JP2004352658A - 皮膚外用剤 - Google Patents

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JP2004352658A JP2003152398A JP2003152398A JP2004352658A JP 2004352658 A JP2004352658 A JP 2004352658A JP 2003152398 A JP2003152398 A JP 2003152398A JP 2003152398 A JP2003152398 A JP 2003152398A JP 2004352658 A JP2004352658 A JP 2004352658A
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Rikako Suzuki
理香子 鈴木
Kenichi Umishio
健一 海塩
Kiyotaka Hasegawa
聖高 長谷川
Osamu Moro
修 茂呂
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Abstract

【課題】チロシナーゼ活性阻害効果、サイクリックAMP(cAMP)産生阻害効果を併せ持ち、優れたメラニン生成抑制効果、美白効果を有し、かつ安全性に優れた皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】ヤマノイモ科 Dioscorea mexicana、マツグミ科 Loranthus sp.、ハイノキ科 Symplocos racemosa、マメ科 Pachyrrhizus erosus、マツ科 Cedrus deodara、ブナ科 Quercus lusitanica、ミソハギ科 Woodfordia fruticosa、ウルシ科 Mangifera indica、シクンシ科 Terminalia arborea から選ばれる1種または2種以上の植物、またはこれらの溶媒抽出物を配合する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定の植物抽出物を含有する皮膚外用剤に関する。本発明の皮膚外用剤はチロシナーゼ活性阻害効果、サイクリックAMP(cAMP)産生阻害効果を併せ持ち、優れたメラニン生成抑制効果、美白効果を有し、かつ安全性に優れたものである。
【0002】
【従来の技術】
皮膚のしみ、そばかす等の色素沈着は、ホルモンの異常分泌、紫外線や炎症性の刺激等により、表皮色素細胞内メラニン産生情報伝達経路が活性化し、メラニン産生主要酵素であるチロシナーゼの産生、活性発現が亢進した結果、メラニンが表皮に過剰に沈着するため生ずる。
【0003】
このようなしみ、そばかすを防ぐ手段として、メラニン産生主要酵素であるチロシナーゼの活性を阻害する物質が従来用いられてきた。具体的にはチロシナーゼ活性発現に必須である銅イオンを捕捉することを作用機序とするコウジ酸、エラグ酸等を配合してなるクリーム、ローション等の局所への塗布や、基質チロシンと類似構造を有し、チロシナーゼ競合阻害剤として働くハイドロキノン誘導体、レゾルシノール誘導体等を配合してなるクリーム、ローション等の局所への塗布、あるいは上記以外の作用機序を有する物としては、メラニン前駆体であるドーパキノンをドーパに還元することをメラニン産生抑制機序とするL−アスコルビン酸の投与が行われてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記の物質は産生されたチロシナーゼに対して、またはチロシナーゼ活性発現により産生されたドーパキノンに作用するものであり、チロシナーゼ産生そのものを阻害するものではなかった。そのため、効果自体およびその持続性が弱いという難点があった。また、L−アスコルビン酸に関しては原体および基剤中での安定性が悪く、しみ、そばかすを十分に防ぐ効果を得るためには大量の投与が必要とされている。
【0005】
近年、植物抽出液中に含有される各種の活性成分が注目されている。多くの植物に含有されるポリフェノール類の抗酸化作用を始めとして、抗腫瘍作用等様々の作用が報告されている。美白作用を有する植物抽出液もさまざまなものが探索されている。
美白効果を有する植物として、従来より金桜子、営実、地楡、ユキノシタなどが知られているが、これらの植物抽出液もまたチロシナーゼ活性を阻害することをその作用機序としたものであり、美白作用およびその持続性は満足できるものではなかった。
一方、情報伝達経路に作用し、メラニンの産生自身を阻害する物質として、一酸化窒素経路阻害作用を有するかきょく、プロテインカイネースC経路阻害作用を有するカミツレ等が報告されている。しかしながらこれらの伝達経路はメラニン産生への関与が低く、顕著なメラニン産生阻害を得ることは困難であり、より優れた植物抽出薬効剤の開発が期待されていた。
また本出願人はバラ科のセイヨウバラがサイクリックAMP(cAMP)の産生を阻害して美白作用を有することをすでに見出している(特開2002−29959)。
【0006】
本発明者らは上記事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、特定の植物およびその抽出物にチロシナーゼ活性阻害効果およびメラニン産生への関与が高いアデニレートサイクレース経路阻害効果を併せ持ち、優れた美白効果、優れたメラニン生成抑制効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ヤマノイモ科 Dioscorea mexicana、マツグミ科 Loranthus sp.、ハイノキ科 Symplocos racemosa、マメ科 Pachyrrhizus erosus、マツ科 Cedrus deodara、ブナ科 Quercus lusitanica、ミソハギ科 Woodfordia fruticosa、ウルシ科 Mangifera indica、シクンシ科 Terminalia arborea から選ばれる1種または2種以上の植物、またはこれらの溶媒抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
【0008】
また本発明は、上記植物またはその溶媒抽出物を有効成分として含有することを特徴とする美白用皮膚外用剤、メラニン生成抑制剤、チロシナーゼ活性阻害剤およびサイクリックAMP(cAMP)産生阻害剤が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明において用いられるヤマノイモ科 Dioscorea mexicana、マツグミ科 Loranthus sp.、ハイノキ科 Symplocos racemosa、マメ科 Pachyrrhizus erosus(別名:クズイモ)、マツ科 Cedrus deodara(別名:ヒマラヤスギ)、ブナ科 Quercus lusitanica、ミソハギ科 Woodfordia fruticosa、ウルシ科 Mangifera indica(別名:マンゴー)、シクンシ科 Terminalia arborea は、生のままでも乾燥したものでも使用することができるが、使用性、製剤化等の点から乾燥粉末あるいは溶媒抽出物として用いることが好ましい。
【0010】
それぞれの植物の好ましい使用部位は次の通りである。
即ち、ヤマノイモ科 Dioscorea mexicanaについては木の芯(木部、材)、マツグミ科 Loranthus sp.については葉または枝、ハイノキ科 Symplocos racemosaについては樹皮、マメ科 Pachyrrhizus erosus(別名:クズイモ)については種子、マツ科 Cedrus deodara(別名:ヒマラヤスギ)については幹または樹皮、ブナ科 Quercus lusitanicaについては果実、ミソハギ科 Woodfordia fruticosaについては花、ウルシ科 Mangifera indica(別名:マンゴー)については仁、シクンシ科 Terminalia arboreaについては果実を用いるのが好ましいが、他の部位を用いることもできる。
【0011】
上記各植物の溶媒抽出物は常法により得ることができ、例えば、抽出溶媒とともに浸漬または加熱還流した後、濾過し濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等の有機溶媒類等を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。上記溶媒で抽出して得た抽出液をそのまま、あるいは濃縮したエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD−2)のカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものも使用することができる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物等も用いられる。
【0012】
このようにして得た上記植物抽出物は、安全性が高く、優れた美白効果、メラニン生成抑制効果、チロシナーゼ活性阻害効果およびサイクリックAMP(cAMP)産生阻害効果を有する。
【0013】
上記植物抽出物を皮膚外用剤に配合して用いる場合、外用剤全量中に乾燥重量として0.000001〜5.0質量%配合するのが好ましく、より好ましくは0.00001〜3.0質量%、特に好ましくは0.00001〜1.0質量%である。
【0014】
上記植物抽出物を皮膚外用剤に配合して用いる場合、これら抽出物に加えて、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば油分、湿潤剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、防腐剤、保湿剤、香料、水、アルコール、増粘剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0015】
前項の紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、ベンゾトリアゾリルブチルフェノールスルホン酸ナトリウム、メチレンビス−ベンゾトリアゾイルテトラメチルブチルフェノール等のベンゾフェノン誘導体、パラメトキシ桂皮酸オクチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、イソペンチルトリメトキシ桂皮酸トリシロキサン等のメトキシ桂皮酸誘導体、ウロカニン酸、4−tert−4’−メトキシジベンゾイルメタン、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、フェニルベンジイミダゾールスルホン酸等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0016】
さらに、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属イオン封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸およびその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸、レゾルシノール、エラグ酸、カミツレ抽出物等の他の美白剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類等も適宜配合することができる。
【0017】
また、本発明の皮膚外用剤は、外皮に適用される化粧料、医薬品、医薬部外品等、特に好適には化粧料に広く適用することが可能であり、その剤型も、皮膚に適用できるものであればいずれでもよく、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系、軟膏、ゲル、エアゾール等、任意の剤型が適用される。
【0018】
また、本発明の皮膚外用剤の使用形態も任意であり、例えば化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料やファンデーションの他、メーキャップ化粧料、芳香化粧料、浴用剤等に用いることができる。
なお、上記の剤型および使用形態に本発明の皮膚外用剤がとり得る形態が限定されるものではない。
【0019】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例によってなんら限定されるものでない。なお、配合量はすべて質量%である。
【0020】
実施例に先立ち、本発明の植物抽出物のチロシナーゼ活性阻害効果、サイクリックAMP(cAMP)産生阻害効果、メラニン生成抑制効果および美白効果について、試験方法と評価方法について説明する。
【0021】
[試験方法および評価方法]
1.試料の調製
(1)Dioscorea mexicana 抽出物
Dioscorea mexicana の木の芯545gを、80%エタノールを3.8L用いて室温抽出し、抽出液を得た。この抽出液を濃縮し、Dioscorea mexicana 抽出物76.2gを得た。
【0022】
(2)Loranthus sp. 抽出物
Loranthus sp. の葉200gを、80%エタノールを1L用いて室温抽出し、抽出液を得た。この抽出液を濃縮し、Loranthus sp. 抽出物3.9gを得た。
【0023】
(3)Symplocos racemosa 抽出物
Symplocos racemosa の樹皮803gを、80%エタノールを4L用いて加温抽出し、抽出液を得た。この抽出液を濃縮し、Symplocos racemosa 抽出物75.4gを得た。
【0024】
(4)Pachyrrhizus erosus 抽出物
Pachyrrhizus erosus の種子50gを、80%エタノールを1L用いて室温抽出し、抽出液を得た。この抽出液を濃縮し、Pachyrrhizus erosus 抽出物1.4gを得た。
【0025】
(5)Cedrus deodara 抽出物
Cedrus deodara の樹皮787gを、80%エタノールを4L用いて加温抽出し、抽出液を得た。この抽出液を濃縮し、Cedrus deodara 抽出物223.5gを得た。
【0026】
(6)Quercus lusitanica 抽出物
Quercus lusitanica の果実200gを、80%エタノールを1L用いて室温抽出し、抽出液を得た。この抽出液を濃縮し、Quercus lusitanica 抽出物105.0gを得た。
【0027】
(7)Woodfordia fruticosa 抽出物
Woodfordia fruticosa の花500gを、80%エタノールを7.5L用いて加温抽出し、抽出液を得た。この抽出液を濃縮し、Woodfordia fruticosa 抽出物58.0gを得た。
【0028】
(8)Mangifera indica 抽出物
Mangifera indica の仁900gを、80%エタノールを5L用いて室温抽出し、抽出液を得た。この抽出液を濃縮し、Mangifera indica 抽出物26.0gを得た。
【0029】
(9)Terminalia arborea 抽出物
Terminalia arborea の果実200gを、80%エタノールを1L用いて室温抽出し、抽出液を得た。この抽出液を濃縮し、Terminalia arborea 抽出物71.6gを得た。
【0030】
上記各植物抽出物を70%エタノールに濃度2質量%となるよう溶解して、植物抽出物含有溶液とした。これら植物抽出物含有溶液を希釈して濃度を調整し、これを試料溶液として用い、以下の実験を行った。
【0031】
2.細胞培養方法
マウス由来のB16メラノーマ培養細胞を使用した。10%FBSおよびテオフィリン(0.09mg/ml)、またはメラノサイト刺激ホルモン(α―MSH)(10nM)を含むダルベッコMEM培地でCOインキュベーター(95%空気、5%二酸化炭素)内、37℃の条件下で培養した。
【0032】
3.チロシナーゼ活性阻害効果測定
上記2の方法で培養した細胞を96プレートに播種し、培養24時間後に試料溶液を終濃度(抽出乾燥物換算濃度)が10−7〜10−5質量%になるように添加し、さらに培養を続けた。培養3日後PBSを用いて洗浄、1%Triton含有PBSを加え、さらにDOPAを終濃度1mMとなるように加えた。添加0分および60分後の吸光度(475nm)を測定した。植物抽出物を添加していない試料(コントロール;70%エタノール)と比較し、下記判定基準により評価した。また、参考例として、ノバラ(Rosa canina L.)抽出物(エタノール抽出)についても、上記と同様の試験を行った。結果を表1に示す。なお、表1にはメラノサイト刺激ホルモン(α―MSH)を含む培地での結果を示したが、テオフィリンを用いた場合も同様の結果であった。
【0033】
(判定基準)
○:コントロールに比べチロシナーゼ活性阻害作用に優れる。
△:コントロールに比べチロシナーゼ活性阻害作用にやや優れる。
×:チロシナーゼ活性阻害作用なし。
【0034】
【表1】
Figure 2004352658
【0035】
4.メラニン量の視感判定(メラニン生成抑制効果)
前記2の方法で培養した細胞を96プレートに播種し、培養24時間後に試料溶液を終濃度(抽出乾燥物換算濃度)が10−2〜10−5質量%になるように添加し、さらに培養を続けた。培養3日後、96ウェルのプレートの蓋の上に拡散板を置き、倒立顕微鏡で細胞内のメラニン量を観察し、植物抽出物を添加していない試料(コントロール;70%エタノール)と比較し、下記判定基準により評価した。また、参考例として、ノバラ(Rosa canina L.)抽出物(エタノール抽出)についても、上記と同様の試験を行った。結果を表2に示す。なお、表2にはメラノサイト刺激ホルモン(α―MSH)を含む培地での結果を示したが、テオフィリンを用いた場合も同様の結果であった。
【0036】
(判定基準)
○:コントロールに比べ白い(メラニン生成抑制作用に優れる)。
△:コントロールに比べやや白い(メラニン生成抑制作用にやや優れる)。
×:コントロールと同程度の白さ(メラニン生成抑制作用なし)。
【0037】
【表2】
Figure 2004352658
【0038】
5.サイクリックAMP(cAMP)産生阻害効果測定
マウス由来のB16メラノーマ培養細胞を12ウェルプレートに播種し、10%FBSを含むダルベッコMEM培地でCOインキュベーター(95%空気、5%二酸化炭素)内、37℃の条件下で培養した。培養24時間後に培地を吸引し、メラノサイト刺激ホルモン(α―MSH、0.1nM)、および試料溶液を終濃度10−1〜10−3質量%(抽出乾燥物換算濃度)になるように添加した無血清培地を加えた。30分間インキュベート後、培地を除去し、TEバッファーにて細胞を集め、1.5mLマイクロチューブに移し、煮沸した後、この液中のサイクリックAMP(cAMP)量をサイクリックAMP(cAMP)測定キット(アマシャム社製)を用いて測定した。また、参考例として、バラ科(Rosaceae)バラ属(Rosa)に属するノバラ(Rosa canina L.)抽出物(エタノール抽出)についても、上記と同様の試験を行った。植物抽出物を添加していない試料(コントロール;70%エタノール)と比較し、下記判定基準により評価した。結果を表3に示す。
【0039】
(判定基準)
○:コントロールに比べサイクリックAMP(cAMP)産生阻害作用に優れる。
△:コントロールに比べサイクリックAMP(cAMP)産生阻害剤作用にやや優れる。
×:サイクリックAMP(cAMP)産生阻害作用なし。
【0040】
【表3】
Figure 2004352658
【0041】
6.美白効果試験
(試験方法)
夏期の太陽光に4時間(1日2時間で2日間)曝された被験者20名の背部皮膚を対象として、下記に示す試験試料溶液を朝夕1回ずつ4週間塗布し、下記に示す判定基準により評価を行った。被験者20名の評価点平均値の結果を表4に示す。
【0042】
Figure 2004352658
(製法)
水相、アルコール相をそれぞれ調製後、混合し、可溶化した。
【0043】
(評価方法)
使用後の淡色化効果を下記の判定基準に基づいて判定した。
(評点)
4:連用塗布後、淡色化効果が顕著に認められた。
3:連用塗布後、淡色化効果が認められた。
2:連用塗布後、淡色化効果がやや認められた。
1:連用塗布後、淡色化効果が認められなかった。
【0044】
【表4】
Figure 2004352658
【0045】
表4から明らかなように、本発明品は優れた美白効果を示すことがわかる。特に、すでに皮膚美白作用のあることが知られているアスコルビン酸誘導体、胎盤抽出物配合例と比べても、本発明品が美白効果において優れていることが認められた。
【0046】
以下に、種々の剤型の本発明による美白用皮膚外用剤の配合例を、実施例として説明する。なお、植物抽出物の配合量は、乾燥残分量である。
【0047】
Figure 2004352658
(製法)
(15)に(4)、(6)〜(10)を加え、加熱して70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(3)、(5)、(11)〜(14)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、バニシングクリームを得た。
【0048】
Figure 2004352658
(製法)
(17)に(9)〜(12)、(16)を加え加熱して70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(8)、(13)〜(15)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、中性クリームを得た。
【0049】
Figure 2004352658
(製法)
(13)に(8)、(10)、(11)および(12)を加え、加熱溶解して70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(7)、(9)、(14)〜(17)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相をかきまぜながら徐々の加え、反応を行った。反応終了後、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却し、コールドクリームを得た。
【0050】
Figure 2004352658
(製法)
(2)、(3)、(5)を50℃に昇温した後、(4)、(10)を加え完全に溶解した油相パーツに(1)を加えて均一に分散を行ったものに、(12)へ(6)、(7)、(8)、(11)を溶解させた水相パーツを50℃に加温して添加を行い、HMにて均一分散した後、室温まで冷却し、油中水型乳化組成物を得た。
【0051】
Figure 2004352658
(製法)
(17)と(10)に、(16)および(7)を加温溶解し、さらに(6)、(8)、(9)、(11)〜(13)を溶解して、70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(5)、(14)、(15)、(18)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0052】
Figure 2004352658
(製法)
(17)と(10)に、(16)および(7)を加温溶解し、さらに(6)、(8)、(9)、(11)〜(13)、(15)を溶解して、70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(5)、(14)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0053】
Figure 2004352658
(製法)
(17)と(9)に、(15)、(16)および(6)を溶解し、さらに(5)、(7)、(8)、(10)〜(12)、(14)を溶解して、70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(4)および(13)、(18)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0054】
Figure 2004352658
(製法)
(15)に(13)を加熱溶解し、さらに(14)、(5)〜(10)を溶解して、70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(4)、および(11)、(12)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0055】
Figure 2004352658
(製法)
(12)に(7)、(9)および(10)、(16)を加え、加熱溶解して70℃に保った(水相)。また、(6)に(11)を加えて溶解した(アルコール相)。一方、(1)〜(5)、(8)(13)、(14)、(15)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した。これをかきまぜながらアルコール相を加えた。その後かきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0056】
Figure 2004352658
(製法)
(16)に(9)、(11)〜(14)を加え、加熱して70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(8)、(10)、(15)、(17)〜(20)を混合し、加熱溶解して70℃に保った(油相)。油相をかきまぜながら、この油相に水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に乳化した。乳化後、よくかきまぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0057】
Figure 2004352658
(製法)
(1)〜(8)を溶解し(油相)、(9)〜(16)を溶解し(水相)、油相に水相を添加し、乳化し、乳液を得た。
【0058】
Figure 2004352658
(製法)
溶解した(B)相に、溶解した(A)相を添加し、乳化後、(C)相で中和し、乳液を得た。
【0059】
Figure 2004352658
(製法)
(14)に(11)、(5)、(3)および(8)を均一に溶解した(水相)。一方、(1)に(2)、(4)、および(6)、(7)、(12)、(13)を溶解し、これを水相に添加した。次いで(9)、(10)で中和させ増粘して、ゼリーを得た。
【0060】
Figure 2004352658
(製法)
80℃にて水相を調製し、50℃に冷却した。次いで室温で調製したアルコール相を添加後均一に混合し、放冷する。
【0061】
Figure 2004352658
(製法)
室温にて水相を均一に調製した。ここに、室温にて調製したアルコール相を加し、均一に混合して粉末入りパックを得た。
【0062】
Figure 2004352658
(製法)
(8)に(6)、(7)を加え、70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(5)を70℃にて混合溶解した(油相)。水相に油相を添加し、ホモミキサーで均一に乳化後、冷却し、吸水軟膏を得た。
【0063】
Figure 2004352658
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一溶解後、アルコール相を水相に添加し、均一に混合した。
【0064】
Figure 2004352658
(製法)
水相およびアルコール相をそれぞれ均一に溶解後、アルコール相を水相に添加し、均一に混合した。
【0065】
上記実施例7〜24の皮膚外用剤はいずれも美白効果試験において優れた効果が認められた。
【0066】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、チロシナーゼ活性阻害効果およびサイクリックAMP(cAMP)産生阻害効果を併せ持ち、優れたメラニン生成抑制効果、美白効果を有する安全性の高い皮膚外用剤が提供される。

Claims (5)

  1. ヤマノイモ科 Dioscorea mexicana、マツグミ科 Loranthus sp.、ハイノキ科 Symplocos racemosa、マメ科 Pachyrrhizus erosus、マツ科 Cedrus deodara、ブナ科 Quercus lusitanica、ミソハギ科 Woodfordia fruticosa、ウルシ科 Mangifera indica、シクンシ科 Terminalia arborea から選ばれる1種または2種以上の植物、またはこれらの溶媒抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
  2. ヤマノイモ科 Dioscorea mexicana、マツグミ科 Loranthus sp.、ハイノキ科 Symplocos racemosa、マメ科 Pachyrrhizus erosus、マツ科 Cedrus deodara、ブナ科 Quercus lusitanica、ミソハギ科 Woodfordia fruticosa、ウルシ科 Mangifera indica、シクンシ科 Terminalia arborea から選ばれる1種または2種以上の植物、またはこれらの溶媒抽出物を有効成分として含有することを特徴とする美白用皮膚外用剤。
  3. ヤマノイモ科 Dioscorea mexicana、マツグミ科 Loranthus sp.、ハイノキ科 Symplocos racemosa、マメ科 Pachyrrhizus erosus、マツ科 Cedrus deodara、ブナ科 Quercus lusitanica、ミソハギ科 Woodfordia fruticosa、ウルシ科 Mangifera indica、シクンシ科 Terminalia arborea から選ばれる1種または2種以上の植物、またはこれらの溶媒抽出物を有効成分として含有することを特徴とするメラニン生成抑制剤。
  4. ヤマノイモ科 Dioscorea mexicana、マツグミ科 Loranthus sp.、ハイノキ科 Symplocos racemosa、マメ科 Pachyrrhizus erosus、マツ科 Cedrus deodara、ブナ科 Quercus lusitanica、ミソハギ科 Woodfordia fruticosa、ウルシ科 Mangifera indica、シクンシ科 Terminalia arborea から選ばれる1種または2種以上の植物、またはこれらの溶媒抽出物を有効成分として含有することを特徴とするチロシナーゼ活性阻害剤。
  5. ヤマノイモ科 Dioscorea mexicana、マツグミ科 Loranthus sp.、ハイノキ科 Symplocos racemosa、マメ科 Pachyrrhizus erosus、マツ科 Cedrus deodara、ブナ科 Quercus lusitanica、ミソハギ科 Woodfordia fruticosa、ウルシ科 Mangifera indica、シクンシ科 Terminalia arborea から選ばれる1種または2種以上の植物、またはこれらの溶媒抽出物を有効成分として含有することを特徴とするサイクリックAMP(cAMP)産生阻害剤。
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