JP4082463B2 - 部位特異的結合システム、影像組成物及び方法 - Google Patents
部位特異的結合システム、影像組成物及び方法 Download PDFInfo
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Description
本出願は、1995年6月8日に出願のNo.08/488,743の継続出願である。
発明の背景
本発明は、新規な部位特異的結合システム及び新規な組成物に関し、より詳しくは、超音波影像、薬剤又は化学療法剤の投与、診断分析及び検出システムについての方法を改善するのに有用なシステム及び組成物に関する。
これまで、超音波影像に関しては、「バブル」技術に基づく超音波コントラスト剤が、蛋白質(Feinstein他、J.Am.Coll.Cardiol. 1990; 16: 316-324;及びKeller他、J.Am.Soc.Echo. 1989; 2: 48-52)、多糖類(Corday他、J.Am.Coll.Cardiol.1984; 3: 978-85)、生物分解性重合体(Schneider他、Invest.Radiol. 1993; 27: 134-139;及びBichon他、EP特許出願No.890810367.4: 1990)又は脂質(D'Arrigo他、J.Neurormag. 1991; 1: 134-139;Simon他、Invest.Radiol. 1992; 27: 29-34;及びUnger他、Radiology 1992; 195: 453-456)内の気体を利用して、音響インピーダンスにずれを生じさせるということが実証されている。しかし、標的組織、表面又は支持体の音響特性が変化したのは、音響コントラスト又は影像剤が部位特異的に標的を選んで作用した結果である、ということを示す、実験に基づく証拠はない。標的を選んだ作用効果を得るために薬剤を改変する方法については、文献が数多く存在するにもかかわらず、標的作用効果が得られていないのが現状である。又、今まで標的作用効果が得られないでいるということは、おそらくは薬剤の化学的特質、製造工程における制限や粒子の不安定性が原因であると考えられる。
気体ではない音響コントラスト剤として取り上げられてきたものとして、脂質エマルジョン(Fink他、Ultrason.Imaging, 1985 7: 191-197)、リポソーム[Lanza他、J.Am.Coll.Cardiol. 1992(abstract); 19(3 Suppl A)114A]及びペルフルオロカーボンエマルジョン(Mattrey他、Radiology 1982; 145: 759-762及びMattrey他、Ultrasound Med. 1983; 2: 173-176)が挙げられる。上記したコントラスト剤と同様に、部位標的を選ぶエマルジョンやリポソームは報告されていない。これもまた、粒子の不安定性、工程上の制限、コントラスト剤の化学的特質が原因であると考えられる。脂質エマルジョンはFink他(前出)により評価されているが、肝臓影像の研究にあっては、適切なエコー源性を示していない。Lanza他(前出)による独特な化学式のリポソームについては、標的を選んで作用する超音波コントラスト剤としての用途の可能性が示唆されているが、今までのところ実証されていない。ペルフルオロカーボンエマルジョン、ペルフルブロン(ペルフルオロオクチルブロマイド、P100)及びフルソル(ペルフルオロデカリン及びペルフルオロトリプロピルアミン、F20)は超音波コントラスト剤として用いられており、これらコントラスト剤が肝臓、脾臓及び腫瘍に蓄積することが、副次的には、これらの部位においてエマルジョン粒が食細胞に摂取されることが報告されている(Mattery他、1983、前出)。これらのペルフルオロカーボンエマルジョンがドップラー信号を増幅し、管腔を不透明にすることにも言及がなされている。コントラスト剤として用いられるフルオロカーボン及びペルフルオロカーボンエマルジョンは、USPNo.4,927,623、5,077,036、4,838,274、5,068,098、5,114,703、5,362,477、5,362,478、5,171,755、5,304,325、5,350,571及び5,403,575に開示されている。しかし、リガンドを用いて標的を選ぶ音響コントラストシステムとしてのペルフルオロカーボンエマルジョンは報告されていない。
上記した、組織又は器官を標的にする生物医学用超音波についての文献には、異常のある構造組織の内部又は周辺に音響反射粒子が集合するという言及がある。組織異常(例えば悪性腫瘍)に起こる音響の局部的な増強は、リガンドによるものではなく、むしろ動的な粒子回収率における差異及び/又は正常組織と悪性組織の間の隙間によるものである。このような場合に用いられるコントラスト剤としては、水溶液(Ophir他、Ultrason.Imaging 1979, 1: 265-279;Ophir他、Ultrasound Med.Biol.1989, 15: 316-333;及びTyler他、Ultrason.Imaging, 3: 323-329)、エマルジョン(Fink他、Ultrason.Imaging, 1985, 7: 191-197)及び懸濁液(Mattrey他、1982前出;及びMattrey他、Radiology, 1987, 163: 339-343)が挙げられる。リガンドを用いて音響反射性のリポソームを標的に対応させる超音波コントラストの可能性が示唆されているが、この概念を適用した成功例は報告されていない(Lanza他、1992前出;及びValentini他、J.Am.Coll.Cardiol., 1995, 25: 16A)。生体内で粒子を標的に対応させる概念を適用した今までの例としては、リガンド(例えばモノクローナル抗体)を小胞に様々な方法で直接結合させるものがある(例えばTorchlin他、Biochem.Biophys.Res.Commun. 1978, 85: 983-990;Endoh他、J.Immunol.Methods, 1981, 44: 79-85;Hashimoto他、J.Immunol.Methods, 1983, 62: 155-162;及びMartin他、Biochemistry, 1981, 20: 4229-4238参照)。
ペプチド、炭水化物、核酸などの分子群を検出することができ、液相及び固相システムや細胞培養における、超音波を用いた、ELISA型の検査室診断アッセイ;あるいは電気泳動的な、クロマトグラフィー的な又はハイブリダイゼーションを用いた検出システム;及び従来の超音波影像法を用いた、患者の血栓、感染、癌腫及び梗塞の検出にも用いることができる、リガンドを用いる結合システムについて、改良された新規な方法は依然として必要とされている。
発明の概要
本発明の目的の中でも、注目すべきものに以下のものが挙げられる。生体内又は生体外において、リガンドを用いて脂質被包粒子を表面上の分子エピトープに結合する新規な方法の提供;アビジン−ビオチン相互作用を介してリガンドを脂質被包粒子に複合し、その結果得られる複合体が表面上の分子エピトープに結合することを特徴とする上記方法の提供;超音波影像を得るのに用いる生物表面の音響反射性を増強するのに有用であることを特徴とする上記方法の提供;形成される複合体が、X線、超音波、磁気共鳴又は陽電子放射断層撮影により影像を得るのに有効であることを特徴とする上記方法の提供;生物表面の超音波影像を得るのに用いる組成物、及びそのような表面の音響反射性を増強させる組成物の提供;本発明のリガンドを用いるシステムを通じて所望の部位又は生物表面に結合した時、非常に反射性が増強する、超音波コントラスト剤の提供;並びに、組織表面のエコー源性を標的とし変化させることができ、よって病理学上の工程における同定を改良しかつ特異的に行うことのできることを特徴とする上記方法及び組成物の提供、である。他にも本発明から容易に類推できる目的があるが、以下においてはある程度指摘するにとどめる。
簡潔に述べると、最も広い態様にあっては、本発明は、生体内又は生体外において、リガンドを用いて脂質被包粒子を表面上の分子エピトープに結合する方法であって、(a)ビオチン賦活剤により活性化された部位特異的リガンド;(b)アビジン賦活剤;(c)ビオチン賦活剤により活性化された脂質被包粒子、を順に投与することを包含し、この投与によって、リガンドが脂質被包粒子にアビジン−ビオチン相互作用を介して複合し、その結果得られる複合体が表面上の分子エピトープに結合することを特徴とする方法を企図する。複合体はX線、超音波、磁気共鳴又は陽電子放射断層撮影により影像を得るのに有効である。より具体的な態様にあっては、本発明は、上記した組成物の一連の投与を通じて生物表面の音響反射性を増強させる方法であって、投与により得られる複合体が天然又は合成の表面に結合して、超音波影像を得る際に表面の音響反射性を増強させることを特徴とする方法を企図する。本発明は更に、そのような表面の超音波影像を得るのに用いる組成物、及び表面の音響反射性を増強する組成物を企図する。
図の簡単な説明
図1は、アビジン濃度増加に伴う、ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョン及び対照ペルフルオロカーボンエマルジョンの集合体粒子径における変化を示したグラフである。
図2は、対照ペルフルオロカーボンエマルジョン及びビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンの、アビジン添加前と後における超音波影像を示す。
図3は、グレースケール分析(gray scale analysis)に用いる透析チューブ影像及び分析の対象となる領域(interest placement)の図例である。
図4は、対照ペルフルオロカーボンエマルジョン又はビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンへのアビジンの添加に関連する、平均ピクセルグレースケールの変化を示すグラフである。
図5は、対照ペルフルオロカーボンエマルジョン及びビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンが、アビジン化ニトロセルロース膜の見かけの後方散乱伝達関数及び、積分(integrated)後方散乱に及ぼす効果を示したグラフである。
図6は、ニトロセルロース膜に共有結合したD二量体を標的とした、ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョン及び対照ペルフルオロカーボンエマルジョンの見かけの後方散乱伝達関数を示すグラフである。
図7は、低超音波周波数におけるビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョン及び対照ペルフルオロカーボンエマルジョンの見かけの後方散乱伝達関数(dB)を示したグラフである。
図8は、アビジン化ニトロセルロース膜を標的とした、大きな粒径を有するビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョン及び対照ペルフルオロカーボンエマルジョンの見かけの後方散乱伝達関数を示したグラフである。
図9は、対照ペルフルオロカーボンエマルジョン又はビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンを導入する前及び後の、血漿血栓の超音波影像を示す。
図10は、まず抗フィブリンモノクローナル抗体により標的として選ばれてから、対照ペルフルオロカーボンエマルジョン又はビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンが導入された血漿血栓の平均ピクセルグレースケールレベルを示したグラフである。
図11は、生体内で、ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンによって音響性が増強した、大腿部動脈血栓の超音波影像を示している。
図12は、前立腺癌腫内の前立腺特異的抗原を標的とするビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョン及び対照ペルフルオロカーボンエマルジョンの、見かけの後方散乱伝達関数における、正常部の伝達関数に対する正味の変化を示すグラフである。
図13は、対照ペルフルオロカーボンエマルジョン及びビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンについて、正常な前立腺基質と癌腫領域との間の積分後方散乱における正味の変化を示すグラフである。
図14は、卵巣癌腫内のOC−125抗原を標的とするビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョン及び対照ペルフルオロカーボンエマルジョンの、見かけの後方散乱伝達関数における、正常部の伝達関数に対する正味の変化を示すグラフである。
図15は、対照ペルフルオロカーボンエマルジョン及びビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンについて、正常な卵巣組織と癌腫領域との間の積分後方散乱における正味の変化を示すグラフである。
図16は、抗サイトケラチン抗体を用いて上皮を標的としたペルフルオロカーボンコントラスト剤及びセイヨウワサビペルオキシダーゼによる扁桃の超音波影像及び光学影像を示す。
図17は、抗サイトケラチン抗体を用いて標的を選んだペルフルオロカーボンエマルジョンにより音響性の増強した、扁桃上皮の超音波影像の検出ピークを示す。
図18は、様々な濃度のガドリニウム−DTPA−BOAを混合した3種のビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンについての、アビジン滴定曲線を示すグラフである。
図19は、標的を選んだペルフルオロカーボンを用いて超音波及びMRIの2重コントラストで処理したときに見られる、血栓凝塊における音響反射性の増強を示している。
図20は、磁気共鳴及び超音波の両方によって検出した大腿部動脈血栓を示す。
好ましい態様の説明
本発明によれば、広い用途のある、リガンドを用いる結合システムは、生体内又は生体外においてリガンドを介して脂質被包粒子を表面上の分子エピトープに結合することによって達成される。この結合は、(a)ビオチン賦活剤により活性化された部位特異的リガンド;(b)アビジン賦活剤;(c)ビオチン賦活剤により活性化された脂質被包粒子、を順に投与することで可能になる。これによって、リガンドが脂質被包粒子にアビジン−ビオチン相互作用を介して複合し、その結果得られる複合体が表面上の分子エピトープに結合する。従って、本発明のリガンドを用いる結合システムによれば、アビジンやビオチンと複合した特異的なリガンドプローブ(例えば抗体や抗体断片)を用いて、ペプチド、炭水化物や核酸等の分子群を検出することができる。上記ビオチンは、脂質被包粒子(例えばビオチン化脂質被包エマルジョン又はリポソーム)により運搬される。本発明のリガンドを用いる結合システムは、超音波コントラスト剤システム;液相及び固相系や細胞培養における、超音波を用いた、ELISA型の検査室診断アッセイ;あるいは電気泳動的な、クロマトグラフィー的な又はハイブリダイゼーションを用いた検出システム;及び従来の超音波影像法を用いた、患者の血栓、感染、癌腫及び梗塞の検出に使用することができる。本発明は更に、結合システムに特異性があるため、所望の部位への化学療法剤及び薬剤の投与等、治療目的に用いることができ、その部位の影像を繰り返し得ることで、治療効果の度合いをモニターすることもできる。この点について、上述のアビジン−ビオチン相互作用を介したリガンドと脂質被包粒子の複合体は、X線、超音波、磁気共鳴又は陽電子放射断層撮影による影像を得るのに有効である。
本発明の一つの態様にあっては、(a)ビオチン賦活剤により活性化された部位特異的リガンド;(b)アビジン賦活剤;(c)ビオチン賦活剤により活性化された脂質被包粒子、を順に表面に投与することによって生物表面の反射性を増強する方法が提供される。これによりリガンドが脂質被包粒子にアビジン−ビオチン相互作用を介して複合し、その結果得られる複合体が生物表面に結合して、超音波影像を得るために用いられる音響反射性が増強する。この新規な三段階法はアビジン−ビオチン相互作用を利用しているので、標的を選ぶリガンドの投与を音響脂質被包粒子の投与と同時に行う必要が無くなる。本発明の方法の具体的な適用にあっては、第一段階でビオチン化リガンドを患者に全身投与して、目的の組織又は生物表面を予め標的化し、結合割合を最適化するのに必要な又は十分な時間、リガンドを循環させる。第二段階でアビジンを投与し循環させ、標的組織又は標的表面に結合したビオチン化リガンド、及び自由に循環している残余のリガンドに結合させる。アビジンによる架橋は、標的組織又は標的表面上のリガンドの親和力及び安定性を高め、一方で、循環するアビジン−リガンド複合体の迅速な除去を、網内系を通じて促進する。第三段階で、ビオチン化脂質被包粒子を投与すると、粒子は空いているビオチン結合部位を介してアビジンと結合し、標的組織表面の音響コントラスト性が増加する。アビジン及びビオチン化脂質被包粒子の一連の投与を繰り返すと、標的表面に結合した脂質被包粒子の音響コントラスト効果を増幅させることができる。
本発明の実施にあっては、使用されるリガンドは、例えばモノクローナル又はポリクローナル抗体、ウィルス、化学療法剤、受容体作用薬及び拮抗薬、抗体断片、レクチン、アルブミン、ペプチド、ホルモン、アミノ糖、脂質、脂肪酸、核酸及び細胞から構成されても良い。上記のものは天然又は合成の供給源から調製又は単離したものであっても良い。要するに、本発明の実施に当たり、検出する分子エピトープ又はレセプターに対し部位特異的なリガンドを用いればよい。
リガンドは、ビオチン賦活剤で活性化することができる。ここで言う「ビオチン賦活剤」又は「ビオチン化」の語には、ビオチン、ビオシチン及び他のビオチン類似体、例えばビオチンアミドカプロン酸N−ヒドロキシスクシンアミドエステル、ビオチン4−アミド安息香酸、ビオチンアミドカプロイルヒドラジド及び他のビオチン誘導体及び複合体が包含される。他の誘導体としては、ビオチン−デキストラン、ビオチン−ジスルフィド−N−ヒドロキシスクシンアミドエステル、ビオチン−6アミドキノリン、ビオチンヒドラジド、d−ビオチン−Nヒドロキシスクシンアミドエステル、ビオチンマレイミド、d−ビオチンp−ニトロフェニルエステル、ビオチン化ヌクレオチド及び、例えばNε−ビオチニル−1−リジンなどのビオチン化アミノ酸が挙げられる。
第二段階において、上記したように、アビジン賦活剤を投与する。ここで言う「アビジン賦活剤」又は「アビジン化」の語には、アビジン、ストレプトアビジン、及び他のアビジン類似体(例えばストレプトアビジン又はアビジンの複合体、アビジン又はストレプトアビジン種を高度に精製し分別したもの、及び非アミノ酸変異体、部分アミノ酸変異体、アミノ酸との組換え又は化学合成したアビジン類似体、又はビオチン結合能を有する化学置換体)が包含される。
第三段階で用いられる脂質被包粒子又はコントラスト剤は、気体、液体又は固体を含有するビオチン化エマルジョン又はリポソームにより構成されても良い。脂質被包粒子の具体例としては、ペルフルオロカーボンエマルジョン、外側コーティングにビオチン化脂質融和性群(例えば誘導した天然又は合成リン脂質、脂肪酸、コレステロール、リポ脂質、スフィンゴミエリン、トコフェロール、糖脂質、ステアリルアミン、カルジオリピン、エーテル又はエステル様脂肪酸又は重合脂質など)が組み込まれたエマルジョン粒子が挙げられる。従って、脂質被包粒子を構成するビオチン化コントラスト剤は、ビオチン化ホスファチジルエタノールアミンをペルフルオロカーボンエマルジョンの外側脂質単層に組み込むことによって製造しても良い。
ペルフルオロカーボンエマルジョンは、生物医学的用途に、そして本発明の実施に用いるのに特に適している。上記エマルジョンは安定性が高く、生物学的に不活性で、主に経肺胞蒸発により容易に代謝されることが知られている。更に、粒子径が小さいので、容易に経肺路に入ることができ、他の薬剤に比べて循環最盛期が長くなる(4−8時間)という利点がある。又現在、ペルフルオロカーボンは、人工血液代替物として用いられるなど、広く様々な生物化学的用途に用いられている。本発明にあっては、様々なフルオロカーボンエマルジョンを用いることができる。フルオロカーボンの例としては、フルオロカーボン−炭水化物、ペルフルオロアルキル化エーテル、ポリエーテル又はクラウンエーテルが挙げられる。有用なペルフルオロカーボンエマルジョンは、USP No.4,927,623、5,077,036、5,114,703、5,171,755、5,304,325、5,350,571、5,393,524及び5,403,575に開示されており、ペルフルオロカーボン化合物の例としては、ペルフルオロトリブチルアミン、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロオクチルブロマイド、ペルフルオロジクロロオクタン、ペルフルオロデカン、ペルフルオロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリメチルシクロヘキサン又は他のペルフルオロカーボン化合物が挙げられる。更に、本発明の実施にあっては、上記したペルフルオロカーボン化合物を混合してエマルジョンに組み込んでも良い。本発明において有用なペルフルオロカーボンエマルジョンの具体例として、約50−99.5モル%のレシチン、好ましくは約55−70モル%のレシチン;0−50モル%のコレステロール、好ましくは約25−45モル%のコレステロール;約0.5−10モル%のビオチン化ホスファチジルエタノールアミン、好ましくは約1−5モル%のビオチン化ホスファチジルエタノールアミンを脂質コーティング中に含むペルフルオロジクロロオクタンエマルジョンが挙げられる。例えばホスファチジルセリンなどの他のリン脂質をビオチン化しても良く、例えばステアリルアミンなどの脂肪酸アシル基をビオチンに複合しても良く、あるいはコレステロール又は他の脂溶性化学薬品をビオチン化し、脂質被包粒子の脂質コーティングに組み込んでも良い。
本発明の実施に用いることのできるビオチン化ペルフルオロカーボンの、公知の方法に基づいた調製例を以下に記す。
脂質被包粒子がエマルジョンでなくリポソームで構成されている場合、リポソームは文献の記載に従って調製しても良い(例えばKimelberg他、CRC Crit.Rev.Toxicol.6, 25(1978);及びYatvin他、Medical Physics, Vol.9, No.2, 149(1982)参照)。リポソームは当分野において公知のものであり、レシチン、ステロール、卵ホスファチジルコリン等の脂質物質、卵ホスファチジル酸、コレステロール及びアルファ−トコフェロルを包含する。
ペルフルオロカーボンエマルジョン又はリポソームで構成される脂質被包粒子の粒径は、約0.05−5ミクロン、好ましくは約0.05−0.5ミクロンである。大きな粒径のものより長時間循環し、より安定しているので、小さな粒径のものが好ましい。
上記したように、アビジン−ビオチン相互作用を介してリガンドを脂質被包粒子又はペルフルオロカーボンエマルジョンに複合する。リガンドは、エマルジョンに直接あるいは化学基を介在させて間接に複合しても良いし、ビオチン又はビオチン類似体に直接あるいはアルカンスペーサー分子又は他の炭水化物スペーサー等の化学基を介在させて間接に複合しても良い。リガンドとビオチン又はビオチンとエマルジョンの間にスペーサー分子を介在させることは必ずしも必要ではないが、アビジンとビオチンがより結合し易くなる。
上記したように、脂質被包粒子又は小胞を構成するエマルジョン又はリポソームは気体、液体又は固体を含有していても良い。気体は窒素、酸素、二酸化炭素又はヘリウムであっても良く、例えば、上記したエマルジョンのフルオロカーボン成分に由来するものであっても良い。また、それほど好ましくはないが、本発明のリガンドを用いる結合方法は、ビオチン又はアビジン賦活剤により活性化された部位特異的リガンド、ビオチン又はアビジン賦活剤により活性化された脂質被包粒子を順に投与することにより実施しても良い。ただし、第一段階においてアビジン賦活剤が用いられたときにはビオチン賦活剤は第二段階で使用され、第一段階においてビオチン賦活剤が用いられたときにはアビジン賦活剤は第二段階で使用される。エマルジョンコントラスト剤の生体内における除去が促進される恐れがあるため、例えばリガンドをペルフルオロカーボンに直接複合するのはあまり好ましくない。
本発明を実施したところ、上記した超音波コントラスト剤の各構成要素は血流中では優れた反射性・エコー源性を示さないが、生体内の所望の部位又は生物表面にリガンド−アビジン−エマルジョン複合体を形成すると高い反射性を示し、従って超音波影像を得るのに用いる音響反射性を実質的に増強することができる、ということが期せずして判明した。これは、血流中で明るい像を作る又は高い反射性を持つ、公知の音波グラフィーコントラスト剤とは対照的である。本発明により達成される改良された音響反射性には、血流中の脂質被包粒子に由来するバックグラウンドコントラストが最小になるため、SN比が増加するという利点がある。従って本発明は、生体外又は生体内において標的を選ぶことができる音響コントラスト剤を製造する、改良された非侵襲性の方法であって、そのコントラスト剤が特異的に所望の部位に結合した場合、生物医学及び診断用超音波トランスデューサーを用いて少なくとも5−50MHzの周波数(広帯域のトランスデューサーであるため、公称中心周波数は広い範囲にわたっても良い)で検出できるように組織表面又は支持体の音響反射性を変化させるようなコントラスト剤を製造する方法を提供する。本発明の方法は、分子エピトープ又は受容体を検出する実用的な手段であって、様々な臨床的用途において及び標準的な市販の超音波技術を用いる際に、侵襲性工程の有無にかかわらず、電離放射線を使用する必要なく、上記分子エピトープ又は受容体に対応するビオチン化モノクローナル抗体又は他のリガンドを入手することができるという手段を提供するという点で、有利である。本発明においては、超音波コントラストシステム又は薬剤を用いることに関して、従来技術のように血流の影像を得ることを目的とはせず、特異的な結合部位で起こるコントラスト剤の蓄積を探知することによって、生理学的かつ病理学的な事象を検出することを目的とする。
診断アッセイ、例えば超音波を用いた、ELISA型の検査室診断アッセイに本発明を適用する場合、脂質被包粒子と分子エピトープとのリガンドを介した結合が起こる表面は、例えばナイロン、ニトロセルロース膜又はゲル、ならびに生物表面であっても良い。
本発明の、リガンドを用いる結合システムは、超音波影像と組み合わせて、化学医療剤又は遺伝子治療投与システムに用いることができる。例えば、組織プラスミノゲン賦活剤、アドリアマイシン、ビンクリスチン、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、メトトレキサート、シタラビン、チオグアニン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、シスプラチン、エトポシド(etoposide)、イフォスファミド(ifosfamide)、アスパラギナーゼ、デオキシコフォルマイシン(deoxycoformycin)、ヘキサメチルメラミン等の化学治療剤又は免疫活性化薬剤、放射性薬剤を、脂質被包粒子に組み込み、治療の行われる特異的生物表面に結合する複合体の一部としても良い。本発明は又、その部位における治療効果の度合いをモニターし、最終的にその部位に作用する治療剤の投与量を所望に応じて調節することを目的に、その部位を超音波映像化するのに有利に用いることができる。従って本発明は、従来の超音波影像システムを用いた、患者の血栓、感染、癌腫及び梗塞の検出及び治療を行うための、非侵襲性手段を提供する。
以下の実施例により、本発明の実施を例示する。
実施例1
超音波影像に用いる、ビオチン化脂質被包ペルフルオロジクロロオクタンエマルジョンを以下のように調製した。
ビオチン化脂質ペルフルオロジクロロオクタン(PFDCO)エマルジョンは、下記の成分を包含する。PFDCO(40%v/v)、ベニバナ油(2.0%w/v)、表面活性剤の共混合物(co-mixture)(2.0%w/v)及びグリセリン(1.7%w/v)。表面活性剤の共混合物は、約64モル%のレシチン、35モル%のコレステロール及び1モル%のN−(6−ビオチノイル)アミノ)ヘキサノイル)ジパルミトイル−L−アルファ−ホスアチジルエタノールアミンからなる。これらの成分を試験管に計り取り、クロロホフォルムに溶解した。クロロホルムを除去し、得られた表面活性剤混合物を50℃の真空オーブンで一晩乾燥した。共混合物を超音波処理で水に分散し、リポソーム懸濁液を得た。懸濁液を30ml容量のブレンダーカップ(Dynamics Corporation of America, New Hartford, CT)に移し、PFDCO及び油を加えた。混合物を30−60秒混合し、エマルジョン前駆体とした。予乳化されたサンブル(エマルジョン前駆体)をミクロフルイダイザー(microfluidizer)モデルS110(Microfluidics, Newton, MA)の貯蔵器に移し、10,000psiで3分間乳化した。均質化の間にエマルジョンを過熱しないように、工程中、ミクロフルイダイザーの剪断弁及び混合コイルを室温の水浴に浸した。最終的なエマルジョンの温度は約35℃であった。得られたエマルジョンを10ml血清瓶に入れ、窒素ガスを詰めストッパー/クリンプシールで封をした。最終産物の平均粒子径をレーザー光線散乱粒度測定器(Brookhaven Instruments Corporation, Holtsville, NY)で測ったところ、250nmであった。
実施例2
実施例1と同様にしてビオチン化ホスファチジルエタノールアミンをペルフルオロカーボンエマルジョン被包脂質単層へ組み込み、滴定濃度のアビジン(Pierce, Rockford, IL 61105)の存在下、凝集塊の粒子径を増大させた。非ビオチン化ホスファチジルエタノールアミンをペルフルオロカーボンエマルジョンの外側脂質単層に組み込んだ対照エマルジョンを同様に調製した。アビジンを等張燐酸緩衝生理食塩水(PBS, Fisher Inc., Fair Lawn, NJ)に再懸濁した。ポリスチレンキュベット内に、PBS、ビオチン化又は対照ペルフルオロカーボンエマルジョン(20μl)及び0.0、0.5、1.0、1.5又は2.0μg/mlのアビジンを含む反応液を3.0ml調製した。キュペットを静かに逆さにして内容物を混合し、室温で30分間反応させた。エマルジョン粒子径をBrookhaven Bl-90粒子径分析器(Holtsville, NY)を用いて37℃で3度測定した。ビオチン化エマルジョンの凝集塊粒子径は、アビジン濃度の増加に伴い、基線の263±2.54nmから、2,000nm以上に累進的に増加した(図1)。アビジン濃度が2.0μg/mlを超えると、顕著な凝集と沈降が見られた。対照エマルジョンの直径は234±3.81nmで、2.0μgのアビジンを反応混合物に添加しても、粒子径は影響を受けなかった。これらの結果は、ビオチン化ホスファチジルエタノールアミンがペルフルオロカーボンエマルジョンの外側脂質単層に適切な方向で組み込まれ、エマルジョン表面のビオチンが媒体中のアビジンに適当に対応することを実証している。アビジン分子上の複数のビオチン結合部位と、エマルジョン表面の複数のビオチン残基は、生体外において、迅速に分子複合体を構成する。
実施例3
単独では音響反射性が低い、直径約250nmのビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョン粒子をアビジンと複合させ、エコー源性の増強した凝集塊を含む溶液を得た。上記と同様に調製したビオチン化及び対照ペルフルオロカーボンエマルジョン(200μl)をPBS(15ml)で希釈し、透析チューブ(Spectra/Por 4,25mm, MWCO 12,000-14,000, Spectrum Medical Industries, Inc., Los Angels, CA)内に入れ、PBS水浴内で、室温にて7.5MHz焦点トランスデューサー及びヒューレットパッカード(HP)ソノス2500位相配列影像システム(Sonos2500Phased Array Imaging System)(Andover,MA)を用いて超音波影像を得た。後に行う影像分析用に、リアルタイムの影像をSVHSビデオテープに記録した。ピクセルグレースケール及び均質性を、任意に選んだストップモーション影像について、NIH影像1.47(NIHimage 1.47)(National Institutes of Health)を用いて評価した。アビジン(30μg/ml)を各エマルジョン懸濁液に加え、静かに逆さにして混合し30分間複合させた。エマルジョン懸濁液は光学的には白濁していたが、アビジン添加前では、超音波で検出できなかった。アビジン添加直後にビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンの複合が起こり、すぐに白い凝集塊の沈殿が現れた。対照エマルジョン懸濁液においては、アビジンは何の変化も引き起こさなかった。懸濁液に超音波を当てて音響影像を得たところ、ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョン粒子が透析チューブを白濁化していることがわかった。一方、対照粒子は音響では評価することができなかった(図2)。アビジン添加前後の、対照及びビオチン化エマルジョン懸濁液のストップモーション影像についてのグレースケールエコー強度分析を図3及び4にまとめた。ビオチン化エマルジョン懸濁液の平均グレースケールレベル(71.3±22.1)はアビジン添加前のピクセルグレースケールレベル(2.2±4.4)より増加していた。これは、音響性が増強したことを意味する。アビジン添加前後の対照エマルジョンの平均ピクセルグレースケールレベルはそれぞれ3±7.33及び1.0±1.3とあまり変わらなかった。この結果は、ビオチン化粒子の凝集塊が増強したエコー源性を有するのに比べ、単独の粒子を影像化してもペルフルオロカーボンエマルジョンの反射性が低いことを示している。対照エマルジョン懸濁液が、アビジン存在下で音響性の変化を表さなかったことは、ビオチン化エマルジョンにリガンド特異性があることを示している。
実施例4
約250nmの直径を有するビオチン化ペルフルオロエマルジョンを、改変ニトロセルロース膜に共有結合したアビジンを標的とし特異的に作用させ、膜表面の、高超音波周波数(30−60MHz)における音響反射性を増強させた。簡単に述べると、ニトロセルロース膜(S+S NCTM、Schleicher & Schuell, Keane, NH)をジアミノヘキサン(Sigma Chemical Co., St.Louis, MO)スペーサー及びグルタルアルデヒド(Sigma Chemical Co.,, St.Louis, MO)活性化剤を用いてMasson他の方法(Electrophoresis 1993, 14, 860-865)に従って、アビジンと複合した。ニトロセルロースディスク(直径2cm)を2.5%ジアミノヘキサン脱イオン水溶液に60分間、ゆっくりと回転攪拌しながら浸した。膜を1M酢酸で6−7時間洗浄し、次いで脱イオン水で攪拌しながら少なくとも18時間洗浄した。1%グルタルアルデヒドを含む0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH10.0)に膜を15分間浸し脱イオン水で3時間洗浄した。ニトロセルロース膜を、使用するまで4℃で乾燥保存した。保存は3日を超えることはなかった。
50μlのアビジン(250μg)を、マイクロリットル注射器を用いて、それぞれ6枚の膜の中央に滴下し、乾燥させた。0.1%トゥイーン−20(Sigma Chemical Co., St.Louis, MO)を含むPBSで各膜を入念に洗浄し、次にPBS−0.1%トゥイーン20に溶解した3%ウシ血清アルブミン(BSA、結晶体、Sigma Chemical Company, St.Louis, MO)に20分間浸してディスク周縁の非特異的蛋白質結合部位を阻害した。BSA阻害の後、各ディスクをPBSで入念に洗浄し、300μlのビオチン化又は対照ペルフルオロカーボンエマルジョンのいずれかを懸濁した4mlのPBSに20分間浸した。PBSによる洗浄を繰り返して非結合のエマルジョンを除去した。各ディスクをアビジン及び対照又はビオチン化エマルジョンに再度さらし、ニトロセルロース表面が完全に飽和しているかを確認した。ニトロセルロースディスクを洗浄し、音響顕微鏡検査で影像化するまで、PBSに4℃で保存した。
音響顕微鏡検査による映像化にあたっては、中央に2X2cmの窓の空いたポリスチレンホルダーに入った、研磨したステンレススチール板上にニトロセルロースディスクを平らに設置した。超音波影像を得るにあたり、上に載せた検体を環境温度のPBSに浸した。50MHz(公称周波数)広域で、焦点の合った、電圧遅延ライントランスデューサー(piezoelectric delay-line transducer)(直径1/4インチ、焦点距離1/2インチ、モデルV390、Panametrics Co., Waltham, MA)を利用した特注音響顕微鏡を、パルス反射モードで作動して音響影像を得た。後方散乱高周波(RF)データを集め、8ビット解像度のテクトロニックス(Tektronix)DSA 601デジタル化オシロスコープ(Beaverton, OR)を用いて1秒あたり500メガサンプルでデジタル化した。変動ゲインシステムを用いてこのデジタル化装置の効果的な動的範囲を増加した。横100ミクロン間隔の解像度を持つ領域のうち興味を引く領域それぞれについて、約100の独立した部位から高周波データを得た。
高周波ピーク検出スキャンのデータをグレイスケールマップ(0=最低散乱、255=最高散乱)に変換し、積分後方散乱分析用に興味を引く領域を選択した。高周波(RF)超音波データをラスタースキャンフォーマットに蓄積し、特注ソフトウェアで分析した。RF線の断片を積分後方散乱分析用にゲートで制御し(gated)、ニトロセルロース膜の前表面及び後表面を取り囲んだ(encompass)。データを矩形ウィンドウで掛け(multiplied)、高速フーリエ変換でパワースペクトルを求めた。検体からのパワースペクトルを、ほぼ完全なスチール平面反射板から反射したパワースペクトルに参照し、トランスデューサーの有効な帯域幅(30−60MHz)にかけての周波数依存後方散乱関数を計算し、ほぼ完全なスチール平面反射板から反射した音響散乱に対するデシベルで表した(Wong他、Ultrasound in Med & Biol. 1993; 19: 365-374)。積分後方散乱(IB)を計算し、トランスデューサーの有効な帯域幅にかけての周波数依存後方散乱関数の平均値とした。
ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンでインキュベートしたディスクの中央部は、同じディスクの周縁部(すなわちバックグラウンド)と比べて、高い音響散乱を示した。対照エマルジョンでインキュベートしたニトロセルロース膜の中央部は高い音響散乱を示さず、同じディスクの中央部と周縁部との間で起こるRFサインの変化によっては、音響特性の変化は検出されなかった。ビオチン化エマルジョンディスクの中央部からのIB(−17.8±0.2dB)は、対照ディスクの同じ部位からのIB(−24.1±0.2dB)より6.3±0.1dB(4倍)大きかった(p<0.05)。ビオチン化及び対照エマルジョンディスクのアビジンを滴下した領域から得た、見かけの後方散乱伝達関数(平均値±SEM)における周波数依存変位(variation)を図5に示した。滑らかで一貫して大きくなる音響応答が、周波スペクトラムに認められるが、これはビオチン化エマルジョンの結合によるものである。これらの結果は、ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンが効率よく特異的に表面結合抗体を標的とし、効率よく水浴媒体と表面の音響反射性を劇的に変化させ、高周波数での超音波後方散乱パワーを増強することを示している。
実施例5
改変ニトロセルロース膜に共有結合したD二量体を、ビオチン化抗D二量体F(ad)断片−アビジン複合体を用いて、ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョン(直径250nm)の特異的な標的とした。その結果、表面からの音響パワー反射に顕著な増加が見られた。実施例4で述べたようにジアミノヘキサンスペーサーアームで改変しグルタルアルデヒドで活性化したニトロセルロースディスクに、D二量体を共有結合した。6枚の膜のうち3枚の中央部に、50μgのD二量体をマイクロリットル注射器でに滴下し、空気乾燥した。未結合のD二量体を燐酸緩衝生理食塩水(PBS)−0.1%トゥイーン−20で膜から徹底的に洗浄除去した。3%のウシ血清アルブミン(BSA)を含むPBS−0.1%トゥイーン−20に20分間浸して膜の非特異的蛋白質結合部位をブロックし、PBSで再度洗浄した。12.5μgのビオチン化抗D二量体F(ab)抗体を含む4.0mlの3%BSAで、D二量体を滴下した膜を2時間インキュベートし、PBS緩衝液で洗浄してから、250μgのアビジンを含む4mlのPBSで30分間インキュベートした。PBSで未結合アビジンを洗浄除去した後、ビオチン化又は対照ペルフルオロカーボンエマルジョン(300ml)を含む4.0mlのPBSにディスクを20分間浸した。余分なエマルジョンはPBS緩衝液で洗浄除去した。上記したのと同様にディスクをアビジン及びペルフルオロカーボンエマルジョンに再度さらし、影像を得るまで膜をPBS中に4℃で保存した。
音響顕微鏡検査による映像化にあたっては、ポリスチレンホルダーに入った、研磨したステンレススチール板上にニトロセルロースディスクを平らに設置し、環境温度のPBSに浸した。50MHz(公称周波数)広域で、焦点の合った、電圧遅延ライントランスデューサー(piezoelectric delay-line transducer)(直径1/4インチ、焦点距離1/2インチ、モデルV390、Panametrics Co., Waltham, MA)を利用した特注音響顕微鏡を、パルス反射モードで作動して音響影像を得た。後方散乱高周波(RF)データを集め、8ビット解像度のテクトロニックス(Tektronix)DSA 601デジタル化オシロスコープ(Beaverton, OR)を用いて1秒あたり500メガサンプルでデジタル化した。変動ゲインシステムを用いてこのデジタル化装置の効果的な動的範囲を増加した。横100ミクロン間隔の解像度を持つ領域のうち興味を引く領域それぞれについて、約100の独立した部位から高周波データを得た。
高周波ピーク検出スキャンのデータをグレイスケールマップ(0=最低散乱、255=最高散乱)に変換し、視覚による検査を行ったのち積分後方散乱分析用に興味を引く領域を選択した。高周波(RF)超音波データをラスタースキャンフォーマットに蓄積し、特注ソフトウェアで分析した。RF線の断片を積分後方散乱分析用にゲートで制御し(gated)、ニトロセルロース膜の前表面及び後表面を取り囲んだ(encompass)。データを矩形ウィンドウで掛け(multiplied)、高速フーリエ変換でパワースペクトルを求めた。検体からのパワースペクトルを、ほぼ完全なスチール平面反射板から反射したパワースペクトルに参照し、トランスデューサーの有効な帯域幅(30−60MHz)にかけての周波数依存後方散乱関数を計算し、ほぼ完全なスチール平面反射板から反射した音響散乱に対するデシベルで表した(Wong他、Ultrasound in Med & Biol. 1993; 19: 365-374)。積分後方散乱を計算し、トランスデューサーの有効な帯域幅にかけての周波数依存後方散乱関数の平均値とした。
ビオチン化抗D二量体F(ab)断片は、D二量体を滴下したディスクの中央部に特異的に結合し、ビオチン群を介してアビジンに架橋した。上記の実施例のように、ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンは、抗体に結合したアビジンに特異的に結合した一方、非特異的結合性の対照エマルジョンは結合せず、音響としても検出されなかった。30−60MHzの周波数域において、ビオチン化エマルジョンで被覆したニトロセルロース膜のIB(−18.0±0.2dB)は、対照ディスクのIB(−22.6±0.1dB)より4.6±0.1dB大きかった(p<0.05)。ビオチン化及び対照エマルジョンディスクの、見かけの後方散乱伝達関数(平均値±SEM)における周波数依存変位を図6に示した。滑らかで一貫して大きくなる音響応答が、周波スペクトラムに認められるが、これはビオチン化エマルジョンの結合によるものである。これらのデータはアビジンのみを用いた実施例4の知見を確証しかつ発展させたものであり、特異的に標的を選ぶリガンドを用いたシステムを介して結合したビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンが、固相支持体表面の音響後方散乱を有意に増強することを示している。
実施例6
ビオチン化ペルフルオロエマルジョン(直径250nm)を、ニトロセルロースディスクに複合したアビジンを標的とし特異的に作用させ、臨床に用いる周波数(5−15MHz)の超音波で影像を得て、膜の音響後方散乱を有意に増強させた。簡単に述べると、ニトロセルロース膜(S+S NCTM、Schleicher & Schuell, Keane, NH)をジアミノヘキサン(Sigma Chemical Co., St.Louis, MO)スペーサー及びグルタルアルデヒド(Sigma Chemical Co.,, St.Louis, MO)活性化剤を用いてMasson他の方法(Electrophoresis 1993, 14, 860-865)に従って、アビジンと複合した。ニトロセルロースディスク(直径2cm)を2.5%ジアミノヘキサン脱イオン水溶液に60分間、ゆっくりと回転攪拌しながら浸した。膜を1M酢酸で6−7時間洗浄し、次いで脱イオン水で攪拌しながら少なくとも18時間洗浄した。1%グルタルアルデヒドを含む0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH10.0)に膜を15分間浸した。グルタルアルデヒド活性化が終了した後、攪拌しながら膜を3時間洗浄した。ニトロセルロース膜を、使用するまで4℃で乾燥保存した。保存は3日を超えることはなかった。
50μlのアビジン(250μg)を、マイクロリットル注射器を用いてニトロセルロース膜の中央に滴下し、乾燥させた。0.1%トゥイーン−20(Sigma Chemical Co., St.Louis, MO)を含むPBSで各膜を入念に洗浄し、次にPBS−0.1%トゥイーン20に溶解した3%ウシ血清アルブミン(BSA、結晶体、Sigma Chemical Company, St.Louis, MO)に20分間浸してディスク周縁の非特異的蛋白質結合部位を阻害した。BSA阻害の後、各ディスクをPBSで入念に洗浄し、300μlのビオチン化又は対照ペルフルオロカーボンエマルジョンのいずれかを懸濁した4mlのPBSに20分間穏やかに回転攪拌しながら浸した。PBSによる洗浄を繰り返して非結合のエマルジョンを除去した。上記したように、各ディスクをアビジンにさらし、PBSで洗浄してから、対照又はビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンに再度さらし、PBSで再度洗浄した。ニトロセルロース表面が完全に飽和しているかを確認した。ニトロセルロースディスクを、音響顕微鏡検査で影像化するまで、PBSに4℃で保存した。
音響顕微鏡検査による映像化にあたっては、中央に2X2cmの窓の空いたポリスチレンホルダーに入った、研磨したステンレススチール板上にニトロセルロースディスクを平らに設置した。超音波影像を得るにあたり、上に載せた検体を環境温度のPBSに浸した。10MHz(公称周波数)広域で、焦点の合った、電圧遅延ライントランスデューサー(piezoelectric delay-line transducer)(直径1/2インチ、焦点距離2インチ、モデルV311、Panametrics Co., Waltham, MA)を利用した特注音響顕微鏡を、パルス反射モードで作動して音響影像を得た。後方散乱高周波(RF)データを集め、8ビット解像度のテクトロニックス(Tektronix)DSA 601デジタル化オシロスコープ(Beaverton, OR)を用いて1秒あたり500メガサンプルでデジタル化した。変動ゲインシステムを用いてこのデジタル化装置の効果的な動的範囲を増加した。横250ミクロン間隔の解像度を持つ領域のうち興味を引く領域それぞれについて、約100の独立した部位から高周波データを得た。
高周波ピーク検出スキャンのデータをグレイスケールマップ(0=最低散乱、255=最高散乱)に変換し、視覚による検査を行ったのち積分後方散乱分析用に興味を引く領域を選択した。高周波(RF)超音波データをラスタースキャンフォーマットに蓄積し、特注ソフトウェアで分析した。RF線の断片を積分後方散乱分析用にゲートで制御し(gated)、ニトロセルロース膜の前表面及び後表面を取り囲んだ(encompass)。データを矩形ウィンドウで掛け(multiplied)、高速フーリエ変換でパワースペクトルを求めた。検体からのパワースペクトルを、ぼぼ完全なスチール平面反射板から反射したパワースペクトルに参照し、トランスデューサーの有効な帯域幅(5−15MHz)にかけての周波数依存後方散乱関数を計算し、ほぼ完全なスチール平面反射板から反射した音響散乱に対するデシベルで表した(Wong他、Ultrasound in Med & Biol. 1993; 19: 365-374)。積分後方散乱(IB)を計算し、トランスデューサーの有効な帯域幅にかけての周波数依存後方散乱関数の平均値とした。
ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンでインキュベートしたディスクの中央部は、同じディスクの周縁部又は対照エマルジョンディスクの中央部と比べて、高い音響散乱を示した。対照エマルジョンでインキュベートしたニトロセルロース膜は高い音響散乱を示さなかった。5−15MHzの周波数域において、ビオチン化エマルジョンで被覆したニトロセルロースのIB(0.5±0.5dB)は、対照ディスクのIB(−9.2±0.5dB)より9.6±0.1dB(8倍)大きかった(p<0.05)。ビオチン化及び対照エマルジョンディスクの、見かけの後方散乱伝達関数(平均値±SEM)における周波数依存変位を図7に示した。滑らかで一貫して大きくなる音響応答が、周波スペクトラムに認められるが、これはビオチン化エマルジョンの結合によるものである。これらのデータはアビジン及びD二量体を用いた実施例4及び5の知見を確証しかつ発展させたものであり、特異的に標的を選ぶリガンドを用いたシステムを介して結合したビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンが、固相支持体表面の音響後方散乱を有意に増強すること;ならびに、この改良された音響後方散乱が、高超音波周波数(30−60MHz)におけるのと同様に、臨床で用いられる低周波数(5−15MHz)でも検出されることを示している。
実施例7
ビオチン化ペルフルオロエマルジョン(直径約3000nm)を、ニトロセルロースディスクに複合したアビジンを標的とし特異的に作用させ、臨床に用いる周波数(少なくとも5−15MHz)の超音波で影像を得て、膜の音響後方散乱を有意に増強させた。簡単に述べると、ニトロセルロース膜(S+S NCTM、Schleicher & Schuell, Keane, NH)をジアミノヘキサン(Sigma Chemical Co., St.Louis, MO)スペーサー及びグルタルアルデヒド(Sigma Chemical Co.,, St.Louis, MO)活性化剤を用いてMasson他の方法(Electrophoresis 1993, 14, 860-865)に従って、アビジンと複合した。ニトロセルロースディスク(直径2cm)を2.5%ジアミノヘキサン脱イオン水溶液に60分間、ゆっくりと回転攪拌しながら浸した。膜を1M酢酸で6−7時間洗浄し、次いで脱イオン水で攪拌しながら少なくとも18時間洗浄した。1%グルタルアルデヒドを含む0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH10.0)に膜を15分間浸した。グルタルアルデヒド活性化が終了した後、攪拌しながら膜を3時間洗浄した。ニトロセルロース膜を、使用するまで4℃で乾燥保存した。保存は3日を超えることはなかった。
50μlのアビジン(250μg)を、マイクロリットル注射器を用いて4枚のニトロセルロース膜のうち2枚の中央に滴下し、乾燥させた。0.1%トゥイーン−20(Sigma Chemical Co., St.Louis, MO)を含むPBSで各膜を入念に洗浄し、次にPBS−0.1%トゥイーン20に溶解した3%ウシ血清アルブミン(BSA、結晶体、Sigma Chemical Company, St.Louis, MO)に20分間浸してディスク周縁の非特異的蛋白質結合部位を阻害した。BSA阻害の後、各ディスクをPBSで入念に洗浄し、300μlのビオチン化又は対照ペルフルオロカーボンエマルジョン(粒子径約3000nm)のいずれかを懸濁した4mlのPBSに20分間穏やかに回転攪拌しながら浸した。PBSによる洗浄を繰り返して非結合のエマルジョンを除去した。上記したように、各ディスクをアビジンにさらし、PBSで洗浄してから、ペルフルオロカーボンエマルジョンに再度さらし、PBSで再度洗浄した。ニトロセルロース表面が完全に飽和しているかを確認した。ニトロセルロースディスクを、音響顕微鏡検査で影像化するまで、PBSに4℃で保存した。
音響顕微鏡検査による映像化にあたっては、中央に2X2cmの窓の空いたポリスチレンホルダーに入った、研磨したステンレススチール板上にニトロセルロースディスクを平らに設置した。超音波影像を得るにあたり、上に載せた検体を環境温度のPBSに浸した。10MHz(公称周波数)広域で、焦点の合った、電圧遅延ライントランスデューサー(piezoelectric delay-line transducer)(直径1/2インチ、焦点距離2インチ、モデルV311、Panametrics Co., Waltham, MA)を利用した特注音響顕微鏡を、パルス反射モードで作動して音響影像を得た。後方散乱高周波(RF)データを集め、8ビット解像度のテクトロニックス(Tektronix)DSA 601デジタル化オシロスコープ(Beaverton, OR)を用いて1秒あたり500メガサンプルでデジタル化した。変動ゲインシステムを用いてこのデジタル化装置の効果的な動的範囲を増加した。横250ミクロン間隔の解像度を持つ領域のうち興味を引く領域それぞれについて、約100の独立した部位から高周波データを得た。
高周波ピーク検出スキャンのデータをグレイスケールマップ(0=最低散乱、255=最高散乱)に変換し、視覚による検査を行ったのち積分後方散乱分析用に興味を引く領域を選択した。高周波(RF)超音波データをラスタースキャンフォーマットに蓄積し、特注ソフトウェアで分析した。RF線の断片を積分後方散乱分析用にゲートで制御し(gated)、ニトロセルロース膜の前表面及び後表面を取り囲んだ(encompass)。データを矩形ウィンドウで掛け(multiplied)、高速フーリエ変換でパワースペクトルを求めた。検体からのパワースペクトルを、ほぼ完全なスチール平面反射板から反射したパワースペクトルに参照し、トランスデューサーの有効な帯域幅(5−15MHz)にかけての周波数依存後方散乱関数を計算し、ほぼ完全なスチール平面反射板から反射した音響散乱に対するデシベルで表した(Wong他、Ultrasound in Med & Biol. 1993; 19: 365-374)。積分後方散乱(IB)を計算し、トランスデューサーの有効な帯域幅にかけての周波数依存後方散乱関数の平均値とした。
ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンでインキュベートしたディスクの中央部は、同じディスクの周縁部又は対照エマルジョンディスクの中央部と比べて、高い音響散乱を示した。対照エマルジョンでインキュベートしたニトロセルロース膜の中央部は高い音響散乱を示さず、同じディスクの中央部と周縁部との間では、音響特性の変化は検出されなかった。5−15MHzの周波数域において、ビオチン化エマルジョンで被覆したニトロセルロースのIB(−2.4±0.7dB)は、対照ディスクのIB(−11.2±0.4dB)より8.8±0.3dB(約8倍)大きかった(p<0.05)。ビオチン化及び対照エマルジョンディスクの、見かけの後方散乱伝達関数(平均値±SEM)における周波数依存変位を図8に示した。滑らかで一貫して大きくなる音響応答が、周波スペクトラムに認められるが、これはビオチン化エマルジョンの結合によるものである。これらのデータはアビジン及びD二量体を用いた実施例4、5及び6の知見を確証しかつ発展させたものであり、粒子径の大きなビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンが、特異的に標的を選ぶリガンドを用いたシステムを介して結合することができ、かつ固相支持体表面の音響後方散乱を有意に増強することを示している。この改良された音響後方散乱は、臨床で用いられる低超音波周波数(5−15MHz)でも検出される。
実施例8
ビオチン化抗フィブリンモノクローナル抗体(NIB1H10;Tymkewycz他、1993.Blood Coagulation and Fibrionlysis 4: 211-221)及びアビジンを用いて、血漿血栓をビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンの標的とした。典型的な研究例において(5研究のうち1)、ブタの全血を得て無菌クエン酸ナトリウムで血液凝固を阻止した(9:1、v/v)。血液を室温中1500RPMで遠心分離し、血漿分画を得て、4℃で保存した。5−0ビクリル縫合(Vicryl suture)の渡されたプラスチック管内で血漿、100mMの塩化カルシウム(3:1v/v)及び2−5Uのトロンビンを混合し、2個のブタ血漿血栓を得た。血栓を室温で血液凝固させた。
血栓の一つを1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む10mlのPBS中で150μgの抗フィブリンモノクローナル抗体と2時間インキュベートし、もう一つの血栓を対照として1%BSAを含むPBS中でインキュベートした。抗体処理した血栓を次いで1%BSAを含む10mlのPBS中で0.5mgのアビジンと30分間インキュベートした。対照血栓は1%BSAを含むPBS中に放置した。両方の血栓をPBSで入念に洗浄した。各血栓を、ビオチン化又は対照エマルジョンのいずれかを含む300μl/10mlのPBSで30分間インキュベートした。被覆を一様にするために全ての血栓をエマルジョンに2度さらした後、超音波を用いて影像を得た(図9)。7.5MHz焦点線形位相配列(linear phasedarray)トランスデューサー及びヒューレットパッカードソノス(Sonos)2500影像システム(Hewlett Packard, Inc., Andover, MA)を用いて超音波影像を得た。全ての超音波記録は、固定ゲイン補償(fixed gain compensation)及び時間ゲイン補償(time-gain compensation)レベルで行った。後に行う影像分析用に、影像をSVHSビデオテープに記録した。興味を引く領域の平均ピクセルグレースケールを、各血栓の21の個別のストップモーション影像について、NIH影像1.47(NIH image 1.47)(National Institutes of Health;図10)を用いて評定した。ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンは、表面の音響性を著しく増強することがわかった。ビオチン化エマルジョン血栓の平均グレースケールレベルは79.5±2.5であったのに対し、対照の明度は極めて低かった(34.8±2.2,p<0.05)。これらの結果は、生体外において生物組織(すなわち血栓)を標的として選び音響性を増強する能力が、ビオチン化エマルジョンにあることを実証している。
実施例9
ビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンを、ビオチニル化アンチフィブリン抗体(NIB5F3及びNIB1H10、チムケビッチ他、1993、「血液凝固及びフィブリル溶解」4:211−221)を通して、6頭のモンゴル犬の分離した大腿動脈血栓に標的として向ける。モンゴル犬をナトリウムペントバルビタール導入及びハロタン麻酔法により麻酔させる。右大腿動脈及び全ての分岐を伏在分岐の個所で分離する。22gaの直角針状先端に接続しプラスチックチューブ(ポリエチレンP−240)で絶縁した銀メッキ銅線を大腿動脈に挿入し、4−0プロレン縫合により固定する。200〜400μAの電流を2時間まで適用する。血栓の形成を連続波ドプラーによりモニターし、循環速度の50%のほぼ上昇が電気的損傷に対して遠位で記録された後に中止する。電流に対して二次的な外膜の変色が銅線の入口点に最も近い位置で認められる。20gaのカテーテルを大腿動脈の最も近い分枝に挿入し、4−0絹縫合により固定する。加圧された0.9%NaClの点滴器具を三方ストップコックによりカテーテルに結合させる。分離した区域への血流を隣接する係蹄結紮により中断する。過剰の血液を食塩水を15分間注入することにより動脈区域からフラッシュ洗浄して血栓のさらなる形成を抑止する。大腿動脈の遠位の排出中の分岐を縫合により結紮又は係蹄する。ビオチニル化アンチフィブリンモノクロナール抗体(50μg/1.0mlのPBS)をカテーテルを通して注入し、数滴の食塩水でフラッシュ洗浄する。抗体を1時間インキュベーションさせ、次いで銅線の挿入から遠位の係蹄結紮を開放し、過剰の抗体を食塩水により5分間フラッシュ洗浄する。遠位の大腿動脈を再び塞ぎ、アビジン(250μg/1.0mlのPBS)を注入し、30分間インキュベーションする。遠位の結紮を再び開放し、過剰のアビジンを食塩水により5分間フラッシュ洗浄する。遠位の結紮を再び行い、ビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンを注入し、30分間インキュベーションする。血栓をエマルジョンとの最初の接触を行った後、未結合のエマルジョンを食塩水により洗浄する。血栓を前記のようにそれぞれアビジン及びビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンと接触させる。また、3頭の動物において、反対の外側動脈も分離し、電気的に誘発させた血栓により閉塞させ、前記のビオチニル化エマルジョンの投与と類似の対照例パーフルオロカーボンエマルジョンと接触させる。対照例又はビオチニル化パーフルオロカーボンのエマルジョンのいずれかと接触させた大腿動脈を、ホーカス式直線相配列トランスジューサー及び臨床用ヒューレット−パッカード・ソノス2500により7.5MHzでコントラスト剤の投与前及び投与後に超音波で影像化する。緊急に形成された血栓は、標的として向けた対照例及びコントラスト剤共に、超音波的に感知されない。6個の大腿動脈の6個について、部分的に閉塞性の血栓は、アンチフィブリンを標的としたビオチニル化パーフルオロカーボンコントラストを使用して著しく高められる。3個の大腿動脈血栓の3個では、対照例パーフルオロカーボンエマルジョンとの接触は、それらの音響反射性を強調させず、これらの血栓は音響学的に検出できないままである。図11は、アンチフィブリン抗体及びビオチニル化コントラスト剤との接触前後の、電気的誘発後の血栓形成の大腿動脈部位の代表的な例を示す。予備コントラスト影像においては、大腿動脈は内腔に突き出た明るいエコー発生電線の点電極により観察されるが、血栓は感知されない。ビオチニル化コントラストエマルジョンにより処理した後、大きな部分的に閉塞された血栓が高められた音響反射性により明瞭に認められる(図11)。再び、対照例の動脈では、対照例エマルジョンとの接触の前後で血栓は感知されない。これらの結果は、血栓症組織のような生物学的表面を音響学的に増強するように結合したパーフルオロカーボンエマルジョンを使用して商業的に利用できる超音波影像装置による検出を可能にするという概念を証明するものである。
実施例10
ほぼ250nm直径のビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンを、前立腺特異性抗原(PSA)に特異的なモノクロナール抗体を使用して、前立腺癌に標的として向け、極性高周波数高解像度音響鏡検法を使用して音響学的に検出を行う。ヒト前立腺癌組織の代表的な例を10%中性緩衝ホルマリン中に浸漬固定化することにより常法により処理し、パラフィン中に埋め込む。20μの切片を音響鏡検法のために調製し、5μの切片を光学的研究のために使用する。全ての組織学的切片をポリ−L−リジンを被覆してある酸洗したガラススライド上に載せる。載せた全ての切片をオーブンで55℃で1時間加熱する。
免疫染色の前に、全ての切片をアメリクリアーで3回変えて脱蝋し、95%及び100%エタノールで順次に変えて脱水する。光学的研究のために調製した切片だけは、0.6%(v/v)の過酸化水素を含有する無水メタノールに30分間浸漬することによって内因性ペルオキシダーゼ活性をブロックする。次いで、これらの切片及び音響鏡検法のための全ての切片を等級付けエタノールと蒸留水により再水和させ、等張性PBS(pH7.4)に入れる。全ての切片を標的特異性モノクロナール抗体と共にインキュベーションする。
前立腺切片を抗PSA一次モノクロナル抗体と共に、売主の推奨により、湿気のある室で4℃で18時間インキュベーションする。一次インキュベーションの後、切片を等張性PBSでリンスし、次いでポリクロナールビオチニルホース(ウマ)・抗マウス免疫グロブリン(ベクタステイン・エリート・キット、ベクター・ラボラトリーズ社、バーリンガム、CA)により室温で1時間覆う。PBS中でリンスした後、30μの切片を音響鏡検法のために調製する。光学的鏡検法のための切片(5μ)をアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ錯体(ベクタステイン・エリート・キット、ベクター・ラボラトリーズ社)と共に室温で1時間インキュベーションする。これらの切片を燐酸塩緩衝液(pH7.6)中でリンスし、3,3’−ジアミノベンジジン四塩酸塩の溶液(シグマ・ケミカル社、セントルイス、MO、燐酸塩緩衝液中で0.5mg/ml、PH7.6、0.003%(v/v)の過酸化水素を含有する)中にはぼ10分間浸漬する。発色性沈殿は、染色された切片を0.125%(w/v)四酸化オスミウムに短時間浸漬して光学的に増強される。次いで、これらの切片を水道水中でリンスし、ハリスのヘマトキシリン中で逆染色し、等級付けエタノール及びアメリクリアー中で脱水し、合成固定用媒体中に固定する。
第二のビオチニル化抗体をインキュベーションし、洗浄した後、音響鏡検法のためのスライドを回転テーブル上で浴を使用してアビジン(1.0mg/〜20ccのPBS)中で30分間インキュベーションする。過剰のアビジンを等張性PBS緩衝液(pH7.4〜7.5)により3回5分間の洗浄で洗い去る。スライドをピオチニル化又は対照例パーフルオロカーボンエマルジョンと共に20分間インキュベーションし(0.5cc/〜20.0mlのPBS)、等張性PBSにより3回それぞれ5分間で簡単に洗浄し、アビジン(1.0mg/〜20cc)と共に15分間インキュベーションする。過剰のアビジンをPBS中で3回5分間の洗浄によってリンスする。次いで、スライドを上記のの濃度でビオチニル化又は対照例パーフルオロカーボンエマルジョンと共に20分間再びインキュベーションする。未結合のエマルジョンをPBSにより3回(それぞれ5分間)変えて洗い去り、スライドを分析のために音響顕微鏡に移す。
固定された試料のそれぞれを超音波インソニフィケーションのために等張性燐酸塩緩衝食塩水に室温で浸漬する。超音波データを集めるために注文設計した音響顕微鏡を使用する。顕微鏡は、パルス・エコーモードで操作される50MHz広帯域ホーカス式圧電遅延線トランスジューサー(1/4in直径、1/2in焦点距離、62μビーム直径、モデルV390、パナメトリックス社、ウオルサム、MA)からなる。テクトロニクスDSA601デジタル化オッシロスコープ(ビーバートン、OR)を使用して35度極性後方散乱無線周波数(rf)データを8−ビット解像度で毎秒500メガ個の試料数でデジタル化する。このデジタル化機の有効動的範囲を増大させるために可変ゲインシステムを使用する。無線周波数データは、50μ横方向段階解像度で各試験片からほぼ100個の独立した部位より得る。
rfデータを低解像度ラスター走査ホーマットに保存し、カスタムソフトウエアーにより分析する。rfラインの一部を前面を包含するように(即ち、後方の壁は除外して)積算後方散乱分析のためにゲートする。ゲートされたデータをハミング窓によって多重化し、それらのパワースペクトルが高速フーリエ変換により決定される。組織切片内のパワースペクトルをスチールプレートを参照することなく直接比較する。積算後方散乱(IB)をトランスジュサーの有用帯域幅(30〜55MHz)にわたる周波数依存性後方散乱伝達関数の平均から計算する。PSAの明白な染色の領域についてニコン・オプチフォト−2顕微鏡を使用して免疫染色された組織を観察し、音響特性を比較する。
正常な前立腺支質と癌性の領域との間の見かけ後方散乱伝達関数の正味変化は、周波数範囲(3.0〜55MHz、図12)にわたり対照例パーフルオロカーボンエマルジョンに対して、PSAを標的としたビオチニル化エマルジョンにより処理された切片では明かに増大する。ビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンは、正常な支質(40.79±1.18dB)に対して前立腺癌の領域からの積算後方散乱(47.17±dB)を6.38dB(ほぼ4倍)増大させる(p<0.05)。対照例組織切片では、前立腺癌の領域からの積算後方散乱(39.63±1.63dB)は、正常支質領域からの積算後方散乱(36.13±2.17dB)よりもほぼ3.5dB(2倍)大きかった(p<0.05)。これは、正常な前立腺組織と癌性前立腺組織との間における音響特性の固有の差異を反映している。しかし、標的として向けたビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンはこれらの固有の差異を約2倍(2.87dB、図13)増幅させた(p<0.05)。これらの結果は、部位を標的化するビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンがインビボトロで前立腺癌の音響検出を特異的に増強させる能力を明らかに証明している。
実施例11
ほぼ250nm直径のビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンを、OC−125抗原に特異的なモノクロナール抗体を使用して、卵巣癌に標的として向ける。極性高周波数高解像度音響鏡検法を使用して音響学的に検出を行う。ヒト卵巣の癌組織の代表的な例を10%中性緩衝ホルマリン中に浸漬固定化することにより常法により処理し、パラフィン中に埋め込む。20μの切片を音響鏡検法のために調製し、5μの切片を光学的研究のために使用する。全ての組織学的切片をポリ−L−リジンを被覆してある酸洗したガラススライド上に載せる。載せた全ての切片をオーブンで55℃で1時間加熱する。
免疫染色の前に、全ての切片をアメリクリアーで3回変えて脱蝋し、95%及び100%エタノールで順次に変えて脱水する。光学的研究のために調製した切片だけを、0.6%(v/v)の過酸化水素を含有する無水メタノールに30分間浸漬することによって内因性ペルオキシダーゼ活性をブロックする。次いで、これらの切片及び音響鏡検法のための全ての切片を等級付けエタノールと蒸留水により差異水和させ、等張性PBS(pH7.4)に入れる。全ての切片を標的特異性モノクロナール抗体と共にインキュベーションする。
卵巣切片を抗OC−125一次モノクロナール抗体と共に、売主の推奨により、湿気のある室で4℃で18時間インキュベーションする。一次インキュベーションの後、切片を等張性PBSでリンスし、次いでポリクロナールビオチニルホース(ウマ)・抗マウス免疫グロブリン(ベクタステイン・エリート・キット、ベクター・ラボラトリーズ社、バーリンガム、CA)により室温で1時間覆う。PBS中でリンスした後、二つの30μの切片を音響鏡検法のために調製する。光学顕微鏡のための切片(5μ)をアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ錯体(ベクタステイン・エリート・キット、ベクター・ラボラトリーズ社)と共に室温で1時間インキュベーションする。これらの切片を燐酸塩緩衝液(pH7.6)中でリンスし、3,3’−ジアミノベンジジン四塩酸塩の溶液(シグマ・ケミカル社、セントルイス、MO、燐酸塩緩衝液中で0.5mg/ml、PH7.6、0.003%(v/v)の過酸化水素を含有する)中にはぼ10分間浸漬する。発色性沈殿は、染色された切片を0.125%(w/v)四酸化オスミウムに短時間浸漬して光学的に増強される。次いで、これらの切片を水道水中でリンスし、ハリスのヘマトキシリン中で逆染色し、等級付けエタノール及びアメリクリアー中で脱水し、合成固定用媒体中に固定する。
第二のビオチニル化抗体をインキュベーションし、洗浄した後、スライドを回転テーブル上で浴を使用してアビジン(1.0mg/〜20ccのPBS)中で30分間インキュベーションする。過剰のアビジンを等張性PBS緩衝液(pH7.4〜7.5)により3回、各5分間の洗浄により洗い去る。調製したスライドをビオチニル化又は対照例パーフルオロカーボンエマルジョンと共に20分間インキュベーションし(0.5cc/〜20.0mlのPBS)、等張性PBSにより3回それぞれ5分間で洗浄し、アビジン(1.0mg/〜20cc)と共に15分間インキュベーションする。過剰のアビジンをPBS中で3回、各5分間洗浄によってリンスする。次いで、スライドを上記の濃度でビオチニル化又は対照例パーフルオロカーボンエマルジョンと共に20分間再びインキュベーションする。未結合のエマルジョンをPBSにより3回(それぞれ5分間)変えて洗い去り、スライドを分析のために音響顕微鏡に移す。
固定された試料のそれぞれを超音波インソニフィケーションのために等張性燐酸塩緩衝食塩水に室温で浸漬する。超音波データを集めるために注文設計した音響顕微鏡を使用する。顕微鏡は、パルス・エコーモードで操作される50MHz広帯域ホーカス式圧電遅延線トランスジューサー(1/4in直径、1/2in焦点距離、62μビーム直径、モデルV390、パナメトリックス社、ウオルサム、MA)からなる。テクトロニクスDSA601デジタル化オッシロスコープ(ビーバートン、OR)を使用して35度極性後方散乱無線周波数(rf)データを8−ビット解像度で毎秒500メガ個の試料数でデジタル化する。このデジタル化機の有効動的範囲を増大させるために可変ゲインシステムを使用する。無線周波数データは、50μの横方向段階解像度で各試験片からほぼ100個の独立した部位より得る。
rfデータを低解像度ラスター走査ホーマットに保存し、カスタムソフトウエアーにより分析する。rfラインの一部を前面を包含するように(即ち、後方の壁は除外して)積算後方散乱分析のためにゲートする。ゲートされたデータをハミング窓によって多重化し、それらのパワースペクトルが高速フーリエ変換により決定される。積算後方散乱(IB)をトランスジューサーの有用帯域幅(30〜55MHz)にわたる周波数依存性後方散乱伝達関数の平均から計算する。試験片からのパワースペクトルは、顕微鏡ガラススライドから戻されたパワースペクトルを参照する。IBは、ガラススライドからの散乱と比べたデシベルで表される。PSAの明白な染色の領域についてニコン・オプチフォト−2顕微鏡を使用して免疫染色された組織を観察し、音響特性を比較する。
正常な卵巣支質と癌性領域との間の見かけ後方散乱伝達関数の正味変化は、周波数範囲(30〜55MHz、図14)にわたり対照例パーフルオロカーボンエマルジョンに対して、OC−125を標的としたビオチニル化エマルジョンにより処理された切片では明かに増大する。ビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンは、正常な支質(−38.75±0.84dB)に対して卵巣癌の領域からの積算後方散乱(−28.19±1.39dB)を10.57dB(8倍大きい)増大させる(p<0.05)。対照例組織切片では、卵巣癌の領域からの積算後方散乱(−33.49±0.86dB)は、正常な支質領域からの積算後方散乱(−40.21±0.61dB)よりもほぼ6.72dB(4倍)大きかった(p<0.05)。これは、正常な組織と癌性卵巣組織との間における音響特性の固有の差異を反映している。しかし、標的として向けたビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンはこれらの固有の差異をほぼ2倍(3.84dB、図15)増幅させた(p<0.05)。これらの結果は、部位を標的化するビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンがインビボトロで卵巣癌の音響学的による検出を特異的に増強させる能力を明らかに証明している。
実施例12
ほぼ250nm直径のビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンを、サイトケラチン、CD−20及びBCL−2抗原に特異的なモノクロナール抗体を使用して、扁桃の上皮被膜に標的として向ける。極性高周波数高解像度音響鏡検法を使用して音響学的に検出を行う。ヒト扁桃の代表的な例を10%中性緩衝ホルマリン中に浸漬固定化することにより常法により処理し、パラフィン中に埋め込む。20μの切片を音響鏡検法のために調製し、5μの切片を光学的研究のために使用する。全ての組織学的切片をポリ−L−リジンを被覆してある酸洗したガラススライド上に載せる。載せた全ての切片をオーブンで55℃で1時間加熱する。
免疫染色の前に、全ての切片をアメリクリアーで3回変えて脱蝋し、95%及び100%エタノールで順次に変えて脱水する。光学的研究のために調製した切片だけを、0.6%(v/v)の過酸化水素を含有する無水メタノールに30分間浸漬することによって内因性ペルオキシダーゼ活性をブロックする。次いで、これらの切片及び音響鏡検法のための全ての切片を等級付けエタノールと蒸留水により再水和させ、等張性PBS(pH7.4)に入れる。全ての切片を標的特異性モノクロナール抗体と共にインキュベーションする。
扁桃切片を抗CD−20、BCL−2及びサイトケラチン一次モノクロナール抗体の混合物と共に、売主の推奨により、湿気のある室で4℃で18時間インキュベーションする。一次インキュベーションの後、切片を等張性PBSでリンスし、次いでポリクロナールビオチニルホース(ウマ)・抗マウス免疫グロブリン(ベクタステイン・エリート・キット、ベクター・ラボラトリズ社、バーリンガム、CA)により室温で1時間覆う。PBS中でリンスした後、二つの30μの切片を音響鏡検法のために調製する。光学顕微鏡のための切片(5μ)をアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ錯体(ベクタステイン・エリート・キット、ベクター・ラボラトリーズ社)と共に室温で1時間インキュベーションする。これらの切片を燐酸塩緩衝液(pH7.6)中でリンスし、3,3’−ジアミノベンジジン四塩酸塩の溶液(シグマ・ケミカル社、セントルイス、MO、燐酸塩緩衝液中で0.5mg/ml、PH7.6、0.003%(v/v)の過酸化水素を含有する)中にほぼ10分間浸漬する。発色性沈殿は、染色された切片を0.125%(w/v)四酸化オスミウムに短時間浸漬して光学的に増強される。次いで、これらの切片を水道水中でリンスし、ハリスのヘマトキシリン中で逆染色し、等級付けエタノール及びアメリクリアー中で脱水し、合成固定用媒体中に固定する。
第二のビオチニル化抗体をインキュベーションし、洗浄した後、1枚のスライドを回転テーブル上で浴を使用してアビジン(1.0mg/〜20ccのPBS)中で30分間インキュベーションする。過剰のアビジンを等張性PBS緩衝液(pH7.4〜7.5)により3回、各5分間の洗浄で洗い去る。準備したスライドをビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンと共に20分間インキュベーションし(0.5cc/〜20.0mlのPBS)、等張性PBSにより3回、各5分間で簡単に洗浄し、アビジン(1.0mg/〜20cc)中で15分間再洗浄する。過剰のアビジンをPBSにより3回、各5分間の洗浄によりリンスする。次いで、スライドを上記の濃度でビオチニル化パーフルオロカーボンエマルジョンと共に20分間サイドインキュベーションする。未結合のエマルジョンをPBSにより3回(それぞれ5分間)変えて洗い去り、スライドを分析のために音響顕微鏡に移す。
固定された試料のそれぞれを超音波インソニフィケーションのために等張性燐酸塩緩衝食塩水に室温で浸漬する。超音波データを集めるために注文設計した音響顕微鏡を使用する。顕微鏡は、パルス・エコーモードで操作される50MHz広帯域ホーカス式圧電遅延線トランスジューサー(1/4in直径、1/2in焦点距離、62μビム直径、モデルV390、パナメトリックス社、ウオルサム、MA)からなる。テクトロニクスDSA601デジタル化オッシロスコープ(ビーバートン、OR)を使用して35度極性後方散乱無線周波数(rf)データを8−ビット解像度で毎秒500メガ個の試料数でデジタル化する。デジタル化機の有効動的範囲を増大させるために可変ゲインシステムを使用する。無線周波数データは試験片の全体から集め、ピーク検出影像を切片から作り出し、免疫染色された組織の影像と比較する。
免疫染色された組織を、ジャブリン・クロマチップIIカメラ付属品を付けたニコン・オプチホト−2顕微鏡を使用して検査し、影像化する。影像をパナソニック・デジタルミキサー、モデルWJ−AVE5よりパナソニック・SVHSビデオレコーダー、モデルAG−1960又はAG−1970に送り、ソニー・トリニトロンモニター上に表示させる。影像は、マッキントッシュJCIIIマイクロコンピューター上で実行するNuVistaソフトウエアー(ツルービジョン社、インジアナポリス、IN 46256)を使用して捕らえられる。
図16は、100μの横方向段階解像度で無線周波数ピーク検出走査として音響学的に影像化された扁桃(a)をセイヨウワサビペルオキシダーゼにより免疫染色された光学的に影像化された切片(b)と比較する。抗サイトケラチン抗体の混合物により標的化された上皮被膜はセイヨウワサビペルオキシダーゼにより明瞭に染色されており、音響影像の均一な領域は標的化ビオチニル化された音響コントラストにより“輝いている”。図17において、100μの段階解像度での無線周波数ピーク検出音響影像(a)は50μの横方向段階解像度まで増強される。標的化されたビオチニル化パーフルオロカーボンコントラストは、免疫染色された光学的影像と類似して、扁桃の上皮周縁部を音響学的に増強させるのが明らかにわかる。この例は、ビオチニル化パーフルオロカーボンコントラストがリンパ節のような組織の増強された音響コントラストのために標的化するのに忠実であることを明瞭に示す。
実施例13
外側脂質膜にガドリニウムDTPAを組み込んだ対照及びビオチン化ペルフルオロカーボンミクロエマルジョンの調整方法
ビオチン化ホスファチジルエタノールアミンをペルフルオロカーボンミクロエマルジョンの外側脂質単層に組み込んで、ビオチン化ペルフルオロカーボンコントラスト剤を製造した。簡単に述べると、このエマルジョンは、下記の成分を包含する。ペルフルオロジクロロオクタン(40%、v/v、PFDCO、Minnesota Manufacturing and Mining, St.Paul, MN)、ベニバナ油(2.0%、w/v)、表面活性剤の共混合物(co-mixture)(2.0%、w/v)及びグリセリン(1.7%w、/v)。表面活性剤の共混合物は、50−70モル%のレシチン(Pharmacia Inc., Clayton, NC)、0−35モル%のコレステロール(Sigma Chemical Co. St.Louis, MO)、0.5−1モル%のN−(6−ビオチノイル)アミノ)ヘキサノイル)ジパルミトイル−L−アルファ−ホスファチジルエタノールアミン(Pierce, Rockford, IL)及び0−30%のガドリニウム(ジエチレントリアミンペンタ酢酸ビス(オレイルアミド)(Gd-DTPA-BOA)(Gateway Chemical Technology, St.Louis, MO)からなる。これらの成分をクロロホフォルムに溶かした。クロロホルム−脂質混合物を減圧下で蒸発し、50℃の真空オーブンで一晩乾燥した。乾燥物を超音波処理で水に分散し、リポソーム懸濁液を得た。懸濁液をブレンダーカップ(Dynamics Corporation of America, New Hartford, CT)に移し、PFDCO、ベニバナ油及び蒸留脱イオン水を加え、30−60秒乳化した。乳化混合物をS100ミクロフルイディスク乳化装置(Microfluidics emulsifier)(Microfluidics, Newton, MA)に移し、10,000psiで3分間乳化した。得られたエマルジョンを瓶に入れ、窒素ガスを詰めストッパークリンプシールで封をした。共混合物中のビオチン化ホスファチジルエタノールアミンを非ビオチン化のものに換えたことを除いて、対照エマルジョンを同様に調製した。ビオチン化及び対照ペルフルオロカーボンエマルジョンの粒子径を、レーザー光線散乱粒度測定器(Brookhaven Instruments Corporation, Holtsville, NY)を用いて37℃で3度測った。
実施例14
アビジン添加に伴う粒子径増加における、ガドリニウム組み込みがもたらす効果の実証
ビオチン化したガドリニウムDTPAペルフルオロカーボンエマルジョン(30μl)を、2.97mlの等張燐酸緩衝食塩水(PBS)(pH7.4)及びアビジンを含むポリスチレンキュベットに加えた。アビジン(Pierce, Inc., Rockford, IL)はPBSに溶解し、キュベット内で最終濃度0−10μg/mlになる量を加えた。全てのサンプルを二組作り、静かに逆さにして混合し、低速度の回転テーブルを用いて室温で30分間連続攪拌した。エマルジョン粒子径をBrookhaven BI-90レーザー光線散乱サブミクロン粒子径分析器(Brookhaven Instruments Corporation, Holtsville, NY)を用いて37℃で3度測定した。図18は、ガドリニウムを組み込んだ3つのエマルジョンの粒子径基線が250nm付近にある事を示している。粒子径はアビジンの投与量に対応して増加した。エマルジョン粒子径の増加は小さかったが、ガドリニウムを組み込んだエマルジョンの濃度が高いものについては、不利益を生じるほど小さくはなかった。
実施例15
外側膜にガドリニウムを組み込んだビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンの、ヒト血漿凝塊における、標的を選ぶ能力及び音響性を増強する能力の実証
ヒトの全血を得て無菌クエン酸ナトリウムで血液凝固を阻止した(9:1、v/v)。プラスチック型内でニトロセルロース表面上に、血漿と、5Uのトロンビン(Sigma Chemical Company, St.Louis, MO)を含む100mMの塩化カルシウム(3:1、v/v)を混合し、6個の血漿凝塊を得た。血漿を室温でゆっくりと血液凝固させた。血漿凝塊のうち3個を、それぞれ10mlのPBS中に、150μgのビオチン化抗フィブリンモノクローナル抗体(NIB 5F3; NIBSC, Herts, イギリス)でインキュベートした。残りの3個の凝塊はPBSに保持した。抗体で処理した凝塊をアビジン(50μg/ml PBS)に30分間インキュベートし、次いで10%ガドリニウム、ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョン(30μl/ml PBS)に30分間インキュベートした。対照凝塊を、対照ペルフルオロカーボンエマルジョン(30μl/ml PBS)で同様に処理した。標的化された凝塊及び対照凝塊をアビジン及びそれぞれ標的化又は対照ペルフルオロカーボンエマルジョンで処理し、表面飽和を最適化してから超音波信号にかけた。ニトロセルロースディスク上の凝塊を水浴に入れ、30MHz血管内カテーテル(Boston Scientific Corporation, Maple Grove, MN)及び7.5MHz線形配列トランスデューサー(Hewlett Packard Inc.)付きの公知の超音波スキャナーを用いて影像を得た。後に行う影像分析用に、超音波影像をSVHSビデオテープに記録した。図19は、血漿凝塊の表面が標的音響コントラスト剤に結合して音響反射性が増強した一方、対照には増強が見られなかったことを示している。これらの結果は、ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョンが標的能力及び音響反射効果を増強する能力を保持していることを実証している。
実施例16
溶液中の超音波/MRI二重コントラスト剤による、濃度依存型T1短縮効果
実施例13と同様にして、外側脂質膜に0.2,0.4及び0.6モル%の全体濃度のガドリニウムDTPAを組み込んだビオチン化エマルジョンを調製した。3ccプラスチック管内において、二重コントラスト粒子をPBSで段階希釈し、Philips Gyroscan S15 ACS-NT(1.5T)を用いて磁気共鳴影像を得た。ルックロッカー(Look-Locker)MRパルスシーケンスを用いて縦弛緩曲線を得た。簡単に述べると、反転パルスを用いて、小フリップ角度(small flip angles)及び短影像間隔(short inter-image spacing)で一連の影像を得た。信号強度の影像間での変化は有効弛緩曲線に直接関連しており、この関係からT1(回転格子(spin-lattice)弛緩時間)を得た。この実施例で用いたパルスシーケンスパラメターは、TR50ms、TE10ms、フリップ角度5度、マトリックス64X64、視野160X104mm、影像数20、反転パルス後の遅延16msであった。高GD3+濃度での非常に短いT1を測定するために、25msのTRで実験を繰り返した。ピクセル強度がミリ秒で示されるT1値であるところでパラメーターマップを作成した。表1はT1短縮がガドリニウム濃度に直接依存していることを示す。剤形又は希釈度によって達成される、より高い濃度のガドリニウムを含む粒子の場合に、T1短縮の効果はより大きくなる。
対照エマルジョン(すなわちガドリニウムを含まない)の平均%1は1788±9msであった。現在の技術では、50msより短いT1は解像することができなかった。各調製液(0.2%、0.4%及び0.6%[Gd])の弛緩性は、mMで示される[Gd]の1/%1に対する関係を示す線の傾斜から計算して得た(表2)。0.2ガドリニウムエマルジョンの弛緩製が最も大きく、0.4%及び0.6%対照剤の弛緩性が同じように短かった。
実施例17
生体外でヒト血漿凝塊を標的に選ぶ超音波/MRI二重コントラスト剤による、T1短縮効果
実施例13と同様にして、外側脂質膜に10,20及び30モル%の全体濃度のガドリニウムを組み込んだビオチン化エマルジョンを調製した。エマルジョン中でのガドリニウムの実際の重量%は0.25%(10%)、0.43%(20%)及び0.54%(30%)であった。ヒトの全血を得て無菌クエン酸ナトリウムで血液凝固を阻止した(9:1、v/v)。プラスチック型内でニトロセルロース表面上に、血漿と、5Uのトロンビン(Sigma Chemical Company, St.Louis, MO)を含む1000mMの塩化カルシウム(3:1、v/v)を混合し、6個の血漿凝塊を得た。ニトロセルロール支持膜上に形成された凝塊の寸法は以下の通りであった。厚さ<0.5mm;直径〜1cm。血漿を室温でゆっくりと血液凝固させた。血漿凝塊のうち3個を、それぞれ10mlのPBS中に、150μgのビオチン化抗フィブリンモノクローナル抗体(NIB 5F3; NIBSC, Herts, イギリス)で2時間インキュベートした。残りの3個の凝塊はPBSに保持した。抗体で処理した凝塊をアビジン(50μg/ml PBS)に30分間インキュベートし、次いで10%ガドリニウム、ビオチン化ペルフルオロカーボンエマルジョン(30μl/ml PBS)に30分間インキュベートした。対照凝塊を、対照ペルフルオロカーボンエマルジョン(30μl/ml PBS)で同様に処理した。標的化された凝塊及び対照凝塊のうち半数をアビジン及びそれぞれ標的化又は対照ペルフルオロカーボンエマルジョンで処理し、表面飽和を最適化してから影像を得た。
対照及び標的化ガドリニウムコントラスト剤にさらした凝塊をP−30プラスチックペトリ皿中の10%ゼラチンに包み、Philips Gyroscan S15 ACS-NT(1.5T)を用いて磁気共鳴影像を得た。ルックロッカー(Look-Locker)MRパルスシーケンスを用いて縦弛緩曲線を得た。簡単に述べると、反転パルスを用いて、小フリップ角度(small flip angles)及び短影像間隔(short inter-image spacing)で一連の影像を得た。パルスシーケンスパラメターは、TR50ms、TE10ms、フリップ角度5度、マトリックス64X64、視野160X104mm、影像数20、反転パルス後の遅延16msであった。各凝塊及びそれを包むゼラチン中のパラメーターT1マップからT1を得た。TE30ms、TR8000msでの8エコー回転−エコーシークエンスからT2(回転−回転弛緩時間)を得た。この実験における影像ボクセルの寸法は〜2.5X2.0X2.0mmであった。
ゼラチンの平均T1値は582±8msであった。全てのサンプルのT2値は、80から92msの狭い範囲におさまった。ゼラチンのT2は91msであった。調製液にGdを加えた結果、T1に測定可能で有意な減少がおこり、最低常磁性濃度において安定水準に達した(表3)。この測定には分容積効果が起こるため(すなわち、ボクセルの寸法に比較して凝塊表面のガドリニウムエマルジョンの薄層のみであるので、又はゼラチン基質とガドリニウム−エマルジョンの比が約11:1であるので)、コントラスト増強効果は実際に極めて感度が良い。
実施例18
二重コントラスト剤を用いた磁気共鳴影像のための、生体内におけるイヌ血栓の原位置(in situ)標的化
認可された動物プロトコルに従って、20−30kgのイヌにペントバルビタールナトリウム(30mg/kg、i.iv.)次いで1%ハロセインを含む酸素で麻酔をかけた。右大腿動脈及び鼠径靭帯と伏在動脈との間の血管枝を露出した。鼠径靭帯からわずかに遠位にある近位動脈枝を選び、カニューレを挿入した。他の全ての血管枝は結さつした。銀メッキをした銅線に取り付けた23gaの針の先端を、大腿動脈の伏在枝側に2−3cm近位の部位に斜めに挿入し、結合組織の上から4−0プロレン(Prolene)縫合して両側から固定した。陽極電流(200−400μA)を90−120分間流して閉塞血栓を部分的に誘発した。近位のドップラー流を用いて血栓の形成をモニターした。大腿動脈の部分的遠位狭窄を用いて、血栓形成を促進した。
血栓が形成された後、20ga. カルーテルを、動脈の近位枝に挿入し、0.9%NaCl加圧点滴を三又ストップコックを介してカテーテルに取り付けた。動脈に生理食塩水を流し、カテーテルの1−2cm近位に係蹄を設置して大腿動脈の順行性血流を止めた。実験中、血栓を含む遠位大腿動脈からの血流は止められた。
連続的な生理食塩水の注入により、単離した動脈区分から血液を洗い流した後、遠位大腿動脈を係蹄で一時的に閉塞した。コントラスト標的血栓を得るために、ビオチン化抗フィブリンモノクローナル抗体(150μgのNIB 5F3又はNIB1H10を含む0.5mlのPBS、pH7.2−7.4)を三又ストップコックから注入し、容器に入れて1時間インキュベートした。大腿動脈の遠位係蹄をはずし、未結合の抗体を0.9%生理食塩水で洗い流した。遠位動脈閉塞を再度行った後、0.5mgのアビジン(Pierce, Rockford, IL)を含む0.5mlのPBSを区分に注入し、動脈内で30分間インキュベートした。再度、遠位閉塞を解き、非結合のアビジンを0.9%NaClで管腔から洗い流した。遠位動脈閉塞を再度行い、0.2mlのビオチン化エマルジョンを血管腔に注入し、30分間インキュベートした。
血栓形成後、(基線及び、抗体、アビジン及びペルフルオロカーボンエマルジョン各投与後)市販の映像化システムを用いる7.5MHz線形配列トランスデューサーで動脈の超音波影像を得た。超音波影像を得るために、音響反射針電極を用いて血栓症の部位を突き止めた。全てのデータを集めた後、実験の終わりに各動物の動脈を切開して、血栓の存在を確認した。
超音波イメージを得た後、大腿動脈区分を原位置で30分間ホルマリン灌流し、形態を保持するために固体を支持にして摘出した。動脈区分をホルマリン容器に入れ、MRIスキャナーにかけて影像を得た。Philips Gyroscan S15 ACS-NOT(1.5T)を用いてルックロッカー技術により磁気共鳴影像を得た。パラメターは、TR100ms、TE10ms、フリップ角度5度、マトリックス64X64、視野160X104mm、影像数20、反転パルス後の遅延16msであった。薄片の厚みは4mmであった。
ホルマリンバックグラウンドのT1測定値は2319±12msであり、血栓のT1測定値は1717±173msであった。凝塊とバックグラウンドとの間のT1におけるこの差異は、図20に示すように、高いコントラストとなって現れる。増強したT1信号の位置及び寸法は、図20の超音波によって得られた結果と類似しており、動脈の切開により確認された。第二の動脈血栓を同じ磁気共鳴法で影像化した所、類似の結果が得られた。この実験において、凝塊のT1は1572±173msであり、バックグラウンドT1は2319±12msであった。
上記の結果から鑑みて、本発明の目的が達成され、他の有用な結果が得られたことは自明であろう。
Claims (10)
- 脂質によって被包された液体フルオロカーボンから本質的になる脂質被包粒子のエマルジョンからなる、生体内を標的とした診断操作用の処方物を製造するために使用される組成物であって、該脂質被包粒子がこの粒子を分子エピトープ又は受容体にリガンドをベースにして結合させるためのリガンドに結合されており、該診断操作が該標的を該エマルジョンの存在下に影像化することを含み、しかも該影像化中に該粒子が該脂質によって被包された液体フルオロカーボンから本質的になる、前記の組成物。
- 該リガンドがビオチニル化剤である請求項1に記載の組成物。
- 該リガンドが該エピトープに特異的なリガンドである請求項1に記載の組成物。
- 該リガンドが抗体又はそのフラグメントである請求項3に記載の組成物。
- フルオロカーボンが少なくとも1種のペルフルオロカーボンよりなる請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- 該撮像化が音響学的な影像化である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
- 該影像化が磁気共鳴影像化(MR)である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
- 該組成物が該粒子に結合されたガドリニウムキレートを更に含む請求項7に記載の組成物。
- 該診断操作が診断されるべき対象に該エピトープに特異的なビオチニル化されたリガンドを投与することを更に含み、該組成物がアビジン又はストレプタビジンを更に含有するか或いは該診断操作がアビジン又はストレプタビジンを対象に投与することを更に含むかのいずれかである請求項2に記載の組成物。
- 該組成物が化学療法剤を更に含む請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
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