JP4082722B2 - 高窒素含有量の合成ガスを用いた水素再循環によるメタノール製法 - Google Patents

高窒素含有量の合成ガスを用いた水素再循環によるメタノール製法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、空気あるいは酸素富化空気流など、高窒素含有量の酸化剤気流による天然ガスの部分酸化により生成された合成ガスからメタノールを生成する方法に関する。
発明の背景
メタノールは、汎用化学物質であると共に、液体燃料として有用な炭化水素化合物や、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)など、液体燃料のオクタン促進剤として有用な有機化合物の生成における出発物質としても潜在的に有用である。メタノールの製法は、古くから公知であり、初期における木材の分解蒸留法や、近年における、一酸化炭素(CO)と水素(H2)を含む合成ガス組成物を高圧下で接触させる化学的方法、さらに、H2とCOからメタノールを得る反応を促進する触媒組成物を用いた低圧下での化学的方法などがある。
しかし、最近まで、触媒を用いて合成ガスからメタノールを生成する化学的方法は、あまりにもコストがかかるため、原油の精製により生成されるガソリンとコスト的に競合するガソリングレードの炭化水素の生成には、この方法を用いることができなかった。
従来の合成ガス製法は、資本集約型であった。例えば、水蒸気改質は、エネルギー入力要件と装置要件のためコスト高である。また、断熱改質は、合成ガス中への不活性成分の導入を防止するために低窒素含有量の酸化剤気流が必要であり、さらに、その後に、水−ガスシフト反応を行い、H2含有量を増加させるために、断熱生成された合成ガスに対して二酸化炭素(CO2)除去工程を行う必要があるため、コスト高である。何れのタイプの合成ガスもコスト高であるため、この様な合成ガスから生成されるメタノールもコスト高となり、原油の精製によるガソリンと経済的に競合するガソリンの生成にこの様な合成ガスを使用することができなかった。これが、最近までの状況である。
ヴァンディック氏らに付与された米国特許第5,117,114号、第5,245,110号に、従来の方法と比較してかなり低コストで天然ガスからメタノールを生成できる方法が記載されている。この様なコストのかからない方法には、ガスタービンの使用が不可欠で、ガスタービンから圧縮空気(21%O2、79%N2)を取り出し、メタンの断熱改質(いわゆる部分酸化)による合成ガスの生成に使用する酸化剤気流(空気または酸素富化空気)を形成する。部分酸化、すなわち断熱改質によって生成された合成ガスは、その生成において、メタンの水蒸気改質により生成されたものよりもはるかに経済的である。資本コストのかかる低温(cryogenic)O2分離ユニットによる生成が必要な酸素(O2)よりも、空気または酸素富化空気を部分酸化反応のための酸化剤気流として使用した方が、合成ガスの製造コストをさらに削減することができる。しかし、空気またはO2富化空気を合成ガス生成に使用することにより、かなりの量の窒素(N2)を導入することになる。
ヴァンディック氏らの方法において、断熱的に生成された高窒素含有量の合成ガスは、その後、一連のメタノール転化反応器を連続的に通過させることによってメタノールに転化される。ヴァンディック氏らの方法においては、合成ガスが高窒素含有量であるために、単一反応器による転化に対する再循環ガス要件が、法外なコスト高となるので、単一のメタノール転化反応器内の再循環ではなく、一連の反応器による転化が必要となる。メタノールは、生成されると、各工程と工程の間で回収されるか、あるいは、ガソリンなどの他の生成物に転化するために気相のまま放置され、その後回収される。何れの方法においても、ガスタービンの燃料としての使用に適した、燃焼BTU総熱含量と、BTU/scf熱量を有する最終ガス組成物、いわゆる「廃ガス」(tail gas)として残存する。酸化剤気流の形成のためにガスタービンから取り出された圧縮空気から合成ガス中に導入された窒素は、全て、不活性成分として生成物転化処理の全工程を経由し、生成物回収最終工程後に残存する廃ガスの一成分となる。したがって、廃ガスを全てガスタービンの燃料として使用できれば、当初、ガスタービンのコンプレッサ側からエネルギー生産ユニットまたはエキスパンダ側へと流路を逸れていた全ての窒素は、最終的に前記ユニットの廃ガス燃料中に戻される。
タービン燃焼ユニットを含むガスタービンのコンプレッサ側とエクスパンダ側の間で、マスバランスを適切に維持することは、ガスタービンの適切な動作と寿命にとって重要であるので、当初逸れていた窒素の全てをガスタービンのエクスパンダ側に最終的に戻すことが、ヴァンディック氏らの方法の実施において重要である。この窒素を戻さなければ、合成ガス生成に使用するためにガスタービンのコンプレッサ側から取り出された圧縮空気の量が限られ、何の実益もなくなってしまう。したがって、最終生成物回収工程の結果生じた廃ガスのほぼ全てを、ガスタービンの燃料として使用できるようにすることが、非常に重要である。廃ガスが全体として、非常に大きな燃焼BTU総熱含量または不適当なBTU/scf熱量を有するために、廃ガスの一部をガスタービン燃料として使用できない場合は、ガスタービンのエクスパンダ側から当初逸れていた窒素量を、エクスパンダ側に戻すことはしない。したがって、合成ガス生成用にガスタービンから取り出しが可能な圧縮空気の量を減少させる。これによって、生成可能な合成ガスの量が減少し、特に、ガスタービン関連の資本コスト負担は最終生成物のコストに反映されるので、最終生成物の製造コストが増大する。
ヴァンディック氏らの米国特許第5,117,114号と第5,245,110号に記載されているメタノール製法において、改善の必要性のある一側面は、合成ガスの性質である。水蒸気改質により生成された合成ガスからのメタノール生成は、メタンの断熱改質により生成された合成ガスよりも有利である。水蒸気改質された合成ガス(その典型的な組成は、15%CO、8%CO2、74%H2、3%CH4)において、(H2)/(2CO+3CO2)比として表されるCOとCO2含有量に対するH2の量は、全てのCOとCO2をメタノールへと完全に転化するために必要な化学量論的な値1.0以上の値であり、通常、約1.3〜1.4である。断熱改質により生成された合成ガスの場合には、この様なことはなく、このH2比が1.0よりはるかに小さく、約0.8〜0.85程度である。
断熱改質の合成ガスにおいて化学量論的H2比が1.0未満であるということは、それ自体、一連のメタノール転化反応器の第1または第2反応器の操作において深刻な問題ではない。しかし、合成ガスのCO、CO2、H2含有量が一連のメタノール転化反応器によるメタノールの転化によって徐々に減少するにしたがって、残存するガス混合物のH2比は、理想的な化学量論的H2値から徐々に大きく離れ、これは、化学量論的H2値が徐々に低下するガス気流に曝されるメタノール転化触媒の寿命に関わる問題の元となる。さらに、断熱生成の合成ガスは、最初は理想的な化学量論的H2値未満であるので、任意の触媒量に対して生成されるメタノール量は、理想的な化学量論的H2比あるいはそれ以上の値を有する合成ガスを用いて達成される量よりも少なくなってしまう。また、断熱生成の合成ガスの転化速度は、反応成分の分圧がほぼ等しい水蒸気改質の合成ガスを使用した場合よりも遅くなる。
したがって、所望の目的は、米国特許第5,117,114号、第5,245,110号に記載されているような方法によって、断熱改質により合成ガスを生成するメタノール製法を開発することであり、水蒸気改質の合成ガスと同様に、理想的な化学量論的H2値程度あるいはそれ以上の値を有する合成ガスの使用において、有利に、合成ガスからメタノールへの転化が行えるようにすることである。
発明の要旨
本発明は、その好適な実施例において、先ず、ガスタービンのコンプレッサ側より取り出された圧縮空気から得られた酸化ガス気流を使用して、断熱改質により天然ガスを合成ガスへと転化し、N2よりもH2に対して透過選択性のある半透過膜を介した処理廃ガスの拡散により得られる高水素含有量のガス気流と前記合成ガスを混合することによって、天然ガスをメタノールに転化する方法を提供する。廃ガスの非透過成分は、それを全てガスタービンの燃料として使用できるような燃焼BTU総熱含量とBTU/scf熱量を有し、ガスタービンのエクスパンダ側のエネルギー生産ユニットへ燃料として戻される。水素富化透過物は、圧縮され、(H2)/(2C〇+3CO2)で表されるH2比が約1.0以上の合成/再循環ガス混合気流を供給するのに充分な量の合成ガスと混合(combine)される。
利点の一つとして、本発明により、略化学量論的合成ガスを用いた操作で起こり得るメタノール転化触媒の寿命に関わる問題点が排除される。本発明のもう一つの利点は、メタノール生成のための反応分子成分(すなわち、H2、CO、CO2)を高濃度で含む合成/再循環ガスを提供し、メタノール生成当量に対するメタノール転化触媒の使用量を、同様の反応温度圧力条件下での略化学量論的合成ガスの処理に必要な量よりも少なくできることである。
【図面の簡単な説明】
図1は、処理廃ガスからの拡散によって水素富化ガス気流を透過ガス気流として得て、再圧縮、再循環し、ガスタービンから取り出された圧縮空気より得られた酸化剤気流を用いて天然ガスの部分酸化によって生成された合成ガスと混合する一方、廃ガスの非透過成分を燃料としてガスタービンに戻すことを特徴とする本発明の方法の一実施例の概略図である。
好適な実施例の説明
本発明は、正規の化学量論的合成ガスの転化における本来の利点を備えた、略化学量論的合成ガス(すなわち、そのCO、CO2成分の転化に際してH2含有量が化学量論的に不充分な合成ガス)をメタノールに転化するための方法である。合成ガスは、低温O2分離ユニットからの酸素、圧縮空気、従来のコンプレッサの使用により膜ユニットを介して空気を拡散する工程や圧力変動吸着ユニットの工程によって生成されたO2富化空気などを発生元とする酸化剤ガス気流を利用して、断熱改質により生成される。しかし、ヴァンディック氏らに付与された米国特許第4,117,114号、第5,245,110号に記載されている方法のコスト的な利点に鑑み、メタノール製法に不可欠のガスタービンから取り出された圧縮空気より得られる酸化剤ガス気流を用いて、この方法により合成ガスを生成することが好ましい。
本発明によれば、これらの特許に記載されている方法をさらに効果的に利用するために、生成物回収の最終工程後に残存する廃ガスを、N2よりもH2に対して透過選択性のある膜を介して拡散し、そのH2富化透過物を圧縮し、CO、CO2成分をメタノールに転化するために必要な化学量論的H2量程度あるいはそれ以上のH2含有量を有する合成/再循環ガス混合気流を供給するに充分な分量で、天然ガスの断熱改質によって生成された合成ガスと混合する。廃ガスの非透過成分は、ガスタービンの燃料として使用され、このガスタービンから圧縮空気を取り出し、この方法で使用される合成ガスへの天然ガスの断熱反応に使用する酸化剤ガス気流を形成する。ガスタービンのコンプレッサ側とエクスパンダ側の間のマスバランス要件の制約内でのガスタービンの操作は、この様にして、合成ガス生成のために当初コンプレッサ側から取り出した圧縮空気中に逸れていた窒素の殆ど全てをタービンのエクスパンダ側のエネルギー生産ユニットに戻すことによって維持される。この窒素は、メタノール生成工程を経て、ガスタービンの燃料として使用される非透過廃ガスの一部となる。
ガスタービンの好適な使用法は、米国特許第5,117,114号、第5,245,110号のように、できる限り多量の圧縮空気をガスタービンのコンプレッサ側から取り出し、この空気を冷却し、必要に応じてさらに圧縮し、酸素拡散選択性のある半透過性面を通過させ、拡散により低圧O2富化空気を得る方法である。その後、このO2富化空気は、圧縮され、加圧天然ガスの断熱改質に使用される。酸素と共に共拡散された窒素を全て含む合成ガスを、この様な方法で得る。メタノール触媒による一連の反応工程と、反応ガスの冷却によるメタノールの回収の後、最終的な廃ガスは、燃料としてガスタービンに再供給される。この様にして、共拡散させた全ての窒素が最終的にガスタービンのエクスパンダ側に再供給されるため、この廃ガスの全てを燃料として使用することが好ましい。
さらに、この最終廃ガスの燃焼時に、システムのガスタービンを駆動するために適切な熱量を生成する必要がある。この熱量の小さな変動は許容されるが、大きな変動は許容されない。
第一段階で、ガスタービンへの燃料、すなわち最終廃ガスは、エクスパンダへの圧縮供給ガスを暖めるためのエネルギーを供給し、空気の圧縮に要するエネルギーよりも大きなエネルギーが膨張により供給されるようにしなければならない。通常のガスタービン操作に際して、適切なBTU熱含量が供給されるように燃料供給を制御する。燃料供給が大きすぎる(すなわち、燃焼BTU熱含量が大きすぎる)と、特に危険である。この様な場合には、エクスパンダへの供給時の高温燃焼ガスの温度は、エクスパンダの金属部分の品質許容温度以上となる可能性がある。各ガスタービンのいわゆるタービン流入口温度(TIT)の最高温度は、最高動作限界として与えられる。この温度の制御は、膨張ガスの温度の監視により行われる。燃料過多は悲惨な結果を招く可能性がある一方、逆に、燃料過少も好ましいものではない。ガスタービンにより生成されるエネルギー量(馬力)は、一次近似的には燃料により供給される熱量に正比例する。タービンのBTU/馬力定格のもとでの許容値を下回る燃料は、結果的に、ガスタービンの最高出力エネルギーよりも小さなエネルギー出力となる。
ヴァンディック氏らの特許に記載されているメタノール製法のガスタービン操作を採用する場合、もう一つの側面が前面に出てくる。ガスタービンから圧縮空気を取り出し、気流を半透過性壁を介して拡散させるときに、富化空気が得られるが、この富化空気にはメタノール製法で使用される酸素の他に共拡散(co-diffused)した窒素が大量に含まれており、この窒素は、その後、流路からガスタービンのエクスパンダ側へと逸れる。しかし、このメタノール製法からの廃ガスを燃料として最終的にガスタービンへと送り返すときに、共拡散した窒素の殆ど全てが付加的にガスタービンのエクスパンダ側へと送り返される。これによって、エクスパンダのマスフロー(mass flow)及びエネルギーの損失が効果的かつ大幅に減少する。
したがって、ヴァンディック氏らの特許に記載されているメタノール製法の適切な操作においては、最終廃ガスを殆ど全てガスタービンへの燃料として使用することが特に好ましい。これは、一次近似的に、廃ガス燃料気流が保持可能な燃焼総熱量(BTU総熱含量)を定義する。この値からの多少のずれは、廃ガス燃料やタービンのエクスパンダ側に供給される(酸素の一部を除去した)圧縮空気の予備加熱温度を変化させることによって補償可能である。しかし、廃ガスの下限総熱量(LHV)は、一次近似的に、ガスタービンシステムがプロセスに供給すべき所望のエネルギー量によって与えられ、定義される。この所望のエネルギー総量には、圧縮シャフト馬力に直接必要なエネルギーの次に、プラントが利用すべき電気エネルギーをも含めることができる。
型式やモデルにかかわらず、各ガスタービンには最高馬力(hp)出力定格があり、それを越えた場合には必ずガスタービンへの悪影響を伴う。さらに、各ガスタービンにはBTU/hpエネルギー定格プロファイルがあり、その特定の値は、ガスタービンが動作する環境の周囲空気温度の関数として若干変化する。さらに、内部で空気が圧縮され、馬力生成のためにタービンのエクスパンダ側から燃焼ガスが膨張流出したときの、タービンのコンプレッサ側からのマスフローに関して、両者間のマスフローの差は、ガスタービン推力ベアリングの設計値を越えてはならない。典型的な設計においては、この設計値は、コンプレッサ側から流出するマスフローよりもエクスパンダ側からのマスフローが最高10%大きくなるように設定される。したがって、例えば、GE Frame 5ガスタービンは、約36,000hpの最高馬力出力定格と、適度な周囲空気温度において約7949.3BTU/hrのエネルギー定格を有する。したがって、最高馬力出力動作では、GE Frame 5ガスタービンは、36,000hp/hrを出力するために286,174,800BTU/hrの供給気流が燃料として供給された場合に、最高定格出力で動作する。286,174,800BTU/hrを大幅に超える熱量を与える燃料が供給された場合、温度がタービンインレット温度(TIT)を超え、タービンが悪影響を受ける。この供給燃料最高熱量を若干(例えば、5%程度)超える可能性もあるが、過剰分は、タービンのエクスパンダ側への圧縮供給ガス燃料の温度を変化させることによって調整される。
したがって、例示のGE Frame 5ガスタービンを使用した場合、ヴァンディック氏らの特許に記載のメタノール製法で生じる廃ガスは、GE Frame 5ガスタービンの燃料として利用されるが、ガスタービンが適度な温度条件下で動作しているとき、286,174,800BTU/hrの熱量値の1.05倍を超えないことが望ましい。ヴァンディック氏らの方法においてこの目的を達成するためには、生成物回収後に残存する最終的なガスの燃焼BTU熱含量(またはLHV)がこの最高値以下となるように、回収メタノール生成物への転化によってCOとH2成分を完全に消費するのに充分な温度圧力条件下で、充分な量のメタノール触媒を用い、充分な工程数のメタノール転化工程により、合成ガスを処理しなければならない。
メタノール製法において、下記の反応式に基づき、最初の窒素含有合成ガスをメタノールへと転化することによって、反応ガス気流のLHVを所望のレベルまで低下させる。
CO + 2H2 → CH3OH
CO2 + 3H2 → CH3OH + H2
したがって、今までのところ、この議論は、窒素含有合成ガスの高度な転化が望まれることを強調している。しかし、この転化度にも限界がある。殆どのガスタービンには、燃料ガス1立方フィートあたりの熱量の下限値がある。
実際には、燃料成分の3つのゾーンが存在する。通常の使用において、最高熱量を有する燃料は、天然ガスであり、その組成にもよるが約900〜1000BTU/scfの燃料熱量を有する。その他の気体燃料は、それよりも低い300〜500BTU/scfの熱量を有するが、天然ガスとほぼ同様の方法で処理することができる。しかし、熱量が約300BTU/scf未満のレベルまで低下すると、エクスパンダ側への不活性成分の供給過剰を回避するために、ガスタービン状態の厳しい監視が必要となる。次のゾーンは、約100BTU/scfの熱量を有するガスに関連する。この低い熱量値では、燃料ガスが、エクスパンダに導入される前に、ガスタービンのバーナー内の滞留時間内に完全燃焼可能であるかどうかを決定する必要がある。不完全燃焼は、エクスパンダブレードへの炭素質の付着を招き易く、ガスタービンの早期廃棄を招く。
廃ガス燃料の熱量が低くなりすぎないこと、好ましくは、少なくとも約100BTU/scfであることが肝要で、低熱量ガス燃料が時折首尾よく供給されていることが肝要である。また、この様な低BTU/scfの燃料ガスは、高速燃焼特性を有する必要がある。これは、ガスタービンの利用可能な燃焼スペースが限られている場合に特に当てはまり、市販のガスタービンの多くがそうである。
最も燃焼速度の速い成分は、水素である。超低発熱量のこの様な燃料ガスの熱量の殆どは、水素によって供給されなければならない。最小限の燃焼BTU熱含量が水素により供給されるとき、妥当な割合は約30〜40%である。高速燃焼する水素は、比較的小さなスペースにおいて火炎温度を著しく上昇させ、このとき、低熱量燃料の他の可燃物質は充分な燃焼の機会を得る。特に、水素燃焼がすでに起こり、ガス温度が上昇し、高温蒸気が利用可能となっている場合、廃ガス燃料中に存在するCOは、高速で燃焼する。
存在するメタンは低速で燃焼する。この低速燃焼成分をすべてCO2に転化できるように、実際に温度を上昇させることが不可欠である。したがって、廃ガス燃料中のメタンとして、燃料総熱含量の例えば約30%以上を利用することは好ましくない。
この様な状況は、一定の合成ガス転化状態の必要性と解釈され、熱量生成過剰によりガスタービンに負荷をかけることなく、最終廃ガスを全てガスタービンに供給することと解釈される。この様な必要性は、ヴァンディック氏らの特許の方法において、メタノール反応器での最終工程によってメタノール反応を所望の転化度まで進めるために高圧反応を選択するか、メタノール反応工程数を増やすか、あるいは、この2つの要件を組み合わせるかに帰結する。
本発明の方法は、処理廃ガスからの拡散により得られた再循環気流として取り出された付加的な水素によって、断熱生成された合成ガスを調整し、タービン燃料として全て使用可能な燃焼BTU熱含量、BTU/scf熱量を有する非拡散成分を含む処理廃ガスを供給するために必要な転化度まで、合成/再循環ガス混合気流をさらに容易に回収メタノールに転化することができる。本発明の方法を用いた場合、他の方法による場合と比較して、より緩慢な温度圧力制約条件下で、より少量のメタノール触媒を用いて、より少ない工程数のメタノール転化工程によって、ガスタービン用の所望の廃ガス由来の燃料気流を供給するために合成/再循環ガス気流から生成、回収すべき必要量のメタノールを生成する。さらに、本発明の方法を用いた場合、初期段階と後段階のメタノール生成工程におけるメタノール触媒の早期劣化と損傷の可能性を低減する。
本発明の方法によれば、CO、CO2成分のメタノールへの転化に必要な化学量論的H2量に対する合成ガスのバランスを理想的に保っているかのように、全ての利点を生かし、断熱生成された合成ガスを一連の転化反応器により処理することによって、天然ガスをメタノールまたはその他のメタノール誘導体生成物に転化することができる。合成ガスは、ガスタービンのコンプレッサ側から取り出された圧縮空気から得た酸化剤ガス気流を用いて生成される。コンプレッサ側とエクスパンダ側のマスバランス要件内にガスタービンを維持しながら生成できる合成ガス量は、断熱生成合成ガスの生成に利用するためにコンプレッサ側から圧縮空気を取り出し、当初逸れていた窒素を最終的に全てガスタービンのエクスパンダ側に戻すことによって最大となる。したがって、生成物回収の最終工程の後に残存する廃ガスは、N2よりもH2に対して透過選択性のある膜を介して拡散させる。H2富化透過物は、合成/再循環ガス混合気流のCO、CO2成分のメタノールへの転化に必要な化学量論的H2量程度またはそれ以上にH2成分を富化するために、合成ガスと共に圧縮、再循環され、非透過廃ガス気流は、ガスタービンの燃料として用いられる。
合成ガス及びH2富化再循環ガスを処理するメタノール転化反応器の数と、その動作条件は、合成ガス及びH2富化再循環ガスのH2、CO、CO2成分の転化を達成できるように選択されるが、この転化により、ガスタービンのエクスパンダ側のエネルギー生成ユニットへの供給燃料として全て使用可能な非透過成分を有する最終廃ガス組成物が得られ、合成ガス生成に利用するためにガスタービンのコンプレッサ側から取り出された圧縮空気に混合することによって、当初逸れていた全ての窒素をガスタービンに戻す。
図1は、工程間でのメタノール回収に対応した一連の複数のメタノール転化反応器を使用する本発明の一実施例を示したものである。ガスタービン(10)は、この方法に不可欠であり、コンプレッサ側(14)で圧縮された空気(12)を圧縮後に圧縮空気流(16)および(18)に分流し、必要に応じて、圧縮気流(18)をコンプレッサ(20)によりさらに圧縮し、窒素よりも酸素を選択的に拡散する膜拡散ユニットに供給する。酸素富化透過ガス気流(26)と、酸素欠乏又は窒素富化の非透過ガス気流(24)が生成される。非透過窒素富化ガス気流(24)と最初の圧縮空気(16)の他の成分は、ガスタービンのエクスパンダ側(17)の燃焼ユニット(15)に供給され、そこで、最終的に、ガスタービン(10)を駆動するためにこのユニットに供給された燃料と混合される。酸素富化透過ガス気流(26)は、コンプレッサ(28)で圧縮された後、加圧天然ガス(30)が導入されている断熱転化反応器(32)に導入される。天然ガスは、そこで部分的に酸化(すなわち、断熱転化)され、CO、CO2、H2、その他の成分を約0.85以下の(H2)/(2CO+3CO2)比で含有する合成ガスを生成する。好ましくは、この合成ガス(34)(図示せず)から先ず水を凝縮、除去し、その後、ライン(60)に供給されている水素富化再循環ガス気流と合成ガスとを混合する。水素富化ガス気流(60)は、合成ガス(34)との混合時に少なくとも約0.95、好ましくは1.0以上の(H2)/(2CO+3CO2)比の合成/水素再循環ガス混合気流(36)が生成されるような分量で供給される。この合成ガス−水素再循環ガス混合気流は、複数(x)のメタノール転化反応器(38)xの最初の反応器に供給され、そこで、ガスがメタノール転化触媒と接触し、ガスのH2、CO、CO2成分の一部と反応してメタノールを生成する。反応の後、メタノール反応器(38)xからの流出ガス(40)xは、冷水熱交換器(42)xにより冷却され、セパレータ(44)xに導入され、そこで、メタノールの液相成分(46)xと水を合成ガスと水素再循環ガス気流(48)xの残余成分から分離する。その後、合成ガスと水素再循環ガス混合気流の残余成分は、再加熱され(図示せず)、一連の複数のメタノール転化反応器の次の反応器に導入され、そこで、最初の反応器について説明したように、メタノールへの転化、メタノールと水の除去、次のメタノール反応器への供給のための合成/水素再循環ガス気流残余成分の再加熱の工程が繰り返される。この段階的な処理は、合成/水素再循環ガス気流がx個の一連のメタノール反応器(図中、括弧の繰り返し単位で示す)の全てを通過するまで繰り返される。最後のメタノール反応器の流出ガス(48)xからメタノールと水を除去した後、ガス気流の残余成分、すなわち「処理廃ガス」は、N2よりもH2に対して拡散選択性を有する膜拡散ユニット(52)に導入され、水素富化透過ガス気流(54)を生成する。この水素富化透過ガス気流は、コンプレッサ(58)で再圧縮され、合成ガス(34)と共にライン(60)を介して供給される。廃ガス気流(56)の非透過成分は、熱交換器(62)で熱交換され、燃料としてライン(64)を介してガスタービン(10)のエクスパンダ側(17)の燃焼ユニット(15)に供給される。
窒素よりも水素に対して高拡散選択性を有する膜素材として数多くのタイプが、当技術分野において公知となっている。この様な膜素材には、シリコンゴム、ブチルゴム、ポリカーボネート、ポリ(フェニレンオキサイド)、66ナイロン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリアリーレンオキサイド、ポリウレタン、ポリエステルなどから形成されたものが含まれる。本発明の方法において、選択された膜素材は、さらに、二酸化炭素よりも水素に対して高拡散選択性を有することが好ましいが、この選択性に関しては本発明の実施にとって不可欠というわけではない。したがって、米国特許第4,181,675号に記載されているような膜素材も、高度なCO2共拡散が可能であり、本発明においても簡単に利用できる。膜ユニットは、従来の構造のものでよく、中空繊維型構造のものが好ましい。
後述の実施例の検討でもっと簡単に理解できるであろうが、本質的には、再循環に使用されるH2富化透過ガス気流は、理想的な化学量論的H2比の合成ガスの処理のように簡単に、略化学量論的な合成ガスのメタノールへの処理を提供するために、一時的に流用するにすぎない。しかし、H2富化透過ガスは、再循環ガス気流の作用であり、最終生成物転化工程の後、再循環用のガス気流として回収されるので、実際のところ、他の点ではメタノール転化工程の重要な部分ではない。
以下、2つの例を挙げて、本発明をさらに説明する。一つは、本発明の一実施例であり、もう一つは、本発明を利用せずに同様の合成ガス出発物質の処理を行った結果を示す比較例である。供給ガス組成と生成ガス組成は、MPHで表されるポンド又はモル/時で示され、圧力は、ataで表される絶対圧で示されている。
実施例
例1
36064.18MPHのメタン、757.58MPHのエタン、357.64MPHのCO2、26.64MPHのN2を含む供給ガスを45095.20MPHの蒸気と混合し、950°Fまで加熱し、850°Fに予備加熱された48888.8MPH ataの48モル%酸素含有富化空気と反応させる。ガス混合気流を転化触媒存在下で反応させ、流出温度1990°Fの合成ガスを生成する。この合成ガスは、27886.19MPHのCO、70230.80MPHのH2、8923.41MPHのCO2、47010.74MPHのN2を含有し、圧力が74.2ataである。この合成ガスの(H2)/(2C〇+3CO2)で表されるH2比は、0.851である。冷却と凝縮水の除去の後、合成ガスは、メタノール転化工程と回収工程の後に残存する廃ガスからの拡散で得られた水素含有再循環ガス気流と混合される。水素含有再循環ガス気流の組成は、約348.08MPHのCO、26000.88MPHのH2、4628.29MPHのCO2、39.58MPHのCH4、1230.75MPHのN2、約300MPHのメタノールである。
2比が0.991の合成/再循環ガス混合物は、熱除去のもとで5つのメタノール反応器中でメタノール転化触媒と接触させ、COとCO2をH2と反応させることによってメタノールを生成する。最初のメタノール反応器に供給される合成/再循環ガス混合気流の圧力は、72.7ataである。これ以降の反応での触媒の過熱を防ぐために、触媒の近傍で水を気化することにより触媒を間接的に冷却し、反応温度を約500°Fに維持する。反応と反応の合間および最後の反応器の後に、流出ガスを冷却し、水と生成されたメタノールの大部分を凝縮、除去する。
最初の反応器からの流出ガスは、19304.56MPHのCO、76901.38MPHのH2、13061.4MPHのCO2、884.5MPHのH2O、1166.96MPHのCH4、26679.57MPHのN2、9720MPHのCH3OHを含有している。流出圧力71.4ataにおいて、擬似反応定数は、CO分圧と水素分圧の2乗との積をメタノール分圧で除算したものとして得られる。このときの定数は2744であり、この値は、実際の温度約500°Fではなく、約550°Fという非常に高い反応温度に相当し、大きな反応促進力を示している。この最初の反応器の流出ガスの冷却時に、9118.9MPHのメタノールと約884.5MPHの水を凝縮、回収し、ガス気流の残余成分は、次のメタノール反応器に供給される。
同様に、2番目のメタノール反応器における反応は、擬似反応定数1350で行われ、その後の3つのメタノール反応器における反応の定数は、それぞれ、1300、1250、1800である。最後の高い値は、転化を所望のレベルに制限するためのものである。各工程の合間に流出ガスを冷却し、水とメタノールの大部分を凝縮、回収し、ガス気流の残余成分を次のメタノール反応器に供給する。各反応器間の圧力降下は、約1.3〜1.5ataである。最後のメタノール成分を除去した後、ガス気流は、64.4ataで得られ、その組成は、4652.7MPHのCO、34123.24MPHのH2、8576.6MPHのCO2、約1166.96MPHのCH4、約26679.57MPHのN2、および、370MPHの非凝縮メタノールである。
前述のとおり(H2)/(2C〇+3CO2)で定義される化学量論的H2係数は、それぞれの反応器流出ガスに対して、それぞれ、0.9885、0.9848、0.9811、0.9773、0.9745である。これらの値は、化学量論的な理想値1.00に近似しており、性能的に妥当である。必要に応じて、若干多めの水素再循環ガス気流を用いれば、もちろん、化学量論的H2値を1.00以上に高めることができる。
それぞれの凝縮成分を一つにまとめることによって、約28496.67MPHのメタノールと5369.3MPHの水を含む粗メタノール流を得る。
メタノール回収の最終工程の後に残存するガス気流を膜を介して拡散することによって、前記の水素富化再循環気流を透過ガス気流として約125psia(約8.5ata)の圧力で得る。この気流は、その後72.7ataに圧縮され、前述のとおり合成ガスの新規供給分と共に再循環される。
最終的に残存する非透過廃ガス気流は、70MPHの残存メタノールと共に、4294.62MPHのCO、8122.37MPHのH2、3948.31MPHのCO2、約1127.38MPHのメタン、25448.82MPHの窒素を含有する。この気流は、約63ataで、供給ガスとして分配され、6つのGE Frame−5ガスタービン列に供給される。非透過廃ガス気流の熱含量は、約17.78×108BTU/Hrであり、6つのガスタービンの正常動作を維持するのに充分な熱含量である。また、この非透過廃ガス気流のscfあたりの熱量は、約109BTUであり、この気流中の水素含有量を考慮すれば妥当である。すなわち、6つのガスタービンは、それぞれ、その燃料供給として非透過廃ガスの6分の1(熱含量296,333,333BTU/hr)を受け取る。同様に、各タービンからの圧縮空気は、N2よりもO2に対して拡散選択性を有する膜を介して拡散し、合成ガス生成のために酸化剤ガス気流として48,888.8MPH使用される48モル%O2富化空気流の6分の1を供給する。
例2(比較例)
実施例1と全く同じ組成の合成ガスを生成し、水の凝縮、除去のために冷却した後、72.7ataの圧力で一連の5つのメタノール転化反応器の最初の反応器に供給する。各メタノール転化反応器は、実施例1と同じ触媒量、ガス流入流出温度の条件で動作させる。各反応器からの流出ガスは、ガス気流の残余成分を連続的に次のメタノール反応器に供給する前に、冷却され、水とメタノールの大部分を凝縮、除去する。各反応器間の圧力降下は、約1.3ataである。
各反応器で得られる転化の擬似反応定数は、それぞれ、2744、1350、1300、1250、1800であり、当初の合成ガスと各反応器の流出ガスの(H2)/(2CO+3CO2)比で定義される化学量論的H2係数は、それぞれ、0.8508、0.8155、0.7604、0.7086、0.6616、0.6312である。メタノールの総生成回収量と水の共同収量は、CH3OHが23,287.43MPH、H2Oが2,141.4MPHである。メタノールと水の回収工程の後に残存する廃ガス気流の組成は、COが6,042.4MPH、H2が21,071.8MPH、CO2が7,099.6MPH、CH4が1,127.4MPH、N2が25,448.8MPH、CH3OHが280.2MPHである。この廃ガス気流は、圧力65.4ata、熱含量33.993×108BTU/hr、熱量147BTU/scfである。
この廃ガスの熱含量は、6つのGE Frame 5ガスタービン列への供給燃料として許容される熱含量の約2倍である。各タービンの最高定格動作モードでさえ、実施例1の場合と同様、この廃ガスの12,086,888scf(約53.3vol%)しか、ガスタービン燃料として利用できない。これは、11,024,208scf(約47.7vol%)を燃料として利用できないということを意味する。この様な理由により、第一に、これらのガスタービンからの圧縮空気の拡散によって48,888.8MPHの48モル%O2富化空気を生成するようにガスタービンを動作させることはできない。なぜなら、O2富化空気中のマス損失を相殺するために、N2とその他のマス成分を含む廃ガスの47.7体積%をタービンのエクスパンダ側に戻すことができないため、このO2富化空気生成量はタービンにとってマスバランス設計上の制約を侵すことになるからである。しかし、これは、実施例1で使用されているような6つのGE Frame 5ガスタービンと一体化された5つのメタノール反応器の工程構成では、例2での使用において提案されている合成ガス量の生成は不可能であるということを意味する。
実際、例2においては、5番目のメタノール反応の完了までの転化度は、6つのガスタービンをフル活用するには不十分であり、さらに多くのメタノール反応器が必要となるか、あるいは、5つのメタノール反応器においてさらに高い転化度となるように温度/圧力条件を極めて高いレベルに変更しなければならない。しかし、これは、より緩慢なメタノール反応温度圧力条件下で略化学量論的合成ガスを使用する場合と比較して、メタノール触媒を早期劣化や崩壊の危険に曝す可能性が高くなる。
以上のように好適な実施例を参照しながら本発明について説明したが、本明細書と請求項に記載されている本発明の範囲と精神から逸脱することなく、この記述をもとにして、当業者による変更、修正が可能である。

Claims (5)

  1. 天然ガスをメタノールまたはメタノール誘導体生成物に転化する方法であって、
    天然ガスを酸化剤気流で部分酸化し、H2、CO、CO2を(H2)/(2CO+3CO2)比で1.0未満を含有する合成ガスを生成する工程と、
    2よりもH2に対して透過選択性のある半透過性膜を介してメタノール回収完了後に残存する廃ガス気流を拡散することによって、透過ガス気流として得られた水素富化再循環ガス気流と前記合成ガスを混合し、前記合成ガスよりも高い(H2)/(2CO+3CO2)比でH2、CO、CO2を含有する合成/再循環ガス混合気流を供給できるような分量で、前記水素富化再循環ガス気流を使用する工程と、
    前記合成/再循環ガス混合気流を複数のメタノール転化触媒接触部に導入し、メタノール転化触媒接触部の合間に前記ガス気流からメタノールを回収し、最後のメタノール回収工程の後、拡散により前記水素富化再循環ガス気流を得るための廃ガス気流を生成する工程とを含み、
    前記酸化剤気流は、ガスタービンから取り出された圧縮空気から得られ、水素富化再循環ガス気流の回収後の廃ガスの非透過成分の全量が、ガスタービンの燃料として利用され、
    前記廃ガスの非透過成分は、その燃焼熱含量の少なくとも30%の熱含量が水素により供給されたものであり、
    前記廃ガスの非透過成分の燃焼熱含量の30%以下が、炭化水素により供給されたものであることを特徴とする、方法。
  2. 請求項1の方法において、前記合成ガスが、0.85以下の(H2)/(2CO+3CO2)比を有することを特徴とする方法。
  3. 請求項2の方法において、前記合成/再循環ガス混合気流が、0.95以上の(H2)/(2CO+3CO2)比を有することを特徴とする方法。
  4. 請求項3の方法において、前記合成/再循環ガス混合気流が、少なくとも3つのメタノール転化触媒接触部に導入されることを特徴とする方法。
  5. 請求項の方法において、前記廃ガスの非透過成分が、100BTU/scf以上の熱量を有することを特徴とする方法。
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