JP4082660B2 - ゼオライト添加造粒物とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、造粒核の周面にゼオライトでなる膜を形成した造粒物に係わり、ゼオライトの使用量を低減してゼオライトの有効活用を図るとともに、この造粒核に瓦屑材、コンクリート屑材等の廃材、また他の廃材等(総称するときは、廃材)の産業廃棄物を再利用し、資源として活用することを可能とし、しかもゼオライトの特性を発揮することができるゼオライト添加造粒物とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゼオライトは、陽イオン交換機能、触媒機能、吸着作用があるために、水質浄化、有害物質吸着、土壌改良、調湿、脱臭等の用途に用いられる。この種のゼオライトは元々粉体として用いられることもあるが、バインダーを介して造粒物としても用いられている(例えば、特開平6−321528号が挙げられる)。従来、造粒する際には、造粒機によって、ゼオライトをバインダーを介して直接混合して造粒する構成となっている。
【0003】
本発明者らは、従来の造粒法による造粒物について、その作用について検討を進めた結果、陽イオン交換機能及び吸着作用に有効な部分は、ゼオライト造粒物の通常外殻部のみであり、中心部は有効に作用していないとの知見を得るに至った。従来の造粒法は、ゼオライトを、バインダーを介して直接混合して造粒する構成であり、このゼオライトで全体を構成したゼオライトのみからなるゼオライト造粒物は、ゼオライトがかなり高価であることを考えると、高価なものとなる。従って、不経済であり、又ゼオライト造粒物利用拡大の妨げになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、造粒核を用いてゼオライトの有効活用を図った低コストのゼオライト添加造粒物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記知見に鑑み、従来のゼオライトのみでなるゼオライト造粒物の中心部を造粒核で代替することにより、上記目的が達成できる。
【0006】
請求項1の発明は、クリンカーアッシュ、コンクリート屑、アスファルト屑、高炉スラグ、製鋼スラグ、又は瓦屑でなる造粒核と、この造粒核の表面を形成するゼオライトとを、造粒機で撹拌混合し、前記造粒核の表面にゼオライト薄層の膜を形成したゼオライト添加造粒物であって、
前記ゼオライト薄層の膜は、前記造粒核に設けた薄層のセメント、石膏、水ガラス、ベントナイト、ゼラチン、樹脂でなる無害のバインダーと、このバインダーの表面に形成したゼオライトとで構成し、
前記造粒核が、多孔質の造粒核であることを特徴とするゼオライト添加造粒物であり、造粒物の中心部は造粒核で代替され、これによりゼオライトの有効利用が図られ、低コスト化が図られる。また、ゼオライトを確実に、造粒核にコーティングして、ゼオライトでなる膜を生成すること、等を意図する。さらに、元々ゼオライト膜自体が多孔質であることと、造粒核が多孔質であることとで、ゼオライト添加造粒物の吸着性を向上させ、有害物資、悪臭等の吸着、脱臭、浄化、調湿等に役立てることを意図する。
【0007】
【0008】
【0009】
請求項2の発明は、クリンカーアッシュ、コンクリート屑、アスファルト屑、高炉スラグ、製鋼スラグ、又は瓦屑でなる造粒核と、セメント、石膏、水ガラス、ベントナイト、ゼラチン、樹脂でなる無害のバインダーと、水、並びにゼオライトを、造粒機による1度の工程で撹拌混合し、前記造粒核の表面に、バインダーを介して、ゼオライト薄層の膜を形成するゼオライト添加造粒物の製造方法であり、任意の厚みのゼオライトの層が容易に得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を説明する。
【0011】
ゼオライト添加造粒物の造粒核の材料とその物性に応じた用途の適否を表1に示す。○は適用可能である。Δは検討に値する、×は適用不可である。
造粒核としては表1に示したものに限定されず、固形物であれば、用途に対して有害でない範囲で選択することができる。
【0012】
【表1】
【0013】
造粒核として、表1に示す1〜13等の廃材である産業廃棄物を用いることができる。また、14、15等の有価の固形物も当然利用できる。
なお、多孔質の造粒核として代表的なものとしては、クリンカーアッシュが挙げられる。
【0014】
バインダーとしては、用途に対して有害でない範囲で選択できる。バインダーの用途別の適否に関してその例を表2に示す。
【0015】
【表2】
【0016】
造粒に際しては、バインダーの材料に応じて適宜水が必要とされる。
得ようとするゼオライト添加造粒物および造粒核の粒径は、用途及びその製造方法によって適宜定まる。
用途別のゼオライト添加造粒物の粒径例を次に示す。
水質浄化用2〜10mm、有害物質の吸着用1〜3mm、土壌改良用2〜5mm、調湿用2〜5mm、脱臭用1〜3mm
【0017】
ゼオライト添加造粒物の製造方法を以下に説明する。
請求項2に示す製造方法(以下、コーティング法という。)の1例を示す。
モルタルミキサにゼオライト粉末2と、バインダーと、必要により水とを投入して(1例としてセメントと水)、この投入材料を練り混ぜる(ペースト混練)。この練り混ぜた混合物を、造粒機であるミキサ(ゴム胴型ミキサが適当)に投入した後、造粒核1を投入し、撹拌混合して造粒する。この造粒後に、排出する。この作業で図1に示すような造粒核1の全周面にゼオライト2をコーティングしたゼオライト2の表面膜4を有する造粒物3が製造される。造粒核1がクリンカーアッシュの場合、造粒核自体が開気孔10を有し、ゼオライト膜の開気孔40とで多孔質のゼオライト添加造粒物となる。
【0018】
請求項2に示す製造方法(以下、まぶし法という。)の1例を示す。
ミキサ(一般ミキサ等の機器)に造粒核1と、バインダーとを投入して、必要により水とを投入して、この投入材料を練り混ぜ、造粒核1の全周面にバインダーの薄層をコーティングする。この後、ゼオライト2を投入してバインダーでコーティングされた造粒核1にゼオライト2をまぶすように付着させて造粒する。この造粒後に、排出する。この作業で図2に示すようなゼオライト2の表面膜4を有する造粒物3が製造される。ゼオライト2の表面膜4は、バインダーの表面にゼオライトが付着して形成されるので、その厚さは薄いものとなる。尚、このまぶし法は、ミキサの工程が1度でよいから、製造工程が簡単である利点がある。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0020】
1.)コーティング法とまぶし法の製造方法における実施配合例を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0021】
なお、従来の造粒核を用いない場合の上記コーティング法によるものと同容積の配合例は、以下の通りである。
ゼオライト:セメント:水=400g:80g:240g
造粒核を用いる製造法(コーティング法とまぶし法)は、造粒核を用いない従来の製造法に比べて、ゼオライトの使用量が低減できる。また、まぶし法は特にゼオライトの使用量が少なくなっている(造粒核を用いない製造法に比べて、1/10〜20)。
【0022】
2.)まぶし法により生成されたゼオライト添加造粒物の水質浄化試験
まぶし法により生成されたゼオライト添加造粒物の水質浄化性能を調べるために以下の試験を実施した。なお、造粒核としてクリンカーアッシュを用いて、まぶし法によって造粒し、多孔質のゼオライト添加造粒物を得た。(粒径は5〜10mm)
【0023】
2−1)まぶし法による試験体作成と水中浸漬による剥離量測定
水質浄化試験に用いる試験体としての要求性能(セメントが少ない、水中での剥離量が少ない)を満たすゼオライト膜の配合を選定した。
セメント:ゼオライト=1:1〜1:5(重量比)の5つの配合によるゼオライト添加造粒物について、水中に1週間浸漬し、その前後に乾燥(100℃)させて重量を測定して、その差を剥離量とすると、表4及び図3のとおりとなった。
【0024】
【表4】
【0025】
セメント:ゼオライト=1:5以上にゼオライトの割合が多くなると、剥離量が多くなる結果となったので、水質浄化試験はセメント:ゼオライト=1:4のゼオライト膜で実施することとした。
【0026】
2−2) 水質浄化試験
水槽の上部濾過槽に上記2−1)試験で選定した配合のまぶし法により生成された試験体と比較用のクリンカーアッシュのみのものを設置して、海水を循環させ、2、3、5、8日経過後の水質PO4−P(リン酸態リン)量を測定した。その結果を表5に示す。
【0027】
【表5】
【0028】
表5において、PLは濾過材なしの場合、CAはクリンカーアッシュのみの場合、CAZは上記配合でクリンカーアッシュを造粒核としてまぶし法により生成された多孔質のゼオライト添加造粒物の場合を示している。
【0029】
図4は表5をグラフ化したものである。8日経過後のPO4−P量については、上記配合でクリンカーアッシュを造粒核としてまぶし法により生成された多孔質のゼオライト添加造粒物の場合は、濾過材なしに対して約50%減少している。また、クリンカーアッシュのみに比べてPO4−P量の減少割合は約3倍であり、まぶし法により生成された多孔質のゼオライト添加造粒物のPO4−Pに対する高い吸着性を確認した。
【0030】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ゼオライトの使用量を低減してゼオライトの有効利用を図り、低コストのゼオライト添加造粒物を得ることができる。また、ゼオライトを確実に、造粒核にコーティングして、ゼオライトでなる膜を生成することができる。さらに、ゼオライト添加造粒物の吸着性を向上させ、有害物資、悪臭等の吸着、脱臭、浄化、調湿等に役立て得る実益がある。
【0031】
【0032】
【0033】
請求項2の発明によれば、造粒核の周面に任意の厚さのゼオライトでなる膜を確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コーティング法で生成したゼオライト添加造粒物の拡大断面図
【図2】まぶし法で生成したゼオライト添加造粒物の拡大断面図
【図3】ゼオライト膜の配合割合に対する水中浸漬による剥離量の割合を示す図
【図4】水質浄化試験における経過日数に対するPO4−P量を示す図
【符号の説明】
1 造粒核
10 開気孔
2 ゼオライト
3 造粒物
4 表面膜
40 開気孔
Claims (2)
- クリンカーアッシュ、コンクリート屑、アスファルト屑、高炉スラグ、製鋼スラグ、又は瓦屑でなる造粒核と、この造粒核の表面を形成するゼオライトとを、造粒機で撹拌混合し、前記造粒核の表面にゼオライト薄層の膜を形成したゼオライト添加造粒物であって、
前記ゼオライト薄層の膜は、前記造粒核に設けた薄層のセメント、石膏、水ガラス、ベントナイト、ゼラチン、樹脂でなる無害のバインダーと、このバインダーの表面に形成したゼオライトとで構成し、
前記造粒核が、多孔質の造粒核であることを特徴とするゼオライト添加造粒物。 - クリンカーアッシュ、コンクリート屑、アスファルト屑、高炉スラグ、製鋼スラグ、又は瓦屑でなる造粒核と、セメント、石膏、水ガラス、ベントナイト、ゼラチン、樹脂でなる無害のバインダーと、水、並びにゼオライトを、造粒機による1度の工程で撹拌混合し、前記造粒核の表面に、バインダーを介して、ゼオライト薄層の膜を形成するゼオライト添加造粒物の製造方法。
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