JP4078246B2 - モータ制御装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザープリンタやデジタル複写機などに利用する画像形成装置における、現像装置等の慣性の大きい負荷を駆動する駆動源の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を用いてフルカラー画像を得る方法としては、
(1)転写ドラム(もしくはベルト)に用紙を保持し、対向する感光ドラム等の像担持体上にマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色を回転現像器が回転することによって順次トナー像を形成し、各色毎に4回転写することにより4色重ね合わせたフルカラー画像を得る1ドラム方式、
(2)各色毎の4個の感光体を有し、各色毎の潜像をそれぞれの感光体上に形成・現像し、用紙上に転写させることにより、4色重ね合わせたフルカラー画像を得る4ドラム方式、
(3)感光体上にマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色を回転現像器が回転することによって順次トナー像を形成し、さらに、転写ドラム(もしくはベルト)等の中間転写体に4色の画像を順次形成し、次いで用紙を接触して4色分を1回で転写する1ドラム一括転写方式、
等がある。
【0003】
また、上記3つの方式において、(2)の方式はコピー速度は速いが構成的にコスト高となるため、中・低速機に於いては、上記(1)、(3)の方式が採用されることが多い。
【0004】
これら(1),(3)の方式の装置に採用されるの駆動源としては、各色の現像器を移動させて感光体の所定の位置での現像行程が必要となるため、正確な位置制御が必要とされる。
【0005】
位置制御に適した駆動源としては一般的にDCサーボモータやステッピングモータなどがよく知られているが、前者はその構成上どうしても高価であり、DCモータ、つまりブラシ機構が必要とされることから、ノイズや耐久性の面でも問題もあるため、位置決め制御にフイードバックする必要が無く、オープンループ制御で駆動する事が出来るステッピングモータが多用されている。
【0006】
そのステッピングモータの駆動方式としては、主に
▲1▼1相励磁方式
▲2▼2相励磁方式
▲3▼1−2相励磁方式
が知られている。また、これらの駆動方式において安定した出力トルクが得られる制御方法として、励磁する相(もしくは巻線)に流れる電流を一定とする定電流制御回路を用いた駆動回路が知られている。
【0007】
この定電流制御方式の回路構成としては、一般的(たとえば非特許文献1参照)に図1に示すように、入力された駆動パルス信号に従い上記▲1▼〜▲3▼の方式に応じてモータの各相(LA,LA*,LB,LB*)のオン・オフシーケンスの信号(A,A*,B,B*)を生成する相励磁パターン生成回路300と、それにより規定された各相(LA,LA*,LB,LB*)のオン期間において、ステッピングモータの巻線電流を一定電流に制御するための定電流制御回路200とで構成される。この定電流制御回路200では、ステッピングモータ100の各相LA、LA*、LB、LB*(もしくは巻線)に流れる電流ia+ia*、ib+ib*を電流検出部201A、201Bで検出する。各相の電流が規定の電流値となるように設定された基準電圧発生回路203の出力電圧と、電流検出部201A、201Bでの検出値とをPWM制御回路202A、202Bに入力し、PWM制御回路202A、202Bからオン・オフ比率を制御されたパルス信号CA、CBが生成される。これらの信号(A,A*,B,B*,CA,CB)のそれぞれの論理積をとったものを、各巻線に接続された半導体スイッチング素子SW_A、SW_A*、SW_B、SW_B*の駆動信号とすることで、所定の駆動期間内に流れる各巻線の電流がほぼ一定値となるように制御される。
【0008】
しかしながら、前記(1)、(3)の方式では、その構成上回転現像器と呼ばれる各色毎の現像器を備えた質量・慣性ともに大きな回転体を高速で駆動する必要があり、その駆動開始・停止に伴う回転体の振動が、レーザ露光系に対して影響し、感光体上に形成される潜像位置ずれを招き、複数色による現像行程が必要となるカラー画像形成に際して、色ずれ、ピッチムラ等のバンディングが顕著に発生してしまうという問題点があった。これは感光ドラムにレーザー等の光学手段で静電潜像を生成しているタイミングで、この回転現像器を始動、停止する(図8:B1)ことによって、振動がレーザー露光系にその振動が伝搬し(図8:B2)と、副走査方向の走査間隔がずれ、いわゆるバンディングと呼ばれるすじが出てしまう(図8:B3)。図7に概念図を示す。
【0009】
図7はライン状の潜像を形成した様子を示しており、図の左側は形成された潜像の拡大図である。正常な潜像形成が行われた場合は、副走査方向に等間隔のライン状の潜像が形成される。
【0010】
しかし、回転現像器の始動、停止によってバンディングが生じると、本来等間隔のはずのライン状の潜像が不等間隔になってしまう。
【0011】
静電潜像を生成しているタイミングで回転現像器を始動、停止させなければ、このバンディングは発生しないが、低コスト構成、且つ、コピースピードの高速化要求に対しては、静電潜像を生成中でも回転現像器を始動、停止させる必要があり、この不具合の改善が重要となる。
【0012】
また、その駆動源となるモータに関しても位置決め制御のコスト的・簡易さ等の理由からステッピングモータが利用されるが、ステッピングモータの欠点としてトルク特性が周波数に依存する点と、低周波駆動時の振動・騒音等があげられる。
【0013】
そこで、従来例では、レーザー露光系においては、あらかじめ振動センサ等の検知手段により、レーザーユニットの振動を検知し、レーザーを逆位相で振動させたり、光学系のミラーの角度を制御したり、感光ドラムの回転速度を制御したりといった方法などが提案されている。
【0014】
また、駆動源においては、振動・騒音対策について回転数に応じて異なる電流値が設定できるようにする方法や、モータの回転数を検出するエンコーダを用いて、回転速度指令値との誤差が一定値内となるように電流値の最適制御を行う方法などが提案されているが、前述したような振動センサ、および回転検出装置などを取り付けなければならないという問題点がありコストアップ、装置の大型化などの問題があった。
【0015】
以上のようにステッピングモータを用いた場合に、その利点としてオープンループでの制御が行えるということがあげられるが、前述のようなフィードバックループでの制御による最適制御ではその利点が失われることになる。
【0016】
また、ステッピングモータの低振動化対策としては、駆動電流を最適な値とすることで、図9に示すようにステップ動作時にロータの移動位置に対するオーバーシュート・アンダーシュートを少なくすることができ、それにより振動・騒音が低減できることが知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0017】
ただし、この電流を設定する場合には、図10に示すような加減速駆動を行う場合にモータの発生トルクは加減速時のトルク分を考慮して設定しなければならず、通常駆動電流の設定を切り替える場合でも定速領域に限定して行う(特許文献1参照)か、もしくは加速時、減速時に限定して行われる(特許文献2,3参照)ものであり、電流設定の変更に起因する電流変化とその振動に関する部分については論じられていなかった。加速・減速時における電流設定をアナログ的に変更することで振動を抑制するも提案されている(特許文献4参照)が、そのトルクの定義方法としては一般的な定義をもとに電流設定を行うものである。
【0018】
【非特許文献1】
『ステッピングモータとマイコン制御』、見城尚志・菅原晟著、総合電子出版、1994年発行、7.3章
【特許文献1】
特開平07−075386号
【特許文献2】
特開平1−205182号
【特許文献3】
特開平2−190368号
【特許文献4】
特開昭63−262098号
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
一般的にステッピングモータに必要とされるトルクの値としては下記のように定義される。
・加速時モータ必要トルク=加速トルク+摩擦トルク
加速トルク=(負荷の慣性モーメント+モータのロータの慣性モーメント)×角加速度
・減速時モータ必要トルク=減速トルク−摩擦トルク
減速トルク=(負荷の慣性モーメント+モータのロータの慣性モーメント)×角加速度
つまり、上記のように加速時の角速度の変化パターンと減速時のそれが同一であれば加速トルクと減速トルクは同じ値となり、必要トルクは摩擦負荷分だけ減速時が小さくなるのが一般的定義であった。このため、駆動電流の設定としては、加速時・減速時ともほぼ同じ電流とせざるを得なかった。
【0020】
本発明は、前述した問題点を解決するためにセンサ等のコストアップ要因を負荷することなく、バンディング対策として有効な駆動停止時ショックの改善を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のモータ制御装置は、負荷を駆動するステッピングモータと、前記ステッピングモータを定電流制御する定電流制御回路と、前記定電流制御回路における電流値を切り替える切替回路と、を有し、前記切替回路は、前記ステッピングモータを減速させる際、前記ステッピングモータの駆動角速度が、前記負荷を定速回転状態から自然減速させた場合の前記負荷の角速度以下であり、かつ、前記ステッピングモータの定電圧動作領域内の角速度であるときに、前記ステッピングモータの加速のための電流値から減速のための電流値へ切り替えることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下では、本発明の実施例1における画像形成装置について、図を参照しながら説明する。
【0024】
図9は本発明に係る画像形成装置の一例であるフルカラープリンタの要部構成図である。図9において、像担持体としての感光体1は図示しないモータで矢印Aの方向に回転する。感光体1の周囲には、現像ユニット13、クリーナ装置12が配置されている。
【0025】
前記現像ユニット13はフルカラー現像のための4台の現像装置13Y,13M,13C、13Kから構成される。現像装置13Y、13M、13C、13Kは、感光体1上の潜像をそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーで現像する。Y、M、Cの各色を現像する際には、図1に示すステッピングモータによって現像ユニット13を矢印R方向に回転させ、当該色の現像装置が感光体1に当接するように位置合わせされる。
【0026】
感光体1に現像された各色のトナー像は、転写装置10によって中間転写体としてのベルト2に順次転写されて、4色のトナー像が重ね合わされる。ベルト2はローラ17,18,19、20に張架されている。これらのうち、ローラ17は図示しない駆動源に結合され、ベルト2を駆動する駆動ローラとして機能する。ローラ18とローラ20はベルト2の張力を調節するテンションローラとして機能する。ローラ19は2次転写装置としての転写ローラ21のバックアップローラとして機能する。
【0027】
ベルト2を挟んでローラ17と対向する位置にはベルトクリーナ22が設けられていて、ベルト2上の残留トナーがブレードで掻き落とされる。
【0028】
記録紙カセット23からピックアップローラ24で搬送路に引き出された記録紙はローラ対25、26によってニップ部、つまり2次転写装置21とベルト2との当接部に給送される。ベルト2上に形成されたトナー像はこのニップ部で記録紙上に転写され、定着装置5で熱定着されて装置外へ排出される。
【0029】
上記構成によるカラープリンタでは、次のようにして画像が形成される。まず、帯電装置7に電圧を印加して感光体1の表面を所定の帯電部電位で一様にマイナス帯電させる。続いて、帯電された感光体1上の画像部分が所定の露光部電位になるようにレーザースキャナからなる露光装置8で露光を行い、潜像が形成される。露光装置8は画像信号に基づいてオン・オフすることにより、画像に対応した潜像を形成する。
【0030】
現像装置13の各色の現像ローラには各色毎に予め設定された現像バイアスが印加されており、潜像は現像ローラの位置を通過時にトナーで現像され、可視化される。トナー像は転写装置10でベルト2に転写され、さらに2次転写装置21で記録紙に転写された後、定着装置5に送給される。フルカラープリント時はベルト上で4色のトナーが重ね合わされた後、記録紙に転写される。感光体1上に残留したトナーは、予備清掃装置で静電的にトナーをクリーニングしやすい状態にされ、クリーナ装置12で除去・回収され、最後に、感光体1は除電装置(不図示)で一様に0ボルト付近まで除電されて、次の画像形成サイクルに備える。
【0031】
上記カラープリンタの画像形成タイミングは、ベルト2上の所定位置を基準として制御されている。ベルト2は駆動ローラ17、テンションローラ18、20、バックアップローラ19からなるローラ類に掛け渡されていて、テンションローラ18、20によって所定の張力が与えられている。
【0032】
バックアップローラ19とテンションローラ20の間には、ベルト2の基準位置を検知する反射型センサ36が配置されている。反射型センサ36はベルト2の外周面端部に設けられた反射テープ等のマーキングを検知して、像形成開始タイミングの基準を示すI−top信号を出力する。
【0033】
前記感光体1の外周の長さとベルト2の周長は、1:n(nは整数)で表される整数比になっている。このように設定しておくと、ベルト2が1周する間に、感光体1が整数回転し、ベルト1周前とまったく同じ状態に戻るため、中間転写ベルト2上に4色を重ね合わせる際に(ベルトは4周回る)、感光体1の回転ムラによる色ズレを回避することが可能である。
【0034】
上記のような中間転写方式の画像形成装置においては、I−top信号を検知したのち、所定時間経過後に帯電装置7により画像信号に応じて潜像形成を開始する。また、前述したとおり、ベルト2が1周する間に、感光体1が整数回転し、ベルト1周前とまったく同じ状態に戻るため、ベルト2上では常に同じ位置にトナー像が形成される。
【0035】
以上のような行程を経てカラー画像が記録用紙に複写されることになるが、ここで、問題となるのが回転現像ユニット等の駆動時、特に停止時の慣性で発生する振動による各色毎の潜像形成時における潜像形成の位置ずれである。潜像形成位置がずれることにより、現像されたトナー画像の位置ずれとなり、4色分のトナー像を重ねた際の色ずれや、画素間隔が変化することにより発生するピッチムラを招くことになる。以下では、これらの色ずれを招く回転現像器の停止時ショックを改善するために減速時における駆動電流の設定を切り替えて、加速時および定速時よりも低い値へ駆動電流を変化させる設定方法について説明する。
【0036】
図1は図9に示す回転現像器13を駆動するための電力回生タイプのステッピングモータの駆動回路ブロック図を示したものであり、その動作は従来技術で説明したように定電流制御を行う。図2はステッピングモータの加減速駆動プロファイルと駆動電流の定電流制御値の切り替えタイミングを示した図である。
【0037】
図1において、100はステッピングモータであり、
前述したようにステッピングモータに必要とされるトルクの値としては一般的に下記のように定義される。
・加速時モータ必要トルク=加速トルク+摩擦トルク
加速トルク=(負荷の慣性モーメント+モータのロータの慣性モーメント)×角加速度
・減速時モータ必要トルク=減速トルク−摩擦トルク
減速トルク=(負荷の慣性モーメント+モータのロータの慣性モーメント)×角加速度
上記のように加速時の角速度の変化パターンと減速時のそれが同一であれば加速トルクと減速トルクは同じ値となり、必要トルクはモータの摩擦負荷分だけ減速時が小さくなるのが一般的定義であったため、駆動電流の設定としては、加速時・減速時ともほぼ同じ電流とせざるを得なかった。
【0038】
しかしながら、負荷の慣性モーメントが大きい場合には減速時には蓄積された回転エネルギーを利用可能であり、このとき各ステップ毎の回転エネルギーの変化量dErotは次式となる。
【0039】
Erot=1/2*Irot*(ωn^2―ωn+1^2)
ここで、ωn:nステップ目の角速度
この運動エネルギーの変化により発生するトルクTrotは
Trot・θstep=Erot(θstep:ステッピングモータのステップ角)
であるから、
Trot=Erot/θstep
となり、実際に駆動源であるステッピングモータに作用するトルクTmotは
Tmot=減速トルク+Trot
であり、減速トルクとTrotの作用方向は逆方向となるため、Trot分トルクが減じることになる。
【0040】
この結果を図3に示す。図3はモータロータのイナーシャと負荷イナーシャとの比を1:2とした場合のもので、『+負荷エネルギー』としてあるグラフが、実際にモータが必要とするトルクとなる
これは、モータロータの運動エネルギー、摩擦トルクによる運動エネルギー、回転現像器の運動エネルギーの総和がモータの必要トルクとなることからも同様に導き出せる。これにより図3(モータ:負荷イナーシャ比=1:2)、図4に(モータ:負荷イナーシャ比=1:2)示すように減速時のトルクはモータロータと負荷のイナーシャ比に応じて、減速時の必要トルクは、加速時の必要トルクに比して減じることになる。
【0041】
ただし、この関係が成立し、電流切替が可能な範囲としては、図2に示すように次の条件が成立する必要がある。
▲1▼角加速度(dω/dt)がある規定値以上
▲2▼ωr≧ωm
ここで、
ωr:負荷となる回転現像器を定速回転状態から駆動トルクを零として、自然減速させた場合の減速カーブ上での角速度
ωm:実際に規定されるモータの駆動速度
▲3▼ωm≧ωc
ここで、
ωc:定電流動作領域と定電圧動作領域が切り替わる角速度
上記の▲3▼は、モータの定電流設定値を切り替える場合に制限として設けた条件である。
【0042】
これは、定電圧動作領域であれば、定電流設定値を変更した場合においても、巻線に供給されている電流が強制的に変化させられることがなく、電流の急変による磁界変化を生じないため不要な振動の発生が抑制出来るためである。
【0043】
図1において、この電流設定の切り替えは、不図示のコントローラからの電流設定変更信号に従って、電流レベル切り替え回路400が基準電圧発生回路203の出力電圧レベルを変更することにより行われる。詳しくは一般的によく知られる基準電圧の分圧比率を、トランジスタなどの半導体スイッチ素子を用いて変更する回路を用いている。
【0044】
この回転現像器側の持つ回転エネルギーによりモータに対して回転トルクを作用させる場合、図1に示す駆動回路においてはモータ側では発電動作を行うことになり、モータ巻線から電源入力側へエネルギーの回生が行われる。
【0045】
この動作を図6のステッピングモータの模式図を用いて説明すると次のようになる。
(1)A相がオン、A*相がオフの場合:A相巻線には図に示す矢印方向へと電流が流れ、磁界を図に示した方向へ発生させてロータの磁極を吸引させる力を発生させる。
(2)A相がオフ、A*相もオフとなった場合:A相巻線に流れていた電流は、相互誘導作用によりA*相巻線には図に示す方向に電流が流れ、電源側へ電力が回生される。
【0046】
このときモータのロータに外力が加えられ、ロータの磁極からの磁束がA*相の巻線の磁路断面を鎖交する量が変位した場合には、磁束が変化しない方向、つまり図で回転方向へロータ磁極が変位した場合にはそれに伴い、電源側へ回生する電流量が増加する方向へ作用する。
【0047】
図6に実際の駆動装置において測定した結果を示す。図に示すように減速時において、回転現像器側からモータロータ側にトルクが作用することで回生電流量が増加し、入力電流がマイナス側になっていることが確認でき、これによる電源電圧の上昇も生じている。
【0048】
以上のような関係となる負荷条件であれば、減速時におけるステッピングモータの駆動電流を加速時に対して減じることが可能となる。実験的に確認した結果では図3に示す加減速駆動パターンで、モータロータと回転現像器とのイナーシャ比が約1:2の構成の装置において、駆動電流としてトルクマージンを1.5としても、加速時の電流4Aに対し、減速時の電流1.5Aまで低減可能であった。さらには回転現像器に蓄積された余剰分のエネルギーを電源入力側へ回生することができ、減速時の終了時のみの電流切り替え等の手法に対してもより省電力で、かつ、停止時だけでなく低速領域でのステップ振動の低減が図れるという利点が得られる。
【0049】
これにより回転現像器を備えたカラー複写機において、効果的なバンディング補正が可能となる。
【0050】
本発明は、画像形成装置の回転現像器だけではなく、慣性の大きな負荷を駆動・停止制御する装置に有効である。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、負荷の駆動の減速時、負荷のイナーシャに蓄積された回転エネルギーを電源側に回生しつつ、駆動電流の低減が図れ、かつ、負荷の駆動停止時のショック低減が行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステッピングモータの定電流駆動回路である。
【図2】電流切り替え可能範囲の設定図である。
【図3】トルク特性を示す図である。
【図4】トルク特性を示す図である。
【図5】ステッピングモータの動作模式図である。
【図6】モータの実動作時の電源電圧・入力電流特性を示す図である。
【図7】バンディングの概要を示す図である。
【図8】振動伝播経路の模式図である。
【図9】ステッピングモータの駆動電流による動作応答特性を示す図である。
【図10】加減速駆動時の必要トルクを説明する図である。
【図11】回転現像器構成もつ画像形成装置の概略断面図である。
【符号の説明】
13 回転現像器
100 ステッピングモータ
200 定電流制御回路
400 電流レベル切替回路
Claims (1)
- 負荷を駆動するステッピングモータと、
前記ステッピングモータを定電流制御する定電流制御回路と、
前記定電流制御回路における電流値を切り替える切替回路と、
を有し、
前記切替回路は、前記ステッピングモータを減速させる際、前記ステッピングモータの駆動角速度が、前記負荷を定速回転状態から自然減速させた場合の前記負荷の角速度以下であり、かつ、前記ステッピングモータの定電圧動作領域内の角速度であるときに、前記ステッピングモータの加速のための電流値から減速のための電流値へ切り替えることを特徴とするモータ制御装置。
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