JP4080027B2 - 真空断熱体用の吸着剤、真空断熱体及び真空断熱体の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、連続した空間を持つ断熱性材料と内部の気体を吸着する吸着剤とを外周体で覆って形成した真空断熱体における吸着剤及び真空断熱体に関し、冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵室、冷凍室、加熱室、加熱炉等の箱体や壁材等として内部と外部との間を断熱する為の断熱構造部分に利用される。
【0002】
【従来の技術】
真空断熱体である真空断熱パネルとしては、従来、パネル材で覆われた心材と呼ばれるウレタンボードに対して、その経時変化によって発生するガスやパネル材から僅かに透過するガスを吸着して真空を維持する為のゲッター材と呼ばれる吸着剤をウレタンボードに接触させて配置した構造のものが一般的であった。しかしこの構造のものでは、ゲッター材が真空断熱パネルから突出した形状になっているため、これがパネルを装着する時の障害になることが多かった。
【0003】
この問題を解決するために、例えば、図5(a)に示す如く、粒状のゲッター剤3´を連通ウレタンから成る断熱用のスペーサ材2´中に混練して形成した真空断熱パネル1´や(特開昭61−65996号公報参照)、同図(b)に示す如く、シート型吸着剤として、従来のように水酸化カルシュウムや活性炭等のガス吸着剤を接着剤と混合し圧縮してシート型にしたゲッター材3´に周縁辺を持つアルミラミネートフィルムシート4´を連通硬質ウレタンフォームのスペーサ材2´と組み合わせて形成した真空断熱パネル1´が提案されている(特開平5ー256563号公報参照)
【0004】
しかしながら、前者の(a)の従来例では、ゲッター材としての活性炭をスペーサ材としの硬質ポリウレタンに練り込む場合、ウレタン自体が活性炭の表面に密着してガス吸着上必要となる多孔質の細孔を塞ぎ、活性炭を一様に混合したにもかかわらず、ガスの吸着効果を低下させるという問題がある。又、その効果の不確実性から、ゲッター材の最適な混合量の決定も難しくなる。更に、発泡時にゲッター材がウレタンの異物として作用する為、ゲッター材表面にスキン層が形成され、均質なウレタンを作る上でゲッター材の存在が障害になるという欠点もあった。
【0005】
後者の(b)の従来例では、ゲッター材をシート型にする為に活性炭等を細粒にして接着剤と混合するので、前例のウレタンと同様に、接着剤が細孔を塞ぐ作用をなし、吸着効果を低下させるという問題があった。又、活性炭等の吸着剤には柔軟性がないため、これをシート化するには製造や加工が難しいという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術に於ける上記問題を解決し、真空断熱体における吸着剤の吸着性能が良く、断熱性の良い状態を長期間維持でき、製造が容易で利用性の向上された吸着剤及びこれを用いた真空断熱体を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、発泡材を発泡させて製作され連続した空間を持つ断熱性材料を備えた真空断熱体内の気体を吸着するために用いられる吸着剤において、
一部分及び他の部分のうち少なくとも他の部分がほぼ平坦になっている底部と、該底部の面積より小さい面積になっている先端部と、前記底部と前記先端部との間の部分であって前記先端部の方向に断面積が減少している先端側部分を備えた間の部分と、を有し、前記断熱性材料に突き刺されて前記断熱性材料と接触して結合され接触面から前記気体を吸着するように形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、上記に加えて、吸着剤が通気性のある容器に入れられて形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1の発明の特徴に加えて、前記一部分が取扱用の凹部又は凸部の少なくとも何れかで形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、発泡材を発泡させて製作され連続した空間を持つ断熱性材料と内部の気体を吸着する吸着剤とを外周体で覆って形成した真空断熱体において、
前記吸着剤は、一部分及び他の部分のうち少なくとも他の部分がほぼ平坦になっている底部と、該底部の面積より小さい面積になっている先端部と、前記底部と前記先端部との間の部分であって前記先端部の方向に断面積が減少している先端側部分を備えた間の部分と、を有し、前記断熱性材料に突き刺されて前記断熱性材料と接触して結合され接触面から前記気体を吸着するように形成されていて、
前記底部が、前記断熱性材料の一面とほぼ同一面になるように用いられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、真空断熱体の製造方法が、
所定の大きさ及び形状の型枠内で発泡材を発泡させてパネル形状に断熱性材料を製作し、
吸着剤であって、一部分及び他の部分のうち少なくとも他の部分がほぼ平坦になっている底部と、該底部の面積より小さい面積になっている先端部と、前記底部と前記先端部との間の部分であって前記先端部の方向に断面積が減少している先端側部分を備えた間の部分と、を有し、前記断熱性材料に突き刺されて前記断熱性材料と接触して結合され接触面から前記気体を吸着するように形成されている吸着剤を製作し、
前記吸着剤を前記底部が前記断熱性材料の表面とほぼ同一平面になるように前記断熱性材料に突き刺して前記断熱性材料と結合し、
前記断熱性材料をフィルム状の容器で覆い、
該容器の中を高度の真空状態にして該容器を密閉する、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項4又は5に記載の真空断熱体又は真空断熱体の製造方法において、前記吸着剤が通気性のある容器に入れられて形成されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用した真空断熱体及びその吸着剤例を示す。
同図(a)に示す如く、真空断熱体である真空断熱パネル1は、断熱性材料としてのスペーサ材2及び吸着剤としてのゲッター材3を外周体としてのフィルム状容器4で覆って形成されている。スペーサ材2としては、例えばプラスチック発泡体であるウレタンフォームから成る連続した空間を持ち軽量で断熱効果の大きい断熱性材料が用いられる。ゲッター材3は、後述するように、スペーサ材2に突き刺すことによって取り付けている。フィルム状容器4は、例えばアルミニウムを蒸着したラミネートフィルムでできていて、ガスバリアー性即ち気体の難透過性を備えている。
【0014】
ゲッター材3は、真空断熱パネル1内の気体を吸着するために用いられ、活性炭等の吸着性材料から成り、同図(b)に示す如く、底部31、先端部32及びこれらの間の部分である胴体部33で構成されている。底部31は、本例では全面が一様なほぼ平坦面になっている。先端部32は、底部31の面積より小さい面積になっていればよいが、本例では最小面積として点状になっている。胴体部33は、先端部33の方向に断面積が減少している先端側部分33aを備えていて、この部分と先端部32とで尖頭部を形成している。従って、本例のゲッター材は、円錐体形状になっていて尖頭部のみで構成されている。
【0015】
(c)はゲッター材3の他の例を示す。この例では、先端側部分33aが截頭円錐体で形成されている。先端部32の面積は、底部31より小さい面積としてその1/10程度になっている。この面積は、ゲッター材の大きさやスペーサ材の強さ等の性質にもよるが、底部面積の1/5〜1/10程度以下になっていることが望ましい。このように先端部に一定の面積を付加した構造にすることにより、ゲッター材3の種類や性状によってその脆性が大きくても、先端の折れや欠けを防止することができる。又、胴体部33には、先端側部分33aに連続した円柱状の底側部分33bが設けられている。このように断面の一様な部分を設ければ、スペーサ材2との接触面積を多くしてガス吸着能力を大きくすることができる。
【0016】
(d)及び(e)はゲッター材3の尖頭部を成す先端側部分33aの他の形状例を示す。
(d)は錐体の一例として三角錐形状を示す。この形状のものは、単純な4面体であるので、その加工が容易である。但し、錐体としては、例示した円錐及び三角錐の外、四角錐及びこれ以上の多角錐、底面が楕円形等の変形錐体等であってもよい。又、前記(c)に示す如く、先端部32として截頭部を備えた截頭錐体であってもよい。
【0017】
(e)は、三角柱の一面を底部31としその反対側を先端部32とした例である。更に、截頭角柱、截頭円柱、截頭楕円柱等の截頭柱体や、欠球 截頭欠球欠楕円体、方光体等の特殊な形状のものであってもよい。なお、(b)、(d)等のように、胴体部33は、尖頭部を成す先端側部分33aのみで構成されていてもよく、又、(c)、(f)に示す如く、これに連続した柱体を成す底側部分33bが形成されていてもよい。
【0018】
(g)は、ゲッター材のより単純な形状として、例えば鉛筆の芯程度の太さで10〜20mm程度の長さの細長い芯状である例を示す。このものは、(a)の真空断熱パネルでは、その長さ方向がフィルム状容器4の一面にほぼ直角な方向になるように、スペーサ材2に突き刺し挿入することにより用いられる。従って、その直径と長さとは、突き刺し易さと突き刺し時に折れないこと等を考慮して決められる。
【0019】
この形状のものは、1本では吸着能力が小さいが、多本数の使用が容易であり、例えば全体的に分布させ、真空断熱パネルにおける均一なガス吸着性や断熱性を得ることができる。又、適当な平面状の用具で差し込むことにより、その後端側をスペーサ材の面に揃えるのが容易である。そして、断面が一様な形状になっているので、挿入状態が安定して維持される。なお、断面が多角形状等他の形状であってもよいことは勿論である。
【0020】
図2はゲッター材の他の例を示す。
(a)のゲッター材3は、その底部31、先端部32及び胴体部33がペレット状の先端側容器5及び全体をカプセル状にするための後端側容器6に入れられて形成されている。先後端の容器5、6は、ゲッター材を入れられるように先端容器5が後端容器6内に分離可能に嵌まり込んでいる。これらの容器に入れられたゲッター材3は、スペーサ材2内に突き刺され、その状態で真空断熱パネルとして形成される。そして、容器5、6が材料自体の性質又は適当な加工によって通気性を持つように形成されていて、容器を介してスペーサ材2内の気体が吸着される。
【0021】
この例のものでは、ゲッター材としての活性炭等は、容器の形状に近い形状に一体化されたものでもよいが、通常の製造されたときの形状である小さい粒状のものであってもよい。小粒状のものをそのまま用いる場合には、結合するための接着剤は全く不要になると共に、ガス吸着表面が最大になる。従って、ガス吸着性能も最も良い状態になる。
【0022】
(b)及び(c)は、ゲッター材3の底部31のうちの一部分に、それぞれゲッター材取扱用の凹部としての穴31a及び凸部としての突起31bを設けた例を示す。これらの穴及び突起は同時に設けられてもよい。このような部分を設けると、ゲッター材3をスペーサ材2に突き刺すときの作業を機械化するような場合に、使用する工具等を穴や突起に嵌合させ、容易に接続することができる。又、手作業の場合にもその保持及び取扱い性が良くなる。なお、突起31bは、ゲッター材をスペーサ材に装着した後に折り取られる。このため、切断容易なように突起を適当な大きさにしたり、適当な切れ目を入れておいてもよい。
【0023】
図3は真空断熱パネルの他の例を示す。
真空断熱パネルとしては、種々の形状や材質のゲッター材と組み合わせて、その使用目的に合わせて種々の形状や構造のものを製造できるが、本例では、3種類の円錐体状のゲッター材3a、3b、3cを配置して真空断熱パネル1形成している。それぞれのゲッター材内には同一種類の活性炭等が入れられるが、異なった種類のものでもよい。このように種類の違ったゲッター材を組み合わせれば、スペーサ材2に対応してゲッター材を配合し、量や性状を調整して良好な吸着効果を発揮させることができる。
【0024】
以上のようなゲッター材及びこれを使用した真空断熱パネルは、例えば次のように製造される。
スペーサ材2は、真空断熱パネル1の大きさ及び形状の型枠内で発泡材を発泡させてパネル形状に製作する。ゲッター材3は、図1に示すような種々の形状のうちの何れかの形状に製作される。例えば活性炭の場合には、通常、図1に示すゲッター材3として出来上がったものよりは小粒であるため、少量の接着剤によってこれらを目的とする形状に仮に結合又は焼結して必要な強度が出るように製造する。
【0025】
スペーサ材2とゲッター材3とは、尖頭部を備えたゲッター材3をその底部31がスペーサ材2とほぼ同一平面になるようにスペーサ材2内に突き刺すことによって結合される。この場合、ゲッター材自体がスペーサ材を押し広げつつ突き刺さるので、スペーサ材2に予め穴明けや切り欠き加工を行なってゲッター材用のスペースを設けておく必要がない。従って、ゲッター材の取付作業は容易である。この作業は、直接人手により、又は適当な工具を用いて行われる。工具を用いる場合には、図2(b)、(c)に示す底部の穴33a又は突起33bを有効に利用できる。
【0026】
図4は、ゲッター材3が図1(b)に示す円錐体である場合に、これをスペーサ材2内に突き刺すときの力の状態を示す。
ゲッター材3が例えば10mm程度のサイズで小さい場合には、これを突き刺すときの力はそれ程問題にならないが、ある程度サイズが大きくなると突き刺す力も大きくなる。このときの状態は楔を打ち込むときと同様であり、同図(a)に示す如く、ゲッター材3は、突き刺し力Pに対して、スペーサ材2から、ゲッター材3の円錐斜面に均一な垂直反力Nと斜面方向摩擦力Fとを受ける。
【0027】
これらの合力Rは、同図(b)の力の多角形に示すように突き刺し力Pと釣り合う。N及びFは、ゲッター材が突き刺さっていくときの接触面積や面圧等によって決まる。この場合、スペーサ材2が連続した空間を持つ多孔質材で諸強度が低いため、ゲッター材3が突き進むと、材料が塑性変形に近い変形をしたり局部的に破断して順次空間部が縮小し、材料自体の圧密度は高くなるが、突き刺しの終端近くになっても面圧がそれ程高くなるということはない。従って、余り大きな垂直反力は生じない。
【0028】
又、スペーサ材2は、全体としてはある程度の圧縮強度等を持つが、上記のように局部的には変形や剪断され易いので、ゲッター材表面に凹凸があっても、スペーサ材2と摺動するときに大きな摩擦力は発生しない。なお、図2のようにゲッター材3が容器に入れられている場合には、その表面が滑らかであるため摩擦力は更に小さくなる。
【0029】
従って、このような垂直力N及び摩擦力Fの合力として作用する突き刺し抵抗Rはそれ程大きくならないので、本発明のように尖頭部を持つゲッター材を用いることにより、その大きさが多少大きくなっても、スペーサ材に容易に突き刺すことができる。なお、スペーサ材はそれ自体軟質であると共に空間部を持つので、先端の尖ったゲッター材を突き刺しても、スペーサ材に応力集中による亀裂が進行したり残留応力が発生することはなく、従ってスペーサ材がゲッター材部分で破断するようなことはない。そして、断熱特性は良好に維持される。
【0030】
一方、スペーサ材2は、上記のように小さいとは言え適度の弾性と摩擦係数とを備えているので、スペーサ材2内にゲッター材を突き刺すと、抜け出すことなくその状態は安定して保持される。そして、その底面31がほぼ平坦面になっているので、フィルム状容器4に沿って安定して保持される。
【0031】
なお、図4ではゲッター材の先端が尖った円錐体である場合について説明したが、他の種々の形状の場合にも、ほぼ同様の作用により、これをスペーサ材に容易に突き刺すことができる。例えば図1の(c)や(f)のものでは、先端32が截頭部になっているが、この面積が小さいので、ゲッター材を突き刺したときに、截頭部が強度の低いスペーサ材を破壊して容易に進行することができる。傾斜部については図4で説明したとおりである。
【0032】
スペーサ材2にゲッター材3が装着されると、従来の製法と同様に、これらをフィルム状容器4で覆い、図示しない真空ポンプ等を用いて容器内を高度の真空状態にし、溶着等によって容器を密閉して真空断熱パネルを完成する。
【0033】
以上のような真空断熱パネルは、その製造時のゲッター材の突き刺し工程とスペーサ材の諸特性とがよく適合しているため、本発明により、ゲッター材の装着作業を極めて容易に行うことができる。そして、ゲッター材表面の多孔が接着剤や発泡時にスペーサ材の溶融・密着によって塞がれることがないため、ゲッター材のガス吸着性能が高く且つ長期間良好に維持され、真空断熱パネルの断熱性効果を良くすることができる。又、ゲッター材をスペーサ材内部に差し込むので、パネル表面に突出部分ができず、真空断熱パネルの設計や製造を容易にし、又その利用時の便利性を向上することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、請求項1の発明においては、吸着剤が、ほぼ平坦な底部とこれより小さい面積になっている先端部と先端部の方向に断面積が減少している先端側部分を備えた間の部分とを有するので、先端部を断熱性材料に突き刺してその中に入れ、底部をこれとほぼ同一平面にすることができる。その結果、従来のように断熱性材料に予め穴明け等の加工をしておく必要がなり、その取り付け作業が極めて容易になる。又、底部と断熱性材料とを同一平面にできるので、真空断熱体の設計や製作が容易になると共に、その利用性を向上することができる。
【0035】
なお、吸着剤を断熱性材料に突き刺す作業が、連続した空間を持つ断熱性材料の強度特性等を好都合に利用できるので、突き刺すために大きな力を必要とせず、突き刺し後その状態が安定して保持され、その作業自体も極めて容易に行うことができる。
【0036】
又、このように既に発泡成形された断熱性材料に吸着剤を適用するため、従来の吸着剤を混合して発泡させる場合のように、断熱材自体によって吸着剤の多孔が密着閉塞されることがない。又、従来の吸着剤を微粉にしてシート状に加工する場合のように、多量の接着剤によって前記多孔が閉塞されることもない。その結果、吸着剤のガス吸着性能が良く、真空断熱体の断熱性能の良い状態を長期間維持することができる。又、吸着剤の使用量を減少させることもできる。
【0037】
更に、吸着剤が突き刺しによって取り付けられるので、その取付個数を自由に増減できる。従って、断熱性材料の性質、即ち発生させるガスの種類や量や、真空断熱体を覆う外周体の外気透過量等により、吸着剤の種類や個数を自由に調整し、真空断熱体の断熱性能の維持に最適な状態を実現することが可能になる。この場合、吸着剤が、先端部分のみでなくそこから断面積の拡大された部分を備えているので、単一の吸着剤のガスの吸着効果を大きくすることができる。
【0038】
請求項2の発明においては、上記に加えて、吸着剤が通気性のある容器に入れられて形成されているので、吸着剤の表面が均一化され、その断熱性材料への突き刺し時の摩擦抵抗を小さくし、その取付作業を一層容易にすることができる。又、吸着剤を接着剤や焼結等によって結合する必要がなくなるので、これを全く用いない吸着剤では、その製造が一層容易になると共に、ガス吸着性能が更に良くなる。そしてこの場合には、例えば小粒の活性炭をそのままの状態で使用することができるので、吸着剤の成形作業が極めて簡単になると共に、その表面積が最大になり気体吸着性能を一層向上させることができる。
【0039】
請求項3の発明においては、請求項1の発明に加えて、底部の一部分に吸着剤取扱用の凹部や凸部を設けているので、その取扱いが容易になり、真空断熱体の製造を機械化する場合等に、突き刺しのための工具等の装着を容易にすることができる。
【0043】
請求項4及び5の発明によれば、連続した空間を持つ断熱性材料と内部の気体を吸着する吸着剤とを外周体で覆って形成した真空断熱体の吸着剤を、請求項1と同じ構成のものにするので、真空断熱体及び真空断熱体の製造方法において請求項1と同じ作用効果を得ることができる。
【0044】
請求項6の発明によれば、連続した空間を持つ断熱性材料と内部の気体を吸着する吸着剤とを外周体で覆って形成した真空断熱体の吸着剤を、請求項2と同じ構成のものにするので、請求項4及び5の真空断熱体及び真空断熱体の製造方法において請求項2と同じ作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した真空断熱パネル及びゲッター材の構造例を示し、(a)は真空断熱パネルの断面図、(b)乃至(g)はゲッター材の各種形状を示す斜視図である。
【図2】(a)乃至(c)はゲッター材の他の例を示す斜視図である。
【図3】真空断熱パネルの他の例を示す断面図である。
【図4】(a)はゲッター材を突き刺すときの力の状態を示す説明図で、(b)は力の多角形を示す説明図である。
【図5】(a)及び(b)は従来の真空断熱パネルの例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 真空断熱パネル(真空断熱体)
2 スペーサ材(断熱性材料)
3 ゲッター材(吸着剤)
3a、3b、3c ゲッター材(吸着剤)
4 フィルム状容器(外周体)
5 先端側容器(容器)
6 後端側容器(容器)
31 底部
31a、 穴(凹部、一部分)
31b 突起(凸部、一部分)
32 先端部
33 胴体部(間の部分)
33a 先端側部分
33b 底側部分
Claims (6)
- 発泡材を発泡させて製作され連続した空間を持つ断熱性材料を備えた真空断熱体内の気体を吸着するために用いられる吸着剤において、
一部分及び他の部分のうち少なくとも他の部分がほぼ平坦になっている底部と、該底部の面積より小さい面積になっている先端部と、前記底部と前記先端部との間の部分であって前記先端部の方向に断面積が減少している先端側部分を備えた間の部分と、を有し、前記断熱性材料に突き刺されて前記断熱性材料と接触して結合され接触面から前記気体を吸着するように形成されていることを特徴とする吸着剤。 - 通気性のある容器に入れられて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の吸着剤。
- 前記一部分が取扱用の凹部又は凸部の少なくとも何れかで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の吸着剤。
- 発泡材を発泡させて製作され連続した空間を持つ断熱性材料と内部の気体を吸着する吸着剤とを外周体で覆って形成した真空断熱体において、
前記吸着剤は、一部分及び他の部分のうち少なくとも他の部分がほぼ平坦になっている底部と、該底部の面積より小さい面積になっている先端部と、前記底部と前記先端部との間の部分であって前記先端部の方向に断面積が減少している先端側部分を備えた間の部分と、を有し、前記断熱性材料に突き刺されて前記断熱性材料と接触して結合され接触面から前記気体を吸着するように形成されていて、
前記底部が、前記断熱性材料の一面とほぼ同一面になるように用いられていることを特徴とする真空断熱体。 - 所定の大きさ及び形状の型枠内で発泡材を発泡させてパネル形状に断熱性材料を製作し、
吸着剤であって、一部分及び他の部分のうち少なくとも他の部分がほぼ平坦になっている底部と、該底部の面積より小さい面積になっている先端部と、前記底部と前記先端部との間の部分であって前記先端部の方向に断面積が減少している先端側部分を備えた間の部分と、を有し、前記断熱性材料に突き刺されて前記断熱性材料と接触して結合され接触面から前記気体を吸着するように形成されている吸着剤を製作し、
前記吸着剤を前記底部が前記断熱性材料の表面とほぼ同一平面になるように前記断熱性材料に突き刺して前記断熱性材料と結合し、
前記断熱性材料をフィルム状の容器で覆い、
該容器の中を高度の真空状態にして該容器を密閉する、
ことを特徴とする真空断熱体の製造方法。 - 前記吸着剤が通気性のある容器に入れられて形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の真空断熱体又は真空断熱体の製造方法。
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