JP4080169B2 - セッション確立方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セッション確立方法に関し、例えば、TCP/IPプロトコル上のポート番号を使って通信する端末のセッション確立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットなどのネットワークの普及により、電話やファクシミリ通信などのデータ通信を行う際、網として、従来のようなPSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network)だけを用いるのでなく、インターネットを用いるサービス(いわゆるインターネット電話やインターネットファクス)も徐々に広まりつつある。これはインターネットを用いることによる料金削減のメリットを活かそうとするものである。
【0003】
インターネットを介してTCP/IPプロトコルを用いて通信を行う場合、端末間でお互いに相手端末のIPアドレス及びポート番号にデータを送信する。このポート番号は、well-knownとして、いくつかのサービスの番号が、すでに割り当てられている。また、あるサービスでは、2つ以上のセッションを用いる必要があり、1番目のセッションはwell-known番号で通信するが、2番目以降のセッションは、ネゴシエーションにより、複数のポートの中からダイナミックにポート番号が割り当てられる場合もある。
【0004】
ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Section)勧告T.38に従ったInternet Aware Fax Device(以下、IAFDという)においては、制御セッションとしてwell-known番号となっている1720のポートを使ってデータの送受信が行われ、データセッションの部分は、制御セッションのSetupのOLC(Open Logical Channel:ITU−T勧告H.254で定義されている)でデータセッションで発呼側が受信する(着呼−>発呼方向)ためのポート番号を、ある範囲内のポート番号をランダムに指定し、ConnectのOLCでデータセッションで着呼側が受信する(発呼−>着呼方向)ポート番号を、ある範囲内のポート番号をランダムに指定することで、そのポート番号を使ったセッションが確立される。
【0005】
また、近年、セキュリティに関する強化が叫ばれ、以前ほど、インターネット内で自由に通信を行うことができなくなっている。例えば、ファイアウォールなどにより、内外部のアクセスのためのIPアドレスやポート番号を制限している場合も多い。イントラネット内で制限がある場合もある。また、既存サービスであっても、ネットワーク管理Policy上、対応するポート番号が使用できない場合もある。
【0006】
このような場合、上述セッション確立方法において、SetupのOLCに指定された発呼側で受信可能なポート番号が、着呼側でファイアウォールにより送信不可なポート番号であるときもあり、そのとき着呼側はRelease Completeにより応答し、セッションの確立を拒否する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような、ルーターにファイアウォールソフトウェアがインストールされた場合の端末間の通信にあっては、端末でファイアウォールの情報を全て管理することは端末側の負荷が大きいため、端末側ではファイアウォール側で受信あるいは送信を規制されているポート番号が分からず、端末間でセッションを確立してもルーターのファイアウォールソフトウェアによりデータの送受信ができず、通信できないという問題があった。
【0008】
また、着呼側で発呼側が指定したポート番号に送信できないときに、Release Completeにreason(セッション確立を拒否する理由)しか含んでいないので、発呼側で別のポート番号で再発呼するとしても、着呼側でどのポート番号で通信可能なのか分からず、セッション確立のSetupを繰り返し送信することとなり、セッション確立までに時間がかかるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、セッション確立の時間を短縮し、確立したセッションで確実に通信することができるセッション確立方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のセッション確立方法は、制御セッション用のポート番号を使って呼制御プロトコルの通信を行う際、発呼側端末が、着呼側端末とのデータ通信を行うときのポート番号を制御セッション上のネゴシエーションにより決めてからデータセッションを確立するセッション確立方法において、前記制御セッション用のポート番号を使って前記制御セッションの通信と前記データセッションの通信の両方を行う方法である。
【0011】
この発明では、制御セッションとデータセッションに同一のポート番号が使用されるため、セッション確立の時間を短縮し、ファイアウォールなどの設定を行わずに、確実に通信することができる。
【0012】
また、本発明のセッション確立方法は、前記発呼側端末が、前記制御セッション用のポート番号を使って前記着呼側端末が前記制御セッションの通信と前記データセッションの通信の両方を行う手順をできるまたはできるか不明を表すテーブルを参照し、前記テーブルを参照した結果から前記着呼側端末が前記手順をできるか不明と判明した場合、前記制御セッション用のポート番号を使って前記制御セッションの通信を行うことで前記着呼側端末に対して前記手順の可否を確認し、前記手順の可否を確認した結果から前記着呼側端末が前記手順をできると判明した場合、前記制御セッション用のポート番号を使って前記データセッションの通信を行う方法である。
【0013】
この発明では、相手装置が制御セッション用のポートをデータセッション用にも使うことを許しているかどうか分からない場合でも確認することができる。
【0014】
また、本発明のセッション確立方法は、前記発呼側端末が、前記制御セッションの通信に用いられるITU−T勧告H.225.0に規定されている非標準のパラメータを使って、前記着呼側端末に対して前記手順の可否を確認する方法である。
【0015】
この発明では、非標準のパラメータを使って着呼側端末に対して前記手順の可否を確認することができる。
【0016】
また、本発明のセッション確立方法は、前記発呼側端末が、前記制御セッションの通信と前記データセッションの通信の両方を行う前に、前記制御セッション用のポート番号を使って前記着呼側端末が前記制御セッションの通信と前記データセッションの通信の両方を行う手順をできるまたはできるか不明を表すテーブルを参照し、前記テーブルを参照した結果から前記着呼側端末が前記手順をできると判明した場合、前記制御セッション用のポート番号を使って前記データセッションの通信を行う方法である。
【0017】
この発明では、Setup,Connectなどの呼制御手順を省略しているので、送受信する信号数を削減することができる。
【0018】
また、本発明のセッション確立方法が、前記データセッションの通信は、ITU−T勧告H.225.0に規定されているinformation信号のUUIに格納されて行われる方法である。
【0019】
この発明では、データセッションで送受信するT.38の信号をH.225.0のInformation信号のUUIに格納して通信を行っているので、データセッション中でも呼制御信号を送受信することができる。
【0020】
また、本発明のセッション確立方法は、前記データセッションの通信が、ITU−T勧告T.38に準拠して行われる方法である。
【0021】
この発明では、Setup,Connectなどの呼制御手順を省略しているので、送受信する信号数を削減することができる。
【0022】
また、本発明のセッション確立方法は、前記制御セッションの通信および前記データセッションの通信の終了が、ITU−T勧告T.38に規定されているDCN信号を用いて行われる方法である。
【0023】
この発明では、呼制御信号のRelease Completeなどが不要となり、通信シーケンスを削減することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1〜図4は本発明に係るセッション確立方法を使ったネットワーク端末装置としてのネットワークファクシミリ装置の第1実施形態を示す図である。
【0045】
図1において、ネットワークファクシミリ装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、タイマ制御部14、オペポートI/F(インタフェース)部15、ハードディスクI/F(インタフェース)部16、SRAM(Static Random Access Memory)17、符号化復号化部18、スキャナI/F(インタフェース)部19、プロッタI/F(インタフェース)部20、キャラクタジェネレータ21、LAN通信制御部22がバス30を介して接続されている。
【0046】
CPU11は、ROM12内に格納されているプログラムに従って、装置各部を制御してネットワークファクシミリ装置の所定の動作を実行するものである。
RAM13は、装置各部の駆動条件や管理データ等の各種情報を記憶するとともに動作する上で必要なデータを記憶するものである。
【0047】
タイマ制御部14は、時間を管理するもので、CPU11からの問い合わせにより現在時刻を通知するとともに、CPU11からの要求を受けてから指定された時間が経過した時にCPU11に通知するものである。
オペポートI/F部15は、操作部15aが接続され、CPU11と操作部15aとの間のデータの送受信を制御し、操作部15aに装置の状態や、操作ガイダンスを表示するデータを送信するとともに、操作部15aに入力された装置に対する各種操作のデータをCPU11に送信するものである。
【0048】
ハードディスクI/F部16は、ハードディスク16aが接続され、ハードディスク16aへの書き込み、読み出しを制御するものである。
SRAM17は、登録された宛先電話番号や、その電話番号の宛先名や、各種設定等を記憶するものであり、電源OFF状態でも記憶した情報を保持するものである。
【0049】
符号化復号化部18は、読み取った送信する画像データを符号化したり、受信した圧縮された画像データの復号化を行なうものである。
スキャナI/F部19は、スキャナ19aが接続され、スキャナ19aが読み取った送信する原稿の画像データの制御を行うものである。
プロッタI/F部20は、プロッタ20aが接続され、画像データをプロッタ20aに送信し、プロッタ20aに記録出力させるものである。
【0050】
キャラクタジェネレータ21は、文字のフォント情報を保持するものである。
LAN通信制御部22は、物理層としてEthernetに対応し、LANプロトコル(TCP/UDP/IP)を制御してEthernetを介して他の端末との通信を制御するものである。
【0051】
このようなネットワークファクシミリ装置10は、図2に示すように、LAN通信制御部22がEthernetを介してルーター40に接続され、ルーター40を介してインターネット上の同種の他のネットワークファクシミリ装置10とIPプロトコルを用いて通信するようになっており、互いに相手端末のIPアドレスとそのIPアドレス上のポート番号を指定してデータを送信して通信を行うようになっている。ここで、ルーター40にはファイアウォールソフトウェアがインストールされており、管理者の設定でポート番号により通信が制限されるようになっている。
【0052】
また、ネットワークファクシミリ装置10は、TCP/IPやUDP/IPのパケット中にITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Section)勧告T.30に従った信号やMH圧縮した画データを含めて、インターネット内でIAFD(Internet Aware Fax Device)としてITU−T勧告T.38/T.30およびTCP/UDP/IPのプロトコルに従ってリアルタイムにファクシミリ通信を行う。
【0053】
図3は、T.38IAFDのシーケンス例である。T.38には、呼制御を行うセッション(制御セッション)と、実際のデータをやりとりするセッション(T.38を通じてT.30のプロトコルが実行されるセッション:データセッション)との2つのセッションが存在し、制御セッションで用いるポート番号はwell−knownとなっている1720であり、そのセッションは、ITU−T勧告T.38AnnexBで規定されている方式を用い、SetupとConnectによりデータセッションで用いるポート番号のネゴシエーションを行ってデータセッションを確立し、そのデータセッションでTCPまたはUDPデータの中にTPKTヘッダ(TCPの場合のみ)、T.38データ、T.30データを含んだデータをやりとりする。
【0054】
T.38AnnexBにおけるデータセッションのネゴシエーションは、ITU−T勧告H.323/H.225.0/H.245に従って行われる。データセッションが2つ用いられる場合(発呼(Sender)−>着呼(Receiver)方向、着呼−>発呼方向の2つ)発呼(送信)側は、SetupのOLC(Open Logical Channel:ITU−T勧告H.254で定義されている)で、データセッションで自分が受信する(着呼−>発呼方向)ためのポート番号を指定する。着呼(受信)側は、ConnectのOLCで、データセッションで自分が受信する(発呼−>着呼方向)ためのポート番号を指定する。
【0055】
このポート番号は、ユーザが、発呼時に操作部15aの表示に従って宛先のIPアドレスとデータセッション用のポート番号をキー入力して指定すると、CPU11が入力されたIPアドレスのポート番号1720に対し、SetupのfastStartという属性の、OLC内のforwardLogicalParametersのh2550LogicalChannelParametersのmediaChannelのTransportAddressに、入力されたポート番号を設定して送信する。
【0056】
着呼側ネットワークファクシミリ装置のCPU11は、Setupを受信すると、通信可能なポート番号があるか判定し、通信可能なポート番号があれば、Setupの送信元IPアドレスとポート番号をRAM13内に記憶し、発呼側ネットワークファクシミリ装置にそのポート番号をConnectのfastStartという属性の、OLC内のforwardLogicalParametersのh2550LogicalChannelParametersのmediaChannelのTransportAddressに設定して送信する。
【0057】
発呼側ネットワークファクシミリ装置のCPU11は、Connetctを受信すると、着呼側の受信ポート番号をRAM13内に記憶し、以降、お互いに記憶したポート番号にデータを送信してT.30に従った信号やMH圧縮した画データをやりとりしてファクシミリ通信を行う。
【0058】
このように本実施形態においては、発呼時に発呼側の受信用ポート番号を容易に指定して発呼しているので、常にファイアウォールに制限されないポート番号を指定することができ、確実に通信ができる。
【0059】
本実施形態の他の態様としては、図4に示すようなテーブルを持ち、発呼時に操作部15aの表示に従って宛先のホスト名をキー入力すると、CPU11が図4のテーブルを参照し、入力されたホスト名のIPアドレス欄のIPアドレスとポート番号欄のポート番号を操作部15aに表示する。ポート番号欄に複数のポート番号が登録されている場合は、通信可回数欄の数字が大きい順にリスト表示し、その中からポート番号を選択入力させ、ポート番号を決定する。
【0060】
その後、操作部15aの送信ボタンが押下されると、IPアドレス欄のIPアドレスに対し、OLCにポート番号欄のまたは選択されたポート番号を設定したSetupを送信するようにする。
【0061】
そして、セッションが確立し、データの送受信が正常に行われると、CPU11は、確立したセッションのポート番号の、図4に示すテーブルの通信可回数欄の数値に1加算するようにする。
【0062】
このように構成することによって、着呼側ネットワークファクシミリ装置により使用できるポート番号が限られていても、容易にセッションを確立し通信することができる。
【0063】
また、以前通信が可能であったポート番号を選択してセッションを確立することができるので、より確実に通信を行うことができる。
【0064】
次に、図5〜図7は本発明に係るセッション確立方法を使ったネットワーク端末装置としてのネットワークファクシミリ装置の第2実施形態を示す図である。なお、本実施形態は、上述実施形態と略同様に構成されているので、その図を流用して特徴部分のみ説明する。
【0065】
本実施形態のネットワークファクシミリ端末10は、ルーター40のファイアウォールソフトで通信不可としているポート番号を、図5に示すように予め設定されており、CPU11は、受信したSetupに設定されている発呼側の受信ポート番号から図5のテーブルを参照し、このポート番号がファイアウォールソフトウェアで通信不可であると判断すると、図6に示すようにRelease Completeを送信して呼設定を拒否するようになっている。
【0066】
このとき、CPU11は、Release CompleteのreasonにnonStandardReasonを含め、そこに着呼側で通信可能である発呼側の受信ポート番号を設定し、そのRelease Completeを発呼側に送信する。
【0067】
発呼側ネットワークファクシミリ装置のCPU11は、図7のフローチャートに示すように、発呼側の受信ポート番号をOLCに設定したSetupを着呼側に送信する(S11)。その後、Alert/Call−Procを受信してもなにも処理せず(S12)、それ以外を受信すると、Connectを受信したかを判定する(S13)。受信したものがConnectであれば、ConnectのOLCに設定されているポート番号を使って通信を開始する(S14)。
【0068】
受信したものがConnectでなければ、Release Completeであるか判定する(S15)。Release Completeでなければ処理を終了する。Release Completeであれば、reasonにnonStandardReasonが含まれているかをチェックし(S16)、含まれていなければ処理を終了する。含まれていれば、そこに設定されているポート番号をSetupのOLCに設定し(S17)、再度Setupを送信する(S11)。
【0069】
このように本実施形態においては、Setupで指定された発呼側の受信ポート番号が着呼側で通信不可の場合、Release Completeに着呼側で通信可能な発呼側の受信ポート番号を指定しているので、発呼側でそのポート番号を設定してSetupを送信することでセッションを確立することができ、着呼側ネットワークファクシミリ装置により使用できるポート番号が限られていても、確実にセッションを確立し通信することができる。
【0070】
本実施形態の第1の他の態様としては、Release CompleteのreasonのnonStandardReasonに通信可能であるポート番号を複数設定し、発呼側ではこれらのポート番号の中から通信可能なポート番号を選択して再発呼するようにする。
【0071】
また、図4に示すテーブルから、通信不可のポート番号は削除したり、着呼側からRelease Completeで通知された通信可能なポート番号を書き加えたりして書き換えるようにする。このように構成することによって、より確実にセッションを確立することができる。
【0072】
本実施形態の第2の他の態様としては、操作部15aから複数の発呼側の受信用ポート番号が指定されたり、RAM13内の図4に示すテーブル内のポート番号欄に複数の発呼側の受信用ポート番号が指定されているとき、SetupのOLCのforwardLogicalParametersのh2250LogicalChannelParametersのnonStandardフィールドに発呼側の受信用ポート番号を複数設定して送信し、着呼側ではこれらのポート番号の中から通信可能なポート番号を選択し、そのポート番号をConnectのOLCのforwardLogicalParametersのh2250LogicalChannelParametersのnonStandardフィールドに設定して送信するようにする。このように構成することによって、1回のSetup、Connectだけで確実にセッションを確立することができる。
【0073】
次に、図8は本発明に係るセッション確立方法を使ったネットワーク端末装置としてのネットワークファクシミリ装置の第3実施形態を示す図である。なお、本実施形態は、上述実施形態と略同様に構成されているので、その図を流用して特徴部分のみ説明する。
【0074】
本実施形態のネットワークファクシミリ装置10は、発呼側装置に着呼側の通信可能なポート番号が図8に示すように予め設定されており、データセッションの確立は発呼側装置主導で行われる。
【0075】
具体的には、発呼側装置のCPU11は、発呼時に操作部15aの表示に従って宛先のホスト名がキー入力されると、図8に示すようなテーブルを参照し、入力されたホスト名のIPアドレス欄のIPアドレスとポート番号欄のポート番号と相手ポート番号欄のポート番号を操作部15aに表示する。ポート番号欄に複数のポート番号が登録されている場合は、通信可回数欄の数字が大きい順にリスト表示する。また、相手ポート番号欄に複数のポート番号が登録されている場合も、通信可回数欄の数字が大きい順にリスト表示する。そして、その中からポート番号を選択入力させ、セッション確立要求するポート番号と相手ポート番号を決定する。
【0076】
その後、操作部15aの送信ボタンが押下されると、OLCにポート番号欄のポート番号を設定し、OLCのforwardLogicalParametersのh2250LogicalChannelParametersのnonStandardフィールドに相手ポート番号欄のポート番号を設定したSetupを送信する。
【0077】
一方、着呼側装置のCPU11は、Setupを受信すると、発呼側の受信ポート番号をRAM13内に記憶し、次いで、OLCのforwardLogicalParametersのh2250LogicalChannelParametersのnonStandardフィールドが設定されているかを判定し、設定されていれば、そのポート番号をRAM13内に記憶し、OLCにこのポート番号を設定したConnectを発呼側装置に送信する。
【0078】
発呼側装置のCPU11は、Connectを受信すると、Connectに設定されているポート番号をRAM13内に記憶し、データセッションでの通信を開始する。
【0079】
そして、データの送受信が正常に行われると、CPU11は、確立したセッションのポート番号および相手ポート番号の、図8に示すテーブルの通信可回数欄の数値に1加算するようにする。
【0080】
このように本実施形態においては、発呼側で着呼側の受信ポート番号を指定しているので、1回のSetup、Connectだけで確実にセッションを確立することができ、確実に通信を行うことができる。
【0081】
本実施形態の他の態様としては、発呼側装置でSetupのOLCのforwardLogicalParametersのh2250LogicalChannelParametersのnonStandardフィールドに着呼側装置の受信ポート番号を複数設定し、着呼側装置で、そのポート番号の中から通信に適したポートを選択して、そのポート番号をConnectのOLCに設定して送信するようにする。このように構成することによって、複数のポート番号からより通信に適したポート番号を選択できるので、より確実に通信を行うことができる。
【0082】
次に、図9〜図12は本発明に係るセッション確立方法を使ったネットワーク端末装置としてのネットワークファクシミリ装置の第4実施形態を示す図である。なお、本実施形態は、上述実施形態と略同様に構成されているので、その図を流用して特徴部分のみ説明する。
【0083】
本実施形態のネットワークファクシミリ装置10は、制御セッションで用いられるwell−knownとなっているポートをデータセッションにも使うことを特徴としている。
【0084】
ここで、相手装置が制御セッション用のポートをデータセッション用にも使うことが分かっている場合には、SetupとConnectの呼制御を省き、最初からITU−T勧告T.38に従ったシーケンスによりファクシミリ通信を行うようになっている。
【0085】
また、相手装置が制御セッション用のポートをデータセッション用にも使うことを許しているかどうか分からない場合は、SetupとConnectで呼制御を行い、通常の手順でデータセッションを確立するか、制御セッション用のポートをデータセッション用に使いT.38に従ったシーケンスにより通信を行う(1session手順の順番方式)か、制御セッション用のポートをデータセッション用に使いSetupとConnectと同じくITU−T勧告H.225.0に規定されているInformation信号のUUIにデータセッションでやり取りされるT.38信号を格納して通信を行う(1session手順のINFORMATION方式)か、をネゴシエーションするようになっている。
【0086】
具体的には、図9のフローチャートに示すように、発呼側装置のCPU11は、発呼時に操作部15aの表示に従って宛先のホスト名がキー入力されると、図11に示すようなテーブルを参照し、入力されたホスト名の1session方式可/不可欄が可能(○)であるか判定し(S21)、1session方式可の場合、ポート番号1720(TCP)に対してセッションをつくり、そのセッションに対して図11のテーブルの1session方式欄の方式によってCNGを送出し(S22)、ITU−T勧告T.38に従ってファクシミリ通信を行い(S23)、DCN送出後(S24)通信を終了する。
【0087】
1session方式不可の場合、Setupのh2250LogicalChannelParametersのNonStandardParameterに図12で示されるような、1session通信を行うための属性をあらわすobject id(ここでは、t38DataSessionとする)と、dataであるパラメータ値(Normal :通常手順、Single:1session手順の順番方式、INFORMATION UUI:1session手順のINFORMATION方式)を格納して送出する(S25)。
【0088】
その後、Connectを受信すると(S26)、そのh2250LogicalChannelParametersのNonStandardParameterの内容により1session方式の通信が可能か判定する(S27)。
【0089】
NonStandardParameterに1session通信を行うための属性をあらわすobject idが格納されており、かつ、パラメータ値にSingleまたはINFORMATION UUIが設定されている(1session方式が可能な)場合は、新たなセッションを確立せず、制御セッションと同一のセッション(ポート番号)にパラメータ値に設定された方式に従ってCNGを送出し(S22)、T.38に従ってファクシミリ通信を行い(S23)、DCN送出後(S24)通信を終了する。
【0090】
NonStandardParameterに1session通信を行うための属性をあらわすobject idが格納されていない、または、NonStandardParameterに1session通信を行うための属性をあらわすobject idが格納されており、かつ、パラメータ値にNormalが設定されている(1session方式が不可な)場合は、Connect中に設定されているT.38AnnexBに従ったネゴシエーションの結果によって、データセッションを1つまたは2つ確立し(S28)、新たに作られたセッションを用いてCNGを送出し(S29)、T.38に従ってファクシミリ通信を行い(S30)、DCN送出後(S31)、制御セッションにRelease Completeを送出して(S32)、通信を終了する。
【0091】
次に、1session方式が可能なネットワークファクシミリ装置10の着呼側装置としての動作を説明する。
【0092】
図10のフローチャートに示すように、CPU11は、ポート番号1720(TCP)でlistenを続け、信号を受信すると信号の種類がCNGであるか判定する(S41)。CNGを受信した場合、CEDを送出し(S42)、そのままT.38に従ってファクシミリ通信を行い(S43)、通信を終了する。
【0093】
信号の種類がCNGでない場合、Setupであるか判定し(S44)、Setupであれば、そのh2250LogicalChannelParametersのNonStandardParameterに、1session通信を行うための属性をあらわすobject id(ここでは、t38DataSessionとする)が格納されているものがあるかどうかを探し、1session通信を要求されているかを判定する(S45)。
【0094】
1session通信を行うための属性をあらわすobject idが格納されている(1session通信が要求されている)場合は、そのNonStandardParameterが1つであれば、その内容と同じ内容のNonStandardParameterを格納したConnectを作成して送り返す。そのNonStandardParameterが複数あれば(パラメータが、”Single”のNonStandardParameterと”INFORMATION UUI”のNonStandardParameterの両方を含む)、予め設定された優先的に選択する方式を設定したNonStandardParameterを格納したConnectを作成して送り返す(S46)。
【0095】
その後、新たなセッションを確立せず、同一セッション(ポート番号)内でCNGを待ち、CNG受信後CEDを送出し(S47)、T.38に従ったファクシミリ通信を行い(S48)、通信を終了する。
【0096】
Setupのh2250LogicalChannelParametersのNonStandardParameterに、1session通信を行うための属性をあらわすobject idが格納されているものがない場合は、T.38AnnexBでのネゴシエーションに従ったポート番号を設定したConnectを作成して送り返し(S49)、T.38AnnexBでのネゴシエーション結果に従ってデータ手順用のセッションを1つまたは2つ確立し(S50)、新たに作られたセッションでCNGを待ち、CNG受信後CEDを送出し(S51)、そのセッションを用いてT.38に従ったファクシミリ通信を行い(S52)、通信を終了する。
【0097】
受信した信号がCNGでもSetupでもない場合は、その信号は無視して終了する。
【0098】
このように本実施形態においては、well−knownとなっている制御セッションのポート番号をデータセッションの通信にも使用しているので、ファイアウォールなどの設定を行わずに、確実に通信を行うことができる。
【0099】
また、相手装置が制御セッションのポート番号をデータセッションの通信にも使うことを許可していることが分かっているときは、Setup,Connectなどの呼制御手順を省略しているので、送受信する信号数を削減することができる。
【0100】
また、非標準のパラメータを使って制御セッションのポート番号をデータセッションの通信にも使うかのネゴシエーションを行っているので、非標準の機能を備えていない装置との間でも標準の機能で通信を行うことができる。
【0101】
また、データセッションで送受信するT.38の信号をH.225.0のInformation信号のUUIに格納して通信を行っているので、データセッション中でも呼制御信号を送受信することができる。
【0102】
本実施形態の他の態様としては、1session手順の順番方式において、通信の終了をT.38信号の終了(T.30のDCN)により行うようにする。このように構成することによって、呼制御信号のRelease Completeが不要となり、通信シーケンスを削減することができる。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、発呼時に指定した発呼側受信用ポート番号によりセッションが確立され、そのセッションで通信しているので、通信可能な発呼側受信用ポート番号を指定することで容易にセッションを確立でき、確立したセッションで確実に通信することができる。
【0104】
また、発呼側で指定した発呼側受信用ポート番号では着呼側で通信ができないとき、着呼側で呼解放時に通信可能な発呼側受信用ポート番号を通知すれば、発呼側が着呼側で通信可能な発呼側受信用ポート番号を知ることができ、次の発呼時にそのポート番号を指定して、確実にセッションを確立でき、確立したセッションで確実に通信することができる。
【0105】
また、着呼側で呼解放時に通信可能な発呼側受信用ポート番号を複数通知すれば、発呼側で通信に適したポート番号を選択することができ、次の発呼時にそのポート番号を指定して、確実にセッションを確立でき、確立したセッションで確実に通信することができる。
【0106】
また、発呼側で、呼解放時に着呼側で通信可能な発呼側受信用ポート番号が通知されたとき、そのポート番号を設定して再発呼すれば、セッション確立の時間を短縮し、確立したセッションで確実に通信することができる。
【0107】
また、発呼時に着呼側受信用ポート番号を指定したときに、そのポート番号でセッションを確立すれば、セッション確立の時間を短縮し、確立したセッションで確実に通信することができる。
【0108】
また、発呼時に複数の着呼側受信用ポート番号を指定したときに、該複数の着呼側受信用ポート番号を呼設定要求に設定して送信すれば、着呼側で通信に適した受信用ポート番号を選択することができ、確実にセッションを確立し、確立したセッションで確実に通信することができる。
【0109】
また、発呼時に複数の発呼側受信用ポート番号を指定したときに、該複数の発呼側受信用ポート番号を呼設定要求に設定して送信すれば、着呼側で通信に適した発呼側受信用ポート番号を選択することができ、確実にセッションを確立し、確立したセッションで確実に通信することができる。
【0110】
また、IPアドレスおよびポート番号を、装置に対する各種操作を行なう操作部により指定するようにすれば、容易に通信可能なIPアドレスおよびポート番号を指定することができ、確実にセッションを確立し、確立したセッションで確実に通信することができる。
【0111】
また、IPアドレスおよびポート番号を、記憶装置内に記憶したデータにより指定するようにすれば、通信可能なIPアドレスおよびポート番号を設定しておき、そのIPアドレスおよびポート番号を容易に指定することができるので、確実にセッションを確立し、確立したセッションで確実に通信することができる。
【0112】
また、記憶装置内のデータを、通信の状態により書き換えるようにすれば、常に通信状態の良好なポート番号でセッションを確立することができるので、確実にセッションを確立し、確立したセッションで確実に通信することができる。
【0113】
本発明によれば、制御セッションとデータセッションで同一のポート番号を用いるので、確実にセッションを確立し、確立したセッションで確実に通信することができる。
【0114】
また、制御セッションのネゴシエーションにより制御セッション用のポートをデータセッションにも用いるかを決めれば、制御セッション用のポートをデータセッションにも用いることを許可しない端末との間では、従来のデータセッションを確立することができ、利便性を向上させることができる。
【0115】
また、制御セッションのネゴシエーションに非標準のパラメータを使用すれば、非標準の機能を使用しない端末との間では、標準のパラメータでの従来のデータセッションを確立することができ、利便性を向上させることができる。
【0116】
また、前手順、データ通信手順、後手順の順番に実行して通信を行うようにすれば、データ通信手順中の呼制御プロトコルの信号を無視することができ、処理の負担を軽減させることができる。
【0117】
また、データ通信手順の終了によりポート番号の使用の終了を認識するようにすれば、後手順を省略することができ、処理の負担を軽減させることができる。
【0118】
また、予め設定された端末との間では、制御セッションによるネゴシエーション無しに制御セッション用のポート番号をデータセッションにも用いるようにすれば、通信シーケンスを削減することができ、処理の負担を軽減させることができる。
【0119】
また、呼制御プロトコルの信号にデータ通信プロトコルの信号を埋め込むようにすれば、データ通信手順中にも呼制御プロトコルの信号を受け付けて他の処理を実行することができ、処理能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセッション確立方法を使ったネットワーク端末装置としてのネットワークファクシミリ装置の第1実施形態を示す図であり、その概略ブロック図である。
【図2】その接続形態を示す構成図である。
【図3】そのファクシミリ通信方法を示すシーケンス図である。
【図4】その他の態様を説明するテーブル構成図である。
【図5】本発明に係るセッション確立方法を使ったネットワーク端末装置としてのネットワークファクシミリ装置の第2実施形態を示す図であり、そのポート番号ごとの通信可/不可を示すテーブルの構成図である。
【図6】そのセッション確立拒否方法を示すシーケンス図である。
【図7】その発呼側装置の処理を説明するフォローチャートである。
【図8】本発明に係るセッション確立方法を使ったネットワーク端末装置としてのネットワークファクシミリ装置の第3実施形態を示す図であり、そのテーブル構成図である。
【図9】本発明に係るセッション確立方法を使ったネットワーク端末装置としてのネットワークファクシミリ装置の第4実施形態を示す図であり、その発呼側装置の処理を説明するフォローチャートである。
【図10】その着呼側装置の処理を説明するフォローチャートである。
【図11】そのテーブル構成図である。
【図12】そのパラメータ構成図である。
【符号の説明】
10 ネットワークファクシミリ装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 タイマ制御部
15 オペポートI/F(インタフェース)部
15a 操作部
16 ハードディスクI/F(インタフェース)部
16a ハードディスク
17 SRAM
18 符号化復号化部
19 スキャナI/F(インタフェース)部
19a スキャナ
20 プロッタI/F(インタフェース)部
20a プロッタ
21 キャラクタジェネレータ
22 LAN通信制御部
30 バス
40 ルーター
Claims (7)
- 制御セッション用のポート番号を使って呼制御プロトコルの通信を行う際、発呼側端末が、着呼側端末とのデータ通信を行うときのポート番号を制御セッション上のネゴシエーションにより決めてからデータセッションを確立するセッション確立方法において、
前記制御セッション用のポート番号を使って前記制御セッションの通信と前記データセッションの通信の両方を行うことを特徴とするセッション確立方法。 - 前記発呼側端末が、
前記制御セッション用のポート番号を使って前記着呼側端末が前記制御セッションの通信と前記データセッションの通信の両方を行う手順をできるまたはできるか不明を表すテーブルを参照し、
前記テーブルを参照した結果から前記着呼側端末が前記手順をできるか不明と判明した場合、前記制御セッション用のポート番号を使って前記制御セッションの通信を行うことで前記着呼側端末に対して前記手順の可否を確認し、
前記手順の可否を確認した結果から前記着呼側端末が前記手順をできると判明した場合、前記制御セッション用のポート番号を使って前記データセッションの通信を行うことを特徴とする請求項1に記載のセッション確立方法。 - 前記発呼側端末が、
前記制御セッションの通信に用いられるITU−T勧告H.225.0に規定されている非標準のパラメータを使って、前記着呼側端末に対して前記手順の可否を確認することを特徴とする請求項2に記載のセッション確立方法。 - 前記発呼側端末が、
前記制御セッションの通信と前記データセッションの通信の両方を行う前に、前記制御セッション用のポート番号を使って前記着呼側端末が前記制御セッションの通信と前記データセッションの通信の両方を行う手順をできるまたはできるか不明を表すテーブルを参照し、
前記テーブルを参照した結果から前記着呼側端末が前記手順をできると判明した場合、前記制御セッション用のポート番号を使って前記データセッションの通信を行うことを特徴とする請求項1に記載のセッション確立方法。 - 前記データセッションの通信が、ITU−T勧告H.225.0に規定されているinformation信号のUUIに格納されて行われることを特徴とする請求項2から請求項4までの何れかに記載のセッション確立方法。
- 前記データセッションの通信が、ITU−T勧告T.38に準拠して行われることを特徴とする請求項2から請求項4までの何れかに記載のセッション確立方法。
- 前記制御セッションの通信および前記データセッションの通信の終了が、ITU−T勧告T.38に規定されているDCN信号を用いて行われることを特徴とする請求項6に記載のセッション確立方法。
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