JP4079253B2 - 粘着ラベル用剥離紙、感熱記録粘着ラベル及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着ラベル用剥離紙(以下、単に剥離紙ということがある)、感熱記録粘着ラベル(以下、単に粘着ラベルということがある)及びそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基紙及び剥離層からなる粘着ラベル用剥離紙は、ラベル、シール、ステッカー、ワッペン等の形態で、工業用、商業用又は家庭用に広く使用されているが、この粘着ラベル用剥離紙の基紙としては、上質紙、片ツヤ紙又はクラフト紙等の普通紙とグラシン紙が用いられている。
【0003】
上質紙、片ツヤ紙又はクラフト紙等の普通紙を基紙とした粘着ラベル用剥離紙は、光透過方式のラベル検知を行うプリンターで使用する場合、センサーに対する光透過性が劣るために、光透過性を向上させるためには秤量を薄くしなければならない。
しかし、秤量の薄い紙を基紙とする粘着ラベル用剥離紙にあっては、粘着加工後のラベル打抜き時の打抜き不良や、打抜き後、ラベルを剥離紙から剥離する際に生じる剥離不良が問題となる。
【0004】
また、シリコーンの目止め層を設けた後、キャレンダー加工により光透過性を向上させる既存技術がある。但し、透明化剤等の使用はなく、物理的にキャレンダーにより光透過率をUPさせる為に、本特許で実施しているキャレンダー加工設備・加工条件では、目的とする水準は得られない。特殊なキャレンダー設備が必要となる。
【0005】
一方、グラシン紙を基紙とした粘着ラベル用剥離紙においては、プリンターのセンシングとリサイクル性(離解性)との両立化手段としては、グラシン紙の特徴(高光透過率で有るが離解性は劣る)から、離解性を改善する方法として、フリーネスの調整により光透過率を若干低下させて、離解性を向上させる技術が報告されている。例えば、特開平7−109699号公報には、フリーネスが130〜240mlCSFのパルプを使用して、コッブサイズ度(30秒)が35〜65g/m2としたグラシン紙を使用した剥離紙、特開平9−031898号公報には、フリーネスが130〜240mlCSFのパルプで抄造された紙を10〜50kg/cmのニップで2本ロールを通過させた後、PVA系樹脂水溶液を塗布して得られるグラシン紙を使用した剥離紙、特開平9−041286号公報には、上記のPVAを限定(重合度:1500〜2700、ケン化度:80〜90モル%)したアンダー液をオンマシーンコーテングして得られるグラシン紙を使用した剥離紙、特開平9−217299号公報には、高叩解パルプ(90−60部:フリーネス100〜250mlCSF)と低叩解パルプ(10−40部:フリーネス 400mlCSF以上)との混合により得られるグラシン紙を使用した剥離紙が開示されている。
【0006】
また、特開平10−204795号公報によれば、粒子径0.4μm以下の顔料と水溶性高分子からなる下塗り層を設けたグラシン紙を使用した剥離紙、特開平11−01897号公報によれば、ヤンキードライヤー処理により片艶を出した紙を多段キャレンダーで圧縮処理して得られた片艶紙に水系塗料を塗布して、コブサイズ度10〜40g/m2、ベック平滑度300〜1000secとし、基体に剥離剤層を設けた剥離紙、特開平8−144198号公報によれば、重合度200〜2000のPVAと潤滑剤としてポリオレフィンワックスを含有するバリアー層を設けた剥離紙が提案されている。
【0007】
しかしながら、これらいずれの提案においても、光透過性と離解性の両立については、いまだ満足すべきレベルには達していないものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような現状に鑑み、高い光透過性を有すると共に、離解性に優れた粘着ラベル用剥離紙、この剥離紙を用いた粘着ラベル及びそれらの製造方法を提供することをその課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、試行錯誤の上、透明化層とその層に用いる透明化剤に着目して鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに到った。
【0010】
すなわち、本発明によれば、第1に、フリーネス350〜500mlCSFの木材パルプを原料とする940〜960nmの光透過率が7%以上の普通紙の表面に、透明化層形成後の940〜960nmの光透過率が11%以上となる透明化剤を含有する透明化層を形成し、該透明化層上に剥離剤層を形成したことを特徴とする粘着ラベル用剥離紙が提供される。
【0011】
この第1の発明には、下記(1)〜(5)に記載の粘着ラベル用剥離紙が含まれる。
(1)該剥離剤層を形成する剥離剤が、無溶剤型の付加反応型シリコーンである粘着ラベル用剥離紙。
(2)該透明化剤が、水素化石油樹脂又はポリオレフィンワックスである粘着ラベル用剥離紙。
(3)該透明化剤の付着量が、該普通紙の秤量に対し、5〜30重量%である粘着ラベル用剥離紙。
(4)該透明化層が、バリアー剤を含有するものである粘着ラベル用剥離紙。
(5)該透明化層と該剥離剤層との間に、バリアー層を形成したものである粘着ラベル用剥離紙。
【0012】
本発明によれば、第2に、上記粘着ラベル用剥離紙上に、感圧性粘着剤層を介して感熱記録紙を積層してなることを特徴とする感熱記録粘着ラベルが提供される。
【0013】
また、本発明によれば、第3に、フリーネス350〜500mlCSFの木材パルプを原料とする940〜960nmの光透過率が7%以上の普通紙の表面に、透明化層形成後の940〜960nmの光透過率が11%以上となる透明化剤を含有する透明化層を形成し、該透明化層上に剥離剤層を形成することを特徴とする粘着ラベル用剥離紙の製造方法が提供される。
【0014】
この第3の発明には、該透明化層を形成した後、該透明化層表面をヒートロールにより乾燥した後に該剥離剤層を形成するものである粘着ラベル用剥離紙の製造方法が含まれる。
【0015】
さらに、本発明によれば、第4に、上記製造方法により製造された感熱記録粘着ラベル用剥離紙上に、感圧性粘着剤層を介して感熱記録紙を積層することを特徴とする感熱記録粘着ラベルの製造方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、表面基材、粘着剤及び剥離紙から構成される粘着ラベルとして使用した場合、透過式の位置検出機(光電管センサー)を有するラベルプリンターにおけるラベル位置検出に問題のない光透過性を有して、かつ単独で普通紙への再生が可能な離解性を有する粘着ラベル用剥離紙、この剥離紙を用いた粘着ラベル及びそれらの製造方法に関するものである。
【0017】
光透過性については、剥離紙の940〜960nmにおける光透過率が11%以上でなければ、透過式の位置検出機を有するラベルプリンターでのラベル位置検出ができなくなる可能性があるが、市場にある種々のプリンターに対応できるためには、11.5%以上の光透過性が好ましい。
一般的な上質紙、片ツヤ紙及びクラフト紙等のフリーネスが400mlCSFの木材パルプを使用している普通紙を使用して剥離紙を製造する場合に、940〜960nmで11%以上の光透過率を得るためには、多量の透明化剤を付着させなければならない。
その場合、コストの向上及び再生時の離解性低下の問題が発生する。また、製造方法の面においても、透明化剤の含浸塗工及び高熱、高圧でのキャレンダー処理等が必要となる。
【0018】
再生性については、透過式の位置検出機を有するラベルプリンターにおけるラベル位置検出機能を有する剥離紙は、高い光透過性を得るためには、一般的には高叩解で抄造する原紙空隙率の低いグラシン紙(フリーネス:300mlCSF以下、原紙空隙率:約20〜30%)を使用する。
しかし、高高叩解、低空隙率のグラシン紙は、一般的な上質紙、片ツヤ紙及びクラフト紙等の普通紙に比べると再生時の離解性に劣り、再生し難い状況である。
【0019】
上記従来技術では、再生時の離解性と透過式の位置検出機を有するラベルプリンターでのラベル位置検出機能との両立のために、中叩解のパルプを使用する方法が提示されているが、この場合、高叩解で空隙率の低い本グラシン紙に比べると再生時の離解性は向上するが、普通紙の離解性に比べると劣り、必ずしも十分なものとはなっていない。
【0020】
本発明では、フリーネス350〜500mlCSFの木材パルプを原料として、940〜960nmの光透過率が7%以上の普通紙の表面に、透明化剤を含有する透明化層を設けることにより、透明化剤の付着量を可能な限り低下できるために、再生時の離解性の低下がなく、透過式の位置検出機を有するラベルプリンターでのラベル位置検出機能を満足する光透過性を有する剥離紙及びそれを用いた粘着ラベルが得られるということが判明した。
【0021】
すなわち、本発明は、フリーネス350〜500mlCSFの木材パルプを原料として、940〜960nmの光透過率が7%以上の普通紙の表面に、透明化層設置後の940〜960nmの光透過率が11%以上となる透明化剤を含有する透明化層を設け、該透明化層上に剥離剤層を設けることにより、再生時の離解性が良好で、透過式の位置検出機を有するラベルプリンターでのラベル位置検出機能を満足する剥離紙及びそれを使用した粘着ラベルを提供することができる。
【0022】
剥離紙の基体となる原紙は、フリーネス350〜500mlCSFの木材パルプを原料として、940〜960nmの光透過率が7%以上で、再生時の離解性が良好な原紙であれば、特に限定されるものではない。
940〜960nmの光透過率が7%より低いと、使用する透明化剤の付着量を多くしなければならなくなり、再生時の離解性が低下する。
【0023】
透明化剤は、シート内での光の吸収、屈折を防止し、紙を透明にする薬剤であり、グラシン紙等のように抄造方法で透明にするのではなく、繊維を透明化するものである。
この透明化剤は、繊維構造の空隙に充分浸透して空気を駆逐しうることが必要であるが、合わせてセルロース繊維の屈折率(約1.49)にできるだけ近い屈折率を有することが好ましい。
この透明化剤の例としては、シュクロースアセテートイソブチレート、パラフィンワックスエマルジョン、ポリプロピレングリコールのグリセリルエーテル、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、水素化石油樹脂等がある。
また、透明化に効果がある透明化樹脂としては、特にポリオレフィンワックスが好ましいが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0024】
また、光透過性が36%以上の普通紙に塗布する透明化剤の付着量としては、塗工後のヒートロール条件及びキャレンダー条件により異なるが、好ましくは普通紙重量(坪量)の5〜30%、さらに好ましくは5〜20%である。
透明化剤の付着量が30%を超えると、再生時の離解性が低下し、5%より低いと、ラベルプリンターでのラベル位置検出機能を満足する透明化の効果が得られない。
特開平8−144198号公報では、アンダー層にポリオレフィンワックスを使用しているが、その付着量(原紙重量の0.1〜0.3%)では、潤滑効果はあるが、本発明で使用する普通紙をベースとした剥離紙の940〜960mmの光透過率を11%以上とすることはできない。
【0025】
本発明では、剥離剤層を均一に薄層に形成させるために、バリアー剤を使用することが好ましい。
バリアー剤は、透明化剤層の上にバリアー層として設ける場合と、透明化剤を含有する透明化層の中に混合して使用することができる場合がある。
バリアー剤としては、剥離剤の浸透を防ぎ、剥離剤層を均一に薄層に形成させる機能を有するものであればよく、一般的には、PVA、デンプン、CMC等の水溶性高分子及びSBR、アクリル系エマルジョン等の水不溶性樹脂が使用できるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
また、バリアー層及び透明化剤を含有する透明化層にバリアー剤を使用する場合、光透過性を著しく低下させない範囲で、クレー、シリカ等の顔料を使用してもよい。
【0026】
本発明で使用される剥離剤としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂等があり、エマルジョン型、溶剤型、無溶剤型として使用することができる。
剥離力、安全性、公害面及びコスト等から、無溶剤型の付加反応型シリコーンが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0027】
本発明では、光透過性及び表面の平滑性向上のために、剥離剤塗布の前にキャレンダー加工を行うことができる。
キャレンダーはマシーン及び/又はスーパーキャレンダー、オンマシーン及び/又はオフマシーンのいずれの方法であってもよい。その条件については、目標とする紙厚及び光透過性等の水準に応じて適宜選択される。
【0028】
本発明では、光透過性及び表面の平滑性向上のために、剥離剤塗布の前にヒートロール加工を行うことができる。
ヒートロールは透明化剤を含有する透明化層及び/又はバリアー層塗布時に加工する条件については、目標とする紙厚及び光透過性等の水準に応じて適宜変更されるが、90℃以上での加工が好ましい。
【0029】
本発明の剥離紙は、一般的な粘着ラベルに使用でき、そのラベル基体としては、印刷用紙、TTR等の受容紙及び感熱記録紙等があるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
本発明で使用される感熱記録紙は、紙、布、フイルム、合成紙の他、透明なものとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のPETフイルム、セルロース誘導体フイルム、ポリオレフィンフイルム、ポリスチレンフイルム又はこれらを貼り合せた透明フイルム等の支持体に感熱記録層を設けたものであり、その構成については以下のとおりである。
【0031】
本発明の感熱記録層において用いるロイコ染料(発色剤)は単独又は2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱記録分野に使用されている下記のようなものが任意に使用されるが、これらに限定されるものではない。
例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。
このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミンフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−〔N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ〕−6−ジエチルアミノフルオラン、2−〔3,6−ビス(ジエチルアミン)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム〕、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−m−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3‐ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオランスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン等を挙げることができる。
【0032】
また、本発明の感熱記録層で用いる顕色剤としては、上記ロイコ染料を熱、溶媒下等で接触させ発色させる電子受容性の種々の化合物又は酸化剤等が使用される。
このようなものは従来公知であり、その具体例としては、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリ−ブチルフェノール)、p−ニトロ安息香酸亜鉛、1,3,5−トリス(4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、2,2−(3,4’−ジヒドロキシジフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4−〔β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ〕サリチル酸、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−5−オキサペンタン、フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム酸、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2,−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシヤリブチルー2−メチル)フェノール、4,4’−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホキシド、p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’−ジフェノールスルホン、2,2’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルジフェニルスルホン、1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)等を挙げることができる。
【0033】
本発明の感熱記録層において顕色剤は、発色剤1重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部である。これら発色剤、顕色剤は共に単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0034】
感熱記録層に用いるバインダー樹脂として好ましいものは、分子内に水酸基又はカルボキシル基を有する樹脂である。
このような樹脂には、例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等のポリビニルアセタール類、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は単独又は2種以上混合して使用される。
【0035】
本発明の感熱記録層には、必要に応じて補助添加成分として、熱可融性物質を単独又は2種以上併用することができる。
熱可融性物質としては、例えば、高級脂肪酸又はそのエステル、アミド又は金属塩の他、各種ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フェニルエステル、高級直鎖グリコール、3,4−エポキシ−ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、その他の熱可融性有機化合物等の50〜200℃程度の融点を持つものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
なお、本発明における感熱記録層を得る場合には、ロイコ染料、顕色剤、バインダー樹脂と共に、必要に応じこの種の感熱記録媒体に慣用される添加成分、例えば、填料、界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤等を感熱記録層の透明性を損なわない範囲で併用することができる。
【0037】
この場合、填料として、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等の有機系の微粉末を挙げることができる。
滑剤としては、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エスチル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類等が挙げられる。
【0038】
感熱記録層は、発色剤、顕色剤、バインダー樹脂を共に溶剤中に均一に分散又は溶解し、これを上質紙やフィルム等からなる支持体上に塗布、乾燥して作製するが、塗工方式は特に限定されるものではない。
感熱記録層塗布液の分散粒径は、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。
感熱記録層の膜厚は、感熱記録層の組成や熱粘着性ラベルの用途にもよるが、1〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度である。
【0039】
本発明では、感熱記録層上に保護層を設けることもできる。
本発明で使用する保護層は、感熱記録層の透明性、耐薬品性、耐水性、耐摩擦性、耐光性及びサーマルヘッドに対する耐久性、耐腐蝕性、滑性等のいわゆるヘッドマッチング性の向上のため、本発明の構成要素として重要である。
この保護層には、水溶性樹脂や疎水性樹脂を主体として形成された成膜や、紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹脂を主体として形成された成膜等が包含される。このような樹脂としては、水溶性樹脂の他、水性エマルジョン、疎水性樹脂及び紫外線硬化樹脂、さらに電子線硬化樹脂が包含される。
【0040】
水溶性樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース等)、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン、ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロック共重合体、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
【0041】
水性エマルジョン用の樹脂又は疎水性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、エチルセルロース、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0042】
また、これらの樹脂とシリコンセグメントとの共重合体も好ましく用いられる。
これらは単独又は混合して使用され、さらに必要に応じて硬化剤を添加して樹脂を硬化させてもよい。
【0043】
紫外線硬化樹脂は紫外線照射によって重合反応を起こし、硬化して樹脂となるモノマー、オリゴマー又はプレポリマーであれば、その種類は特に限定されず、公知の種々のものが使用できる。
【0044】
電子線硬化型樹脂も特に種類は限定されないが、特に好ましい電子線硬化樹脂としては、ポリエステルを骨格とする5官能以上の分枝状分子構造を有する電子線硬化樹脂及びシリコン変性電子線硬化樹脂を主成分としたものである。
【0045】
保護層には、ヘッドマッチングの向上のために無機及び/又は有機フィラーや滑剤を表面の平滑性を低下さない範囲で添加することができる。
フィラーの粒径としては、0.3μm以下が好ましい。
また、この場合のフィラーとしては、給油量30ml/100以上、好ましくは80ml/100g以上のものが選択される。
【0046】
これらの無機及び/又は有機フィラーとしては、この種の感熱記録分野に慣用される顔料中の1種又は2種以上を選択することができる。
その具体例としては、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機顔料の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機顔料を挙げることができる。
また、滑剤としては、感熱記録層の説明で挙げたものが使用できる。
【0047】
保護層の塗工方式に特に制限はなく、従来公知の方法で塗工することができる。
好ましい保護層の厚さは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmである。
保護層の厚さが薄すぎると、熱粘着性ラベルの保存性やヘッドマッチング等の保護層としての機能が不充分であり、厚すぎると感熱記録層の熱感度が低下するし、コスト的にも不利である。
【0048】
本発明においては必要に応じて、支持体と感圧粘着剤層との間及び/又は、支持体と感熱記録層との間に断熱層(アンダー層)が設けられる。
この断熱層を設けることによって、サーマルヘッドの熱のエネルギーの効率を向上させ、もって熱活性化温度を下げることができる。
さらに、感圧粘着剤層の熱活性化時、反体面の感熱記録層の発色をブロックすることもできる。
断熱層は、微小中空粒子及びバインダーと共に、必要とあれば、顔料、また、この種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、熱可融性物質、フィラー、界面活性剤等を併用することができる。
この場合、熱可融性物質の具体例としては、感熱記録層の説明において述べた熱可融性物質と同様のものが用いられる。
【0049】
本発明における非発泡性断熱層で用いる樹脂としては、SBR、MBR、NBR等のラテックス及びポリビニルアルコール、セルロース誘導体、澱粉及びその誘導体、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びその誘導体、スチレン/アクリル酸共重合体及びその誘導体、ポリ(メタ)アクリルアミド及びそれらの誘導体、スチレン/アクリル酸/アクリルアミド共重合体、アミノ基変性ポリビニルアルコール、エポキシ変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体及びその誘導体等の水溶性高分子樹脂等が挙げられる。
【0050】
また、フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末を挙げることができる。
【0051】
本発明における断熱層としては、熱可塑性樹脂を殻としてなる中空度30%以上の微小中空粒子又はポーラスな顔料を用いた非発泡性断熱層及び発泡性フィラーを用いた発泡性断熱層があげられるが、好ましくは非発泡性断熱層である。
【0052】
本発明の断熱層に用いられる熱可塑性樹脂を殻としてなる中空度30%以上の微小中空粒子は、内部に空気その他の気体を含有するもので、既に発泡状態になっている微小中空粒子であり、この個数平均粒子は2.0〜20μmのものが使用できるが、3〜10μmのものがより好ましい。
この個数平均粒子径(粒子外径)が2.0μmよりも小さいものは、任意の中空度にするのが難しい等の生産上の問題があって、コストの面で問題があり、逆に20μmより大きいものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、サーマルヘッドとの密着性が低下し、ドット再現性が悪くなるとともに感度向上効果が低下する。
したがって、このような粒子分布は粒子径が上記範囲にあると同じに、バラツキの少ない分布スペクトラムの均一なものが望ましい。
【0053】
さらに、本発明において用いるプラスチック球状中空粒子は、中空度が30%以上のものが使用できるが、50%以上がより好ましい。
この中空度が30%未満のものは断熱性が不十分なため、サーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて熱粘着性ラベルの外へ放出され、発色感度向上がなされず、また、光照射による熱変換の熱エネルギーの断熱効果が少なく、感圧粘着剤の活性化の効果が劣り、粘着性の発現が弱まる。
【0054】
なお、ここでいう中空度とは、中空粒子の外径と内径の比であり、下記式で表示されるものである。
【数1】
【0055】
本発明で用いる微小中空粒子は、上記したように熱可塑性樹脂を殻とするものであるが、この熱可塑性樹脂としては、特に塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が好ましい。
また、本発明の断熱層に用いられる他のポーラスな顔料としては、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の有機顔料やシラス土等の無機顔料等があるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0056】
支持体と感熱記録層との間及び/又は支持体と感圧粘着剤層との間に非発泡性断熱層を設けるには、上記の微小中空粒子を公知の水溶性高分子、水性高分子エマルジョンなどのバインダーと共に水と分散し、これを支持体表面に塗布し、乾燥することによって得られる。
この場合、微小中空粒子の塗布量は、支持体1m2当たり少なくとも1g、好ましくは2〜15g程度であり、また、バインダー樹脂の塗布量は、非発泡性断熱層を支持体に強く結合させるような量でよく、通常は、該微小中空粒子とバインダー樹脂との合計量に対して2〜50重量%である。
【0057】
本発明において、上記非発泡性断熱層を形成する際に使用されるバインダーとしては、従来公知の水溶性高分子及び/又は水性高分子エマルジョンから適宜選択される。
【0058】
その具体例としては、水溶性高分子として、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルイン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。
【0059】
また、水性高分子エマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。
【0060】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら実施例によって、本発明はなんら限定されるものではない。
【0061】
実施例1
フリーネス400mlCSFの木材パルプを原料とした940〜960nmの光透過率9.5%の普通紙(上質紙、坪量:47g/m2、厚み:60μm)に、下記バリアー剤を含有する透明化剤を含む透明化層を乾燥後重量が7g/m2となるように塗工して設け、その後、キャレンダー加工(圧:25kg/cm2、速度:15m/min)後に、その上に下記剥離剤層を乾燥後重量が1g/m2となるように塗工して剥離紙を得た。
[剥離剤層]
無溶剤型付加反応型シリコーン樹脂 100重量部
硬化触媒 1.5重量部
[バリアー剤を含有する透明化剤を含む透明化層]
水素化石油樹脂(エマルジョン、SC=40%) 30重量部
10%ポリビニルアルコール水溶液 30重量部
水 40重量部
上記で得られた剥離紙に、アクリル系感圧粘着剤(日本エヌエスシー製;SC=54%)を乾燥後付着量が18g/m2となるように塗布、乾燥した後、感熱記録紙(リコー製:130LAB−1)を貼り合わせて、感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0062】
実施例2
実施例1の水素化石油樹脂エマルジョン系透明化剤に代えて、パラフィンワックスエマルジョン系透明化剤(S.C=40.0%)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0063】
実施例3
実施例1の水素化石油樹脂系透明化剤に代えて、アクリル系透明化剤(エマルジョン、SC=40%)用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0064】
実施例4
実施例1の[バリアー剤を含有する透明化剤を含む透明化層]のPVAを取り除いて、透明化層の上にPVAのバリアー層を乾燥後重量が1g/m2となるように塗工した後、実施例1と同様にキャレンダー加工、剥離剤塗布を行って得られた剥離紙を使用して感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0065】
実施例5
実施例1のキャレンダー加工をしなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0066】
実施例6
実施例1の透明化層の重量を4g/m2とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0067】
実施例7
実施例1の透明化層の重量を14g/m2とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0068】
実施例8
実施例1の透明化層の重量を4g/m2、キャレンダー加工条件を50kg/cm2、速度:15m/minとした以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0069】
実施例9
実施例1のキャレンダー加工に代えて、ヒートロール加工(乾燥温度:100℃、速度:15m/min)を行った以外は、実施実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0070】
実施例10
実施例1で使用した普通紙を、フリーネス400mlCSFの木材パルプを原料とした940〜960nmの光透過率7.5%の普通紙(上質紙、坪量:50g/m2、紙厚;65μm)とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0071】
実施例11
実施例1で使用した普通紙を、フリーネス370mlCSFの木材パルプを原料とした940〜960nmの光透過率10%の普通紙(上質紙、坪量:46g/m2、紙厚;58μm)とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0072】
比較例1
実施例1で使用した普通紙を、フリーネス400mlCSFの木材パルプを原料とした940〜960nmの光透過率6%の普通紙(坪量:60g/m2、紙厚;80μm)とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0073】
比較例2
実施例1の[バリアー剤を含有する透明化剤を含む透明化層]の透明化剤を取り除いた以外は、実施例1と同じ同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0074】
比較例3
実施例1で得られたキャレンダー加工後の剥離紙用原紙に代えて、フリーネス270mlCSFの木材パルプを原料とした940〜960nmの光透過率12%のグラシン紙を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0075】
比較例4
実施例1で得られたキャレンダー加工後の剥離紙用原紙に代えて、フリーネス150mlCSFの木材パルプを原料とした940〜960nmの光透過率19%のグラシン紙を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
【0076】
比較例5
フリーネス400mlCSFの木材パルプを原料とした940〜960nmの光透過率9.5%の普通紙(上質紙、坪量:47g/m2、厚み:60μm)に下記バリアー剤の塗被層を乾燥後重量が7g/m2となるように塗工して設けた以外は、実施例1と同様にして感熱記録用粘着ラベルを得た。
[バリアー層の塗被層]
パラフィンワックス系エマルジョン(SC=40%) 0.1重量部
10%ポリビニルアルコール水溶液 40.0重量部
水 59.9重量部
【0077】
上記の実施例1〜11、比較例1〜4の剥離紙及び感熱記録用粘着ラベルについて、以下の評価を行った。
【0078】
<光透過率>
測定器:分光光度計。
【0079】
<センシング性>
上記粘着紙にラベル打ち抜き加工を施し、感熱記録用ラベルを作成し、ラベルプリンター(寺岡精工製、3600XT)を用いて、ラベル発行時のセンシング性を調べた。
(評価) ○:センシング可能。
×:センシング不可。
【0080】
<剥離紙の離解性>
上記剥離紙をJIS P8209に規定される標準離解機による離解処理に供し、試料成分の分散状態を観察して、その離解性を評価した。
(評価) ○:離解性良好(リサイクル化容易)。
△:離解性若干劣る(リサイクル化可能)。
×:離解性劣る(リサイクル化困難)。
【0081】
<剥離性>
上記感熱記録用粘着ラベルを4×6cmにカットして、粘着ラベルを剥離紙から手剥しで剥離した時の剥離性を評価した。
(評価) ○:剥離が軽い。
△:剥離が若干重い。
×:剥離が重い。
評価結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、高い光透過性を有すると共に、離解性に優れた粘着ラベル用剥離紙、この剥離紙を用いた粘着ラベルやそれらの製造方法が提供され、工業用、商業上又は家庭用に広く使用されるラベル、シール、ステッカー、ワッペン等の設計、作製分野に寄与するところはきわめて大きいものである。
Claims (9)
- フリーネス350〜500mlCSFの木材パルプを原料とする940〜960nmの光透過率が7%以上の普通紙の表面に、透明化層形成後の940〜960nmの光透過率が11%以上となる透明化剤を含有する透明化層を形成し、該透明化層上に剥離剤層を形成し、該透明化剤の付着量が、該普通紙の秤量に対し、5〜30重量%であることを特徴とする粘着ラベル用剥離紙。
- 該剥離剤層を形成する剥離剤が、無溶剤型の付加反応型シリコーンである請求項1に記載の粘着ラベル用剥離紙。
- 該透明化剤が、水素化石油樹脂又はポリオレフィンワックスである請求項1又は2に記載の粘着ラベル用剥離紙。
- 該透明化層が、バリアー剤を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の粘着ラベル用剥離紙。
- 該透明化層と該剥離剤層との間に、バリアー層を形成したものである請求項1〜3のいずれかに記載の粘着ラベル用剥離紙。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の粘着ラベル用剥離紙上に、感圧性粘着剤層を介して感熱記録紙を積層してなることを特徴とする感熱記録粘着ラベル。
- フリーネス350〜500mlCSFの木材パルプを原料とする940〜960nmの光透過率が7%以上の普通紙の表面に、透明化層形成後の940〜960nmの光透過率が11%以上となる透明化剤を含有する透明化層を形成し、該透明化層上に剥離剤層を形成し、該透明化剤の付着量が、該普通紙の秤量に対し、5〜30重量%であることを特徴とする粘着ラベル用剥離紙の製造方法。
- 該透明化層を形成した後、該透明化層表面をヒートロールにより乾燥した後に該剥離剤層を形成するものである請求項7に記載の粘着ラベル剥離紙の製造方法。
- 請求項7又は8に記載の製造方法により製造された粘着ラベル用剥離紙上に、感圧性粘着剤層を介して感熱記録紙を積層することを特徴とする感熱記録粘着ラベルの製造方法。
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