JP4078242B2 - 電気掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、集塵部の排出開口にフィルタが取り付けられた電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気掃除機として、図14に示すようなものが知られている。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
かかる電気掃除機100は、上部に排出開口102が形成されると共に周壁101Aに吸込開口103が形成されたダストカップ(集塵部)101と、このダストカップ101内を負圧にする電動送風機104等とを備えている。
【0004】
ダストカップ101は、排出開口102が電動送風機104の吸気口104Aに連通し、吸込開口103が塵埃を吸引する吸込口体105に吸気通路106を介して連通している。
【0005】
さらに、ダストカップ101の排出開口102には細塵を捕集するフィルタ107が取り付けられ、この排出開口102を覆っている。
【0006】
このような電気掃除機100では、吸込口体105から吸引された塵埃は吸気通路106を介してダストカップ101の吸込開口103からダストカップ101内に吸引される。このダストカップ101内では旋回流が発生して、塵埃と空気が分離され、空気のみがダストカップ101の排出開口102から電動送風機104の吸気口104Aに吸引されて外部へ排気される。
【0007】
このとき、空気と共に舞い上がった細塵等がフィルタ107に捕集されて、電動送風機104に吸い込まれないようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−104223号公報(段落38,45、図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような電気掃除機100では、フィルタ107はダストカップ101の排出開口102に気密に嵌合している状態で取り付けられている。
【0010】
そのため、使用初期段階では嵌合力が大きく働き、ダストカップ101に捕集された塵埃を捨てたりフィルタ107を洗浄したりする場合に、このフィルタ107の着脱を容易に行うことが困難であった。
【0011】
一方、長期間にわたって着脱を繰り返した場合では、次第に嵌合力が低下し、僅かな力であってもフィルタ107が外れやすくなるという問題も生じていた。
【0012】
この発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、集塵部の排出開口に取り付けたフィルタを容易に着脱することができると共に、長期間にわたって取付力(装着力)の低下を防止することができる電気掃除機を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の電気掃除機は、吸込開口及び排出開口を有する集塵部と、排出開口に連通した吸気口を有する電動送風機とが配設された掃除機本体を備えると共に、排出開口にフィルタが取り付けられ、フィルタの周縁部には、排出開口の周縁部に掛け止めされるクランプ手段と、排出開口の周縁部に係止される係止突起とが、互いに対向する位置に設けられると共に、この係止突起の先端部は集塵部側の角が除去されていることを特徴としている。
【0014】
この発明によれば、フィルタの周縁部に設けられたクランプ手段と係止突起とによって、このフィルタを排出開口に取り付けることができるので、容易に着脱することができると共に、長期間にわたって着脱を繰り返しても取付力(装着力)の低下が生じることを防止できる。
【0015】
また、クランプ手段と係止突起とを互いに対向する位置に設けたことにより、取付力の向上を図ることができ、さらに取付力の低下を防止することが可能となる。
【0016】
さらに、係止突起の先端部の集塵部側の角を除去したので、係止突起を排出開口の周縁部に容易に係止できると共に、外れにくくすることができる。そのため、フィルタを容易に取り付けることができ、且つ、取付力の向上を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1、図2において、1は電気掃除機の掃除機本体、2は掃除機本体1の本体ケース、3は本体ケース2の前側に配設された集塵部としてのダストカップ、4はダストカップ3の上方に配設されたカップ押さえ蓋である。5はカップ押さえ蓋4に設けられたホース接続筒部、5aはホース接続筒部5に開口したホース接続口(吸込口)である。
【0019】
また、図4において、6は本体ケース2の後部の送風機室2a内に配設された電動送風機である。この電動送風機6は、遠心ファン部7と、遠心ファン部7を駆動する電動部(モータ部)8とを有している。そして、電動部8により遠心ファン部7を作動させると、遠心ファン部7の吸気口7aからエアが吸い込まれるようになっている。しかも、この吸い込まれたエアは、電動部8内を流れて内部を冷却した後、電動部8の排気口8aから排気されるようになっている。
【0020】
さらに、ホース接続口5aには、図1に示したように、可撓性のある集塵ホース9の一端部が着脱可能に嵌合接続されている。この集塵ホース9の他端部には手元操作パイプ(手元操作管)10が一体に設けられている。
【0021】
この手元操作パイプ10には、延長パイプ(延長管)11を介して吸込口体12が接続されている。
【0022】
また、手元操作パイプ10には操作パネル13が設けられている。この操作パネル13には、「切」操作用のスイッチS1、「弱/中」操作用のスイッチS2、「強」操作用のスイッチS3が操作スイッチとして設けられている。
【0023】
<本体ケース2>
上述の本体ケース2は、後部に送風機室2aを有するセンターケース14と、この送風機室2aの両側に装着されたサイドケース15、15とを有している。このセンターケース14の後壁には図示しない排気口が形成され、サイドケース15、15には排気口15a、15aが形成されている。
【0024】
また、このセンターケース14の前側下部には送風機室2aの下端部から前側に突出するカップ載置部16が設けられ、このカップ載置部16には上方に開放するカップ配設用の凹部17が形成されている。
【0025】
この凹部17を形成する周壁18の内周面18aは図4に示したように上方に向かうに従って次第に開くように傾斜させられている。そして、この凹部17内には、図1〜図3、図5に示したようにダストカップ3の下端部が嵌合載置されている。
【0026】
カップ載置部16の前端部には突部16aが形成され、突部16aには図3、図4に示したように取手位置決凹部16bが形成され、取手位置決凹部16b内には図4に示したように係止段部16cが形成されている。
【0027】
また、送風機室2aは図4に示したように前側に開口している。この送風機室2aの前面には図4に示したように環状の内方フランジ19が形成され、この内方フランジ19の内周面には帯状の環状シール部材20が取り付けられている。この環状シール部材20は、内方フランジ19の前面(フィルタ当接面)19a側に突出するシールリップ部20aを有している。
【0028】
そして、この環状シール部材20内には格子状のフィルタ押さえ21が着脱可能に嵌着されている。このフィルタ押さえ21は、上端に向かうに従って後方に僅かに傾斜させられている。これにより、ダストカップ3を凹部17に嵌着しやすくなっている。なお、21aは、フィルタ押さえ21の格子間に形成される開口(連通口)である。
【0029】
また、送風機室2aの前端部内にはフィルタ押さえ21の後方に位置する格子状壁22が設けられ、この格子状壁22の後方には上述した送風機室2aが形成されている。このとき、送風機室2a内に配設された電動送風機6の吸気口7aが格子状壁22に対向している。なお、22aは、格子状壁22の格子間に形成される開口(連通口)である。
【0030】
そして、フィルタ押さえ21と格子状壁22との間にはフィルタ23が介装されている。さらに、内方フランジ19の前面19aの下側には、図3に示したように後述するプリーツフィルタ60が当接する突部(当接部)24が形成されている。
【0031】
<ダストカップ3>
集塵部としてのダストカップ3は、後端及び下端が開放すると共に、前部に開口が設けられた中空のカップ本体25と、カップ本体25の前側に一体に設けられた取手26とを有している。
【0032】
このカップ本体25の後端部には、図4に示したように外方に向かって拡大する段差部a1及びこの段差部a1から後方に延設された環状壁部b1を有している。環状壁部b1は、図5に示したように上壁25a、側壁25b、25cを有していると共に、側壁25b、25cの下端部を連続する下壁25dを有している。この下壁25dには、左右方向ほぼ中央部に位置すると共に、上下に貫通する係止孔33が形成されている。
【0033】
また、カップ本体25内は、内部に設けられた仕切壁27により上部及び後部側に位置する一連の負圧室28と、下部側に位置する集塵室(粗塵室)29とに区画されている。
【0034】
仕切壁27は、カップ本体25内の上下方向中間部に一体に設けられた天井壁(上壁)30と、天井壁30から下方に延在された後壁31とを有している。この後壁31と下壁25dとの間には細塵捕集用の塵捕集凹部32が形成されている。
【0035】
そして、図5に示したように天井壁30には負圧室28の上部と集塵室29とを連通させる上連通口(上排気風路)34が上連通路として設けられ、後壁31には負圧室28の後部と集塵室29とを連通させる後連通口(後排気風路)35が後連通路として設けられている。そして、上連通口34は粗塵フィルタとしてのネットフィルタ(一次フィルタ)36で閉成され、後連通口35は粗塵フィルタとしてのネットフィルタ(一次フィルタ)37で閉成されている。
【0036】
なお、このネットフィルタ36、37としては、110μm〜30μmのメッシュ状の樹脂繊維フィルタの表面にスパッタリングにより金属被膜層を形成したものが用いられていて、非常にゴミが付着しにくいように滑りやすくなっている。また、この金属被膜層に変えてネットフィルタの表面をテフロン(登録商標)加工やフッ素加工等を施して、ネットフィルタの表面に滑りやすい被膜層を形成してもよい。
【0037】
また、集塵室29の下端開口は図4に示したように底蓋38で閉成されている。この底蓋38は、後端部がヒンジJで下壁25dに回動可能に取り付けられており、集塵室29の下端開口を開閉可能にしている。なお、底蓋38は、前端部が係止爪を有する図示しない係止ロック手段により保持されている。この係止ロック手段は、取手26に設けられたロック解除ボタン39の操作に連動して、係止爪による底蓋38の係止を解除するようになっている。
【0038】
また、図4に示したようにカップ本体25の前側上部には吸込開口40が形成されている。また、カップ本体25の前側上部であって、吸込開口40よりもさらに上側には左右方向に延びる突部41が形成されている。
【0039】
そして、図2、図5〜図8に示したように、吸込開口40を閉成する前カバー42の上部には後方に延びるアーム部42aが一体に設けられ、図6に示すようにアーム部42aから突出する軸部42bが突部41に回動自在に保持されている。これにより前カバー42が上下に回動できるようになっている。
【0040】
この前カバー42には、この前カバー42が吸込開口40を閉成したとき、前方に突出する吸込筒部42cが一体に設けられている。この吸込筒部42cは、吸込開口40と同心で且つ吸込開口40より小径に形成されている。42dは吸込筒部42c内の吸込風路である。
【0041】
また、負圧室28内には、図5に示したようにビス43で後壁31に着脱可能に取り付けられた風路形成パイプ44が配設されている。この風路形成パイプ44は、前後に延びる前パイプ部44aと、前パイプ部44aの後端から側方且つ斜め下方に延びる横パイプ部44bとからL字状に形成されている(図6、図8参照)。
【0042】
そして、前パイプ部44aは、前方から後方に向かうに従って徐々に縮径するテーパ状に形成されている。この前パイプ部44aには直進慣性による塵埃分離部45が設けられている。
【0043】
この塵埃分離部45は、この前パイプ部44aに設けられた複数の連通口46と、複数の連通口46を閉成する筒状フィルタ(粗塵フィルタである一次フィルタ)47とを有している。この複数の連通口46は、前後に延び且つ周方向に間隔をおいて配列されている。また、筒状フィルタ47には、前パイプ部44aの内周面に固着された筒状のネットフィルタが用いられている。
【0044】
この筒状フィルタ47用のネットフィルタとしては、110μm〜30μmのメッシュ状の樹脂繊維フィルタの表面にスパッタリングにより金属被膜層を形成したものが用いられていて、非常にゴミが付着しにくいように滑りやすくなっている。なお、この金属被膜層に変えてネットフィルタの表面をテフロン(登録商標)加工やフッ素加工等を施して、ネットフィルタの表面に滑りやすい被膜層を形成してもよい。
【0045】
また、筒状フィルタ47の内側には、図4に示したように吸込開口40から連続する筒状風路48が形成されている。さらに、負圧室28の後端部には、図5に示したように環状壁部b1内に位置し且つ後方に開放する排気開口49が形成されている。
【0046】
そして、環状壁部b1の上壁25aには切欠50が形成され、側壁25b、25cにはそれぞれ切欠51、52が形成され、各切欠50〜52はリーク風路となっている。また、切欠50の前側には、図5、図6に示したように上方に開放する係止凹部53が形成されている。なお、係止凹部53は上壁25aの左右方向ほぼ中央部に位置すると共に、下壁25dに形成された係止孔33に対向して位置している(図6参照)。
【0047】
さらに、取手26の上端部には図2、図5〜図8示したように係止穴26a、26aが形成されている。
【0048】
<カップ押さえ蓋4>
このカップ押さえ蓋4は、図2、図3に示したように後端部がヒンジ54を介して上下回動可能に本体ケース2の上面に取り付けられている。なお、上述したホース接続筒部5内のホース接続口5aはカップ押さえ蓋4の前端部(自由端部)に設けられている。
【0049】
このホース接続筒部5には、ロック解除ボタン55、55と、このロック解除ボタン55、55を押すことで間隔が狭くなる方向に移動させられるロック爪56、56が設けられている。なお、上述したカップ載置部16に形成された凹部17にダストカップ3の下部を嵌合載置すると共に、ダストカップ3の取手26の下端部を取手位置決凹部16b内に嵌合させた状態で、カップ押さえ蓋4を水平状態に倒したときにロック爪56、56は下方を向くようになっている。この際、ロック爪56、56はダストカップ3の取手26に設けられた係止穴26a、26aに係止されるようになっている。
【0050】
また、カップ押さえ蓋4の前端部には、このカップ押さえ蓋4を水平状態に倒したときに下方を向く押圧突起57が設けられている。一方、取手26の下端部には図4に示すように係止爪58が設けられ、取手26内には下方に押圧されると係止爪58を前方に突出させる連動部材59が設けられている。なお、この連動部材59は、図示しないスプリングで上方にバネ付勢されている。
【0051】
そして、押圧突起57は、カップ押さえ蓋4を水平状態に倒したときに、取手26内に保持させた連動部材59の上端を下方に押圧して、図4の如く取手26の下端部に設けられた係止爪58を係止段部16c内に突出させ、係止爪58を係止段部16cに係止させる。これにより、ダストカップ3及びカップ押さえ蓋4が固定(ロック)するようになっている。
【0052】
そして、この固定状態において、ホース接続筒部5内のホース接続口5aが吸込筒部42c内の吸込風路42dに連通させられるようになっている。
【0053】
<細塵フィルタ(フィルタ)>
ダストカップ3の排気開口49には、粗塵捕捉用のネットフィルタ36、37及び筒状フィルタ(一次フィルタ)47によって捕捉することができなかった細塵を捕集するプリーツフィルタ60が、図4、図7に示したように細塵フィルタ(二次フィルタ)として着脱可能に嵌着されている。なお、この細塵フィルタとしては、細塵を捕捉できればプリーツフィルタ60以外のフィルタ、例えば非常に目の細かいマット状のフィルタや、多層フィルタ等であっても良い。
【0054】
このプリーツフィルタ60は、図7、図9、図10に示したように略方形であって筒状(環状)のフィルタ枠61と、フィルタ枠61内に設けられたフィルタ部62とを有している。
【0055】
フィルタ部62は、フィルタ用素材である繊維をマット状でプリーツ状(波形状)に成型することにより形成したものである。なお、このフィルタ部62は、図7、図10に示したように左右方向に交互に配列された多数の山部62a及び谷部62bを有している。各山部62a及び谷部62bの稜線は上下方向に延びており、これによりフィルタ部62に付着した塵埃は、下方に落下したときに細塵捕集用の塵捕集凹部32内に容易に捕集されるようになっている。
【0056】
また、筒状のフィルタ枠61の前端、後端及び前後方向中間部には、図9、図10に示したように外方に突出し且つ周縁に沿って環状に延びるフランジ63、64、65が突設されている。
【0057】
ここで、フランジ63とフランジ65とは互いに平行となっており、各フランジ63、65は下方に向かうに従って徐々に後方に傾斜させられている。また、フランジ64は下方に向かうに従って徐々に前方に傾斜させられている(図9参照)。なお、フランジ64の傾斜は、フィルタ押さえ21の内方フランジ19の前面19aの傾斜と一致させられている。
【0058】
さらに、フィルタ枠61の上面の左右方向中央部には、図12に示したように左右に間隔をおいた一対の取付壁66、66が上方に向かって突出形成されていると共に、取付壁66、66の中間に位置させたバネ受け突起67が一体に形成されている。この取付壁66、66の互いに反対側の側面には同一軸線を有する支持軸66a、66aが一体に形成されている。なお、取付壁66、66は前後方向に延びている。
【0059】
そして、この取付壁66、66上には板状のクランプレバー(クランプ手段)68が配設されている。このクランプレバー68の両側部には図12に示したように取付壁66、66に沿って下方に延びる側壁68a、68aが一体に設けられ、この側壁68a、68aに設けられた係合穴68b、68bに支持軸66a、66aが回動自在に嵌合されている。これにより、クランプレバー68は、支持軸66a、66aを中心に回動できるようになっている。
【0060】
また、クランプレバー68の後端部下面には、バネ受け突起67に対向するバネ受け突起69が一体に設けられている。そして、フィルタ枠61とクランプレバー68との間には、バネ受け突起67、69に両端が嵌合したコイルスプリング70が介装されている、このコイルスプリング70は、クランプレバー68の後部を上方に付勢することにより、クランプレバー68の前端に形成された爪部68cを下方に付勢している。
【0061】
このクランプレバー68は、図2、図11に示したように、プリーツフィルタ60をダストカップ25に装着した際に、爪部68cがコイルスプリング70のバネ力により切欠50の前側の係止凹部53に掛け止めするようになっている。これにより、プリーツフィルタ60の上端部がダストカップ25の上壁25aに保持されることとなる。なお、このクランプレバー68は、切欠50を閉成する形状に形成されている。
【0062】
さらに、フランジ65の下端部の左右方向中央部には、図9〜図11、図13に示したように下方に突出する係止突起71が一体に形成されている。この係止突起71の先端部は、プリーツフィルタ60をダストカップ25に装着した際に、このダストカップ25側となる前側の角が除去され、ここではR形状に形成されたガイド面71aが形成されている。このガイド面71aは、係止突起71をダストカップ25の下壁25dに設けた係止孔33に係合させる際に容易になるようにガイドさせることができる。なお、このガイド面71aは角が除去されていれば良いので、R形状に限らず、多面形状等であってもよい。
【0063】
また、クランプレバー68と、係止突起71とは互いに対向する位置に設けられ、プリーツフィルタ60をダストカップ25に装着した際に、プリーツフィルタ60の上下部分をそれぞれ係止できるようになっている。
【0064】
さらに、フランジ64には、係止突起71に対応して切欠64aが形成されている(図10参照)。
【0065】
そして、フランジ63、65間には図11、図13に示したように周方向に延びる環状溝72が形成され、環状溝72には断面形状がく字状に形成された環状の弾性力を有するシール部材73が嵌着されている。このシール部材73は、外方に向かって突出するように撓んでダストカップ25の環状壁部b1の内周面に弾接するシールリップ74を有している。
【0066】
なお、切欠50、51、52は、環状壁部b1のシールリップ74が当接するシール位置より後側、即ち環状壁部b1のシールリップ74によるシール位置とセンターケース14の内方フランジ19との間に形成されている(図8参照)。
【0067】
このシールリップ74は、係止突起71と対向する上端のリップ部74aが下端のリップ部74bより強く設定されていて、この上端のリップ部74aの撓み長t1は、係止突起71の突出長t2よりも大きくなっている。つまり、係止突起71と対向する上端のリップ部74aは、係止突起71の突出長t2よりも大きく撓んでいる。
【0068】
さらに、フィルタ枠61の両側部には、図2、図7に示したようにダストカップ3の切欠51、52に係合して、切欠51、52を閉成するツマミ突部75、76が一体に形成されている。
【0069】
[動 作]
次に、上記のように構成される電気掃除機の動作について説明する。
【0070】
この電気掃除機を使用するには、まず、ダストカップ3にプリーツフィルタ60を装着した後に、このダストカップ3を本体ケース2に装着する。さらにその後、カップ押さえ蓋4を水平状態に倒してロック爪56、56及び係止爪58によりダストカップ3及びカップ押さえ蓋4を固定する。
【0071】
そして、この状態で操作パネル13のスイッチS2又はスイッチS3をON操作する。これにより、電動送風機6が駆動される。そして、電動送風機6の遠心ファン部7はエアを吸気口7aから吸い込むことで負圧を発生させ、この負圧が本体ケース2の格子状壁22の開口(符号省略)、フィルタ23、格子状のフィルタ押さえ21の開口(符号省略)及びプリーツフィルタ60等を介して負圧室28作用する。
【0072】
この負圧が風路形成パイプ44の連通口46、筒状フィルタ47、筒状風路48、吸込風路42a、カップ押さえ蓋4の接続口5a、集塵ホース9、延長パイプ11を介して吸込口体12に作用し、吸込口体12からエア(空気)とともに塵埃が吸引される。
【0073】
この吸込口体12に吸い込まれた塵埃及びエアは、延長パイプ11、集塵ホース9、カップ押さえ蓋4の接続口5a、吸込風路42dを介して筒状フィルタ47内の筒状風路48内に吸引される。
【0074】
この筒状風路48に吸い込まれるエアには上述したように塵埃が含まれている。この塵埃のうち所定以上の質量のある塵埃は、前後方向に略直線状に延びる筒状風路48内に吸引されると、筒状風路48内に吸引して流入する際の慣性力により直進した後、横パイプ部44bを介して集塵室29の側方へ導入される。この際、エアの一部は風路形成パイプ44を介して集塵室29に吸引される。
【0075】
また、筒状風路48に吸引されたエアは、周縁部の一部が筒状フィルタ47を介して負圧室28内に吸引される。この際、筒状風路48に吸い込まれる塵埃のうち比較的軽い綿埃等は筒状フィルタ47に捕捉される。しかし、細塵は筒状フィルタ47を透過してエアと共に負圧室28内に流入する。
【0076】
このようにして、筒状風路48に吸い込まれる塵埃のうち所定以上の質量のある塵埃は直進慣性力によりエアの一部から慣性分離される。
【0077】
さらに、集塵室29内にエアと共に吸引された塵埃はエアから分離されて集塵室29内に底部側から堆積させられる。この塵埃が分離されたエアは、ネットフィルタ36及び上連通口34を介して負圧室28の上部に吸引される一方、ネットフィルタ37及び後連通口35を介して負圧室28の後方側下部内に吸引される。この際、塵埃の一部はネットフィルタ36、37に捕捉されるが、細塵はエアと共に負圧室28内に流入する。
【0078】
このようにして負圧室28に吸い込まれたエアは、電動送風機6から作用する負圧によりプリーツフィルタ60を透過する。この際、エアに含まれる細塵は、プリーツフィルタ60に捕捉された後、一部が落下させられて下方の塵捕集凹部32に捕集される。
【0079】
そして、プリーツフィルタ60を透過したエアは、格子状のフィルタ押さえ21の開口(符号省略)、フィルタ23、格子状壁22の開口(符号省略)を介して電動送風機6の吸気口7aを介して遠心ファン部7内に吸い込まれる。
【0080】
この吸い込まれたエアは、電動部8内を流れて内部を冷却した後、電動部8の排気口8aから排気される。そして、この排気は、センターケース14の後壁の図示しない排気口及びサイドケース15、15の排気口15a、15aを介して大気に排気される。
【0081】
また、このような作用において、筒状フィルタ47がある程度目詰まりすると、筒状フィルタ47内の筒状風路48内を流れるエアの大半が風路形成用パイプ44を介して集塵室29内に流入するので、筒状風路48内を流れるエアの流速が早くなり、筒状フィルタ47の内周面に付着した塵埃を剥離し、筒状フィルタ47の目詰まり状態が解消される。
【0082】
以下に、この発明の要部の作用について詳述する。
【0083】
(1)プリーツフィルタ60のダストカップ3への装着
プリーツフィルタ60をダストカップ3に装着するには、まず、ダストカップ3の係止突起71をダストカップ3の下壁25dに形成された係止孔33に挿入係合させる。
【0084】
そして、係止突起71が係止孔33に挿入して係止されたら、クランプレバー68をダストカップ3の上壁25aに形成された切欠50に掛け止めると共に、ツマミ突部75、76をダストカップ3の側壁25b、25cに形成された切欠51、52に挿入係合させる。
【0085】
この際、クランプレバー68の後部をコイルスプリング70のバネ力に抗して下方に押圧して、クランプレバー68の前端部の爪部68cを切欠50の前側の係止凹部53に臨ませる。そして、爪部68cと係止凹部53とが対向したらクランプレバー68の後部からの押圧力を解除し、クランプレバー68の爪部68cをコイルスプリング70のバネ力で係止凹部53に係合させる。これにより、プリーツフィルタ60の上端部がダストカップ25の上壁25aにクランプレバー68により掛け止め(クランプ保持)される。
【0086】
このように、プリーツフィルタ60は、その周縁部に設けられたクランプレバー68をダストカップ3の排気開口49の周縁部に掛け止めると共に、係止突起71を排気開口49の周縁部に係止させることにより、ダストカップ3の排気開口49に装着される。
【0087】
ここで、プリーツフィルタ60の係止突起71がダストカップ3の係止孔33に係合していない状態で、クランプレバー68をダストカップ3に掛け止めた場合を説明する。
【0088】
この場合、プリーツフィルタ60がダストカップ3の排気開口49に十分に嵌合せず、下部が外れ上部だけが保持されている状態となる。この状態でプリーツフィルタ60を排気開口49内に押し込む(押圧変位させる)と、係止突起71のガイド面71aがシールリップ74の上側のリップ部74aを押し上げて撓めながら、ダストカップ25の下壁25dの後端部に引っ掛かることなく下壁25dに乗り上げた後、係止突起71が係止孔33側に移動させられる。そして、係止突起71と係止孔33とが対向すると、シール部材73の弾性力により係止突起71が係止孔33内に挿入係合させられる。
【0089】
このように、プリーツフィルタ60は不完全な状態でダストカップ3に装着されていても、係止突起71のダストカップ3側の角が除去されているので、ダストカップ3の排気開口49内に押し込むことにより、係止突起71が排気開口29の下壁25dに引っ掛かることなく、ダストカップ3の所定の位置に装着することができる。そして、係止突起71を係止孔33に容易に係止させることが可能となる。
【0090】
(2)ダストカップ3の本体ケース2への装着
プリーツフィルタ60が装着されたダストカップ3を本体ケース2に装着するには、ダストカップ3の下端部をカップ載置部16の凹部17内に載置すると共に、ダストカップ3の取手26の下端部をカップ載置部16の突部16aに設けた取手位置決凹部16b内に挿入係合させる。そして、カップ押さえ蓋4を水平状態に倒して、ロック爪56、56をダストカップ3の取手26に設けられた係止穴26a、26aに係止させる。
【0091】
この際、プリーツフィルタ60がダストカップ3の排気開口49に十分に嵌合せず、下部が外れ上部だけが保持されている状態だった場合では、本体ケース2の内方フランジ19の下側に形成された突部(当接部)24が、フランジ64の切欠64aの部分から係止突起71の背面側に当接する。
【0092】
そして、この突部24が係止突起71の背面側に当接した状態でダストカップ3を凹部17内に載置すると、ダストカップ3の下端部は、凹部17を形成する周壁18の傾斜する内周面18aにガイドされた後、凹部17の所定位置内に載置される。
【0093】
このとき、プリーツフィルタ60は突起24によって排気開口49内に押し込まれる(押圧変位させられる)。そして、係止突起71のガイド面71aがシールリップ74の上側のリップ部74aを押し上げて撓めながら、ダストカップ25の下壁25dの後端部に引っ掛かることなく下壁25dに乗り上げた後、係止突起71が係止孔33側に移動させられる。そして、係止突起71と係止孔33とが対向すると、シール部材73の弾性力により係止突起71が係止孔33内に挿入係合させられる。
【0094】
このように、係止突起71は排気開口49の下壁25dに引っ掛かることなく所定位置である係止孔33内に位置し、係止突起71を係止孔33に容易に係止させることができる。
【0095】
そして、プリーツフィルタ60は、不完全な状態でダストカップ3に装着されていても、ダストカップ3を凹部17に載置する際に、本体ケース2に形成された当接部である突起24によってダストカップ3の所定の位置に装着されることになる。
【0096】
また、ダストカップ3が本体ケース2に装着されると、ダストカップ3の排気開口49と本体ケース2の後部に形成された送風機室2a内に配設された電動送風機6の吸気口7aとが連通する。
【0097】
ここで、ダストカップ3は、カップ載置部16の凹部17の内周面18aの傾斜と、カップ載置部16の前端部に形成された突部16aの取付位置決凹部16bと、カップ押さえ蓋4のロック爪56、56とによって、電動送風機6の吸気口7aに向かって押し付けられている。
【0098】
つまり、ここでは、カップ載置部16の凹部17の内周面18aの傾斜と、カップ載置部16の前端部に形成された突部16aの取付位置決凹部16bと、カップ押さえ蓋4のロック爪56、56とが掃除機本体1に設けられた押さえ手段となり、ダストカップ3が固定されている。
【0099】
これにより、ダストカップ3の排出開口49に装着されたプリーツフィルタ60が固定され、振動や風圧等によってがたつくことを防止できる。
【0100】
また、プリーツフィルタ60の周縁部に設けられたシール部材73の、係止突起71と対向する部分である上端のリップ部74aが、係止突起71の突出長t2よりも大きく撓んでいるので、係止突起71が係止孔33内に挿入嵌合しても、シール部材73の上端のリップ部74aをダストカップ3の排気開口49の周縁部に十分に密着させることができる。これにより、図11に示すようにプリーツフィルタ60をダストカップ25に装着した際に、係止突起71が係止孔33から抜け外れないようにしている。
【0101】
さらに、ここでは、プリーツフィルタ60は、フィルタ枠61のフランジ64が環状シール部材20のシールリップ部20aに弾接させられて、本体ケース2の内方フランジ19との間が気密にシールされている。
【0102】
(3)プリーツフィルタ60のダストカップ3からの取り外し
プリーツフィルタ60をダストカップ3から取り外すには、クランプレバー68の後部をコイルスプリング70のバネ力に抗して下方に押圧して、クランプレバー68の前端部を上方に回動移動させ、この状態でプリーツフィルタ60を後方に引っ張ることで、プリーツフィルタ60をダストカップ3から取り外すことができる。
【0103】
この際、プリーツフィルタ60の左右のツマミ突部75、76を掴んだ状態で、プリーツフィルタ60を後方に引っ張ることにより、プリーツフィルタ60を安定した状態でダストカップ3から取り外すことができる。
【0104】
そして、プリーツフィルタ60の上部をダストカップ3の排出開口49から外した後に、係止突起71を係止孔33から外すことによりプリーツフィルタ60をダストカップ3から取り外すことができる。
【0105】
このように、プリーツフィルタ60の周縁部に設けられたクランプレバー68と係止突起71とによって、このプリーツフィルタ60をダストカップ3の排出開口49に取り付けることができるので、プリーツフィルタ60を排出開口49内に大きな力で押し込んだり、引っ張ったりする必要がなくなり、着脱を容易に行うことができる。
【0106】
また、プリーツフィルタ60の周縁部に設けたシール部材73の弾性力によって排出開口49にプリーツフィルタ60を保持させることがないので、長期間にわたって着脱を繰り返しても取付力(装着力)の低下が生じることを防止できる。
【0107】
さらに、クランプレバー68と係止突起71とを互いに対向する位置に設けたことにより、プリーツフィルタ60の上下位置をだすとカップの排出開口49に係止させることができて、取付力の向上を図ることができる。そして、さらに取付力の低下を防止することが可能となる。
【0108】
【発明の効果】
この発明によれば、集塵部の排出開口に取り付けたフィルタを容易に着脱することができると共に、長期間にわたって取付力の低下を防止することができる電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電気掃除機の全体を示す斜視図である。
【図2】図1のカップ押さえ蓋を開いた状態の掃除機本体の斜視図である。
【図3】図2のダストカップを取り外した状態の掃除機本体の斜視図である。
【図4】図1におけるA1−A1線に沿う断面図である。
【図5】プリーツフィルタを取り外して斜め後方から見たダストカップの斜視図である。
【図6】図5のダストカップの平面図である。
【図7】図1、図2のダストカップを斜め後ろから見た斜視図である。
【図8】図7のダストカップの平面図である。
【図9】図7のプリーツフィルタの左側面図である。
【図10】図9のプリーツフィルタの底面図である。
【図11】図8におけるA2−A2線に沿う要部拡大断面図である。
【図12】図11におけるA3−A3線に沿う断面図である。
【図13】図11におけるプリーツフィルタのみを取り出した要部拡大断面図である。
【図14】従来の電気掃除機を示す断面図である。
【符号の説明】
1 掃除機本体
3 集塵部(ダストカップ)
6 電動送風機
7a 吸気口
40 吸込開口
49 排気開口
60 フィルタ(プリーツフィルタ)
68 クランプ手段(クランプレバー)
71 係止突起
Claims (4)
- 吸込開口及び排出開口を有する集塵部と、前記排出開口に連通した吸気口を有する電動送風機とが配設された掃除機本体を備えると共に、前記排出開口にフィルタが取り付けられた電気掃除機であって、
前記フィルタの周縁部には、前記排出開口の周縁部に掛け止めされるクランプ手段と、前記排出開口の周縁部に係止される係止突起とが、互いに対向する位置に設けられると共に、該係止突起の先端部は前記集塵部側の角が除去されていることを特徴とする電気掃除機。 - 請求項1に記載の電気掃除機であって、前記掃除機本体には、前記フィルタを装着した前記集塵部を前記掃除機本体の所定位置に位置させた際に、前記係止突起を所定位置に係止させる当接部を設けたことを特徴とする電気掃除機。
- 請求項1又は2に記載の電気掃除機であって、前記掃除機本体には、前記排出開口を前記吸気口に向かって押しつける押さえ手段を設けたことを特徴とする電気掃除機。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電気掃除機であって、前記フィルタの周縁部には外方に向かって撓む弾性力を有するシール部材が設けられ、該シール部材のうち少なくとも前記係止突起と対向する部分は、前記係止突起の突出長よりも大きく撓んでいることを特徴とする電気掃除機。
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