JP4080820B2 - 紙片搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣などの紙片を搬送する装置、特に搬送経路を曲線状とすることができる紙片搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ店、ゲームセンタなどでは、パチンコ台やゲーム機(以下、遊技台という)が、複数台並べられた遊技島が形成されている。この遊技島においては、遊技台と共にパチンコ玉やメダルを貸し出す遊技媒体貸出機が配置されている。遊技媒体貸出機の数は、多くの場合、遊技台1台に対して1機配置されている。遊技島には、その遊技島に属する遊技媒体貸出機に投入された紙幣を、遊技島の端に設けられた回収装置に送る紙片搬送装置が内部に設けられている。
【0003】
遊技島は、遊技台を直線状に配列したものが一般的であるが、店内レイアウト上の要請により円弧など曲線状に配列する場合がある。このような場合、紙幣の搬送経路も遊技台の配列に合わせて曲線状となる。このような曲線状の遊技島を形成する場合の紙片搬送装置が特開平11−263467号公報に記載されている。この公報に記載の紙片搬送装置は、開口を有する搬送方向調整体と呼ばれる複数の箱が、前記開口が連なって紙幣が搬送される経路となるように配列されている。また、搬送方向調整体は隣接するもの同士、搬送される紙幣が形成する面内であって搬送方向に直交する方向を軸線として、屈曲可能に連結されている。隣接する搬送方向調整体同士の屈曲によって、全体として搬送経路は曲線となる。
【0004】
この搬送方向調整体の各々にはローラが設けられ、これらのローラにベルトが掛け渡されている。このベルトによって紙幣が狭持され、駆動部の駆動によって回動するベルトによって紙幣が搬送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述の公報に記載された紙片搬送装置においては、多くの搬送方向調整体を連ねて曲線状の経路を形成しているが、個々の搬送方向調整体にローラを設けたり、これらのベルトを渡したりしてあり、構造が複雑のため組立てが面倒であり、それらに伴って高価となり、保守性も良好とは言えなかった。
さらに、多くの搬送方向調整体を連ねて曲線状の経路を形成した際、隙間が生じてしまい、該隙間から埃やゴミなどの異物が侵入してしまい、特に長年使用していると紙幣の搬送に悪影響(紙幣詰まり等の故障の要因)を及ぼしていた。
【0006】
本発明は、前述の問題点を考慮してなされたものであり、遊技台を曲線状に配置して構成された遊技島などにも対応でき、また建物内に遊技島を配置する際に障害となる柱などの障害物を回避可能な、紙片搬送装置を提供することを目的とする。
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明にかかる紙片搬送装置は、屈曲可能な構成のユニット式の紙片搬送装置であって、
屈曲中心付近を境に搬送方向上流側と下流側とを別々の筐体で構成し、下流側筐体には屈曲中心付近を軸とする二つの円弧状壁面を有する円筒カバーが設けられ、
上流側筐体には前記円弧状壁面が貫装する、円弧状壁面の断面形状と略相似形の二つの開口部が設けられ、
前記円弧状壁面は、屈曲時においても貫装状態が保たれる長さにすることにより、隙間が生じなく、搬送内部を保護することを可能にした。
その結果、内部構造に埃や、ゴミなどの異物の侵入が防げることで、長年使用していても故障(紙幣詰まり等)することがない。
【0008】
このように、湾曲した曲線経路を有するユニット式の紙片搬送装置と、直線状の経路を有するユニット式の紙片搬送装置をそれぞれ複数連結することにより、遊技台が曲線状に配置された遊技島などの曲線状の搬送路を形成することが出来る。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。図1は、パチンコ台などの遊技台10を曲線状に配置した遊技島12の一部を示す図である。遊技島12の図示する部分は、略円弧状に遊技台10が配列された部分で、円弧の外側が遊技者に相対する面である。各遊技台10の遊技者から向かって右側にはパチンコ玉などを貸し出す遊技媒体貸出機14が設けられている。
遊技媒体貸出機14は、遊技者が投入した紙幣の額に応じてパチンコ玉などの貸し出しを行う。投入された紙幣は、遊技媒体貸出機14から、配列された遊技台10の内部裏側に設けられた紙片搬送装置16に送られる。紙片搬送装置16は、遊技台10の裏側に、その配列に沿って配置され、遊技島の端に設けられた回収装置18に達している。紙片搬送装置16(ユニット式の紙片搬送装置)は、直線搬送装置20と曲線搬送装置22を交互に接続して全体として遊技島12の形状に沿った曲線状に構成されている。
【0010】
本実施形態においては、紙片(以下、紙幣と称す)は、その紙面の法線が水平面内に在り、長辺が搬送方向に一致する姿勢で搬送される。したがって、紙幣の搬送方向と紙幣の法線方向の双方に直交する方向、即ち搬送される紙幣の紙面を横切る方向が、当該装置を設置したときの上下方向に一致する。この方向、即ち搬送される紙面を横断する方向を、以降単に上下方向と記して説明する。
【0011】
図2乃至図4には、曲線搬送装置22の概略構成が示されている。図2は外観斜視図、図3は断面図、図4は分解斜視図である。曲線搬送装置22は、駆動部24と屈曲部26とを有し、駆動部24には、紙幣を搬送するための駆動機構が設けられている。屈曲部26は、上下方向に延びる軸線を軸として約90°の範囲で屈曲可能な構造を有し、その内部に、複数の連接セグメント28が一列に並んで、また隣接する連接セグメント28同士が屈曲可能に形成された連接通路30が設けられている。この連接セグメント28同士が屈曲することによって、連接通路30全体が湾曲して、曲線状の経路を形成する。
【0012】
駆動部24は、モータ32と、モータの動力を上下方向に延びる駆動シャフト34に伝達するギア列を構成するギア36,38を納めるギアケース40と、内部に紙幣の案内を行う駆動部ガイド42を備えた本体ケース44と、本体ケース44の図4中上方を着脱可能に覆うメンテナンスカバー46を有している。メンテナンスカバー46内には、駆動部ガイド42と対応して、カバー内ガイド48が備えられている。本体ケース44は、紙幣の横断方向の長さより短く、メンテナンスカバー46を取り外すと、紙幣の一部が露出する。したがって、紙幣が詰まった場合、メンテナンスカバー46を外すことにより、詰まった紙幣を破損することなく容易に取出すことが出来る。
【0013】
駆動部24内の駆動機構は、前述のモータ32、駆動シャフト34、ギア36,38に加え、駆動シャフト34と搬送方向に並んで平行に配置された従動シャフト50と、駆動シャフト34から従動シャフト50に駆動力を伝達するプーリ52,54とベルト56を含む。さらに、二つのシャフト34,50には、それぞれ駆動ローラ58,60が設けられている。これらの駆動ローラ58,60に対向する位置には、対向ローラ62,64が対向ローラホルダ66,68に保持されて、配置されている。対向ローラ62,64は、それぞれ対応する駆動ローラ58,60に向けて付勢されており、駆動ローラ58,60と共に、これらの間を通過する紙幣を狭持する。モータ32の駆動力は、以上の駆動機構の作用により駆動ローラ58,60より紙幣に伝達され、紙幣は連接通路30に向けて送り出される。
【0014】
図4に示されるように、本体ケース44(上流側筐体)は、本体下ケース44aと本体上ケース44bとから構成され、これらのケースは、図4中左奥の方向に延びて屈曲部26の一部を構成する。本体上ケース44bの屈曲部26に位置する部分には、上下方向に軸線を有する円環状の円環突条70が設けられている。本体下ケース44aにも、同一の軸線上に円環突条が設けられている(不図示)。 屈曲部26は、本体ケース44に加え、これに対して上下方向に延びる軸線周りに旋回する旋回ヘッド72を含む。旋回ヘッド72は、上下に分割された下旋回ヘッド72a、上旋回ヘッド72bから構成され、それぞれには、本体ケースの二つの円環突条70に係合する係合穴74を有するホルダ部76が設けられている。このホルダ部76側を下流側筐体といい、上記上流側筐体とは屈曲中心付近を境に別々に構成されている。尚、上流側筐体には後述する二つの円弧状壁面84aの断面形状と略相似形の二つの開口部26aが設けられている。
上下の旋回ヘッド72a,72bは、それぞれ隣接する直線搬送装置22と結合するための結合板78を備えている。上下の旋回ヘッド72a,72bは、ジョイント80により結合される。
【0015】
上下の旋回ヘッド72a,72bは、円環突条70と係合穴74が係合するように、本体ケース44を上下方向から挟むように結合され、旋回ヘッド72は、円環突条70の軸線を軸として、およそ90°の範囲で旋回可能(屈曲可能)と成っている。
また、旋回ヘッド72には、本体ケース44と共に屈曲部26の内部構造を囲む円筒カバー84が設けられている。この円筒カバー84には二つの略半円弧形状の円弧状壁面84aが形成されていて上述した開口部26aに貫装するように成している。該円弧状壁面84aは、屈曲時においても貫装状態が保たれる長さに形成されていることにより、隙間が生じなく、搬送内部(内部構造)の連接通路30などへの埃、ゴミなど異物の侵入を防止している。尚、上記した略半円弧形状の円弧状壁面84aは、樹脂材料(例えば、ABS樹脂材等)により一体形成されている。
【0016】
図3と図5は、それぞれ旋回ヘッド72を、搬送方向に向いて左に、旋回範囲最大に旋回させた状態(図3)と、中立位置にした状態を示す図(図5)である。旋回ヘッド72の旋回に合わせて内部の連接通路30が湾曲していることが判る。図3に示す円筒カバー84に形成された略半円弧形状の円弧状壁面84aは、旋回範囲の端においても、本体カバー44内の一方側の開口部26a内に貫装され、内部構造を覆っていることが示されている。このように屈曲した際(最大位置)においても本体カバー44の先端と、円弧状壁面84aの後端とは隙間が生じることがない。
尚、右に旋回させた場合は、図3と対称となるので、ここでは図示を省略する。
また、ここでの紙片搬送装置16は、直線搬送装置20の端部に曲線搬送装置22を設けて交互に接続して全体として遊技島12の形状に沿った曲線状に構成したが、直線搬送装置20の略中間付近に屈曲可能な曲線搬送装置22を設けた構成に採用しても良い。
【0017】
ジョイント80は、結合爪具82保持するホルダとしても機能する。この結合爪具82には結合爪82aが設けられ、この接合爪82aは接合板78bにあけられた穴を貫通して、接合板78の反対側の面に突出する。この結合爪が、隣接する直線搬送装置22の結合面(不図示)に設けられた結合穴(不図示)に係合して、搬送装置同士を係合する。
【0018】
図6乃至図9は、連接通路30の詳細を示す図である。図6および図7は、連接通路30を直線状にした状態を示し、図6(a)は上方より見た図、図6(b)は図7のB−B線断面図、図7は水平方向に見た図である。図8および図9は、連通路30を曲線状にした状態を示し、図8(a)は上方より見た図、図8(b)は図9のA−A線断面図、図9は水平方向に見た図である。
【0019】
連接セグメント28は、3種のセグメントより形成される。すなわち、紙幣の搬送方向の最も上流側に配置される導入セグメント28a、最も下流側に配置される排出セグメント28bおよびこれらのセグメント28a,28bを結ぶ中間セグメント28cである。中間セグメント28cは、本実施形態においては4個用いられ、これら4個の形状は全く同一である。個々の連接セグメント28については、後に詳述する。
【0020】
図6(a)などに示されるように、導入セグメント28aと中間セグメント28cの各々の上面には、ピアノ線86を狭持する対をなす突起88が設けられている。ピアノ線86は拘束されない状態では直線状であり、連接通路30が湾曲されて、ピアノ線86が曲げられた場合、その弾性力は連接通路30を直線状態に復帰するように作用する。また、ピアノ線86の弾性力は、連接通路30が曲げられた時に、連接通路がS字形状とならないように、またはほぼ一つの円弧を描くように作用する。ピアノ線のような線条部材以外にも、細長い板状の板ばね、さらには、柱状などの長尺部材を用いることができる。
【0021】
図10および図11は導入セグメント28aの詳細を示す図である。図10(a)が斜視図、図10(b)が紙幣の搬送方向の上流側から見た図である。図11は断面図であり、その(a)は上下方向に延びる中心面の断面図、(b)が図9に示すA−A線による断面図である。導入セグメント28aは、概略形状として略長方形の枠形状を有し、その内部に略長方形の開口90が形成されている。開口90を形成する枠92の上端と下端には、搬送方向下流に向かって延びる連結片94が設けられている。連結片94には、中間セグメント28cと係合するための連結穴96が開けられている。また、枠92の長辺に沿って7対の誘導片98が配列されており、個々の誘導片98は搬送方向下流に向かって延びている。この誘導片98のそれぞれは、紙幣の搬送経路側の面が、搬送方向に沿ってわずかに内側に凹の円弧に形成されている。図9のA−A線断面は、この誘導片98を含む断面である。なお、誘導片の数については、適宜変更可能である。
【0022】
導入セグメント28aは、枠92に設けられたフランジ100が、本体ケース44に形成された略L字形状の保持突起102(図3参照)に保持されて、本体ケース44に固定される。
【0023】
図12および図13は排出セグメント28bの詳細を示す図である。図12(a)が斜視図、図12(b)が紙幣の搬送方向の上流側から見た図である。図13は断面図であり、その(a)は上下方向に延びる中心面の断面図、(b)が図9に示すA−A線による断面図である。排出セグメント28bは、概略形状として略長方形の枠形状を有し、その内部に略長方形の開口104が形成されている。開口104を形成する枠106の上端と下端には、中間セグメント28cと係合するための連結突起108が設けられている。また、枠106には、スリット110が設けられている。このスリット110は後述する中間セグメント28cの誘導片と、枠106の干渉を防止するために設けられている。このスリット110は、図示するように誘導片と1対1に対応して設けてもよく、いくつかの誘導片に対して1つを設けるようにもできる。さらに、枠106の長辺から、搬送方向下流に向かって延びる1対の誘導板112が設けられている。この誘導板112は、図3などに示されるように、旋回ヘッド72の結合板78より先に、すなわち、隣接する直線搬送装置内へ挿入され、紙幣をなめらかに送り込むよう機能する。また、排出セグメント28bの枠106は、円筒カバー84に保持され、旋回ヘッド72と一体となって旋回する。
【0024】
図14および図15は中間セグメント28cの詳細を示す図である。図14(a)が斜視図、図14(b)が紙幣の搬送方向の上流側から見た図である。図15は断面図であり、その(a)は上下方向に延びる中心面の断面図、(b)が図9に示すA−A線による断面図である。中間セグメント28cは、概略形状として略長方形の枠形状を有し、その内部に略長方形の開口114が形成されている。開口114を形成する枠116の上端と下端には、連結突起118が設けられている。また、枠116の上端と下端には、連結穴120を有し、搬送方向下流に向かって延びる連結片122が設けられている。
【0025】
連結突起118は、隣接する中間セグメント28cまたは導入セグメント28aの連結穴96,120と係合する。排出セグメント28bに隣接する中間セグメント28cの連結穴120は、排出セグメント28bの連結突起108に係合する。これによって、各連接セグメント28の略長方形の開口90,104,114は連なって一つの搬送経路を形成する。また、連結穴96,120と連結突起108,118の係合によって、隣接する連接セグメント28同士は屈曲可能となっており、また連接通路30全体として湾曲させ、搬送経路を曲線状とすることが出来る。
【0026】
また、枠116の長辺に沿って7対の誘導片124が配列されており、個々の誘導片124は搬送方向下流に向かって延びている。これらの誘導片124のそれぞれは、紙幣の搬送経路側の面が、搬送方向沿ってわずかに内側に凹の円弧に形成されている。また、枠116の紙幣が接触する壁面も、誘導片124と同様な、搬送方向に沿ってわずかに内側に凹の円弧に形成されている。図9のA−A線断面は、この誘導片124を含む断面である。また、隣接する連接セグメント28の誘導片124,98と、枠116の干渉を防止するために、枠116にはスリット126が設けられている。これらの誘導片98,124とスリット110,126は、連接セグメント28を連結したときに、図8などに示されるように、誘導片が隣接するセグメントのスリット内に進入するようになる。誘導片124およびスリット126の数は適宜変更することができ、またスリットも誘導片に対して1対1ではなく、いくつかの誘導片にわたるものとしても良い。
【0027】
図6に示されるように、各連接セグメント28の枠92,106,116は、水平断面において、搬送方向下流側に向けて開口の幅を狭めるように構成され、枠同士の隣接部分では下流に向けて下りの段差が形成されている。これは、図8に示すように連接通路30を湾曲させた場合も同様であり、登りの段差によって、紙幣の先端が突き当たり、紙詰まりを生じることを防止している。さらに、図8に示されるように、連接セグメントの枠92,106,116の間を、誘導片98,124が橋渡しする構成となって、なめらかに紙幣が誘導される。
【0028】
また、各連接セグメントに設けられた誘導片98,124は、搬送方向に連続して並ぶように、即ち上下方向の位置を揃えて設けられており、湾曲する搬送経路の外側の内壁面において、連続する誘導片98,124の面が全体として略円弧状を形成するようになっている。また、前述のように誘導片98,124の内壁面は内に凹の円弧状に形成されており、各誘導片により形成される面がよりなめらかな面に形成される。さらに、誘導片98,124と枠92,106,116の湾曲外側の内壁面が、全体として連続的になめらかにつながっており、紙幣の搬送を妨げることが防止される。前述のように、枠116の紙幣が接触する面も内に凹の円弧が形成されており、全体としてなめらかな面が形成されている。また、搬送経路の内側の内壁面の誘導片98,124は、下りの段差となっており、登り段差による紙幣の突き当たりが防止されている。曲線状経路を搬送される場合は、紙幣、特にその先端は主に外側の内壁面に沿って移動するため、外側内平面を十分なめらかにすることが必要である。他方、内側の内壁面においては、下りの段差があってもそれほど問題とはならない。本実施形態の連接通路30の細部の形状は、上記が達成されるように決定されている。なお、図8は、旋回ヘッド72を最大に旋回した状態を示しており、本実施形態の紙片搬送装置16が実際に設置される場合は、曲率はこれより小さくてもよく、その場合は、外側の内壁面においても、若干の下り段差が形成される。
【0029】
図16は、直線搬送装置20と、これの上流側に位置する曲線搬送装置22とを接続した状態を示す斜視図である。直線搬送装置20の上流側、曲線搬送装置22と結合する部分には、遊技媒体貸出機14からの紙幣を受け入れる紙幣受入部128が設けられている。紙幣受入部128は、紙幣搬送経路の左右両側に、受入ヘッド130を有し、受入ヘッド130は直線搬送装置20に固定されるベース132と、紙幣を受け入れる受入開口134を有し、ベース132に対して上下方向の軸線周りに首を振る首振り部136が設けられている。
【0030】
図17は、紙幣受入部128およびその周囲を上方より見た図であり、二つの受入ヘッド130は、首振り部136が異なる角度に固定された状態を示している。図17中、下に示された受入ヘッド130の首振り部136は、中立位置に固定されており、上に示されたものの首振り部136は右に振られた状態が示されている。首振り部136は、逆方向にも同じ程度に振ることができるように軸支されている。このように首を振ることにより、図1に示すように、遊技媒体貸出機14と直線搬送装置20の角度が直交しない場合にこれらの適合が図られる。
【0031】
以上、本実施形態の曲線搬送装置22において、連接通路30の内壁面、特に湾曲した場合の外側の内平面を紙幣の搬送方向に関して、なめらかに、または少なくとも登りの段差が形成されないようにしたことにより、上流側に設けられた駆動機構によって押して、連接通路30を通過させ、下流の直線搬送装置20まで送ることができる。屈曲する連接通路30内部に、駆動機構を設ける必要がなくなり、構造が簡略となる。
【0032】
また、連接通路30の各連接セグメント28を、共通のピアノ線86に係合したことにより、ピアノ線86の弾性力によって連接通路が、S字形状のように曲がる方向が変化することがなくなり、なめらかな曲線を描くようになる。これにより、紙幣詰まりが防止される。
【0033】
また、連接通路30は、本体カバー44および円筒カバー84に形成した円弧状壁面84aにより覆われており、外部からの埃、ゴミなどの異物の進入が防止され、その内壁面が常に清浄でなめらかな状態が維持される。
【0034】
また、曲線搬送装置22内で紙幣が詰まった場合、メンテナンスカバー46を外すと、紙幣の上辺が露出し、これを排除することができる。メンテナンスカバー46が上方に設けられていることにより、搬送経路の左右いずれの側からでも取り扱うことができる。即ち、遊技島のレイアウト、例えば遊技者から向かって右に紙幣を送る場合と、左に送る場合などにおいて、どちらについても共通に使用することが出来る。
【0035】
なお、本実施形態においては、搬送対象を紙幣としたが、所定の大きさを有する薄板状(例えば、カード等)から成る紙片などを搬送することも可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、屈曲可能な構成のユニット式の紙片搬送装置であって、 屈曲中心付近を境に搬送方向上流側と下流側とを別々の筐体で構成し、一方の筐体には屈曲中心付近を軸とする円弧状壁面が形成され、他方の筐体には前記円弧状壁面が貫装する、円弧状壁面の断面形状と略相似形の開口部が設けられ、前記円弧状壁面は、屈曲時においても貫装状態が保たれる長さにすることにより、隙間が生じなく、搬送内部(内部構造)を保護することを可能にした。
その結果、内部構造に埃や、ゴミなどの異物の侵入が防げることで、長年使用していても故障(紙幣詰まり等)することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 遊技台を配列した遊技島の概略を示す図である。
【図2】 本実施形態の曲線搬送装置の概略構成を示す図である。
【図3】 図2の曲線搬送装置の断面図である。
【図4】 図2の曲線搬送装置の分解斜視図である。
【図5】 図2の曲線搬送装置を直線状態とした図である。
【図6】 直線状態の連接通路の詳細を示す図である。
【図7】 直線状態の連接通路の詳細を示す図である。
【図8】 曲線状態の連接通路の詳細を示す図である。
【図9】 曲線状態の連接通路の詳細を示す図である。
【図10】連接通路を形成する導入セグメントの詳細を示す図である。
【図11】連接通路を形成する導入セグメントの詳細を示す図である。
【図12】連接通路を形成する排出セグメントの詳細を示す図である。
【図13】連接通路を形成する排出セグメントの詳細を示す図である。
【図14】連接通路を形成する中間セグメントの詳細を示す図である。
【図15】連接通路を形成する中間セグメントの詳細を示す図である。
【図16】紙幣受入部およびその周囲を示す斜視図である。
【図17】紙幣受入部およびその周囲の上面を示す図である。
【符号の説明】
10 遊技台
12 遊技島
16 紙片搬送装置
20 直線搬送装置
22 曲線搬送装置
24 駆動部
26 屈曲部
26a 開口部
84 円筒カバー
84a 円弧状壁面

Claims (1)

  1. 屈曲可能な構成のユニット式の紙片搬送装置であって、
    屈曲中心付近を境に搬送方向上流側と下流側とを別々の筐体で構成し、下流側筐体には屈曲中心付近を軸とする二つの円弧状壁面を有する円筒カバーが設けられ、
    上流側筐体には前記円弧状壁面が貫装する、円弧状壁面の断面形状と略相似形の二つの開口部が設けられ、
    前記円弧状壁面は、屈曲時においても貫装状態が保たれる長さにすることにより、隙間が生じなく、搬送内部を保護することを可能にした紙片搬送装置。
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