JP4082721B2 - ポイント付与サービスシステムおよびポイント管理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレジットカードもしくはハウスカード等の利用に伴い付与されるポイントサービスに関わり、特に、カード使用時にそのカードの発行会社から与えられ、各種のサービスを受けることが可能なポイントを、収集する際の目標値を顧客が定め、目標値に達するまでに必要な利用金額を、カード利用後速やかに通知することを可能とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、商品を購入したり、何らかのサービスを受けた場合にその料金を現金を直接使用することなく支払う方法として、例えば、クレジットカードを利用する方法がとられている。
そして利用客がクレジットカードを使用して取り引きを行った対価としての料金の支払いを行った場合、カードを発行したクレジット会社は、その利用に対してその都度一定率のポイントを利用者(クレジットカード)に与えるのが一般的である。
このポイントは、所定の期間毎に集計してあるポイント値に達すると所定の景品等に交換することが可能である。
このようなポイント付与サービスは多岐にわたっており、ポイント発行元はクレジットカードに限らない。
現金精算の場合においても利用金額に応じてポイントを発行するショッピングモールなどのハウスカードも存在する。以上のように、現在ポイント発行サービスは多岐に渡っており、発行されるポイントの種類も多い。
【0003】
顧客は各カードの使用により各々のカードに応じたポイントを付与されるが、現段階では、これら発行主体の異なるポイントは、各々独自に収集することが原則となっており、一部の例外を除いて異なる発行媒体により発行されたポイントを統合することは出来ない。
これは、クレジット会社相互が、サービスの差別化を図るため、利用に際してクレジットカードに与えるポイントの共通化を行うことが困難なためである。
しかし、景品等との交換を行うにはいずれのサービスにおいても一定以上のポイント数が必要であり、現状においては、交換可能なポイント、もしくは顧客が望む景品に値するポイント数に達しないまま、発行されたポイントが十分に活用されていないケースが多いと考えられる。
こうした事情をふまえ、発行主体の異なるポイントを統合し、有効活用を図るための発明が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
ただし、付与されるポイントを漫然と貯めるだけでは、ポイントプログラムの本来の目的である購買意欲の増加には直接結びつかない。
顧客が自らの所持するポイントを意識し、これを積極的に貯めようとする意志を喚起する様な工夫が必要であると考えられる。
【0004】
このような工夫の一例として、貯めるべきポイントの値をあらかじめ設定し、これを目標として、顧客にポイントが付与されるたびに目標ポイントまでの残りポイント数を告知するという方法がある(例えば、特許文献2参照)。
しかしこの発明が提供するのは、各店舗ごとのクローズドなシステムであるため、広域に渡って展開されるクレジットカードもしくはハウスカードのポイントを管理するには不十分な内容であり、かつ前述の様に発行元の異なるポイントを統合する様な場合には明らかに不向きである。
目標ポイントの設定が顧客側からは不可能である点も、顧客の購買意欲を高めるという目的にはそぐわない。
さらに、この発明では顧客に対し、目標ポイントまでの残りポイントを通知するというアクションに留まっており、顧客が実際にどれだけの金額を消費すれば良いのか具体的な示唆を与えるには至っていない。
【特許文献1】
特開2002−83240号公報
【特許文献2】
特開平6−36143号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の問題点を解決し、顧客の購買意欲を積極的に高めるためには、目標ポイントまでの残りポイント数を通知するよりも、目標ポイントに達するためには後どれだけの金額を利用すればよいのかを、具体的に提示する方がより効果的であると考えられる。
本発明の目的は、発行主体の異なるポイントを統合して有効活用を図ることが出来、且つ、顧客が決定した目標ポイントを目安に、目標達成までに利用するべき金額を通知できる様なシステムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、複数のカード会社の各サーバと、該各サーバと接続され、顧客がカードを利用して支払った金額を基に算出したポイント値を該各サーバから収集するポイント管理装置を備えるポイント付与サービスシステムであり、前記ポイント管理装置は、各顧客毎に、目標ポイント値と、合計保有ポイント値を記憶する記憶手段と、顧客のカード利用時に該顧客の合計保有ポイント値を更新する手段と、該顧客の目標ポイント値と該更新した合計保有ポイント値の差を算出し、該算出した差を基に該顧客が目標ポイントに達するために今後支出が必要となる目標利用金額を算出する手段を有している。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態のシステムの構成を示す図、図2は顧客データ及びカード会社データの内容について説明する図、図3はポイント発行時の目標利用金額算出処理について説明する図である。
図1において、11はポイント管理センタ、12は顧客データベース、13はカード会社データベース、15はクレジットカード及びハウスカード等、ポイントを発行するカード会社のポイント処理端末、16は顧客がカードを利用する各店舗に備え付けられたカード会社との通信機能を持つ店舗端末、17は顧客が有する各種通信端末である。
【0008】
本発明のカード会社とは、ポイントを発行する会社であり、例えば、クレジット会社であったり、販売店であったり、商店街もしくはショッピングモールとしてポイントを発行する組織、航空会社のポイント発行組織であっても良い。
本発明の一実施形態のシステムは、図1に示すように、本発明により設けられたポイント管理センタ11と、本実施形態において顧客が契約を結んでいる複数のカード会社A1、A2・・・Anと、カード利用可能な各店舗に備え付けられた店舗端末16とが、図示しないネットワークを介して相互に接続可能に構成されている。
カード会社A1、A2・・・Anは、それぞれの会社のブランドを持つカードを発行して顧客へのポイント付与サービスを行うものであり、顧客との取り引き時の処理、本発明によるポイント管理センタ11との通信を行う、図示しない処理サーバ15をそれぞれ備えている。
また、ポイント管理センタ11は、顧客の個人情報およびカード利用情報を記憶する顧客データベース12、および各カード会社のポイント換金率などを記憶するカード会社データベース13、目標利用金額の計算などを行う演算部14を備えている。
【0009】
顧客は図示しないネットワークを介してポイント管理センタ11と通信可能な顧客端末17をそれぞれ有している。
顧客端末17としては、顧客が保有する携帯電話、PDAなどの携帯端末、自宅PCなどネットワークに接続可能な各種デバイスを利用することが出来る。
また店舗端末16は、自身と各カード会社とを接続して、このシステムに従って顧客の利用金額を通信する処理を行う機能を有している。
店舗端末16は、磁気ストライプ型カードあるいはICカードによるクレジットカードを取り扱うことができるカードリーダ/ライタを備え、通信機能を備えるPC等により構成することができる。
【0010】
初期作業として、まず顧客は、ポイント管理センタ11内に備えられた顧客DB12に個人情報を登録する必要がある。
顧客が氏名、連絡先メールアドレスや電話番号等の個人情報を登録すると、各顧客ごとにユニークな顧客IDが発行される。
以後顧客はポイント管理センタ11内において、全てこの顧客IDで管理される。顧客はさらに、自らの契約するカード会社名を登録する。
このデータは、新規契約、契約破棄などの変動があれば随時申請の上変更可能である。
契約するカード会社が登録されると、ポイント管理センタ11は顧客の契約先カード会社に照会して、この顧客が各カード会社のサービスによって有する各々の保有ポイント値を顧客データベース12に収める。
また顧客は、ポイント収集に際して目標とするポイント値を、カード会社を指定の上自ら設定する。
この設定に関しても、顧客が希望する際にはいつでも変更は可能である。
ここでは便宜上、顧客が指定したカード会社(顧客指定カード会社)を、カード会社A1とする。
【0011】
上記の情報が登録された顧客データベース12,および各カードのポイント換金率、カード間のポイント交換レートが記録されたカード会社データベース13の保有する項目を図2、図3に示す。
図2は顧客データベース12が保有する情報項目であり、各顧客を識別する顧客ID20,顧客指定カード会社ID21,契約先カード会社ID(Am社)22,顧客がカード会社Amよりこれまでに付与された保有ポイント値(P(Am))23,Am社の保有ポイント値をA1社の保有ポイント値に換算した値と合計保有ポイント値(A1社のポイント値による)の比より求められるカード会社Amのポイント保有率(Y(Am))24,顧客自ら設定した目標ポイント値(Ppur)(A1社のポイント値による)25、現時点で顧客が有する合計保有ポイント値(Phav)(A1社のポイント値による)26より構成される。
なお、図2の表においては、図を簡略化して、Am社の契約先カード会社ID,保有ポイント値,ポイント保有率についてのみ示している。実際には、A1社〜An社のデータが載せられる。
また、上記Y(Am)は、
Y(Am)=Z(Am)*P(Am)/Phav
である。
【0012】
図3はカード会社データベースが保有する情報項目であり、Am社のポイント換金率(X(Am))27,Am社からA1社へのポイント交換レート(Z(Am))28より構成される。
なお記号Amは顧客が契約しているカード会社を表し、mは1≦m≦nの整数である。
また、Am社からA1社へのポイント交換レート(Z(Am))は相場により変動する値である。
なお、図3の表においては、図を簡略化して、Am社の契約先カード会社ID,保有ポイント値,ポイント保有率についてのみ示している。実際には、A1社〜An社のデータが載せられる。
【0013】
顧客が、加盟店である店舗等で物品の購入等を行い、その際にカードを利用して決済、又はカードを提示したとする。
この場合、店舗端末16は、顧客のカードがセットされたとき、そのカードの発行元であるカード会社Amと接続して、カード会社Amのポイント処理サーバ15に取り引き金額の情報を送信する。
ここで利用金額に応じたポイント付与値が算出され、ポイント処理サーバ15は、今回の付与ポイント値をポイント管理センタ11内の顧客DBへと送信する。
なお、使用されるクレジットカードが磁気ストライプ型である場合、取り引きで与えられるポイント値の情報、累計ポイント値は、カード会社へ送信されるだけであるが、使用されるクレジットカードがICカードである場合、取り引きで与えられるポイント値の情報、累計ポイント値をICカード内に登録することもできる。
【0014】
図4はポイント発生時の処理動作を説明するフローチャートであり、以下、このフローを参照して、目標利用金額算出の処理について説明する。
なお、一人の顧客が、A1、A2・・・Anの、n社のカードを持ち、収集目標とするポイントは顧客指定カード会社の発行するポイントであり、ここでは、説明を判り易くするため、顧客指定カード会社をカード会社A1として説明する。
まず顧客がカード会社Amのカードを利用、または提示の上で購買行動を起こす(ステップ31)。
これに伴い、店舗端末16より、カード会社Amの処理サーバ15へ利用金額などの購買情報が送信される(ステップ32)。
これに基づいて処理サーバ15は、利用金額から今回の購買に対する付与ポイント値P(Am) newを計算する(ステップ33)。
処理サーバ15は、前ステップで算出された今回の付与ポイント値P(Am) newを、ポイント管理センタ11へ送信する(ステップ34)。
【0015】
ポイント管理センタ11は前述の情報を受信すると、顧客が前回までの購買行動によってカード会社Amより付与されていたポイントP値(Am) oldに、今回の付与ポイント値P(Am) newを加え、顧客データベース12内の項目である各カード会社保有ポイント値P(Am)を更新する。
P(Am)= P(Am) old+P(Am) new
さらに付与ポイントの和を取り、現在の合計保有ポイント値Phavを算出する。
なお以下の式において、Z(Am)は、Am社のポイントをA1社のポイントに換算するための換算レートである。
Phav=ΣP(Am)*Z(Am) m=1〜n (ステップ35)
ここにおいて、顧客の合計保有ポイント値Phavと、顧客が設定した目標ポイントPpurの、大小を比較する(ステップ36)。
合計保有ポイント値Phavが目標ポイントPpurを越えていれば(Y)、目標ポイント達成の旨を、ポイント管理センタ11より顧客端末17へ通知する(ステップ37)。
前述の条件を満たさない場合には、ステップ38以下のフローに移る。
【0016】
ステップ35においてカード会社AmのポイントP(Am)が変更されたことを受け、顧客の各カードのポイント所有率Y(Am)を更新し、顧客データベース12の保有する情報を更新する(ステップ38)。
ここで演算部14は顧客の目標ポイント値Ppurを確認し(ステップ39)、現在の合計保有ポイント値Phavとの差分を取る。
ΔP=Ppur-Phav (ステップ40)
演算部14はΔPを、ポイント保有率Y(Am)に基づいて分割し、これを元に、今後予想される目標利用金額を算出する(ステップ41)。
【0017】
ステップ41の詳細を以下に述べる。
ポイント保有率Y(Am)より、今後ユーザが保有するカード会社AmのポイントΔP(Am)は、以下のように算出される。
ΔP(Am)= ΔP*Y(Am)/Z(Am)
このポイント値を、カード会社Amのポイント換金率X(Am)に基づいて、カード会社Amに対し今後支払われると予想される金額ΔQ(Am)に換算する。
ΔQ(Am)= ΔP(Am)*X(Am)
この総和を求めれば、今後支払われると予想される目標利用金額Qpurが算出される。
Qpur=ΣΔQ(Am) m=1〜n
ここでポイント管理センタ11は、算出された目標利用金額Qpur、および目標ポイントと現在保有ポイントの差分ΔPを、顧客端末17へ送信する。送信の手段はネットワークを介したeメール、ブラウザフォンメールなど、顧客の希望により様々な手段を執ることが出来る(ステップ42)。
なお、カードを例に説明したが、ポイントはコンピュータや携帯電話などの記憶媒体に格納されている場合にも本発明は適用可能である。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数ブランドのカードを統一して扱うサービスポイント付与システムにおいて、顧客のポイントを貯めようとする意欲を増進し、これが購買意欲を高めることにつながり、さらにポイントの有効活用を可能としたポイント交換システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】顧客データベースの保有する情報について説明する図である。
【図3】カード会社データベースの保有する情報について説明する図である。
【図4】カード利用時に目標利用金額を算出するための処理のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
11 ポイント管理センタ
12 顧客データベース(DB)
13 カード会社データベース(DB)
14 演算部
15 各カード会社の処理サーバ
16 店舗端末
17 顧客端末
Claims (5)
- 複数のカード会社の各サーバと、該各サーバと接続され、顧客がカードを利用して支払った金額を基に算出したポイント値を該各サーバから収集するポイント管理装置を備えるポイント付与サービスシステムであって、
前記ポイント管理装置は、各顧客毎に、目標ポイント値と、合計保有ポイント値を記憶する記憶手段と、
顧客のカード利用時に該顧客の合計保有ポイント値を更新する手段と、
該顧客の目標ポイント値と該更新した合計保有ポイント値の差を算出し、該算出した差を基に該顧客が目標ポイントに達するために今後支出が必要となる目標利用金額を算出する手段を有することを特徴とするポイント付与サービスシステム。 - 請求項1記載のポイント付与サービスシステムにおいて、
前記ポイント管理装置は、前記記憶手段に、顧客毎に、顧客の契約カード会社毎の保有ポイント値と、顧客指定カード会社のポイントと各契約カード会社のポイントとの間でのポイント交換レートを記憶し、
前記顧客の契約カード会社毎の保有ポイント値と前記各ポイント交換レートを基に前記合計保有ポイント値を算出する手段を有することを特徴とするポイント付与サービスシステム。 - 複数のカード会社の各サーバと、該各サーバと接続され、顧客がカードを利用して支払った金額を基に算出したポイント値を該各サーバから収集するポイント管理装置であって、
各顧客毎に、目標ポイント値と、合計保有ポイント値と、顧客の契約カード会社毎の保有ポイント値と、顧客指定カード会社のポイントと各契約カード会社のポイントとの間でのポイント交換レートと、各契約カード会社のポイント換金率と、各契約カード会社毎のポイント保有率と、を記憶する記憶手段と、
前記顧客の契約カード会社毎の保有ポイント値を前記各ポイント交換レートを基に顧客指定カード会社のポイントに換算した各換算保有ポイント値を算出し、該算出した各換算保有ポイント値を合計して前記合計保有ポイント値を算出する手段と、
前記各換算保有ポイント値と前記合計保有ポイント値の比を求め前記各契約カード会社毎のポイント保有率を算出する手段と、
前記目標ポイント値と合計保有ポイント値の差と、前記保有ポイント値と、ポイント交換レートと、ポイント換金率を基に各カード会社毎の目標利用金額を算出し、該各カード会社毎の目標利用金額を合計して目標利用金額を算出する手段を有することを特徴とするポイント管理装置。 - 請求項3記載のポイント管理装置において、
前記ポイント管理装置に顧客端末を接続し、該ポイント管理装置は、前記目標ポイント値に前記合計保有ポイント値が到達したとき、到達したことを前記顧客端末に通知し、到達しないとき、前記目標利用金額を算出し、算出した目標利用金額を前記顧客端末に通知することを特徴とするポイント管理装置。 - 顧客の契約カード会社毎の保有ポイント値を、顧客指定カード会社のポイントと各契約カード会社のポイントとの間でのポイント交換レートにより顧客指定カード会社のポイントに換算した各換算保有ポイント値を算出する手順と、
該算出した各換算保有ポイント値を合計して合計保有ポイント値を算出する手順と、
前記各換算保有ポイント値と前記合計保有ポイント値の比を求め前記各契約カード会社毎のポイント保有率を算出する手順と、
目標ポイント値と前記合計保有ポイント値の差に、前記各契約カード会社毎のポイント保有率を乗じ、この結果を前記契約カード会社毎のポイント交換レートで除し、この結果にポイント換金率を乗じて各カード会社毎の目標利用金額を算出する手順と、
該各カード会社毎の目標利用金額を合計して目標利用金額を算出する手順を実行させるためのプログラム。
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