JP4080371B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の生薬又はその抽出物を有効成分とする、発毛抑制剤等の毛成長抑制剤及びこれを含有する化粧品、医薬部外品あるいは皮膚外用剤等の外用組成物、特に化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
人体が有する頭髪あるいは体毛は、本来生物学的には頭部、胸部、手足等の重要な器官を防護するためのものであるが、衣服や保護具等の防護手段が現れ、それらを人類が活用し発達するに従って、体毛が担う器官防護機能は重要ではなくなってきているのが現状である。
【0003】
また、一般に頭髪は豊かであることが望まれているのに対し、近年、特に手足等における体毛は美的外観上は無い方が好ましいとする傾向が高まり、このため各種の体毛除去方法が開発され、利用されている。具体的には、シェーバー、抜毛器等を用いる機械的除去方法、脱毛剤を用いて体毛を毛根から抜去する方法、除毛剤を用いてその化学的作用により体毛を除去する方法などが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの体毛除去方法は、皮膚に対して物理的又は化学的刺激を伴うものであり、また、体毛除去方法によって多少の差はあるものの体毛除去効果の持続性には限度がある。このため、一定期間経過後には再び体毛除去処理を行わなければならず、体毛除去処理作業の軽減化が望まれている。
【0005】
前述のとおりであるから、皮膚に対する刺激が少なく、かつ体毛除去処理作業の負担をより軽減できる体毛の成長抑制あるいは除去処理等の技術の出現が望まている。このような実情の下において、本発明者は各種生薬に関し毛成長抑制能を鋭意研究し、特定の生薬に毛成長抑制能があることを見出し、その結果開発に成功したのが、本発明の毛成長抑制剤及びこれを含有する化粧料等の外用組成物である。
【0006】
従って、本発明は、体毛の成長あるいは発育を効果的に抑制して体毛除去処理回数を減少させることのできる毛成長抑制剤及びこれを含有する化粧料等の外用組成物を提供することを発明の解決課題、すなわち目的とする。特に、本発明は特定の生薬又はその抽出物が、毛母細胞及び毛乳頭細胞に直接的に作用して優れた毛成長抑制効果を示し、しかも長期にわたり安全性が高いことを見出したものであり、それを有効成分とする毛成長抑制剤及びこれを含有する化粧料等の外用組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような実情の下に開発された、本発明は、前述のとおり毛成長抑制剤及び外用組成物、特に化粧料の発明であり、そのうちの毛成長抑制剤は、 オウバク、ドクダミ、コメヌカ、クワ、オウレン、タイム、トウニン、イチヤクソウ、トウキンセンカ、ノバラ及びメリッサの中から選ばれる1種又は2種以上の生薬又はその抽出物を有効成分とするものであり、化粧料等の外用組成物は該毛成長抑制剤を含有するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
前述のとおり、本発明の毛成長抑制剤は、オウバク、ドクダミ、コメヌカ、クワ、オウレン、タイム、トウニン、イチヤクソウ、トウキンセンカ、ノバラ及びメリッサの中から選ばれる1種又は2種以上の生薬又その抽出物を有効成分とするものであり、その有効成分は生薬そのもの又はその抽出物であるから、オウバク、ドクダミ、コメヌカ、クワ、オウレン、タイム、トウニン、イチヤクソウ、トウキンセンカ、ノバラ及びメリッサから選ばれる各生薬は、その全草、根、果実、種子、花のうち1ヶ所又は2ヶ所以上(以下「原体」と略称する)をそれぞれそのまま用いることができるし、またその抽出物を用いることもできる。なお、生薬及び生薬抽出物は1種を単独で又は2種以上を組合わせて用いることもできる。
【0009】
本発明で用いる生薬の抽出物とは、上記生薬を粉砕した後、常温又は加温下に溶剤により抽出するか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得られる各種溶媒抽出液、その希釈液、その濃縮液、又はその乾燥末を意味するものである。
【0010】
上記抽出法により得られた生薬抽出物は、本発明の毛成長抑制剤の有効成分として抽出液のまま用いることもできるが、前述のとおりであるから、当該抽出物を希釈、濃縮もしくは凍結乾燥した後、粉末又はペースト状に調製して用いることもできる。また、液々分配等の技術により、上記抽出物から不活性な夾雑物を除去して用いることもでき、本発明においてはこのようなものを用いることが好ましい。
【0011】
前記した各生薬の抽出物は、前述のとおりのものであるから、その取得は常法により可能であり、それは前述した手法あるいは器具を使用し、例えば、抽出溶媒と共に浸漬または加熱還流した後、濾過し濃縮して得ることができる。その際の抽出溶媒としては、通常生薬の抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができる。
【0012】
かかる溶媒には、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等の有機溶媒類等があり、それらは単独あるいは組み合わせて用いることができる。
【0013】
上記溶媒で抽出して得た抽出液は、そのまま、又は濃縮したエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものもしくはポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD−2)のカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものが使用できる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物等も用いられる。
【0014】
このようにして得た上記植物抽出物は、上述し、かつ後述するラット毛包上皮系細胞増殖抑制試験結果、及び後述する発毛抑制試験結果が示すように優れた毛成長抑制効果を有し、また漢方薬等で人体に長年にわたり使用されたものであることから、安全性も高い。以上のとおりであるから、上記植物抽出物は、毛成長抑制剤の有効成分として好適に使用することができ、また、その毛成長抑制剤は、化粧料、皮膚外用剤の形態の医薬品等の各種外用組成物に毛成長抑制性能を発現する成分として使用することができる。
【0015】
上記植物抽出物を外用組成物に配合して用いる場合の配合量は、外用組成物全量中に乾燥重量として0.000001〜5重量%とするのが好ましく、より好ましくは0.00001〜3重量%、特には0.00001〜1重量%とするのがよい。
【0016】
上記植物抽出物を毛成長抑制性能を有する化粧料等の外用組成物に配合して用いる場合、これら抽出物に加えて、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば油分、湿潤剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、防腐剤、保湿剤、香料、水、アルコール、増粘剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0017】
前記紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシブンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、ベンゾトリアゾリルブチルフェノールスルホン酸ナトリウム、メチレンビス−ベンゾトリアゾイルテトラメチルブチルフェノール等のベンゾフェノン誘導体、パラメトキシ桂皮酸オクチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、イソペンチルトリメトキシ桂皮酸トリシロキサン等のメトキシ桂皮酸誘導体、ウロカニン酸、4-tert-4'-メトキシジベンゾイルメタン、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、フェニルベンジイミダゾールスルホン酸等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0018】
そして、前記した皮膚外用剤に用いられる他の成分以外にも、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属イオン封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸およびその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸、レゾルシノール、エラグ酸、カミツレ抽出物等の他の美白剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類等も更に適宜配合することができる。
【0019】
また、本発明の毛成長抑制剤は、外皮に適用される化粧料、医薬品、医薬部外品等に配合して使用することができ、特に化粧料には広く好適に使用することが可能であり、その剤型も、皮膚に適用できるものであればいずれでもよく、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系、軟膏、ゲル、エアゾール等、任意の剤型が採用できる。
【0020】
さらに、本発明の毛成長抑制剤を配合する化粧料等の外用組成物の製品形態についても任意であり、それには、例えば化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料あるいはファンデーションがあり、その他にも、メーキャップ化粧料、芳香化粧料、浴用剤等に用いることができる。なお、本発明の毛成長抑制剤を配合する化粧料等の外用組成物のとり得る剤型及び製品形態は、前記した具体的剤型及び製品形態に限定されないことはいうまでもない。
【0021】
本発明の毛成長抑制剤を含有する化粧料の好ましい製品形態としては、除毛、脱毛又は髭剃り関連化粧料があるが、それらに特に限定されるものではない。このような化粧料の具体的製品としては、ペースト状、クリーム状、エアゾール状等の除毛剤、ワックス状、ジェル状、シート状等の脱毛剤、除毛又は脱毛の後処理に用いるローション、クリーム等の後処理料、デオドラントローション、デオドラントパウダー、デオドラントスプレー、デオドラントスティック等の制汗・防臭化粧料、プレシェーブローション等の髭剃り前処理料、シェービングクリーム等の髭剃り料、アフターシェーブローション等の髭剃り後処理料などが挙げられる。
【0022】
なお、本発明の毛成長抑制剤を配合する化粧料等の外用組成物のとり得る剤型、製品形態及び具体的製品は、前記した具体的剤型、製品形態及び製品に限定されないことはいうまでもない。
【0023】
【実施例】
以下に、本発明の毛成長抑制剤の製造例及び製造された毛成長抑制剤を用いた毛成長抑制性能評価試験により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの製造例及び抑制性能評価試験によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものである。なお、その際における生薬又は生薬抽出物の配合量は、乾燥固形分としての値で示した。
【0024】
製造例1:ドクダミ抽出物の調製
ドクダミ(Houttuynia cordata Thunb.)の開花期地上部(乾燥物)200gを3Lの50%エタノールに浸漬し、1日抽出を行い、抽出液から溶媒(エタノール)を留去して13.5gの抽出物を得た。
【0025】
製造例2:ドクダミ抽出物の調製
ドクダミ(Houttuynia cordata Thunb.)の開花期地上部(乾燥物)240gを1.7Lの100%エタノールに浸漬し、80〜85℃で2時間抽出し、抽出液からエタノールを留去して15.9gの抽出物を得た。
【0026】
製造例3:オウバク抽出物の調製
日本薬局方「オウバク」(ミカン科キハダ Phellodendron amrense R.の周皮を除いた樹皮)200gを2Lの70%エタノールに浸漬し、3日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して18.9gの抽出物を得た。
【0027】
製造例4:コメヌカ抽出物の調製
コメヌカ240gを2Lの100%エタノールに浸漬し、80〜85℃で2時間抽出し、抽出液からエタノールを留去して12.9gの抽出物を得た。
【0028】
製造例5:クワ抽出物の調製
クワ(Morus bombycis KOIDZ)の根皮100gを3Lの100%エタノールに浸漬し、室温にて2日間抽出し、抽出液からエタノールを留去して14.9gの抽出物を得た。
【0029】
製造例6:オウレン抽出物の調製
オウレン(Coptis japonic MAKINO)の根茎300gを3Lの100%メタノールに浸漬し、室温にて2日間抽出し、抽出液からメタノールを留去して16.9gの抽出物を得た。
【0030】
製造例7-1:タイム(1)抽出物(ワイルドタイム抽出液)の調製
シソ科、ワイルドタイム(Thymus serpyllum L.)の全草を乾燥したもの300gを2Lの80%エタノールに浸漬し、室温にて10日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して16.3gの抽出物を得た。
製造例7-2:タイム(2)抽出物(タチジャコウソウ)の調製
シソ科、タチジャコウソウ(Thymus vulgaris L.)の地上部(乾燥物)200gを1.2Lの50%エタノールに浸漬し、室温にて10日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して17.9gの抽出物を得た。
【0031】
製造例8:トウニン抽出物の調製
バラ科、モモ(Prunus persica B.)の種子300gを3Lの30%エタノールに浸漬し、室温にて10日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して20.3gの抽出物を得た。
【0032】
製造例9:イチヤクソウ抽出物の調製
イチヤクソウ科、イチヤクソウ(Pyrola japonica Klenze)の全草300gを3Lの30%エタノールに浸漬し、60〜80℃で2日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して24.3gの抽出物を得た。
【0033】
製造例10:トウキンセンカ抽出物の調製
キク科、トウキンセンカ(Calendula officinalis L.)の花300gを3Lの50%エタノールに浸漬し、60〜80℃で2日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して19.3gの抽出物を得た。
【0034】
製造例11:ノバラ抽出物の調製
バラ科、ノバラ(Rose canica L.)の葉200gを2Lの50%エタノールに浸漬し、室温にて10日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して22.3gの抽出物を得た。
【0035】
製造例12:メリッサ抽出物の調製
シソ科、コウスイハッカ(Melissa officinalis L.)の葉200gを2Lの50%エタノールに浸漬し、60〜80℃で2日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して28.3gの抽出物を得た。
【0036】
[毛成長抑制性能評価試験]
毛成長抑制性能を評価するためにラットの体毛細胞を用いた評価試験を行なった。以下にその試験の詳細を示す。なお、ラット体毛細胞の採取は特願平9−91532号に記載の手法を参考とした。
【0037】
A.ラット毛包上皮系細胞増殖抑制試験
1.ラット毛包上皮系細胞の調製
(1)毛包の調製
新生児(3〜4日令)のラットの背部皮膚を採取し、0.25%トリプシン含有PBS(0.02%EDTA含む。以下、同様である。)中に4℃で一晩浸漬した。
【0038】
その浸漬後、背部皮膚の真皮層と表皮層を分離し、真皮層を0.35%のコラゲナーゼを含有させたHam'sF12培地中でハサミにて裁断し、その後37℃で35分間浸透を行った。この浸透後、前記コラゲナーゼ反応物中に塊状のものが見えなくなるまでピペッティングを行い、DNase (10000unit) を含有させたHam's F12培地を添加し、5分間放置した。
【0039】
その放置後、得られた懸濁液をさらにピペッティングし、ナイロンメッシュ(Nytex 157 mesh) で濾過し、PBS(−)で懸濁液を希釈し、遠心処理を施した(4℃,400rpm ,5分間)。遠心処理後、上清を除き残渣にPBS(−)を添加して再度懸濁させ、再び遠心処理を施した〔(4℃,400rpm ,5分間)×3回〕。この遠心処理操作により得られた残渣が、ラットの背部皮膚における毛包であり、これにより毛包を調製できた。
【0040】
(2)毛包上皮系細胞の調製
上記操作により得られた毛包に、0.25%トリプシン含有PBS(−)を添加して、細胞懸濁液を37℃で5分間インキュベートした。インキュベート終了後、等量の牛胎児血清(FBS)とHam's F12培地を添加して、細胞懸濁液をセルストレーナー(100 μm Nalgene 社製)で濾過し、濾過後濾液に遠心処理を施した(4℃,1500rpm ,5分間)。遠心処理後の濾液から上清を除去して、残渣として所望する毛包上皮系細胞を得た。
【0041】
2.毛包上皮系細胞の前培養
混入している線維芽細胞を可能な限り除去するために、上記で得られた毛包上皮系細胞の前培養を行った。以下、その手順について説明する。
【0042】
得られた毛包上皮系細胞の細胞数を血球算定板で算出し、FAD培地で、2.5×105cell/mlの濃度になるように調整した。I型コラーゲンでコーティングした75cm2のフラスコに前記細胞を播種して、これを37℃,5%CO2で一晩培養した。培養後、PBS(−)10mlで2回洗浄し、0.25%トリプシン含有PBS(−)を2ml添加し、添加後の細胞を37℃,5%CO2で4分間インキュベートした。次に、牛胎児血清(FBS)を2ml添加して、軽く振動した後上清を分離し、これにより混入している線維芽細胞を除去した。
【0043】
さらに、上清分離後KGM培地〔表皮角化細胞基礎培地(Keratinocyto growth medium):Keratinocyto basal medium (KBM培地(改変MCDB153培地(クローネティックス社製)))に,ウシ脳下垂体エキス((BPE)0.4vol%),インシュリン(0.5μm/ml),ハイドロコルチゾン(0.5μm/ml),h-EGF(0.1 ng/ml)を添加した培地、以下同様である〕を15ml添加し、37℃,5%CO2で3日間培養した。
【0044】
B.試験試料の調製
1.製造例1から7で得た生薬抽出物をDMSOで0.2%溶液になるように調整した。さらに、対照として、育毛効果の知られているコリアンダー種子(Coriandrum sativum L..)の70%エタノール抽出物をDMSOで0.2%溶液になるように調整し、KGM培地で希釈し評価に用いる培地用試験試料を調製した。
【0045】
2.コントロール培地の調製
コントロールとしてKGM培地を用い評価した。
【0046】
3.対象物質のアッセイ
上記した操作により得た毛包上皮系細胞を播種した培養フラスコの線維芽細胞混入率(FB混入率))を測定(300倍,5視野)し、その結果FB混入率が3%以上のものは、アッセイの対象から除外した。毛包上皮系細胞をPBS(−)10mlで2回洗浄し、0.25%トリプシン含有PBS(−)を2ml添加して、37℃,20rpm で5分間振盪した。
【0047】
振盪により形成された懸濁液をセルストレーナー(100μm Nalgene 社製)で濾過し、濾過後50ml遠沈管に入れて、懸濁液中の生細胞数を血球算定板で算出し、懸濁液にKGM培地を添加して、細胞濃度が5.0×104cell/mlになるように調整した。次いで、調整後の懸濁液を0.2ml/well の割合で、96well-plate(I型コラーゲンコーティングプレート:ファルコン社製)に播種(1.0×104cell/well)し、37℃,5%CO2で1日間培養を行った。コントロール培地(KGM培地)及び試験試料に培地交換し、37℃,5%CO2で2日間培養し、終了後細胞増殖の測定を行なった。
【0048】
C.細胞増殖の測定
アラマーブルー(alamar blue:アラマーバイオサイエンス社製) を培地量(容量)に対して、1/10量を添加して、37℃(5%CO2)で6時間インキュベートした。インキュベート後、系の595nm及び570nmでの吸光度をマイクロプレートリーダー(Micro plate reader:Bio RAD社製) を用いて測定した。
【0049】
D.効果の判定
培地交換後2日間で、コントロール培地であるKGM培地中でラット毛包上皮系細胞は細胞数が約2倍に増殖した。コントロール培地での細胞増殖度を100%とすると共に試料添加時の細胞増殖度を測定し、前者と後者の差を算出し細胞増殖抑制率とした。
【0050】
E.抑制効果判定基準
抑制効果の判定は、以下の判定基準によった。
増殖抑制20%以上 強い抑制効果あり ◎
増殖抑制10%以上20%未満 抑制効果あり ○
増殖抑制10%未満 弱い抑制効果あり △
増殖抑制−5%以下 促進効果あり ×
【0051】
【表1】
【0052】
上記の毛成長抑制性能評価試験結果から明らかなように、本発明の毛成長抑制剤の有効成分である生薬抽出物を使用するラット毛包上皮系細胞による評価試験において、製造例1ないし7の抽出物には毛成長抑制効果が認められた。
【0053】
[C3Hマウス発毛抑制試験]
生後8週齢のC3Hマウス1群3匹の背部毛を電気バリカンにて2×4cm2にわたり毛刈り後、除毛クリーム(資生堂:デベーヌ)を用いて除毛処理を行なった。除毛部位に被検試料を1日1回、100μLずつ18日間塗布した。被検試料は溶媒(100%エタノール)に溶解した。対照群には溶媒のみを塗布した
。
【0054】
塗布10日後及び18日後除毛部位の毛再生を表2に基づいてスコア化した。発毛抑制効果は、塗布10日後のスコアについて対照群と比較し、対照群よりポイントの低いものを発毛抑制効果に関し「あり」と評価した。伸長抑制効果は塗布10日後と18日後のスコアの差を求め、対照群の差より小さいものを身長抑制効果として評価した。被検試料の濃度及び評価結果を表3に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
なお、これらの判定基準を更に具体的に示すと以下のとおりである。
[発毛抑制効果]
あり:10日目の「毛再生評価ポイント」の値が「溶媒(EtOH)」の値の「0.67」よりも低いもの
[伸長抑制効果]
◎:(強い)塗布10日後と18日後のスコアの差が2未満のもの
○:塗布10日後と18日後のスコアの差が2以上2.5未満のもの
△:(弱い)塗布10日後と18日後のスコアの差が3未満のもの
【0058】
この試験に用いた有効成分である生薬又はその抽出物、及びその濃度は表3に示すとおりである。また、その評価結果も表3に示すとおりである。そして、その結果によれば、ドクダミ、タイム、ノバラ、トウニン、イチヤクソウ、オウレンの抽出物に発毛抑制効果が認められた。また、ドクダミ、タイム、トウキンセンカ、メリッサ、トウニン、イチヤクソウ、オウレンの抽出物に伸長抑制効果が認められた。
【0059】
以下において、生薬抽出物を有効成分とする本発明の毛成長抑制剤を含有する本発明の化粧料に関し、種々の剤型の配合例及びその具体的調製手法を実施例として示す。なお、各実施例における配合成分の全重量%は100重量%であり、イオン交換水の「(重量%)」の欄における「残余」は、100重量%から、それ以外の配合成分の重量%を減算したものである。
【0060】
【0061】
(製法)
(13)に(4)、(6)、(7)、(8)を加え、加熱して70℃に保った水相を形成する。一方、(1)〜(3)、(5)、(9)〜(12)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を形成する。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、バニシングクリームを得た。
【0062】
【0063】
(製法)
(17)に(9)〜(12)、(16)を加え加熱して70℃に保った水相を形成する。一方、(1)〜(8)、(13)〜(15)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を形成する。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、中性クリームを得た。
【0064】
【0065】
(製法)
(13)に(8)、(10)〜(12)を加え、加熱溶解して70℃に保った水相を形成した。一方、(1)〜(7)、(9)、(14)〜(17)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を形成した。水相に油相をかきまぜながら徐々に加え、反応を行った。反応終了後、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却し、コールドクリームを得た。
【0066】
【0067】
(製法)
(2)、(3)、(5)を50℃に昇温した後、(4)、(10)を加え完全に溶解した油相パーツに(1)を加えて均一に分散を行い得られた分散液に、(12)に(6)、(7)、(8)、(9)、(11)を溶解させた水相パーツを50℃に加温して添加し、ホモミキサーにて均一分散した後、室温まで冷却し、油中水型乳化組成物を得た。
【0068】
【0069】
(製法)
(17)と(10)に、(16)および(7)を加温溶解し、さらに(6)、(8)、(9)、(11)〜(13)を溶解して、70℃に保った水相を形成した。一方、(1)〜(5)、(14)、(15)、(18)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0070】
【0071】
(製法)
(17)と(10)に、(16)及び(7)を加温溶解し、さらに(6)、(8)、(9)、(11)〜(13)、(15)を溶解して、70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(5)、(14)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0072】
【0073】
(製法)
(17)と(9)に、(15)、(16)及び(6)を溶解し、さらに(5)、(7)、(8)、(10)〜(12)、(14)を溶解して、70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(4)及び(13)、(18)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0074】
【0075】
(製法)
(15)に(13)を加熱溶解し、さらに(14)、(5)〜(10)を溶解して、70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(4)及び(11)、(12)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、液を得た。
【0076】
【0077】
(製法)
(12)に(7)、(9)及び(10)、(16)を加え、加熱溶解して70℃に保った水相を得た。また、(6)に(11)を加えて溶解したアルコール相を得た。一方、(1)〜(5)、(8)、(13)〜(15)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した。これを攪拌しながらアルコール相を加えた。その後攪拌を継続して30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0078】
【0079】
(製法)
(16)に(9)、(11)〜(14)を加え、加熱して70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(8)、(10)、(15)、(17)〜(20)を混合し、加熱溶解して70℃に保った油相を得た。油相をかきまぜながら、この油相に水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に乳化した。乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0080】
【0081】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し油相を得、(9)〜(16)を溶解し水相を得た。得られた油相に水相を添加して、乳化し、乳液を得た。
【0082】
【0083】
(製法)
B相(水相)成分を溶解した相に、A相(油相)を溶解した相を添加して乳化し、乳化後C相成分で中和し、乳液を得た。
【0084】
【0085】
(製法)
(14)に(11)、(5)、(3)及び(8)を均一に溶解し水相を得た。一方、(1)に(2)、(4)及び(6)、(7)、(12)、(13)を溶解し、これを水相に添加した。次いで(9)、(10)で中和させ増粘して、ゼリーを得た。
【0086】
【0087】
(製法)
80℃にて水相成分を溶解して水相を調製し、50℃に冷却した。ついで室温でアルコール相成分を溶解して調製したアルコール相を添加した後均一に混合し、放冷しピールオフ型パックを得た。
【0088】
【0089】
(製法)
室温にて水相成分により均一の水相を調製した。ここに、室温にてアルコール成分から調製したアルコール相を添加し、均一に混合して粉末入りパックを得た。
【0090】
【0091】
(製法)
(8)に(6)、(7)を加え、70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(5)を70℃にて混合溶解して油相を得た。水相に油相を添加し、ホモミキサーで均一に乳化した後、冷却し、吸水軟膏を得た。
【0092】
【0093】
(製法)
水相成分及びアルコール成分を、それぞれ均一に溶解した後、アルコール相を水相に添加して均一に混合して化粧水を得た。
【0094】
【0095】
(製法)
水相成分及びアルコール成分を、それぞれ均一に溶解した後、アルコール相を水相に添加して均一に混合して化粧水を得た。
【0096】
【0097】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0098】
【0099】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0100】
【0101】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0102】
【0103】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0104】
【0105】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0106】
【0107】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0108】
【0109】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0110】
【0111】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0112】
【0113】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0114】
【0115】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0116】
【0117】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0118】
【0119】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0120】
【0121】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0122】
【0123】
(製法)
(17)と(10)に、(16)及び(7)を加温溶解し、さらに(6)、(8)、(9)、(11)〜(13)、(15)を溶解して、70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(5)、(14)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0124】
【0125】
(製法)
(17)と(9)に、(15)、(16)及び(6)を溶解し、さらに(5)、(7)、(8)、(10)〜(12)、(14)を溶解して、70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(4)及び(13)、(18)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0126】
上記実施例の生薬抽出物を有効成分とする毛成長抑制剤を含有する本発明の化粧料は、いずれも効果試験において優れた毛成長抑制剤効果が認められた。
【0127】
【発明の効果】
以上、詳述したように、オウバク、ドクダミ、コメヌカ、クワ、オウレン、タイム、トウニン、イチヤクソウ、トウキンセンカ、ノバラ、メリッサから選ばれる生薬又はその抽出物を有効成分とする本発明の毛成長抑制剤は、優れた毛成長抑制能を有し、安全性が高く特に人体に対する安全性が高いものであり、医薬品、医薬部外品あるいは化粧料等の外皮に適用される各種組成物に配合して使用することができ、それら組成物は優れた毛成長抑制能を発現することができる。特に化粧料に配合した場合には優れた毛成長抑制能を有し、安全性の高い化粧料を提供することができる。より具体的には皮膚に対する刺激が少なく、かつ体毛除去処理作業の負担をより軽減できる化粧料が提供可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の生薬又はその抽出物を有効成分とする、発毛抑制剤等の毛成長抑制剤及びこれを含有する化粧品、医薬部外品あるいは皮膚外用剤等の外用組成物、特に化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
人体が有する頭髪あるいは体毛は、本来生物学的には頭部、胸部、手足等の重要な器官を防護するためのものであるが、衣服や保護具等の防護手段が現れ、それらを人類が活用し発達するに従って、体毛が担う器官防護機能は重要ではなくなってきているのが現状である。
【0003】
また、一般に頭髪は豊かであることが望まれているのに対し、近年、特に手足等における体毛は美的外観上は無い方が好ましいとする傾向が高まり、このため各種の体毛除去方法が開発され、利用されている。具体的には、シェーバー、抜毛器等を用いる機械的除去方法、脱毛剤を用いて体毛を毛根から抜去する方法、除毛剤を用いてその化学的作用により体毛を除去する方法などが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの体毛除去方法は、皮膚に対して物理的又は化学的刺激を伴うものであり、また、体毛除去方法によって多少の差はあるものの体毛除去効果の持続性には限度がある。このため、一定期間経過後には再び体毛除去処理を行わなければならず、体毛除去処理作業の軽減化が望まれている。
【0005】
前述のとおりであるから、皮膚に対する刺激が少なく、かつ体毛除去処理作業の負担をより軽減できる体毛の成長抑制あるいは除去処理等の技術の出現が望まている。このような実情の下において、本発明者は各種生薬に関し毛成長抑制能を鋭意研究し、特定の生薬に毛成長抑制能があることを見出し、その結果開発に成功したのが、本発明の毛成長抑制剤及びこれを含有する化粧料等の外用組成物である。
【0006】
従って、本発明は、体毛の成長あるいは発育を効果的に抑制して体毛除去処理回数を減少させることのできる毛成長抑制剤及びこれを含有する化粧料等の外用組成物を提供することを発明の解決課題、すなわち目的とする。特に、本発明は特定の生薬又はその抽出物が、毛母細胞及び毛乳頭細胞に直接的に作用して優れた毛成長抑制効果を示し、しかも長期にわたり安全性が高いことを見出したものであり、それを有効成分とする毛成長抑制剤及びこれを含有する化粧料等の外用組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような実情の下に開発された、本発明は、前述のとおり毛成長抑制剤及び外用組成物、特に化粧料の発明であり、そのうちの毛成長抑制剤は、 オウバク、ドクダミ、コメヌカ、クワ、オウレン、タイム、トウニン、イチヤクソウ、トウキンセンカ、ノバラ及びメリッサの中から選ばれる1種又は2種以上の生薬又はその抽出物を有効成分とするものであり、化粧料等の外用組成物は該毛成長抑制剤を含有するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
前述のとおり、本発明の毛成長抑制剤は、オウバク、ドクダミ、コメヌカ、クワ、オウレン、タイム、トウニン、イチヤクソウ、トウキンセンカ、ノバラ及びメリッサの中から選ばれる1種又は2種以上の生薬又その抽出物を有効成分とするものであり、その有効成分は生薬そのもの又はその抽出物であるから、オウバク、ドクダミ、コメヌカ、クワ、オウレン、タイム、トウニン、イチヤクソウ、トウキンセンカ、ノバラ及びメリッサから選ばれる各生薬は、その全草、根、果実、種子、花のうち1ヶ所又は2ヶ所以上(以下「原体」と略称する)をそれぞれそのまま用いることができるし、またその抽出物を用いることもできる。なお、生薬及び生薬抽出物は1種を単独で又は2種以上を組合わせて用いることもできる。
【0009】
本発明で用いる生薬の抽出物とは、上記生薬を粉砕した後、常温又は加温下に溶剤により抽出するか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得られる各種溶媒抽出液、その希釈液、その濃縮液、又はその乾燥末を意味するものである。
【0010】
上記抽出法により得られた生薬抽出物は、本発明の毛成長抑制剤の有効成分として抽出液のまま用いることもできるが、前述のとおりであるから、当該抽出物を希釈、濃縮もしくは凍結乾燥した後、粉末又はペースト状に調製して用いることもできる。また、液々分配等の技術により、上記抽出物から不活性な夾雑物を除去して用いることもでき、本発明においてはこのようなものを用いることが好ましい。
【0011】
前記した各生薬の抽出物は、前述のとおりのものであるから、その取得は常法により可能であり、それは前述した手法あるいは器具を使用し、例えば、抽出溶媒と共に浸漬または加熱還流した後、濾過し濃縮して得ることができる。その際の抽出溶媒としては、通常生薬の抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができる。
【0012】
かかる溶媒には、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等の有機溶媒類等があり、それらは単独あるいは組み合わせて用いることができる。
【0013】
上記溶媒で抽出して得た抽出液は、そのまま、又は濃縮したエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものもしくはポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD−2)のカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものが使用できる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物等も用いられる。
【0014】
このようにして得た上記植物抽出物は、上述し、かつ後述するラット毛包上皮系細胞増殖抑制試験結果、及び後述する発毛抑制試験結果が示すように優れた毛成長抑制効果を有し、また漢方薬等で人体に長年にわたり使用されたものであることから、安全性も高い。以上のとおりであるから、上記植物抽出物は、毛成長抑制剤の有効成分として好適に使用することができ、また、その毛成長抑制剤は、化粧料、皮膚外用剤の形態の医薬品等の各種外用組成物に毛成長抑制性能を発現する成分として使用することができる。
【0015】
上記植物抽出物を外用組成物に配合して用いる場合の配合量は、外用組成物全量中に乾燥重量として0.000001〜5重量%とするのが好ましく、より好ましくは0.00001〜3重量%、特には0.00001〜1重量%とするのがよい。
【0016】
上記植物抽出物を毛成長抑制性能を有する化粧料等の外用組成物に配合して用いる場合、これら抽出物に加えて、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば油分、湿潤剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、防腐剤、保湿剤、香料、水、アルコール、増粘剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0017】
前記紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシブンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、ベンゾトリアゾリルブチルフェノールスルホン酸ナトリウム、メチレンビス−ベンゾトリアゾイルテトラメチルブチルフェノール等のベンゾフェノン誘導体、パラメトキシ桂皮酸オクチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、イソペンチルトリメトキシ桂皮酸トリシロキサン等のメトキシ桂皮酸誘導体、ウロカニン酸、4-tert-4'-メトキシジベンゾイルメタン、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、フェニルベンジイミダゾールスルホン酸等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0018】
そして、前記した皮膚外用剤に用いられる他の成分以外にも、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属イオン封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸およびその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸、レゾルシノール、エラグ酸、カミツレ抽出物等の他の美白剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類等も更に適宜配合することができる。
【0019】
また、本発明の毛成長抑制剤は、外皮に適用される化粧料、医薬品、医薬部外品等に配合して使用することができ、特に化粧料には広く好適に使用することが可能であり、その剤型も、皮膚に適用できるものであればいずれでもよく、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系、軟膏、ゲル、エアゾール等、任意の剤型が採用できる。
【0020】
さらに、本発明の毛成長抑制剤を配合する化粧料等の外用組成物の製品形態についても任意であり、それには、例えば化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料あるいはファンデーションがあり、その他にも、メーキャップ化粧料、芳香化粧料、浴用剤等に用いることができる。なお、本発明の毛成長抑制剤を配合する化粧料等の外用組成物のとり得る剤型及び製品形態は、前記した具体的剤型及び製品形態に限定されないことはいうまでもない。
【0021】
本発明の毛成長抑制剤を含有する化粧料の好ましい製品形態としては、除毛、脱毛又は髭剃り関連化粧料があるが、それらに特に限定されるものではない。このような化粧料の具体的製品としては、ペースト状、クリーム状、エアゾール状等の除毛剤、ワックス状、ジェル状、シート状等の脱毛剤、除毛又は脱毛の後処理に用いるローション、クリーム等の後処理料、デオドラントローション、デオドラントパウダー、デオドラントスプレー、デオドラントスティック等の制汗・防臭化粧料、プレシェーブローション等の髭剃り前処理料、シェービングクリーム等の髭剃り料、アフターシェーブローション等の髭剃り後処理料などが挙げられる。
【0022】
なお、本発明の毛成長抑制剤を配合する化粧料等の外用組成物のとり得る剤型、製品形態及び具体的製品は、前記した具体的剤型、製品形態及び製品に限定されないことはいうまでもない。
【0023】
【実施例】
以下に、本発明の毛成長抑制剤の製造例及び製造された毛成長抑制剤を用いた毛成長抑制性能評価試験により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの製造例及び抑制性能評価試験によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものである。なお、その際における生薬又は生薬抽出物の配合量は、乾燥固形分としての値で示した。
【0024】
製造例1:ドクダミ抽出物の調製
ドクダミ(Houttuynia cordata Thunb.)の開花期地上部(乾燥物)200gを3Lの50%エタノールに浸漬し、1日抽出を行い、抽出液から溶媒(エタノール)を留去して13.5gの抽出物を得た。
【0025】
製造例2:ドクダミ抽出物の調製
ドクダミ(Houttuynia cordata Thunb.)の開花期地上部(乾燥物)240gを1.7Lの100%エタノールに浸漬し、80〜85℃で2時間抽出し、抽出液からエタノールを留去して15.9gの抽出物を得た。
【0026】
製造例3:オウバク抽出物の調製
日本薬局方「オウバク」(ミカン科キハダ Phellodendron amrense R.の周皮を除いた樹皮)200gを2Lの70%エタノールに浸漬し、3日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して18.9gの抽出物を得た。
【0027】
製造例4:コメヌカ抽出物の調製
コメヌカ240gを2Lの100%エタノールに浸漬し、80〜85℃で2時間抽出し、抽出液からエタノールを留去して12.9gの抽出物を得た。
【0028】
製造例5:クワ抽出物の調製
クワ(Morus bombycis KOIDZ)の根皮100gを3Lの100%エタノールに浸漬し、室温にて2日間抽出し、抽出液からエタノールを留去して14.9gの抽出物を得た。
【0029】
製造例6:オウレン抽出物の調製
オウレン(Coptis japonic MAKINO)の根茎300gを3Lの100%メタノールに浸漬し、室温にて2日間抽出し、抽出液からメタノールを留去して16.9gの抽出物を得た。
【0030】
製造例7-1:タイム(1)抽出物(ワイルドタイム抽出液)の調製
シソ科、ワイルドタイム(Thymus serpyllum L.)の全草を乾燥したもの300gを2Lの80%エタノールに浸漬し、室温にて10日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して16.3gの抽出物を得た。
製造例7-2:タイム(2)抽出物(タチジャコウソウ)の調製
シソ科、タチジャコウソウ(Thymus vulgaris L.)の地上部(乾燥物)200gを1.2Lの50%エタノールに浸漬し、室温にて10日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して17.9gの抽出物を得た。
【0031】
製造例8:トウニン抽出物の調製
バラ科、モモ(Prunus persica B.)の種子300gを3Lの30%エタノールに浸漬し、室温にて10日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して20.3gの抽出物を得た。
【0032】
製造例9:イチヤクソウ抽出物の調製
イチヤクソウ科、イチヤクソウ(Pyrola japonica Klenze)の全草300gを3Lの30%エタノールに浸漬し、60〜80℃で2日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して24.3gの抽出物を得た。
【0033】
製造例10:トウキンセンカ抽出物の調製
キク科、トウキンセンカ(Calendula officinalis L.)の花300gを3Lの50%エタノールに浸漬し、60〜80℃で2日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して19.3gの抽出物を得た。
【0034】
製造例11:ノバラ抽出物の調製
バラ科、ノバラ(Rose canica L.)の葉200gを2Lの50%エタノールに浸漬し、室温にて10日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して22.3gの抽出物を得た。
【0035】
製造例12:メリッサ抽出物の調製
シソ科、コウスイハッカ(Melissa officinalis L.)の葉200gを2Lの50%エタノールに浸漬し、60〜80℃で2日間抽出し、抽出液から溶媒を留去して28.3gの抽出物を得た。
【0036】
[毛成長抑制性能評価試験]
毛成長抑制性能を評価するためにラットの体毛細胞を用いた評価試験を行なった。以下にその試験の詳細を示す。なお、ラット体毛細胞の採取は特願平9−91532号に記載の手法を参考とした。
【0037】
A.ラット毛包上皮系細胞増殖抑制試験
1.ラット毛包上皮系細胞の調製
(1)毛包の調製
新生児(3〜4日令)のラットの背部皮膚を採取し、0.25%トリプシン含有PBS(0.02%EDTA含む。以下、同様である。)中に4℃で一晩浸漬した。
【0038】
その浸漬後、背部皮膚の真皮層と表皮層を分離し、真皮層を0.35%のコラゲナーゼを含有させたHam'sF12培地中でハサミにて裁断し、その後37℃で35分間浸透を行った。この浸透後、前記コラゲナーゼ反応物中に塊状のものが見えなくなるまでピペッティングを行い、DNase (10000unit) を含有させたHam's F12培地を添加し、5分間放置した。
【0039】
その放置後、得られた懸濁液をさらにピペッティングし、ナイロンメッシュ(Nytex 157 mesh) で濾過し、PBS(−)で懸濁液を希釈し、遠心処理を施した(4℃,400rpm ,5分間)。遠心処理後、上清を除き残渣にPBS(−)を添加して再度懸濁させ、再び遠心処理を施した〔(4℃,400rpm ,5分間)×3回〕。この遠心処理操作により得られた残渣が、ラットの背部皮膚における毛包であり、これにより毛包を調製できた。
【0040】
(2)毛包上皮系細胞の調製
上記操作により得られた毛包に、0.25%トリプシン含有PBS(−)を添加して、細胞懸濁液を37℃で5分間インキュベートした。インキュベート終了後、等量の牛胎児血清(FBS)とHam's F12培地を添加して、細胞懸濁液をセルストレーナー(100 μm Nalgene 社製)で濾過し、濾過後濾液に遠心処理を施した(4℃,1500rpm ,5分間)。遠心処理後の濾液から上清を除去して、残渣として所望する毛包上皮系細胞を得た。
【0041】
2.毛包上皮系細胞の前培養
混入している線維芽細胞を可能な限り除去するために、上記で得られた毛包上皮系細胞の前培養を行った。以下、その手順について説明する。
【0042】
得られた毛包上皮系細胞の細胞数を血球算定板で算出し、FAD培地で、2.5×105cell/mlの濃度になるように調整した。I型コラーゲンでコーティングした75cm2のフラスコに前記細胞を播種して、これを37℃,5%CO2で一晩培養した。培養後、PBS(−)10mlで2回洗浄し、0.25%トリプシン含有PBS(−)を2ml添加し、添加後の細胞を37℃,5%CO2で4分間インキュベートした。次に、牛胎児血清(FBS)を2ml添加して、軽く振動した後上清を分離し、これにより混入している線維芽細胞を除去した。
【0043】
さらに、上清分離後KGM培地〔表皮角化細胞基礎培地(Keratinocyto growth medium):Keratinocyto basal medium (KBM培地(改変MCDB153培地(クローネティックス社製)))に,ウシ脳下垂体エキス((BPE)0.4vol%),インシュリン(0.5μm/ml),ハイドロコルチゾン(0.5μm/ml),h-EGF(0.1 ng/ml)を添加した培地、以下同様である〕を15ml添加し、37℃,5%CO2で3日間培養した。
【0044】
B.試験試料の調製
1.製造例1から7で得た生薬抽出物をDMSOで0.2%溶液になるように調整した。さらに、対照として、育毛効果の知られているコリアンダー種子(Coriandrum sativum L..)の70%エタノール抽出物をDMSOで0.2%溶液になるように調整し、KGM培地で希釈し評価に用いる培地用試験試料を調製した。
【0045】
2.コントロール培地の調製
コントロールとしてKGM培地を用い評価した。
【0046】
3.対象物質のアッセイ
上記した操作により得た毛包上皮系細胞を播種した培養フラスコの線維芽細胞混入率(FB混入率))を測定(300倍,5視野)し、その結果FB混入率が3%以上のものは、アッセイの対象から除外した。毛包上皮系細胞をPBS(−)10mlで2回洗浄し、0.25%トリプシン含有PBS(−)を2ml添加して、37℃,20rpm で5分間振盪した。
【0047】
振盪により形成された懸濁液をセルストレーナー(100μm Nalgene 社製)で濾過し、濾過後50ml遠沈管に入れて、懸濁液中の生細胞数を血球算定板で算出し、懸濁液にKGM培地を添加して、細胞濃度が5.0×104cell/mlになるように調整した。次いで、調整後の懸濁液を0.2ml/well の割合で、96well-plate(I型コラーゲンコーティングプレート:ファルコン社製)に播種(1.0×104cell/well)し、37℃,5%CO2で1日間培養を行った。コントロール培地(KGM培地)及び試験試料に培地交換し、37℃,5%CO2で2日間培養し、終了後細胞増殖の測定を行なった。
【0048】
C.細胞増殖の測定
アラマーブルー(alamar blue:アラマーバイオサイエンス社製) を培地量(容量)に対して、1/10量を添加して、37℃(5%CO2)で6時間インキュベートした。インキュベート後、系の595nm及び570nmでの吸光度をマイクロプレートリーダー(Micro plate reader:Bio RAD社製) を用いて測定した。
【0049】
D.効果の判定
培地交換後2日間で、コントロール培地であるKGM培地中でラット毛包上皮系細胞は細胞数が約2倍に増殖した。コントロール培地での細胞増殖度を100%とすると共に試料添加時の細胞増殖度を測定し、前者と後者の差を算出し細胞増殖抑制率とした。
【0050】
E.抑制効果判定基準
抑制効果の判定は、以下の判定基準によった。
増殖抑制20%以上 強い抑制効果あり ◎
増殖抑制10%以上20%未満 抑制効果あり ○
増殖抑制10%未満 弱い抑制効果あり △
増殖抑制−5%以下 促進効果あり ×
【0051】
【表1】
【0052】
上記の毛成長抑制性能評価試験結果から明らかなように、本発明の毛成長抑制剤の有効成分である生薬抽出物を使用するラット毛包上皮系細胞による評価試験において、製造例1ないし7の抽出物には毛成長抑制効果が認められた。
【0053】
[C3Hマウス発毛抑制試験]
生後8週齢のC3Hマウス1群3匹の背部毛を電気バリカンにて2×4cm2にわたり毛刈り後、除毛クリーム(資生堂:デベーヌ)を用いて除毛処理を行なった。除毛部位に被検試料を1日1回、100μLずつ18日間塗布した。被検試料は溶媒(100%エタノール)に溶解した。対照群には溶媒のみを塗布した
。
【0054】
塗布10日後及び18日後除毛部位の毛再生を表2に基づいてスコア化した。発毛抑制効果は、塗布10日後のスコアについて対照群と比較し、対照群よりポイントの低いものを発毛抑制効果に関し「あり」と評価した。伸長抑制効果は塗布10日後と18日後のスコアの差を求め、対照群の差より小さいものを身長抑制効果として評価した。被検試料の濃度及び評価結果を表3に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
なお、これらの判定基準を更に具体的に示すと以下のとおりである。
[発毛抑制効果]
あり:10日目の「毛再生評価ポイント」の値が「溶媒(EtOH)」の値の「0.67」よりも低いもの
[伸長抑制効果]
◎:(強い)塗布10日後と18日後のスコアの差が2未満のもの
○:塗布10日後と18日後のスコアの差が2以上2.5未満のもの
△:(弱い)塗布10日後と18日後のスコアの差が3未満のもの
【0058】
この試験に用いた有効成分である生薬又はその抽出物、及びその濃度は表3に示すとおりである。また、その評価結果も表3に示すとおりである。そして、その結果によれば、ドクダミ、タイム、ノバラ、トウニン、イチヤクソウ、オウレンの抽出物に発毛抑制効果が認められた。また、ドクダミ、タイム、トウキンセンカ、メリッサ、トウニン、イチヤクソウ、オウレンの抽出物に伸長抑制効果が認められた。
【0059】
以下において、生薬抽出物を有効成分とする本発明の毛成長抑制剤を含有する本発明の化粧料に関し、種々の剤型の配合例及びその具体的調製手法を実施例として示す。なお、各実施例における配合成分の全重量%は100重量%であり、イオン交換水の「(重量%)」の欄における「残余」は、100重量%から、それ以外の配合成分の重量%を減算したものである。
【0060】
【0061】
(製法)
(13)に(4)、(6)、(7)、(8)を加え、加熱して70℃に保った水相を形成する。一方、(1)〜(3)、(5)、(9)〜(12)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を形成する。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、バニシングクリームを得た。
【0062】
【0063】
(製法)
(17)に(9)〜(12)、(16)を加え加熱して70℃に保った水相を形成する。一方、(1)〜(8)、(13)〜(15)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を形成する。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、中性クリームを得た。
【0064】
【0065】
(製法)
(13)に(8)、(10)〜(12)を加え、加熱溶解して70℃に保った水相を形成した。一方、(1)〜(7)、(9)、(14)〜(17)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を形成した。水相に油相をかきまぜながら徐々に加え、反応を行った。反応終了後、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却し、コールドクリームを得た。
【0066】
【0067】
(製法)
(2)、(3)、(5)を50℃に昇温した後、(4)、(10)を加え完全に溶解した油相パーツに(1)を加えて均一に分散を行い得られた分散液に、(12)に(6)、(7)、(8)、(9)、(11)を溶解させた水相パーツを50℃に加温して添加し、ホモミキサーにて均一分散した後、室温まで冷却し、油中水型乳化組成物を得た。
【0068】
【0069】
(製法)
(17)と(10)に、(16)および(7)を加温溶解し、さらに(6)、(8)、(9)、(11)〜(13)を溶解して、70℃に保った水相を形成した。一方、(1)〜(5)、(14)、(15)、(18)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0070】
【0071】
(製法)
(17)と(10)に、(16)及び(7)を加温溶解し、さらに(6)、(8)、(9)、(11)〜(13)、(15)を溶解して、70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(5)、(14)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0072】
【0073】
(製法)
(17)と(9)に、(15)、(16)及び(6)を溶解し、さらに(5)、(7)、(8)、(10)〜(12)、(14)を溶解して、70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(4)及び(13)、(18)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0074】
【0075】
(製法)
(15)に(13)を加熱溶解し、さらに(14)、(5)〜(10)を溶解して、70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(4)及び(11)、(12)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、液を得た。
【0076】
【0077】
(製法)
(12)に(7)、(9)及び(10)、(16)を加え、加熱溶解して70℃に保った水相を得た。また、(6)に(11)を加えて溶解したアルコール相を得た。一方、(1)〜(5)、(8)、(13)〜(15)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した。これを攪拌しながらアルコール相を加えた。その後攪拌を継続して30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0078】
【0079】
(製法)
(16)に(9)、(11)〜(14)を加え、加熱して70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(8)、(10)、(15)、(17)〜(20)を混合し、加熱溶解して70℃に保った油相を得た。油相をかきまぜながら、この油相に水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に乳化した。乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0080】
【0081】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し油相を得、(9)〜(16)を溶解し水相を得た。得られた油相に水相を添加して、乳化し、乳液を得た。
【0082】
【0083】
(製法)
B相(水相)成分を溶解した相に、A相(油相)を溶解した相を添加して乳化し、乳化後C相成分で中和し、乳液を得た。
【0084】
【0085】
(製法)
(14)に(11)、(5)、(3)及び(8)を均一に溶解し水相を得た。一方、(1)に(2)、(4)及び(6)、(7)、(12)、(13)を溶解し、これを水相に添加した。次いで(9)、(10)で中和させ増粘して、ゼリーを得た。
【0086】
【0087】
(製法)
80℃にて水相成分を溶解して水相を調製し、50℃に冷却した。ついで室温でアルコール相成分を溶解して調製したアルコール相を添加した後均一に混合し、放冷しピールオフ型パックを得た。
【0088】
【0089】
(製法)
室温にて水相成分により均一の水相を調製した。ここに、室温にてアルコール成分から調製したアルコール相を添加し、均一に混合して粉末入りパックを得た。
【0090】
【0091】
(製法)
(8)に(6)、(7)を加え、70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(5)を70℃にて混合溶解して油相を得た。水相に油相を添加し、ホモミキサーで均一に乳化した後、冷却し、吸水軟膏を得た。
【0092】
【0093】
(製法)
水相成分及びアルコール成分を、それぞれ均一に溶解した後、アルコール相を水相に添加して均一に混合して化粧水を得た。
【0094】
【0095】
(製法)
水相成分及びアルコール成分を、それぞれ均一に溶解した後、アルコール相を水相に添加して均一に混合して化粧水を得た。
【0096】
【0097】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0098】
【0099】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0100】
【0101】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0102】
【0103】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0104】
【0105】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0106】
【0107】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0108】
【0109】
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加均一に混合した。
【0110】
【0111】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0112】
【0113】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0114】
【0115】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0116】
【0117】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0118】
【0119】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0120】
【0121】
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0122】
【0123】
(製法)
(17)と(10)に、(16)及び(7)を加温溶解し、さらに(6)、(8)、(9)、(11)〜(13)、(15)を溶解して、70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(5)、(14)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0124】
【0125】
(製法)
(17)と(9)に、(15)、(16)及び(6)を溶解し、さらに(5)、(7)、(8)、(10)〜(12)、(14)を溶解して、70℃に保った水相を得た。一方、(1)〜(4)及び(13)、(18)を混合し、加熱融解して70℃に保った油相を得た。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0126】
上記実施例の生薬抽出物を有効成分とする毛成長抑制剤を含有する本発明の化粧料は、いずれも効果試験において優れた毛成長抑制剤効果が認められた。
【0127】
【発明の効果】
以上、詳述したように、オウバク、ドクダミ、コメヌカ、クワ、オウレン、タイム、トウニン、イチヤクソウ、トウキンセンカ、ノバラ、メリッサから選ばれる生薬又はその抽出物を有効成分とする本発明の毛成長抑制剤は、優れた毛成長抑制能を有し、安全性が高く特に人体に対する安全性が高いものであり、医薬品、医薬部外品あるいは化粧料等の外皮に適用される各種組成物に配合して使用することができ、それら組成物は優れた毛成長抑制能を発現することができる。特に化粧料に配合した場合には優れた毛成長抑制能を有し、安全性の高い化粧料を提供することができる。より具体的には皮膚に対する刺激が少なく、かつ体毛除去処理作業の負担をより軽減できる化粧料が提供可能となる。
Claims (4)
- オウバク、コメヌカ、クワ、オウレン、タイム、トウニン、イチヤクソウ、トウキンセンカ、ノバラ及びメリッサの中から選ばれる1種又は2種以上の生薬又はその抽出物を有効成分とする毛成長抑制剤。
- 請求項1記載の毛成長抑制剤を含有する外用組成物。
- 請求項1記載の毛成長抑制剤を含有する化粧料。
- 製品形態が、除毛剤、脱毛剤、髭剃り料、髭剃り前処理料、髭剃り後処理料、除毛後処理料及び脱毛後処理料からなる群から選ばれる1種である請求項3記載の化粧料。
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