JP4079660B2 - 高周波回路基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波・ミリ波に適用可能な高周波技術に係り、特に基板同士を電磁界結合により接続する際の位置精度を緩和でき、また、電磁界接続部の密着性を向上させた状態で必要な位置精度が容易に確保できる高周波回路基板とその接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の高周波回路にあっては、ミリ波マルチチップモジュール(MCM)とアンテナを接続する場合、多くは同軸ケーブルまたは導波管が用いられていた。また比較的大規模なモジュールでは、高周波回路基板同士の接続にも、同様な手段が用いられてきた。そのため、高周波回路基板やアンテナには、導波管変換構造、または同軸コネクタ等を設ける必要があった。
【0003】
一方、小型化・低コスト化を図ることを目的とする従来技術として、同軸ケーブルや導波管を用いない方法が提案されている。例えば、高周波回路基板のマイクロストリップ線路と、平面アンテナのマイクロストリップ線路をワイヤボンディングで接続する従来技術(具体的には、Y. Hirachiら、1999年European Microwave Conference, Digest, vol.3, pp.347−350)が開示されている。また、アンテナ基板裏面に集積回路をフリップチップ実装し、ビアホールまたは電磁界結合により接続する従来技術(具体的には、G. Baumannら、1995年IEEE MTT−S International Microwave Symposium, Digest, pp.1639−1642または Y. Amanoら、1999年European Microwave Conference, Digest, Vol.2, pp.301−304)が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記ワイヤボンディングを用いる従来技術では、特に高利得のアレイアンテナを接続する場合に、給電線の損失が大きくなるという問題点があった。一方、上記アンテナ基板等、比較的大きな基板に集積回路を実装する従来技術には、平面パターン精度あるいは平坦性の確保が困難であって、フリップチップ実装、またはBGA(Ball Grid Array)実装等のような精度のよい実装技術が適用できないという問題点があった。
【0005】
このような問題点を解決することを目的とする従来技術としては、例えば、特開平9−237867号公報に記載のものがある。
【0006】
上記特開平9−237867号公報に記載の従来技術では、アンテナ回路基板および高周波デバイス回路基板の接続に伴う損失を低減し、小型で量産可能な高周波パッケージの構造が考案されている。
【0007】
図14は、従来技術における高周波回路基板の主要構造断面図である。図14を参照すると、第1の高周波回路基板1には、第1の誘電体層3と、第1の導体層41に形成されたスロット4と、第2の誘電体層5と、第2の導体層24に形成された高周波伝送線路6が形成されている。また第2の高周波回路基板2はアンテナ素子(不図示)を含み、第1の高周波回路基板1に積層されることにより接続される。第2の高周波回路基板2には、第1の高周波回路基板1と同様に第3の誘電体層9と、第3の導体層51により形成されたスロット10と、第4の誘電体層11と、第4の導体層52が形成されている。ただし、第1の高周波回路基板1と対向する面には、高周波伝送線路12が形成されており、反対側の面には、導体パターンによりアンテナ素子34が形成されている。アンテナ素子34で受信された電波信号は、第2の高周波回路基板2に形成されたスロット10を介して、電磁界結合により、高周波伝送線路12に導かれる。さらに、第1の高周波回路基板1に形成されたスロット4を介して、電磁界結合により高周波伝送線路6に到達する。
【0008】
しかしながら、実際上問題となるのは、第1の高周波回路基板1の積層精度である。この構成を含み、積層を用いて作製したパッケージの従来技術としては、例えば、郡山ら、電子情報通信学会、信学技報ED−99−214/MW99−146,p.35−42に記載のものがある。しかしながら、この従来技術は、図14に示す第2の高周波回路基板2に形成された高周波伝送線路12とスロット4の位置合わせ精度の要求が厳しいという問題点があった。
【0009】
次に、例えば、動作周波数を60GHzとし、誘電体の比誘電率を10、接続線路をマイクロストリップ線路とした場合の、スリットとマイクロストリップ線路の(信号方向への)位置ずれ量と、接続損失の増分量を図13に示す。図13を参照すると、挿入損失の増分を0.5dBと規定した場合、許容される位置ずれは±0.15mm程度になってしまう。この精度を満たしかつ量産可能な技術として、セラミック材を用いて第1の高周波回路基板1および第2の高周波回路基板2を一括形成する方法がある。この方法では、第1の高周波回路基板1と第2の高周波回路基板2とは、同質の材料を用いるという限定条件が必要となる。さらに、誘電率の異なる基板を使用する場合、内層部品が含まれる場合、キャビティ構造を有する場合、あるいは、基板が比較的大きい場合などでは、焼成により設計通りの素子寸法や素子値が形成することが難しくなり、著しい歩留まり低下を引き起こすという問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点を解決することを目的とする従来技術としては、別々に形成された高周波回路基板を接続する方法として、AuSnなどの合金、はんだ、エポキシ樹脂等を用いて接着する方法が、特開平9−237867号公報に記載されている。しかしながら、このように、別々に形成された高周波回路基板を接着する従来技術では、電磁界の漏洩がないように両基板が密着している必要がある。例えば、一般的なセラミック形成技術を用いた場合、1センチ平方あたり0.03〜0.06mmのそりが発生する。したがって、特に大規模なマルチチップモジュール等で基板面積が大きい場合にあっては、接続部を密着させることが難しく、両基板のグランド同士が効果的に接続できないという問題点があった。
【0011】
さらに、この従来技術では位置精度の要求を満たすことが困難であるという問題点もあった。例えば、位置精度として例えば±0.15mmが要求された場合、高い位置合わせ精度を有するマウンターが必要となる。また、高い位置合わせ精度を容易に確保する方法としては、セルフアライン・プロセスによるBGA実装が考えられるが、基板のそりが大きい場合には適用困難であるという問題点があった。
【0012】
本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基板同士を電磁界結合により接続する際の位置精度を緩和でき、また、電磁界接続部の密着性を向上させた状態で必要な位置精度が容易に確保できる高周波回路基板とその接続方法を提供する点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、少なくとも第1の誘電体層と、第1の導体層と、第2の誘電体層と、第2の導体層とがこの順で積層された構造を含み、第1の導体層に第1のスロットが形成され、第2の導体層に給電線路が形成され、第1の誘電体層の表面側に第1のグランドが配され、前記第1のグランドにおいて第1のスロットに対応する部分が、その第1のスロットよりも広く開口された構造を有する第1の高周波回路基板と、少なくとも第3の誘電体層と、第3の導体層と、第4の誘電体層と、第4の導体層がこの順で積層された構造を含み、第3の導体層に第2のスロットが形成され、第4の導体層に給電線路が形成され、第3の誘電体層の表面側に第2のグランドが配され、第2のグランドにおいて第2のスロットに対応する部分が、その第2のスロットよりも広く開口された構造を有する第2の高周波回路基板を備え、第1の誘電体層と第3の誘電体層とが対向するように、第1の高周波回路基板と第2の高周波回路基板とが配置され、第1のスロットと第2のスロットとが電磁界結合するように配置され、第1のグランドと第2のグランドが接していることを特徴とする。
また、上記構成において、各層の積層方向から見て、第1のスロットと第2のスロットとが向かい合う位置関係を保持して配置されていても良い。
【0014】
また、上記構成において、第1のグランドと第1の導体層とがビアホールで接続され、第2のグランドと第3の導体層とがビアホールで接続された構成としても良い。
【0016】
さらに、本発明の別の例として、上記構成の第1の高周波回路基板、及び/又は第2の高周波回路基板の替わりに、第8の誘電体層と、第8の導体層と、第9の誘電体層と、第9の導体層と、第10の誘電体層と、第10の導体層とがこの順で積層された構成を含み、第9の導体層、及び第7の導体層、及び第9及び第10の導体層を接続するビアホールとにより導波管が形成され、第8の導体層に第5のスロットが形成され、第9の導体層に第6のスロットが形成された第4の高周波回路基板が配置され、第5のスロットと、第6のスロットと、この第4の高周波回路基板と対向して配置されている高周波回路基板に設けられたスロットとが、電磁界結合するよう各スロットが位置されている。なお、各スロットは(各層の積層方法から見て)向かい合う位置関係を保持して配置された構成とすることが好適である。
【0017】
また、上記構成において、第1の誘電体層と、第3の誘電体層と、第5の誘電体層と、第8の誘電体層の少なくとも1つに凹部がスロットの位置に形成されており、この凹部に貫通穴が形成された導体板が挿入された構成としても良い。
【0018】
また特に、この貫通穴の開口寸法が導体板内部で少なくとも2段階に異なっており、ステップ構造を有し、このステップ構造に誘電体板が挿入された構成としても良い。
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る高周波回路基板の主要構造断面図である。
【0021】
図1を参照すると、第1の高周波回路基板1には、第1の誘電体層3と、第1の導体層41で形成された第1のスロット4と、第2の誘電体層5と、第2の導体層24に形成された高周波伝送線路6(給電線路)が形成されている。
【0022】
さらに、第1の誘電体層3の表面には、開口部を備えた第1のグランド7が形成されており、第1のスロット4を含む第1の導体層41(第1のグランド7)とビアホール8で接続されている。
【0023】
第2の高周波回路基板2には、第3の誘電体層9と、第3の導体層51で形成された第2のスロット10と、第4の誘電体層11と、第4の導体層52に形成された高周波伝送線路12が形成されている。
【0024】
さらに、第3の誘電体層9の表面には、開口部を備えた第2のグランド13が形成されており、第2のスロット10を含む第3の導体層51(第2のグランド13)とビアホール14で接続されている。
【0025】
第1の高周波回路基板1および第2の高周波回路基板2は、開口部を備えた第1のグランド7および第2のグランド13が対向するように積層される。
【0026】
図2は本発明の第1の実施の形態に係る第1の高周波回路基板1の断面構造図および上面図である。図2を参照すると、本実施の形態では、高周波伝送線路6としてマイクロストリップ線路を用いており、この線路に入射された信号は、第1のスロット4を介して、第1のグランド7に設けられた開口パターン15から放射される。対向して積層された第2の高周波回路基板2にも同様な構造(図1参照)が設けられており、逆の順序を辿って、第2の高周波回路基板2に形成された高周波伝送線路12に到達する構造となっている。このように本発明の構成では、第1のスロット4に対向して第2のスロット10が配置されていることで良好な信号の伝送が図れる。
【0027】
次に、図13に、周波数が60GHzの場合における第1の高周波回路基板1および第2の高周波回路基板2の、高周波伝送線路内の信号方向に対する位置ずれ量と、接続損失の増分の関係(一例)を示す。図13に示すように、挿入損失の増分を0.5dBと規定した場合、許容される位置ずれは−0.6mm〜+0.5mmと、従来に比べて大きく緩和されることが解る。基板(第1の高周波回路基板1、第2の高周波回路基板2)間の接着は、AuSnなどの合金、はんだ、エポキシ樹脂等を用い行うことができるが、精密な穴あけ技術を用いればネジなどによる簡易な固定も可能である。なお、第1のスロット4第2のスロット10がずれた場合も同様に接続損失は大きくなる。しかしながら一般に用いられる多層基板プロセスを用いても、基板内でのスロットパターンの位置ずれは±0.1mm程度に抑えることができるため、第1の高周波回路基板1と第2の高周波回路基板2との間に生じる位置ずれの場合に比べて影響は少ない。
【0028】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、上記実施の形態において既に記述したものと同一の部分については、同一符号を付し、重複した説明は省略する。図3は、本発明の第2の実施の形態に係る高周波回路基板の主要構造断面図である。
【0029】
図3を参照すると、本実施の形態では、第1の高周波回路基板1において、第1の誘電体層3が部分的に除去されることにより凹部16が形成され、第1のスロット4が露出した状態で形成されている。この凹部16は、例えば、部分的にくり貫かれた第1の誘電体層3と他の誘電体層(第2の誘電体層5)ならびに導体層(第1の導体層41)を積層することにより実現される。
【0030】
第2の高周波回路基板2においても同様に、第3の誘電体層9が部分的に除去されることにより凹部17が形成され、第2のスロット10が露出した状態で形成されている。
【0031】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る第1の高周波回路基板1の断面構造図および上面図である。
【0032】
図4を参照すると、本実施の形態では、高周波伝送線路6としてマイクロストリップ線路を用いており、高周波伝送線路6に入射された信号は、開口パターン18の第1のスロット4を介し、凹部16から放射される。対向して積層された第2の高周波回路基板2にも同様な構造(図3参照)が形成されており、逆の順序を辿って、第2の高周波回路基板2に形成された高周波伝送線路12に到達する構成となっている。接続部分の凹部16には誘電体が存在しないため、上記第1の実施の形態に比べて誘電体損失による減衰がないという利点がある。
【0033】
なお、上記実施の形態では凹部16,17は、誘電体層3,9(第1の誘電体層3、第3の誘電体層9)を厚さ方向に開口し、それぞれ第1のスロット4第2のスロット10が露出された構成のものを示したが、凹部16,17を完全に開口せず、部分的に開口した場合でも誘電体損失による減衰を抑制できる。
【0034】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、上記実施の形態において既に記述したものと同一の部分については、同一符号を付し、重複した説明は省略する。図5は本発明の第3の実施の形態に係る高周波回路基板の主要構造断面図である。
【0035】
図5を参照すると、本実施の形態では、第1の高周波回路基板1には、第1の誘電体層3と、第1の導体層41で形成された第1のスロット4と、第2の誘電体層5と、第2の導体層24に形成された高周波伝送線路6が形成されている。
【0036】
第1の高周波回路基板1において、第1の誘電体層3が部分的に除去されることにより凹部16が形成され、第1のスロット4が露出した状態で形成されている。
【0037】
また凹部16には、内部に貫通穴を有した導体板19が挿入され、例えば、半田等により接着されている。
【0038】
一方、第2の高周波回路基板2には、第3の誘電体層9と、第3の導体層51で形成された第2のスロット10と、第4の誘電体層11と、第4の導体層52に形成された高周波伝送線路12が形成されている。
【0039】
第1の高周波回路基板1および第2の高周波回路基板2においては、導体板19により互いのグランド(第1の導体層41,第3の導体層51)が接続されるとともに、高周波伝送線路6および高周波伝送線路12とが、第1のスロット4、導体板19の貫通穴、第2のスロット10を介し、電磁界結合により接続される。
【0040】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る第1の高周波回路基板1の断面構造図および上面図である。図6を参照すると、本実施の形態では、第1の高周波回路基板1に形成された凹部16の内部寸法をa、導体板19の外部寸法をbとした場合、aはbよりも所定量X(=a−b)だけ大きくなっている。このとき、所定量Xは、作製される凹部の内部寸法の公差と、導体板19の外部寸法の公差を足した値が望ましい。
【0041】
図7は、第1の高周波回路基板1と、第2の高周波回路基板2の接続を示す概念図である。図7を参照すると、本実施の形態では、第1の高周波回路基板1および第2の高周波回路基板2は、導体板19により接続位置が限定されている。第2の高周波回路基板2を第1の高周波回路基板1に押し付け、保持する(図示せず)。この場合、保持する機構は特に限定されないが、ネジ留めや、金具を半田付けする方法などが適用できる。
【0042】
貫通穴を有する導体板19を用いる利点は、位置決めが容易にできることである。用いる材料や工程により異なるが、例えば、第1の高周波回路基板1、第2の高周波回路基板2としてセラミック材を使用し、導体板19としてコバールを使用した場合、製造上の寸法マージンX(=a−b)を0.1〜0.5mmとすることは比較的容易にできる。したがって、図7に示すように、第1の高周波回路基板1および第2の高周波回路基板2を積層した場合、その最大のずれは、±X/2となる。先に例示した本発明における位置ずれの許容範囲を比較的容易に満たすことが可能となる。その際には高い位置合わせ精度を有するマウンターなどは不要である。
【0043】
さらに本実施の形態の構造は、特に第1の高周波回路基板1、第2の高周波回路基板2が大きく、そりがある場合でも、確実に電磁界結合による接続が実現される。すなわち、導体板19がなければ、接続面に凹状のそりがあった場合、2つの基板(第1の高周波回路基板1、第2の高周波回路基板2)間に間隙が生じ、接続されるべき部分が密着されない。また、接続面に凸状のそりがあった場合、2つの基板(第1の高周波回路基板1、第2の高周波回路基板2)の接続されるべき部分を密着させることは困難である。
【0044】
本実施の形態では、導体板19を用いた場合、少なくとも導体板19の面が第1の高周波回路基板1、第2の高周波回路基板2と密着していればよく、導体板19の厚さが想定されるそり量と凹部16と凹部17の深さの和を越えていれば、確実に電磁界結合による接続が実現される。なお、本実施の形態では、図7に示すように、直方体の導体板19に四角形の貫通穴を形成しているが、特にその形が限定されるものではない。また導体板19は、表面が導体であればよく、内部の材質としては絶縁体でもよい。
【0045】
また、本実施の形態では、導体板19の内部寸法(貫通穴の寸法)を変更することで、接続部分における周波数特性を変化させられることが、実験的に確認されている。例えば、内部寸法の1辺を25%小さくした場合、周波数特性は約5%高周波側へシフトした。すなわち、いくつかの内部寸法を有する導体板19を用意すれば、周波数特性の調整が可能となる、あるいは高周波回路基板に変更を加えることなく複数の周波数帯域に対応できるようになるといった効果を奏する。
【0046】
さらに本実施の形態においても上記第2の実施の形態と同様に、接続部分の凹部16と凹部17には誘電体が存在しないため、上記第1の実施の形態に比べて誘電体損失による減衰がないという利点もある。
【0047】
また図15には、導体板19の代わりに用いることが可能な別の導体板の構造を示す。導体板60には、貫通穴が形成されているが、内部で開口寸法が2段階に変化し、ステップ構造61が形成されている。導体板19を用いた場合に比較して、電磁界結合構造の設計自由度が増し、導体板の厚さを所望の値にすることができる。
【0048】
さらに図16には、また別の導体板の構造を示す。導体板62には、貫通穴が形成されているが、内部で開口寸法が2段階に変化し、ステップ構造63が形成されている。ステップ構造63には、誘電体板64が挿入されている。この場合、誘電体板としては、誘電体損失が小さいものが好ましく、石英板、セラミック板などが用いられる。導体板19を用いた場合に比較して、電磁界結合構造の設計自由度が増し、導体板の厚さを所望の値にすることができる。導体板19を用いた場合と、導体板62を用いた場合の透過係数(S21)、反射係数(S11)の比較を、図17に示す。中空の場合(導体板19を使用)に比べ、誘電体板を挿入した場合(導体板62を使用)、広帯域な伝送特性(S21,S11)が得られることがわかる。なお、上記実施の形態では貫通穴の開口寸法が2段階に変化する場合を示したが、3段階以上に変化する場合でも同様の効果が得られることは明らかである。
【0049】
以上述べたように、導体板の貫通穴としてステップ構造を用い、さらには誘電体板を挿入することにより、周波数特性を改善することができる。また構造パラメータ(寸法、誘電体板の誘電率など)が増えることにより、設計の自由度を増やすことができる。さらには、別の構造を持った複数の導体板を用意することにより、第1の高周波回路基板は同じにしたまま、第2の高周波回路基板としていろいろな電磁界接続構造を有する複数の回路基板を使用することができる利点がある。
【0050】
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、上記実施の形態において既に記述したものと同一の部分については、同一符号を付し、重複した説明は省略する。図8は本発明の第4の実施の形態に係る高周波回路基板の主要構造断面図である。
【0051】
図8を参照すると、本実施の形態では、第1の高周波回路基板1および導体板19は上記第3の実施の形態と同様であるが、第2の高周波回路基板2がアンテナとなっている点に特徴を有している。
【0052】
このアンテナは、第3の誘電体層9と、第3の導体層51で形成された第2のスロット10と、第4の誘電体層11と、第4の導体層52に形成された複数のスロット20(アンテナ素子)より形成されている。
【0053】
第1の高周波回路基板1からの信号は、第1のスロット4および導体板19の貫通穴、およびアンテナに形成された第2のスロット10を介して、第4の誘電体層11に形成された導波管構造に給電される。なお、図示はしないが、この導波管構造は、第3の導体層51および第4の導体層52と、両者を接続するビアホール群により形成される。
【0054】
本実施の形態においては、複数の放射素子からなるアレイアンテナに対し、中心部から給電することが可能となり、給電損失の低減を図ることができるようになるといった効果を奏する。なお、上記第1の実施の形態〜第3の実施の形態と同様に、要求される位置合わせ精度を緩和でき、確実に電磁界結合による接続が実現できるようになるといった効果もある。
【0055】
(第5の実施の形態)
以下、本発明の第5の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、上記実施の形態において既に記述したものと同一の部分については、同一符号を付し、重複した説明は省略する。図9は、本発明の第5の実施の形態に係る第1の高周波回路基板1の断面構造図および導体パターン図である。
【0056】
図9を参照すると、本実施の形態では、第3の高周波回路基板1Aには、第5の誘電体層3Aと、第3のスロット4Aが形成された第5の導体層41Aと、第6の誘電体層5Aと、第7の導体層24Aに形成された高周波伝送線路6Aと、第7の誘電体層21Aとグランド22が積層され形成されている。
【0057】
本実施の形態では、高周波伝送線路6Aとして、コプレーナ線路を用いている。コプレーナ線路先端に第4のスロット23が形成され、第3のスロット4Aと第4のスロット23とのダブルスロット構成となっている。複数のビアホール8は、グランド22間を接続すると同時に、不要な平行平板モードによる信号漏洩を防ぐ目的で用いられている。
【0058】
第3の高周波回路基板1Aにおいて、第5の誘電体層3Aが部分的に除去されることにより凹部16が形成され、第3のスロット4Aが露出している。本実施の形態においても上記第1の実施の形態〜第4の実施の形態と同様に、要求される位置合わせ精度を緩和でき、確実に電磁界結合による接続が実現できるようになるといった効果を奏する。
【0059】
(第6の実施の形態)
以下、本発明の第6の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、上記実施の形態において既に記述したものと同一の部分については、同一符号を付し、重複した説明は省略する。図10は、本発明の第6の実施の形態に係る第4の高周波回路基板1Bの断面構造図および導体パターン図である。
【0060】
図10を参照すると、本実施の形態では、第4の高周波回路基板1Bに、第8の誘電体層3Bと、第5のスロット4Bが形成された第8の導体層41Bと、第9の誘電体層5Bと、第9の導体層24Bと、第10の誘電体層25と、第10の導体層26が積層され形成されている。本実施の形態は、第10の誘電体層25に形成された導波管構造が用いられている点に特徴を有している。この導波管構造は、第9の導体層24Bおよび第10の導体層26と、両者を接続するビアホール28により形成されている。また、導波管構造の先端には第6のスロット27が形成されている。
【0061】
本実施の形態においても、上記第1の実施の形態〜第4の実施の形態と同様に、要求される位置合わせ精度を緩和でき、確実に電磁界結合による接続が実現できるようになるといった効果を奏する。
【0062】
(第7の実施の形態)
以下、本発明の第7の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、上記実施の形態において既に記述したものと同一の部分については、同一符号を付し、重複した説明は省略する。図11は、本発明の第7の実施の形態に係る高周波回路基板の主要構造断面図である。
【0063】
図11を参照すると、本実施の形態では、主要部分は図8と同じであるが、さらに第11の誘電体層29が積層されている点に特徴を有している。また、第11の誘電体層29には、凹部43が形成されており、フリップチップ実装技術を用いて、半導体素子30がバンプ31により高周波伝送線路6に接続されている。なお、凹部16,17,43は、例えば、部分的にくり貫かれた第11の誘電体層29と他の誘電体層(第1の誘電体層3、第2の誘電体層5)ならびに導体層(第1の導体層41、第2の導体層24)を積層することにより実現される。
【0064】
本実施の形態においても、上記第1の実施の形態〜第4の実施の形態と同様に、要求される位置合わせ精度を緩和でき、確実に電磁界結合による接続が実現できるようになるといった効果を奏する。
【0065】
(第8の実施の形態)
以下、本発明の第8の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、上記実施の形態において既に記述したものと同一の部分については、同一符号を付し、重複した説明は省略する。図12は、本発明の第8の実施の形態に係る高周波回路基板の主要構造断面図である。図12において、30は半導体素子、31はバンプ、32は第12の誘電体層、33は蓋を示している。
【0066】
図12を参照すると、本実施の形態では、第3の高周波回路基板1Aには、図9に示した構造のうち、第5の誘電体層3Aおよび第6の誘電体層5Aを部分的に除去することにより凹部45が形成されており、フリップチップ実装技術を用いて、半導体素子30がバンプ31により高周波伝送線路6に接続されている点に特徴を有している。
【0067】
なお、本実施の形態では、高周波回路基板の材料が特定されていないが、多層基板が形成可能な材料であればよく、セラミック、ガラスエポキシなどが適用可能である。例えばセラミックを用いた場合には、導体パターンを形成したグリーンシートを積層し、同時焼成するといった一般的な製造工程を適用することができる。また一部をくりぬいたグリーンシートをくりぬかないグリーンシートと積層し、同時焼成することにより、実施例で述べた凹部を形成することが可能である。
【0068】
各実施の形態で述べた第1の高周波回路基板1、第2の高周波回路基板2、第3の高周波回路基板1A、第4の高周波回路基板1Bは、どのような組み合わせで用いてもよい。すなわち、図9に記載した構造と、図10に記載した構造を、導体板19で接続することも可能である。さらにアンテナの構造や、給電線路の構造もここで記載した例に限定されない。
【0069】
本実施の形態においても、上記第1の実施の形態〜第4の実施の形態と同様に、要求される位置合わせ精度を緩和でき、確実に電磁界結合による接続が実現できるようになるといった効果を奏する。
【0070】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、上記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また上記構成部材の数、位置、形状等は上記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。また、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【0071】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、ミリ波のような高い周波数においても比較的簡単な手段で多層基板間の低損失な接続が実現できる。また電磁界結合に必要な位置精度を緩和することができる。さらに、高周波回路基板に凹部を設けることにより、誘電体損失による接続損失を低減することができる。また、高周波回路基板に凹部を設け、導体板を介した接続を行うことにより、大規模な回路が集積された比較的面積の大きい高周波回路基板を使用する場合においても、接続部を密着させることができ、両基板のグランド同士を確実に接続できる。この場合、高精度な位置合わせが可能なマウンターが不要となるといった効果もある。高周波回路基板がアレイアンテナであった場合には、アンテナの中心部から給電することが容易となり、給電損失が低減できる。以上の結果、高性能で歩留まりがよく、低コストで量産性に優れた高周波モジュールが実現できるようになるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る高周波回路基板の主要構造断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る第1の高周波回路基板の断面構造図および上面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る高周波回路基板の主要構造断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る第1の高周波回路基板の断面構造図および上面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る高周波回路基板の主要構造断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る第1の高周波回路基板の断面構造図および上面図である。
【図7】第1の高周波回路基板と、第2の高周波回路基板の接続を示す概念図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る高周波回路基板の主要構造断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る第の高周波回路基板の断面構造図および導体パターン図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係る第4の高周波回路基板の断面構造図および導体パターン図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態に係る高周波回路基板の主要構造断面図である。
【図12】本発明の第8の実施の形態に係る高周波回路基板の主要構造断面図である。
【図13】スリットとマイクロストリップ線路の(信号方向への)位置ずれ量と、接続損失の増分量の一例を示した図である。
【図14】従来技術における高周波回路基板の主要構造断面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る導体板の構造図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る別の導体板の構造図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係る接続部の伝送特性の一例を示した図である。
【符号の説明】
1…第1の高周波回路基板
2…第2の高周波回路基板
1A…第3の高周波回路基板
1B…第4の高周波回路基板
3…第1の誘電体層
3A…第5の誘電体層
3B…第8の誘電体層
4…第1のスロット
4A…第3のスロット
4B…第5のスロット
5…第2の誘電体層
5A…第6の誘電体層
5B…第9の誘電体層
6…高周波伝送線路
6A…高周波伝送線路
7…第1のグランド
8,14,28…ビアホール
9…第3の誘電体層
10…第2のスロット
11…第4の誘電体層
12…高周波伝送線路
13…第2のグランド
15,18…開口パターン
16,17,43,45…凹部
19…導体板
20…スロット
21…第5の誘電体層
21A…第7の誘電体層
22…グランド
23…第4のスロット
24…第2の導体層
24A…第7の導体層
24B…第9の導体層
25…第10の誘電体層
26…第10の導体層
27…第6のスロット
29…第11の誘電体層
30…半導体素子
31…バンプ
32…第12の誘電体層
33…蓋
34…アンテナ素子
41…第1の導体層
41A…第5の導体層
41B…第8の導体層
51…第3の導体層
52…第4の導体層
60…導体板
61…ステップ構造
62…導体板
63…ステップ構造
64…誘電体板

Claims (22)

  1. 少なくとも第1の誘電体層と、第1の導体層と、第2の誘電体層と、第2の導体層がこの順で積層された構造を含み、前記第1の導体層に第1のスロットが形成され、前記第2の導体層に給電線路が形成され、前記第1の誘電体層の表面側に第1のグランドが配され、前記第1のグランドにおいて第1のスロットに対応する部分が、該第1のスロットよりも広く開口された構造を有する第1の高周波回路基板と、
    少なくとも第3の誘電体層と、第3の導体層と、第4の誘電体層と、第4の導体層がこの順で積層された構造を含み、前記第3の導体層に第2のスロットが形成され、前記第4の導体層に給電線路が形成され、前記第3の誘電体層の表面側に第2のグランドが配され、前記第2のグランドにおいて第2のスロットに対応する部分が、該第2のスロットよりも広く開口された構造を有する第2の高周波回路基板を備え、
    前記第1の誘電体層と前記第3の誘電体層とが対向するように、前記第1の高周波回路基板と前記第2の高周波回路基板が配置され、前記第1のスロットと前記第2のスロットとが電磁界結合するように配置され、
    前記第1のグランドと前記第2のグランドが接して配置されていることを特徴とする高周波回路基板。
  2. 前記第1のグランドと前記第1の導体層とがビアホールで接続され、前記第2のグランドと前記第3の導体層とがビアホールで接続されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波回路基板。
  3. 前記第1のスロットと前記第2のスロットとが向かい合う位置関係を保持して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波回路基板。
  4. 前記第1の高周波回路基板、及び/又は前記第2の高周波回路基板の替わりに、第3の高周波回路基板を設けた高周波回路基板であり、該第3の高周波回路基板が、第5の誘電体層と、第5の導体層と、第6の誘電体層と、第7の導体層と、第7の誘電体層と、グランド層とがこの順に積層された構成を含み、前記第5の導体層に第3のスロットが形成され、前記第7の導体層に第4のスロットと給電線路が電磁界結合されるように形成され、前記第3のスロットと、前記第4のスロットと、前記第3の高周波回路基板と対向して配置されている高周波回路基板に設けられたスロットとが、電磁界結合されるよう各スロットが配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高周波回路基板。
  5. 前記第1の高周波回路基板、及び/又は前記第2の高周波回路基板の替わりに、第4の高周波回路基板を設けた高周波回路基板であり、該第4の高周波回路基板が、第8の誘電体層と、第8の導体層と、第9の誘電体層と、第9の導体層と、第10の誘電体層と、第10の導体層とがこの順で積層された構成を含み、前記第9の導体層および前記第10の導体層および少なくとも該第9および第10の導体層を接続するビアホールとにより導波管が形成され、前記第8の導体層に第5のスロットが形成され、前記第9の導体層に第6のスロットが形成され、前記第5のスロットと、前記第6のスロットと、前記第4の高周波回路基板と対向して配置されている高周波回路基板に設けられたスロットとが、電磁界結合されるよう各スロットが配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高周波回路基板。
  6. 前記第3の高周波回路基板と対向して配置されている高周波回路基板に設けられたスロットと、前記第3のスロットとが向かい合う位置関係を保持して配置され、かつ、前記第3のスロットと前記第4のスロットとが向かい合う位置関係を保持して配置されていることを特徴とする請求項4に記載の高周波回路基板。
  7. 前記第4の高周波回路基板と対向して配置されている高周波回路基板に設けられたスロットと、前記第5のスロットとが向かい合う位置関係を保持して配置され、かつ、前記第5のスロットと前記第6のスロットとが向かい合う位置関係を保持して配置されていることを特徴とする請求項5に記載の高周波回路基板。
  8. 前記第1の誘電体層と、前記第3の誘電体層と、前記第5の誘電体層と、前記第8の誘電体層の少なくとも1つには凹部がスロットの位置に形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の高周波回路基板。
  9. 前記第1の誘電体層と、前記第3の誘電体層と、前記第5の誘電体層と、前記第8の誘電体層の少なくとも1つには凹部が形成され、当該凹部の底面に前記スロットが露出されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の高周波回路基板。
  10. 少なくとも第1の誘電体層と、第1の導体層と、第2の誘電体層と、第2の導体層がこの順で積層された構造を含み、前記第1の導体層に第1のスロットが形成され、前記第2の導体層に給電線路が形成された構造を有する第1の高周波回路基板と、少なくとも第3の誘電体層と、第3の導体層と、第4の誘電体層と、第4の導体層がこの順で積層された構造を含み、前記第3の導体層に第2のスロットが形成され、前記第4の導体層に給電線路が形成された構造を有する第2の高周波回路基板を備え、
    前記第1の誘電体層と前記第3の誘電体層とが対向するように、前記第1の高周波回路基板と前記第2の高周波回路基板が配置され、前記第1のスロットと前記第2のスロットとが電磁界結合するように配置され、
    前記第1の誘電体層と、前記第3の誘電体層の少なくとも1つに凹部がスロットの位置に形成されていることを特徴とする高周波回路基板。
  11. 少なくとも第1の誘電体層と、第1の導体層と、第2の誘電体層と、第2の導体層がこの順で積層された構造を含み、前記第1の導体層に第1のスロットが形成され、前記第2の導体層に給電線路が形成された構造を有する第1の高周波回路基板と、少なくとも第3の誘電体層と、第3の導体層と、第4の誘電体層と、第4の導体層がこの順で積層された構造を含み、前記第3の導体層に第2のスロットが形成され、前記第4の導体層に給電線路が形成された構造を有する第2の高周波回路基板を備え、
    前記第1の誘電体層と前記第3の誘電体層とが対向するように、前記第1の高周波回路基板と前記第2の高周波回路基板が配置され、前記第1のスロットと前記第2のスロットとが電磁界結合するように配置され、
    前記第1の誘電体層と、前記第3の誘電体層の少なくとも1つに凹部が形成され、当該凹部の底面に前記スロットが露出されていることを特徴とする高周波回路基板。
  12. 前記第1のスロットと前記第2のスロットとが向かい合う位置関係を保持して配置されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の高周波回路基板。
  13. 前記第1の高周波回路基板、及び/又は前記第2の高周波回路基板の替わりに、第3の高周波回路基板を設けた高周波回路基板であり、該第3の高周波回路基板が、第5の誘電体層と、第5の導体層と、第6の誘電体層と、第7の導体層と、第7の誘電体層と、グランド層とがこの順に積層された構成を含み、前記第5の導体層に第3のスロットが形成され、前記第7の導体層に第4のスロットと給電線路が電磁界結合するように形成され、前記第3のスロットと、前記第4のスロットと、前記第3の高周波回路基板と対向して配置されている高周波回路基板に設けられたスロットとが、電磁界結合されるよう各スロットが配置されていることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の高周波回路基板。
  14. 前記第1の高周波回路基板、及び/又は前記第2の高周波回路基板の替わりに、第4の高周波回路基板を設けた高周波回路基板であり、該第4の高周波回路基板が、第8の誘電体層と、第8の導体層と、第9の誘電体層と、第9の導体層と、第10の誘電体層と、第10の導体層とがこの順で積層された構成を含み、前記第9の導体層および前記第10の導体層および少なくとも該第9および第10の導体層を接続するビアホールとにより導波管が形成され、前記第8の導体層に第5のスロットが形成され、前記第9の導体層に第6のスロットが形成され、前記第5のスロットと、前記第6のスロットと、前記第4の高周波回路基板と対向して配置されている高周波回路基板に設けられたスロットとが、電磁界結合されるよう各スロットが配置されていることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の高周波回路基板。
  15. 前記第3の高周波回路基板と対向して配置されている高周波回路基板に設けられたスロットと、前記第3のスロットとが向かい合う位置関係を保持して配置され、かつ、前記第3のスロットと前記第4のスロットとが向かい合う位置関係を保持して配置されていることを特徴とする請求項13に記載の高周波回路基板。
  16. 前記第4の高周波回路基板と対向して配置されている高周波回路基板に設けられたスロットと、前記第5のスロットとが向かい合う位置関係を保持して配置され、かつ、前記第5のスロットと前記第6のスロットとが向かい合う位置関係を保持して配置されていることを特徴とする請求項14に記載の高周波回路基板。
  17. 前記凹部に、貫通穴が形成された導体板が挿入されていることを特徴とする請求項乃至15のいずれかに記載の高周波回路基板。
  18. 前記導体板に形成された貫通穴の開口寸法が導体板内部で少なくとも2段階に異なっており、ステップ構造を有することを特徴とする請求項17に記載の高周波回路基板。
  19. 前記ステップ構造に誘電体板が挿入されたことを特徴とする請求項18に記載の高周波回路基板。
  20. 前記対向して配置された高周波回路基板同士が、前記貫通穴を介して電磁界結合されることを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の高周波回路基板。
  21. 前記第1の高周波回路基板又は前記第2の高周波回路基板又は前記第3の高周波回路基板のいずれかが、アンテナを含む基板であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の高周波回路基板。
  22. 前記第1の高周波回路基板又は前記第2の高周波回路基板又は前記第3の高周波回路基板のいずれかの前記給電線路に半導体素子が接続されていることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の高周波回路基板。
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