JP4078860B2 - 電気素子封止方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気素子を封止する電気素子封止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、EL(Electro Luminescence)素子、液晶素子、半導体素子といった電気素子が微細化されている。このような電気素子は、主に、ガラス基板上にフォトリソグラフィー法、エッチング、化学メッキ、蒸着、液滴塗布といった種々の手法を用いて種々の物質の層を積層することで、形成される。
【0003】
ガラス基板102上に形成された電気素子を酸化、塵埃、衝撃、外気などから保護するために、例えば図10又は図11に示すような所謂パッケージが電気素子に施されている。図10に示すように、電気素子である有機EL素子101は、基板102上に形成されており、箱状の封止缶103に覆われている。封止缶103内は内部空間となっており、封止缶103と有機EL素子101は互いに離れている。また、封止缶103は樹脂104によって基板102上に接着されている。
【0004】
図11のパッケージはラミネート構造となっている。つまり、このパッケージでは、樹脂104が有機EL素子101及び基板102上に堆積されており、樹脂104上にガラス製の封止板105が接合されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
樹脂104は、ガラス基板102、封止缶103、封止板105に比べ酸素や水に対する遮蔽性に劣り、ガラス等との接合性についても十分でないため、従来のパッケージでは、封止缶103又は封止板105と基板102との間に位置する樹脂104の露出された側面や、封止缶103又は封止板105と樹脂104との間に生じうる隙間や、樹脂104とガラス基板102との間に生じうる隙間を通じてパッケージ内に外気が侵入してしまう恐れがあるため、有機EL素子101が外気に曝されてしまい、外気中の酸素や水分により有機EL素子101が劣化してしまう恐れがある。
そこで、本発明の課題は、パッケージの密封性を向上し、有機EL素子といった電気素子を外気に曝されないようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、例えば図3〜図5に示すように、基板(例えば、基板2)の一方の面上に設けられた電気素子(例えば、有機EL素子3)を封止する電気素子封止方法において、
前記電気素子全体及び前記基板の前記一方の面の一部を覆うように樹脂(例えば、接着用樹脂9')を形成する樹脂形成工程と、
前記電気素子全体を覆うようにシート材(例えば、金属シート材10や無機材料シート材)を前記樹脂上のみに形成するシート材形成工程と、
前記基板の前記一方の面に対向して配置されたノズルから金属微粒子を含むキャリアガスを吹き付けることで、前記シート材の外周上、前記基板と前記シート材との間の前記樹脂の表面及び前記基板の前記一方の面上に連続するように金属微粒子からなる金属シール層(例えば、金属シール層8)を形成する金属シール層形成工程と、
を含むことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、例えば図8、図9に示すように、基板(例えば、基板2)の一方の面上に設けられた電気素子を封止する電気素子封止方法において、
前記電気素子全体及び前記基板の前記一方の面の一部を覆うように樹脂(例えば、接着用樹脂9')を形成する樹脂形成工程と、
前記電気素子全体を覆うようにシート材(例えば、金属シート材10や無機材料シート材)を前記樹脂上のみに形成するシート材形成工程と、
前記基板と前記シート材との間の前記樹脂の表面に樹脂シール層(例えば、樹脂シール層27)を形成する樹脂シール層形成工程と、
前記基板の前記一方の面に対向して配置されたノズルから金属微粒子を含むキャリアガスを吹き付けることで、前記シート材の外周上、前記樹脂シール層の表面及び前記基板の前記一方の面上に連続するように金属微粒子からなる金属シール層(例えば、金属シール層8)を形成する金属シール層形成工程と、
を含むことを特徴とする。
【0008】
請求項1又は3記載の発明では、電気素子上に封止材として樹脂が形成されて、この樹脂上にシート材を形成することで、電気素子は樹脂及びシート材によって封止される。そして、キャリアガスを吹き付けることで、金属シール層が形成されるが、この金属シール層は金属微粒子が吹き付けられて堆積されたものであるため、金属微粒子同士が緻密に且つ強固に結着している。従って、金属シール層は、密度、液密性及び気密性の向上したものとなり、金属シール層と基板との界面から外気が侵入することが防止され、電気素子の劣化が抑えられる。
また、電気素子はシート材や樹脂が覆われているので、シール工程においてキャリアガスを吹き付けても、キャリアガスによって電気素子が汚染、短絡が引き起こされることがない。
また、請求項3記載の発明では、樹脂シール層を形成した後に、金属シール層を形成しているため、密封性がさらに向上し、電気素子の劣化が抑えられる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電気素子封止方法において、
前記シート材の外周部を面取りした後に、前記シール工程を行うことを特徴とする。
請求項2記載の発明では、シート材の外周部が面取りしてあるため、金属微粒子を吹き付けている際に、金属微粒子がシート材及び樹脂の側面に確実に堆積する。つまり、金属シール層の形成不良を防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の具体的な態様について説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
【0015】
〔第一の実施の形態〕
図1には、本発明を適用した表示素子1が示されている。
図1に示すように、表示素子1は、透光性を有するとともに絶縁性を有する基板2と、基板2の表面上に形成された電気素子としての有機EL素子3と、有機EL素子3を封止するパッケージ4とを具備し、基板2の裏面が表示面となる所謂ボトムエミッション型の表示素子である。
【0016】
基板2は、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、その他のガラスといった透光性及び絶縁性を有する材料から構成されている。
有機EL素子3は、アノード電極5と、有機EL層6と、カソード電極7とを具備する。有機EL素子3は、基板2側から順にアノード電極5、有機EL層6、カソード電極7が積層した積層構造となっている。
【0017】
アノード電極5は、透光性及び導電性を有している。更に、アノード電極5は、有機EL層6へ正孔を効率よく注入するものが好ましい。例えば、アノード電極5としては、インジウム・スズ・酸化物(ITO:Indium-Tin-Oxide)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)又は酸化亜鉛(ZnO)を主成分としたものがある。
【0018】
有機EL層6は、アノード電極5上に形成されている。有機EL層6は、例えば、アノード電極5から順に正孔輸送層、発光層、電子輸送層となる三層構造であっても良いし、アノード電極5から順に正孔輸送層、発光層となる二層構造であっても良いし、発光層からなる一層構造であっても良いし、その他の層構造であっても良い。
【0019】
つまり、有機EL層6は、正孔及び電子を注入する機能、正孔及び電子を輸送する機能、正孔と電子の再結合により励起子を生成して発光する機能を有する。有機EL層6は、電子的に中立な有機化合物であることが望ましく、これにより正孔と電子が有機EL層6でバランス良く注入及び輸送される。なお、電子輸送性の物質が発光層に適宜混合されていても良いし、正孔輸送性の物質が発光層に適宜混合されても良いし、電子輸送性の物質及び正孔輸送性の物質が発光層に適宜混合されていても良い。
【0020】
有機EL層6上にカソード電極7が形成されている。カソード電極7の材料としては、仕事関数の低い材料である。カソード電極7の具体的なものとして、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、若しくはバリウム、又はこれらの少なくとも1種を含む合金や混合物等が挙げられる。また、カソード電極7は、以上の各種材料の層が積層された積層構造となっていても良く、具体的には、有機EL層6から順に低仕事関数の高純度のバリウム層、高純度アルミニウム層となる積層構造等が挙げられる。また、カソード電極7は遮光性を有し、かつ、有機EL層6から発する光に対して高い反射性を有するのが望ましい。
【0021】
以上のように積層構造となる有機EL素子3では、アノード電極5とカソード電極7との間に電界(電圧)が生じると有機EL層3内に電流が流れるが、このとき正孔がアノード電極5から有機EL層3へ注入され、電子がカソード電極7から有機EL層3に注入される。そして、有機EL層3の発光層へ正孔及び電子が輸送されて、発光層にて正孔及び電子が再結合することによって励起子が生成され、励起子が有機EL層3内の蛍光体を励起して発光する。基板2及びアノード電極5が透明であるため、光は基板2及びアノード電極5を透過し、基板2の裏面が表示面となり、カソード電極7が反射性を有しているため表示輝度も高くなる。
【0022】
パッケージ4は、金属シール層8と、接着用樹脂層9と、金属シート材10とを具備する。
積層方向に見て(平面視して)、接着用樹脂層9は、アノード電極5の端子部5a及びカソード電極7の端子部7aを除き有機EL素子3全面を被覆して、有機EL素子3上に形成されている。更に、接着用樹脂層9は、有機EL素子3の周囲においても基板2上に形成されている。接着用樹脂層9は、絶縁性を有し、エポキシ樹脂を主成分にシリカ充填材等を加えた熱硬化性成形材料、熱可塑性成形材料又は光硬化性成形材料のいずれかからなる。
【0023】
金属シート材10は、有機EL素子3全体を覆うように、接着用樹脂層9によって有機EL素子3上に接着されている。積層方向に見て、金属シート材10は、接着用樹脂層9全面を被覆して、接着用樹脂層9上に設けられており、基本的に厚さ0.1mm〜1mmである。金属シート材10は、酸素、ネオン、アルゴン或いは窒素といった気体を遮蔽するものであり、導電性を有する。金属シート材10が接着用樹脂層9によって有機EL素子3に接着されていることで、静電気等の電気的な外乱から有機EL素子3が保護されるとともに、後述のパッケージングの際にキャリアガスによって有機EL素子3が汚染されることが防止される。
【0024】
積層方向に見て、金属シール層8は、有機EL素子3を囲繞するようにして形成されている。つまり、積層方向に見て、金属シール層8は、金属シート材10の外周部に堆積されているとともに、金属シート材10の周囲において基板2上に堆積されている。従って、金属シール材8は接着用樹脂層9の側部の表面に密着して形成されている。金属シール層8は、導電性を有し、例えば、Ni、Fe、Cr、Co、Au、Ag、Al、Cu、Pd等の金属単体、これらの一種又は二種以上の混合物である。金属シール層8は、粒径0.1μm〜0.01μmの金属微粒子が吹き付けられることで形成される。
【0025】
金属シール層8は、図2に示すような成膜装置によって形成される。
成膜装置は、金属微粒子が形成される生成室61と、金属シール層8が形成される膜形成室62と、生成室61と膜形成室62を連結する搬送管63と、搬送管63を取り巻く余分粒子排気管64と、搬送管63の先端に設けられたノズル65と、膜形成室62内に設けられるとともに基板2がセットされるヒータ66と、ヒータ66にセットされた基板2の位置決めを行う位置決め機構と、膜形成室62を真空圧にする真空排気系システム67と、キャリアガス(例えば、He、Ar等の不活性ガス、H等の還元性ガス又はN2等の非酸化性ガス)を循環するとともに循環の過程でキャリアガスを純化するキャリアガス純化・循環システム68と、生成室61に配置される加熱源69等とから構成されている。
【0026】
パッケージ4の製造方法及び有機EL素子3の封止方法について説明する。
まず、図3に示すように、基板2に形成されている有機EL素子3の全面に接着用樹脂9'を塗布して、接着用樹脂9'で有機EL素子3全体を被覆する。接着用樹脂9'を塗布した段階で、平面視して接着用樹脂9'の外縁内に有機EL素子3が含まれるように、接着用樹脂9'が堆積されている。このときアノード電極5の端子部5a及びカソード電極7の端子部7aは接着用樹脂9'の外に露出されている。そして、図4に示すように、平面視して有機EL素子3より面積の大きい金属シート材10を有機EL素子3全体に覆い、接着用樹脂9'で金属シート材10と有機EL素子3を接着する。接着用樹脂9'が固化すると、接着用樹脂9'が接着用樹脂層9となり、有機EL素子3と金属シート材10が固着する。
【0027】
次いで、金属シート材10が接着された基板2を成膜装置のヒータ66にセットする。そして、キャリアガス純化・循環システム68で数100kPaに加圧されたキャリアガスを生成室61に供給するとともに、真空排気系システム67で膜形成室62を真空圧(1.3×103Pa)にする。更に、加熱源69にセットされた金属材料(Ni、Fe、Cr、Co、Au、Ag、Al、Cu、Pd等の金属単体、これらの一種又は二種以上の混合物)を加熱源69によって加熱して蒸発させる。これにより、蒸発した金属材料は、キャリアガス分子と衝突し、冷却され微粒子となって搬送管63に吸い込まれる。
【0028】
搬送管63に吸い込まれた金属微粒子は、図2に示すように、ノズル65より数100m/s以上の速度で吹き出て、ヒータ66にセットされた基板2及び金属シート材10に衝突する。この際、位置決め機構で基板2を移動させつつ、金属微粒子を含むキャリアガスを連続的又は断続的にノズル65から吹き付けるが、積層方向に見て金属シート材10と基板2の境界部分に向けてキャリアガスが吹き付けられるように基板2を位置決め機構で移動させる。これにより、金属シート材10の外周部及びその周辺に金属微粒子が堆積されて、金属シール層8が形成される。
【0029】
金属微粒子が基板2及び金属シート材10に高速で衝突して堆積しているから、形成された金属シール層8は、図5に示すように、金属微粒子同士が緻密に且つ強固に結着してなるものであり、特に金属同士である金属シート材10との密着性に優れている。従って、金属シール層8は、導電性及び熱導電性に優れ、密度、液密性及び気密性の向上したものとなる。このように金属シール層8は、金属シート材10の周囲から露出された接着用樹脂層9の側面、金属シート材10と接着用樹脂層9との間の界面、並びに基板2と接着用樹脂層9との間の界面、を金属シール層8で覆うことでこれら界面での隙間及び側面から有機EL素子3への酸素、水の侵入を抑制することができ、有機EL素子3の劣化が抑えられる。
【0030】
また、有機EL素子3に予め金属シート材10を接着してから、金属微粒子を含有したキャリアガスを噴射しているため、有機EL素子3に直接キャリアガスがあたらない。よって、金属微粒子の衝突により有機EL素子3が破損することもない。また、金属シート材10がキャリアガスに対して遮蔽性を有しているため、有機EL素子3がキャリアガスに汚染されない。
【0031】
また、金属シール層8は、化学メッキ法、真空蒸着、メタリコン法等と異なって、単に金属微粒子を高速に噴射することのみで形成されている。従って、金属シール層8を形成する過程は、化学メッキ法のように、薬液の使用・調整といった煩わしさもない上、薬液による金属シート材10若しくは有機EL素子3の汚染の問題もない。真空蒸着法のように、層の形成速度も遅くない。メタリコン法と比較しても、高熱に溶融した金属を吹き付けることによって金属シート材10、有機EL素子3若しくは基板2が損傷するといったこともない。
【0032】
また、有機EL素子3が金属シート材10に覆われている上、更にその外周部分に金属シール層8が形成されているから、静電気等の電気的な外乱から有機EL素子3が保護される。また、金属シート材10及び金属シール層8と有機EL素子3との間に絶縁性の接着用樹脂層9が介在しているため、有機EL素子3が電気的に短絡することもない。
【0033】
ところで、金属シート材10の外周部に金属微粒子が吹き付けられているため、図6に示すように、金属シート材10の外縁の稜角で金属微粒子が突先11のように堆積し、更に、基板2で山12のように堆積し、突先11に邪魔された金属微粒子が接着用樹脂層9の側面において堆積されずに、切欠き13が形成されることも時々起こる。そこで、図7に示すように、金属シート材10の外縁の稜角を取り除くことによって金属シート材10の外縁に面取り部14を施すと、図6のような切欠き13が形成されない。面取り部14は、角のある面取りであっても良いし、曲面の面取りであっても良い。金属シート材10の外縁に面取りを施すのは、金属シート材10の形成時であっても良いし、金属シート材10の形成後であっても良く、金属微粒子を吹き付ける前ならいつでも良い。
【0034】
〔第二の実施の形態〕
上記第一の実施の形態では、金属シート材10の周囲から露出された接着用樹脂層9の側面、金属シート材10と接着用樹脂層9との間の界面、基板2と接着用樹脂層9との間の界面、を金属シール層8で覆うことで内部の有機EL素子3への酸素、水の侵入を抑制したが、第二の実施の形態ではこれら接着用樹脂層9の側面や界面の隙間を樹脂シール層で覆い、さらにこの樹脂シール層を金属シール層で覆うことで封止している。
【0035】
図8には、第二の実施の形態における表示素子20について示されている。
表示素子20は、基板2と、有機EL素子3と、パッケージ24とを具備する。基板2及び有機EL素子3は上記第一の実施の形態の場合と同様の構成をしているため、詳細な説明を省略する。
【0036】
パッケージ24は、樹脂シール層27と、金属シール層28と、接着用樹脂層9と、金属シート材10とを具備する。接着用樹脂層9及び金属シート材10は、上記第一の実施の形態の場合と同様の構成をしているため、詳細な説明を省略する。
【0037】
積層方向に見て、樹脂シール層27は、有機EL素子3を囲繞するようにして形成されている。つまり、積層方向に見て、樹脂シール層27は、金属シート材10の外周部に形成されているとともに、金属シート材10の周囲において基板2上に形成されている。このため、樹脂シール層27は、金属シート材10の周囲から露出された接着用樹脂層9の側面、金属シート材10と接着用樹脂層9との間の界面、基板2と接着用樹脂層9との間の界面、を覆っている。なお、樹脂シール層27は、基本的に絶縁性を有し、例えば、エポキシ等を主成分としている。
【0038】
積層方向に見て、金属シール層28も有機EL素子3を囲繞するようにして形成されている。つまり、積層方向に見て、樹脂シール層27の全面に形成されているとともに、樹脂シール層27の周囲において基板2に形成されている。また、金属シール層28は、樹脂シール層27からはみ出て金属シート材10上でも形成している。金属シール層28は、間に樹脂シール層27に形成されていることを除いて、上記第一の実施の形態の金属シール層8と概ね同様であるが、金属シール層28は、接着用樹脂層9の側面、金属シート材10と樹脂シール層27との間の界面、基板2と樹脂シール層27との間の界面、を覆い、この部分を水及び酸素の侵入から保護している。
【0039】
パッケージ24の製造方法及び有機EL素子3の封止方法について説明する。
第一の実施の形態の場合と同様に、有機EL素子3全体を覆うように接着用樹脂9'を有機EL素子3に塗布して、有機EL素子3全体を覆うように金属シート材10を接着用樹脂9'で有機EL素子3に接着する(図3及び図4)。次いで、ディスペンサ装置で、平面視して金属シート材10と基板2の境界部分に樹脂を塗布し、塗布された樹脂が固化することで樹脂シール層27が形成される(図9)。このとき樹脂シール層27は、金属シート材10の周囲から露出された接着用樹脂層9の側面、金属シート材10と接着用樹脂層9との間の界面、基板2と接着用樹脂層9との間の界面、を覆うように塗布される。次いで、第一の実施の形態とほぼ同様に図2の成膜装置を用いて、金属微粒子をノズル65から噴射する。この際、樹脂シール層27に向けてキャリアガスを吹き付けるように基板2を位置決め機構で移動させる。これにより、積層方向に見て樹脂シール層27の周囲における基板2及び樹脂シール層27全面に、金属微粒子を堆積して金属シール層28を形成する。このとき金属シール層28は、接着用樹脂層9の側面、金属シート材10と樹脂シール層27との間の界面、基板2と樹脂シール層27との間の界面、を覆うように形成される。
【0040】
第二実施の形態でも、従来に比較して密封性の向上したパッケージ24を提供でき、つまり、第一の実施の形態の場合と同様の効果を奏する。なお、第二の実施の形態においても、第一の実施の形態の場合と同様に、金属シート材10の外周部に面取りを施しても良い。
【0041】
〔応用例〕
本発明は、上記各実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0042】
例えば、金属微粒子を含むキャリアガスを吹き付けている際に、基板2をヒータ66で最大約200℃に加熱しても良い。この程度に基板2を加熱しても、有機EL素子3が熱損傷することもない上、金属シール層8又は金属シール層28と基板2との密着力が更に向上する。
【0043】
また、金属シート材10に代えて、ガラス、セラミックス等といった無機材料シート材を接着用樹脂層9で有機EL素子3に接着しても良い。また、金属シート材10に代えて、有機材料シート材と金属シート材10の複合シート材、有機材料シート材と無機材料シート材の複合シート材を接着用樹脂層9で有機EL素子3に接着しても良い。ところで、これら金属シート材10、有機材料シート材、無機材料シート材或いは複合材料シート材が透光性となれば、所謂トップエミッション型の表示素子の提供も可能であり、図1又は図8の例であれば金属シート材10の表面が表示面となる。この場合、接着用樹脂層9を透光性を有する材料(例えば、エポキシ樹脂)とするとともに、有機EL素子3の積層順番を逆にする(つまり、基板2から順にカソード電極7、有機EL層6、アノード電極5の順に積層する)。
【0044】
また、一つの有機EL素子だけでなく、二つ以上の有機EL素子をまとめて一つのパッケージ4又はパッケージ24で封止しても良い。例えば、基板2の表面状にm行n列(m、nともに1以上の整数)のマトリクス状に複数の有機EL素子を配列し、その後、全ての有機EL素子を被覆するように接着用樹脂9'を塗布して、全ての有機EL素子を被覆するように金属シート材10を接着する。その後は、上記各実施の形態と同様に、樹脂シール層27並びに金属シール層28又は金属シール層8を形成すれば良い。もちろん、この場合各有機EL素子が画素となるが、各画素ごとに設けられてその画素の有機EL素子を駆動するスイッチング回路(一又は複数のTFTから構成される)も接着用樹脂層9に覆われたいわゆるアクティブマトリクス型有機EL素子が、パッケージ4又はパッケージ24に封止されるようにしてもよい。
【0045】
また、パッケージ4又はパッケージ24が封止するものは、基板2の表面上に形成される電気素子なら有機EL素子に限らない。例えば、二つの対向電極と、この対向電極に挟まれる液晶層とを具備する液晶素子がパッケージ4又はパッケージ24に封止されても良いし、電界効果型トランジスタがパッケージ4又はパッケージ24に封止されても良い。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、金属シール層は金属微粒子が吹き付けられて堆積されたものであるため、金属微粒子同士が緻密に且つ強固に結着している。従って、金属シール層は、密度、液密性及び気密性の向上したものとなる。更に、金属微粒子が吹き付けられることで、金属微粒子が基板に堆積するため、金属シール層と基板の密着力は非常に高い。従って、金属シール層と基板との界面から外気が侵入することが防止され、電気素子の劣化が抑えられる。また、電気素子にシート材が接着されているので、シール工程においてキャリアガスを吹き付けても、キャリアガスによって電気素子が汚染されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明が適用された表示素子の断面図であり、図1(b)は前記表示素子の平面図である。
【図2】図2は金属シール層を成膜する装置を示す図面である。
【図3】図3は有機EL素子を封止する工程を説明するための図面であり、図3(a)は断面図であり、図3(b)は平面図である。
【図4】図4は有機EL素子を封止する工程を説明するための断面図である。
【図5】図5は有機EL素子を封止する工程を説明するための図面であり、図5(a)は断面図であり、図5(b)は平面図である。
【図6】図6は、有機EL素子の外縁付近を示す断面図である。
【図7】図7は、有機EL素子の外縁付近を示す断面図である。
【図8】図8(a)は別の例の表示素子の断面図であり、図8(b)はこの表示素子の平面図である。
【図9】図9は、前記別例の表示素子において有機EL素子を封止する工程を説明するための断面図である。
【図10】従来の有機EL素子を封止するパッケージを示す断面図である。
【図11】従来の有機EL素子を封止するパッケージを示す断面図である。
【符号の説明】
1 表示素子
2 基板
3 有機EL素子(電気素子)
4 パッケージ
5 アノード電極
7 カソード電極
8 金属シール層
9 接着用樹脂層(樹脂層)
9’ 接着用樹脂(樹脂)
10 金属シート材(シート材)
14 面取り部
20 表示素子
24 パッケージ
27 樹脂シール層
28 金属シール層

Claims (3)

  1. 基板の一方の面上に設けられた電気素子を封止する電気素子封止方法において、
    前記電気素子全体及び前記基板の前記一方の面の一部を覆うように樹脂を形成する樹脂形成工程と、
    前記電気素子全体を覆うようにシート材を前記樹脂上のみに形成するシート材形成工程と、
    前記基板の前記一方の面に対向して配置されたノズルから金属微粒子を含むキャリアガスを吹き付けることで、前記シート材の外周上、前記基板と前記シート材との間の前記樹脂の表面及び前記基板の前記一方の面上に連続するように金属微粒子からなる金属シール層を形成する金属シール層形成工程と、
    を含むことを特徴とする電気素子封止方法。
  2. 前記シート材の外周部を面取りした後に、前記金属シール層形成工程を行うことを特徴とする請求項1記載の電気素子封止方法。
  3. 基板の一方の面上に設けられた電気素子を封止する電気素子封止方法において、
    前記電気素子全体及び前記基板の前記一方の面の一部を覆うように樹脂を形成する樹脂形成工程と、
    前記電気素子全体を覆うようにシート材を前記樹脂上のみに形成するシート材形成工程と、
    前記基板と前記シート材との間の前記樹脂の表面に樹脂シール層を形成する樹脂シール層形成工程と、
    前記基板の前記一方の面に対向して配置されたノズルから金属微粒子を含むキャリアガスを吹き付けることで、前記シート材の外周上、前記樹脂シール層の表面及び前記基板の前記一方の面上に連続するように金属微粒子からなる金属シール層を形成する金属シール層形成工程と、
    を含むことを特徴とする電気素子封止方法。
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