Hが略同じ確率で選択されると共に、図柄値(左−中差分値)が01H、09Hの場合には格納データとしてスーパーリーチ外れ変動パターンが選択され易い02Hが、それ以外の場合には格納データとしてノーマルリーチ外れ変動パターンが選択され易い03Hが、夫々選択されるようになっている。
また、外れ中特別停止図柄選択テーブル3が選択されている場合(特別停止図柄がリーチ態様とならない場合)には、図柄値(左−中差分値)として00H〜09Hが同じ確率で選択されると共に、何れの場合にも格納データとしてリーチなし外れ変動パターンに対応する04Hが選択されるようになっている。
即ち、本実施形態では、普通保留個数が判定値(03H)未満の場合には、特別停止図柄としてリーチ態様が選択される確率がそれ以外の場合と比べて高くなるだけでなく、特別停止図柄としてリーチ態様が選択された場合には、変動パターンとしてスーパーリーチ外れ変動パターンが選択される確率がその他の場合に比べて高くなっている。
図13に示す中特別停止図柄選択処理(S55)が終了すると、特別図柄停止オフセットにオフセット値(図15(a)〜(c)における格納データ)がセットされ(S56)、左、右、中の各特別停止図柄コマンドバッファに、夫々左、右、中の各特別図柄番号に01Hを加算した値がセットされる(S29〜S31)。
特別図柄変動パターン選択手段61bは、特別図柄変動パターンを複数種類の中から選択するもので、例えば所定時間間隔(ここでは4msec毎)で行われる定期割り込み毎に特別図柄変動パターン選択処理を実行するように構成されている。
特別図柄変動パターン選択手段61bによる特別図柄変動パターン選択処理は、例えば図16に示すような手順で行われる。即ち、まず特別図柄短縮タイマ記憶エリア0から特別図柄短縮タイマの値がロードされ(S81)、変動パターンテーブルオフセットに00Hがセットされ(S82)、特別図柄短縮タイマの値が0000Hであるか否かが判定される(S83)。ここで、特別図柄短縮タイマの値が0000Hであれば、即ち初期値02EEHがセットされてから(特別図柄始動手段26によりこの特別図柄変動に対応する遊技球が検出されてから)既に3.0秒経過している場合には、変動パターンテーブルオフセットの値に01Hがセットされる(S84)。
また、テーブルアドレスに低確率時アドレステーブル選択テーブル(図18(a))の先頭アドレスがセットされ(S85)、状態フラグの値が5AH(確変遊技状態中)であれば、テーブルアドレスに高確率時アドレステーブル選択テーブル(図18(b))の先頭アドレスがセットされる(S86,S87)。
そして、特別保留個数の値がロードされ(S88)、保留個数オフセットに00Hがセットされた後、状態フラグの値が5AH(確変遊技状態中)で且つ特別保留個数が01H以上であるか、又は状態フラグの値が5AH以外で且つ特別保留個数が03H以上であれば、保留個数オフセットに01Hがセットされる(S90〜S93)。
続いて、変動パターン番号設定処理(S94)が実行される。この変動パターン番号設定処理は、例えば図17に示すような手順で行われる。即ち、まず変動パターンテーブルオフセットに保留個数オフセットの値が加算され(S101)、更にその変動パターンテーブルオフセットの値がテーブルアドレスに加算され(S102)、そのテーブルアドレスに示す領域の値(変動パターンアドレステーブル1L,2L,1H,2Hの何れかの先頭アドレス)がテーブルアドレスにセットされる(S103)。例えば、前述のS85〜S87においてテーブルアドレスに低確率時アドレステーブル選択テーブル(図18(a))の先頭アドレスがセットされている場合には、変動パターンテーブルオフセットの値が02Hの場合、即ち特別図柄短縮タイマの値が0000Hで且つ特別保留個数が所定個数(確変遊技状態中は1個、それ以外は3個)以上の場合には変動パターンアドレステーブル2L(図19(b))の先頭アドレスが、それ以外の場合には変動パターンアドレステーブル1L(図19(a))の先頭アドレスが、夫々テーブルアドレスにセットされ、テーブルアドレスに高確率時アドレステーブル選択テーブル(図18(b))の先頭アドレスがセットされている場合には、変動パターンテーブルオフセットの値が02Hの場合には変動パターンアドレステーブル2H(図19(d))の先頭アドレスが、それ以外の場合には変動パターンアドレステーブル1H(図19(c))の先頭アドレスが、夫々テーブルアドレスにセットされる。
その後、そのテーブルアドレスに特別図柄停止オフセット(S27,S28,S56参照)の値が加算された後(S104)、そのテーブルアドレスに示す領域の値(変動パターンテーブル11L〜51L(図20),12L〜52L(図21),11H〜51H(図22),12H〜52H(図23)の何れかの先頭アドレス)がテーブルアドレスにセットされる(S105)。
そして、乱数値に特別乱数発生手段57から取得された特別図柄変動パターン用乱数がセットされ(S106)、減算値としてテーブルアドレスの示す領域の値がロードされ(S107)、乱数値から減算値が減算される(S108)。そして、減算後の乱数値の値が判定され(S109)、乱数値が00H以上であれば、テーブルアドレスに02Hを加算しつつ(S110)、乱数値が00Hよりも小になるまでS107〜S109の処理が繰り返される。
乱数値が0よりも小になれば、テーブルアドレスに01Hが加算され(S111)、そのテーブルアドレスの示す領域の値が特別図柄変動パターンコマンドバッファにセットされる(S112)。ここで選択可能な特別図柄変動パターンは、図24に示すように、低確率時用(変動パターン番号01H〜0AH)と高確率時用(変動パターン番号11H〜1AH)との各10種類、合計20種類となっている。各低確率時用と高確率時用の各10種類の変動パターンは互いに1対1に対応しており、夫々対応する変動パターン同士は、高確率時用の方が低確率時用よりも変動時間が短くなっている。更に、同じ高確率時用、低確率時用の変動パターンにおいても、夫々リーチなし外れ、ノーマルリーチ外れ、スーパーリーチ外れ、ノーマルリーチ大当たり、スーパーリーチ大当たりの5種類の変動パターンが、変動時間の異なる2つずつ設けられている。
なお、特別図柄変動パターンコマンドバッファは、制御コマンド送信手段64に対して特別図柄変動パターン指定コマンドの送信を指示するためのもので、例えばここに01Hがセットされるとリーチなし外れ1変動パターン指定コマンドが、1AHがセットされるとスーパーリーチ大当たり2変動パターン指定コマンドが、夫々送信される。
本実施形態では、変動パターンアドレステーブル1L,2L,1H,2H(図19)において、相対アドレス00Hの領域に大当たり変動パターンに対応する変動パターン選択テーブル11L,12L,11H,12Hが、相対アドレス01Hの領域に大当たり変動パターンに対応する変動パターン選択テーブル21L,22L,21H,22Hが、相対アドレス02Hの領域にリーチ外れ変動パターンに対応し且つノーマルリーチ外れ変動パターンよりもスーパーリーチ外れ変動パターンの選択率が高い変動パターン選択テーブル31L,32L,31H,32Hが、相対アドレス03Hの領域にリーチ外れ変動パターンに対応し且つスーパーリーチ外れ変動パターンよりもノーマルリーチ外れ変動パターンの選択率が高い変動パターン選択テーブル41L,42L,41H,42Hが、相対アドレス04Hの領域にリーチなし外れ変動パターンに対応する変動パターン選択テーブル51L,52L,51H,52Hが、夫々セットされている。これにより、特別図柄停止オフセットの値が02Hの場合、即ち、特別停止図柄選択処理(図11〜図13)において、外れ中特別停止図柄選択テーブル1が選択された場合(普通保留個数が判定値(03H)未満であって特別停止図柄がリーチ態様となる場合)と、外れ中特別停止図柄選択テーブル2が選択された場合(普通保留個数が判定値(03H)以上であって特別停止図柄がリーチ態様となる場合)とであって、図柄値(左−中差分値)として01Hと09Hとの何れかが選択された場合には、ノーマルリーチ外れ変動パターンよりもスーパーリーチ外れ変動パターンの選択率が高くなる。
第2利益状態発生手段62は、特別判定手段60から大当たりの判定出力があり、特別図柄表示手段35の変動後の特別図柄が「7・7・7」等の大当たり態様となることに基づいて、遊技者に有利となる第2利益状態を発生させるためのものである。
この第2利益状態発生手段62は、特別図柄表示手段35の変動後の特別図柄が大当たり態様となった後に大入賞手段27の開閉板27aを開放し、また開閉板27aの開放から所定時間(例えば30秒)が経過するか、それまでに大入賞手段27に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉板27aを閉じ、更に入賞した遊技球が特定領域38を通過することを条件に、最大所定ラウンド(例えば16ラウンド)まで開閉動作を継続させるようになっている。
特別遊技状態発生手段63は、第2利益状態の終了後(又は発生後)に、遊技者に有利となる特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別停止図柄選択手段61aにより大当たり態様のうちの特別大当たり態様が選択され、変動後の特別図柄が特別大当たり態様となることを条件に、第2利益状態の終了後、例えば特別図柄が大当たり態様のうちの通常大当たり態様となって次の第2利益状態が発生するまで確変遊技状態を発生させるように構成されている。
確変遊技状態中は、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/360の低確率)から高確率(例えば1/60程度)となる他、例えば普通図柄表示手段31及び特別図柄表示手段35の変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間となり、また特別図柄始動手段26の開放時間及び開放回数が通常よりも増加するようになっている。
制御コマンド送信手段64は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板42等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、普通図柄変動態様決定手段55で決定された普通停止図柄、普通図柄変動パターンに基づいて、普通図柄変動パターン指定コマンド、左普通停止図柄指定コマンド、右普通停止図柄指定コマンド、普通図柄停止コマンド等の普通図柄の変動制御コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、特別図柄変動態様決定手段61で決定された特別停止図柄、特別図柄変動パターンに基づいて、特別図柄変動パターン指定コマンド、左特別停止図柄指定コマンド、右特別停止図柄指定コマンド、中特別停止図柄指定コマンド、特別図柄停止コマンド等の特別図柄の変動制御コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、各種遊技状態に応じて演出制御基板42側に音声、ランプの制御コマンドを送信する機能等を備えている。
演出制御基板42は、普通図柄表示手段31、特別図柄表示手段35、音声出力手段9、ランプ手段34等の演出手段を制御するためのもので、普通図柄制御手段71、特別図柄制御手段72、音声制御手段73、ランプ制御手段74等を備えている。
普通図柄制御手段71は、主制御基板41側からの普通図柄の変動制御コマンドに基づいて普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信したときに、指定された普通図柄変動パターンに従って普通図柄表示手段31上で普通図柄の変動表示を開始させると共に、普通図柄停止コマンドを受信したときに、左普通停止図柄指定コマンド、右普通停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄で普通図柄の変動を停止、確定させるように構成されている。
特別図柄制御手段72は、主制御基板41側からの特別図柄の変動制御コマンドに基づいて特別図柄表示手段35の表示制御を行うもので、特別図柄変動パターン指定コマンドを受信したときに、指定された特別図柄変動パターンに従って特別図柄表示手段35上で特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄停止コマンドを受信したときに、特別停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄で特別図柄の変動を停止、確定させるように構成されている。
音声制御手段73は、スピーカー等の音声出力手段9の音声出力制御を行うもので、主制御基板41側からの音声制御コマンドに基づいて音声出力手段9から所定の効果音等を出力させるようになっている。
ランプ制御手段74は、ランプ手段34等の表示制御を行うもので、主制御基板41側からのランプ制御コマンドに基づいてランプ手段34等を所定のパターンで発光させるようになっている。
以上のような構成により、特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態で且つ特別保留個数が1個以上の場合には、特別乱数記憶手段59に記憶されている大当たり判定用乱数の値に基づいて特別判定手段60により大当たりか否かが判定された後、特別停止図柄選択手段61aによる特別停止図柄選択処理(図11〜図13)により停止図柄(特別停止図柄)が選択される。この特別停止図柄選択処理においては、特別判定手段60の判定が大当たり判定でなかった場合には、普通保留個数が参照され、その普通保留個数が判定値、例えば03H以上であれば外れ右特別停止図柄選択テーブル2(図14(b))を、03H未満であれば外れ右特別停止図柄選択テーブル1(図14(a))を、夫々用いて右特別停止図柄が選択される(S44〜S49)。
ここで、外れ右特別停止図柄選択テーブル2(図14(b))が用いられる場合には、左−右差分値として00H〜09Hが同じ確率で選択されるため、左右の特別停止図柄が揃うリーチ態様となる確率は1/10であり、一方、外れ右特別停止図柄選択テーブル1(図14(a))が用いられる場合には、左−右差分値として00Hが選択される確率は他の01H〜09Hが選択される確率よりも高く、リーチ態様となる確率は3/4である。
このように、本実施形態のパチンコ機では、普通保留個数が所定個数(3個)未満の場合には、所定個数(3個)以上の場合と比べてリーチ態様となる確率、即ちリーチ変動パターンの選択率が高くなる。これにより、例えば遊技を開始して間もない時期に遊技者に大当たりに対する期待感を抱かせることができ、遊技者の遊技意欲を長時間維持できる利点がある。
また、上記特別停止図柄選択処理においては、普通保留個数が判定値(03H)未満であって特別停止図柄がリーチ態様となる場合には外れ中特別停止図柄選択テーブル1が、普通保留個数が判定値(03H)以上であって特別停止図柄がリーチ態様となる場合には外れ中特別停止図柄選択テーブル2が、特別停止図柄がリーチ態様とならない場合には外れ中特別停止図柄選択テーブル3が、夫々選択される。そして、外れ中特別停止図柄選択テーブル1が選択された場合には、格納データとして02Hのみが選択され、外れ中特別停止図柄選択テーブル2が選択された場合には、格納データとして02Hと03Hとの何れかが選択され、外れ中特別停止図柄選択テーブル3が選択された場合には、格納データとして04Hのみが選択される。
格納データは、特別図柄変動パターン選択手段61bによる特別図柄変動パターン選択処理(図16,図17)において特別図柄変動パターンを選択する際に用いられるもので、この値が02Hの場合にはスーパーリーチ外れ変動パターンが選択され易く、03Hの場合にはノーマルリーチ外れ変動パターンが選択され易く、04Hの場合にはリーチなし外れ変動パターンのみが選択されるようになっている。
即ち、本実施形態のパチンコ機では、普通保留個数が判定値(03H)未満の場合には、特別停止図柄としてリーチ態様が選択される確率(リーチ変動パターンの選択率)がそれ以外の場合と比べて高くなるだけでなく、特別停止図柄としてリーチ態様が選択された場合には、変動パターンとしてスーパーリーチ外れ変動パターンが選択される確率がその他の場合に比べて高くなっている。これにより、例えば遊技を開始して間もない時期に遊技者に大当たりに対する更に大きな期待感を抱かせることができ、遊技者の遊技意欲を長時間維持できる利点がある。
図25、図26は本発明の第2の実施形態を例示し、特別保留個数に基づいて、普通図柄表示手段31による普通図柄の変動態様を決定するように構成した例を示している。
本実施形態のパチンコ機が第1の実施形態のパチンコ機と構成上異なるのは、普通図柄変動態様決定手段55の普通図柄変動パターン選択手段55bにより実行される普通図柄変動パターン選択処理の内容のみである。即ち、本実施形態の普通図柄変動パターン選択処理では、第1の実施形態における普通図柄変動パターン選択処理(図8)のS16とS18との間の処理が、図25に示すように変更されている。
また、この普通図柄変動パターン選択処理の変更に伴って、普通図柄変動パターンテーブルとして図26(a),(b)に夫々示すテーブル1,2が設けられている。なお、図26(b)に示す普通図柄変動パターンテーブル2は、第1の実施形態で用いた普通図柄変動パターンテーブル(図9)と同じものを用いている。
本実施形態の普通図柄変動パターン選択処理(図25)では、特別保留個数の値がロードされ(S16a)、判定値に所定の値、例えば03Hがセットされ(S16b)、特別保留個数と判定値とが比較される(S16c)。そして、特別保留個数が判定値以上であれば普通図柄変動パターンテーブル2(図26(b))の先頭アドレスが、判定値未満であれば普通図柄変動パターンテーブル1(図26(a))の先頭アドレスが、テーブルアドレスにセットされ(S17b,S17a)、それらテーブル1又は2に基づいて普通図柄変動パターンが選択される(S18,S19)。
ここで、特別保留個数が判定値(03H)未満のときに選択される普通図柄変動パターンテーブル1では、変動時間の最も長い普通図柄変動パターン3が選択されることがなく、変動時間の短い普通図柄変動パターン1,2の何れかが選択されるように設定されている。即ち、本実施形態のパチンコ機では、特別保留個数が判定値(03H)未満であることを条件に、変動時間の短い普通図柄変動パターンの選択率を高くするように構成されている。これにより、例えば遊技開始後しばらくして特別図柄が思うように回らない時期(特別保留個数が少ない時期)に、単位時間当たりの普通図柄の変動回数を多くして特別図柄始動手段26が開放しやすい状態とすることができ、遊技者に大当たりに対する期待感を抱かせて遊技意欲を長時間維持できる利点がある。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこれら各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、特別停止図柄を選択した後にその選択結果に基づいて特別図柄変動パターンを選択するように構成したが、特別図柄変動パターンを選択した後にその選択結果に基づいて特別停止図柄を選択するように構成してもよい。
第1の実施形態では、普通保留個数が所定の判定値よりも少ないことを条件にリーチ変動パターンの選択率を高くするように構成したが、リーチ変動パターンの選択率に限らず、例えば大当たりとなることを示唆するような予告演出を伴う変動パターン等、特定の変動パターンの選択率を高くするように構成してもよい。
第2の実施形態では、特別保留個数に基づいて普通図柄の変動態様を決定する処理と共に、普通保留個数に基づいて特別図柄の変動態様を決定する処理(第1の実施形態)を行うように構成した例を示したが、特別保留個数の基づいて普通図柄の変動態様を決定する処理のみを行い、普通保留個数に基づいて特別図柄の変動態様を決定する処理は行わないように構成してもよい。
保留個数(普通保留個数、特別保留個数)を時間的に管理して、その結果に応じて特別図柄、普通図柄の変動態様を決定するように構成してもよい。例えば、保留個数、又はこれに基づく所定演算値(例えば平均値)が所定範囲(例えば2個以上)又は所定値(例えば2個)の状態が所定時間継続した場合に、特別図柄、普通図柄の変動態様を決定するように構成してもよい。
また、実施形態に示した普通保留個数、特別保留個数に基づく特別図柄、普通図柄の変動態様決定制御を、所定期間(遊技を開始してから所定時間、所定の時間帯、特定の演出後の所定時間等)に限って行うように構成してもよい。
普通図柄変動態様決定手段55、特別図柄変動態様決定手段61の少なくとも一部、例えば普通停止図柄選択手段55a、特別停止図柄選択手段61aを演出制御基板42等のサブ制御基板側に設け、主制御基板41側の普通判定手段54、特別判定手段60による判定結果に基づいて、普通図柄変動態様、特別図柄変動態様の少なくとも一部、例えば停止図柄態様をサブ制御基板側で決定するように構成してもよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。