JP2011052100A - 感熱性粘着材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱後に十分な粘着特性を有しつつ、加熱前は耐ブロッキング性が良好であり、かつプリンタでの搬送性が良好な感熱性粘着材料を提供する。
【解決手段】支持体上に熱可塑性層と、次いで熱可塑性樹脂、粘着付与剤、固体可塑剤及び非熱溶融性物質を含有する感熱性粘着剤層とを順次積層してなる感熱性粘着材料であって、該熱可塑性層が、50℃の時に1×10Pa・s以上、150℃の時に1×10Pa・s以下の複素粘度を有し、且つ、該非熱溶融性物質が感熱性粘着剤層の膜厚より大きな平均粒子径を有する球形粒子であることを特徴とする感熱性粘着材料。
【選択図】なし

Description

本発明は剥離紙の不要な感熱性粘着材料に関し、特に熱によって粘着性を発現させる剥離紙不要の熱粘着性ラベル等の感熱性粘着材料に関する。
近年、粘着性を有する感熱記録用ラベルはPOS分野を代表として広い分野で使用されているが、通常は感圧粘着剤層の上に剥離紙を貼り付けているのが一般的である。しかしながら、このような粘着性を有する感熱記録用ラベルは有用であるものの、その反面多くの欠点を有している。即ち、剥離紙は、ラベルを物品に貼付するときには剥がし、剥離された剥離紙は回収によって再利用され難く、ほとんどの場合廃棄処分されていることから資源の無駄である。また、巻装体のスペースの無駄でもあり、それゆえコスト高にも繋がる。またラベルを物品に貼付するとき、剥離紙を剥がす作業は作業者にとって負担である。
これらの問題点を解決するために、剥離紙を使用しない粘着性を有する感熱記録用ラベルが提案されている。例えば、感熱性粘着剤層中に、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質、更に必要に応じて粘着付与剤を含有するものが提案されている(非特許文献1参照)。具体的には、特許文献1(特開2000−096015号公報)には、ホットメルト型の粘着剤が提案されている。ホットメルト型粘着剤は、加熱時に粘着性が発現し(活性化)、被着体に貼り合わせた後に冷却されて固化することによって粘着性(接着性)を付与している。また、感熱性粘着剤層中に、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質、更に必要に応じて粘着付与剤を含有する型のものが提案されており、こちらは熱に対するレスポンスが良いため、通常のラベルと同様にサーマルヘッドによる粘着性を発現させることができる。
これらの感熱性粘着剤の課題として、活性化後の粘着特性はもとより、活性前の非粘着特性も求められている。すなわち、ブロッキング性能やプリンタ搬送性といった取り扱いの良さを持たせた上で、強い粘着力を発現させるという点が、重要な課題として検証されてきた。耐ブロッキング特性に対しては、例えば使用されている固体可塑剤の特徴の操作として融点の高いものや分子量の大きいものを選択することが提案されているが、これらは熱に対するレスポンスが遅く、特にサーマルヘッド活性目的では十分な特性を持たない。特許文献2(特開平10−258477号公報)においては、固体可塑剤成分の少ない層の上に固体可塑剤成分の多い層を積層することが提案されているが、粘着性においては上層の特徴が優先して発現し、低分子成分が多いために構造的に脆く経時保管性に劣る。また、特許文献3(特開平08−100157号公報)、特許文献4(特開2002−114953号公報)、特許文献5(特開2008−063435号公報)や特許文献6(特開2008−063535号公報)のように、他の材料にブロッキングを防止させる機能を持たせる目的で、ポリオレフィンワックスや無機フィラーを添加する、シリコーン樹脂を添加するといった手段が考案されているが、これらは活性化後には粘着性を阻害する方向に働くため、同じく十分な特性を示さない。特許文献7(特開平11−279495号公報)では熱可塑性樹脂層を感熱性粘着剤層の上に設けることが提案されているが、プリンタ搬送性に関連した動摩擦係数が高く、活性化後の寸法安定性に深刻な影響を与える。
本発明の目的は、上記のような感熱記録用ラベル又は単なる熱粘着性ラベルの現状に鑑み、加熱後に十分な粘着特性を有しつつ、加熱前は耐ブロッキング性が良好であり、かつプリンタでの搬送性が良好な感熱性粘着材料を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、
(1)支持体上に熱可塑性層と、次いで熱可塑性樹脂、粘着付与剤、固体可塑剤及び非熱溶融性物質を含有する感熱性粘着剤層とを順次積層してなる感熱性粘着材料であって、該熱可塑性層が、50℃の時に1×10Pa・s以上、150℃の時に1×10Pa・s以下の複素粘度を有し、且つ、該非熱溶融性物質が感熱性粘着剤層の膜厚より大きな平均粒子径を有する球形粒子であることを特徴とする感熱性粘着材料、
(2)該熱可塑性層が、少なくとも熱可塑性樹脂と固体可塑剤からなることを特徴とする前記1に記載の感熱性粘着材料、
(3)該球形粒子の重量平均粒径(Dw)と数平均粒径(Dn)の比率が1.5以下であることを特徴とする前記1または2に記載の感熱性粘着材料、
(4)該球形粒子がシリコーン、またはシリコーンによって被膜された材料であることを特徴とする前記3に記載の感熱性粘着材料、
(5)該支持体と熱可塑性層の間に、中空フィラーを含む断熱層を設けたことを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の感熱性粘着材料、
(6)該支持体における感熱性粘着剤層とは反対側の面に、記録層を有してなることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の感熱性粘着材料、
(7)該記録層上に、更に保護層を有してなることを特徴とする前記6に記載の感熱性粘着材料、
(8)該記録層が、感熱記録層、熱溶融転写記録用インク受容層、電子写真用トナー受像層、ハロゲン化銀写真用記録層、及びインクジェット用インク受像層のいずれかであることを特徴とする前記6または7に記載の感熱性粘着材料、
(9)該支持体が、合成紙、及びプラスチックフィルムのいずれかであることを特徴とする前記6〜8のいずれかに記載の感熱性粘着材料、
(10)ラベル状、シート状、及びロール状のいずれかであることを特徴とする前記7〜9のいずれかに記載の感熱性粘着材料、
が提供される。
本発明によれば、加熱後に十分な粘着特性を有しつつ、加熱前は耐ブロッキング性が良好であり、かつプリンタでの搬送性が良好な感熱性粘着材料が提供される。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の感熱性粘着材料は、支持体上に熱可塑性層および感熱性粘着剤層を順次積層してなる。感熱性粘着剤層には層厚みよりも大きな粒子径の球形粒子を用いることで、最表面に粒子が顔を出す形で存在しており、そのため他の物質との接触はこの粒子の存在により点接触となるために、貼り付きにくくなる。ここで言う「膜厚」とは、球形粒子の存在しない領域の感熱性粘着剤層の塗工厚みを指し、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察などにより確認できる。この機能により、圧力下で静置した際にブロッキングを引き起こさず、また摩擦力が低下するためにプリンタ搬送経路でのジャムを引き起こさない。ただし、そのままでは活性化した後に球形粒子が今度は粘着を阻害する方向に働くため、加熱して粘着力を持たせたい時には、粒子が表面から埋没した状態にして粘着性の面が十分に被着体に接触する必要がある。そのため、非活性時には圧力が掛かった際に足場として球形粒子を支える固い下地である必要があり、一方で加熱した際には上記球形粒子が埋没するように流動性を有するという特徴の層を下に設けることで解決できる。この時熱可塑性層は、50℃では複素粘度1×10Pa・s以上の複素粘度が必要であり、150℃では1×10Pa・s以下の複素粘度になっている必要がある。50℃で1×10Pa・sより小さい複素粘度の時には球形粒子は圧力によって下層に沈みやすいため、例えばロール状態で保管するなどの圧力の掛かった環境であると、内部では表面が平滑になるために、反対面に貼り付いてしまう。一方で150℃で1×10Pa・sを上回る複素粘度になっていると、粒子が沈みにくいために表面に凹凸が残り、感熱性粘着剤の機能を阻害する。
ここで本発明でいう複素粘度とは、熱可塑性層の塗布液を40℃に設定した送風乾燥機にて乾固させて直径15mm×高さ1mmの円筒状ペレットを作成し、レオメータ(ジャスコインタナショナル社製VAR−100)にて50℃または150℃まで昇温し、オートテンション3N、周波数1Hz、印加歪1%の条件にて測定した値である。
感熱性粘着剤層における熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(メタ)アクリル系重合体エマルジョンが好適に用いられる。該(メタ)アクリル系重合体エマルジョンとしては、特に制限はなく、一般に各種のアクリル系粘着剤に用いられているものを使用でき、例えば(メタ)アクリル酸エステルを一括仕込み重合法、モノマー逐次添加重合法、乳化モノマー逐次添加重合法、シード重合法等の公知の乳化重合法により容易に製造することができる。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、得られるエマルジョンに貯蔵安定性を付与するため前記(メタ)アクリル酸エステルに換えて(メタ)アクリル酸を少量使用してもよい。更に所望により(メタ)アクリル酸エステル重合体の接着特性を損なわない程度において、例えば、酢酸ビニル、スチレン等の共重合可能なモノマーを併用できる。
前記(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする重合体のガラス転移温度は、−70℃〜−30℃が好ましい。前記ガラス転移温度が、−30℃より高くなると、粘着性が低下することがあり、−70℃より低くなると、耐ブロッキング性が低下することがある。
なお、アクリル系重合体エマルジョンに用いられる乳化剤にはアニオン系乳化剤、部分ケン化ポリビニルアルコール等を使用でき、その使用量は重合体100質量部に対して0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.5質量部〜3質量部がより好ましい。
熱可塑性樹脂の感熱性粘着剤層における含有量は、10質量%〜60質量%が好ましく、15質量%〜50質量%がより好ましい。前記熱可塑性樹脂の含有量が10質量%未満及び60質量%を超えた場合、いずれも粘着力の低下となるので好ましくない。また、低ガラス転移温度(Tg)樹脂の含有率が60質量%を超えると、通常の保存環境下温度で粘着力が発現するなど保存上の不具合(ブロッキング)が生じることがある。
感熱性粘着剤層における固体可塑剤は、室温において固体であり、加熱時に溶融するものが用いられる。前記固体可塑剤の融点は、80℃以上が好ましく、上限値は200℃程度である。前記融点が80℃未満であると、感熱性粘着材料としたときに通常の保存環境下温度で粘着力が発現するなど、保存上の不具合(ブロッキング)が生じる。また、感熱性粘着剤層塗布液を基材に塗布し、乾燥するときに粘着力が発現するなどの製造上の不具合も生じることがある。前記融点が200℃を超えると、粘着力を発現させるために大量のエネルギーが必要となり、実用上の不具合が生じる。また、感熱記録紙を基材として用い、大量のエネルギーで粘着力を発現させた場合には、感熱記録層が発色するため印字画像が読み取れなくなるという問題がある。
前記固体可塑剤としては、例えば、下記構造式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物、下記構造式(2)で表されるトリフェニルホスフィン化合物、下記構造式(3)で表される化合物、更には下記構造式(4)で表されるヒドロキシ安息香酸エステル化合物、下記構造式(5)から(11)で表される化合物、などが挙げられる。
・構造式(1)
Figure 2011052100
ただし、前記構造式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、及びα,α−ジメチルベンジル基のいずれかを表す。Xは、水素原子、及びハロゲン原子のいずれかを表す。
前記構造式(1)におけるアルキル基としては、炭素数が1〜8のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
前記置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、特定の置換基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基)を有していてもよいアルキル基、アリール基、複素環基などが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記構造式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−sec−ブチル−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、などが挙げられる。
・構造式(2)
Figure 2011052100
・構造式(3)
Figure 2011052100
・構造式(4)
Figure 2011052100
ただし、前記構造式(4)中、Rは、炭素数が1〜18のアルキル基、シクロヘキシル基、アルケニル基、アラルキル基(芳香環に置換基を有していてもよい)、及びフェニル基のいずれかを表す。
前記構造式(4)で表されるヒドロキシ安息香酸エステル化合物としては、例えば、m−ヒドロキシ安息香酸メチル、m−ヒドロキシ安息香酸エチル、m−ヒドロキシ安息香酸フェニル、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ステアリル、p−ヒドロキシ安息香酸シクロヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸4−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸4−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸フェニル、などが挙げられる。
・構造式(5)
Figure 2011052100
ただし、前記構造式(5)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アルキル基及びアルコキシ基のいずれかを表す。Yは、水素原子、及び水酸基のいずれかを表す。
・構造式(6)
Figure 2011052100
ただし、前記構造式(6)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表す。Yは、水素原子、及び水酸基のいずれかを表す。
・構造式(7)
Figure 2011052100
ただし、前記構造式(7)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを表す。
前記構造式(5)〜(7)において、前記アルキル基としては、前記構造式(1)と同様のものが挙げられる。
前記構造式(5)〜(7)におけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、などが挙げられる。
前記構造式(5)で表される化合物としては、例えばトルオイン、アニソイン、m−アニソイン、デオキシトルオイン、デオキシアニソイン、4,4’−ジエチルベンゾイン、4,4’−ジエトキシベンゾイン、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(6)で表される化合物としては、例えば1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−クロロフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−クロロフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−メチルフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−メチルフェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−クロロフェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−クロロフェニルなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(7)で表される化合物としては、例えば安息香酸−3−ヒドロキシフェニル、安息香酸−4−ヒドロキシフェニル、安息香酸−2−ヒドロキシフェニル、o−メチル安息香酸−3−ヒドロキシフェニル、p−クロロ安息香酸−3−ヒドロキシフェニル、などが挙げられる。
・構造式(8)
Figure 2011052100
ただし、前記構造式(8)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、又はアルキル基を表す。m及びnは、1〜5の整数を表す。
・構造式(9)
Figure 2011052100
・構造式(10)
Figure 2011052100
ただし、前記構造式(10)中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。nは1〜5の整数を表す。
前記構造式(1)〜(10)で表される固体可塑剤は、体積平均粒子径で10μm以下、好ましくは3μm以下に粉砕して用いることができる。また、体積平均粒子径を更に細かく、例えば、0.5μm以下にすることにより、動的な熱感度が上がり低エネルギーで熱可塑性樹脂及び粘着付与剤と相溶して熱活性粘着剤となる。
前記固体可塑剤は、1種を単独で用いる以外に、前記構造式(1)〜(10)で表される化合物と任意の割合で併用することができるが、その場合の配合比は任意に調整することが可能である。
本発明においては、0℃の環境下でのダンボールに対する粘着性の点から固体可塑剤として、上記構造式(1)、上記構造式(2)、及び上記構造式(3)の少なくともいずれかで表される化合物を用いることが好ましく、上記構造式(1)及び上記構造式(2)の混合物、上記構造式(3)の化合物が特に好ましい。
感熱性粘着剤層における固体可塑剤の含有量は、25質量%〜80質量%が好ましく、35質量%〜70質量%がより好ましい。前記固体可塑剤の含有量が、25質量%未満であると、熱可塑性樹脂と組合せた場合、ブロッキングが生じやすく、また粘着力の低下をきたすことがあり、80質量%を超えると、粘着力の低下が生じることがある。
粘着付与剤は、感熱性粘着剤層の粘着力を向上させるために添加され、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジン誘導体(例えば、ロジン、重合ロジン、水添ロジン)、テルペン系樹脂(例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂)、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられる。これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質と相溶して、感熱性粘着剤の粘着力を著しく向上させることができる。
前記粘着付与剤の融点(又は軟化点)は、80℃以上が好ましく、80〜200℃がより好ましい。前記融点(又は軟化点)が80℃未満であると、通常の保存環境下温度で保存上の不具合(耐ブロッキング性が低下)が生じることがある。
前記粘着付与剤の前記感熱性粘着剤層における含有量は、1〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、粘着力が低下してしまうことがあり、30質量%を超えると、通常の保存環境下温度で保存上の不具合(耐ブロッキング性が低下)や低温環境下での初期粘着力の低下が生じることがある。
本発明の感熱性粘着剤層には、非熱溶融性物質として球形粒子を用いる。非熱溶融性物質とは、加熱時に有機低分子化合物のような融解現象や分解現象を起こさない物質を表し、具体的には、無機フィラー、有機フィラー、有機フィラー−無機フィラーの複合系フィラーなどが好ましく挙げられる。
球形無機フィラーの材質としてはシリカ、ガラスビーズ等、球形有機フィラーとしては、例えば、ベンゾグアナミン‐ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、メラミン‐ホルムアルデヒド縮合物、ポリメタクリル酸メチル系架橋物、ポリメタクリル酸ブチル系架橋物、尿素‐ホルマリン樹脂、スチレン‐メタクリル酸共重合体、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。球形有機フィラー−無機フィラーの複合系フィラーとしては、シリカ‐アクリル複合化合物などが挙げられる。また、これらの他にも、離型性に優れるシリコーン樹脂の粒子を用いることができ、例えば、シリコーンゴム、シリコーンレジンの粒子、シリコーンゴムとシリコーンレジンの複合粒子、などが好適に挙げられる。
またこれらをシランカップリング剤等やチタネートカップリング剤によって表面性を変えたものも用いることができる。
これらの非熱溶融性物質の中でも、有機フィラーが好ましく、その中でも、シリコーン系粒子、ポリメタクリル酸メチル架橋物(架橋型PMMA粒子)、ポリスチレン樹脂がより好ましく、さらには耐熱性の面からシリコーン系粒子(すなわちシリコーン、またはシリコーンによって被膜された材料)が特に好ましい。サーマルヘッドによる粘着性発現(活性化)を考えた場合、シリコーンが離型性に優れるためにサーマルヘッドへのダメージが小さく、ヘッドマッチング性に優れた特性を有している。
球形粒子の平均粒子径は、塗工した感熱性粘着剤層の粘着機能発現の観点から5〜30μmが好ましく、より好ましくは8〜20μmである。また、この球形粒子が単分散に近いとは、すなわち粒子径分布範囲が狭いことを指し、具体的には重量平均粒径(Dw)と数平均粒径(Dn)の比率が1.5以下である。単分散に近いものを使用することで、ブロッキング性能を維持するために必要な球形粒子の量を減らすことができるため、背反項目である粘着特性に良い影響が出る。
なお本発明でいう球形粒子の平均粒子径、重量平均粒径(Dw)および数平均粒径(Dn)は、コールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)を使用して測定される。
前記熱可塑性樹脂に対する非熱溶融性球形粒子の質量比(非熱溶融性物質/熱可塑性樹脂)としては、0.1〜2.0が好ましく、0.2〜1.2がより好ましい。
前記非熱溶融性物質の質量比が、0.1未満であると、感熱性粘着剤層表面があるのと変わらない状態になることから耐ブロッキング性が低下し、一方で2.0を超えると、粘着性が低下することがある。また、熱溶融性物質に対する非熱溶融性物質の質量比(非熱溶融性物質/熱溶融性物質)としては、0.1〜1.0が好ましく、0.1〜0.5がより好ましい。
前記非熱溶融性物質の質量比が、0.1未満であると、耐ブロッキング性が低下することがあり、0.5を超えると、粘着性が低下することがある。
本発明の球形粒子の膜中への導入にはどのような方法を用いても良いが、塗布液中にあらかじめ分散させてから塗布乾燥して設けるのが好ましい。この時、粒子自身がシリコーンのもの、あるいは他の材質の球形粒子に対して表面をシランカップリング剤等の薬品を用いてシリコーン化したものは、液中の他の成分が乾燥時に弾かれ、球形粒子表面にきれいに現れるために好ましい。
前記感熱性粘着剤層には、必要に応じて、共融化剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、ブロッキング防止剤等のその他の成分を添加することができる。
本発明の熱可塑性層としては、前記の複素粘度特性を有することが必要であり、樹脂単独で設けても、混合物で形成してもこの特性を有するものであれば良い。樹脂単独としては、溶融温度が50〜150℃の間にあるウレタン樹脂、アクリル樹脂等の高分子のうち、重合度の低いものが挙げられる。混合物としては、樹脂と有機低分子の相溶性の良い組み合わせの混合物であると、熱に対する応答性が良いために好ましい。中でも樹脂として熱可塑性樹脂、有機低分子として固体可塑剤という、感熱性粘着剤層と同様の材料の組み合わせを用いることで、上層との親和性や層間結着が良いものを作ることができる。
本発明の感熱性粘着材料は、支持体と、該支持体の一方の面上に熱可塑性層、および感熱性粘着剤層を順次設けたものであり、必要に応じて、支持体と感熱性粘着層の間に断熱層を設けることができ、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、平板状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記感熱性粘着材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、無機材料と有機材料に大別される。前記無機材料としては、例えばガラス、石英、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、SiO、金属などが挙げられる。前記有機材料としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、合成紙等の紙;三酢酸セルロース等のセルロース誘導体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなどが挙げられる。これらの中でも、上質紙、コート紙、プラスチックフィルム、合成紙が特に好ましい。
前記支持体は、塗布層の接着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、酸化反応処理(クロム酸等)、エッチング処理、易接着処理、帯電防止処理等の表面改質を行うことが好ましい。なお、前記支持体には、酸化チタン等の白色顔料を添加することが好ましい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm〜2,000μmが好ましく、100μm〜1,000μmがより好ましい。
本発明の感熱性粘着剤を基材の片面に塗布することにより、塩化ビニルラップやポリオレフィンラップ、特にダンボールに対する粘着力が強く、かつ耐ブロッキング性も良好な感熱性粘着材料を得ることができる。
前記感熱性粘着剤層および熱可塑性層は、例えば従来公知のバーコーター、ロールコーター、アプリケーター、ホットメルトコーター等により塗工後、熱風乾燥、赤外線、マイクロ波、高周波等の乾燥を行い作製される。
前記感熱性粘着剤層の塗布膜厚は球形粒子の平均粒子径によって調整する。平均粒子径の30〜95%が好ましく、更に好ましくは50〜90%が良い。30%未満の場合は擦過等によって球形粒子が感熱性粘着剤層から脱落することがある。また95%よりも厚い場合は球形粒子が層の表面から隠されてしまうため、耐ブロッキングの効果がなくなる。
熱可塑性層の塗布膜厚は、上記球形粒子と感熱性粘着剤層の膜厚との関係から調整する。感熱性粘着剤層が球形粒子の平均粒子径の80%の厚みの場合、熱可塑性層の膜厚は20%以上に設定する。球形粒子の平均粒子径に対し、感熱性粘着剤層と熱可塑性層の膜厚の合計の比は100%以上が好ましいが、300%を上限とするのが良い。それを超えると成膜後の層の収縮によりシワなどが発生しやすくなるし、またコスト的にも不利である。
熱可塑性層及び感熱性粘着剤層の付着量は、乾燥塗工量で通常2〜35g/m、好ましくは5〜25g/mの範囲で塗布される。それぞれ塗工量が2g/m未満であると、加熱による接着を行う際に十分な接着力が得られない。また、35g/mを超えると、接着機能が飽和し経済上好ましくない。
本発明において、前記熱可塑性層と支持体の間に断熱層を設けることができる。断熱層は、少なくとも熱可塑性樹脂及び中空粒子のような中空フィラーを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。断熱層を設けることで熱効率が向上し、粘着力を向上させることができる。
前記熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度(Tg)−70℃〜−30℃の熱可塑性樹脂を用いることができる。これら樹脂としては、例えば、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル−酢酸ビニル−共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル−酢酸ビニル−共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体が特に好ましい。
前記中空粒子としては、体積平均粒子径が2.0μm〜5.0μmであり、かつ中空率が70%以上である球状プラスチック中空粒子が好ましく、中空粒子の最大粒子径が10.0μm以下であると共に、体積平均粒子径が2.0μm〜5.0μmであり、かつ中空率が70%以上の球状中空粒子がより好ましい。前記中空率は85〜95%が更に好ましい。
前記中空率が70%未満であると、断熱効果が不充分であるためにサーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて外へ放出され、粘着力向上の効果が劣ることがある。前記体積平均粒子径が5.0μmを超えると、このような中空粒子を用いた断熱層上に感熱性粘着層を設けた場合、大きな粒子の部分には感熱性粘着層が形成されない部分が生じて、熱活性化した場合に粘着力が低下しやすくなることがあり、2.0μm未満であると、中空率70%以上を確保することが困難になり、粘着力向上効果が劣ることがある。
ここで、前記球状プラスチック中空粒子とは、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気、その他の気体を含有し、すでに発泡状態となっている中空粒子を意味する。前記中空率とは、前記中空微粒子の外径基準の体積と内径基準の体積との比率を意味する。
前記球状中空粒子の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体などが挙げられる。
断熱層における前記ガラス転移温度(Tg)が−70℃〜−30℃である熱可塑性樹脂と前記中空粒子との混合割合は、前記熱可塑性樹脂1質量部に対し前記中空粒子0.1質量部〜2質量部が好ましく、0.3質量部〜1質量部がより好ましい。前記中空粒子が0.1質量部未満であると、粘着力向上効果が劣ることがあり、2質量部を超えると、中空アンダー層の結着力が劣って粘着力が弱くなることがある。
断熱層は、特に制限はなく、公知の方法に従って形成することができるが、例えば、上記成分を配合してなる断熱層塗布液を用いた塗布法により好適に形成することができる。
前記塗布法としては、例えばブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアーナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法、などが挙げられる。
断熱層塗布液の塗布量は、乾燥塗布量で1g/m〜35g/mが好ましく、1g/m〜5g/mがより好ましい。前記断熱層塗布液の塗布量が1g/m未満であると、加熱による接着を行う際に十分な接着力が得られず、また断熱効果が劣ることがあり、35g/mを超えると、接着力や断熱効果が飽和してしまうことがある。
本発明の前記感熱性粘着材料は、支持体における感熱性粘着剤層とは反対側の面上に、記録層を設け、更に必要に応じて保護層やその他の層を設けてもよい。
前記記録層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感熱記録層、熱溶融転写記録用インク受容層、電子写真用トナー受像層、ハロゲン化銀写真用記録層、及びインクジェット用インク受像層、などが好適に挙げられる。これらの中でも、前記記録層として、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録用の感熱性粘着材料、又は前記記録層として、熱溶融転写記録用インク受容層を設けた熱転写記録用の感熱性粘着材料は、各種被着体、特にダンボール等の粗面被着体やポリオレフィンラップに対する粘着力が強く、低エネルギー熱活性化、かつ、耐ブロッキング性も良好であり、極めて有用である。
感熱記録層において用いるロイコ染料(発色剤)は単独又は2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱記録材料に適用されている下記のようなものが任意に使用されるが、これだけに限定されるものではない。例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミンフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−〔N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ〕−6−ジエチルアミノフルオラン、2−〔3,6−ビス(ジエチルアミン)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム〕、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−m−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3‐ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオランスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’,5’−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソプロピル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン等が挙げられる。
また、本発明において、感熱記録層で用いる顕色剤としては前記ロイコ染料を熱、溶媒下等で接触させ発色させる電子受容性の種々の化合物、又は酸化剤等が適用される。このようなものは従来公知であり、その具体例としては以下に示すようなものが挙げられるが、これだけに限定されるものではない。
4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリ−ブチルフェノール)、p−ニトロ安息香酸亜鉛、1,3,5−トリス(4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、2,2−(3,4’−ジヒドロキシジフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4−〔β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ〕サリチル酸、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−5−オキサペンタン、フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム酸、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2,−クロロフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(6−ターシヤリブチルー2−メチル)フェノール、4,4’−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジフェノールスルホキシド、p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’−ジフェノールスルホン、2,2’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルジフェニルスルホン、1−アセチルオキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−1−ナフトエ酸亜鉛、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸亜鉛、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4’−チオビス(2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロフェノール)等が挙げられる。
本発明において、感熱記録層で用いる顕色剤は、発色剤1質量部に対して、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2〜10質量部である。これら発色剤、顕色剤はともに単独もしくは二種以上混合して使用することができる。
感熱記録層に用いるバインダー樹脂として好ましいものは分子内に水酸基又はカルボキシル基を有する樹脂である。このような樹脂には、例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等のポリビニルアセタール類、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらバインダー樹脂は単独又は2種以上混合して適用される。
本発明における感熱記録層には必要に応じて補助添加成分として、熱可融性物質を単独又は2種以上併用することができる。熱可融性物質としては、例えば高級脂肪酸又はそのエステル、アミドもしくは金属塩の他、各種ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フェニルエステル、高級直鎖グリコール、3,4−エポキシ−ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、その他熱可融性有機化合物等の50〜200℃程度の融点を持つものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、本発明における感熱記録層を得る場合には、ロイコ染料、顕色剤、バインダー樹脂とともに必要に応じこの種の感熱記録媒体に慣用される添加成分、例えば填料、界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤等を感熱記録層の透明性を損なわない範囲で併用することができる。
この場合填料として、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン系樹脂などの有機系の微粉末を挙げることができる。滑剤としては高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類などが挙げられる。
感熱記録層は発色剤、顕色剤、バインダー樹脂をともに溶剤中に均一に分散もしくは溶解し、これを上質紙やフィルム等からなる支持体上に塗布、乾燥して作成するが、塗工方式は特に限定されない。感熱記録層塗布液の分散粒径は10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下が更に好ましい。感熱記録層の膜厚は感熱記録層の組成や熱粘着性ラベルの用途にもよるが1〜50μm程度、好ましくは3〜20μm程度である。
本発明の感熱記録層の記録方法は使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザー加熱等、特に限定されない。
本発明では感熱記録層上に保護層を設けることもできる。本発明で使用する保護層は感熱記録層の透明性、耐薬品性、耐水性、耐摩擦性、耐光性及びサーマルヘッドに対する耐久性、耐腐蝕性、滑性等のいわゆるヘッドマッチング性の向上のため本発明の構成要素として重要である。この保護層には水溶性樹脂や疎水性樹脂を主体として形成された成膜や、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を主体として形成された成膜等が包含される。このような樹脂としては水溶性樹脂の他、水性エマルジョン、疎水性樹脂及び紫外線硬化樹脂、さらに電子線硬化樹脂が包含される。
水溶性樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース等)、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン、ポリビニルアルコール/アクリルアミドブロック共重合体、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
水性エマルジョン用の樹脂または疎水性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、エチルセルロース、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
また、これらの樹脂とシリコンセグメントとの共重合体も好ましく用いられる。これらは単独もしくは混合して使用され、更に必要に応じて硬化剤を添加して樹脂を硬化させてもよい。
紫外線硬化樹脂は紫外線照射によって重合反応を起こし、硬化して樹脂となるモノマー、オリゴマーあるいはプレポリマーであればその種類は特に限定されず、公知の種々のものが使用できる。
電子線硬化型樹脂も特に種類は限定されないが、特に好ましい電子線硬化樹脂としては、ポリエステルを骨格とする5官能以上の分枝状分子構造を有する電子線硬化樹脂及びシリコン変性電子線硬化樹脂を主成分としたものである。
保護層にはヘッドマッチングの向上のために無機及び/又は有機フィラーや滑剤を表面の平滑性を落とさない範囲で添加することができる。フィラーの粒径としては0.3μm以下が好ましい。また、この場合のフィラーとしては好ましくは給油量30ml/100以上、より好ましくは80ml/100g以上のものが選択される。
これらの無機及び/又は有機フィラーとしては、この種の感熱記録媒体に慣用される顔料中の一種又は二種以上を選択することができる。その具体例としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機顔料の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂などの有機顔料を挙げることができる。また、滑剤としては感熱記録層の説明で挙げたものが使用できる。
保護層の塗工方式は特に制限はなく、従来公知の方法で塗工することができる。好ましい保護層の厚さは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmである。保護層の厚さが薄すぎると、熱粘着性ラベルの保存性やヘッドマッチング等の保護層としての機能が不充分であり、厚すぎると感熱記録層の熱感度が低下するし、コスト的にも不利である。
前記支持体と前記感熱記録層との間には、更に必要に応じて、前記断熱層などを設けることもできる。
これらの層を構成する成分としては、前記の中空粒子を含む顔料、結合剤、熱可融性物質、界面活性剤などを用いることができる。
本発明の感熱性粘着材料は、その感熱性粘着層の熱活性化時(加熱時)の前又は後でカットされて好適に使用することができ、この場合、該感熱性粘着材料に、予め切れ目が形成されていてもよい。前記感熱性粘着材料を、ラベル、タグ等の様々な用途に好適に用いることができる点で有利である。本発明の感熱性粘着材料の形状としては、特に制限はなく、ラベル状、シート状、ラベルシート状、ロール状、などが好適に挙げられる。これらの中でも、利便性、保管場所、取り扱い性の点から円筒状の芯材に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されるのが好ましい。
本発明前記の感熱性粘着材料における前記感熱性粘着剤層を熱活性化する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱風による活性化方法、熱ロールによる活性化方法、サーマルヘッドによる活性化方法、などが挙げられる。これらの中でも、サーマルヘッドによる活性化方法が好ましく、本発明の感熱性粘着材料の熱活性化方法が特に好ましい。
この場合、既存の感熱記録プリンタ装置を用いて前記感熱粘着材料の両面を加熱することにより、前記感熱記録層への記録と、前記感熱性粘着層の熱活性化とを行うことができる点で有利である。
本発明の感熱性粘着材料が貼付される被着体としては、特に制限はなく、目的に応じてその大きさ、形状、構造、材質等を適宜選択することができるが、前記材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂板、SUS、アルミニウム等の金属板、封筒、ダンボール等の紙製品、ポリオレフィン製のラップ類、ポリ塩化ビニル製のラップ類、ポリエチエレン製不織布(封筒等)、などが好適に挙げられる。
次に本発明を実施例により、更に詳細に説明する。なお、以下に示す部及び%は、いずれも質量基準である。
(A液)染料分散液
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 20部
ポリビニルアルコール10%水溶液 20部
水 60部
(B液)顕色剤分散液
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン 10部
ポリビニルアルコール10%水溶液 25部
炭酸カルシウム 15部
水 50部
上記組成からなる混合物を、それぞれ平均粒子径が2.0μm以下となるようにサンドミルを用いて分散して(A液)及び(B液)を調整した。次に(A液)と(B液)の質量比が(A液):(B液)=1:8となるように混合攪拌して感熱記録層形成液(C液)を得た。この感熱記録層形成液(C液)を、乾燥付着量が5g/mとなるように、坪量80g/mの片面コート紙(OKアドニスラフ、王子製紙社製)の表面に塗布乾燥して、感熱記録層を設けた後、更にベック平滑度が600〜700秒になるようにスーパーキャレンダー処理して感熱記録層形成済紙を得た。
〔D液〕固体可塑剤分散液
・トリフェニルホスフィン 30部
・30%ポリビニルアルコール水溶液(日本合成化学製L−3266) 5部
・界面活性剤(日本乳化剤社製Newcol−290M) 0.2部
・水 65部
上記組成からなる混合物を、平均粒径が1.0μmとなるようにサンドミルを用いて分散して分散液〔D液〕を得た。
〔E液〕非熱溶融性物質分散液
・非熱溶融性球形粒子 30部
・30%ポリビニルアルコール水溶液(日本合成化学製L−3266) 5部
・界面活性剤(日本乳化剤社製Newcol−290M) 0.2部
・水 65部
上記組成からなる混合物を、サンドミルを用いて分散して分散液〔E液〕を得た。
〔F液〕感熱性粘着剤層液
・2‐エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン 10部
(ガラス転移温度(Tg):‐80℃、不揮発分50%)
・テルペン系粘着付与剤エマルジョン
(荒川化学工業製、タマノルE‐100、不揮発分50%) 7部
・固体可塑剤分散液〔D液〕 30部
・非熱溶融性物質分散液〔E液〕 3部
上記組成からなる混合物を混合し、感熱性粘着剤層液〔F液〕を得た。
〔実施例1〕
前記感熱発色層塗布済紙の裏面に、熱可塑性層として中部サイデン社製アクリルエマルジョンX1482を膜厚5μmとなるように塗布乾燥し、その上に非熱溶融性球形粒子として綜研化学社製ケミスノーMR10G(PMMA、平均粒子径10μm、Dw/Dn=2.3)を用いた感熱性粘着剤層液〔F液〕を膜厚8μmとなるように積層塗布乾燥した。膜厚は、塗工済みのサンプルに対して、ミクロトーム(ライカ社製RM2265)を用いて垂直に断面を出した。引き続き走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製SEM S3100)にて、断面に対して垂直の視野で厚みを測定した。
〔実施例2〕
熱可塑性層として、非熱溶融性物質分散液を0部とした〔F液〕を膜厚5μmとなるように塗布乾燥した以外は、実施例1と同様に熱可塑性層と感熱性粘着剤層を積層した。
〔実施例3〕
非熱溶融性球形粒子として綜研化学社製ケミスノーMX1000(PMMA、平均粒子径10μm、Dw/Dn=1.4)を用い、混合量を2部に減らした以外は、実施例2と同様に熱可塑性層と感熱性粘着剤層を積層した。
〔実施例4〕
非熱溶融性球形粒子としてモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製トスパール1110(シリコーン、平均粒子径11μm、Dw/Dn=1.4)を用いた以外は、実施例3と同様に熱可塑性層と感熱性粘着剤層を積層した。
〔実施例5〕
〔G液〕断熱層塗布液
・プラスチック球状中空粒子(アクリロニトリル/塩化ビニリデン/メタクリル酸メチル共重合体)
(固形分濃度41%、平均粒子径3.6μm、中空率90%) 15部
・熱可塑性樹脂 B−1 (2−エチルヘキシルアクリレート共重合体エマルジョン(ガラス転移温度(Tg):−80℃、不揮発分50%)) 24部
・界面活性剤(エレメンティスジャパン社製ダプロW−77) 0.1部
・水 60部
上記組成からなる混合物を攪拌分散して、断熱層塗布液〔G液〕を調製した。前記感熱発色層塗布済紙の裏面に断熱層塗布液〔G液〕を付着量5g/mとなるように塗布、乾燥し、その上に実施例3の熱可塑性層、感熱性粘着剤層を順次塗布乾燥した。
〔比較例1〕
前記感熱発色層塗布済紙の裏面に、感熱性粘着剤層液〔F液〕として非熱溶融性球形粒子を除外したものを用いたものを膜厚13μmとなるように塗布乾燥した。
〔比較例2〕
前記感熱発色層塗布済紙の裏面に、感熱性粘着剤層液〔F液〕として非熱溶融性球形粒子の代わりにシリカ(水澤化学社製ミズカシルP−527)を用いたものを膜厚13μmとなるように塗布乾燥した。
〔比較例3〕
前記感熱発色層塗布済紙の裏面に、感熱性粘着剤層液〔F液〕として非熱溶融性物質分散液を0部としたものを膜厚13μmとなるように塗布乾燥し、さらにスチレン−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(BASF社製、JONCRYL775;ガラス転移温度37℃)を熱可塑性樹脂として2g/mとなるように積層塗布乾燥した。
〔比較例4〕
前記感熱発色層塗布済紙の裏面に、感熱性粘着剤層液〔F液〕として非熱溶融性球形粒子として信越化学社製シリコーンKMP−590(平均粒子径2.0μm)を用いたものを膜厚13μmとなるように塗布乾燥した。
〔比較例5〕
前記感熱発色層塗布済紙の裏面に、感熱性粘着剤層液〔F液〕として非熱溶融性球形粒子の代わりに膨潤性雲母(トピー工業社製NTS−10)を用いたものを膜厚13μmとなるように塗布乾燥した。
〔比較例6〕
感熱性粘着剤層として、非熱溶融性物質分散液を含まず、固体可塑剤分散液〔D液〕を50部として固体可塑剤成分を熱可塑性層より多くした〔F液〕を膜厚8μmとなるように塗布乾燥した以外は、実施例2と同様に熱可塑性層と感熱性粘着剤層を積層した。
〔比較例7〕
熱可塑性層として第一工業製薬社製スーパーフレックスE−4800を膜厚5μmとなるように塗布乾燥した以外は、実施例1と同様に熱可塑性層と感熱性粘着剤層を積層した。
〔比較例8〕
熱可塑性層として第一工業製薬社製スーパーフレックス500を膜厚5μmとなるように塗布乾燥した以外は、実施例1と同様に熱可塑性層と感熱性粘着剤層を積層した。
続いて、これら実施例及び比較例で得られた熱粘着性ラベルについての評価を行った。結果を表1、表2および表3に示す。
[複素粘度]:
熱可塑性層の塗布液を40℃に設定した送風乾燥機にて乾固させて直径15mm×高さ1mmの円筒状ペレットを作成し、レオメータ(ジャスコインタナショナル社製VAR−100)にて所定の温度まで昇温した。複素粘度はオートテンション3N、周波数1Hz、印加歪1%の条件にて測定した。
[ブロッキング性]:
同一のラベルサンプルの感熱記録層と感圧粘着剤層とを接触させ、2kg/cmの圧力で60℃の条件下で24時間試験した後、室温で放置後、サンプルを剥がし、そのときのブロッキング性を下のようなランクで評価した。
◎:ブロッキング発生なし(剥離音なし)
○:ブロッキング発生なし(剥離音あり)
△:若干ブロッキング発生
×:完全貼り付き
[動摩擦係数]:
摩擦試験機(新東科学社製3K−34B)に塗工済みのサンプルを設置し、熱活性面に対してステンレス製ボール圧子を置き、加重50g、掃引速度75mm/minの条件で測定した。
[粘着性]:
塗工済みのサンプルを40mm×150mmの長方形にカットし、感熱印字装置(大倉電気株式会社製、TH−PMD)を用いて、ヘッド条件:エネルギー0.50mJ/dot、印字スピード:2inch/sec、プラテン圧:6kgf/lineの条件にて熱活性化させた。次いで、この活性化済みサンプルを被着体(Cライナーダンボール)に、加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付け、1日間保管後に剥離角度180度、剥離速度300mm/minの条件で剥離させた。粘着力をフォースゲージ(イマダ社製DPS−5)で測定し、読み取った数値を平均化した。
◎:15N以上(強固に貼り付いている)
○:10N以上(十分に貼り付いている)
△:5〜10N(外力に多少弱い)
×:5N未満(長期貼り付け時に脱離する)
[非活性時のプリンタ搬送性]:
印字エネルギーをゼロにした以外は前記粘着性評価と同様の条件にてサンプル紙片を連続100枚排出した際の紙詰まり(排出不良)を確認した。
◎:100枚連続で紙を排出した。
○:正常に排出したが、少し。
△:排出の際に、紙が蛇行した。
×:紙詰まりが発生した。
[活性化感度]:
印字スピードを変更した以外は前記粘着性評価と同様に粘着力を測定し、粘着力が低下し始めたスピードを比較した。速度値が大きいほうが感度が早く、消費エネルギーを下げることができる。
Figure 2011052100
Figure 2011052100
Figure 2011052100
以上のように、実施例1〜5の感熱性粘着材料は、支持体上に熱可塑性層と、次いで熱可塑性樹脂、粘着付与剤、固体可塑剤及び非熱溶融性物質を含有する感熱性粘着剤層とを順次積層し、該熱可塑性層が、50℃の時に1×10Pa・s以上、150℃の時に1×10Pa・s以下の複素粘度を有し、且つ、該非熱溶融性物質が感熱性粘着剤層の膜厚より大きな平均粒子径を有する球形粒子であるので、比較例1〜8に比べ、加熱後に十分な粘着特性を有しつつ、加熱前は耐ブロッキング性が良好であり、かつプリンタでの搬送性が良好であることが分かる。
特開2000−096015号公報 特開平10−258477号公報 特開平08−100157号公報 特開2002−114953号公報 特開2008−063435号公報 特開2008−063535号公報 特開平11−279495号公報
「接着便覧」第12版、131〜135頁、昭和55年、高分子刊行会発行

Claims (10)

  1. 支持体上に熱可塑性層と、次いで熱可塑性樹脂、粘着付与剤、固体可塑剤及び非熱溶融性物質を含有する感熱性粘着剤層とを順次積層してなる感熱性粘着材料であって、該熱可塑性層が、50℃の時に1×10Pa・s以上、150℃の時に1×10Pa・s以下の複素粘度を有し、且つ、該非熱溶融性物質が感熱性粘着剤層の膜厚より大きな平均粒子径を有する球形粒子であることを特徴とする感熱性粘着材料。
  2. 該熱可塑性層が、少なくとも熱可塑性樹脂と固体可塑剤からなることを特徴とする請求項1に記載の感熱性粘着材料。
  3. 該球形粒子の重量平均粒径(Dw)と数平均粒径(Dn)の比率が1.5以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱性粘着材料。
  4. 該球形粒子がシリコーン、またはシリコーンによって被膜された材料であることを特徴とする請求項3に記載の感熱性粘着材料。
  5. 該支持体と熱可塑性層の間に、中空フィラーを含む断熱層を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
  6. 該支持体における感熱性粘着剤層とは反対側の面に、記録層を有してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
  7. 該記録層上に、更に保護層を有してなることを特徴とする請求項6に記載の感熱性粘着材料。
  8. 該記録層が、感熱記録層、熱溶融転写記録用インク受容層、電子写真用トナー受像層、ハロゲン化銀写真用記録層、及びインクジェット用インク受像層のいずれかであることを特徴とする請求項6または7に記載の感熱性粘着材料。
  9. 該支持体が、合成紙、及びプラスチックフィルムのいずれかであることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
  10. ラベル状、シート状、及びロール状のいずれかであることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
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