JP4079313B2 - 繊維強化プラスチックの接合構造及び接合方法 - Google Patents

繊維強化プラスチックの接合構造及び接合方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化プラスチックの接合構造及び接合方法に関し、更に詳細に説明すると、繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部が他のパイプまたは棒材に接合された繊維強化プラスチックの接合構造、及び繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部を他のパイプまたは棒材に接合する繊維強化プラスチックの接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、比強度、比剛性に大変優れた繊維強化プラスチック(以後FRPと称する。)は広く構造材料として用いられている。これらの特徴を活かしたFRPの接合部の設計が難しいのもまたよく知られている。現在FRPの主構造材における接合法として広く用いられる手法は金属製のフランジやソケットタイプのジョイントを用いた方法である。
【0003】
前記金属製のフランジやソケットタイプのジョイントを用いた方法ではジョイント自体の重量や異材料との組み合わせであるため、破壊モードが複雑となるといった問題が生じ、更にボルトによる締結ではボルト穴によりFRPの繊維が破断される欠点を有するものであった。このため、本発明者は先に、特開2001−252985号により「複合材料接合継手および接合と補修方法」を提案している。これらの手法は、複合材料接合継手の継手部から破壊することのない継手部を得ることを目的とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、従来の複合材料接合継手の継手部は複合材料として平板を用いたものであり、応用範囲が狭く、簡便で且つ現場での組み立て補修作業性に適さず、また破壊荷重及び破壊応力が小さく、更に継手効率が小さいものであった。
【0005】
本発明の目的は、パイプまたは棒材の接合部の設計が容易であり、簡便で且つ現場での組み立て補修作業性に適し、破壊荷重及び破壊応力が大きく、継手効率が大きく、比強度、比剛性に大変優れたFRPの接合構造及び接合方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る繊維強化プラスチックの接合構造は、繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部が他のパイプまたは棒材に接合された繊維強化プラスチックの接合構造において、
前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を露出させて露出繊維を形成し、該露出繊維が他方のパイプまたは棒材の外周を握るように上下の外周方向に沿って巻き付けられ、該巻き付けられた露出繊維に合成樹脂材を含浸硬化させて他方のパイプまたは棒材と接合されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る繊維強化プラスチックの接合構造は、繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部が他のパイプまたは棒材に接合された繊維強化プラスチックの接合構造において、
前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を露出させて露出繊維を形成し、該露出繊維が他方のパイプまたは棒材の軸心方向に広げられ、該他方のパイプまたは棒材の軸心方向に広げられた露出繊維に合成樹脂材を含浸硬化させて他方のパイプまたは棒材と接合されていることを特徴とする。
【0008】
更に、本発明の請求項3に係る繊維強化プラスチックの接合構造は、前記露出繊維をパッチ状の強化繊維からなる布地またはテープ状の織物で他方のパイプまたは棒材に巻き付けて補強していることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係る繊維強化プラスチックの接合方法は、繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部を他のパイプまたは棒材に接合する繊維強化プラスチックの接合方法において、
前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を露出させて露出繊維を形成し、該露出繊維を他方のパイプまたは棒材の外周を握るように上下の外周方向に沿って巻き付け、該巻き付けられた露出繊維に合成樹脂材を含浸させ、硬化させて他方のパイプまたは棒材に接合することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項5に係る繊維強化プラスチックの接合方法は、繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部を他のパイプまたは棒材に接合する繊維強化プラスチックの接合方法において、
前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を露出させて露出繊維を形成し、該露出繊維を他方のパイプまたは棒材の軸心方向に広げ、該他方のパイプまたは棒材の軸心方向に広げられた露出繊維に合成樹脂材を含浸させ、硬化させて他方のパイプまたは棒材に接合することを特徴とする。
【0011】
更に、本発明の請求項6に係る繊維強化プラスチックの接合方法は、前記露出繊維をパッチ状の強化繊維からなる布地またはテープ状の織物で他方のパイプまたは棒材に巻き付けて補強することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項7に係る繊維強化プラスチックの接合方法は、繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部を他のパイプまたは棒材に接合する繊維強化プラスチックの接合方法において、
前記接合する少なくも2本の前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を夫々露出させて夫々露出繊維を形成し、該露出繊維同士を対向させた状態で露出繊維の端部間に中子を挿入し、該露出繊維同士を絡め、該絡めた露出繊維に合成樹脂材を含浸させ、硬化させて少なくも2本の前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材を軸方向に接合することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる繊維強化プラスチックの接合構造及び接合方法の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(a),(b)乃至図6は本発明に係わる繊維強化プラスチックの接合構造及び接合方法を夫々示すもので、図1(a),(b)は繊維強化プラスチック(FRP)からなるパイプまたは棒材の斜視図、図2は繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の合成樹脂材を燃焼させている状態の斜視図、図3(a),(b)はタイプAの繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の接合方法を示す斜視図、図4はタイプBの繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の接合構造を示す斜視図、図5(a),(b)はタイプCの繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の接合方法を示す斜視図、図6はタイプDの繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の接合方法を示す斜視図である。また、図7はタイプA〜タイプDの繊維強化プラスチックの荷重変位線図、図8は本発明の異なる実施の形態を示す概略断面図である。
【0014】
先ず、図1(a)に示す繊維強化プラスチック(FRP)からなるパイプまたは棒材1を形成する。このパイプまたは棒材1は熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂等の高分子を母材とする炭素繊維強化プラスチック,ガラス繊維強化プラスチック,アラミド繊維強化プラスチック等から形成されている。パイプまたは棒材1は母材としての高分子のプラスチック3に炭素繊維,ガラス繊維またはアラミド繊維等の長繊維の強化繊維5を混入して形成されている。尚、本実施の形態では炭素繊維強化プラスチックからなる円筒状のパイプ1を用いたが、中実の棒体であってもよい。この中実の棒体は四角形状,丸,楕円形状等の種々の形状とすることができる。
【0015】
前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材1の端部1aが、図3(a),(b)〜図6に示す如く、他のパイプまたは棒材2に接合される。尚、本実施の形態ではT字型接合につき説明するが、パイプまたは棒材を長手方向に接合するI字型接合(バット接合)であってもよい。更に十字接合あるいは多方向接合とすることもできる。図1(b)に示す如く、前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材1の端部1aの炭素繊維,ガラス繊維またはアラミド繊維等からなる強化繊維5を露出させ、露出繊維6を形成する。
【0016】
前記パイプまたは棒材1の端部1aの強化繊維5を露出させる手段としては、図2に示す如く、接合部の樹脂である母材としての高分子のプラスチック3をガスバーナー11を用いて発火点以上に加熱して燃焼させて除去することにより強化繊維5を露出させ、露出繊維6を得ることができる。尚、本実施の形態ではガスバーナー11を用いたが、図示のものに限定されるものではなく、他の加熱手段を用いることができるものである。
【0017】
また、パイプまたは棒材1の端部1aを融点以上発火点以下に加熱して母材としての高分子のプラスチック3を溶解させて除去することで強化繊維5を露出させることもでき、その他機械的手段や繊維強化プラスチックの成形時に、例えば引き抜き成形時に強化繊維5を樹脂槽に通さずに、加熱成形金型に直接入れれば、この部分の強化繊維5はプラスチック3が存在しない露出した露出繊維6を得ることができる。またフィラメントワイディング成形(FW成形)の場合でも軸方向の端部に強化繊維5がくるときに、強化繊維5を樹脂槽を通さずに、マンドレルに巻き付けることにより強化繊維5を端部で露出させ、露出繊維6を得ることが可能である。また薬品を用いて樹脂を溶かす化学的な手法により露出繊維6を得るものであってもよい。
【0018】
図2に示すように、完全に樹脂を取り除くために、燃焼の熱源として、本実施の形態では温度約1200℃のガスバーナー11を用いた。また燃焼部と非燃焼部の境界をいかに保護するかも大切である。試行錯誤の実験から、非燃焼部の保護に濡れたウエス13を用いる方法が最も容易で確実性のあることが判明した。更に水気が直接燃焼されている炭素繊維からなる強化繊維5に触れると、強化繊維5に対する影響に加え、燃焼中の強化繊維5を通しての毛細管現象により完全な燃焼ができなくなる。
【0019】
そこで、浸水防止対策として、アルミテープ15をウエス13が触れるパイプ1に直接巻く。その後、燃焼により露出させた露出繊維6をアセトンで超音波洗浄を30分程度行い、接合部となる露出繊維6に付着しているすす等を取り除く。すすの除去が十分でない場合は、特に接合部に後で塗布する新しい合成樹脂が十分に含浸せず強度低下をまねく虞れを有する。尚、すす等を取り除く洗浄は超音波洗浄に限定されるものではない。
【0020】
前記パイプまたは棒材1の端部1aの強化繊維5を露出させた後、露出繊維6を他方のパイプまたは棒材2の外周方向に沿って巻き付ける。この際露出繊維6の繊維方向を入念に揃えておく。次いで、巻き付けられた露出繊維6に常温で硬化する、例えばビニールエステルまたは不飽和ポリエステル等の新たな合成樹脂材を含浸させ、成形硬化させて他方のパイプまたは棒材2と接合する。これらの工程により製作された接合部は従来の金属製のボルトやソケットを介した接合部に比べ軽量である。またパイプまたは棒材1とパイプまたは棒材2の双方が同一の材料からなる場合には、材料間でのヤング率,強度の違いや線膨張率の違いによる複雑な破壊様相を考慮する心配が少ないという効果を有する。
【0021】
前記パイプ1は炭素繊維を本実施の形態ではフィラメントワインディング装置でヘリカル巻きにより製作したがこれに限定されるものではない。試験片の形状は繊維配向角30度、内径10mm、4プライ(外径約14mm)、各繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材1の長さを170mmとした。前記パイプ1及びパイプまたは棒材2は同一の材質からなり、このパイプ1及びパイプまたは棒材2を用いてタイプA〜タイプDまで計4種類の試験片を作成した。
【0022】
即ち、図3(a),(b)に示す如く、タイプAの試験片を作成し、図4に示す如く、タイプBの試験片を作成し、図5(a),(b)に示す如く、タイプCの試験片を作成し、図6に示す如く、タイプDの試験片を作成した。また、タイプA〜タイプDまで計4種類の試験片の製作に用いた材料を表1に示す。
【0023】
【表1】
Figure 0004079313
【0024】
図3(a),(b)に示す如く、前記タイプAの試験片はパイプまたは棒材1の端部1aの露出繊維6を入念に繊維方向を揃えた状態で他方のパイプまたは棒材2の外周方向に沿って、パイプまたは棒材2を握るように巻き付け、最後にロービング繊維により補強されている。この巻き付けられた露出繊維6に新たな合成樹脂材を含浸硬化させて他方のパイプまたは棒材2と接合されている。
【0025】
図4に示す如く、前記タイプBの試験片はパイプまたは棒材1の端部1aに露出繊維6を他方のパイプまたは棒材2の軸心方向に繊維方向を揃えた状態で左右方向に広げ、補強繊維7を巻き付ける。この他方のパイプまたは棒材2の軸心方向に広げられた露出繊維6に常温で硬化する新たな合成樹脂材を含浸硬化させて他方のパイプまたは棒材2と接合されている。このタイプBの試験片は前記タイプAの試験片に比較して一方のパイプまたは棒材に対する応力集中や接合部面内強度向上を考慮した接合構造である。尚、新たな合成樹脂材の材質は適宜変更することができる。
【0026】
また、図5(a),(b)に示す如く、前記タイプCの試験片はカーボンクロス8をパッチ状にして使用したもので、露出繊維6の配置は、図5(a)に示す如く、タイプBの試験片と同様である。前記タイプAの試験片やタイプBの試験片は熟練した作業技術を必要とするために接合部強度のバラツキが懸念されるが、タイプCの試験片はパッチ状のカーボンクロス8を用いることにより作業の単純化を狙っているので接合部強度のバラツキを減少させることができる。
【0027】
更に、図6に示す如く、タイプDの試験片は、前記タイプAの試験片における接合と露出繊維6の配置は同様である。前記タイプAの試験片は熟練した作業技術を必要とするために接合部強度のバラツキが懸念されるが、タイプDの試験片はバラツキを防止するために、もう一枚補助的なテープ状の織物9使用して接合部に巻き付け、強度の安定化を図っている。
【0028】
前記タイプA〜タイプDまで計4種類の試験片を用いて静的引張試験をストローク制御(0.5mm/sec)、常温で行った。T字接合の引張試験治具を作製し、接合される側のパイプ2には接合部の大変形を抑制するスチール製の丸棒材を挿入した。また油圧チャックで握り潰されないようにガラスロービングの周巻きでタブ部を作製し、スチール製の中子を入れた。
【0029】
以上の試験条件で本発明の接合構造を用いたタイプA〜タイプDの引張試験結果を表2に示す。更にその荷重変位線図を図7に示す。尚、表2中の継手効率は同じ材料で製作した同形状FWパイプの引張試験結果(破壊強度22.0kN,破壊応力159.2MPa)と比較している。
【0030】
【表2】
Figure 0004079313
【0031】
前記タイプAは本発明の接合法の中で最も軽量な接合法である。しかし引張強度は従来の継手効率に若干劣る。応力集中緩和と曲げ強度向上を目指したタイプBは接合部自体の重量が若干大きくなるが、その分タイプAに比べ強度が2割り以上向上するため、荷重/重量はタイプAと同様の値となった。
【0032】
前記タイプCにおいては作業を従来よりも単純化し強度安定化を目指したが、パッチ状のカーボンクロス8が浮かないように押さえ付ける必要があった。このため作業上の都合から合成樹脂材を多めに使う必要が有り、重量が増大してしまった。また接合部では露出繊維のみを局所的に抑えてしまったため、破壊様相が繊維を折るように破壊していた。また繊維配置をタイプBと同様にしたにもかかわらず、結果として強度試験結果が不安定で、その上荷重も低下してしまった。
【0033】
一方、前記タイプDでは破壊荷重が20kN近くまで達した。前記タイプA〜タイプCでは接合部の破壊がほとんどであったのに対して、タイプDでは接合部での破壊が巨視的にはみられず、パイプ1自体が接合部以外の場所、試験片タブ付近で破壊していた。このことから、つかみ治具の形状を見直せば更に強度が上昇する可能性も十分にある。またこの試験片の接合は非常に簡単で試験片を1つ製作するのに3分程度、従って結果のバラツキも現在のところほとんど見られない。
【0034】
図8には、本発明の異なる実施の形態が示されており、この実施の形態では、軸方向にパイプを接合するI字型接合に本発明を適用したもので、図1(b)に示すと同様に、前記繊維強化プラスチックからなるパイプ1,2の端部1a,2aの強化繊維5を露出させ、軽くて樹脂に影響を与えない程度の高温で溶けるウレタン製等の中子17をパイプ1,2の端部1a,2aに入れて、その上で両側の露出繊維6同士を絡め、その上から補強繊維7を用い、樹脂を塗布する方法で軸方向に接合することができる。またこの場合に接合部の外側からパイプ材の断面形状の雌型の治具で締めつければ、接合部も非接合部と同じ形状を有し、更に熱を加えれば、中子17は溶けてI字型接合となる。
【0035】
更に棒材1,2を軸方向に接合する場合には、両側の強化繊維5を露出させた後、オーバーラップさせて圧縮空気を用いて両方の露出繊維6同士を絡め、補強繊維7と樹脂で接合するが、接合する際に棒材1,2の断面形状の雌型を有する金型で締めつければ、接合部も非接合部と同じ形状となる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る繊維強化プラスチックの接合構造によれば、繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を露出させて露出繊維を形成し、該露出繊維が他方のパイプまたは棒材の外周を握るように上下の外周方向に沿って巻き付けられ、該巻き付けられた露出繊維に合成樹脂材を含浸硬化させて他方のパイプまたは棒材と接合されているので、軽量でパイプまたは棒材の接合部の設計が容易であり、簡便で且つ現場での組み立て補修作業性に適し、継手効率が大きく、比強度、比剛性に優れたFRPの接合構造を得ることができる。
【0037】
また、本発明の請求項2に係る繊維強化プラスチックの接合構造によれば、繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を露出させて露出繊維を形成し、該露出繊維が他方のパイプまたは棒材の軸心方向に広げられ、該他方のパイプまたは棒材の軸心方向に広げられた露出繊維に合成樹脂材を含浸硬化させて他方のパイプまたは棒材と接合されているので、接合部の強度を向上させることができ、パイプまたは棒材の接合部の設計が容易であり、簡便で且つ現場での組み立て補修作業性に適し、破壊荷重及び破壊応力が大きく、継手効率が大きく、比強度、比剛性に優れたFRPの接合構造を得ることができる。
【0038】
更に、本発明の請求項3に係る繊維強化プラスチックの接合構造によれば、前記露出繊維をパッチ状の強化繊維からなる布地またはテープ状の織物で他方のパイプまたは棒材に巻き付けて補強しているので接合部の強度を更に向上させることができるFRPの接合構造を得ることができる。
【0039】
また、本発明の請求項4に係る繊維強化プラスチックの接合方法によれば、繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を露出させて露出繊維を形成し、該露出繊維を他方のパイプまたは棒材の外周を握るように上下の外周方向に沿って巻き付け、該巻き付けられた露出繊維に合成樹脂材を含浸させ、硬化させて他方のパイプまたは棒材に接合するので、軽量でパイプまたは棒材材の接合部の設計が容易であり、簡便で且つ現場での組み立て補修作業性に適し、継手効率が大きく、比強度、比剛性に優れたFRPの接合方法を得ることができる。
【0040】
また、本発明の請求項5に係る繊維強化プラスチックの接合方法によれば、繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を露出させて露出繊維を形成し、該露出繊維を他方のパイプまたは棒材の軸心方向に広げ、該他方のパイプまたは棒材の軸心方向に広げられた露出繊維に合成樹脂材を含浸させ、硬化させて他方のパイプまたは棒材に接合するので、接合部の強度を向上させることができ、パイプまたは棒材の接合部の設計が容易であり、簡便で且つ現場での組み立て補修作業性に適し、破壊荷重及び破壊応力が大きく、継手効率が大きく、比強度、比剛性に優れたFRPの接合方法を得ることができる。
【0041】
更に、本発明の請求項6に係る繊維強化プラスチックの接合方法によれば、露出繊維をパッチ状の強化繊維からなる布地またはテープ状の織物で他方のパイプまたは棒材に巻き付けて補強するので接合部の強度を更に向上させることができるFRPの接合方法を得ることができる。
【0042】
また、本発明の請求項7に係る繊維強化プラスチックの接合方法によれば、接合する少なくも2本の前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を夫々露出させて夫々露出繊維を形成し、該露出繊維同士を対向させた状態で露出繊維の端部間に中子を挿入し、該露出繊維同士を絡め、該絡めた露出繊維に合成樹脂材を含浸させ、硬化させて少なくも2本の前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材を軸方向に接合するので、接合部の強度を向上させることができ、パイプまたは棒材の接合部の設計が容易であり、簡便で且つ現場での組み立て補修作業性に適し、破壊荷重及び破壊応力が大きく、継手効率が大きく、比強度、比剛性に優れたFRPの接合方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる繊維強化プラスチックの接合構造及び接合方法に用いられる繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材を夫々示すもので、(a)は斜視図、(b)はパイプまたは棒材の一端の強化繊維を露出させた状態の斜視図。
【図2】本発明に係わる繊維強化プラスチックの接合方法を示すもので、繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の合成樹脂材を燃焼させている状態の斜視図。
【図3】本発明に係わる繊維強化プラスチックの接合方法を示すもので、(a),(b)はタイプAの繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の接合方法を示す斜視図。
【図4】本発明に係わる繊維強化プラスチックの接合構造を示すもので、タイプBの繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の接合構造を示す斜視図。
【図5】本発明に係わる繊維強化プラスチックの接合方法を示すもので、(a),(b)はタイプCの繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の接合方法を示す斜視図。
【図6】本発明に係わる繊維強化プラスチックの接合方法を示すもので、タイプDの繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の接合方法を示す斜視図。
【図7】本発明に係わる繊維強化プラスチックの接合構造のタイプA〜タイプDの繊維強化プラスチックの荷重変位線図である。
【図8】本発明に係わる繊維強化プラスチックの接合方法の異なる実施の形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 パイプまたは棒材
1a 端部
2 パイプまたは棒材
2a 端部
3 プラスチック
5 強化繊維
6 露出繊維
7 補強繊維
8 カーボンクロス
9 テープ状の織物
11 ガスバーナー
13 ウエス
15 アルミテープ
17 中子

Claims (7)

  1. 繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部が他のパイプまたは棒材に接合された繊維強化プラスチックの接合構造において、
    前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を露出させて露出繊維を形成し、該露出繊維が他方のパイプまたは棒材の外周を握るように上下の外周方向に沿って巻き付けられ、該巻き付けられた露出繊維に合成樹脂材を含浸硬化させて他方のパイプまたは棒材と接合されていることを特徴とする繊維強化プラスチックの接合構造。
  2. 繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部が他のパイプまたは棒材に接合された繊維強化プラスチックの接合構造において、
    前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を露出させて露出繊維を形成し、該露出繊維が他方のパイプまたは棒材の軸心方向に広げられ、該他方のパイプまたは棒材の軸心方向に広げられた露出繊維に合成樹脂材を含浸硬化させて他方のパイプまたは棒材と接合されていることを特徴とする繊維強化プラスチックの接合構造。
  3. 前記露出繊維をパッチ状の強化繊維からなる布地またはテープ状の織物で他方のパイプまたは棒材に巻き付けて補強していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の繊維強化プラスチックの接合構造。
  4. 繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部を他のパイプまたは棒材に接合する繊維強化プラスチックの接合方法において、
    前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を露出させて露出繊維を形成し、該露出繊維を他方のパイプまたは棒材の外周を握るように上下の外周方向に沿って巻き付け、該巻き付けられた露出繊維に合成樹脂材を含浸させ、硬化させて他方のパイプまたは棒材に接合することを特徴とする繊維強化プラスチックの接合方法。
  5. 繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部を他のパイプまたは棒材に接合する繊維強化プラスチックの接合方法において、
    前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を露出させて露出繊維を形成し、該露出繊維を他方のパイプまたは棒材の軸心方向に広げ、該他方のパイプまたは棒材の軸心方向に広げられた露出繊維に合成樹脂材を含浸させ、硬化させて他方のパイプまたは棒材に接合することを特徴とする繊維強化プラスチックの接合方法。
  6. 前記露出繊維をパッチ状の強化繊維からなる布地またはテープ状の織物で他方のパイプまたは棒材に巻き付けて補強することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の繊維強化プラスチックの接合方法。
  7. 繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部を他のパイプまたは棒材に接合する繊維強化プラスチックの接合方法において、
    前記接合する少なくも2本の前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材の端部の強化繊維を夫々露出させて夫々露出繊維を形成し、該露出繊維同士を対向させた状態で露出繊維の端部間に中子を挿入し、該露出繊維同士を絡め、該絡めた露出繊維に合成樹脂材を含浸させ、硬化させて少なくも2本の前記繊維強化プラスチックからなるパイプまたは棒材を軸方向に接合することを特徴とする繊維強化プラスチックの接合方法。
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