JP4082539B2 - バリカン刈刃 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バリカン式の草刈機やトリマー等に使用するバリカン刈刃に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バリカン刈刃を有する草刈機やトリマーは、ロータリ刃を有するものに比べて、刃盤が割れたり、物を跳ね飛ばしたりしないから、安全である上、刈り高さを均一にでき、しかも、一度に広い範囲を刈り取れる特徴を有しており、畦道の草刈りや生け垣のトリミング等によく使用されている。しかし、バリカン刈刃も、使用に伴って磨耗するから、適宜研磨する必要がある。この研磨は、刈刃を機に装着したままで行なうこともあるが、多くの場合は取り外して行なう。又、最近では、刃が磨耗すると、新しい刃に交換することが多いが、このようなときも、刈刃を取り外さなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、バリカン刈刃は、互いに異なる方向に往復動するクランクロッドに二枚が摺接状態で取り付けられているのが通常であり、各々は、最適な隙間に調整してある。従って、一度取り外すと、再取付けに際しては再度隙間調整をしなければならないが、この隙間調整は相当な熟練を要するため、一般ユーザーではなかなか難しい。又、クランクロッドとの連結部はクランクケース内に設けられているから、これを取り外すには、クランクケースの蓋を外さなければならず、相当な手間である。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するものであり、バリカン刈刃を刈刃部分とスライドバーとに分割し、クランクロッドにスライドバーを取り付け、更に、スライドバーに刈刃を取り付けるようにして、刈刃の取付け、取外しをクランクロッドとスライドバーの組付けに触ることなく、簡単、迅速にできるようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明は、請求項1に記した、互いに異なる方向に往復動するクランクロッドに連結される上下二枚が摺接状態で合わされたバリカン刈刃において、各々のクランクロッドに往復動方向に対して前方と後方に適数の取付座が突設されたスライドバーを連結し、前方の取付座に刃が前向きに形成されたバリカン刈刃を取り付けるとともに、後方の取付座に刃が後向きに形成されたバリカン刈刃を取り付けたことを特徴とするバリカン刈刃を提供したものである。
【0006】
以上の手段をとることにより、バリカン刈刃の取付け、取外しは、スライドバーに対して行なえばよいから、クランクロッドとスライドバーの組付けに触る必要はない。従って、隙間調整も必要ないし、取付け、取外し作業も簡単である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一例を示すバリカン刈刃を装着したバリカン式草刈機の要部の平面図、図2は同じく断面側面図であるが、このバリカン式草刈機は、伝動管兼基体である操作杆1の先端(下端)にクランクケース2を取り付けたものである。
【0008】
クランクケース2の基部には、伝動軸3が軸装されており、操作杆1の基端に設けられる原動機(図示省略)の動力を操作杆1の内部に収容される駆動軸4によってベベルギア機構5を介して伝動軸3に伝えるようにしてある。クランクケース2の中央部には、クランクロッド6を係着するクランク7が収容されており、伝動軸3に伝えられた動力は、ギア機構8を介してクランク7を回転させ、クランクロッド6を往復動させる。
【0009】
クランクケース2の先端からはスライドバー9が突出しており、スライドバー9の根元側はクランクロッド6とピン10で枢着されている。従って、クランクロッド6の往復動は、スライドバー9の往復動に変換される。
【0010】
以上のクランクロッド6とスライドバー9の組は上下に二個設けられており、各クランクロッド6は、クランク7の対称位置に設けられる二カ所の偏心部位に連結されている。従って、クランク6の回転に伴ってスライドバー9は互いに正反対の方向に往復動することになる。
【0011】
二枚のスライドバー9は、往復動を阻害しない隙間を保って離れないように重合させられている。図3は図1のA−A断面図であるが、スライドバー9の中央部には、適当数の長手方向の長孔11があけられており(往復動するから)、この長孔11の中にボルト12を通し、上側のスライドバー9の上に押え板13を重ねてナット14で締めて固定している。この場合、ボルト12とナット14の締め具合を調整することで、前記した隙間の調整を図っている。
【0012】
図4はスライドバー9の平面図であるが、スライドバー9には適当数(本例では二個)の取付座15が各々前後に突設されており、これにバリカン刈刃16を取り付けることになる。図5はバリカン刈刃16の平面図であるが、バリカン刈刃16は、三角形の刃16aが適当間隔を置いて形成されるものであり、上方のものは上面にエッジが、下方のものは下面にエッジが形成されるものである。但し、上下裏返して使用できるから、同一の形状のものを共用できる。
【0013】
ところで、本例のバリカン刈刃16は、上方のものは上面に、下方のものは下面に、それぞれ基板17が刃16aを除いた部分に一体的に取り付けられており(これも裏返して使用することで共用できる)、この基板17を取付座15に取り付けるようにしている。具体的には、上下のスライドバー9にネジ支柱18を立てておき、基板17に設けられた取付孔19をこのネジ支柱18に通し、ナット20で締め付けるようにしている。
【0014】
この場合のネジ支柱18の頭部18aは、スライドバー9の中に埋め込み、摺動面から突出しないようにしてスライドバー9の摺動性を確保している。又、スライドバー9とバリカン刈刃16の厚みは、当然ながら同じ厚みにしておき、バリカン刈刃16同士も前記した隙間に調整されて摺動できるようにしてある。この他、取付座15の数は適当でよいが、本例では、前後に二カ所ずつ設けて取付け、取外しが迅速にできるようにしている。
【0015】
加えて、本例の取付座15のスライド方向には、それぞれ上面に刃15aを形成してこの部分でも刈取りができるようにしている。これらのスライドバー9及びバリカン刈刃16は、裏返して使用することで、同一形状のものを使用できるから、部品を共用できて、コスト安く製作できる。
【0016】
【発明の効果】
以上、本発明によると、バリカン刈刃の取付け、取外しは、スライドバーに対して行なえばよく、クランクロッドとスライドバーの組付けに触る必要はない。従って、取付け、取外し作業が省力的で迅速にできるし、煩雑な隙間調整操作も必要ない。更に、バリカン刈刃はスライドバーとは分割されるから、製造コストも安くて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示すバリカン式草刈機の要部平面図である。
【図2】本発明の一例を示すバリカン式草刈機の要部断面側面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】本発明の一例を示すスライドバーの平面図である。
【図5】本発明の一例を示すバリカン刈刃の平面図である。
【符号の説明】
6 クランクロッド
9 スライドバー
12 ボルト
13 押え板
15 取付座
15a 〃 の刃
16 バリカン刈刃
17 基板

Claims (4)

  1. 互いに異なる方向に往復動するクランクロッドに連結される上下二枚が摺接状態で合わされたバリカン刈刃において、各々のクランクロッドに往復動方向に対して前方と後方に適数の取付座が突設されたスライドバーを連結し、前方の取付座に刃が前向きに形成されたバリカン刈刃を取り付けるとともに、後方の取付座に刃が後向きに形成されたバリカン刈刃を取り付けたことを特徴とするバリカン刈刃。
  2. 二枚のスライドバー及びバリカン刈刃がそれぞれに同一形状をしている請求項1のバリカン刈刃。
  3. 上側のスライドバーが上方に押え板を添えられて下側のスライドバーからボルトを通して上下のスライドバーを隙間調整して締め付けた請求項1又は2のバリカン刈刃。
  4. 上下のバリカン刃の上下面に刃を除いて基板を取り付け、基板を取付座に取り付けた請求項1〜3いずれかのバリカン刈刃。
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