JP4081870B2 - ロータコア - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リラクタンストルクを利用するリラクタンスモータのロータコア構造に関するものである。
【0002】
【従来技術】
リラクタンスモータは、インダクションモータと比較して回転子の2次銅損が発生しないという特徴があるため、電気自動車や工作機械等の駆動用モータとして注目されている。しかし、この種のモータは一般に力率が悪く、産業用として利用するには、ロータコア構造あるいは駆動方法等の改善が必要であった。近年、ロータコアのコアシートに多層のフラックスバリアを設けることにより力率を向上させる技術が開発された(平成8年電機学会全国大会誌、1029、本田ら著「マルチフラックスバリアタイプ シンクロナスリラクタンスモータの検討」参照)。
【0003】
図10にこの従来の改良されたリラクタンスモータのロータコア構造の一例を示す。図(a10)において、電磁鋼板製の円板状のコアシート101には、多層のフラックスバリア102がコアシート101の軸芯103に対し逆円弧状に形成されている。フラックスバリア102は幅1mm程度のスリット(貫通溝)からなり、プレス加工されたものである。また、コアシート101の外周には回転時にかかる遠心力に対する強度を持たせるため、一定幅のスリット外周端部104を設けている。
【0004】
コアシート101をロータ軸105の方向に数十枚積層することにより、図10(b)に示すようなステータ106が完成する。そして、このロータコア10を、図10(c)に示すようなステータ107内にセットすれば、ステータ107の複数の界磁部108より、ロータコア106に回転磁界が与えられ、これにより、リラクタンストルクTが発生する。一定幅のスリット外周端部104を設けている。
【0005】
コアシート101をロータ軸105の方向に数十枚積層することにより、図10(b)に示すようなロータコア106が完成する。そして、このロータコア106を、図10(c)に示すようなステータ107内にセットすれば、ステータ107の複数の界磁部108より、ロータコア106に回転磁界が与えられ、これにより、リラクタンストルクTが発生する。このリラクタンストルクTは次式で表される。
【0006】
T=Pn(Ld−Lq)idiq………………………………(1)
ただし、Pnは極対数、Ld、Lqはd、q軸インダクタンス、id、iqはd、q軸の電流である。上記(1)式より、このモータの性能を左右するのはd、q軸インダクタンスの差Ld−Lqの大きさであることが分かる。そこで、この差Ld−Lqを大きくするために、上記フラックスバリアを設けることにより、スリットを横切るq軸方向の磁路に抵抗を与える一方、スリット間に挟まれたd軸方向の磁路を確保していた。
【0007】
上記従来の構成では、幅1mm程度のスリットをプレス加工により打ち抜き、幅3mm程度で同一幅のストリップを形成している、このように形成されたロータコアのストリップには、ステータからの磁束が流れ、ストリップを通過した後、ステータに戻っていく。この時の通過する磁束にストリップが追従していくことを利用して、ステータからの磁束が動いていくように制御し、この磁束に追従してロータを回転していく。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ティースからは流れる磁束は、図11に示す磁界分析図からわかるようにロータの中心側のストリップほど多量の磁束が流れるようにステータを制御しています。ステータとロータ間隔での磁束ギャップ密度は、図12に示すような正弦波になっています。
【0009】
ここで、ロータの回転速度、回転トルクを大きくするために、ステータからの磁束を大きくすると、特にロータ中心側のストリップには多量の磁束が流れ込みます。ロータコアのストリップの幅が同一であると各ストリップを流すことができる磁束は同一量であり、ストリップの中心側に特に多量の磁束が流れ込んでしまうため、ロータ中心側のストリップで磁気飽和が生じてしまいます。したがって、磁束を多量に流すことができず、高トルクでリラクタンスモータを駆動することができません。
そこで、スリット数を減らしてストリップの幅を大きくし、ティースからの磁束量を増やしても、磁気飽和が生じないような構成にすることは可能でありますが、q軸インダクタンスLqの大きさは、スリット数が少なくなるため大きくなってしまいます。つまり、リラクタンスモータの回転トルクは(1)式によって決定するようん、q軸インダクタンスが大きく、d軸とq軸のインダクタンスの差が小さくなるとトルクが低くなってしまいます。
【0010】
本願発明はd軸磁束を増やしても磁気飽和が生ぜず、かつq軸インダクタンスを大きくしなくとも各ストリップで磁気飽和が生じないようにすることを目的としております。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明のロータコアは、中心側に凸となるようにストリップを半径方向に列設し、各ストリップ間にスリットを配置したコアシートをロータ軸方向へ積層してなるロータコアにおいて、ストリップの半径方向の幅はロータ中心側のストリップが、ロータ外側のストリップより広く、且つスリットの半径方向の幅はロータ中心側のスリットが、ロータ外側のスリットより広い、または同じ幅である構成であり、ティースからの多量に流れる磁束はロータ中心側に集中しやすいが、ロータ中心側のストリップは太いため磁気飽和は生ぜず、電動機のトルクを大きくすることが可能である。
【0012】
本願請求項1記載の発明は、中心側に凸となるようにストリップを半径方向に列設し、各ストリップ間にスリットを配置した第1のコアシートと、磁束の発生する方向をd軸とし、d軸に電気的に直交する方向をq軸として、q軸方向と同一方向の外周部を切り欠いた第2のコアシートと、からなり、前記第1のコアシートと前記第2のコアシートとを交互に積層配置して構成されることを特徴とする
【0013】
さらに、請求項2に記載のロータコアは、中心側に凸となるようにストリップを半径方向に列設し、各ストリップ間にスリットを配置した第1のコアシートと、磁束の発生する方向をd軸とし、d軸に電機的に直交する方向をq軸として、q軸方向と同一方向の外周部を切り欠いた第2のコアシートと、からなり、複数枚の前記第1のコアシート毎に、一枚の前記第2のコアシートを挟みこんで構成されることを特徴とする。
【0014】
【実施例】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例は本発明を具体化した1例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0015】
(実施例1)
図1において、1は電磁鋼板等の高透磁率材からなる円板状のコアシートであって、その周方向には等間隔置きの4箇所ん、中心側に凸となるように湾曲する円弧状のストリップ2が半径方向にスリット3をはさんで列設されている。このようなコアシート1はプレス加工もしくはレーザ加工等により形成される。ストリップ2の形状としては、磁路の形状やコアシート1の加工等を考慮すれば、円弧状とするのが好適であるが、V字型やU字型の形状としてもよいのは勿論である。そして、コアシート1を軸方向に数十枚積み重ねて積層体5となした後、ロータ軸4が挿入されることによりロータコア6が完成される。このようなコアシート1同士は必要に応じて接着剤等で一体固着される。
【0016】
このように完成されたロータコア6を(図示しない)ステータ内にセットすれば、ステータの複数の歯からなる界磁部より、ロータコア6に回転磁界が与えられ、リラクタンストルクが発生する。このようなロータコア6を有するリラクタンスモータにおいては、ストリップ2を横切るq軸方向のインダクタンスLqと、ストリップ2に沿ったd軸方向のインダクタンスLdとを比較すると、次のようになる。すなわち、q軸方向には電磁鋼板に比べて透磁率が約1/1000である空気層よりなるスリット3で磁路に抵抗を与えているため、磁束がほとんど通らず、インダクタンスLqは小さくなる。一方、d軸方向には、ストリップ2が磁路を形成しているため、磁束が通り易く、インダクタンスLdは大きくなる。
【0017】
図2により、コアシート1を詳細に説明する。コアシート1のストリップ2の幅はロータ中心側程大きく、ロータ外側程小さくしており、ストリップの最も中心側に備えたストリップ2aの幅がもっとも広く、外側のストリップに向かうに従い少しずつ狭くなっている。つまり、d軸方向の磁束通路はロータ内側程大きく、ロータ外側へ行くに従い磁束通路は小さくなる。
【0018】
ステータからの磁束は、同一時にすべてのティースから同一量の磁束を発生しているという訳ではなく、磁束の中心側のストリップに入力される磁束が多量になるように制御されている。したがって、図3に示すようにロータ中心側のストリップ程、多量の磁束が流れ込んだような磁界分析図を見ることができる。
【0019】
本願のロータコアは高トルクとするために、ステータからの磁束量を大きくして、中心側のストリップに入り込む磁束量が大きくしても、ロータコア中心側のストリップの幅2aは他のストリップより広いので、多量の磁束が流れ込んでも磁気飽和が生じることがなく、多量の磁束を流すことができる。また、ロータ外側のストリップ2eに流れ込む磁束量は中心側のストリップに流れ込む磁束量と比較すると少ないので、ロータ外側のストリップを小さくして、ロータ中心側のストリップを広くしても磁気飽和になり難い。つまり、本願のロータはステータからの磁束量に合わせてロータのすトリップの形状を構成したものであります。
【0020】
一方、従来の図10に示すような従来ロータコアの磁界分析図11は、書くストリップの幅は同一幅にあるためロータ中心側の磁束路は磁界密度が高いが、ロータ外側の磁界密度は疎になっている。ここで、高トルクを出すために電流値を大きくして全体の磁束量を大きくすると、ロータ中心側で磁気飽和を生じてしまい、モータを高トルク回転することができなくなってしまいます。
【0021】
本実施例は図2に示すようにコアシート1の半径は38.7±0.01mmであり、スリット3に介在したストリップ2は最も中心側のストリップ2aから最も外側のストリップ2eへ行くに従い、ロータ半径方向の幅が狭くなっている。このときのストリップ幅は、最も中心側のストリップ2aをL=1とすると、ストリップ2aの幅は3.1±0.05mm、ストリップ2bの幅は2.9±0.05mm、ストリップ2cの幅は2.6±0.05mm、ストリップ2cの幅は2.2±0.05mm、ストリップ2dのは場は1.7±0.05mmである。このようなストリップは、図1に示すようにロータ中心角90度以内の範囲でロータ中心を凸とする湾曲した構成をしており、ひとつのロータ内に4箇所のフラックスバリアとなすスリット群を設けている。これらのスリットの幅は最も中心側のスリット3aのみスリット幅が広く、他のスリットの幅は同一幅である。そして、それぞれのスリット群の隣接する間隔、ロータの最も中心側のそれぞれスリット3a、3aとの間隔は2.8±0.05mmである。また、ロータの外周端は0.2〜0.6mmの間隔である。
【0022】
このように、コアシート1を積層して設けたロータコアは、ストリップ2の幅をロータ中心側より大きく、ロータ外側程小さくしたので、d軸方向の磁束通路は、ロータ内側程大きく、ロータ外側へ行くに従いd軸方向の磁束通路は小さくなっている。
【0023】
なお、上記記載のロータコアはストリップの幅が最も中心のストリップ2aの幅が広く、ロータ外側へ行くに従い、徐々にストリップの幅が小さくなっていく(ストリップ幅の関係は2a>2b>2d>2e)ことが記載されているが、この関係が最も好ましい関係である。いずれかのストリップの関係で中心側のストリップが、ロータ外側のストリップの幅より大きい(ex:2b>2e、2a>2b=2c=2d、etc)という関係が成り立てば、本願発明の効果は得られる。
【0024】
また、ストリップの幅はd軸方向に一定幅であることが優れている。なぜならば、ストリップの磁束通過量は、ストリップ幅の最も小さい部分で決まります。よって、ストリップ幅を広く取っていたとしてもどこか一箇所でストリップ幅が小さくなると、その箇所の幅で磁束通過量が決定してしまうので、磁束通路の一部を小さくすれば、他の部分が広いとしても磁束通路が小さい箇所で決定してしまいます。なお、ここでストリップが一定幅であるという意味は、ロータ外周部端部を連結したり、各ストリップを補強のため連結した場合、このような部分は除いた意味である。
【0025】
また、スリットは空隙であるが、空隙でなくともスリットの中に樹脂をつめロータコアの強度の補強を行ってもよいし、ストリップを成形するために、透磁率の低い材質を介在してもよい。
【0026】
また、ストリップの層数は5層のものが記載されているが、本願発明は5層に限定されるものではなく、複数層であればストリップの幅をロータ中心側の方を大きくすれば本発明の効果は得られる。
【0027】
なお、図13に示すよう従来のロータコアの中には、特開平7−274460号公報に示すように、ロータ中心側のストリップが、ロータ外側のストリップより広いものも見られる。
【0028】
しかしながら、従来図13のようなロータコアでは、ロータ外側のストリップよりロータ中心側のストリップを太くするものが記載されている。しかすながら、図13に示すような構成ではロータ中心側のストリップが広く、隣接するロータ中心側のスリット幅は狭い。
【0029】
このような構成であると、内側のストリップは幅が広くなるのでロータ内側のストリップで生じる磁気飽和を抑えることができるが、ロータ内側のストリップが広くなるのに対応し、隣接するスリットの幅がロータ外側のスリット幅に比較して狭くなってしまう。
【0030】
よって、ロータ中心側のスリットは幅が狭くなり、ロータ中心側のスリットで切断できる磁束の大きさは小さくなってしまう。q軸磁束を切断する大きさは、ロータ外側のスリットよりロータ内側のスリットの方が大きいので、q軸磁束を切断する量が大きい。よって、ロータ中心側のスリットの幅を小さくすると、Lqが大きくなり(Ld−Lq)は小さくなってしまい、発生するトルク量が小さくなる。
【0031】
本願のロータコアはストリップの半径方向の幅はロータ中心側のストリップが、ロータ外側のストリップより広く、且つスリットの半径方向の幅はロータ中心側のスリットがロータ外側のスリットより広い、または同じ幅とした。このように、ロータコアのストリップの幅を中心側のストリップを外側のストリップより太くすることにより、ストリップの外側では磁束が流れやすくなり、且つスリットの幅もロータ中心側のスリットをロータ外側のスリットより太くすることによりq軸磁束の切断が大きくなるので高率のよいモータを提供することができる。
【0032】
また、ストリップの幅をロータ外側よりロータ中心側を太くすると、高速回転をしてもストリップの外周端部の幅を小さくすることができる。なぜならば、ロータコアが回転する場合、ロータ中心側のスリット外周端部に、ロータ外側のストップの重さがかかるので、ストリップを等間隔でなく、ロータ外側のストリップを小さくすると、ロータ外側にかかる重さは少なくなる。つまり、ストリップの厚みをロータ外側で薄く、ロータ中心側で太くするとスリット外周端部の厚みを薄くすることができ、磁束漏れを防ぎ、q軸インダクタンスを大きくして、高効率のモータを提供することができる。
【0033】
実験によれば、ロータコアの半径が30mm〜45mmの場合、外周端部は0.2<w<0.6mmで6000回転をすることができた。
【0034】
また、図14に示すように、同一方向に湾曲した複数のスリット3と複数のストリップ2群からなるロータコア片はロータ中心角90度以内の範囲に収まっており、隣接するロータコア片の挟角を、すべて同じ角度とする。そしてロータコアの中心を中点として、各ロータコア片は対称形となる。このように構成することで、複数個のストリップの釣り合いが取れ、ロータコアにアンバランスが生じないので、高速回転であっても安定した回転駆動を行うことができる。
【0035】
また、ロータコアをロータ外径に接し、且つ垂直に交わる2つの直線の交点cが、スリット円弧中心となるような構成とすることにより、十分なパスの幅を持ち、磁路長さの短いストリップを構成することができる。このようなストリップの構成は、ストリップの磁気抵抗と、パスの幅が適しており、高効率のモータを提供することができる。
【0036】
(実施例2)
図4に実施例2のコアシート11の正面の部分拡大図を示す。ストリット12に挟まれたストリップ13は、ロータ外側からロータ中心側へ向かって徐々にストリップ幅が広くなるように列設されている。このロータコアは、半径17.5mmであり、ロータコア端部は各ストリップを連結している、この時のロータコア端部の幅Lはロータの最も中心側のロータコア端部が0.6mm、他のロータコア端部は0.35mmである。このように、応力集中部14となすロータの最も中心側のロータコア端部を他のロータコア端部より太くすることにより、ティースから入る磁束量を落すことなくロータの強度を大きくすることができる。なお、応力集中部とはロータの最も中心側のロータ外周端部のみというわけではなく、ロータ径などの条件により応力集中部は最も中心側、2番目のロータコア端部であったり、最も中心側、2番目、3番目のロータコア端部であってもよい。
【0037】
このようなロータコア構成でトリップ幅を変え、ストリップの幅をロータ外側より、ロータ中心側のストリップを大きくすることにより、大量の磁束を流しても、磁気飽和することがなく、電動機を高トルク回転駆動させることができる。
【0038】
(実施例3)
図5に実施例3のコアシート21の正面図を示す。スリット23はロータの中心側に向かって列設されており、この複数のスリット23中で、最も中心側に位置するスリット23を第1スリット27とする。この第1スリット27は、最もロータの中心側に位置し、このスリット幅は、他のスリット幅よりも広い。
【0039】
応力集中部となす、最も内周側のスリット外周端部24aと2番目の内周側のスリット外周端部24bの幅よりも大きい。さらに、各ストリップ22を連結するようにブリッジ部25を各ストリップ間に設けた。このように応力集中部のスリット外周端部の幅を大きくし、ブリッジ部25を設けることにより、ロータを高速回転した場合により発生する遠心力が生じても、ロータの強度が増しているので、ロータの高速回転に耐えることができる。
【0040】
具体的には、コアシートが励磁されたときに、このコアシート21のストリップ22とブリッジ部25とで蛇行状の磁路が形成されるように前記ストリップ22とブリッジ部とを連結する。コアシートの内周側ほど、ストリップ22とブリッジ部25との連結点間の距離が長くなるように各ブリッジ部25を形成する。
【0041】
隣り合うストリップ22間で、ストリップ22とブリッジ部25との連結点が交互となるように各ブリッジ部25を形成する。これらにより、コアシート21の回転強度を確保でき、かつ、コアシート21が励磁されたときに、このコアシート21に発生するq軸方向の磁路を細長くして、q軸方向の磁路に対する抵抗を大きくすることができる。
【0042】
ここで、1枚のコアシート41内で前記蛇行状の磁路が形成されるようにすれば平面的にq軸方向の磁路を長くしてq軸方向の磁路に対する抵抗を大きくすることができるが、場合によっては1枚のコアシート21内では、磁束が飽和し前記蛇行状の磁路が形成されなくなることがある。コアシート21をロータ軸方向に積層してコアシート21間でロータ軸方向に前記蛇行状の磁路が形成されるようにすれば、磁束が飽和しにくくなり前記蛇行状の磁路を立体的に形成することができるため、q軸方向の磁路を長くしてq軸方向の磁路に対する抵抗を大きくすることができる。
【0043】
さらに、ブリッジ部25の幅がストリップ22の幅よりも小さくなるように、各ブリッジ部25を形成すれば、q軸方向の磁路を細くすることができる。この場合もq軸方向の磁路に対する抵抗が大きくなるため、上記と同様の作用を得ることができる。ブリッジ部25の幅がコアシート21の内周側ほど太くなるように、各ブリッジ部25を形成すれば、コアシート21の回転時の遠心力の分布状態に応じた強度を確保することができる。
【0044】
上記のロータコア構成でトリップ幅を変え、ストリップの幅をロータ外側より、ロータ中心側のストリップを大きくすることにより、大量の磁束を流しても、磁気飽和することがなく、ロータ外側のストリップで電動機を高トルク駆動することができる。
【0045】
(実施例4)
図6、図7に実施例4のロータの正面図を示す。透磁率材製のコアシートをロータ軸方向に積層してなるリラクタンスモータのロータコア構造において、q軸方向と同一方向の外周部を備えた応力集中部のスリット外周部の幅を他のスリット外周端部の幅より広くしたコアシートA31と、q軸方向と同一方向の外周部を切り欠いたコアシートB32からなり、前記コアシートAの間に、コアシートBを挟み込むことを特徴とするものである。
【0046】
上記構成によれば、コアシートが励磁されたときに、このコアシートA31に発生する磁路のq軸方向と同一方向の外周部を切り欠いたコアシートB32を、コアシート間に挟み込むことにより、このコアシートに発生するq軸方向の磁路はこの切り欠いた部分を横切るためq軸方向の磁路に対する抵抗が大きくなるが、d軸方向の磁路はコアシートB32内にも確保されるため、d軸方向の磁路に対する抵抗はほとんど変わらない。したがって、d、q軸インダクタンスの比LdLqを大きくすることができるので、リラクタンストルクを大きくとることができる。このように十分なリラクタンストルクを得て、モータ性能の向上を図ることができる。
【0047】
具体的には、コアシートA31とコアシートB32とを交互に配置しているが、あるいは、複数枚のコアシートAごとにコアシートB32を挟み込んでもよい。
【0048】
図8(a),(b)に示すように、コアシート32を、コアシート31間に挟み込んでいることを特徴とするコアシートの形状は、コアシート31が励磁されたときに、このコアシート31に発生する磁路のq軸方向と同一方向の外周部33を切り欠いたものを用いる。コアシート32の配置は図8(a)に、コアシート31とコアシート32とを交互に配置したり、あるいは図8(b)に示すように、コアシートA31のグループごとにコアシート31を挟み込んだりすればよい。
【0049】
このように、コアシートB32をコアシートA31間に挟み込むことにより、コアシートA31が励磁されたときにこのコアシートA31に発生するq軸方向磁路は外周部の切り欠いた部分を横切るため、q軸方向の磁路に対する抵抗が大きくなるが、d軸方向の磁路はコアシートB32内にも確保されるため、d軸方向の磁路に対する抵抗はほとんど変わらない。したがって、d、q軸インダクタンスの比Ld/Lqを大きくすることができるので、リラクタンストルクを大きくとることができる。
【0050】
上記のロータコア構成でトリップ幅を変えたとしても、ストリップの幅をロータ外側より、ロータ中心側のストリップを大きくすることにより、大量の磁束を流しても、ロータ外側のストリップで磁気飽和することがなく、電動機を高トルク駆動することができる。
【0051】
(実施例5)
図9に実施例5の断面図を示す。半径方向に列設したスリットを備え、最も内側のスリット外周端部の幅が、他のスリット外周端部の幅より広い複数枚のコアシートを積層する際に、各コアシートの取り付け位置をロータ軸方向でずらしてスキューをかければ、d軸方向の磁路に対する抵抗がロータ周方向において均一化され、磁束の不均一に起因するトルクリップルを低減して、モータ性能をさらに向上させることができる。
【0052】
この場合、前記スキューを階段状としたり、あるいは、前記スキューが、ステータの歯のピッチ以下のスキュー量よりなるものとしてもよい。
【0053】
複数枚のコアシートを積層する際に、図9(a)に示すように、各コアシート41の取り付け位置をロータ軸方向でずらしてスキュー47をかければ、d軸方向の磁路に対する抵抗がロータ周方向において均一化されるため、ステータからロータコア46に入ったり、ロータコア46からステータに出るd軸方向の磁束が均一化され、磁束の不均一に起因するトルクリップルを低減して、モータ性能をさらに向上させることができる。
【0054】
この場合、図9(b)に示すように、前記スキュー47を階段状としたり、あるいは、図9(c)に示すように、ロータ軸44方向の途中で折れ曲がったようなV字状としてもよい。本発明者らの経験によれば、前記スキュー47は、ステータの歯42のピッチ以下のスキュー量よりなるものとするのが望ましい。
【0055】
このようにロータコア46側に適当なスキュー47をかけてモータ性能をさらに向上させることができる。ステータ側にスキューをかけても、上記と同様にトルクリップルを低減して、モータ性能をさらに向上させることができることは周知の通りである。
【0056】
上記のロータコア構成でトリップ幅を変えたとしても、ストリップの幅をロータ外側より、ロータ中心側のストリップを大きくすることにより、大量の磁束を流しても、ロータ外側のストリップで磁気飽和することがなく、電動機を高トルク駆動することができる。
【0057】
【発明の効果】
本願請求項1および請求項に記載の発明は、中心側に凸となるようにストリップを半径方向に列設し、各ストリップ間にスリットを配置した第1のコアシートと、磁束の発生する方向をd軸とし、d軸に電気的に直交する方向をq軸として、q軸方向と同一方向の外周部を切り欠いた第2のコアシートと、からなることから、第1のコアシートが励磁されたときに当該第1のコアシートに発生するq軸方向磁路が外周部の切り欠いた部分を横切ることによりq軸方向の磁路に対する抵抗が大きくなる一方で、d軸方向の磁路が第2のコアシート内にも確保されるため、d軸方向の磁路に対する抵抗がほとんど変化しない。したがって、d、q軸インダクタンスの比Ld/Lqを大きくすることができるので、リラクタンストルクを大きくとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のリラクタンスモータの全体構成を示す図
【図2】同コアシートの平面断面図
【図3】同電動機の磁界分析図
【図4】同実施例2のコアシートの部分拡大図
【図5】同実施例3のコアシートの平面図
【図6】同実施例4のコアシートAの平面図
【図7】同コアシートBの平面図
【図8】(a)同ロータコアの断面図(b)同ロータコアの断面図
【図9】(a)同実施例5のロータコアの断面図(b)同ロータコアの断面図(c)同ロータコアの断面図
【図10】(a)従来のコアシートの平面図(b)同ロータコアの断面図(c)同電動機の断面図
【図11】同電動機の磁界分析図
【図12】電動機のステータとロータ間での磁束ギャップ密度を示す図
【図13】従来のロータコアを示す図
【図14】本実施例の交点Cを示す図
【符号の説明】
1 コアシート
2 ストリップ
3 スリット

Claims (2)

  1. 中心側に凸となるようにストリップを半径方向に列設し、ストリップ間にスリットを配置した第1のコアシートと、
    磁束の発生する方向をd軸とし、d軸に電気的に直交する方向をq軸として、q軸方向と同一方向の外周部を切り欠いた第2のコアシートと、からなり、
    前記第1のコアシートと前記第2のコアシートとを交互に積層配置して構成されることを特徴とするロータコア。
  2. 中心側に凸となるようにストリップを半径方向に列設し、ストリップ間にスリットを配置した第1のコアシートと、
    磁束の発生する方向をd軸とし、d軸に電気的に直交する方向をq軸として、q軸方向と同一方向の外周部を切り欠いた第2のコアシートと、からなり、
    複数枚の前記第1のコアシート毎に、一枚の前記第2のコアシートを挟みこんで構成されることを特徴とするロータコア。
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